説明

洗車機用洗浄ブラシのブラシ片及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機

【課題】洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材にたいして光触媒作用を付与することにより、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れを酸化して、親水性物質に分解すると共に、前記親水性物質を洗浄水等により洗い流して自己洗浄することにより、防汚性、抗菌性が付与され、被洗浄面に汚れを再付着させること無く、長期間に渡り、高い洗浄性の維持、向上が図られる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機を提供する。
【解決手段】自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、洗車排水を回収し、浄化してから廃棄ないしはリサイクル使用することが可能な浄化装置を内蔵した洗車機が、特開平9−58420号公報に開示されてある。
【0003】
また、光吸収波長の異なる複数種類の光触媒を含有する層が表面に形成された基材及び、光触媒を含有する層を基材表面に形成する方法が、特開2001−246265号公報に開示されてある。
【0004】
また、布帛の中心を貫通する形で回転軸が挿入された複数枚のブラシ用布帛が積層されてなる洗車用ブラシにおいて、該ブラシ用布帛が通水可能な貫通孔を複数個有することを特徴とする洗車用ブラシが、特開2004−123091号公報に開示されてある。
【0005】
【特許文献1】 特開平9−58420号公報
【特許文献2】 特開2001−246265号公報
【特許文献3】 特開2004−123091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機は、例えば、上記の如くの特徴を有する技術が開示されてあるが、特開平9−58420号公報に開示されてある技術においては、洗車機の浄化装置に光触媒を添加し、洗車排水を回収して、前記光触媒により排水を浄化してから廃棄ないしはリサイクル使用を可能にするものであり、環境問題には配慮しているものの、被洗浄面である車体の洗浄性の向上には寄与していないという課題を有していた。
【0007】
また、特開2001−246265号公報に開示されてある技術においては、紫外線だけでなく、可視光にたいしても感応性を有する光触媒膜が得られるものの、複数種類の光触媒を含有する層を形成する為、生産方法が複雑で、コスト高となるので、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機等の工業用途には適していないという課題を有していた。
【0008】
また、特開2004−123091号公報に開示されてある技術においては、撥水加工、防水加工、防汚加工がブラシ用布帛に施されてあるが、熱硬化性樹脂であるフッ素系樹脂が用いられている為、ブラシ用布帛が硬くなり、車体にブラシ用布帛が密着して均一に当接せず、洗浄残りが発生し、洗浄性が劣るという課題を有していた。さらに、ブラシ用布帛が車体に当接すると、フッ素系樹脂が次第にブラシ用布帛から剥離し、防汚機能の持続性が劣り、フッ素系樹脂の剥離後は、ブラシ用布帛に親油性の有機物汚れが付着し、洗車の際、ブラシ用布帛が被洗浄面に当接して、ブラシ用布帛に付着していた有機物汚れを、被洗浄面に擦り付けて再付着させるという課題も有していた。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材にたいして光触媒作用を付与することにより、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れを酸化して、親水性物質に分解すると共に、前記親水性物質を洗浄水等により洗い流して自己洗浄することにより、防汚性、抗菌性が付与され、被洗浄面に汚れを再付着させること無く、長期間に渡り、高い洗浄性の維持、向上が図られる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成する為に、第1の課題解決手段は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する構成としたものである。
【0011】
また、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は洗浄面及び光触媒作用面を有すると共に、前記光触媒作用面は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する構成としたものである。
【0012】
また、第3の課題解決手段は、第1から第2の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は凹凸形状の断面が形成されてあり、前記凹部に光触媒作用面が形成されてあると共に、前記凸部に洗浄面が形成されてある構成としたものである。
【0013】
また、第4の課題解決手段は、第1から第3の課題解決手段のブラシ片において、前記光触媒作用面は複数の概U字断面を有する凹部が多方向に形成されてあり、互いの前記凹部は連通して形成されてあると共に、前記凹部の端部は前記ブラシ片の外周端部に連通して形成されてある構成としたものである。
【0014】
また、第5の課題解決手段は、第1から第4の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は、少なくとも布帛、合成樹脂繊維、フィルム状樹脂組成物、合成樹脂発泡体、人工皮革、合成皮革のいずれかにて形成されてある構成としたものである。
【0015】
また、第6の課題解決手段は、第1から第5の課題解決手段のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシとしたものである。
【0016】
また、第7の課題解決手段は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第6の課題解決手段に記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機としたものである。
【0017】
また、第8の課題解決手段は、第7の課題解決手段の洗車機において、前記洗車機を構成する部材は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する構成としたものである。
【0018】
また、第9の課題解決手段は、第8の課題解決手段の洗車機において、前記部材は、少なくとも洗車機用洗浄ブラシ、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ軸、本体フレーム、洗浄水の噴出ノズル、被洗浄面を乾燥させる乾燥ブロワ、車輪のいずれかである構成としたものである。
【0019】
上記第1の課題解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、光触媒作用が付与されたブラシ片に紫外線が照射することで、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが酸化され、親水性物質に分解されると共に、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片が自己洗浄されることにより、ブラシ片にたいして防汚性、及び抗菌性が付与される。
【0020】
また、第2の課題解決手段による作用は、第1の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は洗浄面及び光触媒作用面を有すると共に、前記光触媒作用面は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、洗車の際、光触媒作用面により、有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性がブラシ片に付与されるので、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを、被洗浄面に再付着させること無く、ブラシ片の洗浄面により、被洗浄面が洗浄される。
【0021】
また、第3の課題解決手段による作用は、第1から第2の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は凹凸形状の断面が形成されてあり、前記凹部に光触媒作用面が形成されてあると共に、前記凸部に洗浄面が形成されてある為、凹部にて、光触媒作用により、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが酸化されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片が自己洗浄されることにより、ブラシ片に防汚性、抗菌性が付与されると共に、凸部にて、被洗浄面にたいしてブラシ片に付着していた有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性が発揮される。
【0022】
また、第4の課題解決手段による作用は、第1から第3の課題解決手段のブラシ片において、前記光触媒作用面は複数の概U字断面を有する凹部が多方向に形成されてあり、互いの前記凹部は連通して形成されてあると共に、前記凹部の端部は前記ブラシ片の外周端部に連通して形成されてある為、凹部にて、光触媒作用により、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが分解されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は、ブラシ片の外周端部に連通して形成されてある凹部を通して、ブラシ片の外部に、洗浄水等により洗い流される。
【0023】
また、第5の課題解決手段による作用は、第1から第4の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は、少なくとも布帛、合成樹脂繊維、フィルム状樹脂組成物、合成樹脂発泡体、人工皮革、合成皮革のいずれかにて形成されてある為、被洗浄面に付着している汚れを、例えば、布帛が使用されている場合は拭き取り、合成樹脂繊維が使用されている場合は掻き取り、フィルム状樹脂組成物が使用されている場合は掃き取り、合成樹脂発泡体が使用されている場合は擦り取り、人工皮革が使用されている場合は拭き取り、合成皮革が使用されている場合は叩き落として剥離する。また、ブラシ片は光触媒作用を有する為、被洗浄面にたいして、親油性の有機物汚れを再付着させることが無い。
【0024】
また、第6の課題解決手段による作用は、第1から第5の課題解決手段のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシとしたものである為、被洗浄面にたいして、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、被洗浄面の汚れが除去される。
【0025】
また、第7の課題解決手段による作用は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第6の課題解決手段に記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機としたものである為、被洗浄面にたいして、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、被洗浄面の汚れを除去することができる洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある。その為、洗車機の駆動源により、洗車機用洗浄ブラシの回転を高速回転に設定した場合、あるいは洗浄速度を高速に設定した場合においても、高い洗浄性が、被洗浄面にたいして付与される。
【0026】
また、第8の課題解決手段による作用は、第7の課題解決手段の洗車機において、前記洗車機を構成する部材は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、光触媒作用が付与された洗車機の部材に紫外線が照射することで、洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れが酸化され、親水性物質に分解されると共に、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、自己洗浄されることにより、洗車機の部材にたいして防汚性、及び抗菌性が付与される。
【0027】
また、第9の課題解決手段による作用は、第8の課題解決手段の洗車機において、前記部材は、少なくとも洗車機用洗浄ブラシ、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ軸、本体フレーム、洗浄水の噴出ノズル、被洗浄面を乾燥させる乾燥ブロワ、車輪のいずれかである為、汚れの付着した洗車機用洗浄ブラシ、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、あるいはブラシ軸が被洗浄面に当接することが無い。また、本体フレーム、ノズル、乾燥ブロワ、車輪等から被洗浄面に汚れた洗浄水や洗浄剤、あるいはエアー等が噴出されたり、飛び散ったり、吹き付けられたりすることが無い。
【発明の効果】
【0028】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機は、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材にたいして、光触媒作用を付与することにより、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れを酸化して、親水性物質に分解すると共に、前記親水性物質を洗浄水等により洗い流して自己洗浄することにより、防汚性、抗菌性が付与され、被洗浄面に汚れを再付着させること無く、長期間に渡り、高い洗浄性の維持、向上を図ることができる非常に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
第1の発明は、前記ブラシ片は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、光触媒作用が付与されたブラシ片に紫外線が照射することで、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが酸化され、親水性物質に分解されると共に、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片が自己洗浄されることにより、ブラシ片にたいして防汚性、及び抗菌性が付与される。その為、ブラシ片は、常に汚れが付着していない状態を保つことができる。
【0030】
第2の発明は、前記第1の課題解決手段のブラシ片において、前記ブラシ片は洗浄面及び光触媒作用面を有すると共に、前記光触媒作用面は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、洗車の際、光触媒作用面により、有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性がブラシ片に付与されるので、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを、被洗浄面に再付着させること無く、ブラシ片の洗浄面により、被洗浄面が洗浄される。その為、洗車の際、ブラシ片に付着していた親油性の有機物汚れを被洗浄面に再付着させること無く、高い洗浄性の維持、向上を図ることができる。
【0031】
第3の発明は、前記ブラシ片は凹凸形状の断面が形成されてあり、前記凹部に光触媒作用面が形成されてあると共に、前記凸部に洗浄面が形成されてある為、凹部にて、光触媒作用により、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが酸化されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片が自己洗浄されることにより、ブラシ片に防汚性、抗菌性が付与されると共に、凸部にて、被洗浄面にたいしてブラシ片に付着していた有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性が発揮される。その為、ブラシ片は被洗浄面に当接しても、凹部が被洗浄面に接触しないので、凹部に付与されている光触媒は剥離することが無く、長期間に渡り、光触媒作用が維持され、被洗浄面に当接する凸部により、親油性の有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性を被洗浄面にたいして付与することができる。
【0032】
第4の発明は、前記光触媒作用面は複数の概U字断面を有する凹部が多方向に形成されてあり、互いの前記凹部は連通して形成されてあると共に、前記凹部の端部は前記ブラシ片の外周端部に連通して形成されてある為、凹部にて、光触媒作用により、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れが分解されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は、ブラシ片の外周端部に連通して形成されてある凹部を通して、ブラシ片の外部に、洗浄水等により洗い流される。その為、ブラシ片は、常に親油性の有機物汚れが付着していない状態で被洗浄面に当接するので、被洗浄面に汚れを再付着させること無く、優れた洗浄機能を発揮することができ、洗浄性が飛躍的に向上する。
【0033】
第5の発明は、前記ブラシ片は、少なくとも布帛、合成樹脂繊維、フィルム状樹脂組成物、合成樹脂発泡体、人工皮革、合成皮革のいずれかにて形成されてある為、被洗浄面に付着している汚れを、例えば、布帛が使用されている場合は拭き取り、合成樹脂繊維が使用されている場合は掻き取り、フィルム状樹脂組成物が使用されている場合は掃き取り、合成樹脂発泡体が使用されている場合は擦り取り、人工皮革が使用されている場合は拭き取り、合成皮革が使用されている場合は叩き落として剥離する。その為、前記材質を単独、あるいは組み合わせてブラシ片として用いることにより、被洗浄面に親油性の有機物汚れを再付着させること無く、使用する材質が有する洗浄機能を、目的に応じて、被洗浄面に付与することができる。
【0034】
第6の発明は、第1から第5の発明のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシとしたものである為、被洗浄面にたいして、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、被洗浄面の汚れが除去される。その為、長期間に渡り、優れた洗浄性を有する洗車機用洗浄ブラシを提供することができる。
【0035】
第7の発明は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第6の発明に記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機としたものである為、被洗浄面にたいして、ブラシ片に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、被洗浄面の汚れを除去することができる洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある。その為、洗車機の駆動源により、洗車機用洗浄ブラシの回転を高速回転に設定した場合、あるいは洗浄速度を高速に設定した場合においても、高い洗浄性が、被洗浄面にたいして付与される。その為、高い洗浄機能を有する洗車機を提供することができる。
【0036】
第8の発明は、前記洗車機を構成する部材は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有する為、光触媒作用が付与された洗車機の部材に紫外線が照射することで、洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れが酸化され、親水性物質に分解されると共に、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、自己洗浄されることにより、洗車機の部材にたいして防汚性、及び抗菌性が付与される。その為、洗車機の部材に付着した親油性の有機物汚れは、迅速、且つ確実に洗浄水等により洗い流されるので、洗車機は高い防汚機能を有することができる。また、洗車機全体の美観を、長期間に渡って維持することができる。
【0037】
第9の発明は、前記部材は、少なくとも洗車機用洗浄ブラシ、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ軸、本体フレーム、洗浄水の噴出ノズル、被洗浄面を乾燥させる乾燥ブロワ、車輪のいずれかである為、汚れの付着した洗車機用洗浄ブラシ、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、あるいはブラシ軸が被洗浄面に当接することが無い。また、本体フレーム、ノズル、乾燥ブロワ、車輪等から被洗浄面に汚れた洗浄水や洗浄剤、あるいはエアー等が噴出されたり、飛び散ったり、吹き付けられたりすることが無い。その為、被洗浄面にたいする洗浄性を損なうこと無く、高い洗浄機能と防汚機能を併せ持つ洗車機を提供することができる。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
図1から図3にて実施例1を示す。図1(A)は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図である。図1(A)において、1はブラシ片、2は合成樹脂発泡体、3はスリット、4は気泡である。図1(B)は、図1(A)の断面図である。図1(B)において、5は酸化チタンである。図2(A)は、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図である。図2(A)において、11はブラシ片、12は合成樹脂発泡体、13はスリット、14は気泡、16は凹部、17は凸部である。図2(B)は、図2(A)の断面図である。図2(B)において、15は酸化チタンである。図2(C)は、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片の断面図である。図2(C)において、21はブラシ片、22は合成樹脂発泡体、25は酸化チタン、26は凹部、27は凸部である。図3(A)は、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片の平面図である。図3(A)において、31はブラシ片、32は合成樹脂発泡体、34は気泡、36は凹部、37は凸部、38は端部、39は外周端部である。図3(B)は、図3(A)の部分拡大断面図である。図3(B)において、35は酸化チタンである。
【0040】
ブラシ片1は、図1(A)、及び図1(B)の如く、気泡4を有する平板形状の合成樹脂発泡体2からなり、洗浄側近傍にはスリット3が形成されてあり、光触媒機能を有する酸化チタン5が練り込んである。
【0041】
次に、ブラシ片1の製造方法について説明する。ブラシ片1は、超低密度ポリエチレン樹脂に発泡剤を混入して発泡化すると共に、発泡の際に、酸化チタン5、及び発泡剤に架橋剤を添加して、超低密度ポリエチレン樹脂の分子間に共有架橋構造が形成された弾力性を有する合成樹脂発泡体2にて構成されてある。前記の如く、超低密度ポリエチレン樹脂等の樹脂の分子間に共有架橋構造が形成された弾力性を有する合成樹脂発泡体2は、一般的には架橋発泡体と呼ばれている。ブラシ片1の発泡倍率は、被洗浄面である車体に傷を付けないという観点から2倍から15倍が好ましく、2.5倍から12倍にて調整されるのがより好ましい。発泡倍率が2倍未満の場合には、硬すぎて被洗浄面に傷を付けることになり、15倍より大の場合には、摩擦抵抗が大きくなり、洗車時の洗浄音が大きくなると共に、被洗浄面にたいして傷を付けやすくなる。なお、合成樹脂発泡体2に用いられる材質としては、前記超低密度ポリエチレン樹脂の他、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレンメチルアクリレート樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンブチルアクリレート樹脂等のポリオレフィン系樹脂を使用することもでき、前記の如くの材質は、単独で用いられても併用されても良い。
【0042】
また、前記発泡剤としては、従来から合成樹脂発泡体2の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等の熱分解型発泡剤が好適に用いられ、前記材質は単独で用いられても併用されても構わない。
【0043】
また、前記架橋剤としては、従来から合成樹脂発泡体2に弾力性を付与する目的で製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス−ターシャリーブチルパーオキシヘキセン、1,3−ビス−ターシャリーパーオキシイソプロピルベンゼン等の有機過酸化物が好適に用いられ、前記材質は単独で用いられても併用されても差し支えない。
【0044】
光触媒機能を有する材質としては、強い酸化力と活性力を持つ酸化チタン5が好適に用いられるが、前記酸化チタン5以外にも、例えば、三酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム、酸化錫、三酸化ビスマス等の金属酸化物、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム等の金属硫化物、セレン化カドミウム、セレン化亜鉛等の金属セレン化物、リン化ゲルマニウム、リン化インジウム等の金属リン化物等を用いることができる。また、前記の如くの光触媒機能を有する材質にたいして、白金、ロジウム、ルテニウム、銅、鉄等の金属、金属酸化物が担持された物質を用いても良い。
【0045】
次に、ブラシ片1の動作、作用について説明する。ブラシ片1は、光触媒機能を有する酸化チタン5が、合成樹脂発泡体2にたいして練り込まれてある。酸化チタン5は、光の成分の内、紫外線が照射すると、光エネルギーにより、強い酸化力を持ち、有機物を分解する機能を持っている。即ち、ブラシ片1に光成分の紫外線が照射すると、練り込まれてある酸化チタン5は、光エネルギーにより、電子と正孔を生成する。電子は、空気中の酸素と反応し、酸素ラジカルを生成する。一方、正孔は、空気中の湿気等の水分と反応し、酸化力の強い水酸基ラジカルを生成する。前記酸素ラジカル、及び水酸基ラジカルは、洗車の際、被洗浄面である車体からブラシ片1に付着したワックスやシリコーン等を主成分とする親油性の有機物汚れを酸化して、親水性に分解する。次いで、洗車の際、洗浄水がブラシ片1にかかると、親水性に可変された汚れの下に水が入り込み、汚れを浮かせて洗い流す。その為、ブラシ片1は、常に親油性の有機物汚れが付着していない状態で被洗浄面である車体に当接することができ、車体にたいしてブラシ片1から有機物汚れを再付着させること無く、車体に付着、堆積している汚れを擦り取ることができるので、高い洗浄性を有することができる。また、スリット3が、車体の細かな凹凸部分に入り込み、汚れを除去することができる。
【0046】
なお、ブラシ片1は、前記の如くの合成樹脂発泡体2以外にも、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂等のフィルム状樹脂組成物、フィラメントからなる織布、不織布、網布等の布帛、人工皮革、合成皮革等の材質に、光触媒機能を有する酸化チタン5等を練り込んだり、コーティング、浸漬、含浸、バインダー固着等して用いることもできる。ブラシ片1の材質として、合成樹脂発泡体2以外が使用されている場合においては、被洗浄面である車体にたいして、親油性の汚れを再付着させること無く、合成樹脂繊維の場合は車体に付着している汚れを掻き取り、フィルム状樹脂組成物の場合は車体に付着している汚れを掃き取り、布帛や人工皮革の場合は車体に付着している汚れを拭き取り、合成皮革の場合は車体に付着している汚れを叩き落として剥離させることができる。
【0047】
次に、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片11について説明する。ブラシ片11は、図2(A)、及び図2(B)の如く、気泡14を有する平板形状の合成樹脂発泡体12からなり、洗浄側近傍にはスリット13が形成されてあり、光触媒機能を有する酸化チタン15が、合成樹脂発泡体12の表面にコーティングされてあると共に、凹部16、及び凸部17を有し、凹部16が光触媒作用面、凸部17が洗浄面として機能するよう形成されてある。
【0048】
ブラシ片11は、超低密度ポリエチレン樹脂に発泡剤を混入して発泡化すると共に、発泡剤に架橋剤を添加して、超低密度ポリエチレン樹脂の分子間に共有架橋構造が形成された弾力性を有する架橋発泡体である合成樹脂発泡体12にて構成されてある。得られた合成樹脂発泡体12にたいして、エンボスロール等を用いて、合成樹脂発泡体12の表面に凹部16、及び凸部17を形成する。次いで、スプレー等の方法により、合成樹脂発泡体12の表面に光触媒機能を有する酸化チタン15をコーティングする。
【0049】
本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片11の動作、作用は下記の通りである。
【0050】
ブラシ片11は凹凸形状の断面が形成されてあり、凹部16が光触媒作用面として機能すると共に、凸部17が洗浄面として機能するよう形成されてある。即ち、凹部16にて、光触媒作用により、ブラシ片11に被洗浄面である車体から付着した親油性の有機物汚れが酸化されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片11が自己洗浄されることにより、ブラシ片11に防汚性、抗菌性が付与されると共に、凸部17にて、車体にたいしてブラシ片11に付着していた有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性が発揮される。その為、ブラシ片11は車体に当接しても、凹部16が被洗浄面に接触しないので、凹部16に付与されている光触媒機能を有する酸化チタン15は剥離することが無く、前記光触媒作用が維持され、車体に当接する凸部17により、親油性の有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性を車体にたいして付与することができる。また、スリット13が、車体の細かな凹凸部分に入り込み、汚れを除去することができるので、洗浄性が向上する。さらに、光触媒機能を有する酸化チタン15が、前記ブラシ片1の如く練り込まれていないので、酸化チタン15の使用量が少量で済む為、生産コストを抑えることが可能である。
【0051】
次に、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片21について説明する。ブラシ片21は、図2(C)の如く、気泡(図示せず)を有する合成樹脂発泡体22からなり、光触媒機能を持つ酸化チタン25が、合成樹脂発泡体22に練り込んであると共に、凹部26、及び凸部27を有し、凹部26が光触媒作用面、凸部27が洗浄面として機能するよう形成されてある。
【0052】
ブラシ片21は、超低密度ポリエチレン樹脂に発泡剤を混入して発泡化すると共に、発泡の際に、酸化チタン25、及び発泡剤に架橋剤を添加して、超低密度ポリエチレン樹脂の分子間に共有架橋構造が形成された弾力性を有する架橋発泡体である合成樹脂発泡体22にて構成されてある。そして、得られた合成樹脂発泡体22にたいして、エンボスロール等を用いて、合成樹脂発泡体22の表面に凹部26、及び凸部27が形成されてある。
【0053】
本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片21の動作、作用は下記の通りである。
【0054】
ブラシ片21は凹凸形状の断面が形成されてあり、凹部26が光触媒作用面として機能すると共に、凸部27が洗浄面として機能するよう形成されてある。即ち、凹部26にて、光触媒作用により、ブラシ片21に被洗浄面である車体から付着した親油性の有機物汚れが酸化されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は洗浄水等により洗い流されて、ブラシ片21が自己洗浄されることにより、ブラシ片21に防汚性、抗菌性が付与されると共に、凸部27にて、車体にたいしてブラシ片21に付着していた有機物汚れを再付着させること無く、高い洗浄性が発揮される。また、ブラシ片21が車体に当接して、洗浄面である凸部27が摩耗しても、光触媒機能を有する酸化チタン25は、ブラシ片22に練り込まれてあるので、酸化チタン25は、凸部27から剥離することが無く、前記ブラシ片11の如く、光触媒機能を有する酸化チタン15が、ブラシ片11の表面にコーティングされている場合に比べて、親油性の有機物汚れを車体に再付着させないという優れた洗浄機能を、長期間に渡って維持することができる。
【0055】
次に、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片31について説明する。ブラシ片31は、図3(A)、及び図3(B)の如く、気泡34を有する平板形状の合成樹脂発泡体32からなり、光触媒機能を有する酸化チタン35が、合成樹脂発泡体32の表面にコーティングされてあると共に、概U字断面を有する凹部36と、凸部37を有し、凹部36が光触媒作用面、凸部37が洗浄面として機能するよう形成されてある。さらに、凹部36は、多方向に渡って連通して形成されてあると共に、凹部36の端部38は、ブラシ片31の外周端部39に連通して形成されてある。
【0056】
ブラシ片31は、超低密度ポリエチレン樹脂に発泡剤を混入して発泡化すると共に、発泡剤に架橋剤を添加して、超低密度ポリエチレン樹脂の分子間に共有架橋構造が形成された弾力性を有する架橋発泡体である合成樹脂発泡体32にて構成されてある。得られた合成樹脂発泡体32にたいして、エンボスロール等を用いて、合成樹脂発泡体32の表面に凹部36、及び凸部37を形成する。次いで、スプレー等の方法により、合成樹脂発泡体32の表面に光触媒機能を有する酸化チタン35をコーティングする。
【0057】
本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片31の動作、作用は下記の通りである。
【0058】
ブラシ片31は凹凸形状の断面が形成されてあり、凹部36が光触媒作用面として機能すると共に、凸部37が洗浄面として機能するよう形成されてある。即ち、光触媒作用面である概U字断面を有する凹部36が多方向に形成されてあり、互いの凹部36は連通して形成されてあると共に、凹部36の端部38はブラシ片31の外周端部39に連通して形成されてある為、凹部36にて、光触媒作用により、ブラシ片31に付着した親油性の有機物汚れが分解されて親水性物質に分解され、前記親水性物質は、ブラシ片31の外周端部39に連通して形成されてある概U字断面を有する水路となる凹部36を通して、ブラシ片31の外部に、洗浄水等により洗い流される。その為、ブラシ片31は、常に親油性の有機物汚れが付着していない状態で被洗浄面である車体に当接するので、車体に汚れを再付着させること無く、優れた洗浄機能を発揮することができ、洗浄性が飛躍的に向上する。また、凹部36は、概U字断面の水路である為、概コの字断面の水路に比べて、水滴や親水性に可変された汚れが水路である凹部36に付着し難く、ブラシ片31にたいする防汚性が一段と向上する。
【実施例2】
【0059】
図4、及び図5にて実施例2を示す。図4は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図である。図4において、70は洗車機用洗浄ブラシ、71はブラシ片、72はブラシ軸、73はチャンネルブラシ、74は止め金具である。図5は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図である。図5において、80は洗車機用洗浄ブラシ、81はブラシ片、82はブラシ軸、83はスリット、84は止め金具、85は溝部である。
【0060】
洗車機用洗浄ブラシ70は、図4の如く、光触媒機能を有するブラシ片71、ブラシ軸72、チャンネルブラシ73、及び止め金具74より構成されてある。ブラシ軸72は、略円筒形状であり、アルミニウム等の金属材料からなり、外周の両端部には止め金具74が組み付けられて形成されてある。チャンネルブラシ73は、ブラシ片71を芯線、及び概U字断面を有する帯状体にて挟み付けて折り込んだ後、ブラシ軸72の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されてあり、止め金具74にて固定されてある。
【0061】
洗車機用洗浄ブラシ70は、上記の如く、光触媒機能を有するブラシ片71が使用されているので、被洗浄面である車体にたいして、ブラシ片71に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、車体の汚れを除去することができる。その為、長期間に渡り、優れた洗浄性を有する洗車機用洗浄ブラシ70を提供することができる。
【0062】
また、洗車機用洗浄ブラシ80は、図5の如く、光触媒機能を有するブラシ片81、ブラシ軸82、止め金具84、溝部85より構成されてある。ブラシ片81は、平板形状の合成樹脂発泡体からなり、洗浄側近傍にはスリット83が設けられてある。ブラシ軸82は、略円筒形状であり、アルミニウム等の金属材料からなり、外周の両端部には、止め金具84が組み付けられてあると共に、溝部85が形成されてある。ブラシ片81は、中央部にて概U字断面を有するよう二つ折りされ、溝部85に勘合挿入されてあり、止め金具84にて固定されてある。
【0063】
洗車機用洗浄ブラシ80は、上記の如く、光触媒機能を有するブラシ片81が使用されているので、被洗浄面である車体にたいして、ブラシ片81に付着した親油性の有機物汚れを再付着させること無く、車体の汚れを除去することができる。また、ブラシ片81の使用枚数、及びブラシ軸82の外周面に形成されてある溝部85の間隔等を調整することにより、ブラシ片81を車体に連続的に当てることができるので、洗車時における被洗浄面にたいするブラシ片81の接触音を低減させることがきる。
【0064】
なお、ブラシ構造に関しては、特に限定されるものではなく、使用目的に応じて、適時、設定することができる。
【実施例3】
【0065】
図6にて実施例3を示す。図6は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図である。図6において、50は洗車機、51は洗車機用洗浄ブラシ、52は駆動源、53はノズル、54は乾燥ブロワ、55は本体フレームである。
【0066】
洗車機50は、図6の如く、光触媒機能を有するブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ51が搭載されてあり、前記洗車機用洗浄ブラシ51は駆動源52により回転される。ノズル53からは、被洗浄面にたいして、洗浄剤、及び水が散布され、洗車機用洗浄ブラシ51により、洗浄され、洗浄後は洗車機50の乾燥手段である乾燥ブロワ54により被洗浄面が乾燥される。また、洗車機用洗浄ブラシ51を構成するブラシ軸、ノズル53、乾燥ブロワ54、本体フレーム55、及び車輪(図示せず)の表面には、光触媒機能を有する酸化チタンがコーティングされてある。
【0067】
洗車機50は、上記の如くの構成となっているので、光触媒機能を有する酸化チタンにより、洗車機用洗浄ブラシ51を構成するブラシ片とブラシ軸、ノズル53、乾燥ブロワ54、本体フレーム55、及び車輪(図示せず)に付着した親油性の有機物汚れが酸化され、親水性に分解されると共に、洗浄水により洗い流される。その為、親油性の有機物汚れの付着した洗車機用洗浄ブラシ51のブラシ片、あるいはブラシ軸が被洗浄面である車体に当接することが無い。また、本体フレーム55、ノズル53、乾燥ブロワ54、車輪(図示せず)等から車体に汚れた洗浄水や洗浄剤、あるいはエアー等が噴出されたり、飛び散ったり、吹き付けられたりすることが無い。その為、被洗浄面である車体にたいする洗浄性を損なうこと無く、高い洗浄機能と防汚機能を併せ持つ洗車機50を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機は、主に、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機、及び洗車機に搭載されてある洗車機用洗浄ブラシ、及び洗車機用洗浄ブラシのブラシ片として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】 (A)本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図、(B)図1(A)の断面図
【図2】 (A)本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図、(B)図2(A)の断面図、(C)本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片の断面図
【図3】 (A)本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片の平面図、(B)図3(A)の部分拡大断面図
【図4】 本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図
【図5】 本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片が使用されてある他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図
【図6】 本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図
【符号の説明】
【0070】
1、11、21、31、71、81 ブラシ片
2、12、22、32 合成樹脂発泡体
3、13、83 スリット
4、14、34 気泡
5、15、25、35 酸化チタン
16、26、36 凹部
17、27、37 凸部
38 端部
39 外周端部
50 洗車機
51、70、80 洗車機用洗浄ブラシ
52 駆動源
53 ノズル
54 乾燥ブロワ
55 本体フレーム
72、82 ブラシ軸
73 チャンネルブラシ
74、84 止め金具
85 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有することを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は洗浄面及び光触媒作用面を有すると共に、前記光触媒作用面は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有することを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項3】
請求項1から2記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は凹凸形状の断面が形成されてあり、前記凹部に光触媒作用面が形成されてあると共に、前記凸部に洗浄面が形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項4】
請求項1から3記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記光触媒作用面は複数の概U字断面を有する凹部が多方向に形成されてあり、互いの前記凹部は連通して形成されてあると共に、前記凹部の端部は前記ブラシ片の外周端部に連通して形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項5】
請求項1から4記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は、少なくとも布帛、合成樹脂繊維、フィルム状樹脂組成物、合成樹脂発泡体、人工皮革、合成皮革のいずれかにて形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項7】
駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項6記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機。
【請求項8】
請求項7記載の構成よりなる洗車機において、前記洗車機を構成する部材は光触媒による有機物分解性、親水性、自己洗浄性、防汚性、抗菌性の内、少なくとも1種類以上の前記性状を有することを特徴とする洗車機。
【請求項9】
請求項8記載の構成よりなる洗車機において、前記部材は、少なくとも洗車機用洗浄ブラシ、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、前記洗車機用洗浄ブラシのブラシ軸、本体フレーム、洗浄水の噴出ノズル、被洗浄面を乾燥させる乾燥ブロワ、車輪のいずれかであることを特徴とする洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−275534(P2007−275534A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130773(P2006−130773)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】