洗面台および洗面台の配置構造
【課題】洗面台の使い勝手を良くすることができるとともに、洗面所の採光性や開放感を高めることが可能な洗面台を提供することを目的とする。
【解決手段】洗面カウンター20と、第1側面部30および第2側面部40と、第1板部50と、第2板部60と、第3板部70と、を備える洗面台10において、各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方を鏡面とする。また、洗面台10を、洗面所1の壁から離間して配置したり、洗面所1の窓1a際に配置したりする。これにより、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台の前面で鏡を使用できる。さらに、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができる。
【解決手段】洗面カウンター20と、第1側面部30および第2側面部40と、第1板部50と、第2板部60と、第3板部70と、を備える洗面台10において、各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方を鏡面とする。また、洗面台10を、洗面所1の壁から離間して配置したり、洗面所1の窓1a際に配置したりする。これにより、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台の前面で鏡を使用できる。さらに、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台および洗面台の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面所に配置される洗面台には、この洗面台の前面に鏡を取り付けたものが知られている。特許文献1に記載の洗面台は、鏡と給排水設備の他に収納部が備えられた家具として形成されている。このような洗面台は、洗面所に、その裏面や側面を壁に固定するようにして配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−010936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のような洗面台を洗面所に配置するためには、洗面台を固定するための壁面が必要となり、その分、洗面所の採光性や開放感が低減するという問題がある。このため、例えば鏡を前面に設けない構成の洗面台を形成し、この洗面台を、壁から離間した位置や窓際に配置するなどして、洗面所の採光性や開放感を高めたいという要望がある。しかし、鏡を洗面台の前面に設けないとなると、洗面台の使い勝手が良くない場合がある。
【0005】
本発明の課題は、洗面台の使い勝手を良くすることができるとともに、洗面所の採光性や開放感を高めることが可能な洗面台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、洗面台10であって、例えば図1〜図14に示すように、洗面カウンター20と、
この洗面カウンター20の幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置された第1側面部30および第2側面部40と、
一方の側縁が、前記第1側面部30に回動自在に連結される第1板部50と、
一方の側縁が、前記第2側面部40に回動自在に連結される第2板部60と、
他方の側縁が、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結される第3板部70と、を備えており、
前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方は鏡面(例えば、鏡51,52,61,71,72)とされていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記第1板部50は、一方の側縁が、前記第1側面部30に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、前記第1側面部30に当接する方向に回転させたり、第1側面部30から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、前記第2板部60は、一方の側縁が、前記第2側面部40に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、前記第2側面部40に当接する方向に回転させたり、第2側面部40から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、前記第3板部70は、他方の側縁が、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結されているので、前記第2板部60とともに前記第2側面部40に接近する方向に回転したり、第2側面部40から離間する方向に回転したりすることになる。さらに、この第3板部70は、前記第2板部60に対して折りたたみ可能に連結されていることになり、他方の側縁を支点に、前記第2板部60に当接する方向に回転させたり、第2板部60から離間する方向に回転させたりすることができる。
そして、これら各板部50,60,70は可動範囲内であれば、これら各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。さらに、前記第1板部50と第2板部60と第3板部70の各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方が鏡面(例えば、鏡51,52,61,71,72)とされているので、鏡としての機能を備えた各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡を使用しない時には、これら各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させておけば、洗面台10の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台10の前面で鏡を使用することができる。また、洗面台10の配置次第では、各板部50,60,70の表面だけでなく、裏面も鏡面とすれば、洗面台10を、洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台10の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台10の前面に鏡が無い状態としておけば、前記洗面カウンター20の少なくとも上方を、この洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図14に示すように、請求項1に記載の洗面台10において、
前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部40と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定されており、
前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さを、前記第1側面部30と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定し、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さを略等しくなるように設定することで、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べられないようにすることができる。これによって、鏡としての機能を備えた前記各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用する際に、単にまっすぐに並べて鏡を使用するよりも、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡を使用できる。さらに、前記各板部50,60,70のうちの1枚を適宜移動させることによって、鏡を正面から見て使用できるので、より使い勝手が良い。
また、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されているので、統一感を生じさせるだけでなく、第2板部60と第3板部70とを折りたたみやすい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図2,図4〜図6,図8,図14に示すように、請求項2に記載の洗面台10において、
前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されているので、これら第1板部50の他方の側縁と第3板部70の一方の側縁とを係合させ、各板部50,60,70が大きく動かないように安定した状態で使用することができ、さらに使い勝手が良い。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台10を洗面所1に配置してなる洗面台10の配置構造であって、
前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、
この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされているので、前記各板部50,60,70の表面だけでなく、裏面も鏡面とすることによって、複数人で洗面台10を使用でき、使い勝手が良い。
さらに、洗面台10を固定するための壁面を必要としないため、その分、洗面所1の壁に設けられる窓を広くするなどして、洗面所1の採光性を向上させることが可能となる。
また、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、前記洗面カウンター20の少なくとも上方を、前記第1領域と第2領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記第1領域と第2領域との間で視線や光が遮られることを防げるので、洗面所1の採光性や開放感を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、請求項4に記載の洗面台10の配置構造において、
前記第1板部50の表面および裏面の両面が鏡面(例えば、鏡51,52)とされており、
前記第2板部60の表面および裏面のうちの一方が鏡面(例えば、鏡61)とされており、
前記第3板部70の表面および裏面の両面が鏡面(例えば、鏡71,72)とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、例えば前記第2板部60の表面を鏡面(例えば、鏡61)とすることによって、前記第1板部50および第3板部70の表面側の鏡を単独で使用したり、裏面側の鏡を単独で使用したりすることができる。また、前記第3板部70の表面側および裏面側の鏡は、前記第2板部60および第3板部70を適宜回動させることによって、使用者に接近させたり、離間させたりして使用できる。さらに、前記各板部50,60,70の表面側の鏡を三面鏡として使用することも可能となるので、これら各板部50,60,70の鏡を使用する際のバリエーションが豊かになり、より使い勝手が良い。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図12〜図14に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台10を洗面所1に配置してなる洗面台10の配置構造であって、
前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されており、
前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されているので、前記洗面台10は、前記洗面所1の壁際に設けられることになる。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられているので、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、前記洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、この洗面台10の前面側に窓1aを露出させることができる。これによって、窓1aから差し込む光を通過させたり、洗面所1から窓1a外部への視線が遮られることを防いだりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図12〜図14に示すように、請求項6に記載の洗面台10の配置構造において、
前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面(例えば、鏡51,61,71)とされていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面(例えば、鏡51,61,71)とされているので、窓1aを向く面を鏡面とする必要が無くなる。これによって、各板部50,60,70の両面を鏡面とする場合に比してコストを低減できたり、各板部50,60,70を簡易に製造できたりする。また、前記窓1aから差し込む光が、窓1aを向く面の鏡によって外部に反射するようなことを確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1板部は、一方の側縁が、第1側面部に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、第1側面部に当接する方向に回転させたり、第1側面部から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、第2板部は、一方の側縁が、第2側面部に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、第2側面部に当接する方向に回転させたり、第2側面部から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、第3板部は、他方の側縁が、第2板部の他方の側縁に回動自在に連結されているので、第2板部とともに第2側面部に接近する方向に回転したり、第2側面部から離間する方向に回転したりすることになる。さらに、この第3板部は、第2板部に対して折りたたみ可能に連結されていることになり、他方の側縁を支点に、第2板部に当接する方向に回転させたり、第2板部から離間する方向に回転させたりすることができる。
そして、これら各板部は可動範囲内であれば、これら各板部を様々な位置に移動させて使用することができる。さらに、第1板部と第2板部と第3板部の各板部の表面および裏面のうち、少なくとも一方が鏡面とされているので、鏡としての機能を備えた各板部を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡を使用しない時には、これら各板部を、第1側面部および第2側面部側に当接するように回転させておけば、洗面台の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台の前面で鏡を使用することができる。また、洗面台の配置次第では、各板部の表面だけでなく、裏面も鏡面とすれば、洗面台を、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台の前面に鏡が無い状態としておけば、洗面カウンターの少なくとも上方を、この洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る洗面台の配置構造の一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る洗面台の一例を示す正面図である。
【図3】図2に示す洗面台の斜視図である。
【図4】図2の洗面台において第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す斜視図である。
【図5】第1板部付近を示す平断面図である。
【図6】第2板部および第3板部付近を示す平断面図である。
【図7】開閉扉を回動させた状態を示す平断面図である。
【図8】第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図9】第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図10】第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図11】第1板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図12】本発明に係る洗面台の配置構造の他の一例を示す平面図である。
【図13】本発明に係る洗面台の他の一例を示す斜視図である。
【図14】第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る洗面台の配置構造の一例を示す平面図である。
図1において符号1は、洗面所を示す。この洗面所1は、この洗面所1の周囲に配置される浴室2やトイレ3等とともに水廻り設備室を構成している。
このような水廻り設備室内の洗面所1に洗面台10が配置されている。
洗面台10は、奥行き方向一端部が浴室2側に位置し、奥行き方向他端部がトイレ3側に位置しており、この洗面台10を挟む一方の領域(浴室2側)と、他方の領域(トイレ3側)とから使用可能とされている。なお、この洗面台10の奥行き方向一端部側が、この洗面台10の正面とされており、奥行き方向他端部側が、この洗面台10の背面とされている。
なお、本実施の形態において、洗面所1とは、洗面台10が配置される場所を指しているものとする。
【0024】
洗面台10は、図1〜図11に示すように、洗面カウンター20と、第1側面部30および第2側面部40と、第1板部50と、第2板部60と、第3板部70とを備えている。
そして、前記第1板部50の表面および裏面と、第2板部60の表面と、第3板部70の表面および裏面とが、それぞれ鏡面とされている。
【0025】
前記洗面カウンター20は、陶器、合成樹脂等で形成されるものであり、平面視において矩形状に形成されている。なお、本実施の形態においては、この洗面カウンター20のみで使用する形態とされているが、この洗面カウンター20を天板とし、下部にキャビネットを備える形態としても良い。
また、給排水設備として、排水管21aと接続される洗面ボウル21と、給水管22aと接続される蛇口22とを備えている。
【0026】
さらに、洗面カウンター20は、この洗面カウンター20の幅方向両端部側に配置されるとともに、互いに対向する収納部34,44間に設けられている。
なお、本実施の形態の洗面カウンター20は、これら収納部34,44間に架設され、これら収納部34,44によって支持されるものとする。また、上述のように、下部にキャビネットを備える洗面カウンター20の場合は、単に、収納部34,44に洗面カウンター20が位置するようにすれば良い。
【0027】
収納部34,44は、下部が、床面に立設されるとともに、所定の高さに設定された壁体とされており、上部が、収納棚とされている。収納部34,44下部の壁体は、洗面カウンター20を居住者が使いやすい高さに配置できることを考慮した高さとなっている。
また、収納部34下部の壁体は、図2に示すように、壁の厚みを利用して配管スペースを形成し、この配管スペースに前記排水管21aと給水管22aを収納できるようになっている。
また、これら収納部34,44の高さは、互いに略等しくなるように設定されている。
なお、本実施の形態の収納部34,44は、床から天井までの高さよりも低く設定されているが、床から天井まで高さと略等しくなるように設定しても良い。
【0028】
収納部34上部の収納棚は、図2〜図5,図7〜図11に示すように、洗面カウンター20側に開口する開口部35aが形成された収納空間35と、洗面台10の奥行き方向一端部側に開口する開口部36aが形成された収納空間36とを有している。
また、前記収納空間36には、複数の棚板37…が上下方向に間隔をあけて取り付けられている。
収納部44上部の収納棚は、図2〜図4,図6〜図11に示すように、洗面カウンター20側に開口する開口部45aが形成された収納空間45を有している。
【0029】
なお、本実施の形態において、洗面カウンター20は、下部が壁体とされ、上部が収納棚とされた収納部34,44間に設けられるものとしたが、互いに対向する通常の壁間に設けられるものとしても良い。
さらに、いずれか一方を収納部34(44)とし、他方を通常の壁としても良い。つまり、建物躯体の一部として構成された壁に対向するようにして収納部34(44)を配置し、これら収納部34(44)と壁との間に洗面カウンター20を設けるようにしても良い。
【0030】
前記第1側面部30および第2側面部40は、洗面カウンター20の幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置されている。
これら第1側面部30および第2側面部40は、洗面カウンター20の上面に直交するようにして上方に延在している。
すなわち、これら第1側面部30および第2側面部40は、前記収納部34,44の洗面カウンター20側面を指している。図1〜図11に示すように、前記収納部34,44には、前記収納空間35,45の開口部35a,45aを開閉する開閉扉が設けられており、本実施の形態においては、特に、これら開閉扉が、それぞれ前記第1側面部30、第2側面部40とされている。
【0031】
開閉扉である第1側面部30は、縦横の框材30a,30bを矩形枠状に組み立ててなるものであり、この矩形枠の内部が、第1板部50が収納される鏡収納部31とされている。この鏡収納部31は、第1板部50を収納可能な大きさに設定されている。
【0032】
また、洗面台10の奥行き方向他端部側の収納部34の側縁と、矩形枠状の第1側面部30の他方の側縁(縦框材30a)との間には、図5に示すように、蝶番32が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。
また、矩形枠状の第1側面部30の一方の側縁(縦框材30a)には、この第1側面部30を開閉操作するための、つまみ33が設けられている。
【0033】
開閉扉である第2側面部40は、縦横の框材40a,40aを矩形枠状に組み立ててなるものであり、この矩形枠の内部が、第2板部60および第3板部70が収納される鏡収納部41とされている。この鏡収納部41は、第2板部60および第3板部70を収納可能な大きさに設定されている。
【0034】
また、洗面台10の奥行き方向他端部側の収納部44の側縁と、矩形枠状の第2側面部40の他方の側縁(縦框材40a)との間には、図6に示すように、蝶番42が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。
また、矩形枠状の第2側面部40の一方の側縁(縦框材40a)には、この第2側面部40を開閉操作するための、つまみ43が設けられている。
【0035】
前記第1板部50は、図2,図7〜図11に示すように、表面および裏面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡51が第1板部50の表面側を構成しており、矩形板状の鏡52が第1板部50の裏面側を構成している。
これら鏡51,52は、互いに背面を当接させるとともに、これら鏡51,52の周縁部を保持するフレーム53で保持されることによって、第1板部50の本体を構成している。
【0036】
第1板部50の一方の側縁は、前記第1側面部30に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第1板部50の本体を構成するフレーム53の一方の側縁には、回動軸54が設けられている。
この回動軸54は、このフレーム53の一方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部と下端部とが、前記開閉扉である第1側面部30を構成する上下2本の横框材30b,30b側に突出している。
これら上側の横框材30bの下面と、下側の横框材30bの上面とには、図示はしないが、回動軸54の上端部および下端部を回動自在に受ける軸受け材が設けられている。また、この軸受け材は、円状の底面部と、この底面部の周縁に立設される筒状の周壁部とを備えている。
そして、第1板部50は、この第1板部50の一方の側縁に位置する回動軸54の上下端部をそれぞれ軸受け材で受けることによって、前記開閉扉である第1側面部30に連結されることになる。
【0037】
また、第1板部50の他方の側縁には、この第1板部50の他方の側縁に沿って、把手55が取り付けられている。
この把手55は、図5に示すように、固定片55aと、突出片55bと、凹部55cとを有している。
固定片55aは、前記フレーム53の他方の側縁に固定されている。
突出片55bは、前記固定片55aと一体形成されており、この固定片55aの収納部34側端部から洗面カウンター20側に斜めに湾曲するようにして突出している。
凹部55cは、前記固定片55aと突出片55bとの間に形成されており、洗面台10の使用者の指が入れられる部分となる。
【0038】
また、前記第1側面部30の鏡収納部31には、この第1板部50とともに背板部30cが収納されている。これら第1側面部30と背板部30cとは、互いに背面を当接させるようにして配置されており、背板部30cの周縁部は、前記縦横の框材30a,30bに固定されている。
なお、この背板部30cは、前記第1板部50のストッパーとしても使用されており、この第1板部50の収納部34側への回動を止めることができる。
【0039】
前記第2板部60は、図2,図6〜図11に示すように、表面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡61が第2板部60の表面側を構成している。また、第2板部60の裏面側は、化粧板部62によって構成されている。
化粧板部62は、第2板部60の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡61と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡61および化粧板部62の周縁部を保持するフレーム63で保持されることによって、第2板部60の本体を構成している。
【0040】
第2板部60の一方の側縁は、前記第2側面部40に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第2板部50の本体を構成するフレーム63の一方の側縁には、回動軸64が設けられている。
この回動軸64は、フレーム63の一方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部と下端部とが、前記開閉扉である第2側面部40を構成する上下2本の横框材40b,40b側に突出している。
また、これら上側の横框材40bの下面と、下側の横框材40bの上面とには、図示はしない軸受け材が設けられている。
そして、第2板部60は、この第2板部60の一方の側縁に位置する回動軸64の上下端部をそれぞれ軸受け材で受けることによって、前記開閉扉である第2側面部40に連結されることになる。
【0041】
また、第2板部60の本体を構成するフレーム63の他方の側縁には、回動軸65が設けられている。
この回動軸65は、フレーム63の他方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部が上方に突出し、下端部が下方に突出している。
そして、これら回動軸65の上下端部には、リンク部材74a,74aを介して、第3板部70の回動軸74(後述する)が設けられている。
【0042】
前記第3板部70は、図6〜図11に示すように、表面および裏面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡71が第3板部70の表面側を構成しており、矩形板状の鏡72が第3板部70の裏面側を構成している。
これら鏡71,72は、互いに背面を当接させるとともに、これら鏡71,72の周縁部を保持するフレーム73で保持されることによって、第3板部70の本体を構成している。
【0043】
第3板部70の他方の側縁は、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第3板部70の本体を構成するフレーム73の他方の側縁には、回動軸74が設けられている。この回動軸74は、フレーム73の他方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部が上方に突出し、下端部が下方に突出している。
そして、これら回動軸74の上下端部には、リンク部材74a,74aを介して、第2板部60の回動軸65が設けられている。つまり、第2板部の回動軸65と第3板部70の回動軸74とは、上下端部において、リンク部材74a,74aを介して連結されていることになる。
【0044】
また、第3板部70の一方の側縁には、この第3板部70の一方の側縁に沿って、把手75が取り付けられている。
この把手55は、図6に示すように、固定片75aと、突出片75bと、凹部75cとを有している。
固定片75aは、前記フレーム73の一方の側縁に固定されている。
突出片75bは、前記固定片75aと一体形成されており、この固定片75aの収納部44側端部から洗面カウンター20側にL型に突出している。
凹部75cは、前記固定片75aと突出片75bとの間に形成されており、洗面台10の使用者の指が入れられる部分となる。
【0045】
また、前記第2側面部40の鏡収納部41には、前記第2板部60および第3板部70が収納されている。これら第2板部60および第3板部70は、上述のように折りたたみ可能に連結されており、折りたたまれた状態で鏡収納部41に収納される。
なお、第2側面部40の収納部44側面にはストッパー66が取り付けられており、このストッパー66によって、第2板部60および第3板部70の収納部44側への回動を止めることができる。
【0046】
前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部は、図5〜図11に示すように、各板部50,60,70の一方の側縁と他方の側縁との間の長さ、すなわち各板部50,60,70の幅方向の長さ(鏡収納部31,41収納時における洗面台10の奥行き方向に沿う方向の長さ)が略等しくなるように設定されている。
【0047】
前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部40と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定されている。すなわち、これら各板部50,60,70は、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、横方向一直線に並べられないことになる。
これによって、矩形板状の鏡を、横一直線に並べて平らな鏡として用いるのではなく、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡を使用できることになる。
【0048】
また、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、図4〜図6,図8に示すように、互いに係合可能に形成されている。
すなわち、前記第1板部50の把手55の凹部55cは、第3板部70の把手75よりも大きくなるように形成されている。さらに、把手55の突出片55bの斜め突出部分は、前記各板部50,60,70を三面鏡として使用する際に、洗面カウンター20の幅方向に沿って配置できるような方向に突出するように設定されている。
【0049】
以上のような第1板部50、第2板部60、第3板部70を使用する際のバリエーションは様々なものがある。
図7では、前記開閉扉である第1側面部30および第2側面部40を、蝶番32,42を支点にして回動移動させ、前記収納空間35,45の開口部35a,45aを開放させた状態としている。
【0050】
図4および図8では、前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部を回動させて、これら各板部50,60,70を、洗面台10の正面側から三面鏡として使用している。
この時、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、前記第3板部70の把手75を、前記第1板部50の把手55の凹部55cに挿入するようにして互いに係合した状態となっている。
【0051】
正面側から洗面台10を使用する場合に、図9では、第3板部70を回動移動させて、表面側の鏡71を使用者側に接近させている。また、図10では、同じように第3板部70を回動移動させて、洗面台10正面側の使用者から鏡71を離間させるようにして使用している。
一方、洗面台10を背面側から使用する場合に、図9では、第3板部70の裏面側の鏡72を使用者側から離間させていることになり、図10では、鏡72を、使用者側に接近させている。
【0052】
図11では、第1板部50を回動移動させており、この場合、第1板部50の表面側の鏡51を、洗面台10正面から使用することができ、第1板部50の裏面側の鏡52を、洗面台10背面から使用することができる。
【0053】
次に、以上のような洗面台10の配置構造について説明する。
まず、前記洗面所1の周囲に配置された前記浴室2およびトイレ3は、図1に示すように個室とされており、周囲に壁が立設されている。
浴室2の周囲を囲む壁には出入り口2aが形成されている。また、トイレ3の周囲を囲む壁には出入り口3aが形成されている。
そして、本実施の形態の洗面所1は、浴室2の出入り口2a前のスペースと、トイレ3の出入り口3a前のスペースとの間に配置されている。
【0054】
洗面台10は、奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間するようにして洗面所1に配置されている。すなわち、洗面台10の奥行き方向両端部は、前記浴室2の周囲を囲む壁からも、前記トイレ3の周囲を囲む壁からも、また、その他のいずれの壁からも離間して配置されている。
これによって、洗面台10を、この洗面台10を挟む一方の領域(浴室2側)と、他方の領域(トイレ3側)とから使用できるようになっている。
【0055】
また、本実施の形態の洗面カウンター20は、この洗面カウンター20のみで使用し、下部にキャビネットを備えない形態となっているので、この洗面カウンター20の上方および下方は、前記第1領域と第2領域とを連通する空間となる。
【0056】
なお、本実施の形態の水廻り設備室は、図1に示すような形態としたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
すなわち、どのような形態の水廻り設備室であっても、正面側(第1領域)と背面側(第2領域)とから使用可能とされた洗面台10は、その奥行き方向両端部が、周囲の壁から離間するようにして配置されている。
【0057】
本実施の形態によれば、鏡としての機能を備えた前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部は可動範囲内であれば、これら各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡51,52,61,71,72を使用しない時には、これら各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させておけば、洗面台10の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡51,52,61,71,72を使用することができる上に、洗面台10の前面で鏡51,52,61,71,72を使用することができる。また、各板部50,60,70の表面だけでなく、第1板部50および第3板部70の裏面も鏡面となっているので、洗面台10を、洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台10の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台10の前面に鏡が無い状態としておけば、前記洗面カウンター20の上方および下方を、この洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0058】
また、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さを、前記第1側面部30と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定し、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さを略等しくなるように設定することで、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べられないようにすることができる。これによって、鏡としての機能を備えた前記各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用する際に、単にまっすぐに並べて鏡を使用するよりも、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡51,52,61,71,72を使用できる。さらに、前記各板部50,60,70のうちの1枚を適宜移動させることによって、鏡を正面から見て使用できるので、より使い勝手が良い。
また、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されているので、統一感を生じさせるだけでなく、第2板部60と第3板部70とを折りたたみやすい。
【0059】
また、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されているので、これら第1板部50の他方の側縁と第3板部70の一方の側縁とを係合させ、各板部50,60,70が大きく動かないように安定した状態で使用することができ、さらに使い勝手が良い。
【0060】
また、前記洗面台10は、奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされているので、複数人で洗面台10を使用でき、使い勝手が良い。
さらに、洗面台10を固定するための壁面を必要としないため、その分、洗面所1の壁に設けられる窓を広くするなどして、洗面所1の採光性を向上させることが可能となる。
また、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、前記洗面カウンター20の上方および下方を、前記第1領域と第2領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記第1領域と第2領域との間で視線や光が遮られることを防げるので、洗面所1の採光性や開放感を向上させることが可能となる。
【0061】
また、前記第1板部50および第3板部70の表面側の鏡51,71を単独で使用したり、裏面側の鏡52,72を単独で使用したりすることができる。また、前記第3板部70の表面側および裏面側の鏡71,72は、前記第2板部60および第3板部70を適宜回動させることによって、使用者に接近させたり、離間させたりして使用できる。さらに、前記各板部50,60,70の表面側の鏡51,61,71を三面鏡として使用することも可能となるので、これら各板部50,60,70の鏡51,52,61,71,72を使用する際のバリエーションが豊かになり、より使い勝手が良い。
【0062】
<第2の実施の形態>
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
【0063】
本実施の形態の洗面台10は、図12〜図14に示すように、前記第1板部50、第2板部60、第3板部70各板部の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面とされている。
なお、本実施の形態において、洗面所1とは、洗面台10が配置される場所を指しているものとする。
【0064】
本実施の形態の第1板部50は、表面側が矩形板状の鏡51で構成されており、裏面側が化粧板部56で構成されている。
化粧板部56は、第1板部50の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡51と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡51および化粧板部56の周縁部を保持するフレーム53で保持されることによって、本実施の形態の第1板部50の本体を構成している。
【0065】
本実施の形態の第3板部70は、表面側が矩形板状の鏡71で構成されており、裏面側が化粧板部76で構成されている。
化粧板部76は、第3板部70の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡71と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡71および化粧板部76の周縁部を保持するフレーム73で保持されることによって、本実施の形態の第3板部70の本体を構成している。
【0066】
次に、以上のような洗面台10の配置構造について説明する。
洗面台10は洗面所1に配置されている。この洗面所1の周囲には、図12に示すように、トイレ3が配置されている。また、これら洗面所1およびトイレ3から離れた位置に浴室2が配置されている。そして、洗面所1は、浴室2やトイレ3等とともに水廻り設備室を構成している。
なお、前記浴室2およびトイレ3は、図12に示すように個室とされており、周囲に壁が立設されている。また、浴室2の周囲を囲む壁には出入り口2aが形成されている。また、トイレ3の周囲を囲む壁には出入り口3aが形成されている。
【0067】
洗面台10は、図12に示すように、洗面所1に、奥行き方向一端部が洗面所1の壁から離間し、他端部が洗面所1の壁に当接固定されて配置されている。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられている。
これによって、本実施の形態の洗面台10は、洗面所1の壁際に設けられ、正面側からのみ使用できることになる。
【0068】
また、洗面台10の幅方向一端部は、前記トイレ3の周囲を囲む壁に当接固定されており、幅方向他端部は、前記窓1aが設けられた壁と直交する壁に当接固定されている。
すなわち、本実施の形態の洗面台10は、三方を壁で囲まれた空間に配置されており、この洗面台10が配置された場所が、水廻り設備室の洗面所1として使用されている。
【0069】
なお、本実施の形態の水廻り設備室は、図12に示すような形態としたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
すなわち、どのような形態の水廻り設備室であっても、本実施の形態の洗面台10は、窓1aが設けられた壁際に配置されており、正面側から使用可能とされている。また、洗面台10の各板部50,60,70の鏡面は、窓1aが設けられた壁を向く面ではなく、洗面所1内部を向く面とされている。
【0070】
本実施の形態によれば、洗面台10は、奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されているので、前記洗面台10は、前記洗面所1の壁際に設けられることになる。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられているので、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、前記洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、この洗面台10の前面側に窓1aを露出させることができる。これによって、窓1aから差し込む光を通過させたり、洗面所1から窓1a外部への視線が遮られることを防いだりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0071】
また、前記各板部50,60,70の前記洗面所1内部を向く表面側だけに鏡51,61,71が設けられているので、窓1aを向く裏面側を鏡面とする必要が無くなる。これによって、各板部50,60,70の両面を鏡面とする場合に比してコストを低減できたり、各板部50,60,70を簡易に製造できたりする。
また、前記窓1aから差し込む光が、窓1aを向く面の鏡によって外部に反射するようなことを確実に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 洗面所
1a 窓
10 洗面台
20 洗面カウンター
30 第1側面部
30c 背板部
40 第2側面部
50 第1板部
51 鏡
52 鏡
56 化粧板部
60 第2板部
61 鏡
62 化粧板部
70 第3板部
71 鏡
72 鏡
76 化粧板部
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台および洗面台の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面所に配置される洗面台には、この洗面台の前面に鏡を取り付けたものが知られている。特許文献1に記載の洗面台は、鏡と給排水設備の他に収納部が備えられた家具として形成されている。このような洗面台は、洗面所に、その裏面や側面を壁に固定するようにして配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−010936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のような洗面台を洗面所に配置するためには、洗面台を固定するための壁面が必要となり、その分、洗面所の採光性や開放感が低減するという問題がある。このため、例えば鏡を前面に設けない構成の洗面台を形成し、この洗面台を、壁から離間した位置や窓際に配置するなどして、洗面所の採光性や開放感を高めたいという要望がある。しかし、鏡を洗面台の前面に設けないとなると、洗面台の使い勝手が良くない場合がある。
【0005】
本発明の課題は、洗面台の使い勝手を良くすることができるとともに、洗面所の採光性や開放感を高めることが可能な洗面台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、洗面台10であって、例えば図1〜図14に示すように、洗面カウンター20と、
この洗面カウンター20の幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置された第1側面部30および第2側面部40と、
一方の側縁が、前記第1側面部30に回動自在に連結される第1板部50と、
一方の側縁が、前記第2側面部40に回動自在に連結される第2板部60と、
他方の側縁が、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結される第3板部70と、を備えており、
前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方は鏡面(例えば、鏡51,52,61,71,72)とされていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記第1板部50は、一方の側縁が、前記第1側面部30に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、前記第1側面部30に当接する方向に回転させたり、第1側面部30から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、前記第2板部60は、一方の側縁が、前記第2側面部40に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、前記第2側面部40に当接する方向に回転させたり、第2側面部40から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、前記第3板部70は、他方の側縁が、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結されているので、前記第2板部60とともに前記第2側面部40に接近する方向に回転したり、第2側面部40から離間する方向に回転したりすることになる。さらに、この第3板部70は、前記第2板部60に対して折りたたみ可能に連結されていることになり、他方の側縁を支点に、前記第2板部60に当接する方向に回転させたり、第2板部60から離間する方向に回転させたりすることができる。
そして、これら各板部50,60,70は可動範囲内であれば、これら各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。さらに、前記第1板部50と第2板部60と第3板部70の各板部50,60,70の表面および裏面のうち、少なくとも一方が鏡面(例えば、鏡51,52,61,71,72)とされているので、鏡としての機能を備えた各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡を使用しない時には、これら各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させておけば、洗面台10の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台10の前面で鏡を使用することができる。また、洗面台10の配置次第では、各板部50,60,70の表面だけでなく、裏面も鏡面とすれば、洗面台10を、洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台10の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台10の前面に鏡が無い状態としておけば、前記洗面カウンター20の少なくとも上方を、この洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図14に示すように、請求項1に記載の洗面台10において、
前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部40と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定されており、
前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さを、前記第1側面部30と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定し、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さを略等しくなるように設定することで、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べられないようにすることができる。これによって、鏡としての機能を備えた前記各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用する際に、単にまっすぐに並べて鏡を使用するよりも、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡を使用できる。さらに、前記各板部50,60,70のうちの1枚を適宜移動させることによって、鏡を正面から見て使用できるので、より使い勝手が良い。
また、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されているので、統一感を生じさせるだけでなく、第2板部60と第3板部70とを折りたたみやすい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図2,図4〜図6,図8,図14に示すように、請求項2に記載の洗面台10において、
前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されているので、これら第1板部50の他方の側縁と第3板部70の一方の側縁とを係合させ、各板部50,60,70が大きく動かないように安定した状態で使用することができ、さらに使い勝手が良い。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台10を洗面所1に配置してなる洗面台10の配置構造であって、
前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、
この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされているので、前記各板部50,60,70の表面だけでなく、裏面も鏡面とすることによって、複数人で洗面台10を使用でき、使い勝手が良い。
さらに、洗面台10を固定するための壁面を必要としないため、その分、洗面所1の壁に設けられる窓を広くするなどして、洗面所1の採光性を向上させることが可能となる。
また、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、前記洗面カウンター20の少なくとも上方を、前記第1領域と第2領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記第1領域と第2領域との間で視線や光が遮られることを防げるので、洗面所1の採光性や開放感を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、請求項4に記載の洗面台10の配置構造において、
前記第1板部50の表面および裏面の両面が鏡面(例えば、鏡51,52)とされており、
前記第2板部60の表面および裏面のうちの一方が鏡面(例えば、鏡61)とされており、
前記第3板部70の表面および裏面の両面が鏡面(例えば、鏡71,72)とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、例えば前記第2板部60の表面を鏡面(例えば、鏡61)とすることによって、前記第1板部50および第3板部70の表面側の鏡を単独で使用したり、裏面側の鏡を単独で使用したりすることができる。また、前記第3板部70の表面側および裏面側の鏡は、前記第2板部60および第3板部70を適宜回動させることによって、使用者に接近させたり、離間させたりして使用できる。さらに、前記各板部50,60,70の表面側の鏡を三面鏡として使用することも可能となるので、これら各板部50,60,70の鏡を使用する際のバリエーションが豊かになり、より使い勝手が良い。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図12〜図14に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台10を洗面所1に配置してなる洗面台10の配置構造であって、
前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されており、
前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記洗面台10は、前記第1側面部30と第2側面部40との並設方向と直交する洗面台10の奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されているので、前記洗面台10は、前記洗面所1の壁際に設けられることになる。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられているので、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、前記洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、この洗面台10の前面側に窓1aを露出させることができる。これによって、窓1aから差し込む光を通過させたり、洗面所1から窓1a外部への視線が遮られることを防いだりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図12〜図14に示すように、請求項6に記載の洗面台10の配置構造において、
前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面(例えば、鏡51,61,71)とされていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、前記各板部50,60,70の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面(例えば、鏡51,61,71)とされているので、窓1aを向く面を鏡面とする必要が無くなる。これによって、各板部50,60,70の両面を鏡面とする場合に比してコストを低減できたり、各板部50,60,70を簡易に製造できたりする。また、前記窓1aから差し込む光が、窓1aを向く面の鏡によって外部に反射するようなことを確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1板部は、一方の側縁が、第1側面部に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、第1側面部に当接する方向に回転させたり、第1側面部から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、第2板部は、一方の側縁が、第2側面部に回動自在に連結されているので、この一方の側縁を支点に、第2側面部に当接する方向に回転させたり、第2側面部から離間する方向に回転させたりすることができる。
また、第3板部は、他方の側縁が、第2板部の他方の側縁に回動自在に連結されているので、第2板部とともに第2側面部に接近する方向に回転したり、第2側面部から離間する方向に回転したりすることになる。さらに、この第3板部は、第2板部に対して折りたたみ可能に連結されていることになり、他方の側縁を支点に、第2板部に当接する方向に回転させたり、第2板部から離間する方向に回転させたりすることができる。
そして、これら各板部は可動範囲内であれば、これら各板部を様々な位置に移動させて使用することができる。さらに、第1板部と第2板部と第3板部の各板部の表面および裏面のうち、少なくとも一方が鏡面とされているので、鏡としての機能を備えた各板部を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡を使用しない時には、これら各板部を、第1側面部および第2側面部側に当接するように回転させておけば、洗面台の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡を使用することができる上に、洗面台の前面で鏡を使用することができる。また、洗面台の配置次第では、各板部の表面だけでなく、裏面も鏡面とすれば、洗面台を、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台の前面に鏡が無い状態としておけば、洗面カウンターの少なくとも上方を、この洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、洗面カウンターを挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る洗面台の配置構造の一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る洗面台の一例を示す正面図である。
【図3】図2に示す洗面台の斜視図である。
【図4】図2の洗面台において第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す斜視図である。
【図5】第1板部付近を示す平断面図である。
【図6】第2板部および第3板部付近を示す平断面図である。
【図7】開閉扉を回動させた状態を示す平断面図である。
【図8】第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図9】第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図10】第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図11】第1板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【図12】本発明に係る洗面台の配置構造の他の一例を示す平面図である。
【図13】本発明に係る洗面台の他の一例を示す斜視図である。
【図14】第1板部、第2板部、第3板部を回動させた状態を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る洗面台の配置構造の一例を示す平面図である。
図1において符号1は、洗面所を示す。この洗面所1は、この洗面所1の周囲に配置される浴室2やトイレ3等とともに水廻り設備室を構成している。
このような水廻り設備室内の洗面所1に洗面台10が配置されている。
洗面台10は、奥行き方向一端部が浴室2側に位置し、奥行き方向他端部がトイレ3側に位置しており、この洗面台10を挟む一方の領域(浴室2側)と、他方の領域(トイレ3側)とから使用可能とされている。なお、この洗面台10の奥行き方向一端部側が、この洗面台10の正面とされており、奥行き方向他端部側が、この洗面台10の背面とされている。
なお、本実施の形態において、洗面所1とは、洗面台10が配置される場所を指しているものとする。
【0024】
洗面台10は、図1〜図11に示すように、洗面カウンター20と、第1側面部30および第2側面部40と、第1板部50と、第2板部60と、第3板部70とを備えている。
そして、前記第1板部50の表面および裏面と、第2板部60の表面と、第3板部70の表面および裏面とが、それぞれ鏡面とされている。
【0025】
前記洗面カウンター20は、陶器、合成樹脂等で形成されるものであり、平面視において矩形状に形成されている。なお、本実施の形態においては、この洗面カウンター20のみで使用する形態とされているが、この洗面カウンター20を天板とし、下部にキャビネットを備える形態としても良い。
また、給排水設備として、排水管21aと接続される洗面ボウル21と、給水管22aと接続される蛇口22とを備えている。
【0026】
さらに、洗面カウンター20は、この洗面カウンター20の幅方向両端部側に配置されるとともに、互いに対向する収納部34,44間に設けられている。
なお、本実施の形態の洗面カウンター20は、これら収納部34,44間に架設され、これら収納部34,44によって支持されるものとする。また、上述のように、下部にキャビネットを備える洗面カウンター20の場合は、単に、収納部34,44に洗面カウンター20が位置するようにすれば良い。
【0027】
収納部34,44は、下部が、床面に立設されるとともに、所定の高さに設定された壁体とされており、上部が、収納棚とされている。収納部34,44下部の壁体は、洗面カウンター20を居住者が使いやすい高さに配置できることを考慮した高さとなっている。
また、収納部34下部の壁体は、図2に示すように、壁の厚みを利用して配管スペースを形成し、この配管スペースに前記排水管21aと給水管22aを収納できるようになっている。
また、これら収納部34,44の高さは、互いに略等しくなるように設定されている。
なお、本実施の形態の収納部34,44は、床から天井までの高さよりも低く設定されているが、床から天井まで高さと略等しくなるように設定しても良い。
【0028】
収納部34上部の収納棚は、図2〜図5,図7〜図11に示すように、洗面カウンター20側に開口する開口部35aが形成された収納空間35と、洗面台10の奥行き方向一端部側に開口する開口部36aが形成された収納空間36とを有している。
また、前記収納空間36には、複数の棚板37…が上下方向に間隔をあけて取り付けられている。
収納部44上部の収納棚は、図2〜図4,図6〜図11に示すように、洗面カウンター20側に開口する開口部45aが形成された収納空間45を有している。
【0029】
なお、本実施の形態において、洗面カウンター20は、下部が壁体とされ、上部が収納棚とされた収納部34,44間に設けられるものとしたが、互いに対向する通常の壁間に設けられるものとしても良い。
さらに、いずれか一方を収納部34(44)とし、他方を通常の壁としても良い。つまり、建物躯体の一部として構成された壁に対向するようにして収納部34(44)を配置し、これら収納部34(44)と壁との間に洗面カウンター20を設けるようにしても良い。
【0030】
前記第1側面部30および第2側面部40は、洗面カウンター20の幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置されている。
これら第1側面部30および第2側面部40は、洗面カウンター20の上面に直交するようにして上方に延在している。
すなわち、これら第1側面部30および第2側面部40は、前記収納部34,44の洗面カウンター20側面を指している。図1〜図11に示すように、前記収納部34,44には、前記収納空間35,45の開口部35a,45aを開閉する開閉扉が設けられており、本実施の形態においては、特に、これら開閉扉が、それぞれ前記第1側面部30、第2側面部40とされている。
【0031】
開閉扉である第1側面部30は、縦横の框材30a,30bを矩形枠状に組み立ててなるものであり、この矩形枠の内部が、第1板部50が収納される鏡収納部31とされている。この鏡収納部31は、第1板部50を収納可能な大きさに設定されている。
【0032】
また、洗面台10の奥行き方向他端部側の収納部34の側縁と、矩形枠状の第1側面部30の他方の側縁(縦框材30a)との間には、図5に示すように、蝶番32が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。
また、矩形枠状の第1側面部30の一方の側縁(縦框材30a)には、この第1側面部30を開閉操作するための、つまみ33が設けられている。
【0033】
開閉扉である第2側面部40は、縦横の框材40a,40aを矩形枠状に組み立ててなるものであり、この矩形枠の内部が、第2板部60および第3板部70が収納される鏡収納部41とされている。この鏡収納部41は、第2板部60および第3板部70を収納可能な大きさに設定されている。
【0034】
また、洗面台10の奥行き方向他端部側の収納部44の側縁と、矩形枠状の第2側面部40の他方の側縁(縦框材40a)との間には、図6に示すように、蝶番42が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。
また、矩形枠状の第2側面部40の一方の側縁(縦框材40a)には、この第2側面部40を開閉操作するための、つまみ43が設けられている。
【0035】
前記第1板部50は、図2,図7〜図11に示すように、表面および裏面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡51が第1板部50の表面側を構成しており、矩形板状の鏡52が第1板部50の裏面側を構成している。
これら鏡51,52は、互いに背面を当接させるとともに、これら鏡51,52の周縁部を保持するフレーム53で保持されることによって、第1板部50の本体を構成している。
【0036】
第1板部50の一方の側縁は、前記第1側面部30に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第1板部50の本体を構成するフレーム53の一方の側縁には、回動軸54が設けられている。
この回動軸54は、このフレーム53の一方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部と下端部とが、前記開閉扉である第1側面部30を構成する上下2本の横框材30b,30b側に突出している。
これら上側の横框材30bの下面と、下側の横框材30bの上面とには、図示はしないが、回動軸54の上端部および下端部を回動自在に受ける軸受け材が設けられている。また、この軸受け材は、円状の底面部と、この底面部の周縁に立設される筒状の周壁部とを備えている。
そして、第1板部50は、この第1板部50の一方の側縁に位置する回動軸54の上下端部をそれぞれ軸受け材で受けることによって、前記開閉扉である第1側面部30に連結されることになる。
【0037】
また、第1板部50の他方の側縁には、この第1板部50の他方の側縁に沿って、把手55が取り付けられている。
この把手55は、図5に示すように、固定片55aと、突出片55bと、凹部55cとを有している。
固定片55aは、前記フレーム53の他方の側縁に固定されている。
突出片55bは、前記固定片55aと一体形成されており、この固定片55aの収納部34側端部から洗面カウンター20側に斜めに湾曲するようにして突出している。
凹部55cは、前記固定片55aと突出片55bとの間に形成されており、洗面台10の使用者の指が入れられる部分となる。
【0038】
また、前記第1側面部30の鏡収納部31には、この第1板部50とともに背板部30cが収納されている。これら第1側面部30と背板部30cとは、互いに背面を当接させるようにして配置されており、背板部30cの周縁部は、前記縦横の框材30a,30bに固定されている。
なお、この背板部30cは、前記第1板部50のストッパーとしても使用されており、この第1板部50の収納部34側への回動を止めることができる。
【0039】
前記第2板部60は、図2,図6〜図11に示すように、表面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡61が第2板部60の表面側を構成している。また、第2板部60の裏面側は、化粧板部62によって構成されている。
化粧板部62は、第2板部60の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡61と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡61および化粧板部62の周縁部を保持するフレーム63で保持されることによって、第2板部60の本体を構成している。
【0040】
第2板部60の一方の側縁は、前記第2側面部40に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第2板部50の本体を構成するフレーム63の一方の側縁には、回動軸64が設けられている。
この回動軸64は、フレーム63の一方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部と下端部とが、前記開閉扉である第2側面部40を構成する上下2本の横框材40b,40b側に突出している。
また、これら上側の横框材40bの下面と、下側の横框材40bの上面とには、図示はしない軸受け材が設けられている。
そして、第2板部60は、この第2板部60の一方の側縁に位置する回動軸64の上下端部をそれぞれ軸受け材で受けることによって、前記開閉扉である第2側面部40に連結されることになる。
【0041】
また、第2板部60の本体を構成するフレーム63の他方の側縁には、回動軸65が設けられている。
この回動軸65は、フレーム63の他方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部が上方に突出し、下端部が下方に突出している。
そして、これら回動軸65の上下端部には、リンク部材74a,74aを介して、第3板部70の回動軸74(後述する)が設けられている。
【0042】
前記第3板部70は、図6〜図11に示すように、表面および裏面が鏡面とされている。すなわち、本実施の形態においては、矩形板状の鏡71が第3板部70の表面側を構成しており、矩形板状の鏡72が第3板部70の裏面側を構成している。
これら鏡71,72は、互いに背面を当接させるとともに、これら鏡71,72の周縁部を保持するフレーム73で保持されることによって、第3板部70の本体を構成している。
【0043】
第3板部70の他方の側縁は、前記第2板部60の他方の側縁に回動自在に連結されている。
すなわち、前記第3板部70の本体を構成するフレーム73の他方の側縁には、回動軸74が設けられている。この回動軸74は、フレーム73の他方の側縁の上下方向の長さよりも長くなるように設定されており、その上端部が上方に突出し、下端部が下方に突出している。
そして、これら回動軸74の上下端部には、リンク部材74a,74aを介して、第2板部60の回動軸65が設けられている。つまり、第2板部の回動軸65と第3板部70の回動軸74とは、上下端部において、リンク部材74a,74aを介して連結されていることになる。
【0044】
また、第3板部70の一方の側縁には、この第3板部70の一方の側縁に沿って、把手75が取り付けられている。
この把手55は、図6に示すように、固定片75aと、突出片75bと、凹部75cとを有している。
固定片75aは、前記フレーム73の一方の側縁に固定されている。
突出片75bは、前記固定片75aと一体形成されており、この固定片75aの収納部44側端部から洗面カウンター20側にL型に突出している。
凹部75cは、前記固定片75aと突出片75bとの間に形成されており、洗面台10の使用者の指が入れられる部分となる。
【0045】
また、前記第2側面部40の鏡収納部41には、前記第2板部60および第3板部70が収納されている。これら第2板部60および第3板部70は、上述のように折りたたみ可能に連結されており、折りたたまれた状態で鏡収納部41に収納される。
なお、第2側面部40の収納部44側面にはストッパー66が取り付けられており、このストッパー66によって、第2板部60および第3板部70の収納部44側への回動を止めることができる。
【0046】
前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部は、図5〜図11に示すように、各板部50,60,70の一方の側縁と他方の側縁との間の長さ、すなわち各板部50,60,70の幅方向の長さ(鏡収納部31,41収納時における洗面台10の奥行き方向に沿う方向の長さ)が略等しくなるように設定されている。
【0047】
前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部40と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定されている。すなわち、これら各板部50,60,70は、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、横方向一直線に並べられないことになる。
これによって、矩形板状の鏡を、横一直線に並べて平らな鏡として用いるのではなく、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡を使用できることになる。
【0048】
また、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、図4〜図6,図8に示すように、互いに係合可能に形成されている。
すなわち、前記第1板部50の把手55の凹部55cは、第3板部70の把手75よりも大きくなるように形成されている。さらに、把手55の突出片55bの斜め突出部分は、前記各板部50,60,70を三面鏡として使用する際に、洗面カウンター20の幅方向に沿って配置できるような方向に突出するように設定されている。
【0049】
以上のような第1板部50、第2板部60、第3板部70を使用する際のバリエーションは様々なものがある。
図7では、前記開閉扉である第1側面部30および第2側面部40を、蝶番32,42を支点にして回動移動させ、前記収納空間35,45の開口部35a,45aを開放させた状態としている。
【0050】
図4および図8では、前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部を回動させて、これら各板部50,60,70を、洗面台10の正面側から三面鏡として使用している。
この時、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、前記第3板部70の把手75を、前記第1板部50の把手55の凹部55cに挿入するようにして互いに係合した状態となっている。
【0051】
正面側から洗面台10を使用する場合に、図9では、第3板部70を回動移動させて、表面側の鏡71を使用者側に接近させている。また、図10では、同じように第3板部70を回動移動させて、洗面台10正面側の使用者から鏡71を離間させるようにして使用している。
一方、洗面台10を背面側から使用する場合に、図9では、第3板部70の裏面側の鏡72を使用者側から離間させていることになり、図10では、鏡72を、使用者側に接近させている。
【0052】
図11では、第1板部50を回動移動させており、この場合、第1板部50の表面側の鏡51を、洗面台10正面から使用することができ、第1板部50の裏面側の鏡52を、洗面台10背面から使用することができる。
【0053】
次に、以上のような洗面台10の配置構造について説明する。
まず、前記洗面所1の周囲に配置された前記浴室2およびトイレ3は、図1に示すように個室とされており、周囲に壁が立設されている。
浴室2の周囲を囲む壁には出入り口2aが形成されている。また、トイレ3の周囲を囲む壁には出入り口3aが形成されている。
そして、本実施の形態の洗面所1は、浴室2の出入り口2a前のスペースと、トイレ3の出入り口3a前のスペースとの間に配置されている。
【0054】
洗面台10は、奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間するようにして洗面所1に配置されている。すなわち、洗面台10の奥行き方向両端部は、前記浴室2の周囲を囲む壁からも、前記トイレ3の周囲を囲む壁からも、また、その他のいずれの壁からも離間して配置されている。
これによって、洗面台10を、この洗面台10を挟む一方の領域(浴室2側)と、他方の領域(トイレ3側)とから使用できるようになっている。
【0055】
また、本実施の形態の洗面カウンター20は、この洗面カウンター20のみで使用し、下部にキャビネットを備えない形態となっているので、この洗面カウンター20の上方および下方は、前記第1領域と第2領域とを連通する空間となる。
【0056】
なお、本実施の形態の水廻り設備室は、図1に示すような形態としたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
すなわち、どのような形態の水廻り設備室であっても、正面側(第1領域)と背面側(第2領域)とから使用可能とされた洗面台10は、その奥行き方向両端部が、周囲の壁から離間するようにして配置されている。
【0057】
本実施の形態によれば、鏡としての機能を備えた前記第1板部50、第2板部60、第3板部70の各板部は可動範囲内であれば、これら各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用することができる。しかも、鏡51,52,61,71,72を使用しない時には、これら各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させておけば、洗面台10の前面には鏡が無い状態となる。すなわち、必要な時にだけ鏡51,52,61,71,72を使用することができる上に、洗面台10の前面で鏡51,52,61,71,72を使用することができる。また、各板部50,60,70の表面だけでなく、第1板部50および第3板部70の裏面も鏡面となっているので、洗面台10を、洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とから使用することができる。これによって、洗面台10の使い勝手を良くすることができる。
さらに、洗面台10の前面に鏡が無い状態としておけば、前記洗面カウンター20の上方および下方を、この洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記洗面カウンター20を挟む一方の領域と他方の領域との間で視線が遮られることを防いだり、窓から差し込む光を通過させたりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0058】
また、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べた場合の長さを、前記第1側面部30と第2側面部40との間隔よりも長くなるように設定し、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さを略等しくなるように設定することで、前記第1側面部30と第2側面部40との間で、前記各板部50,60,70を横方向一直線に並べられないようにすることができる。これによって、鏡としての機能を備えた前記各板部50,60,70を様々な位置に移動させて使用する際に、単にまっすぐに並べて鏡を使用するよりも、例えば三面鏡のように、より立体的に鏡51,52,61,71,72を使用できる。さらに、前記各板部50,60,70のうちの1枚を適宜移動させることによって、鏡を正面から見て使用できるので、より使い勝手が良い。
また、前記各板部50,60,70の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されているので、統一感を生じさせるだけでなく、第2板部60と第3板部70とを折りたたみやすい。
【0059】
また、前記第1板部50の他方の側縁と、前記第3板部70の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されているので、これら第1板部50の他方の側縁と第3板部70の一方の側縁とを係合させ、各板部50,60,70が大きく動かないように安定した状態で使用することができ、さらに使い勝手が良い。
【0060】
また、前記洗面台10は、奥行き方向両端部が、前記洗面所1の壁から離間して配置されており、この洗面台10は、この洗面台10を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされているので、複数人で洗面台10を使用でき、使い勝手が良い。
さらに、洗面台10を固定するための壁面を必要としないため、その分、洗面所1の壁に設けられる窓を広くするなどして、洗面所1の採光性を向上させることが可能となる。
また、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、前記洗面カウンター20の上方および下方を、前記第1領域と第2領域とを連通する空間とすることができる。これによって、前記第1領域と第2領域との間で視線や光が遮られることを防げるので、洗面所1の採光性や開放感を向上させることが可能となる。
【0061】
また、前記第1板部50および第3板部70の表面側の鏡51,71を単独で使用したり、裏面側の鏡52,72を単独で使用したりすることができる。また、前記第3板部70の表面側および裏面側の鏡71,72は、前記第2板部60および第3板部70を適宜回動させることによって、使用者に接近させたり、離間させたりして使用できる。さらに、前記各板部50,60,70の表面側の鏡51,61,71を三面鏡として使用することも可能となるので、これら各板部50,60,70の鏡51,52,61,71,72を使用する際のバリエーションが豊かになり、より使い勝手が良い。
【0062】
<第2の実施の形態>
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
【0063】
本実施の形態の洗面台10は、図12〜図14に示すように、前記第1板部50、第2板部60、第3板部70各板部の表面および裏面のうち、前記洗面所1内部を向く面が鏡面とされている。
なお、本実施の形態において、洗面所1とは、洗面台10が配置される場所を指しているものとする。
【0064】
本実施の形態の第1板部50は、表面側が矩形板状の鏡51で構成されており、裏面側が化粧板部56で構成されている。
化粧板部56は、第1板部50の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡51と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡51および化粧板部56の周縁部を保持するフレーム53で保持されることによって、本実施の形態の第1板部50の本体を構成している。
【0065】
本実施の形態の第3板部70は、表面側が矩形板状の鏡71で構成されており、裏面側が化粧板部76で構成されている。
化粧板部76は、第3板部70の裏面側を化粧面とするためのものである。前記鏡71と互いに背面を当接させるとともに、これら鏡71および化粧板部76の周縁部を保持するフレーム73で保持されることによって、本実施の形態の第3板部70の本体を構成している。
【0066】
次に、以上のような洗面台10の配置構造について説明する。
洗面台10は洗面所1に配置されている。この洗面所1の周囲には、図12に示すように、トイレ3が配置されている。また、これら洗面所1およびトイレ3から離れた位置に浴室2が配置されている。そして、洗面所1は、浴室2やトイレ3等とともに水廻り設備室を構成している。
なお、前記浴室2およびトイレ3は、図12に示すように個室とされており、周囲に壁が立設されている。また、浴室2の周囲を囲む壁には出入り口2aが形成されている。また、トイレ3の周囲を囲む壁には出入り口3aが形成されている。
【0067】
洗面台10は、図12に示すように、洗面所1に、奥行き方向一端部が洗面所1の壁から離間し、他端部が洗面所1の壁に当接固定されて配置されている。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられている。
これによって、本実施の形態の洗面台10は、洗面所1の壁際に設けられ、正面側からのみ使用できることになる。
【0068】
また、洗面台10の幅方向一端部は、前記トイレ3の周囲を囲む壁に当接固定されており、幅方向他端部は、前記窓1aが設けられた壁と直交する壁に当接固定されている。
すなわち、本実施の形態の洗面台10は、三方を壁で囲まれた空間に配置されており、この洗面台10が配置された場所が、水廻り設備室の洗面所1として使用されている。
【0069】
なお、本実施の形態の水廻り設備室は、図12に示すような形態としたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
すなわち、どのような形態の水廻り設備室であっても、本実施の形態の洗面台10は、窓1aが設けられた壁際に配置されており、正面側から使用可能とされている。また、洗面台10の各板部50,60,70の鏡面は、窓1aが設けられた壁を向く面ではなく、洗面所1内部を向く面とされている。
【0070】
本実施の形態によれば、洗面台10は、奥行き方向一端部が、前記洗面所1の壁から離間し、他端部が、前記洗面所1の壁に当接固定されて配置されているので、前記洗面台10は、前記洗面所1の壁際に設けられることになる。
そして、前記第1側面部30と第2側面部40との間に位置する洗面所1の壁には窓1aが設けられているので、前記各板部50,60,70を、前記第1側面部30および第2側面部40側に当接するように回転させ、前記洗面台10の前面に鏡が無い状態とすることによって、この洗面台10の前面側に窓1aを露出させることができる。これによって、窓1aから差し込む光を通過させたり、洗面所1から窓1a外部への視線が遮られることを防いだりすることができるので、洗面所1の採光性や開放感を高めることが可能となる。
【0071】
また、前記各板部50,60,70の前記洗面所1内部を向く表面側だけに鏡51,61,71が設けられているので、窓1aを向く裏面側を鏡面とする必要が無くなる。これによって、各板部50,60,70の両面を鏡面とする場合に比してコストを低減できたり、各板部50,60,70を簡易に製造できたりする。
また、前記窓1aから差し込む光が、窓1aを向く面の鏡によって外部に反射するようなことを確実に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 洗面所
1a 窓
10 洗面台
20 洗面カウンター
30 第1側面部
30c 背板部
40 第2側面部
50 第1板部
51 鏡
52 鏡
56 化粧板部
60 第2板部
61 鏡
62 化粧板部
70 第3板部
71 鏡
72 鏡
76 化粧板部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面カウンターと、
この洗面カウンターの幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置された第1側面部および第2側面部と、
一方の側縁が、前記第1側面部に回動自在に連結される第1板部と、
一方の側縁が、前記第2側面部に回動自在に連結される第2板部と、
他方の側縁が、前記第2板部の他方の側縁に回動自在に連結される第3板部と、を備えており、
前記各板部の表面および裏面のうち、少なくとも一方は鏡面とされていることを特徴とする洗面台。
【請求項2】
請求項1に記載の洗面台において、
前記各板部を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部と第2側面部との間隔よりも長くなるように設定されており、
前記各板部の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されていることを特徴とする洗面台。
【請求項3】
請求項2に記載の洗面台において、
前記第1板部の他方の側縁と、前記第3板部の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されていることを特徴とする洗面台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台を洗面所に配置してなる洗面台の配置構造であって、
前記洗面台は、前記第1側面部と第2側面部との並設方向と直交する洗面台の奥行き方向両端部が、前記洗面所の壁から離間して配置されており、
この洗面台は、この洗面台を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項5】
請求項4に記載の洗面台の配置構造において、
前記第1板部の表面および裏面の両面が鏡面とされており、
前記第2板部の表面および裏面のうちの一方が鏡面とされており、
前記第3板部の表面および裏面の両面が鏡面とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台を洗面所に配置してなる洗面台の配置構造であって、
前記洗面台は、前記第1側面部と第2側面部との並設方向と直交する洗面台の奥行き方向一端部が、前記洗面所の壁から離間し、他端部が、前記洗面所の壁に当接固定されて配置されており、
前記第1側面部と第2側面部との間に位置する洗面所の壁には窓が設けられていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項7】
請求項6に記載の洗面台の配置構造において、
前記各板部の表面および裏面のうち、前記洗面所内部を向く面が鏡面とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項1】
洗面カウンターと、
この洗面カウンターの幅方向両端部から上方に延在するとともに、互いに対向して配置された第1側面部および第2側面部と、
一方の側縁が、前記第1側面部に回動自在に連結される第1板部と、
一方の側縁が、前記第2側面部に回動自在に連結される第2板部と、
他方の側縁が、前記第2板部の他方の側縁に回動自在に連結される第3板部と、を備えており、
前記各板部の表面および裏面のうち、少なくとも一方は鏡面とされていることを特徴とする洗面台。
【請求項2】
請求項1に記載の洗面台において、
前記各板部を横方向一直線に並べた場合の長さは、前記第1側面部と第2側面部との間隔よりも長くなるように設定されており、
前記各板部の一方および他方の側縁間の長さは略等しくなるように設定されていることを特徴とする洗面台。
【請求項3】
請求項2に記載の洗面台において、
前記第1板部の他方の側縁と、前記第3板部の一方の側縁とは、互いに係合可能に形成されていることを特徴とする洗面台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台を洗面所に配置してなる洗面台の配置構造であって、
前記洗面台は、前記第1側面部と第2側面部との並設方向と直交する洗面台の奥行き方向両端部が、前記洗面所の壁から離間して配置されており、
この洗面台は、この洗面台を挟む一方の領域と他方の領域とから使用可能とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項5】
請求項4に記載の洗面台の配置構造において、
前記第1板部の表面および裏面の両面が鏡面とされており、
前記第2板部の表面および裏面のうちの一方が鏡面とされており、
前記第3板部の表面および裏面の両面が鏡面とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗面台を洗面所に配置してなる洗面台の配置構造であって、
前記洗面台は、前記第1側面部と第2側面部との並設方向と直交する洗面台の奥行き方向一端部が、前記洗面所の壁から離間し、他端部が、前記洗面所の壁に当接固定されて配置されており、
前記第1側面部と第2側面部との間に位置する洗面所の壁には窓が設けられていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【請求項7】
請求項6に記載の洗面台の配置構造において、
前記各板部の表面および裏面のうち、前記洗面所内部を向く面が鏡面とされていることを特徴とする洗面台の配置構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−245182(P2012−245182A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119830(P2011−119830)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
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