説明

洗濯機

【課題】ドラム駆動電力に関わらず洗濯水の噴射可能なドラム内に洗濯水を噴射する洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯機は、電動ポンプを使うことなくドラム内の洗濯物に洗濯水を噴射することで、ドラム駆動電力に関わらず洗濯水の噴射可能な洗濯を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動回路と、前記洗濯槽に外部から水を供給するための水路と、外部から供給された水に洗剤を混合して洗濯水を作る洗剤混合器と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記洗濯槽に流入させるため水路と、洗濯効果を向上させるために前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記回転ドラム内の洗濯物に噴射する水流ノズルと、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるための水路とを備え、前記回転ドラム内の洗濯物に前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うドラム式洗濯機の構造およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラム式洗濯機においては、回転ドラム内の洗濯物に洗濯水が均等に行き渡らず、また回転ドラム内に泡が発生してたたき洗いの効果が出にくくなると言う課題があった。このため、回転ドラム内の洗濯物に洗濯水を水流ノズルから噴射することにより最適な洗浄制御を行う洗濯機が考案されている。
【0003】
図8に、従来考案されている洗濯機のブロック図を示す。以下、図8を参照して従来の洗濯機の動作について簡単に説明する。洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽1の中には、洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラム2が配置されている。洗濯機全体の動作や状態管理は、制御回路3と各回路、電装部品との間で信号のやり取りを行うことで実行する。前記回転ドラム2は洗濯を行う際には、前記制御回路3からのモータ制御信号aにてモータ駆動回路4からの駆動信号bを得て回転駆動される。洗濯機に外部から水を供給するための水路iには、弁5があり外部から水を供給する際、前記制御回路3からの弁制御信号cにて弁駆動回路6からの弁駆動信号dにて開かれる。供給された水は、前記弁5、前記水路iを通って洗剤を混合して洗濯水を作る洗剤混合器7に入る。前記洗剤混合器7で洗濯水となった水は、洗濯槽1に流入させるための弁8、水路iiを通って前記洗濯槽1に入る。洗濯に必要十分な水量になったことを水位センサ9が検知しセンサ信号eを水位センサ回路10に送る。前記水位センサ回路10はセンサ情報信号fを前記制御回路3に送り、前記制御回路3は前記弁駆動回路6に信号を送って弁5および弁8を閉じる。洗濯実行時には、洗濯効果を向上させるために前記洗剤混合器7にて作られた洗濯水、または前記洗濯槽1内の洗濯水は、前記制御回路からの噴射信号により水流ノズル11から前記回転ドラム2内の洗濯物に噴射される。前記水流ノズル11への洗濯水の供給は、前記洗剤混合器7にて作られた洗濯水を弁12を開き、整流路13を経由して水路iiiを通じて供給する。または、前記洗濯槽1内にある洗濯水を水路ivを通じて循環ポンプ14に送る。前記循環ポンプ14は、前記制御回路3からのポンプ制御信号aにてポンプ駆動回路15からのポンプ駆動信号hを得て駆動する。前記循環ポンプ14によって押し出された洗濯水は、弁16が開くと水路vを通じて前記整流路13を経由し、前記水流ノズル11に達する。
【0004】
このようにして、前記回転ドラム2内の洗濯物に前記洗剤混合器7にて作られた洗濯水または前記洗濯槽1にある洗濯水を前記回転ドラム2内にある洗濯物に前記水流ノズル11から噴射することにより最適な洗浄制御方法で洗濯を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平4−17680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の構成では、常に洗濯水を循環・噴射がうまくできない場合があった。すなわち、回転ドラムの駆動と洗濯水を循環・噴射するポンプの駆動の関係や省電力については十分配慮されていなかった。具体的には、従来の構成では洗濯水を循環・噴射させるために電動ポンプを使用しているため、回転ドラムの駆動と同時にポンプが作動した場合に電力の供給が正常にできず洗濯水を循環・噴射が出来ない場合があり、逆に電源側のブレーカーが切断する場合もあった。加えて電動ポンプを使うため、その分の省電力することができなかった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、前記回転ドラムの駆動力を伝達する伝達部と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるために前記洗剤混合器または前記洗濯槽と前記水流ノズルとの間の水路に配置されたポンプとを具備し、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を前記伝達部により伝達・利用することで前記ポンプを駆動することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機、または前記ポンプは密閉された空間をもっていて片側には洗濯槽から洗濯水を吸引する第1の吸水弁と、前記第1の吸水弁から吸入した洗濯水を排出する第1の排水弁を具備し、他方には水道からの水を吸水する第2の吸水弁と、前記第2の吸水弁から吸入した水を放出するための第2の排水弁を具備するシリンダと、前記シリンダの第1の吸水弁、・排水弁のある室内と第2の吸水弁・排水弁がある室内とを分割かつ密閉するピストンと、第2の吸水弁が閉じ、第1の吸水弁が開いたときに第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動させることの出来るピストン制御部を具備し、前記ピストン制御部によって前記ピストンを第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動して洗濯水を吸水して、その後前記第1および第2の排水弁を閉じた状態で第2の吸水弁から水道水を前記シリンダ内に入れることで第2の吸水弁・排水弁のある室内の圧力が上昇して前記ピストンを押し、第1の吸水弁を開くことで第1の吸水弁・排水弁のある室内の洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯をすることが可能な洗濯機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の洗濯装置は、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を伝達する伝達部と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるために前記洗剤混合器または前記洗濯槽と前記水流ノズルとの間の水路に配置されたポンプとを具備し、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を前記伝達部により伝達・利用することで前記ポンプを駆動することができる制御回路を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の洗濯装置は、前記ポンプは密閉された空間をもっていて片側には洗濯槽から洗濯水を吸引する第1の吸水弁と、前記第1の吸水弁から吸入した洗濯水を排出する第1の排水弁とを具備し、他方には水道からの水を吸水する第2の吸水弁と、前記第2の吸水弁から吸入した水を放出するための第2の排水弁を具備するシリンダと、前記シリンダの第1の吸水弁、・排水弁のある室内と第2の吸水弁・排水弁がある室内とを分割かつ密閉するピストンと、第2の吸水弁が閉じ、第1の吸水弁が開いたときに第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動させることの出来るピストン制御部を具備し、前記ピストン制御部によって前記ピストンを第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動して洗濯水を吸水して、その後前記第1および第2の排水弁を閉じた状態で第2の吸水弁から水道水を前記シリンダ内に入れることで第2の吸水弁・排水弁のある室内の圧力が上昇して前記ピストンを押し、第1の吸水弁を開くことで第1の吸水弁・排水
弁のある室内の洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の洗濯機およびその制御方法によれば、前記回転ドラムの駆動力を伝達する伝達部と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるために前記洗剤混合器または前記洗濯槽と前記水流ノズルとの間の水路に配置されたポンプとを具備し、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を前記伝達部により伝達・利用することで前記ポンプを駆動することができる。また、前記ポンプは密閉された空間をもっていて片側には洗濯槽から洗濯水を吸引する第1の吸水弁と、前記第1の吸水弁から吸入した洗濯水を排出する第1の排水弁を具備し、他方には水道からの水を吸水する第2の吸水弁と、前記第2の吸水弁から吸入した水を放出するための第2の排水弁を具備するシリンダと、前記シリンダの第1の吸水弁、・排水弁のある室内と第2の吸水弁・排水弁がある室内とを分割かつ密閉するピストンと、第2の吸水弁が閉じ、第1の吸水弁が開いたときに第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動させることの出来るピストン制御部を具備し、前記ピストン制御部によって前記ピストンを第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動して洗濯水を吸水して、その後前記第1および第2の排水弁を閉じた状態で第2の吸水弁から水道水を前記シリンダ内に入れることで第2の吸水弁・排水弁のある室内の圧力が上昇して前記ピストンを押し、第1の吸水弁を開くことで第1の吸水弁・排水弁のある室内の洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯をすることが可能な洗濯機を提供することができる。
【0011】
こうした構造にすることにより、ポンプで洗濯水の循環・噴射をしても洗濯機ので電力の供給を考慮する必要がなく、また電力も消費しないのでコストダウンや省電力の点で有用である。その結果、回転ドラムの駆動と洗濯水を循環・噴射するポンプの駆動の関係や省電力について考慮する必要がなく、加えて電動ポンプを使わないため、その分のコストや電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における洗濯装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における洗濯装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における洗濯装置のブロック図
【図4】本発明の実施の形態4における洗濯装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態5における洗濯装置のブロック図
【図6】本発明の実施の形態6における洗濯装置のブロック図
【図7】図1の駆動部102についての捕捉のブロック図
【図8】従来考案されている洗濯装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯装置のブロック図である。なお、その他の構成は従来例:図8と同様であるため、図8と同一機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。図1において、前記モータ駆動回路4からの駆動信号bで回転運動をする前記回転ドラム2はその回転運動力を伝達部102に伝達することができ、伝達された回転力は直線運動力に変換されて機械式循環ポンプ101に伝達される。
【0015】
ここで、伝達部での回転力・直線運動力の伝達方法の一例を図7に示す。図7において、プーリー17、伝達装置18、ホイール19、シャフト20などの部分が図1における
前記伝達部102に相当する部分となる。前記回転ドラム2または前記回転ドラム2を回転させるモータの回転軸には、回転力を取り出すためのプーリー17が取り付けてある。取り出された回転力は、1つまたは複数のギアまたはプーリーとベルトまたはチェーンを組み合わせて構成される伝達装置18に伝達され、機械式ポンプに最適な回転力になるように加減速・回転方向を合わせるなど最適化される。前記伝達装置で最適化された回転力は、ホイール19に伝達され前記ホイール19に取り付けられたシャフト20に伝達されて直線運動力になり、機械式ポンプのピストン21を上下動させる。機械式ポンプのシリンダ22は吸水方向にのみ開く吸水弁23と送出方向にのみ開く送出弁24を具備し、前記ピストン21の動作に応じて水路ivから吸水し、水路vへ送出をすることができる。送出された洗濯水は、前記整流路13を通って水路iiiに入り前記水流ノズル11から前記回転ドラム2の洗濯物に噴射される。
【0016】
このように、本実施の形態では、電動ポンプを使うことなく前記水流ノズルに洗濯水を送出し前記回転ドラム2の洗濯物に噴射させることができることで、最適な洗濯を可能としている。
【0017】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における洗濯装置のブロック図である。図2では、図1における機械式循環ポンプ101に換えて、電動弁付き循環ポンプ201を使用する。また、このポンプの前記吸水弁23と送出弁24は、それぞれ前記制御回路3から弁制御信号cにより弁駆動回路6から送出される弁駆動信号d中の吸水弁駆動信号d5と送出弁駆動信号d6とで開閉され、水路vへの洗濯水の圧力を制御する。
【0018】
このように、本実施の形態では、電動弁付き循環ポンプ201を使用し、前記吸水弁23と送出弁24を、それぞれ前記制御回路3によって開閉制御することで、水路vへの洗濯水の圧力を最適に制御することを可能としている。
【0019】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における洗濯装置のブロック図である。
【0020】
図3では、図2における電動弁付き循環ポンプ201に換えて、空気室付き循環ポンプ301を使用する。前記空気室付き循環ポンプ301には、空気室内の空気圧を検知する圧力センサ303が取り付けられており圧力センサ信号jが圧力センサ回路304に送出される。前記圧力センサ回路304は、前記圧力センサ303からの前記圧力センサ信号jを受け、前記空気室付き循環ポンプ301の空気室内の空気圧についての情報を前記制御回路3に圧力情報信号kにより伝達する。制御回路3は、前記圧力情報信号kを監視して一定の圧力に達した時点で、伝達部302に伝達制御信号mを送出して前記回転ドラムの回転力を伝達することを停止させる。
【0021】
このとき前記吸水弁23と送出弁24は、それぞれ前記制御回路3から前記弁制御信号cにより前記弁駆動回路6から送出される前記弁駆動信号d中の前記吸水弁駆動信号d5と前期送出弁駆動信号d6とで閉じられている。適切なタイミングで前記制御回路3から前記弁制御信号cにより前記弁駆動回路6から送出される前記送出弁駆動信号d6にて、前記送出弁24を開くことで圧縮された洗濯水が水路vへ送出されるよう制御する。
【0022】
このように、本実施の形態では、空気室付き循環ポンプの空気室内の空気圧を検知することにより、一定の圧力に達した時点で前記回転ドラムの回転力を伝達することを停止させ、適切なタイミングで送出弁を開くことで圧縮された洗濯水が水路へ送出されるよう制御することを可能としている。
【0023】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における洗濯装置のブロック図である。
【0024】
前記空気室付き循環ポンプ301には、空気室内の空気圧を検知する圧力センサ303が取り付けられており圧力センサ信号jが圧力センサ回路304に送出される。前記圧力センサ回路304は、前記圧力センサ303からの前記圧力センサ信号jを受け、前記空気室付き循環ポンプ301の空気室内の空気圧についての情報を前記制御回路3に圧力情報信号kにより伝達する。制御回路3は、前記圧力情報信号kを監視して一定の圧力に達した時点で、伝達部302に伝達制御信号mを送出して前記回転ドラムの回転力を伝達することを停止させる。このとき前記吸水弁23と送出弁24は、それぞれ前記制御回路3から前記弁制御信号cにより前記弁駆動回路6から送出される前記弁駆動信号d中の前記吸水弁駆動信号d5と前期送出弁駆動信号d6とで閉じられている。
【0025】
ここで図4では、前記回転ドラム2またはモータから位置を検出するモニタ信号nをモータ駆動回路を介してモニタ情報信号pを前記制御回路3に伝達する。これにより回転ドラムの位置状態を推定し、この情報を利用して適切なタイミングで前記制御回路3から前記弁制御信号cにより前記弁駆動回路6から送出される前記送出弁駆動信号d6にて、前記送出弁24を開くことで圧縮された洗濯水が水路vへ送出されるよう制御する。
【0026】
このように、本実施の形態では、空気室付き循環ポンプの空気室内の空気圧を検知することにより、一定の圧力に達した時点で前記回転ドラムの回転力を伝達することを停止させ、更に前記回転ドラム2またはモータから位置を検出することにより回転ドラムの位置状態を推定し、この情報を利用して適切なタイミングで送出弁を開くことで圧縮された洗濯水が水路へ送出されるよう制御することを可能としている。
【0027】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5における洗濯装置のブロック図である。
【0028】
図5では、前記水路ivは貯水槽502の中に水圧制御付きポンプ501が配置されている。前記水圧制御付きポンプはシリンダに洗濯水用の吸水弁と送出弁を持つ第1室と第2の吸水弁と排水弁を持つ第2室がピストンで隔離されており、ピストンはシリンダ内を行き来できる。第2の吸水弁は外部の水道に接続され、排水弁は排水路を通じて排水または前記貯水槽に接続する。ここで、第2の吸水弁を閉じ排水弁を開き、洗濯水用の第1の吸水弁と送出弁を開いて貯水槽502に水路ivより洗濯水を入れてゆくと、貯水槽に洗濯水が溜まると共に水圧制御付きポンプの第1室にも洗濯水が溜まっていく。水圧制御付きポンプの第1室に洗濯水が満たされた時点で洗濯水用の吸水弁と送出弁を閉じる。その後、第2の吸水弁を開けて外部の水道から水をシリンダの第2室に満たしていく。排水弁は閉じておく。このようにすることで、シリンダの第2室は水道の水圧とほぼ同じ圧力に上がっていく。適切なタイミングで送出弁を開けば、第1室に溜まった洗濯水が第2室の水道の水圧により押し出され水路vへ送出される。送出後は第2の吸水弁を閉じて水道からの圧力を止め、排水弁を開いて水を出す。
【0029】
このように本実施の形態では、水圧制御付きポンプに外部の水道の水圧を利用して圧力を加え適切なタイミングで排水弁を開くことにより、第1室に溜まった洗濯水が水路vへ送出されるよう制御することを可能としている。
【0030】
なお、本実施例では洗濯槽1と貯水槽502を別のものとして水路ivで接続したが、貯水槽502を洗濯槽と同じとして洗濯槽内にポンプを配置しても同様に実現可能である。またシリンダの第2室に溜まる水を排水弁から排出する際にこの水を洗濯槽1または貯水槽502に排水して洗濯水として利用してもよい。
【0031】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6における洗濯装置のブロック図である。
【0032】
本発明の実施の形態6では、図5において、第2の吸水弁を閉じ排水弁を開き、洗濯水用の第1の吸水弁と送出弁を開いて貯水槽502に水路ivより洗濯水を入れてゆくと、貯水槽に洗濯水が溜まると共に水圧制御付きポンプの第1室にも洗濯水が溜まっていく。水圧制御付きポンプの第1室に洗濯水が満たされた時点で洗濯水用の吸水弁と送出弁を閉じる。その後、第2の吸水弁を開けて外部の水道から水をシリンダの第2室に満たしていく。排水弁は閉じておく。このようにすることで、シリンダの第2室は水道の水圧とほぼ同じ圧力に上がっていく。適切なタイミングで送出弁を開けば、第1室に溜まった洗濯水が第2室の水道の水圧により押し出され水路vへ送出される。
【0033】
送出後、第2の吸水弁を閉じて水道からの圧力を止め、排水弁を開いて水を出す。このとき、図6において、ピストンには復元装置601が具備されておりピストンを引き戻して第2室の容積を小さく戻し、第1室に貯水槽の洗濯水を吸入する。
【0034】
このように本実施の形態では、ピストンに具備された復元装置601によりピストンを引き戻して第2室の容積を小さく戻し、第1室に貯水槽の洗濯水を吸入することにより、洗濯水の噴射間隔を短くすることを可能としている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にかかる洗濯機は、電動ポンプを使うことなくドラム内の洗濯物に洗濯水を噴射することで、ドラム駆動電力に関わらず洗濯水の噴射可能なドラム内に洗濯水を噴射することができる洗濯機が提供できる点で有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 洗濯槽
2 回転ドラム
3 制御回路
4 モータ駆動回路
5 弁5
6 弁駆動回路
7 洗剤混合器
8 弁8
9 水位センサ
10 水位センサ回路
11 水流ノズル
12 弁12
13 整流路
14 循環ポンプ
15 ポンプ駆動回路
16 弁16
a モータ制御信号
b 駆動信号
c 弁制御信号
d 弁駆動信号
d1 弁5駆動信号
d2 弁8駆動信号
d3 弁12駆動信号
d4 弁16駆動信号
e センサ信号
f センサ情報信号
g ポンプ制御信号
h ポンプ駆動信号
i 水路i
ii 水路ii
iii 水路iii
iv 水路iv
v 水路v
101 機械式循環ポンプ
102 伝達部
201 電動弁付き循環ポンプ
d5 吸水弁駆動信号
d6 送出弁駆動信号
301 空気室付きポンプ
302 伝達部
303 圧力センサ
304 圧力センサ回路
j 圧力センサ信号
k 圧力情報信号
m 伝達制御信号
n 駆動モニタ信号
p 駆動モニタ情報信号
501 水圧制御付きポンプ
502 貯水槽
d7 圧入弁駆動信号
d8 排水弁駆動信号
viii 水路viii
ix 排水路ix
601 復元装置
17 プーリー
18 伝達装置
19 ホイール
20 シャフト
21 ピストン
22 シリンダ
23 吸水弁
24 送出弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動回路と、前記洗濯槽に外部から水を供給するための水路と、外部から供給された水に洗剤を混合して洗濯水を作る洗剤混合器と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記洗濯槽に流入させるため水路と、洗濯効果を向上させるために前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記回転ドラム内の洗濯物に噴射する水流ノズルと、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるための水路を備え、前記回転ドラム内の洗濯物に前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うドラム式洗濯機において、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を伝達する伝達部と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるために前記洗剤混合器または前記洗濯槽と前記水流ノズルとの間の水路に配置されたポンプとを具備し、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の回転力を前記伝達部により伝達・利用することで前記ポンプを駆動することができる制御回路を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記ポンプに備えた前記吸水弁または排水弁の動作を電気的に駆動する弁駆動部と、弁駆動部にて弁の開閉タイミングを制御する弁駆動回路とを具備し、吸水、排水のタイミングによって排水の水圧を変化させ前記水流ノズルの噴射力を制御することができる制御回路を備えた請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記ポンプは前記洗濯槽から洗濯水を吸引するシリンダと、前記シリンダ内を往復運動することで洗濯水を吸水・排水する第1のピストンと、前記第1のピストンと前記シリンダの間に密閉された空気の空間を作る第2のピストンを持ったものであって前記モータ駆動部の回転運動を直線運動に変換して前記第2のピストンを押し込んでいく伝達部と、前記第1のピストンと前記シリンダの間に密閉された空気の圧力を検知できる圧力センサと、前記圧力センサから得た情報を前記制御回路に伝える圧力センサ回路とを具備し、前記回転ドラムを駆動する前記モータ駆動部の駆動力を前記伝達部により前記第2のピストンを押し込んでいくことにより前記ポンプ内の洗濯水に圧力をかけて、前記第1のピストンと前記シリンダ、前記第2のピストンで密閉された空気の圧力を前記圧力センサで検知し、所定の圧力になるまでは力の伝達を行い、所定の圧力になったら前記圧力センサ回路からの情報により、前記制御回路は前記伝達部に力の伝達を行うことを止めて、水流が必要なタイミングで排水弁を開くことで洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行う請求項2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記回転ドラムを回転させるモータ駆動部と、前記モータ駆動部を駆動するモータ駆動回路の動作状況を観測することによって、前記回転ドラム内の洗濯物の位置・状態を推測し最適な位置に来るタイミングで洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うことができる制御回路を備えた請求項2または3記載の洗濯機。
【請求項5】
洗濯を行うために外部と隔離し洗剤を含んだ洗濯水を溜めることのできる洗濯槽と、前記洗濯槽内に配置され洗濯水が自由に行き来できる構造をもった回転ドラムと、前記回転ドラムを回転させるモータ駆動回路と、前記洗濯槽に外部から水を供給するための水路と、外部から供給された水に洗剤を混合して洗濯水を作る洗剤混合器と、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記洗濯槽に流入させるため水路と、洗濯効果を向上させるために前記洗剤混合器にて作られた洗濯水を前記回転ドラム内の洗濯物に噴射する水流ノズルと、前記洗剤混合器にて作られた洗濯水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環させるための水路を備え、前記回転ドラム内の洗濯物に前記洗剤混合器にて作られた洗濯
水または前記洗濯槽にある洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うドラム式洗濯機において、前記ポンプは密閉された空間をもっていて片側には洗濯槽から洗濯水を吸引する第1の吸水弁と、前記第1の吸水弁から吸入した洗濯水を排出する第1の排水弁とを具備し、他方には水道からの水を吸水する第2の吸水弁と、前記第2の吸水弁から吸入した水を放出するための第2の排水弁を具備するシリンダと、前記シリンダの第1の吸水弁、・排水弁のある室内と第2の吸水弁・排水弁がある室内とを分割かつ密閉するピストンと、第2の吸水弁が閉じ、第1の吸水弁が開いたときに第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動させることの出来るピストン制御部を具備し、前記ピストン制御部によって前記ピストンを第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動して洗濯水を吸水して、その後前記第1および第2の排水弁を閉じた状態で第2の吸水弁から水道水を前記シリンダ内に入れることで第2の吸水弁・排水弁のある室内の圧力が上昇して前記ピストンを押し、第1の吸水弁を開くことで第1の吸水弁・排水弁のある室内の洗濯水を前記水流ノズルに循環して噴射することにより洗濯を行うことを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
前記ピストン制御部をバネまたはゴムなどの復元力を利用して前記ピストンを第2の吸水弁・排水弁のある室内を最小にする方向に移動して洗濯水を吸水することが出来る請求項5記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−41667(P2011−41667A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191563(P2009−191563)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】