説明

洗濯乾燥機および洗濯機

【課題】洗濯物の偏りがあっても内槽の挙動を抑制して安定して脱水を行うことができる洗濯乾燥機および洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗濯乾燥機1は、の筐体1kと、筐体1k内に防振支持され洗濯水、すずぎ水を溜める外槽5と、洗濯物19が投入され外槽5内に回転自在に支持される内槽6と、内槽6を回転させるモータ10と、内槽6内の脱水後の水分を含んだ洗濯物19に温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機構20と、を備えている。外槽5と筐体1kとは、モータ10を回転させて脱水を行う場合に、外槽5が外方向に所定範囲以上大きく揺動するのを抑制する連結部材40によって連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯から乾燥までを行う洗濯乾燥機および衣類等の洗濯を行う洗濯機に関し、特に脱水運転時の振動を低減するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縦型の脱水洗濯機は、外枠と、外枠内に防振機構を介在し洗濯水を溜める外槽と、該外槽内に回転可能に設けられた内槽と、該内槽内の底部に回転可能に設けられた回転翼と、内槽および/または回転翼を選択的に回転駆動させる駆動機構と、外槽内に洗濯水を給水する給水機構と、外槽内の洗濯水を排水する排水機構と、外槽内の洗濯水の水位を検出する洗濯水位検出手段と、前記駆動機構、給水機構、排水機構等を制御する制御装置とを備えている。
洗濯乾燥機は、洗濯機に洗濯物を乾燥させる乾燥機能を加えた装置であり、外槽内の空気を内槽底部から吸い出して冷却除湿し、除湿した空気を加熱して内槽内に吹き込む乾燥空気循環系を付設した機構になっている。
【0003】
衣類を洗濯する際には、内槽内に衣類を入れて洗濯する。この洗濯後の衣類を短時間で乾燥させたるためには、干して乾燥させる前に、衣類から水分をできるだけ取り除く必要がある。そこで、内槽は、側面に多数の小さな孔が穿設されており、内槽を高速に回転させ、その孔から遠心力によって衣類の水分を内槽外に流出させる遠心脱水を行っている。
【0004】
遠心脱水を行うにあたり、内槽内に均等に衣類等の洗濯物を分散させることは困難である。つまり、洗濯物は、内槽内で不釣合いの状態で存在する。その状態で内槽を高速回転させると、洗濯物の重さ等により大きなアンバランスが発生する。内槽は、この内槽内に不釣合いの偏った状態で洗濯物があることにより、その偏った洗濯物の重さによって、内槽全体がアンバランスの状態で回転し、大きな振動を発する。
このような振動を低減するための手段としては、内槽の開口部外周部に流体バランサを取り付けた縦型の洗濯機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
流体バランサとは、内槽とほぼ同じ径の中空のリングであり、その中には比重のおおきな液体が封入されている。高速回転で内槽が回転しているときには、その液体が内槽内の洗濯物の不釣合い位置の反対側に集まり、この不釣合いを打ち消すように作用する。このように内槽内の洗濯物の不釣合いが低減され、振動が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−313235号公報(図1および図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の流体バランサ等の振動抑制装置を取り付けた洗濯機では、内槽が低速で回転する場合は、振動を低減せることができるが、内槽が高速回転になった場合には、洗濯物の不釣合いから挙動が大きく不安定な状態で振れ回り、内槽が外槽と接触して振動するという問題点があった。
【0008】
このような問題点を解消するために開発された洗濯機としては、回転している内槽が外槽に接触した場合に、内槽の回転を停止させて、脱水運転を強制的に自動停止させる自動停止装置を備えたものが知られている。
このような洗濯機では、脱水運転が強制的に停止されるので、洗濯物の脱水が一時的に行えなくなるため、スピーディに洗濯を行うことができないという問題点があった。
つまり、脱水運転起動時の洗濯物の偏りによる内槽がアンバランスに挙動した際には、アンバランス挙動のまま脱水起動を試みても、脱水運転がスムーズに開始されない。その結果、脱水工程に移行できず、運転不可能としてエラー表示をしてしまうという問題点があった。
この場合、喩え、脱水運転が再開されたとしても、脱水運転時に停止したり、脱水起動を試みる動作を行ったりしたことにより、脱水する時間が延長されて、脱水工程が終了する時間が遅くなるという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、前記従来技術の問題点を解消すべく創案されたものであり、洗濯物の偏りがあっても内槽の挙動を抑制して安定した状態で脱水を行うことができる洗濯乾燥機および洗濯機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる洗濯乾燥機は、洗濯機の筐体と、前記筐体内に防振支持され洗濯水、すずぎ水を溜める外槽と、前記外槽内に回転可能に設けられ、洗濯物を収容する内槽と、前記内槽を回転させるモータと、前記内槽内の脱水後の水分を含んだ洗濯物に温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機構と、を備えた洗濯乾燥機であって、前記外槽と前記筐体とは、前記モータを回転させて脱水を行う場合に、前記外槽が外方向に所定範囲以上大きく揺動するのを抑制する連結部材によって連結されている。
【0011】
第2の本発明に関わる洗濯機は、洗濯機の筐体と、前記筐体内に防振支持され洗濯水、すずぎ水を溜める外槽と、洗濯物が投入され前記外槽内に回転自在に支持される内槽と、前記内槽を回転させるモータと、を備える洗濯機であって、前記外槽と前記筐体とは、前記モータを回転させて脱水を行う場合に、前記外槽が外方向に所定範囲以上大きく揺動するのを抑制する連結部材によって連結されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、洗濯物の偏りがあっても内槽の挙動を抑制して安定して脱水を行うことができる洗濯乾燥機および洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に関わる実施形態の洗濯乾燥機を示す外観斜視図である。
【図2】実施形態の筐体および連結部材を斜め上方から見た一部断面を有する斜視図である。
【図3】実施形態の洗濯乾燥機の構造を示す図1のA−A線要部断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図2に示す連結部材の拡大図である。
【図6】図2に示す連結部材を斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図7】実施形態の連結部材の拡大分解斜視図である。
【図8】(a)は、実施形態の連結部材の固定具を筐体の側面板に取り付けるときの状態を示す要部拡大分解断面図であり、(b)は、図5のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の洗濯乾燥機1を示す外観斜視図であり、図2は、洗濯乾燥機1の構造を示す図1のA−A線要部断面図である。
この発明の洗濯乾燥機1は、少なくとも脱水機能を備えた洗濯機であれば適応可能であるが、以下、電熱ヒータHp(図3参照)や電動送風機23等の乾燥機構20を備えた縦型洗濯乾燥機を例に挙げて説明する。
【0015】
<洗濯乾燥機1の外装および筐体1k>
図1に示す実施形態の洗濯乾燥機1の外装は、鋼板で形成された側面板2a,2bと、合成樹脂で形成された下ベース2cと、合成樹脂で形成されたトップカバー3とで筐体1kが形成されている。
換言すると、筐体1kは、略角筒状に形成された側面板2a,2bと、この側面板2a,2bの下側開口端を閉塞するように設置された下ベース2cと、側面板2a,2bの上側開口端部の周縁部に設置されたトップカバー3と、をボックス状に組み立ててなる。
【0016】
図2〜図4に示すように、筐体1kと後記する外槽5とは、洗濯脱水駆動装置10(モータ)を回転させて脱水を行う場合に、外槽5が外方向に所定範囲(脱水運転初期のアンバランス挙動範囲)以上大きく揺動するのを抑制する制振ワイヤ41を備えた連結部材40によって連結されている。
さらに、図4に示すように、平面視して四角形の筐体1kの各内壁面1k1には、外槽5の開口周辺部に対向する位置に、外槽5が外方向に所定範囲以上揺動するのを抑制する抑止部材50(ダンパ51,52,53,54)がそれぞれ設けられている。
【0017】
<抑止部材50(ダンパ51〜54)>
図4に示すように、筐体1kには、外槽5の上端部が対向する4つの各内壁面1k1の中央部にそれぞれウレタン製のダンパ51〜54が設置されている。
ダンパ51,52は、例えば、前側および左側の内壁面1k1にそれぞれ接着され、厚さが5mm程度の矩形のものからなる。このダンパ51,52は、後側および右側のダンパ53,54よりも厚さが薄くなっている。
ダンパ53,54は、例えば、後側および右側の内壁面1k1に取り付けられ、厚さが15mm程度の矩形のものからなる。
なお、外槽5の開口部外側と筐体1kとの間であって、前側のダンパ51と右側のダンパ54との間には、外槽5が所定範囲以上横方向に揺動したことを検出する振動検知センサSが設置されている。その振動検知センサSが配置された位置の下方の外槽5の底面周辺部に対向する位置には、連結部材40(制振ワイヤ41)が配置されている。
なお、連結部材40の構造については、後で詳述する。
【0018】
<振動検知センサS>
図3に示すように、その振動検知センサSは、外槽5が所定範囲以上横方向に揺動したときに当接する検知レバーS1と、検知レバーS1が外槽5によって当接して回動したことを検出する検出スイッチS2と、検出スイッチS2の検出信号(ON信号)が送信されるマイコン(図示せず)とを備えて構成されている。
検知レバーS1は、中央部の支軸を中心として揺動可能に支持され、一端部が大きく揺動したときの外槽5に当接する位置に配置され、他端部がそのときに検出スイッチS2をON状態にさせるようになっている。
検出スイッチS2は、その検知レバーS1に押圧されてONするスイッチであればよく、その形式等は特に限定されない。検出スイッチS2は、例えば、板ばねからなる可動接点板を有するスイッチである。
マイコンは、外槽5の振動の変動を監視する監視装置等の機能を備えている。
【0019】
<側面板2a,2b>
図2に示すように、側面板2a,2bは、洗濯乾燥機1の本体を形成するパネル部材であり、プレス機によって薄い鋼板を折曲形成してなる2枚の薄板部材を平面視して略ロ字状に組み付けてなる。
【0020】
図2に示すように、側面板2aは、左右側面および背面を形成する平面視で略コ字状の形成された外枠状のサイドパネル部材であり、左右前端部を互いに内側方向にL字状に折曲したフレーム部2a1,2a2を左右対称な位置に備えている。
フレーム部2a1,2a2は、上下方向に長く略帯状に延在する部位であって、前側の側面板2aが重なった状態に連結される重ね代状の部位である。フレーム部2a1,2a2には、先端部近傍に段差状に傾斜して形成されたストッパ2a2,2b2が上下方向に向けて延設されて、補強されている。正面右側のフレーム部2a1の下部には、後記する外槽5と筐体1kとを連結する連結部材40の筐体固定具42が第1締結部材B1によって固定されている(図5および図6参照)。
【0021】
前側の側面板2bは、略平板状の形成されたフロントパネル部材であり、筐体1kの前面部を形成するように設置されている。
【0022】
<トップカバー3>
図3に示すトップカバー3は、中央部に衣類等の洗濯物出入れ口3aを有しており、この洗濯物出入れ口3aを開閉するための外蓋体4が設けられている。なお、図3では、実線で外蓋体4の閉状態を示し、二点鎖線で外蓋体4の開状態を示している。
洗濯物出入れ口3aが形成されるトップカバー3は、必要に応じて、複数の部材を組み合わせて構成され、洗濯乾燥機1の上部を覆うように嵌め込んで取り付けネジによって側枠(図示せず)に固定される。
トップカバー3に形成した洗濯物出入れ口3aは、基部ヒンジh1(図1参照)によりトップカバー3に回転自在に取り付けた外蓋体4によって、開閉自在に構成されている。
【0023】
図3に示すように、トップカバー3における外蓋体4の当接面3bの左側の前縁部分には、粉末洗剤を投入する粉末洗剤投入箱3dが形成されている。粉末洗剤投入箱3dの底面は、投入された粉末洗剤が洗剤投入口13に円滑に流下するように形成されている。
図1に示すように、トップカバー3の前側に配置されるスイッチ実装面3cには、電源をオン・オフするための押しボタン式の電源スイッチSW1と、外蓋体4を開閉操作するための外蓋開閉指示スイッチSW2と、洗剤量検出指示スイッチSW3とが実装されている。
【0024】
<外蓋体4>
図3に示す洗濯物出入れ口3aを開閉する外蓋体4は、合成樹脂で形成され、トップカバー3の洗濯物出入れ口3aを開閉自在とするように基部ヒンジh1に回転自在(図の矢印α1、α2方向)に設けられる後蓋部4b(図1参照)と、後蓋部4bの前縁に中間ヒンジh2(図1参照)によって屈伸自在に連結された前蓋部4aとを有している。
外蓋体4は、電動または手動で、洗濯物出入れ口3aの開閉動作が行われる。
【0025】
図1に示す外蓋体4の前蓋部4aには、外蓋体4を手動開閉する際にユーザが指先を挿し入れるように前蓋部4aの後端部を凹ませて形成される取っ手部4a2と、該取っ手部4a2の開口を塞ぐようにネジリバネ等で回転可能に弾性支持される取っ手蓋部4a1と、この取っ手蓋部4a1の手前側に連なって洗濯乾燥機1を操作・動作表示するための操作表示パネル部4a3とが設けられている。
なお、図2においては、取っ手蓋部4a1、取っ手部4a2、操作表示パネル部4a3の構成は省略して示している。
【0026】
操作表示パネル部4a3は、図1に示すように、外蓋体4の前蓋部4aの上面に配置され、主として該外蓋体4を閉じた状態で操作される操作ボタンbuと洗濯乾燥機1の動作状態を表示する表示パネルPとが、パネル制御回路基板(図示せず)に接続され設けられている。パネル制御回路基板は、図示しない主制御基板、電力用制御基板等にバスラインで接続されている。
【0027】
<外蓋体4の開閉>
図1に示す外蓋体4を、電動で開閉駆動する電動開閉駆動機構は、後蓋部4bを、基部ヒンジh1(図3参照)を支点にして開閉駆動電動機で駆動して起伏動作(図3の矢印α1、α2参照)させるとともに、前蓋部4aを中間ヒンジh2(図3参照)廻りに従動させて、前蓋部4a、後蓋部4bを折り畳んだ開状態(図2の二点鎖線参照)と、前蓋部4a、後蓋部4bを広げて平坦にした閉状態(図3の実線参照)との開閉動作を行っている。
【0028】
或いは、この構成に代えて、中間ヒンジh2(図3参照)の位置において後蓋部4bと前蓋部4aが、開/閉状態とするように開閉駆動電動機で屈伸駆動することによって開閉動作するように構成してもよい。
この外蓋体4の開/閉制御のために、外蓋体4の全開/全閉状態を検出するための外蓋全開検出センサ、外蓋全閉検出センサ(図示せず)が設けられている。
【0029】
一方、ユーザが外蓋体4を手動で開閉動作する際には、ユーザが取っ手蓋部4a1を指先で押圧することによって、取っ手蓋部4a1が後退転動して指先を取っ手部4a2内に挿入して取っ手部4a2をつかみ、外蓋体4の前蓋部4aを上げ下げすることで、外蓋体4の開閉が行われる。
外蓋体4を開閉駆動する電動開閉駆動機構は、ユーザが手で外蓋体4を開閉駆動操作するときに大きな機械的負荷抵抗とならないように、開閉駆動電動機の形態を考慮したり、動力伝達系にクラッチ機構を介在させたりすることが望ましい。
【0030】
<外槽5>
図3に示すように、洗濯乾燥機1の筐体1k内には、洗濯水を溜める外槽5が、筐体1kの上端四隅部に設けた隅板に係止し垂下させた4本の吊り部材(図示せず)で支持され、洗濯乾燥機1内の中心部に縦向きに配置されている。
吊り部材は、ばね等の弾性材と空気など流体の粘性による減衰機構を有する防振機構を備えている。この防振機構を介して、外槽5が、防振支持され、脱水運転起動時等の振れ回り運動が抑制されている。
【0031】
外槽5は、軸方向に長い有底円筒形状に、合成樹脂で形成されている。外槽5は、その下部5cの側壁に水位検出のためのエアトラップ5aが形成され、エアチューブc1を介して水位検出手段である感圧式の水位検出センサc2に接続され、その底部には排水兼排気口5bが設けられている。また、外槽5の底部の外側には、鋼板製の取り付けベース18を介して洗濯脱水駆動装置10(モータ)が取り付けられている。
また、外槽5の下部5cには、連結部材40の外槽固定具43が第3締結部材B3によって固定される受座5dが形成されている(図6参照)。
外槽5内には、衣類等の洗濯物19が投入され、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥が行われる内槽6が回転自在に同心的に設けられている。
【0032】
<外槽上カバー9>
図3に示すように、内槽6が収容された外槽5の上側開口端には、外槽5と内槽6の間の間隙を覆うべく、内側衣類投入口9aを備えた外槽上カバー9が取り付けられている。
外槽上カバー9の内側衣類投入口9aは、図示しない内蓋によって開閉自在に覆われるが、ここでは内蓋の説明は省略する。
【0033】
外槽上カバー9には、内槽6内に向けて開口され洗濯工程時に循環される水を内槽6内に散水する散水口11と、乾燥工程時に乾燥用の空気を内槽6内に噴出する噴気口12とが取り付けられる。また、外槽上カバー9には、内槽6と外槽5の間の間隙に向けて開口する態様で、洗剤投入口13と給水口14とが取り付けられる。洗剤投入口13は、粉末洗剤投入箱3dに連通している。
【0034】
<内槽6>
外槽5内に配置される内槽6は、洗濯兼脱水槽であり、ステンレス鋼板を用いて、軸方向に長い有底円筒形状に形成されている。
内槽6の周壁には、通水および通風のための小穴6aが形成され、その上縁部に、高速回転の脱水工程時に洗濯物19の偏りと反対方向に流体が移動して洗濯物19の偏りによる振動を抑制する流体バランサ6bを備えている。内槽6は、脱水工程時には高速で回転して、洗濯物19に含まれる水分を遠心力により洗濯物19から分離して脱水孔から排出する遠心脱水が行なわれる。
【0035】
内槽6内の内底面部の中央には、洗濯物19を上下動、攪拌等して洗濯、すすぎ等を行う回転翼30が回転自在に設けられている。回転翼30は、洗濯脱水駆動装置10によって回転駆動され、正転/逆転を繰り返して洗濯、すすぎ等を行う。また、乾燥運転でも回転翼30は、正転/逆転を繰り返して乾燥が行なわれる。
【0036】
<洗濯脱水駆動装置10>
洗濯脱水駆動装置10(モータ)は、可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機、インバータ駆動電動機等を使用した駆動電動機と電磁操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、駆動電動機と電磁操作クラッチ機構を制御することによって、内槽6を静止させた状態で回転翼30を繰り返し正逆(往復)回転させる撹拌駆動モードと、内槽6と回転翼30を一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードとを選択的に実行する駆動機能を有する。
【0037】
<洗濯工程時の洗濯水の循環>
次に、洗濯工程時に洗濯水を内槽6から排出して再び給水して循環する構成について説明する。
図3に示す外槽5の排水兼排気口5bは、蛇腹管j2と内部配管k1を介して排水電磁弁16の入水口と電動循環ポンプP1の入水口に接続している。
この排水電磁弁16と電動循環ポンプP1は、筐体1k内の強度部材(図示せず)に取り付けられ、排水電磁弁16の出水口は、外部排水ホース17に接続される。電動循環ポンプP1の出水口は、内部配管k2と蛇腹管j3と糸屑フィルタf1が着脱可能に設置される内部配管k3を介して散水口11に接続する。
【0038】
これらの排水兼排気口5bと蛇腹管j2と内部配管k1と電動循環ポンプP1と内部配管k2、k3と蛇腹管j3と散水口11とで、洗濯水循環機構を構成している。
この洗濯水の循環が行われる洗濯工程においては、洗濯物19に含まれる洗濯水に加え、最低水位(回転翼30が沈む程度から内槽6の内底面から1/2の高さ寸法の水位)の洗濯水が付与され、洗濯が行われる。
【0039】
<乾燥機構の構成>
筐体1k内の後側部には、乾燥工程において洗濯物19から吸湿した水分を含む空気を、水冷除湿板22の外面上を流れる冷却水で冷却して除湿するための水冷除湿機構20が設置されている。
水冷除湿機構20の基本的な構成は、乾燥工程における外槽5内の湿潤した空気を排水兼排気口5bから吸い出し、水冷除湿板22の外面上を流れる冷却水で水冷除湿して絶対湿度を低下させた後に加熱し、内槽6内にその上方から吹き込む乾燥空気循環系を構成している。
【0040】
水冷除湿機構20は、排水兼排気口5bから、蛇腹管j4を介して、接続された乾燥用空気の通風路である水冷除湿風路21を備える。
この水冷除湿風路21内に水冷除湿板22が設置されるとともに、乾燥用空気に含まれる糸屑を除去する糸屑フィルタf2と、乾燥用空気を送風するための電動送風機23と、除湿後の乾燥用空気を加熱するための電熱ヒータHpとが設けられる。
【0041】
具体的には、水冷除湿風路21は、排水兼排気口5bを入口として、蛇腹管j4から上方に向けて伸びるように上昇風路21aが設けられ、上昇風路21a内に水冷除湿板22が設置される。そして、上昇風路21aの上端部から折り返して下方に向けて伸びる下降風路(図示せず)を設け、この折り返し部に糸屑フィルタf2が着脱可能に設置される。下降風路内には該下降風路内を流れる空気の湿度に感応する湿度センサ(図示せず)が設置される。この下降風路の下端部に電動送風機23の吸気口が接続され、この電動送風機23の排気口から上方に向けて伸びる上昇風路(図示せず)が設けられる。
上昇風路の先は、空気加熱管k4と蛇腹管j5を介して前記の噴気口12に接続される。空気加熱管k4内には、乾燥工程時の乾燥用の循環空気を加熱するPTCヒータ等の電熱ヒータHpが内装される。
【0042】
<連結部材40>
次に、図5〜図8を主に参照しながら連結部材40の構成について、詳細に説明する。
図5は、図2に示す連結部材の拡大図である。図6は、図2に示す連結部材を斜め上方から見た拡大斜視図である。図7は、実施形態の連結部材の拡大分解斜視図である。図8(a)は、実施形態の連結部材の固定具を筐体の側面板に取り付けるときの状態を示す要部拡大分解断面図であり、図8(b)は、図5のC−C線断面図である。
【0043】
図5および図6に示すように、前記した連結部材40は、脱水時に、外槽5が外方向に所定範囲(脱水運転初期のアンバランス挙動範囲)以上大きく揺動(振動)するのを抑制するために、外槽5と筐体1kとを連結するものである。
図7に示すように、連結部材40は、それぞれ後記する制振ワイヤ41と、制振ワイヤ41の筐体1k側に連結される筐体固定具42と、制振ワイヤ41の外槽5側に連結される外槽固定具43と、筐体固定具42を筐体1kに固定するための第1締結部材B1と、制振ワイヤ41を筐体固定具42に固定するための第2締結部材B2と、外槽固定具43を外槽5に固定するための第3締結部材B3と、を備えて構成されている。
【0044】
<制振ワイヤ41>
前記制振ワイヤ41は、平常の状態のときに、外槽5と筐体1kと弛んだ状態で連結して、外槽5が制振ワイヤ41の配置位置とは反対側の外方向へ所定範囲以上大きく揺動した際に(図4の仮想線で示す外槽5の状態)、ピンと張った状態になって、外槽5が大きく揺れ回るのを抑制する1本の線状部材である。制振ワイヤ41は、両端部にそれぞれ形成された環状の輪部41a,41bと、この輪部41a,41bより制振ワイヤ41の中央側寄りの位置に隣設された緩衝部材44,44と、を有している。制振ワイヤ41の材質は、例えば、樹脂、繊維、ステンレス鋼等からなり、外槽5の振れを抑制する荷重が負荷されたときに、伸びない材質のものが好ましい。
【0045】
図7に示すように、輪部41a,41bは、制振ワイヤ41の両端部を、輪を描くように円く曲げて結んでリング状にしたものである。筐体固定具42側の輪部41aは、筐体固定具42の筒部42dに遊嵌されて、座金B2a,B2bを介して第2締結部材B2によって、固定具本体42aの基部42hと座金B2aとの間の筒部42dに、ガタツキがある状態に連結される。
図6に示すように、外槽固定具43側の輪部41bは、外槽固定具43のカラー部43aに遊嵌されて、フランジ部43bおよび座金B3aを介して第3締結部材B3によって、外槽5の下部5cの受座5dとフランジ部43bとの間のカラー部43aに、ガタツキがある状態に連結される。
緩衝部材44,44は、例えば、制振ワイヤ41に装着されたエラストマ等の弾性部材からなる。緩衝部材44,44は、円柱形状部44aと、円柱形状部44aから制振ワイヤ41の中央側に向って段々に小径になるように形成されて弾性を備えた小径部44bと、を一体形成してなる。
【0046】
<筐体固定具42>
図7に示すように、前記筐体固定具42は、それぞれ後記する固定具本体42aと、一方側支持部42bと、他方側支持部42cと、筒部42dと、リブ42eと、規制部42fと、補強用凸部42gと、基部42hと、段差部42i(図6参照)と、ねじ穴42j,42k(図8(a)、(b)参照)と、係合部42mと、を有する樹脂製の部材である。筐体固定具42には、制振ワイヤ41の一端の輪部41aが取り付けられている。筐体固定具42は、この筐体固定具42に形成されたねじ穴42jに、筐体1kの貫通孔2a3(図8(b)参照)に挿通した第1締結部材B1を螺着することによって、フレーム部2a1に固定される。
【0047】
固定具本体42aは、筐体固定具42の本体を形成する部位であり、正面視して四角形のリング状に形成されている。図8(a)、(b)に示すように、固定具本体42aは、この筐体固定具42を装着する筐体1kの一部を形成するフレーム部2a1の端部2a4が入り込むようにするために、平面視して、フレーム部2a1の略厚さ分の高さだけ段差状に折り曲げた段差部41iを有し、略コ字状に形成されている。
【0048】
一方側支持部42bは、筐体固定具42をフレーム部2a1の端部2a4に装着した際に、フレーム部2a1の端部2a4の一方の面が当接する部位であり、環状の固定具本体42aの一部である。
他方側支持部42cは、筐体固定具42をフレーム部2a1の端部2a4に装着した際に、フレーム部2a1の端部2a4の他方の面が当接する部位である。他方側支持部42cは、基部42hからリング状の固定具本体42aの中側に向けて突設されるとともに、中央部にねじ穴42jを有することにより、断面視して凹部状に形成されている。
【0049】
図8(b)に示すように、筒部42dは、この筒部42dの外周部側に、制振ワイヤ41の一端の輪部41aが遊嵌されるとともに、中心部側に、第2締結部材B2が螺合されるねじ穴42kが形成されている。筒部42dは、基部42hの中央部に一体形成された有底円筒状の部位である。
図7に示すように、リブ42eは、凹部状の筒部42dの外側壁と、凹部状の他方側支持部42cの外側壁と、基部42hとを連結した平板状の部位である。
【0050】
図8(a)、(b)に示すように、規制部42fは、筐体固定具42をフレーム部2a1の端部2a4に装着した際に、フレーム部2a1の端部2a4の近傍に段差状に折曲形成されたストッパ2a2に当接する位置決め部位である。この規制部42fがストッパ2a2に当接することにより、筐体固定具42がフレーム部2a1の所定位置まで係合して、ねじ穴42jと貫通孔2a3とが一致するように位置決めされる。
【0051】
図5および図6に示すように、補強用凸部42gは、段面視して山状に形成されると共に、固定具本体42aの背面に沿って環状(略C字状)に延設された補強用の厚肉部分である。
図7に示すように、前記基部42hは、略ロ字形状の固定具本体42aの筒部42dがある側の辺を形成する部位であり、筒部42dを中心として上下方向に向けて延設されている。
図8(b)に示すように、段差部42iは、リング状の固定具本体42aにおいて、前記基部42hの上下端部と一方側支持部42bとの間に形成された段差状の部位である。
ねじ穴42j,42kは、第1締結部材B1および第2締結部材B2が螺着される部位であり、他方側支持部42cおよび筒部42dに形成されている。
図8(a)、(b)に示すように、係合部42mは、筐体固定具42をフレーム部2a1の端部2a4に装着した際に、他方側支持部42c側に斜めに折曲された端部2a4が係合する部位である。係合部42mは、他方側支持部42cと筒部42dとの間に形成されている。
【0052】
<第1締結部材B1、第2締結部材B2および第3締結部材B3>
図7に示すように、第1締結部材B1、第2締結部材B2および第3締結部材B3は、例えば、座金付きのねじからなる。なお、第1締結部材B1、第2締結部材B2および第3締結部材B3は、制振ワイヤ41を筒部42dおよび外槽固定具43に脱落しないように保持できる部材であればよく、その種類等は特に限定されない。
座金B2aは、筒部42dに遊嵌した制振ワイヤ41の輪部41aが筒部42dから離脱するのを阻止するための部材であり、筒部42dの外径および制振ワイヤ41の輪部41aの径より大きな外径を有する平座金からなる。
【0053】
[連結部材40の取り付け方およびその作用]
連結部材40を洗濯乾燥機1に取り付けるときは、まず、制振ワイヤ41の一方の輪部41aを筐体固定具42の筒部42dに遊嵌させて、筒部42dの開口部に座金B2a,B2bを介在して第2締結部材B2を螺着させ、制振ワイヤ41を筐体固定具42に取り付ける。
【0054】
次に、図8(a)、(b)に示すように、筐体固定具42を筐体1kのフレーム部2a1の端部2a4に係合させるように嵌め込む。すると、筐体固定具42は、一方側支持部42bと他方側支持部42cとの間でフレーム部2a1の表裏を挟み、フレーム部2a1の端部2a4が係合部42mに係合し、ストッパ2a2に規制部42fが当接することによって、ねじ穴42jが貫通孔2a3と一致する所で自ずと停止する。
【0055】
このため、筐体固定具42のねじ穴42jを貫通孔2a3に一致させる位置合わせを容易に行うことができる。また、フレーム部2a1と重なり合う一方側支持部42bと他方側支持部42cとは、一方側支持部42bの背面に補強用凸部42gが形成されていることによって強度があるとともに、他方側支持部42cにリブ42e(図7参照)が形成されていることにより強度がある。このため、筐体固定具42は、一方側支持部42bと他方側支持部42cとによってフレーム部2a1の表裏をしっかりと挟持することができる。
さらに、筐体固定具42は、第1締結部材B1をフレーム部2a1の貫通孔2a3を貫通してねじ穴42jの螺着することによって、しっかりとフレーム部2a1に固定することができる。
【0056】
次に、図6に示すように、外槽固定具43のカラー部43aを制振ワイヤ41の輪部41bに挿入する。その外槽固定具43に第3締結部材B3を挿入して第3締結部材B3を外槽5の下部5cの受座5dに螺着させることによって、連結部材40の他方側を外槽5に固定する。これにより、連結部材40を筐体1kと外槽5とに連結させる作業が終了する。
なお、図面では、制振ワイヤ41は、ピンと張った状態のときを示しているが、平常時の場合、弛んでいる状態に設けられている。また、制振ワイヤ41の両端の輪部41a,41bは、筐体固定具42および外槽固定部43に揺れ動くガタついた状態に設けられていることによって、長期にわたって外槽43が振動しても破断しないように取り付けられている。
【0057】
[制振ワイヤ41の作用]
次に、図4を主に参照しながら制振ワイヤ41の作用を説明する。
洗濯脱水駆動装置10(モータ)を高速に回転させて遠心脱水を行う場合、内槽6内では、洗濯物19が不均一の状態で存在する。その状態で内槽6を高速回転させると、洗濯物19の重さ等により、大きなアンバランスを発生する。内槽6は、この内槽6内に不釣合いの偏った状態で洗濯物19があることにより、その偏った洗濯物19の重さによって、図4の仮想線で示すように内槽6全体がアンバランスの状態で回転し、大きな振動を発する。内槽6は、振動を低減させる流体バランサ6bが設置されているが、高速回転で内槽6が回転しているときは、洗濯物19が水を含んで重く遠心力が大きくなっているので、洗濯物19が不釣合いで内槽6の壁面に張り付いた状態になっている。このため、振動が大きくなり、外槽5を含む槽全体の挙動が不安定になる。
【0058】
洗濯物19の量が多い場合には、さらに遠心力が大きくなり、図4に仮想線で示すように、外槽5が前後左右方向に振動する。このとき、外槽5の上部は、ダンパ51〜54に当接することによって、横揺れが規制される。
図3に示すように、外槽5は、側面視して重心Cより高さH低い位置にある支点Dを中心として振れ回る。
【0059】
図4に示すように、その外槽5が左方向および後方向へ大きく振れ回る際には、制振ワイヤ41がピンと張った状態になって、脱水運転初期のアンバランスな挙動範囲以上に外槽5が大きく振れ回ることが抑制される。つまり、制振ワイヤ41を洗濯脱水する内槽6の外側にある外槽5と筐体1kとを連結させたことによって、内槽6内の洗濯物19の偏りによる脱水運転初期のアンバランス挙動を抑制することができる。
【0060】
これにより、振動検知センサSが働いて、脱水運転が一時的に停止された場合であっても、脱水運転起動時の洗濯物19の偏りによるアンバランスな挙動によって、脱水運転が開始されなくなることを解消して、常に、スムーズに脱水運転起動させることが可能な状態となる。
つまり、マイコン制御によって、アンバランスな挙動のまま脱水起動を試みた場合には、脱水運転が可能な状態になる。
【0061】
このように、1本の制振ワイヤ41を外槽5の下部5cの正面右側よりに配置して、筐体1kに外槽5を連結したことにより、簡素な構造で効果的に外槽5の振動を抑制することができる。また、その制振ワイヤ41は、簡易的な組付け構造であるため、メンテナンス性にも優れている。
【0062】
<変形例>
なお、前記実施形態では、洗濯乾燥を行う洗濯乾燥機1を例示して説明したが、前記した乾燥機能を備えていない洗濯機においても、本発明は有効に適用可能であることは勿論である。
【0063】
また、前記実施形態では、1本の制振ワイヤ41(連結部材40)を外槽5と筐体1kとに連結した場合を説明したが、これに限定されるものではなく、制振ワイヤ41(連結部材40)を外槽5と筐体1kとの間の適宜な位置に複数本取り付けても構わない。
つまり、制振ワイヤ41(連結部材40)を上下等に設けたり,上下左右等の対称な位置に設けたりして、適宜に変更しても構わない。
【符号の説明】
【0064】
1 洗濯乾燥機(洗濯機)
1k 筐体
1k1 内壁面
2a,2b 側面板
2a1 フレーム部
2a2 ストッパ
2a3 貫通孔
5 外槽
6 内槽
10 洗濯脱水駆動装置(モータ)
19 洗濯物
20 水冷除湿機構(乾燥機構)
40 連結部材
41 制振ワイヤ
41a,41b 輪部
42 筐体固定具(固定具)
42a 固定具本体
42b 一方側支持部
42c 他方側支持部
42d 筒部
42e リブ
42g 補強用凸部
43 外槽固定具(固定具)
44 緩衝部材
50 抑止部材
51,52,53,54 ダンパ
B1 第1締結部材
B2 第2締結部材
B3 第3締結部材
S 振動検知センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯乾燥機の筐体と、
前記筐体内に防振支持されて洗濯水、すずぎ水を溜める外槽と、
洗濯物が投入されて前記外槽内に回転自在に支持される内槽と、
前記内槽を回転させるモータと、
前記内槽内の脱水後の水分を含んだ洗濯物に温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機構と、
を備えた洗濯乾燥機であって、
前記モータを回転させて脱水を行う場合に、前記外槽が外方向に所定範囲以上大きく揺動するのを抑制する連結部材によって、前記外槽と前記筐体とは連結されている
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記連結部材は、制振ワイヤを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記筐体の内壁には、前記外槽の開口周辺部に対向する位置に、前記外槽が外方向に所定範囲以上揺動するのを抑制する抑止部材が設けられるとともに、
前記外槽の底面周辺部に対向する位置に、前記制振ワイヤが配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記筐体と前記外槽との間には、前記外槽が所定範囲以上横方向に揺動したことを検出する振動検知センサが設置され、
前記制振ワイヤは、前記振動検知センサが配置された位置の下方に配置されている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記制振ワイヤは、前記外槽と前記筐体との複数個所をそれぞれ連結する複数からなる
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記制振ワイヤは、両端部に、当該制振ワイヤを前記外槽および前記筐体に固定するための固定具が挿入される環状の輪部をそれぞれ有するとともに、
前記輪部より当該制振ワイヤの中央側寄りの位置に、緩衝部材が設けられている
ことを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れか1項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記固定具は、前記筐体の一部を形成するフレーム部の端部の一方の面に当接される一方側支持部と、
当該固定具を前記筐体に固定する第1締結部材が前記筐体に形成された貫通孔を挿通して螺着されるとともに、前記フレーム部の端部の他方の面が当接される他方側支持部と、
前記輪部が遊嵌された第2締結部材が螺着される筒部と、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の洗濯乾燥機。
【請求項8】
前記固定具は、前記一方側支持部を一体形成した環状の固定具本体を有し、
前記固定具本体は、前記他方側支持部および前記筒部を一体形成されるとともに、前記他方側支持部と前記筒部とに連なるリブを一体形成している
ことを特徴とする請求項7に記載の洗濯乾燥機。
【請求項9】
前記一方側支持部には、前記フレーム部の端部の近傍に段差状に形成されたストッパに当接する規制部を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の洗濯乾燥機。
【請求項10】
前記固定具本体は、背面に、環状に形成された当該固定具本体に沿って延設された補強用凸部を有する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の洗濯乾燥機。
【請求項11】
洗濯機の筐体と、
前記筐体内に防振支持されて洗濯水、すずぎ水を溜める外槽と、
洗濯物が投入されて前記外槽内に回転自在に支持される内槽と、
前記内槽を回転させるモータと、を備える洗濯機であって、
前記モータを回転させて脱水を行う場合に、前記外槽が外方向に所定範囲以上大きく揺動するのを抑制する連結部材によって、前記外槽と前記筐体とは連結されている
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項12】
前記連結部材は、制振ワイヤを備えている
ことを特徴とする請求項11に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記筐体の内壁には、前記外槽の開口周辺部に対向する位置に、前記外槽が外方向に所定範囲以上揺動するのを抑制する抑止部材が設けられるとともに、
前記外槽の底面周辺部に対向する位置に、前記制振ワイヤが配置されている
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記筐体と前記外槽との間には、前記外槽が所定範囲以上横方向に揺動したことを検出する振動検知センサが設置され、
前記制振ワイヤは、前記振動検知センサが配置された位置の下方に配置されている
ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記制振ワイヤは、前記外槽と前記筐体との複数個所をそれぞれ連結する複数からなる
ことを特徴とする請求項12ないし請求項14の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記制振ワイヤは、両端部に、環状に形成され、当該制振ワイヤを前記外槽または前記筐体にそれぞれ固定するための固定具が挿入される輪部をそれぞれ有するとともに、
前記輪部より当該制振ワイヤの中央側寄りの位置に、緩衝部材が設けられている
ことを特徴とする請求項12ないし請求項15の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記固定具は、前記筐体の一部を形成するフレーム部の端部の一方の面に当接される一方側支持部と、
当該固定具を前記筐体に固定する第1締結部材が前記筐体に形成された貫通孔を挿通して螺着されるとともに、前記フレーム部の端部の他方の面が当接される他方側支持部と、
前記輪部が遊嵌された第2締結部材が螺着される筒部と、を有する
ことを特徴とする請求項16に記載の洗濯機。
【請求項18】
前記固定具は、前記一方側支持部を一体形成した環状の固定具本体を有し、
前記固定具本体は、前記他方側支持部および前記筒部を一体形成されるとともに、前記他方側支持部と前記筒部とに連なるリブを一体形成している
ことを特徴とする請求項17に記載の洗濯機。
【請求項19】
前記一方側支持部には、前記フレーム部の端部の近傍に段差状に形成されたストッパに当接する規制部を有する
ことを特徴とする請求項18に記載の洗濯機。
【請求項20】
前記固定具本体は、背面に、環状に形成された当該固定具本体に沿って延設された補強用凸部を有する
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載の洗濯機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−233770(P2010−233770A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84220(P2009−84220)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】