説明

洗濯乾燥機

【課題】1次フィルター体を取り外すことなく2次フィルター体の清掃が容易にできる洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】本体40に、洗濯物を収納する内槽(図示せず)を回転自在に収納する外槽(図示せず)と、外気取り入れ口53から外気を吸引し内槽内に送風し排気口(図示せず)より排気する電動送風機(図示せず)を配し、外気取り入れ口53に、2次フィルター体60とその上流側に1次フィルター体61を設け、2次フィルター体60は、その上流面を除塵すると共に伝達ギア62bを有する除塵体62を有し、1次フィルター体61は、1次フィルター65が固着された1次枠体64から出没自在の取っ手63に連結され、伝達ギア62bに係合する係合ギア63bを有する軸体63cを備えたもので、取っ手63を1次枠体64から出し入れするだけで、2次フィルター体60の除塵ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に洗濯した衣類などを乾燥する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の洗濯乾燥機の乾燥運転においては、電動送風機で吸引した外気をヒータなどの発熱体で加熱し、得られた温風を洗濯槽内の衣類に当てて、衣類からの蒸気を含んだ空気を外部に排出して衣類を乾燥するようにしているが、吸引される外気に浮遊粉塵が含まれていると、それが洗濯乾燥機内に進入して、発熱体や、蒸気を凝縮させる冷却装置さらには電動送風機等に附着して、その機能を阻害するので、粉塵を捕集するフィルターを着脱自在に設けている。
【0003】
そのフィルターに粉塵が堆積すると、外気の侵入が阻害され、乾燥効率が低下し、また電動送風機等にも悪影響を及ぼすので、定期的にフィルターの清掃が必要となる。この場合、フィルターを紛失したり、取付け忘れ、あるいは中途半端に取付けたりすると、浮遊粉塵が本体内に侵入するので、これを防止するために、着脱自在のメインフィルター(1次フィルター体)の下流側に、バックアップフィルター(2次フィルター体)を本体に固着して設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図10は、上記特許文献1に記載された洗濯乾燥機の概略構成を示す断面図、図11は、同洗濯乾燥機のファンケーシング部分の斜視図である。
【0005】
図10、11において、従来の洗濯乾燥機は、外箱1内に水槽2を搖動自在に配設し、該水槽2内に、底部に回転自在の回転翼3を配設するとともに、周壁に多数の脱水孔5を穿設した洗濯兼脱水槽4を設けている。6は、洗濯兼脱水槽4の上部に取り付けたバランサ、7は、洗濯兼脱水槽4や回転翼3を回転させるためのモータである。外箱1の上部の開口には、フタ8を備えたトップパネル9が取り付けられている。
【0006】
乾燥運転時に外気を取り入れる開口10が外箱1の上方側部に設けられ、この開口10には、シロッコファンなどの送風ファン11を内蔵したファンケーシング12が装着され、該ファンケーシング12に形成した外気取り入れ口13に、網状の2次フィルター14aからなる2次フィルター体14が固着されている。
【0007】
2次フィルター体14の外側には、1次フィルター15aと、1次フィルター15aの外周を保持すると共に、ファンケーシング12の外気取り入れ口13の両側に設けたガイド部12aに着脱自在に装着される1次枠体15bからなる1次フィルター体15が配されている。さらに、1次フィルター体15の内側には、2次フィルター体14に摺接するブラシ部材15cが設けられている。
【0008】
又、ファンケーシング12の吐出側と水槽2の間にはダクト16が設けられ、そのダクト16内に、吸引された外気を加熱するヒータ17が配設されている。
【0009】
水槽2の上部開口には、内フタ18が設けられ、その内フタ18には、フィルター19を備えた排出口20が形成されている。
【0010】
更に、排出口20の上方位置でトップパネル9に排気口21が設けられている。
【0011】
以上のように構成された従来の洗濯乾燥機の乾燥運転時の動作は以下の通りである。
【0012】
送風ファン11を作動して、外箱1に形成した開口10から外気を、1次フィルター体15、2次フィルター体14を通して、ファンケーシング12内に取り込み、ヒータ17で加熱し、得られた温風をダクト16を介して、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物22に接触させて、洗濯物22に含まれている水分を蒸発させる。そして、水分を含んだ空気は、排出口20に設けられたフィルター19と、排気口21を通って、外部に排出される。
【0013】
開口10から取り込まれた外気が1次フィルター体15及び2次フィルター体14を通過する際に、外気中に含まれている塵や埃が捕集される。よって、洗濯兼脱水槽4へは塵や埃が除去された清浄な空気が供給され、送風ファン11やヒータ17に塵や埃が付着することがない。また、2次フィルター体14はファンケーシング12に直接取り付けられているから、万が一、1次フィルター体15を開口10に付け忘れても、埃や塵が内部に侵入することが無い。
【0014】
また、1次フィルター体15に埃が堆積してきたら、それを上方に持ち上げて簡単に外して清掃することが出来る。さらに、1次フィルター体15を上に引き出す際に、1次フィルター体15の内面に設けたブラシ部材15cにより、2次フィルター体14が清掃されるので、非常に便利である。
【0015】
図12は、従来の洗濯乾燥機の他の例を示すもので、乾燥運転時に衣類を乾燥させるための熱風が通る熱風循環路の断面図である(例えば、特許文献2参照)。
【0016】
図12において、熱風循環路31の一部に、循環する空気を加熱するヒータ32を設け、そのヒータ32の上流側に、ヒータ32側から、2次フィルター体34と、熱風循環路31に挿抜可能な1次フィルター体33が順に設けられ、1次フィルター体33を熱風循環路31より抜き差ししたときに、2次フィルター体34の上流側の表面に接触するブラシ部材35を、1次フィルター体33の下流面の奥側端部に設けたものである。
【0017】
以上のように構成された従来の洗濯乾燥機の動作は、以下の通りである。ヒータ32で加熱された空気は、図示しない電動送風機によって、図示しない乾燥室に収納された衣類に吹き付けられ、その衣類から発生した蒸気を含んだ空気は、図示しない凝縮機に流入しそこで、蒸気は凝縮されて回収されると共に、乾いた空気が、熱風循環路31を通って、1次フィルター体33に至る。そして1次フィルター体33で、比較的大きな塵埃が捕捉され、1次フィルター体33を通り抜けた細塵は、2次フィルター体34で捕捉され、きれいになった空気が、ヒータ32で再び加熱され、これがまた乾燥室に送られるという動作を繰り返しながら、衣類の乾燥を行うようになっている。
【0018】
そして、1次フィルター体33が目詰まりしたときは、1次フィルター体33を熱風循環路31より抜き出し、ブラシ等を用いて清掃を行い、清掃後、1次フィルター体33を熱風循環路31に挿入するようにする。又、1次フィルター体33を熱風循環路31から挿抜する際に、1次フィルター体33に設けたブラシ部材35が2次フィルター体34の上流側表面に接触しながら移動して、2次フィルター体34に付着した塵埃を除去し、除去された塵埃が1次フィルター体33上に落下して、2次フィルター体34の清掃が自動的に行われるようになっている。
【特許文献1】特開2004−222757号公報
【特許文献2】実願平4−050907号(実開平6−003299号公報)のマイクロフイルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の洗濯乾燥機の構成では、2次フィルター体14の除塵は、1次フィルター体15の外箱1への装着時しか行えないため、例えば、2次フィルター体14の有効面積が、1次フィルター体15のそれより小さい場合、2次フィルター体14が、1次フィルター体15より早期に目詰まりし、外気のスムーズな取入れが阻害されてしまうという課題があった。また、2次フィルター体14の単独での清掃ができないという課題も有していた。
【0020】
又、特許文献2に開示されたような従来の洗濯乾燥機の構成においても、2次フィルター体34を除塵するときは、1次フィルター体33を熱風循環路31から挿抜しなければならず使用勝手が悪いものであった。
【0021】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、1次フィルター体を取り外すことなく2次フィルター体の清掃が容易にできる使用勝手の良い洗濯乾燥機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、外気取り入れ口と排気口を有する略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、前記1次フィルター体は、一端に開口部を有する箱状の1次枠体と、前記1次枠体に固着された1次フィルターと、前記1次枠体から前記本体の外方に出没自在の取っ手と、前記取っ手に連結されると共に前記伝達ギアに係合する係合ギアを有する軸体とを備えたもので、2次フィルター体は本体内に固着され、外からは見えないために、その汚れ具合は判りにくく、1次フィルター体を本体から外さないと確認できないが、取っ手を掴んでそれを1次枠体から出し入れするだけで、軸体の係合ギアに係合した伝達ギアを介して除塵体を駆動させて、2次フィルター体の除塵を簡単に行うことができる。
【0023】
さらに、取っ手を大きく引き出した後それを持ち上げることにより、2次フィルター体を清掃した後、1次フィルター体が本体から外れ、1次フィルター体を簡単に清掃できる。また、1次フィルター体を本体に装着するときも、2次フィルター体が清掃されるので、2次フィルター体の清掃をより確実に行うことができる。
【0024】
また、本発明の洗濯乾燥機は、外気取り入れ口と排気口を有すると共に開閉自在の蓋を設けた略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、さらに、前記伝達ギアと係合自在に係合する係合ギアを一体的に形成すると共に前記蓋の開閉動作に連動して移動する軸体を備えたもので、2次フィルター体は本体内に固着され、外からは見えないために、その汚れ具合は判りにくく、1次フィルター体を本体から外さないと確認できないが、蓋の開閉動作に連動して軸体が移動し、それにより、軸体の係合ギアに係合した伝達ギアを介して除塵体を駆動させて、2次フィルター体の除塵を自動的に行うことができるので便利である。特に、蓋は洗濯乾燥機の使用時において、かならず開閉するので、2次フィルター体は常に新鮮である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の洗濯乾燥機は、1次フィルター体を取り外すことなく2次フィルター体の清掃が容易にできる使用勝手の良いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
第1の発明は、外気取り入れ口と排気口を有する略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、前記1次フィルター体は、一端に開口部を有する箱状の1次枠体と、前記1次枠体に固着された1次フィルターと、前記1次枠体から前記本体の外方に出没自在の取っ手と、前記取っ手に連結されると共に前記伝達ギアに係合する係合ギアを有する軸体とを備えたもので、2次フィルター体は本体内に固着され、外からは見えないために、その汚れ具合は判りにくく、1次フィルター体を本体から外さないと確認できないが、取っ手を掴んでそれを1次枠体から出し入れするだけで、軸体の係合ギアに係合した伝達ギアを介して除塵体を駆動させて、2次フィルター体の除塵を簡単に行うことができる。
【0027】
さらに、取っ手を大きく引き出した後それを持ち上げることにより、2次フィルター体を清掃した後、1次フィルター体が本体から外れ、1次フィルター体を簡単に清掃できる。また、1次フィルター体を本体に装着するときも、2次フィルター体が清掃されるので、2次フィルター体の清掃をより確実に行うことができる。
【0028】
第2の発明は、特に、第1の発明の取っ手は、1次枠体に設けた軸受に可動自在に支持され、前記取っ手を前記本体より所定距離だけ引き出したとき、前記軸体に設けたストッパーが前記軸受の一部に当接するようにしたもので、取っ手を所定距離だけ引き出した後さらに持ち上げると、ストッパーが軸受の一部に当接しているので、1次枠体を本体から容易に取り出すことが出来る。この時、前記所定の距離を、少なくとも、除塵体が1回転以上回転するように形成すれば、2次フィルター体の除塵が確実に実施される。
【0029】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の軸体を、その長手方向の一方向に常時付勢する弾性体を設けたもので、例えば、軸体を常時下方に付勢する弾性体を設ければ、取っ手を引き上げた後、取っ手から手を離すだけで、軸体が自動的に下がるので、便利である。
【0030】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の1次フィルター体の伝達ギア近傍部に、係合ギアが前記伝達ギアから離脱することを防止する軸体規制部を設けたもので、軸体規制部により、係合ギアと伝達ギアとの係合が外れることが無いので、取っ手を操作して、2次フィルター体の除塵を確実に行うことができる。
【0031】
第5の発明は、外気取り入れ口と排気口を有すると共に開閉自在の蓋を設けた略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、さらに、前記伝達ギアと係合自在に係合する係合ギアを一体的に形成すると共に前記蓋の開閉動作に連動して移動する軸体を備えたもので、2次フィルター体は本体内に固着され、外からは見えないために、その汚れ具合は判りにくく、1次フィルター体を本体から外さないと確認できないが、蓋の開閉動作に連動して軸体が移動し、それにより、軸体の係合ギアに係合した伝達ギアを介して除塵体を駆動させて、2次フィルター体の除塵を自動的に行うことができるので便利である。特に、蓋は洗濯乾燥機の使用時において、かならず開閉するので、2次フィルター体は常に新鮮である。
【0032】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
【0034】
図1は、本発明の第1の実施例における洗濯乾燥機の斜視図、図2は、同洗濯乾燥機の縦断面図、図3は、同洗濯乾燥機の外気取り入れ口の斜視図、図4は、同洗濯乾燥機の1次フィルター体と取っ手の斜視図、図5は、同洗濯乾燥機の捕集フィルター体の縦断面図、図6は、同1次フィルター体を本体から取り出す状態を示す縦断面図、図7は、同洗濯乾燥機の除塵体と軸体の係合状態を示す斜視図である。
【0035】
40は、正面40aと、側面40bと、背面40c及び上面40dを有する略直方体の本体で、上面40aには、手掛け部41aと排気口41bを有する開閉自在の外蓋41と、洗濯乾燥機の運転や停止等を行うための操作部42を備えている。本体40内には、揺動自在の外槽43と、該外槽43の上面に設けられ通過口44aを有する中蓋44と、外槽43に回転自在に支持されると共に、上面開口で外周囲に多数の排水孔45aを有し衣類を洗濯や乾燥するために収納する内槽45と、該内槽45の底部に回転自在に支持された回転翼46と、内槽45と回転翼46を回転駆動するモーター47と、該モーター47の回転力を内槽45と回転翼46に必要に応じて切り換えて伝達するクラッチ48と、水道水を内槽45内に供給する導水管49と、外槽43内の洗濯水やすすぎ水を外部に排水するための排水管50と、排水管50の途中に設けられ排水を制御する電磁弁51が収納されている。52は、内槽45の上端に環状に設けられたバランサーである。
【0036】
さらに、本体40の上面40dで、操作部42の近傍には、外気取り入れ口53が設けられ、その外気取り入れ口53には、捕集フィルター体54が設けられている。55は、捕集フィルター体54と外槽43を連通する送風路で、該送風路55内には、外気を捕集フィルター体54を通して吸引し、外槽43や内槽45内に送り、更に通過口44aを通過して排気口41bから排風させるための電動送風機56と、電動送風機56で吸引された空気を所定の温度まで加熱するヒータ57が配されている。
【0037】
58は、内槽45内の温度や湿度をキャッチする温湿度センサーで、温湿度センサー58で検知された温湿度のデータに基づき、ヒータ57や電動送風機56の運転を制御する制御体(図示せず)も内装されている。
【0038】
捕集フィルター体54は、2次フィルター体60と、2次フィルター体60の上流側で、しかも2次フィルター体60に対面するように着脱自在に本体40に装着される1次フィルター体61から構成されている。
【0039】
2次フィルター体60は、図3に示すように、本体40に固着されると共に略平板状の2次枠体60aと、外周囲が、2次枠体60aで支持・固定された略円形の2次フィルター60bと、2次フィルター60bの上流側表面に付着した塵埃を除去する除塵体62から構成されている。除塵体62は、2次フィルター60bの中心部に回転自在に支持されると共に、2次フィルター60bの上流面に接触しながら回転して、2次フィルター60bに付着した塵埃を除去する除塵子62aと、除塵子62aを所定速度で回転させる伝達ギア62bより構成されている。
【0040】
1フィルター体61は、図4に示すように、略直方体に構成され上部に取っ手63を上下動自在に支持し、一端面が開口する開口部64aを有する塵埃収納室64bが形成された1次枠体64と、1次枠体64の他端面に固着され、吸引される外気に含まれた塵埃を捕集する1次フィルター65で構成されている。
【0041】
1次フィルター65の大きさは、全体的に2次フィルター60bの平面的な面積より大きく形成され、除塵体62により、2次フィルター60bから除塵された塵埃は、確実に塵埃収納室64bに収納することができる。
【0042】
1次枠体64の外側面には、本体40の外気取り入れ口53に対向して形成されたガイド溝53aに挿入自在のガイドリブ64cが設けられ、1次フィルター体61が本体40に着脱自在に支持されるようになっている。
【0043】
取っ手63は、取っ手部63aと、伝達ギア62bに係合自在に係合する係合ギア63bを有すると共に取っ手部63aに連結された軸体63cより構成されると共に、1次枠体64の天面より垂下形成された軸受64dに上下動自在に支持されている。
【0044】
軸体63cの長手方向の途中には、その長手方向と直交する向きにストッパー63dが設けられ、一方軸受64dには、軸体63cのストッパー63dの移動を許容するスリット64gが形成され、更に、1次枠体64の天面とストッパー63dの間で、軸受64dの外周に弾性体66が配され、軸体63cを、すなわち取っ手63を常時下方に、すなわち1次枠体64側に所定の付勢力で付勢している。なお、本実施例では、弾性体66の付勢力により、取っ手63が最も下がった位置で、軸体63cのストッパー63dがスリット64gの出口近傍で、しかもスリット64gより飛び出ない位置になるように設定している。この取っ手63が最も下がった位置で、ストッパー63dの上面と、スリット64gの上端との間の距離をLとすると、この距離Lが、軸体63cの軸受64d内の許容移動距離となる。すなわち、取っ手63を上方に距離Lだけ持ち上げると、ストッパー63dが軸受64dに設けたスリット64gの上端に当接し、取っ手63のそれ以上の上方への移動が規制される。又、本実施例では、取っ手63を上方に距離Lだけ移動させる間に、軸体63cの係合ギア63bが係合する伝達ギア62bが少なくとも1回転以上、すなわ ち除塵体62を少なくとも1回転以回転するようになっている。
【0045】
また、本実施例では、軸受64dのスリット64gを設けた部分を、軸体63cがぐらついて、軸体63cの係合ギア63bが除塵体62の伝達ギア62bから離脱するのを防止する軸体規制部64hとしている。
【0046】
1次枠体64の下方には、塵埃堆積部64eが設けられ、その下面は、除塵体62の回転により、2次フィルター60bの上流面に附着した塵埃を確実に収納出来るように傾斜面を有する下側傾斜面64fが形成され、さらにその上流側(A部)は、1次枠体64の一部で構成されているので(1次フィルター65は配置されていない)、外気は通過せず、2次フィルター60bからの塵埃が外気流により、2次フィルター60bに再附着することは無い。また、2次フィルター60bを構成する外気通過細径穴の大きさを、1次フィルター65を構成する外気通過細径穴より小さく形成することで、1次フィルター65を通過した塵埃を確実に捕集することができる。
【0047】
以上のように構成された本実施例における洗濯乾燥機の動作、作用は以下の通りである。尚、洗濯、脱水、すすぎ及び脱水の各運転時の動作、作用は、従来の洗濯乾燥機と同じなので、その説明を省略し、ここでは、特に、乾燥工程時の動作について説明する。
【0048】
内槽45に収納された衣類67は、回転翼46の回転力により洗濯、すすぎが行われ、内槽45の高速回転により脱水が行われ、その後、衣類67の乾燥工程に移る。
【0049】
乾燥工程では、電動送風機56の運転が開始すると同時にヒータ57に通電されて発熱する。この結果、塵埃を含んだ外気は、捕集フィルター体54により清浄化され、送風路55内で温風と化し、内槽45内に侵入して、衣類67を乾燥し、衣類67からの蒸気を含んだ空気となって、通過口44aを経て排気口41bより外部に排出される。
【0050】
この乾燥工程は、温湿度センサー58が所定温度や湿度を検知するまで繰り返された後運転が停止される。このような乾燥工程を幾度と無く繰り返していると、捕集フィルター体54には塵埃が堆積し、外気の侵入を阻害し、乾燥効率を低下させるので、定期的に捕集フィルター体54の清掃を行う必要がある。この時、捕集フィルター体54の1次フィルター体61の汚れ具合は、本体40の上方でかつ操作部42の近傍に1次フィルター体61を設けているので、使用者にとっては、常に目で確認できるので、清掃作業の要否の判断がしやすい。
【0051】
2次フィルター体60を清掃するときは、取っ手63を掴んで引き上げることにより、軸体63cに形成された係合ギア63bが、除塵体62の伝達ギア62bを回転させる。これにより、除塵体62の除塵子62aが2次フィルター60bの上流側面に接触しながら回転して、2次フィルター60bに捕集された塵埃は、除塵され、1次フィルター体61の開口部64aより塵埃堆積部64e内に落下収納される。このときに、少なくとも除塵子62aは1回転以上回転した後、ストッパー63dが軸受64dのスリット64gの上端に当接し、更に、取っ手63を上に引き上げると1次枠体64全体を本体40より取り出すことが出来る。
【0052】
この時、取っ手63を、ストッパー63dがスリット64gの上端に当接しない程度に上下させれば、1次フィルター体61を取り外すことなく、2次フィルター60bの除塵が可能と成る。また、取っ手63を持ち、1次フィルター体61を本体40から取り出し、1次フィルター65の塵埃を処理すると共に、塵埃堆積部64eの塵埃を、開口部64aより捨て去れば、容易に清掃作業を終えることが出来る。
【0053】
その後、1次枠体64の両側に形成されたガイドリブ64cをガイド溝53aに合致させて、押し込むと、軸体63cに形成された係合ギア63bが、再び除塵体62の伝達ギア62bに係合して、伝達ギア62bを回転させ、除塵体62は、2次フィルター60bに取り残された塵埃を除塵して、塵埃堆積部64eに塵埃を確実に収納する。
【0054】
以上のように本実施例によれば、取っ手63を掴んでそれを1次枠体64から出し入れするだけで、軸体63cの係合ギア63bに係合した伝達ギア62bを介して除塵体62を駆動させて、2次フィルター体60の除塵を簡単に行うことができる。
【0055】
さらに、取っ手63を大きく引き出した後それを持ち上げることにより、2次フィルター体60を清掃した後、1次フィルター体61が本体40から外れ、1次フィルター体61を簡単に清掃できる。また、1次フィルター体61を本体40に装着するときも、2次フィルター体60が清掃されるので、2次フィルター体60の清掃をより確実に行うことができる。
【0056】
また、取っ手63を所定距離だけ引き出した後さらに持ち上げると、ストッパー63dが軸受64dのスリット64gの上端に当接しているので、1次枠体64を本体40から容易に取り出すことが出来る。この時、前記所定の距離を、少なくとも、除塵体62が1回転以上回転するように形成しているので、2次フィルター体60の除塵が確実に実施される。
【0057】
さらに、取っ手63を下方に付勢する弾性体66を設けたので、取っ手63を引き上げた後、手を放すと、取っ手は、弾性体66の付勢力で、元通り下がるので、わざわざ取っ手63を引き下げる操作が不要で便利である。
【0058】
また、1次フィルター体61の軸受64dのスリット64gを設けた部分、すなわち伝達ギア62bの近傍部分を、係合ギア63bが伝達ギア62bから離脱するのを防止する軸体規制部64hとしているので、取っ手63の操作時に係合ギア63bと伝達ギア62bとの係合が外れることが無く、2次フィルター体60の除塵を確実に行うことができる。
【0059】
(実施例2)
【0060】
図8は、本発明の第2の実施例における洗濯乾燥機の要部断面図、図9は、同洗濯乾燥機の2次フィルター体の平面図である。尚、上記第1の実施例における洗濯乾燥機と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
上記第1の実施例では、取っ手63を上下動させて、除塵体62を回転駆動するようにしたが、本実施例では、使用者が、衣類67を内槽45に出し入れする際に開閉する外蓋41の開閉動作に連動させて除塵体62を回転させて、2次フィルター60bの除塵を行うようにしたものである。
【0062】
図8及び図9において、本実施例における洗濯乾燥機の2次フィルター体60の2次枠体60aの上流面側には、可動自在保持軸受68が設けられ、その可動自在保持軸受68には、一側に、除塵体62の伝達ギア62bに係合する係合ギア69aを有する可動軸体69が可動自在に保持されており、可動軸体69を左右に移動させると、除塵体62が2次フィルター60bの上流側の表面に沿って回転するようになっている。
【0063】
70は、可撓性に優れたワイヤーなどからなり、可動軸体69の一端と、本体40に回動自在に取着された外蓋41の端部とを連結する連結体である。71は、可動軸体69の他端(連結体70が接続された側と反対側の端部)と2次枠体60aとの間に配され、可動軸体69と連結体70を介して、所定力で外蓋41を、常時閉じる方向に付勢する引っ張りバネである。
【0064】
以上のように構成された本実施例における洗濯乾燥機の2次フィルター体60の除塵動作は以下のようにして行われる。
【0065】
外蓋41を開くと、連結体70が、引っ張りバネ71の付勢力に抗して引っ張られ、それにより可動軸体69が移動し(図8においては、左方に移動)、可動軸体69の係合ギア69aに係合した伝達ギア62bが回転し、それに伴って除塵体62が回転し(反時計方向)、2次フィルター体60の除塵を行う。また、外蓋41を閉じると、連結体70に外蓋41による張力が加わらないので、引っ張りバネ71の付勢力により、可動軸体69が元の位置に、すなわち右方に移動する。この移動の間に、除塵体62が反転(時計方向)し、再び2次フィルター体60の除塵を行う。
【0066】
このように、本実施例によれば、使用者が外蓋41を開閉する都度、2次フィルター体60が除塵されるので、意識的に2次フィルター体60の除塵を行う必要は無く、非常に便利である。これにより、通常は、1次フィルター体(図示せず)だけの塵埃の堆積状態を確認していれば良いものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明に係る洗濯乾燥機は、1次フィルター体を取り外すことなく2次フィルター体の清掃が容易にできるもので、衣類、原材料、食品などを乾燥させる各種乾燥機にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施例における洗濯乾燥機の斜視図
【図2】同洗濯乾燥機の縦断面図
【図3】同洗濯乾燥機の外気取り入れ口の斜視図
【図4】(a)同洗濯乾燥機の1次フィルター体の斜視図、(b)同1次フィルター体の取っ手の斜視図
【図5】同洗濯乾燥機の捕集フィルター体の縦断面図
【図6】同1次フィルター体を本体から取り出す状態を示す縦断面図
【図7】同洗濯乾燥機の除塵体と軸体の係合状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例における洗濯乾燥機の要部断面図
【図9】同洗濯乾燥機の2次フィルター体の平面図
【図10】従来の洗濯乾燥機の概略構成を示す断面図
【図11】同洗濯乾燥機のファンケーシング部分の斜視図
【図12】従来の他の洗濯乾燥機の熱風循環路の部分断面図
【符号の説明】
【0069】
40 本体
41 外蓋(蓋)
43 外槽
45 内槽
46 回転翼
53 外気取り入れ口
54 捕集フィルター
55 送風路
56 電動送風機
60 2次フィルター体
60a 2次枠体
60b 2次フィルター
61 1次フィルター体
62 除塵体
62b 伝達ギア
63 取っ手
63b 係合ギア
63c 軸体
64 1次枠体
65 1次フィルター
69 可動軸体(軸体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気取り入れ口と排気口を有する略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、前記1次フィルター体は、一端に開口部を有する箱状の1次枠体と、前記1次枠体に固着された1次フィルターと、前記1次枠体から前記本体の外方に出没自在の取っ手と、前記取っ手に連結されると共に前記伝達ギアに係合する係合ギアを有する軸体とを備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
取っ手は、1次枠体に設けた軸受に可動自在に支持され、前記取っ手を前記本体より所定距離だけ引き出したとき、前記軸体に設けたストッパーが前記軸受の一部に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
軸体を、その長手方向の一方向に常時付勢する弾性体を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
1次フィルター体の伝達ギア近傍部に、係合ギアが前記伝達ギアから離脱することを防止する軸体規制部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
外気取り入れ口と排気口を有すると共に開閉自在の蓋を設けた略直方体の本体に、洗濯物を収納する内槽と、前記内槽を回転自在に収納する外槽と、前記外気取り入れ口から外気を吸引し、前記内槽内に送風し前記排気口より排気する電動送風機と、前記外気取り入れ口に設けられ塵埃を捕集する捕集フィルター体とを備え、前記捕集フィルター体は、2次フィルター体と、前記2次フィルター体の上流側で前記2次フィルター体に対面し且つ前記本体に着脱自在に挿着される1次フィルター体から構成され、前記2次フィルター体は、前記本体に固着された2次枠体と、外周が前記2次枠体に固着された2次フィルターと、前記2次フィルター体の上流面に摺接して除塵するよう取付けられると共に伝達ギアを有する除塵体より成り、さらに、前記伝達ギアと係合自在に係合する係合ギアを一体的に形成すると共に前記蓋の開閉動作に連動して移動する軸体を備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−22677(P2010−22677A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189330(P2008−189330)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】