説明

洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及び洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機

【課題】高い洗浄性を有すると共に、洗い残しが無く、被洗浄面に傷を付ける事が無く、かつ、洗い上がりの優れた洗車機用洗浄ブラシを提供する。
【解決手段】自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片は、複数の異材質からなるブラシ部材にて平板状に形成されてあり、前記ブラシ片の少なくとも一端部に折込み部が形成されてあると共に、前記折込み部は、前記ブラシ部材の端面を覆うように、他のブラシ部材にて、折り込んで接合されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片に関しては、例えば、洗浄部材と取付部材で構成され、取付部材が門型洗車機の回転筒に取り付けられる布ブラシにおいて、前記洗浄部材は、不織布で作られた細長袋と合成樹脂で作られた補強シートで構成され、補強シートは細長袋内に先靖部を没して配置され、前記取付部材には複数の洗浄部材が取り付けられていることを特徴とした門型洗車機の回転筒に取り付けられる布ブラシが門型洗車機の回転筒に取り付けられる布ブラシとして、特開2000−71949号公報に開示されてある。
【0003】
また、被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシ用毛材においては、前記ブラシ用毛材は所定形状の織布あるいは不織布からなる布、及び所定形状の合成樹脂発泡体が接合層を有して重ね合わされることにより一体的に形成されてあることを特徴とするブラシ用毛材が、ブラシ毛材として、特開2006−6886号公報に開示されてある。
【0004】
【特許文献1】 特開2000−71949号公報
【特許文献2】 特開2006−6886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2000−71949号においては、洗浄部材の先端部は内部に、補強シートが充填されていない為、洗浄部材の先端部は補強シートの有する腰の強さを洗浄時に発揮する事が出来なかった。
【0006】
また、上記特開2006−6886号においては、使用時において、布、及び合成樹脂発泡体を被洗浄面に接触させる事が可能であるが合成樹脂発泡体が形成されてある面、及び端部は布に比べて洗浄力の劣る合成樹脂発泡体が接触してしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、端部まで高い耐久性、及び強い腰を有すると共に、高い洗浄力を発揮でき、的確に洗浄できる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明は、上記のような課題を解決する為に、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片は、複数の異材質からなるブラシ部材にて平板状に形成されてあり、前記ブラシ片の少なくとも一端部に折込み部が形成されてあると共に、前記折込み部は、前記ブラシ部材の端面を覆うように、他のブラシ部材にて、折り込んで接合されてあるものである。
【0009】
また、第2の解決手段は、前記折込み部に空隙部が形成されてある構成としたものである。
【0012】
また、第3の解決手段は、前記折込み部が形成されてある前記他のブラシ部材の材質に、少なくとも布帛、あるいは皮革のいずれかが使用されてある構成としたものである。
【0010】
また、第4の解決手段は、前記折込み部が形成されてある前記他のブラシ部材を接合するブラシ部材の材質に、少なくとも合成樹脂発泡体、布帛、合成ゴムのいずれかが使用されてある構成としたものである。
【0011】
また、第5の解決手段は、前記接合手段として、編み込み片による、編み込みが使用されてある構成としたものである。
【0012】
また、第6の解決手段は、上記第1の課題解決手段から第5の課題解決手段のいずれか1項に記載の前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある洗車機用洗浄ブラシであるものである。
【0013】
また、第7の解決手段は、駆動源、被洗浄面に散布する洗浄剤、水を噴出させるノズル、及び洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第6の解決手段に記載の前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が搭載されてある洗車機である。
【0014】
上記第1の解決手段による作用は、次の通りである。ブラシ部材の端面部に密着するように折り込むように覆うことで、ブラシ部材に腰が付与されて、含水による垂れ下がりがなくなる。その為、被洗浄面にたいして、折込み部は、外面を覆った他のブラシ部材が接触する。また、折込み部の有するブラシ片の腰の強さは平板状のブラシ部材、及び端部の外面を覆った他のブラシ部材により設定される。また、折込み部は、ブラシ部材にたいして、他のブラシ部材が接合されてある為、他のブラシ部材は、前記ブラシ部材から脱落する事無く、折込み部を有するブラシ片が形成される。また、折込み部は、他のブラシ部材が折り込んで接合されてあり、他のブラシ部材は、ブラシ片の端部から延設されていない。
【0015】
上記第2の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、被洗浄面からブラシ片の折込み部に加圧、衝撃等が加わった場合には、空隙部により加圧、衝撃は吸収、又は分散される。
【0016】
上記第3の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、被洗浄面にたいして、折込み部に形成された布帛あるいは皮革が接触する。また、布帛、及び皮革は、高い洗浄力、柔軟性、高い弾性を有している為、ブラシ片は、被洗浄面に柔らかく、かつ的確に接触する。
【0017】
上記第4の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、折込み部を形成する他のブラシ部材を接合するブラシ部材、あるいは他のブラシ部材が被洗浄面に接触する。また、合成樹脂発泡体、合成ゴムは、強い腰、高い弾性、高い耐久性を有する物を製作できる。その為、被洗浄面は、ブラシ片の有する上記性能が付与される。また、布帛は、高い洗浄力を有するものを製作できる。また、ブラシ部材に布帛を使用した場合においては、被洗浄面は、ブラシ片の有する高い洗浄力が付与される。
【0018】
上記第5の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、編み込みにてブラシ片はブラシ部材に接合されてある。編み込み形状としては、ブラシ片の一部を分割し延設された帯状のブラシ片をブラシ部材の複数の切込み部に順次に挿入し編み込むように形成されてある。
【0019】
上記第6の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、上記第1の解決手段から第5の解決手段のいずれか1項に記載の前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある洗車機用洗浄ブラシを使用することができるので、洗い残しの無い、高い洗浄性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供できる。
【0020】
上記第7の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、第6の解決手段に記載された洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある洗車機が構成されてあり、前記洗車機は、駆動源、被洗浄面に散布する洗浄剤、水を噴出させるノズル、及び洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えている。搭載されてある洗車機用洗浄ブラシは、ブラシ片の形状変形を抑制できる高い耐久性を有している為、洗車機は、被洗浄面に汚れ等が強固に付着している時でも、汚れを掻き出して強力に除去できる高い洗浄性及び耐久性を有する事ができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の洗車機用洗浄ブラシを構成するブラシ片は、布帛の含水による垂れ下がりがなく、布帛の有する高い洗浄性と合成樹脂発泡体、合成ゴムの腰の強さ、高い弾性、高い耐久性を十分に発揮できる。非常に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
第1の発明は、被洗浄面にたいして、折込み部は、外面を覆った他のブラシ部材が接触する為、被洗浄面にたいして、折込み部を接触させる事もできる。その為、端部が垂れる事無く、的確に接触できる。また、折込み部の有するブラシ片の腰の強さは平板状のブラシ部材、及び端部の外面を覆った他のブラシ部材により設定される為、折込み部は、ブラシ部材、及び他のブラシ部材が有する腰の強さにて被洗浄面を洗浄できる。その為、高い洗浄力を発揮できる。また、折込み部は、ブラシ部材にたいして、他のブラシ部材が接合されてある為、他のブラシ部材は、前記ブラシ部材から脱落する事無く、折込み部を有するブラシ片が形成されている為、被洗浄面にたいして、的確に接触させる事ができる。また、折込み部は、他のブラシ部材が折り込んで接合されてあり、他のブラシ部材は、ブラシ片の端部から延設されていない為、ブラシ片の端面は、含水、加圧、衝撃等により垂れ下がる事が無い。
【0023】
第2の発明は、被洗浄面からブラシ片の折込み部に加圧、衝撃等が加わった場合には、空隙部により加圧、衝撃は吸収、又は分散される。ブラシ片を被洗浄面にたいして、強く押し付けて接触させた場合、あるいは高速回転にて叩きつけた場合においても、ブラシ片の折込み部に形成された空隙部が加圧、衝撃等を吸収、又は、分散する事により、折込み部の形状が適時変形し、被洗浄面の形状にならって追従し的確に洗い残し無く洗浄できる。また、空隙部は、加圧、衝撃等を吸収、又は分散できる為、被洗浄面にキズを付ける事を防止、又は抑制できる。
【0024】
第3の発明は、被洗浄面にたいして、折込み部に形成された布帛あるいは皮革が接触する。また、布帛、及び皮革は、高い洗浄力、柔軟性、弾性を有している為、ブラシ片は、被洗浄面に柔らかく、かつ的確に接触する。その為、ブラシ片は、被洗浄面にたいして、高い洗浄性能を発揮できる。また、ブラシ片は、柔軟性、及び弾性を有している為、被洗浄面にキズを付けることを防止、あるいは抑制できる。
【0025】
第4の発明は、折込み部を形成する他のブラシ部材を接合するブラシ部材、あるいは他のブラシ部材が被洗浄面に接触する。また、合成樹脂発泡体、合成ゴムは、強い腰、高い弾性、高い耐久性を有する物を製作できる。その為、被洗浄面は、ブラシ片の有する上記性能が付与される。また、布帛は、高い洗浄力を有するものを製作できる為、高い耐久性と強い掻き出し力を発揮できる。また、ブラシ部材に布帛を使用した場合においては、被洗浄面は、ブラシ片の有する高い洗浄力が付与される為、ブラシ片の全面にわたり布帛を被洗浄面に接触できると共に、布帛に形成された折込み部を接触できる為、極めて高い洗浄性能を発揮できる。
【0026】
第5の発明は、編み込みにてブラシ片がブラシ部材の切込み部にたいして編み込み片が交互に差し込み後、抜け防止として折り返し同切込み部へ戻し編み込む為、ブラシ片が遠心力により外へ抜けようとすると編み込まれた編み込み片が、互いの切込み部を閉じる作用が働く為、ブラシ片はブラシ部材から外れる事なく形成されてある。その為、ブラシ片がブラシ部材から脱落する事がない。材質の異なる2種類のブラシ片を、強力に接合する事ができる。また、被洗浄面にたいして、異材質のブラシ片を接触させる事ができる為、使用目的に応じて、最適な洗浄性、耐久性を有する事ができる。また、ブラシ片の摩耗、劣化時の交換、ブラシ片の異材質への組み替えが可能である。また、他の異材料を使用する事無く着脱が容易に出来て、再生する事ができる。
【0027】
第6の発明は、第1から第5のいずれか1項に記載の前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が搭載されてある洗車機用ブラシとして使用することができるので、洗い残しの無い、高い洗浄性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供できる。
【0028】
第7の発明は、第6の発明の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある洗車機であり、駆動源、被洗浄面に散布する洗浄剤、水を噴出させるノズル、及び洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第6の発明の洗浄ブラシを備えたもので、搭載されてある洗浄ブラシは、軸体が回転してもブラシ外周径が安定し、ブラシ片の形状変形を抑制できる高い耐久性を有している為、洗車機は、被洗浄面に汚れ等が強固に付着している時でも、汚れを掻き出して強力に除去できる高い洗浄性、及び耐久性を有する事ができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
図1から図10にて実施例1を示す。図1は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を正面から見た斜視図である。図1において、1はブラシ片、2は合成樹脂発泡体、3は布帛、4は溶着部である。図2(A)、及び図2(B)は、他の実施の形態の折込み部の断面図である。図2(A)において、11はブラシ片、12は合成樹脂発泡体、13は布帛である。図2(B)において、21はブラシ片、22は合成樹脂発泡体、23、24は布帛である。図3(A)、(B)及び(C)は、ブラシ片を破断した空隙部状態を示す正面から見た斜視図である。図3(A)において、31はブラシ片、32は合成樹脂発泡体、33は布帛、34は溶着部、35は空隙部である。図3(B)において、41はブラシ片、42は合成樹脂発泡体、43は布帛、44は溶着部、45は空隙部である。図3(C)において、51はブラシ片、52は合成樹脂発泡体、53は布帛、54は溶着部、55は空隙部である。図4は、編み込みによる接合状態のブラシ片を破断した正面から見た斜視図である。図4において、61はブラシ片、62は合成樹脂発泡体、63は布帛、65は空隙部、66、67、68、69は編み込み片である。図5は、編み込み接合を示す展開図である。図5において、A、a、B、b、C、c、D、dは、切込み部である。図6は、本発明の洗車機用洗浄ブラシを正面から見た斜視図である。図6において、80は洗浄ブラシ、72は合成樹脂発泡体、73は布帛、76は樹脂ワッシャー、77はリベット、78は軸体、79は組付孔である。図7は、洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片を正面から見た斜視図である。図7において、71はブラシ片、74は溶着部、75は取付孔である。図8は、他の実施の形態の洗車機用洗浄ブラシを正面から見た斜視図である。図8において、90は洗浄ブラシ、82は合成樹脂発泡体、83は布帛、86はチャンネルブラシ、87は止め金具、88は軸体、89は嵌合凹部である。図9は、洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片を正面から見た斜視図である。図9において、81はブラシ片、84は溶着部である。図10は、洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片の側面図である。図10において、85は芯線である。
【0031】
洗車機用洗浄ブラシのブラシ片1、11、21は、図1、図2(A)及び図2(B)の如く、合成樹脂発泡体2、12、22、布帛3、13、23、24、溶着部4より構成されてある。ブラシ片1、11、21は、長方形形状からなり、布帛3、13、23、24が合成樹脂発泡体2、12、22を折り込むように覆って、溶着部4にて布帛3、13、23、24と合成樹脂発泡体2、12、22とが圧着されて形成されてある。また、布帛3、13、23、24と合成樹脂発泡体2、12、22の間は密着するように形成されてある。
【0032】
洗車機用洗浄ブラシのブラシ片31、41、51は、図3(A)、(B)及び(C)の如く、合成樹脂発泡体32、42、52、布帛33、43、53、溶着部34、44、54、空隙部35、45、55より構成されてある。ブラシ片31は長方形形状からなる合成樹脂発泡体32の端面側に布帛33にて概ヒダ形状の空隙部35を形成するように溶着部34にて圧着されて形成されてある。また、ブラシ片41は、長方形形状からなる合成樹脂発泡体42の表面に合成樹脂発泡体42及び、布帛43にて概ヒダ形状に空隙部45を形成するように溶着部44にて圧着されて形成されてある。また、ブラシ片51は、長方形形状からなる端面部に切り欠き部が形成されてある合成樹脂発泡体52の表面に布帛53にて概ヒダ形状に空隙部55を形成するように溶着部54にて圧着されて形成されてある。
【0033】
洗車機用洗浄ブラシのブラシ片61は、図4、図5の如く、合成樹脂発泡体62、布帛63、切り込み部A、a、B、b、C、c、D、d、空隙部65、編み込み片66、67、68、69より構成されてある。ブラシ片61は、長方形形状からなり、布帛63が合成樹脂発泡体62を折り込むように覆って、合成樹脂発泡体62の端面部に合成樹脂発泡体62、及び布帛63にて概ヒダ形状に空隙部65を形成して、編み込み片66、67、68、69にて合成樹脂発泡体62と布帛63とが接合されて形成されてある。
【0034】
洗車機用洗浄ブラシ80は、図6、図7の如く、ブラシ片71、合成樹脂発泡体72、布帛73、溶着部74、取付孔75、樹脂ワッシャー76、リベット77、軸体78、組付孔79より構成されてある。ブラシ片71は、リベット77に樹脂ワッシャー76を嵌めて、取付孔75に通して、軸体78の組付孔79にかしめて止めて形成されてある。
【0035】
洗車機用洗浄ブラシ90は、図8、図9、図10の如く、ブラシ片81、合成樹脂発泡体82、布帛83、溶着84、芯線85、チャンネルブラシ86、止め金具87、軸体88、嵌合凹部89より構成されてある。軸体88は、略円筒状からなり、外周部には、円周8等分以上の嵌合凹部89が形成されてあり、両端部には、止め金具87が組み付けられて形成されてある。チャンネルブラシ86は、ブラシ片81を、芯線85、及び概U字断面を有する帯状帯にて挟み付けて折り込んだ後、軸体88の外周の嵌合凹部89に捩りを加えて略螺旋状に差し込み形成されてあり、両端部を止め金具87にて固定されてある。
【0036】
次に、図1にて、ブラシ片1の製造方法を説明する。まず、図1の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体2に、同じく長方形形状の布帛3で合成樹脂発泡体2の端面部に密着するように折り込んで溶着部4を溶着にて圧着接合する。
【0037】
次に、他の実施の形態の折込み部を図2(A)にて、ブラシ片11の製造方法を説明する。まず、図2(A)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体12に、同じく長方形形状の布帛13で合成樹脂発泡体12の前面から端面部に密着するように折り込むように合わせて、溶着部4を溶着にて圧着接合する。
【0038】
次に、他の実施の形態の折込み部を図2(B)にて、ブラシ片21の製造方法を説明する。まず、図2(B)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体22に、同じく長方形形状の布帛23で合成樹脂発泡体22の前面から端面部に密着するように挟み込むように合わせた後、さらに異材質の布帛24で端面部を覆い溶着部4を溶着にて圧着接合する。
【0039】
次に、図3(A)にて、ブラシ片31の製造方法を説明する。まず、図3(A)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体32に、同じく長方形形状の布帛33で空隙部35を有するように、合成樹脂発泡体32の端面部を折り込むように合わせて、溶着部34を溶着にて圧着接合する。
【0040】
次に、図3(B)にて、ブラシ片41の製造方法を説明する。まず、図3(B)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体42に、同じく長方形形状の布帛43で合成樹脂発泡体42の端面部を折り込むように合わせて、先端部の溶着部44を溶着した後、端部近傍に合成樹脂発泡体42の表面と布帛43にて空隙部45を形成するように、布帛43を弛ませて、溶着部44を溶着にて圧着接合する。
【0041】
次に、図3(C)にて、ブラシ片51の製造方法を説明する。まず、図3(C)の如く、長方形形状からなる端面部に切り欠き部が形成されてある合成樹脂発泡体52の端面部に布帛53にて概ヒダ形状に空隙部55を形成するように折り込むように合わせて、溶着部54を溶着にて圧着接合する。
【0042】
次に、図5にて、ブラシ片61の製造方法を説明する。まず、図5の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体62に、同じく長方形すだれ形状の布帛63で空隙部65を有するように、合成樹脂発泡体62の端面部を折り込むように合わせて、編み込み片66、68を切込み部A、aの上方から挿入して、切込み部B,bへ挿入する時に、編み込み片67、69を重ね合わせて通し、切込み部C、cへ通し、切込み部D、dへ通してから切込み部B、bへ戻り通して、切込み部A、aより抜き取り編み込み接合する。
【0043】
次に、図6から図7にて、洗車機用洗浄ブラシ80の製造方法を説明する。まず、図7の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体72に、同じく長方形の布帛73で合成樹脂発泡体72の両端面部に密着するように折り込んで溶着部74を溶着にて圧着接合する。次に、図6の如く、リベット77に樹脂ワッシャー76を嵌めて、取付孔75に通して、軸体78の組付孔79にかしめて止めてある。上記においては、接合手段として、溶着が採用されてあるが、上記以外にもたとえば、縫製、接着、リベット止め、ネジ止め、面ファスナー等の様々な接合方法が採用できる。
【0044】
次に、図8から図10にて、洗車機用洗浄ブラシ90の製造方法を説明する。まず、図9の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体82に、同じく長方形の布帛83で合成樹脂発泡体82の両端面部に密着するように折り込んで溶着部84を溶着にて圧着接合する。次に、図8、及び図10の如く、チャンネルブラシ86は、ブラシ片81を、芯線85、及び概U字断面を有する帯状帯にて挟み付けて折り込んだ後、軸体88の円周8等分以上の嵌合凹部89にチャンネルブラシ86を差し込み形成されてあり、両端部を止め金具87にて固定されてある。または、軸体88の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に巻き付けると共に、止め金具87にて固定する方法も採用できる。
【0045】
次に、洗車機用洗浄ブラシ80の洗浄時における、被洗浄面にたいするブラシ片1、11、21、31、41、51、61の洗浄状態を説明する。まず、ブラシ片1は、図1の如く、合成樹脂発泡体2端面部を布帛3にて密着するように折り込んで覆い、溶着部4にて布帛3と合成樹脂発泡体2とが溶着にて圧着されて形成されてある時には、被洗浄面にたいして、布帛3の面、及び先端のエッジ部と合成樹脂発泡体2の面にて接触することで、汚れを掻き出して強力に除去できる。
【0046】
また、ブラシ片11は、図2(A)の如く、合成樹脂発泡体12に、同じく長方形形状の布帛13で合成樹脂発泡体12の前面から端面部に密着するように折り込むように合わせて、溶着部4を溶着にて圧着形成されてある時には、被洗浄面にたいして、正転時には、布帛13の面、及び先端のエッジ部が接触する。また、逆転時には、布帛13の面、及び先端のエッジ部と合成樹脂発泡体12の面にて接触することで、被洗浄面にたいして、布帛13の面と先端のエッジ部、あるいは、合成樹脂発泡体が交互に接触し布帛13の面と先端部が適度な弾力で柔軟な洗浄をさせることができる。
【0047】
また、ブラシ片21は、図2(B)の如く、合成樹脂発泡体22に、同じく長方形形状の布帛23で合成樹脂発泡体22の前面から端面部に密着するように折り込むように合わせた後、さらに異材質の布帛24で端面部を覆い溶着部4を溶着にて圧着形成されてある時には、被洗浄面にたいして、正転時には、布帛23の面と異材質の布帛24及び先端のエッジ部が接触する。また、逆転時には、布帛24の面、及び先端のエッジ部と合成樹脂発泡体12の面にて接触することで、被洗浄面にたいして、凹凸があっても布帛24がソフトに接触させながら異材質の摩擦抵抗により掻き出し効果が発生させることができ細部まで的確に接触させ好適な洗浄をさせることができる。
【0048】
また、ブラシ片31は、図3(A)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体32に、同じく長方形形状の布帛33で空隙部35を有するように、合成樹脂発泡体32の端面部を折り込むように合わせて、溶着部34を溶着にて圧着形成されてある時には、被洗浄体にたいして、ヒダ状の空隙部35が連続して被洗浄面に叩き付ける様に接触する。また、ヒダ形状は、被洗浄面上にて、自在に形状が変形する。その為、被洗浄面にたいして、ヒダ状の面と先端のエッジ部で交互に接触する為、より多くの掻き出し効果が発生する。
【0049】
次に、ブラシ片41は、図3(B)の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体42に、同じく長方形形状の布帛43で合成樹脂発泡体42の端面近傍に合成樹脂発泡体42の表面と布帛43にて空隙部45を形成するように、合成樹脂発泡体42の端面部を折り込むように合わせて、溶着部44を溶着にて圧着形成されてある時には、ヒダ状の空隙部45が被洗浄面に接触すると、空気層の空隙部45が変形して、衝撃を吸収しソフトに接触させながら掻き出し効果が発生すると共に、布帛43の面と先端部で適度な弾力で柔軟な洗浄をさせることができる。
【0050】
次に、ブラシ片51は、図3(C)の如く、長方形形状からなる端面部に切り欠き部が形成されてある合成樹脂発泡体52の端面部に布帛53にて概ヒダ形状に空隙部55を形成するように折り込むように合わせて、溶着部54を溶着にて圧着形成されてある時には、ヒダ形状は、被洗浄面上にて、自在に形状が変形し洗浄面にならって洗浄すると共に、柔軟な腰が発生して、被洗浄面にたいして、布帛53の高い洗浄性で細部まで的確に接触させ好適な洗浄をさせることができる。
【0051】
また、ブラシ片61は、図4の如く、長方形形状に形成した合成樹脂発泡体62に、同じく長方形形状の布帛63で空隙部65を有するように、合成樹脂発泡体62の端面部を折り込むように合わせて、編み込み片66、67、68,69で編み込み形成されてある時には、被洗浄体にたいして、ヒダ状の空隙部65が連続して被洗浄面に叩き付ける様に接触する。また、ヒダ形状は、被洗浄面上にて、自在に形状が変形する。その為、被洗浄面にたいして、ヒダ状の面と先端のエッジ部で交互に接触する為、より多くの掻き出し効果が発生する。
【0052】
実施例1の洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90は、上記の如くの構成となっている為、ブラシ片1、11、21は、合成樹脂発泡体2、12、22の表面に布帛3、13、23、24を密着するように形成されてある。その為、被洗浄面にたいして、ブラシ片1、11、21の表面が被洗浄面に適度な弾力でソフトに接触をすることでキズを付ける事がない。また、ブラシ片31、41、51、61の長手方向にたいして空隙部35、45、55、65が形成されてある。その為、被洗浄面にたいして、ブラシ片31、41、51、61の空隙部35、45、55、65が被洗浄面に適度な弾力で柔軟な接触をすることでキズを付ける事がなく。また、空隙部35、45、55、65の面と先端のエッジ部で交互に接触する為、より多くの掻き出し効果が発生する。また、布帛3、13、23、24、33、43、53、63の高い洗浄性で細部まで的確に接触させ適度な弾力で柔軟性のあるソフトで好適な洗浄をさせることができる。また、洗車時の軸体78、あるいは88の回転時に洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90の径が安定し、被洗浄面にたいして、的確に接触させる事ができる。その為、被洗浄面の汚れにたいして、洗い残しが無く、より細部の洗浄ができ、付着力の強い汚れを適格に落すことができる。
【0053】
実施例1の洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90は、上記の如くの構成となっているが、ブラシ片1、11、21、31、41、51、61等の形状については、概N字形状、概M字形状、概U字形状等に折り畳み使用する事も採用できる。また、空隙部35、45、55、65等の形状以外にも様々な形状も採用できる。
【実施例2】
【0054】
図11にて実施例2を示す。図11は、図6、あるいは図8の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある洗車機の正面図である。図11において、80は洗車機用洗浄ブラシ、91は洗車機、92は駆動源、93はノズル、94は乾燥機である。
【0055】
洗車機91は、請求項1から5のいずれか1項に記載の洗浄機用洗浄ブラシ80、あるいは90が搭載されてあり、洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90は駆動源92により回転される。ノズル93からは、被洗浄面にたいして、洗浄剤、及び水が散布され、洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90により洗浄され、洗浄後は、乾燥機94等の乾燥手段により被洗浄面が乾燥される。
【0056】
実施例2の洗車機91は、上記の如くの構成となっているので、駆動源92と、被洗浄面に散布する洗浄剤、及び水を噴出させるノズル93と、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥機94等の乾燥手段を備えると共に、上記実施例1に記載の前記洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90が搭載されてある。その為、前記洗車機用洗浄ブラシ80、あるいは90は、上記の如く、被洗浄面にたいして、複数の異材質からなるブラシ片と空隙部が適度な弾力で柔軟性のある好適な接触させることができる為、洗車機91は、被洗浄面に汚れ等が強固に付着している時でも汚れを掻き出して、強力に除去できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片及び洗車機は、主に、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に搭載する洗浄ブラシ及び洗車機として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】 本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を正面から見た斜視図
【図2】 (A)及び(B)は他の実施の形態の折込み部の断面図
【図3】 (A)、(B)及び(C)はブラシ片を破断した空隙部状態を示す正面から見た斜視図
【図4】 編み込みによる接合状態のブラシ片を破断した正面から見た斜視図
【図5】 編み込み接合を示す展開図
【図6】 本発明の洗車機用洗浄ブラシを正面から見た斜視図
【図7】 洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片を正面から見た斜視図
【図8】 他の実施の形態の洗車機用洗浄ブラシを正面から見た斜視図
【図9】 洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片を正面から見た斜視図
【図10】 洗車機用洗浄ブラシに取り付けられるブラシ片の側面図
【図11】 図6、あるいは図8の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある洗車機の正面図
【符号の説明】
【0059】
1、11、21、31、41、51、61、71、81 ブラシ片
2、12、22、32、42、52、62、72、82 合成樹脂発泡体
3、13、23、24、33、43、53、63、73、83 布帛
4、34、44、54、74、84 溶着部
35、45、55、65 空隙部
66、67、68、69 編み込み片
75 取付孔 76 樹脂ワッシャー 77 リベット
78、88 軸体 79 組付孔
80、90 洗車機用洗浄ブラシ
85 芯線 86 チャンネルブラシ 87 止め金具
89 嵌合凹部
91 洗車機
92 駆動源
93 ノズル
94 乾燥機
A、a、B、b、C、c、D、d 切込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片は、複数の異材質からなるブラシ部材にて平板状に形成されてあり、前記ブラシ片の少なくとも一端部に折込み部が形成されてあると共に、前記折込み部は、前記ブラシ部材の端面を覆うように、他のブラシ部材にて、折り込んで接合されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記折込み部に空隙部が形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項3】
請求項1から2記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記折込み部が形成されてある前記他のブラシ部材の材質に、少なくとも布帛、あるいは皮革のいずれかが使用されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項4】
請求項1から3記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記折込み部が形成されてある前記他のブラシ部材を接合するブラシ部材の材質に、少なくとも合成樹脂発泡体、布帛、合成ゴムのいずれかが使用されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項5】
請求項1から4記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記接合手段として、編み込みが使用されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項7】
駆動源、被洗浄面に散布する洗浄剤、水を噴出させるノズル、及び洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項6記載の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−260371(P2007−260371A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118475(P2006−118475)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】