活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システム
【課題】活動量計において、使用者の活動種類に応じた目標を設定する。
【解決手段】活動量計において実行される活動目標表示処理では、1週間毎に、活動種類ごとの目標となる活動量およびそれらの総和(総目標値)が設定されて、ディスプレイに表示される。最初の1週間については、総目標値のみが設定され(ステップSA10〜ステップSA50)、ディスプレイには、総目標値と総活動量とが表示される。2週目以降には、総目標値とともに、活動種類ごとに目標となる活動量が設定される。そして、ディスプレイには、これらの目標値が、実績値(実績活動量記憶部に記憶された活動種類ごとの活動量)とともに表示される。実績値の表示内容は、一定期間内で、随時(たとえば、60秒間ごとに)更新される。
【解決手段】活動量計において実行される活動目標表示処理では、1週間毎に、活動種類ごとの目標となる活動量およびそれらの総和(総目標値)が設定されて、ディスプレイに表示される。最初の1週間については、総目標値のみが設定され(ステップSA10〜ステップSA50)、ディスプレイには、総目標値と総活動量とが表示される。2週目以降には、総目標値とともに、活動種類ごとに目標となる活動量が設定される。そして、ディスプレイには、これらの目標値が、実績値(実績活動量記憶部に記憶された活動種類ごとの活動量)とともに表示される。実績値の表示内容は、一定期間内で、随時(たとえば、60秒間ごとに)更新される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムに関し、特に、使用者に対して適切な運動目標を提示できる活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、活動量計において、目標活動量を提示するものがあった。たとえば、特許文献1には、目標活動量を設定し、そして、加速度センサによって身体の体動を検出することによって計測された活動量を累積し、目標活動量に対する累積活動量の達成度合いを報知する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、運動実施期間および生体情報の改善目標の入力を受付け、これらに応じて改善目標を達成するために必要な運動強度および運動時間を算出し、そして、算出した運動強度および運動時間を提示する技術が開示されている。また、特許文献2では、生体情報の記録値の推移に基づいて生体情報の値の将来的な変化を予測し、予測した結果を提示する技術も開示されている。
【0004】
なお、特許文献3に開示されているように、加速度センサ等によって検出される体動に関し、安静に座っている状態、普通歩行、速歩、ジョギング等の活動種類によって、運動強度は異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−246175号公報
【特許文献2】特開2007−323246号公報
【特許文献3】特開2009−28312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように活動種類によって運動強度が異なるため、同じ時間の活動であっても、活動種類によって運動量は異なる。
【0007】
しかしながら、従来の活動量計では、すべての活動種類の目標活動量の合計である目標活動量のみが提示されていた。このため、使用者は、活動種類ごとにどの程度目標が達成されているかを把握することができず、自分自身の活動種類ごとの結果に応じた改善目標を立てることができなかった。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、活動種類ごとの目標を設定することにより、使用者の活動量の改善に貢献することのできる活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った活動量計は、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計であって、身体の体動を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて活動種類を判別し、判別された活動種類ごとに活動量を計測する活動量計測手段と、活動種類ごとの目標活動量を設定する設定手段と、設定手段が設定した目標活動量を記憶する目標活動量記憶手段と、目標活動量記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示する提示手段とを備える。
【0010】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、活動量計測手段による活動種類ごとの活動量の計測結果に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を算出する目標値算出手段を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、活動種類ごとに異なる態様で目標活動量を設定することが好ましい。
【0012】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、第1の活動種類および第1の活動種類とは異なる第2の活動種類の目標活動量を、第1の設定パターンおよび第1の設定パターンとは異なる第2の設定パターンに従って設定し、第1の設定パターンは、第1の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合の量で設定し、第2の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合の量で設定し、第2の設定パターンは、第1の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合より高い第3の割合の量で設定し、第2の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合より低い第4の割合の量で設定することが好ましい。
【0013】
また、本発明の活動量計は、活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量に基づいて、使用者の活動傾向を抽出する抽出手段をさらに備え、設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの活動量を設定することが好ましい。
【0014】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、全ての活動種類についての目標活動量である総目標活動量を設定し、総目標活動量に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0015】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、使用者の基礎代謝量を取得し、当該使用者の基礎代謝量を用いて、活動種類ごとの活動量を設定することが好ましい。
【0016】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得し、カレンダー情報に基づいて、目標活動量の設定を第1の設定パターンまたは第2の設定パターンで行なうかを決定することが好ましい。
【0017】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、予め定められた上限値以下で、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0018】
また、本発明の活動量計では、活動量計測手段は、活動種類ごとに、目標活動量に対する活動量計測手段の計測結果である活動量の達成度を算出し、提示手段は、活動種類ごとに達成度を提示することが好ましい。
【0019】
また、本発明の活動量計は、活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量を外部の機器に送信するデータ管理手段をさらに備え、データ管理手段は、外部の機器から、活動量計測手段が算出した活動種類ごとの活動量に基づいて抽出された使用者の活動傾向を受信し、設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0020】
本発明に従った活動量計の制御プログラムは、記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計において実行されるコンピュータ読取可能なプログラムであって、活動量計に、身体の体動を検出する検出するステップと、身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、判別された活動種類ごとに活動量を計測するステップと、活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、設定した目標活動量を記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示するステップとを実行させる。
【0021】
本発明に従った活動量計の制御方法は、記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計の制御方法であって、身体の体動を検出する検出するステップと、身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、判別された活動種類ごとに活動量を計測するステップと、活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、設定した目標活動量を記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示するステップとを備える。
【0022】
本発明に従った活動量管理システムは、活動種類ごとに活動量を入力する入力手段と、活動種類ごとに目標活動量の設定値を設定する設定手段と、設定手段が設定した活動種類ごとの目標活動量の設定値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された目標活動量を活動目標ごとに提示する提示手段とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、活動種類ごとに、目標活動量が設定され、そして、提示される。
これにより、使用者は、活動種類ごとにどの程度目標が達成されているかを把握することができる。
【0024】
したがって、使用者は、自分自身の活動種類ごとの結果に応じた改善目標を立てることができ、これにより、使用者の活動量の改善に確実に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態の活動量計の外観図である。
【図2】図1の活動量計の使用状態の一例を示す図である。
【図3】図1の活動量計のブロック図である。
【図4】図1の活動量計のディスプレイに表示される、活動量等を提示する画面の例を示す図である。
【図5】図1の活動量計の制御部が実行する、活動目標表示処理のフローチャートである。
【図6】図1の活動量計の制御部が実行する、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の活動量計において実行される、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第10の実施の形態の活動量計の制御部が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。
【図9】図8の活動量計のディスプレイにおける表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第11の実施の形態の活動量計のブロック図である。
【図11】本発明の第12の実施の形態の活動量計のブロック図である。
【図12】図11の活動量計の制御部が実行する活動目標表示処理のフローチャートを示す。
【図13】図11の活動量計のディスプレイにおける表示画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の第13の実施の形態の活動量計を含む活動情報提供システムの構成を模式的に示す図である。
【図15】図14の活動量計のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の血圧測定装置の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0027】
[第1の実施の形態]
(1.活動量計の外観構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態における活動量計1の外観図である。
【0028】
図1を参照して、活動量計1は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計1を使用者の着衣などに固定するために設けられている。本体部191には、後述する操作部11の一部を構成するスイッチ111〜113および表示部15の一部を構成するディスプレイ20が設けられている。
【0029】
本実施の形態では、ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)など他の種類のディスプレイであってもよい。
【0030】
図2は、本実施の形態における活動量計1の使用状態の一例を示す図である。図2を参照して、活動量計1は、たとえば、使用者の腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。なお、図2に示された態様に限定されず、活動量計1は、使用者の体の他の部分に装着されて用いられてもよいし、使用者が持ち歩く鞄等に入れて所持して用いられるように設計されてもよい。
【0031】
(2.活動量計の具体的構成)
図3は、本実施の形態の活動量計1のブロック図である。図3を参照して、活動量計1は、制御部10と、操作部11と、インターフェイス(I/F)12と、加速度センサ13と、メモリ14と、表示部15と、報音部16と、電源17とを含む。電源17は、活動量計1の他の要素に電力を供給する。
【0032】
活動量計1では、加速度センサ13は、歩行や走行などの身体運動による加速度を検出するために設けられている。加速度センサ13は、互いに直交する3方向の加速度を検出可能な3軸加速度センサである。活動量計1が所定の装着態様で使用者に装着されると、加速度センサ13が、第1の方向(図2に示された装着状態であれば、垂直方向(上下方向))と第2および第3の方向(図2に示された装着状態であれば、水平2方向(前後方向および左右方向))の3方向の加速度を検出可能な姿勢をとる。加速度センサ13としては、静電容量型センサ、圧電型センサなど、どのような原理のセンサであっても、利用可能である。
【0033】
制御部10は、マイコンなどで構成されるもので、予め記憶されたプログラムに従って、歩数の計測、判定基準の設定、歩行ピッチ(周期)や歩幅の算出、歩行や走行などの身体運動についての活動の種類(以下、活動種類という)の特定などの各種演算処理、および、表示部15や報音部16の制御などを実行する機能を担っている。制御部10の機能の詳細については後述する。
【0034】
操作部11は、モード(計測モードと学習モード)の切換え、歩数のリセット、各種設定値の入力などの操作を行なうための使用者インターフェイス(スイッチ111〜113を含む)である。
【0035】
I/F(インターフェイス)12は、パーソナル・コンピュータなどの外部機器と無線通信または有線通信でデータを送受信するための外部インターフェイスである。たとえば、歩数の計測結果と当該計測に用いられた判定基準などを外部機器へ送信する。
【0036】
メモリ14は、各種設定値、歩数、目標運動量、残運動時間、使用者に関する情報などのデータを記憶する不揮発性の記憶媒体である。
【0037】
表示部15は、上述したディスプレイ20などで構成される表示手段であり、測定された歩数、目標歩数などの情報を表示する。
【0038】
報音部16は、制御部10の制御に従い、操作音、歩行ピッチ音、警告音等を鳴らす。
制御部10は、表示情報生成部10A、活動量算出部10B、目標設定部10Cおよび目標値算出部10Dを含む。表示情報生成部10Aは、ディスプレイ20に表示する画面の画像データを生成する。活動量算出部10Bは、加速度センサ13から得られる信号に基づいて、活動量計1の使用者の体動による活動量(エネルギ量)を算出する。本実施の形態では、活動量算出部10Bは、後述するように、単位時間ごとに、活動種類を判別し、判別した活動種類ごとに活動量を計測する。本実施の形態では、活動量算出部10Bにより活動量計測手段が構成されている。目標値算出部10Dは、活動量算出部10Bが算出した活動量に基づいて、活動種類ごとに目標値を算出する。目標設定部10Cは、操作部11を介して入力された値、ネットワークを介して入力された値、または、目標値算出部10Dが算出した目標値を、目標値として設定する。
【0039】
メモリ14は、プログラム記憶部14A、目標活動量記憶部14B、実績活動量記憶部14Cおよびデータ記憶部14Dを含む。プログラム記憶部14Aは、制御部10のマイコンが実行するプログラムを記憶する。目標活動量記憶部14Bは、目標設定部10Cによって設定された、活動種類ごとの、目標となる活動量を記憶する。実績活動量記憶部14Cは、活動量算出部10Bによって算出された活動量を、活動種類ごとに記憶する。データ記憶部14Dは、プログラム記憶部14Aに記憶されるプログラムの実行に必要な変数などの、種々のデータを記憶する。
【0040】
(3.活動量計における表示態様)
図4に、ディスプレイ20に表示される、活動量等を提示する画面の例を示す。
【0041】
活動量計1に電源が投入され、歩数の計測が開始されると、まず、図4(A)に示されるように、所定期間(たとえば1週間)についての目標となる活動量と、当該所定期間中に加速度センサ13の検出出力に基づいて算出された活動量の累積値が表示される。図4(A)の画面200には、欄201に、実際の活動量の累積値が表示され、欄202には最初の所定期間についての目標となる活動量が表示されている。
【0042】
活動量計1において、活動量の計測を開始してから最初の所定期間が経過すると、活動種類ごとに、当該所定期間の活動量に基づいて、次の所定期間についての目標となる活動量が算出される。当該算出された、目標となる活動量は、ディスプレイ20に表示することができる。
【0043】
図4(B)を参照して、画面210には、複数の活動種類のそれぞれについての、目標となる活動量を表示するためのバー211〜215が表示されている。各バーは、16個のブロックを有している。
【0044】
本実施の形態では、活動量計1では5種類の活動種類について、活動量を管理することができる。5種類とは、たとえば「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」「家事」「屋内運動」である。
【0045】
バー211〜215の中の一部のブロックは、他のブロックと異なる色で表示される。
「ふつう歩き」についての活動量を表示するバー211では、左端から4個のブロックは第1の種類の色で表示され、それに隣接する5個のブロックは第2の種類の色で表示され、その右側に隣接する1個のブロックは第3の種類の色で表示され、その右側に隣接する6個のブロックは第2の種類の色で表示されている。
【0046】
なお、各図において、色の種類は、ハッチングの種類またはハッチングを付さないことによって示されている。
【0047】
バー211〜215では、第3の種類の色で表示されるブロックの左端からの位置は、対応する活動種類の目標となる活動量を示す。当該色で表示されるブロックが右側に位置するほど、目標となる活動量が多いことを意味する。
【0048】
バー211〜215では、第1の種類の色で表示されたブロックの数は、対応する活動種類についての実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量を意味する。バー211〜215では、左端から順に、第1の種類の色で表示されるブロックが配置される。
【0049】
上記したように、バー211では、左端から10個目のブロックが第3の種類の色で表示され、左から4個のブロックが第1の種類の色で表示されている。このことから、活動種類「ふつう歩き」については、加速度センサ13の検出出力により算出された活動量は、目標となる活動量の40%であることになる。このパーセント表示の値は、第1の種類の色で表示されるブロックの数「4」を第3の種類の色で表示されるブロックの位置を意味する「10」で割って、それに100を掛け合わせることにより算出される。
【0050】
なお、制御部10は、加速度センサ13の検出出力により算出した活動量の、目標となる活動量に対する割合を算出し、当該割合を、各活動種類の達成度として、ディスプレイ20に表示させても良い。
【0051】
バー212では、左端から13個目のブロックが第3の種類の色で表示され、左端のブロック1個のみが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー212は、活動種類「しっかり歩き」については、目標となる活動量に対して実際の活動量はその1/13であることを示している。
【0052】
バー213では、左端から5個目のブロックが第3の種類の色で表示されているが、第1の種類の色で表示されているブロックはない。これにより、バー213は、目標となる活動量を設定されてから、表示の対象となっている期間内では「走る」という活動をしたことが検出されていないことを示している。
【0053】
バー214は、その左端から3個目のブロックが第3の種類の色で表示され、また、第3の種類の色で表示されているブロックを除いて左端から5個目までのブロックが、第1の種類の色で表示されている。これにより、バー214は、活動種類「家事」については、目標となる活動量に対して5/3倍の活動量が算出されていることを示している。
【0054】
バー215では、左端から6個目のブロックは第3の種類の色で表示され、当該ブロックを除いて、左から10個目までのブロックが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー215は、当該バー215が対応する活動種類「屋内運動」については、目標となる活動量に対して5/3倍の活動量が算出されていることを示している。
【0055】
バー211〜215の中で、第3の種類の色で表示されるブロックの左右方向の位置が異なるのは、バー211〜215において、1個のブロックが同じ活動量(エネルギ量)に対応しているからである。つまり、図4(B)の画面210では、5個の活動種類のそれぞれについて、目標となる活動量および算出されている活動量が異なることが示されている。
【0056】
画面210では、すべての活動種類の目標となる活動量の合計、および、当該目標となる活動量の合計に対するすべての活動種類について算出された活動量の合計が、バー216に示されている。バー216において、目標となる活動量の合計は第3の種類の色で表示されたブロックによって、算出された活動量の合計は第1の種類の色で表示されたブロックによって、それぞれ示されている。具体的には、バー216は、バー211〜215と同様に、16個のブロックを有する。バー216では、左端から9個目のブロックが、第3の種類の色で表示され、左端から4個のブロックが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー216は、目標となる活動量に対する現在算出されている活動量の割合は、4/9であることを示している。
【0057】
また、画面210では、すべての活動種類についての、目標となる活動量が欄218に表示され、そして、算出された活動量が欄217に表示されている。
【0058】
以上、図4(B)を参照して説明したように、活動量計1では、活動種類ごとに、所定期間内の、活動量計1において算出された活動量および目標とされる活動量が表示される。
【0059】
なお、図4(B)の画面210では、各活動種類についての活動量を表示するバーは、左右方向に並べられた複数のブロックについて、各ブロックの表示色を変化させることなどにより、各活動種類についての活動量を示しているが、表示態様はこれに限定されるものではない。つまり、たとえば、バー211〜215は、縦方向に並ぶ複数のブロックを含むように構成されてもよい。また、活動量計1では、活動量が、複数のブロックを含むバーではなく、数値で表示されても良いし、棒グラフなどの一般的に数値を表す他の図形で表示されてもよい。
【0060】
本実施の形態では、算出される活動量は、後述するように、所定期間内で逐次更新され、また、所定期間ごとにも更新される。
【0061】
図4(C)に、所定期間が経過したときの、更新直後のディスプレイ20に表示される画面の一例を示す。
【0062】
図4(C)を参照して、画面220には、画面210の欄217,218に対応する欄227,228が表示されている。また、画面220には、画面210のバー211〜216に対応するバー221〜226が表示されている。
【0063】
図4(B)のバー211と図4(C)のバー221を対比すると、バー211では左端から10個目のブロックが第3の種類の色で表示されていたが、バー221では、左端から7個目のブロックが第3の種類の色で表示されている。これは、所定期間の経過により画面210から画面220に変更されるときに、目標となる活動量が7/10倍に変更されたことを意味する。
【0064】
バー221〜226には、第3の種類の色で表示されているブロックが存在していない。これは、所定期間の経過により、実績活動量記憶部14Cに記憶されていた各活動種類の活動量がリセットされたことを意味する。
【0065】
(4.活動量の記憶態様)
本実施の形態の活動量計1では、目標となる活動量および算出された活動量が、活動種類ごとに、記憶されている。
【0066】
目標活動量記憶部14Bの記憶内容の一例を、表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
また、実績活動量記憶部14Cの記憶内容の一例を、表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
目標活動量記憶部14Bでは、表1から理解されるように、図4を参照した説明における5種類の活動種類のそれぞれについて、EA01〜EA05で示された、目標となる活動量(活動目標値)が記憶されている。また、EA00として示された、これらの合計が、総目標値として記憶されている。
【0071】
実績活動量記憶部14Cでは、表2から理解されるように、図4を参照して説明した5種類の活動種類のそれぞれについて、算出された活動量(活動実績値)が記憶されている。各活動種類の活動実績値は、表2では、E01〜E05で示されている。また、実績活動量記憶部14Cでは、各活動種類の活動量の合計が、総活動量として記憶されている。表2では、総活動量は、E00として示されている。
【0072】
活動量計1において、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶される活動種類は、表2に示されるものに限定されない。また、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶される活動種類は、目標活動量記憶部14Bに値を記憶される活動種類のみとされなくともよい。つまり、実績活動量記憶部14Cでは、目標活動量記憶部14Bに値を記憶される活動種類以外の種類の活動種類についても、当該活動種類の活動として算出された活動量を記憶していてもよい。
【0073】
また、活動量計1では、ディスプレイ20に、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶されたすべての活動種類の活動量を表示させなくとも良い。たとえば、実績活動量記憶部14Cにおいて、心臓を動かすなどの基礎代謝による活動量が他の活動種類の活動量とともに記憶されている場合、当該活動量については、図4(B)を参照して説明したようなディスプレイ20への表示は行なわないようにしても良い。
【0074】
また、実績活動量記憶部14Cは、表3に示すように、所定期間の中で、さらに特定の期間ごとに、各活動種類についての算出された活動量を記憶していてもよい。
【0075】
【表3】
【0076】
表3に示された例では、各活動種類(「ふつう歩き」「しっかり歩き」等)について、1週間という期間の中の、1日ごとについて算出された活動量(E11〜E71,E12〜E72等)活動量が記憶されている。また、表3に示されたように、実績活動量記憶部14Cでは、複数の活動種類についての活動量の合計として、1日ごとの活動量の合計(E10〜E70)とともに、所定期間すべての活動量の合計(E100)が記憶されていてもよい。
【0077】
(5.活動目標表示処理)
図5は、活動量計1の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。制御部10は、たとえば、活動量計1への電源投入時、または、測定結果をリセットする旨の操作がなされたときに、活動目標表示処理を開始する。
【0078】
活動目標表示処理において、制御部10は、まずステップSA10で、第1週目の活動量の計測を実行する状態にあるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA60へ処理を進める。
【0079】
ステップSA10において、制御部10は、たとえば所定のフラグ(継続計測フラグ)がセットされているか否かを判断する。当該フラグがセットされていなければステップSA10でYESの判断をしてステップSA20へ処理を進める。当該フラグがセットされていれば、ステップSA10でNOの判断をしてステップSA60へ処理を進める。
【0080】
ステップSA20では、制御部10は、すべての活動種類についての目標となる活動量の合計である総目標値を設定して、ステップSA30へ処理を進める。
【0081】
ステップSA20における総目標値の設定は、予め設定された値をそのまま総目標値として設定されてもよいし、使用者に年齢や性別や体重などの値の入力を促し、当該入力された値に基づき予め記憶された態様で算出される値が設定されてもよいし、使用者から入力された目標とするカロリー数がそのまま設定されてもよい。
【0082】
また、ステップSA20における総目標値の設定は、一般的な運動目標とされる運動量と基礎代謝量とに基づいて算出されてもよい。具体的には、たとえば、「毎日1時間歩く」というモデル的な運動を実践するための総目標値が設定される。この場合、「歩く」という運動についての一般的な運動強度が、データ記憶部14Dに予め記憶されている。また、活動量と(活動量計1の使用者の)基礎代謝量と運動強度と時間とは、次の式(1)の関係がある。
【0083】
【数1】
【0084】
使用者の基礎代謝量については、操作部11を介した当該使用者の年齢や性別などの入力を受付けることにより、当該入力された情報に基づいて、一般的な手法により、算出することができる。制御部10は、式(1)に従い、このように算出した基礎代謝量を利用して、モデル的な運動を実践することにより所定期間で消費される活動量を算出することができる。ステップSA20では、このように算出された活動量を、総目標値として設定することができる。
【0085】
なお、使用者の基礎代謝量は、特開2008−250967号公報において表1として示されるように、性別および年齢によって決定されるデータテーブルを利用して算出することができる。
【0086】
また、基礎代謝量は、次の式(2)に従って求めることができる。
【0087】
【数2】
【0088】
式(2)において、基礎代謝量Bは、BSで表わされる体表面積1m2当りの基礎代謝基準値と、Sで表わされる体表面積の積として求められる。体表面積は、体重の0.444乗と身長の0.663乗と定数(0.008883)との積で求められる。また、BSは、性別年齢により異なった値を示し、特開2003−210439号公報に記載されるように、「日本人の栄養所要量(第5次改訂)」の表II−1(図2(性別と年齢の相違による基礎代謝基準値の表)および図3(年齢と基礎代謝基準値との関係を示すグラフ)参照)により求めることができる。
【0089】
図5に戻って、ステップSA30では、制御部10は、ステップSA20で設定した総目標値を図4(A)を参照して説明したように、ディスプレイ20に表示させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0090】
ステップSA40では、制御部10は、加速度センサ13の検出出力に基づいて活動種類ごとに活動量を算出し、表2に示したように実績活動量記憶部14Cに記憶させるとともに、図4(A)を参照して説明したように当該活動種類ごとの活動量の総和(表2の「総活動量」)をディスプレイ20に表示させて、ステップSA50へ処理を進める。加速度センサ13の検出出力に基づいた活動種類ごとの活動量の算出の態様については、後述する。
【0091】
ステップSA50では、制御部10は、ステップSA10の処理を開始してから1週間が経過したか否かを判断し、まだ経過していないと判断すると、ステップSA40へ処理を戻して、総活動量の表示内容の更新を行なう。
【0092】
一方、1週間が経過したと判断すると、制御部10は、ステップSA10へ処理を戻す。このとき、上記した継続計測フラグがセットされる。なお、継続計測フラグは、活動量計1への電源投入時に、または、操作部11に対して計測結果をリセットするための操作がなされたときに、リセットされる。
【0093】
ステップSA60では、制御部10は、総目標値を設定して、ステップSA70へ処理を進める。なお、ステップSA60では、たとえば、直前の1週間における総活動量の実績値を総目標値として設定することができる。具体的には、制御部10は、実績活動量記憶部14Cにおいて総活動量として記憶されている値を読出し、総目標値として設定することができる。
【0094】
ステップSA70では、制御部10は、活動種類別に目標値を設定して、ステップSA80へ処理を進める。ステップSA70では、制御部10は、たとえば、実績活動量記憶部14Cに記憶された各活動種類についての活動実績値を読出し、それらを、目標となる活動量として設定し、そして、目標活動量記憶部14Bの各活動種類についての活動目標値として記憶させる。
【0095】
ステップSA80では、ステップSA60で設定した総目標値とステップSA70で設定した活動種類ごとの活動目標値をディスプレイ20に表示させて、ステップSA90へ処理を進める。これにより、ディスプレイ20では、図4(C)を参照して説明したように、各活動種類についての目標となる活動量を示すためのバー221〜225が示され(目標となる活動量に対応するブロックに第3の種類の色を付されて)表示され、また、総活動量を表わすバー226が総目標値に対応するブロックに第3の種類の色を付されて表示される。
【0096】
ステップSA90では、制御部10は、加速度センサ13の検出出力に基づいて活動種類ごとの活動量を算出し、実績活動量記憶部14C中の対応する各活動種類の活動実績値を算出した各活動量を加算することによって更新し、そして、更新後の各活動実績値をディスプレイ20に表示させて、ステップSA10へ処理を進める。これにより、ディスプレイ20における各活動種類の活動実績値および総活動量の表示が更新される。活動種類ごとの活動量の算出の態様については、後述する。
【0097】
ステップSA100では、制御部10は、ステップSA60の処理を実行してから1週間が経過したか否かを判断し、まだ経過していないと判断すると、ステップSA90へ処理を戻して、実績活動量記憶部14Cに記憶された数値に基づいてディスプレイ20における各活動種類および総活動量についての表示を更新させて、ステップSA100へ処理を進める。一方、ステップSA100において1週間が経過したと判断すると、制御部10は、ステップSA10へ処理を戻す。
【0098】
以上説明した活動目標表示処理では、1週間ごとに、活動種類ごとの目標となる活動量およびそれらの総和(総目標値)が設定されて、ディスプレイ20に表示される。なお、ステップSA10〜ステップSA50の処理により、最初の1週間については、総目標値のみが設定される。そして、最初の1週間では、ディスプレイ20には、総目標値と総活動量とが表示される。
【0099】
そして、2週目以降には、総目標値とともに、活動種類ごとに目標となる活動量が設定される。そして、ディスプレイ20には、これらの目標値が、実績値(実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量)とともに表示される。実績値の表示内容は、所定期間内で、随時(たとえば、60秒間ごとに)更新される。
【0100】
なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、本実施の形態の活動量計を実現するためのソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて活動量計が実現することになる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
【0101】
本実施の形態では、所定期間ごとに目標値が更新され、当該所定期間の一例として1週間が挙げられた。なお、所定期間の長さはこれに限定されるものではなく、1ヶ月であってもよいし、その他の期間であってもよい。ステップSA10では、活動目標表示処理が開始されてから(または、計測結果をリセットするための操作がなされてから)最初の所定期間が経過していなければステップSA20へ処理が進められ、経過していれば、ステップSA60へ処理が進められる。また、ステップSA50では、ステップSA10が最初に実行されてから当該所定期間が経過しているか否かが判断され、経過していると判断するとステップSA10へ処理が戻される。また、ステップSA100では、ステップSA60が実行されてから当該所定期間が経過しているか否かが判断され、経過していると判断されると、ステップSA10へ処理が戻される。
【0102】
また、活動量計1では、各活動種類について、所定期間ごとに目標値が算出され、さらに当該所定期間よりも長い期間についての目標値が算出されて、所定期間ごとの目標値とともに表示されても良い。具体的には、たとえば1週間(所定期間)ごとに、活動種類ごとに、次の1週間の目標値が算出されるとともに、当該次の一週間を初めとする1ヶ月(所定期間よりも長い期間)についての目標値が算出され、表示されても良い。このように長い期間についての目標値が表示されることにより、活動量計1の使用者は、長期的に運動を継続する意思を持つことを促進され、使用者の運動継続の促進に寄与できる。なお、1ヶ月の目標値は、たとえば、1週間の目標値から日割りの値を算出し、当該日割りの値から1ヶ月分の値を算出することによって、算出することができる。
【0103】
(6.活動種類ごとの活動量の計測)
図6を参照して、制御部10が、加速度センサ13の検出出力に基づいて、活動種類ごとの活動量を計測する態様を説明する。図6は、制御部10が実行する、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【0104】
この処理において、まず制御部10は、上下、左右、前後の各方向の加速度の代表値X,Y,Zを算出し(ステップS1〜S3)、合成加速度Sとその垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shを算出する(ステップS4)。
【0105】
活動量計1では、予め決められた期間(単位期間(たとえば、60秒間))の出力信号を統計的に処理することによって、当該単位期間における加速度の大きさの代表値が求められる。具体的には、60秒間の信号から約2000点のサンプリングが行なわれる。そして、サンプリング値の相加平均(基準値)が算出される。次に、サンプリング値と基準値の差(偏差)の絶対値が計算され、偏差の絶対値の相加平均が求められる。偏差の絶対値の相加平均は、平均偏差と呼ばれる統計量である。活動量計1では、当該平均偏差が、単位期間における加速度の代表値として用いられる。
【0106】
加速度の代表値(平均偏差)は、上記したように、上下、左右、前後のそれぞれの方向について、次の式(3)、式(4)および式(5)に従って算出される。そして、各方向の加速度の代表値X,Y,Zが得られると、これらを合成することにより、3軸の合成加速度Sが算出される。また、合成加速度Sの垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shは、次の式(7)および式(8)に従って求められる。
【0107】
【数3】
【0108】
式(3)〜式(5)において、xi,yi,ziは、サンプリング点であり、ax,ay,azはサンプリングの相加平均であり、Nはサンプル数である。
【0109】
図6に戻って、ステップS1〜S4で、加速度の代表値X,Y,Zならびに合成加速度Sとその垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shを算出する一方で、制御部10は、上下方向の加速度信号に基づいて、単位期間における歩数Cを求める(ステップS5)。具体的には、上下方向の加速度の値が所定値を超えた回数をカウントすることで、歩数Cが求められる。なお、歩数Cの求め方は、これに限定されず、周知の他の手法が用いられてもよい。
【0110】
次に、制御部10は、合成加速度の水平方向成分Shに対する垂直方向成分Svの比Sv/Shの値を求め、比Sv/Shがしきい値1.5以上か否かを調べる(ステップS6)。比Sv/Shがしきい値1.5以上である場合には、制御部10は「使用者は走行状態にある」と判断し、走行時の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10が、走行時の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS7)。一方、比Sv/Shが1.5未満の場合は、ステップS8へ処理を進める。
【0111】
なお、メモリ14のデータ記憶部14Dには、走行時、生活活動時、歩行活動時のそれぞれについての、合成加速度Sから運動強度を計算するための算出式が記憶されているものとする。
【0112】
ステップS8では、制御部10は、合成加速度の水平方向成分Shに対する垂直方向成分Svの比Sv/Shの値を求め、比Sv/Shがしきい値1.0以上か否かを調べる。比Sv/Shが1.0以上の場合、制御部10は「使用者の身体活動は歩行活動である」と判断し、歩行活動用の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、歩行活動用の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS9)。比Sv/Shが1.0未満の場合は、ステップS10へ処理を進める。
【0113】
ステップS10では、制御部10は、比Sv/Shがしきい値0.5未満か否かを調べる。比Sv/Shが0.5未満の場合、制御部10は「使用者の身体活動が生活活動である」と判断し、生活活動用の算出式をメモリ14から読出す(ステップS11)。そして、制御部10は、生活活動用の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS11)。比Sv/Shが0.5以上の場合は、ステップS12へ処理を進める。
【0114】
ステップS12では、制御部10は、歩数Cがしきい値90以上か否かを調べる。歩数Cが90以上の場合、制御部10は「使用者の身体活動は歩行活動である」と判断し、ステップS9と同様に、歩行活動用の算出式を用いて運動強度を計算する(ステップS13)。歩数Cが90未満の場合は、ステップS11と同様に、生活活動用の算出式を用いて運動強度を計算する(ステップS14)。
【0115】
データ記憶部14Dには、生活活動時および歩行活動時のそれぞれについて、運動強度の値に関連付けられた活動種類が記憶されている。活動種類の記憶内容の一例を、表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
なお、表4では、ステップS9,S11,S13,S14で判断された身体活動の内容と、活動種類とが関連付けられている。具体的には、身体活動が「生活活動」である場合には、運動強度が4METs未満であれば活動内容は「家事」であり、4METs以上であれば活動種類は「屋内運動」(エアロビクス、ダンス等)であるとされる。また、身体活動が「歩行活動」である場合には、運動強度が4METs未満であれば活動種類は「ふつう歩き」とされ、4METs以上であれば活動種類は「しっかり歩き」とされる。
【0118】
図4に戻って、ステップS15では、制御部10は、処理対象となっている単位期間の加速度センサ13の検出出力が対応する活動種類を「走る」決定する。
【0119】
一方、ステップS16〜ステップS19では、表4に示したような情報が用いられ、ステップS9,S11,S13,S14で算出した運動強度と身体活動の内容から活動種類が決定される。
【0120】
そして、ステップS20では、制御部10は、ステップS7等で計算した運動強度から消費カロリーを計算する。なお、運動強度(METs)から消費カロリーへの換算は、公知の手法を利用することができる。ステップS20で計算された消費カロリーは、実績活動量記憶部14Cにおける、ステップS15〜S19で決定された活動種類に対応する活動実績値に加算される。これに従い、実績活動量記憶部14Cの総活動量も、当該消費カロリーが加算されるように更新される。
【0121】
以上説明した本実施の形態では、図6を参照して説明したように、活動の種類の決定の際に、まずステップS8,S10等において「歩行活動」「生活活動」のように大枠で活動の種類を決定し、その後、ステップS16,17等において、上記した大枠での活動の種類と運動強度とに基づいて、最終的な活動の種類を決定している。なお、本発明に従った活動量計では、上記したような大枠での活動の種類の決定を行なわず、初めから、運動強度のみに基づいて、最終的な活動の種類を決定(判別)してもよい。
【0122】
また、以上説明した本実施の形態において、図3に示した各構成要素は、独立したハードウェア資源(IC(integrated circuit)チップ等)によって構成されても良いし、プログラムとしてソフトウェア資源として構成されても良い。
【0123】
[第2の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、第1の実施の形態に対して、図6を参照して説明した活動種類ごとの活動量の計測のための処理内容が変更されている。以下、本実施の形態の活動量計1の制御部10が実行する、当該処理の内容について、当該処理のフローチャートである図7を参照して、説明する。
【0124】
この処理において、まず、制御部10は、上述した加速度算出方法に従って、単位期間における、上下、左右、前後の各方向の加速度の代表値を算出する(ステップS30)。このとき、制御部10は、加速度センサ13の検出出力について、ハイパスフィルタ(図示略)通過前の信号から加速度の代表値Xa,Ya,Zaを算出するとともに、ハイパスフィルタ通過後の信号から加速度の代表値Xb,Yb,Zbを算出する。
【0125】
次に、制御部10は、代表値Xa,Ya,Zaから合成加速度Saを、代表値Xb,Yb,Zbから合成加速度Sbを、それぞれ算出する(ステップS31)。
【0126】
次に、制御部10は、(Sa−Sb)/Sbで表わされる評価値を算出する(ステップS32)。合成加速度Saの値には、動的加速度と静的加速度(重力加速度)の両方の変動成分が含まれているのに対して、合成加速度Sbの値には、動的加速度の変動成分しか含まれていない。よって、両者の差分(Sa−Sb)は、静的加速度の変動成分を表わす値ということができ、合成加速度Sbは、動的加速度の変動成分を表わす値ということができる。そして、評価値(Sa−Sb)/Sbは、静的加速度の変動成分を表わす値と動的加速度の変動成分を表わす値の比に相当する。ここでは、この評価値(Sa−Sb)/Sbを、身体の傾きの変化を表わす値(指標)とする。
【0127】
制御部10は、上記評価値がしきい値0.8より大きいか否かを調べる(ステップS32)。評価値が0.8以下の場合、制御部10は「使用者の身体活動は運動である」と判断し、運動量の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、運動用の算出式を用いて合成加速度Sbから運動強度を算出する(ステップS33)。
【0128】
評価値が0.8より大きい場合、制御部10は「使用者の身体活動は生活活動である」と判断し、生活活動用の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、生活活動用の算出式を用いて合成加速度Sbから運動強度を算出する(ステップS34)。
【0129】
そして、いずれかの算出式で運動強度が計算された後、制御部は、ステップS35またはステップS36で、ステップS33またはステップS34で算出された運動強度から活動の種類を決定して、ステップS37へ処理を進める。
【0130】
そして、制御部10は、ステップS37で、運動強度から消費カロリーを算出し、ステップS35またはステップS36で決定した活動種類の活動実績値(表2)に算出した値を加算して、処理を終了させる。
【0131】
以上説明した本実施の形態では、活動量計1では、身体の傾きの変化に基づいて、活動種類が判別される。
【0132】
本実施の形態において、たとえば、活動種類「走る」「ふつう歩き」「しっかり歩き」は、「運動」という身体活動に属する。活動種類「家事」「屋内運動」は、「生活活動」という身体活動に属する。
【0133】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1では、第1の実施の形態の活動目標表示処理において、総目標値および各活動種類の目標値が直前の所定期間に検出された活動値がそのまま設定されていたところを(ステップSA60,SA70)、本実施の形態の活動量計1では、直前の所定期間の各値に対して所定の演算を施して得られた値が設定される。
【0134】
1.総目標値の設定
(1) 第1の例
本実施の形態の活動量計1における総目標値の設定(図5の活動目標表示処理のステップSA60)における総目標値の設定態様の一例としては、次の式(9)に従ったものを挙げることができる。
【0135】
【数4】
【0136】
式(9)に従えば、活動目標表示処理のステップSA60では、総目標値は、直前の所定期間における総活動量(表2)に定数Aとの積として、総目標値を取得することができる。定数Aは、たとえば0.8〜1.2程度が好ましいと考えられる。ここで、定数Aを、たとえば「1.1」等の、1.0よりも多少大きい数に設定すれば、総目標値を、直前の所定期間の活動量を少し上回る活動量に、設定することができる。
【0137】
(2) 第2の例
本実施の形態における総目標値の算出態様の例として、次の式(10)に従ったものを挙げることもできる。
【0138】
【数5】
【0139】
式(10)に従えば、総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、総目標値と総活動量の差の3分の1の値を加えた値として取得することができる。具体的には、総活動量に、総活動量からそれまで設定されていた総目標値を差引いた値を3で割った値が加えられて、新たな総目標値が算出される。これにより、直前の所定期間において、当該直前の所定期間に対して設定されていた総目標値を上回った場合には、当該上回った値の3分の1の値を、当該直前の所定期間において算出された総活動量に対して加えられるように、新たな総目標値が設定される。
【0140】
また、直前の所定期間において算出された総活動量が、当該直前の所定期間に対して設定された総目標値より下回った場合には、その下回った分の値の3分の1の値が、当該直前の所定期間において算出された活動量(総活動量)から差引くことにより、新たな総目標値が算出されることになる。これにより、新たな総目標値が、直前の所定期間における総活動量に対してさらに直前の所定期間における総目標値に対する総活動量の特性を反映するように、新たな総目標値が算出される。つまり、直前の所定期間において、総活動量が総目標値を上回った場合には、総活動量にさらに上回った分に対応する値(上回った分の3分の1の値)を加算することにより、活動量計1の使用者の活動量の増加を適度に促進するような総目標値を設定することができる。
【0141】
また、直前の所定期間において、総活動量が総目標値を下回った場合には、その下回った分に対応する値(下回った分の3分の1の値)だけ直前の所定期間における総活動量から差引いた値として、新たな総目標値が設定される。これにより、直前の所定期間において総目標値を達成できなかったという使用者に対して、目標を達成できなかった量に応じて甘く設定することにより、使用者の運動に対するやる気を削がないように、新たな総目標値を設定することができる。
【0142】
なお、式(10)において、分母の「3」の値は一例であって、これに限定されるものではない。直前の所定期間における傾向を適度に新たな総目標値に反映させるべく、分母の値は、たとえば2〜10程度が好ましいと考えられる。
【0143】
(3) 第3の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)の第3の例として、式(11)に従った態様を挙げることができる。
【0144】
【数6】
【0145】
式(11)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量と総目標値の差を3で割った値の絶対値を、当該直前の所定期間における総活動量に足し合わせたものとして取得することができる。
【0146】
この例によれば、新たな目標値は、総活動量に対して少しずつ総活動量と総目標値との差に対応した値を加算していくことにより、新たな総目標値が算出されることになる。これにより、常に、少しずつ総目標値を上昇させ、活動量計1の使用者の運動能力の向上に寄与することができると考えられる。
【0147】
なお、活動量計1では、総目標値に対する上限値が設定されていることが好ましい。そして、制御部10は、式(11)等に従って総目標値を暫定的に設定した後、当該上限値に達していれば、総目標値を当該上限値とするように設定することが好ましい。
【0148】
(4) 第4の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)の第4の例としては、次の式(12)に従ったものを挙げることができる。
【0149】
【数7】
【0150】
式(12)に従うと、新たな総目標値は、式(11)を参照して説明した値に定数Bを掛け合わせることにより得られる値とすることができる。式(12)に従って総目標値を算出することにより、新たに得られる総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、直前の所定期間に対して設定された総目標値との関係を考慮し、さらに、定数Bにより調整される傾向を加味したものとすることができる。定数Bは、たとえば0.8〜1.2程度の値とすることができる。
【0151】
2.活動種類ごとの目標値の設定
本実施の形態では、総目標値が上記したように設定されることに伴って、各活動種類の目標値の設定態様(図5のステップSA70)も、次の式(13)に従ったものに変更される。
【0152】
【数8】
【0153】
本実施の形態では、活動種類ごとの目標値(式(13)中の「種別目標」)は、直前の所定期間における総活動量に対する当該活動種類についての活動実績値(式(13)中の「種別実績」)の割合に、式(9)〜式(12)を参照して説明したように設定される新たな総目標値を掛け合わせることによって取得することができる。
【0154】
これにより、上記式(9)〜式(12)に従って算出された総目標値に対して、直前の所定期間における活動種類ごとの活動量の割合に応じて、各活動種類についての新たな目標値を設定することができる。
【0155】
[第4の実施の形態]
1.総目標値の設定
本実施の形態では、制御部10は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得することができ、そして、活動目標表示処理(図5参照)において、当該カレンダー情報に基づいて、総目標値を設定することができる(ステップSA60)。
【0156】
(1) 第1の例
カレンダー情報に応じた総目標値の設定態様の第1の例としては、次の式(14)に従ったものを挙げることができる。
【0157】
【数9】
【0158】
式(14)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、次の所定期間に含まれる祝日数に0.1を掛けたものに1を足した値を掛け合わせることによって取得することができる。つまり、たとえば、次の所定期間に祝日が2日含まれている場合には、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に1.2を掛け合わせることによって得られる。
【0159】
ここで、祝日とは、平日であって、休みの日とされる日である。
つまり、式(14)に従えば、新たに設定される総目標値では、次の所定期間に含まれる祝日の数が多いほど、総目標値は大きな値となり、具体的には、祝日数が1日多くなるごとに、直前の所定期間の総活動量に0.1を掛け合わせた値ずつ、新たに設定される総目標値の値が大きくなる。
【0160】
なお、この例では、次の所定期間に含まれる祝日の数が増えるほど、新たに設定される総目標値の値が大きくなればよく、祝日数に掛け合わされる値は、式(14)の0.1に限定されるものではない。
【0161】
(2) 第2の例
この例では、新たな総目標値は、次の所定期間に含まれる祝日数に基づいて、次の式(15)に示されるように求めることができる。
【0162】
【数10】
【0163】
式(15)によれば、新たな総目標値は、式(11)で示した値に、さらに、「1+祝日数×0.1」で表わされる祝日数に応じた数値を掛け合わせることによって、取得される。これにより、新たな総目標値が、直前の所定期間における総目標値と総活動量との関係を反映し、さらに、次の所定期間に含まれる祝日の数だけ値が大きくなるように、設定される。
【0164】
このように、本実施の形態では、次の所定期間に含まれる祝日数が多いほど、活動量計1の使用者の運動する機会が増えると予想されるため、その分だけ総目標値の値が大きくなるように設定される。
【0165】
なお、本実施の形態では、活動種類ごとの新たな目標値は、上記した式(13)に従って算出することができる。
【0166】
[第5の実施の形態]
活動目標表示処理の総目標値の設定(ステップSA60)を、カレンダー情報に従った例として、季節情報を考慮して総目標値を設定する例について説明する。
【0167】
(1) 第1の例
本実施の形態では、制御部10は、次の式(16)に従って、新たな総目標値を算出することができる。
【0168】
【数11】
【0169】
式(16)において、Cは、季節関数である。季節関数Cは、次の所定期間の過半数の比が、3〜5月または9〜11月に属する場合には0.8程度の値とされ、6月〜8月または12月〜2月に属する場合には、1.2程度の値とされる。
【0170】
総目標値の設定に、Cのような季節関数が用いられることにより、季節に応じて、活動量計1の使用者に提示する総目標値の値を変更することができる。具体的には、比較的気温が高くまたは低いために運動の機会が少なくなると考えられる夏(6月〜8月)や冬(12月〜2月)には、総目標値は低めに算出され、比較的気温が穏やかで運動をする機会が増えると考えられる春(3月〜5月)や秋(9月〜11月)には、夏や冬と比べて高めの総目標値が設定されることになる。
【0171】
なお、本実施の形態では、活動目標表示処理のステップSA70における活動種類ごとの目標値が、上記した式(12)に従って算出することができる。
【0172】
(2) 第2の例
季節関数を利用した総目標値の設定の第2の例としては、式(17)に従ったものを挙げることができる。
【0173】
【数12】
【0174】
式(17)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量と総目標値の差の3分の1の値の絶対値に季節関数Cを掛け合わせたものを、足し合わせることにより取得される。
【0175】
これにより、新たに設定される総目標値は、直前の所定期間における総活動量に対して、直前の所定期間における総活動量と総目標値との差に応じた値を加算されることにより算出されるため、直前の所定期間における総活動量よりもさらに高い値とされ、活動量計1の使用者の運動能力の促進に寄与することができる。なお、総目標値の算出に当たって総活動量に加算される値が、季節関数の値に従ったものとなる。これにより、直前の所定期間の総活動量に対して、夏や冬に増加される値の割合を、春や秋よりも低いものとすることができる。
【0176】
[第6の実施の形態]
(1) 第1の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)は、次の所定期間に含まれることが予想される雨天の日の数(以下、「予想雨天日数」という)に基づいて算出することもできる。制御部10は、たとえば、ネットワークを介して天気予報情報を取得し、当該取得した天気予報情報から次の所定期間に含まれることが予想される雨天の日数を抽出し、当該抽出した日数を「予想雨天日数」として、次の式(18)に従って、新たな総目標値を算出することができる。
【0177】
【数13】
【0178】
式(18)によれば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、「1−予想雨天日数×0.05」で得られる値を掛け合わせることによって取得される。つまり、次の所定期間に含まれる予想雨天日数が多くなるほど、設定される総目標値の値は小さくなる。これにより、雨天により活動量計1の使用者の運動の機会が減ることが予想されるが、当該予想に応じて、総目標値を設定することができる。
【0179】
(2) 第2の例
本実施の形態における予想雨天日数に基づいた総目標値の設定態様の第2の例として、式(19)に従ったものを挙げることができる。
【0180】
【数14】
【0181】
式(19)に従えば、式(11)を参照して説明した値に、「1−予想雨天日数×0.05」を掛け合わせることにより、総目標値が設定される。これにより、直前の所定期間における総目標値と総活動量の関係を考慮しつつ、次の所定期間における予想雨天日数を考慮して、総目標値を設定することができる。
【0182】
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、活動目標表示処理のステップSA60における総目標値の設定は、第1の実施の形態に従って、または、上記した式(9)〜式(12)のいずれかに従って、算出することができる。
【0183】
本実施の形態では、ステップSA70における活動種類ごとの目標値の設定に特徴を有する。具体的には、活動種類ごとに、季節関数を用いて、目標値を算出する。
【0184】
より具体的には、目標値を設定する複数の活動種類を、第1のグループの季節では高めに設定し、第2のグループの季節では低めに設定する、第1のグループの種類と、上記第1のグループの季節では低めに設定し上記第2のグループの季節では高めに設定する第2のグループの種類とに分類する。
【0185】
たとえば、第1のグループの季節を春と秋とし、第2のグループの季節を夏と冬とした場合、比較的気候がよいとされる第1グループの季節においては、運動する機会が増えると考えられるため、第1のグループの活動種類として、「歩行」などの運動に関する活動種類を挙げることができ、これに応じて、運動以外の活動種類については目標値として提示する値を抑えることができるため、当該第1のグループの季節に比較的低い目標値を設定される第2のグループの種類の活動種類としては、「家事」を挙げることができる。
【0186】
なお、第1のグループの種類については、暑さや寒さ厳しいと考えられる第2のグループの季節(夏や冬)には、その目標値は低く設定され、その分、第2のグループの種類については、当該第2のグループの季節には、比較的高い目標値が設定されることになる。
【0187】
このような態様での活動種類別の目標値を設定するための数式を、式(20)および式(21)として示す。
【0188】
【数15】
【0189】
式(20)および式(21)において、Dは、季節関数を示している。季節関数Dは、次の所定期間の過半数が春や秋(3月〜5月,9月〜11月)に属する場合には、1.2程度の値を取り、また、夏や冬(6月〜8月,12月〜2月)には0.8程度の値を取る。
【0190】
なお、式(20)は、第1のグループの活動種類についての目標値の設定に用いられ、式(21)は、第2のグループの活動種類についての目標値の設定に用いられる。
【0191】
式(20)では、第1のグループの活動種類の目標値は、直前の所定期間における、当該活動種類の活動値(式(20)中の「個別実績」)の総活動量に対する割合に、ステップSA60において設定された新たな総目標値を掛け合わせ、さらに、季節関数Dを掛け合わせることによって算出される。
【0192】
一方、第2のグループの活動種類についての目標値は、式(21)に示されるように、直前の所定期間における当該活動種類の活動値の総活動量に対する割合に、直線のステップSA60で算出された総目標値を掛け合わせ、さらに、「2−D」を掛け合わせることによって算出される。
【0193】
なお、式(21)における「2−D」の「2」とは、季節関数Dを用いて目標値を設定される活動種類の数に対応している。
【0194】
なお、本実施の形態では、式(20)と式(21)に示されるように、季節関数Dが活動種類ごとに異なる態様で、利用されている。これにより、式(20)と式(21)を使用して算出された活動種類ごとの目標値の総和が、ステップSA60で算出された総目標値と一致しなくなる場合が想定される。
【0195】
このような場合には、適宜、これらの総和が総目標値に一致するように調整するための処理が実行されることが好ましい。
【0196】
[第8の実施の形態]
本実施の形態では、複数の活動種類のそれぞれの目標値を設定(ステップSA70)する際に、複数の活動種類を、上記した「予想雨天日数」が多くなるほど目標値を低下させるよう設定される第1のグループと、「予想雨天日数」が増えるほど上昇させるように設定される第2のグループとに分類される。
【0197】
第1のグループの一例としては、たとえば活動種類「歩行」が挙げられる。また、第2のグループの一例としては、活動種類「家事」を挙げることができる。
【0198】
そして、本実施の形態では、第1のグループに属する活動種類の目標値は、次の式(22)に従って算出し、第2のグループの活動種類の目標値は、次の式(23)に従って算出される。
【0199】
【数16】
【0200】
本実施の形態によれば、「歩行」で例示された第1のグループの活動種類については、次の所定期間における予想雨天日数が多くなるほど、設定される目標値の値は低くなる。一方、「家事」で例示した第2のグループについては、次の所定期間における予想雨天日数が多くなるほど、目標値が高く設定される。
【0201】
これは、雨天の日数が増えれば、運動をする機会が減ると予想されることに基づき、この予想を、算出される目標値に反映させている。
【0202】
[第9の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、活動目標表示処理における活動種類ごとの目標値の設定(ステップSA70)において、直前の所定期間における活動種類の間で活動量の差が大きい場合には、活動種類間での活動の割合を調整することができるように目標値を設定する。
【0203】
具体的には、たとえば、上記したような第1〜第8の実施の形態に示された態様に従って、総目標値を設定し(ステップSA60)、そして、活動種類ごとの目標値を設定した後(ステップSA70)、直前の所定期間における活動実績値が最も大きい活動種類については、暫定的に算出した目標値を0.9倍して、最終的な目標値に設定する。一方、直前の所定期間における活動実績値が最も小さい活動種類については、暫定的に算出した目標値を1.1倍して、最終的な目標値として設定する。
【0204】
本実施の形態において、たとえば、或る活動種類の活動実測値が他の活動種類の活動実測値の2倍以上の値を有していた場合に、活動種類の間で活動量の差が大きいと判断される。
【0205】
なお、このような上記した調整により、すべての活動種類の目標値の和が、ステップSA60で設定された総目標値と一致しなくなる場合が想定される。したがって、本実施の形態では、すべての活動種類について設定される目標値の和がステップSA60で設定された総目標値と一致するように調整するための処理が実行されることが好ましい。
【0206】
[第10の実施の形態]
図8は、本実施の形態の活動量計1の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。
【0207】
活動量計1では、表3を参照して説明したように、各活動種類の実績活動値は、所定期間内の特定の期間ごとに、具体的には、1週間所定期間とした場合の1日ごとに、記憶することができる。そして、制御部10は、ステップSA70における活動種類ごとの目標値の設定において、特定の期間ごとに、活動種類ごとの目標値を設定し、表示することができる(ステップSA81,SA82)。なお、各特定の期間についての目標値は、たとえば、実績活動量記憶部14Cにおいて、1日ごとに記憶されている活動実績値をそのまま活動目標値として設定することができる。
【0208】
また、活動種類ごとに、平日が休日よりも極端に少ない(たとえば、平日の活動実績値の平均値が、休日の活動実績値の平均値の0.5倍以下)場合には、活動実績値をそのまま活動目標値とするのではなく、平日については活動実績値の1.1倍の値を活動目標値とし、休日の場合は活動実績値の0.9倍の値を活動目標値として設定することができる。つまり、本実施の形態では、平日と休日で活動量に偏りがある場合には、当該偏りを効果的に抑えられるような態様で、各活動種類についての、各特定の期間の、目標値を設定することができる。
【0209】
以上、本実施の形態に従うと、活動目標表示処理に従って、活動量計1のディスプレイ20には、図9に示すような画面230が、2週目以降には表示される。
【0210】
画面230には、3月15日から3月21日日曜日までの1週間の、各日について、活動量についての表示がなされている。各日の表示では、下段に、各日について算出された目標となる活動量が表示され、上段には、各日の総実績値(表3のE10、E20、E30等)が表示されている。
【0211】
なお、本実施の形態では、各日の活動実績値について、表3を参照して説明したように、活動種類ごとに活動実績値が記憶されている。したがって、画面230の代わりに、各日について、活動種類ごとに、活動実績値や目標となる活動量をディスプレイ20に表示することもできる。
【0212】
[第11の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、その外観は、第1の実施の形態の活動量計1と同様のものとすることができる。
【0213】
図10に、本実施の形態の活動量計1のブロック図を示す。
本実施の形態の活動量計1は、活動量計1の本体に対して着脱可能な記録媒体18Aに記録されたプログラムに従って、制御部10は、処理を実行することができる。
【0214】
活動量計1には、記録媒体18Aに対して情報の読込および書込をするためのメディアドライブ18が備えられている。
【0215】
[第12の実施の形態]
1.活動量計の構成
本実施の形態の活動量計1の外観構成は、第1の実施の形態の活動量計1と同様なものとすることができる。
【0216】
図11に、本実施の形態の活動量計1のブロック図を示す。
本実施の形態の活動量計1の制御部10は、第1の実施の形態の制御部10の構成に加えて、さらに、所定期間ごとに算出される活動量に基づいて、活動量計1の使用者の活動についての傾向を抽出する傾向抽出部10Eを含む。
【0217】
本実施の形態の活動量計1のメモリ14は、第1の実施の形態のメモリ14に対して、さらにメッセージ記憶部14Eを含む。メッセージ記憶部14Eの記憶内容の一例を、表5に示す。
【0218】
【表5】
【0219】
表5から理解されるように、メッセージ記憶部14Eには、活動量計1の使用者の活動の傾向ごとに、メッセージが記憶されている。
【0220】
本実施の形態の活動量計1では、傾向抽出部10Eが抽出した活動の傾向に関連付けられて記憶されているメッセージが、ディスプレイ20に表示される。
【0221】
2.活動目標表示処理
図12に、本実施の形態の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートを示す。
【0222】
本実施の形態の活動目標表示処理では、制御部10は、最初の所定期間においては、第1の実施の形態の活動目標表示処理と同様に、ステップSA10〜ステップSA50の処理を実行する。
【0223】
そして、活動目標表示処理が開始されてから最初の所定期間が経過した後は、処理は、ステップSA51以降へ進められる。
【0224】
ステップSA10において、活動目標表示処理が開始されてから最初の所定期間が経過した(本実施の形態では、「1週間」が経過した)と判断すると、制御部10は、ステップSA51へ処理を進める。
【0225】
ステップSA51では、制御部10は、直前の所定期間における実績活動量記憶部14Cにおける記憶内容(表2参照)に基づいて、直前の所定期間における活動量計1の使用者の活動の傾向を抽出する。
【0226】
ステップSA51における活動の傾向の抽出は、たとえば、メッセージ記憶部14Eに記憶されている「傾向」の条件を満たすか否かの判断に基づいて実行される。
【0227】
具体的には、「家事の割合が高い」という傾向に対しては、活動種類「家事」の活動実績値が、活動種類「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」の3種類の活動実績値の和よりも高い値となっていることが条件として、データ記憶部14Dに記憶されているものとする。
【0228】
また、「歩行の中でふつう歩きの割合が高い」という傾向の条件として、活動種類「ふつう歩き」の活動実績値が「しっかり歩き」の活動実績値の2倍以上となっていることという条件が記憶されている。当該条件を満たす場合には、制御部10は、直前の所定期間における活動は、「歩行の中でふつう歩きの割合が高い」という傾向を抽出する。
【0229】
また、本実施の形態では、第10の実施の形態で説明したように、所定期間より短い特定の期間ごとに、実績活動量記憶部14Cにおいて、各活動種類の活動実績値を記憶することができる。表3を参照して説明したように。
【0230】
そして、「ほとんど週末しか歩行していない」という傾向の条件として、データ記憶部14Dには、月曜日から金曜日の活動種類「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」「屋内運動」の活動実績値の和が、土曜日と日曜日についてのこれらの活動種類の活動実績値の和の50%以下の値であることが挙げられる。この条件を満たすと判断すると、制御部10は、直前の所定期間の実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量から、「ほとんど週末しか歩行していない」という傾向を抽出する。
【0231】
図12に戻って、ステップSA51で直前の所定期間の活動量についての傾向を抽出すると、制御部10は、ステップSA52で、メッセージ記憶部14Eにおいて抽出した傾向に関連付けられて記憶されているメッセージを選択して、ステップSA60へ処理を進める。
【0232】
ここでは、たとえば、「家事の割合が高い」という傾向が抽出されていれば、表5を参照して、「たまには外を歩いて気分転換しませんか?」というメッセージを選択する。
【0233】
ステップSA60では、制御部10は、第1の実施の形態と同様にこれからの所定期間についての総目標値を設定して、ステップSA70へ処理を進める。
【0234】
ステップSA70では、制御部10は、第1の実施の形態と同様に、次の所定期間についての、活動種類ごとの目標値を設定して、ステップSA81へ処理を進める。
【0235】
ステップSA81では、制御部10は、ディスプレイ20に、ステップSA60で設定した総目標値およびステップSA70で設定した活動種類ごとの目標値とともに、ステップSA52で選択したメッセージを表示させて、ステップSA90へ処理を進める。
【0236】
図13には、このときのディスプレイ20における表示画面の一例を示す。
図13を参照して、ディスプレイ20には、画面240が表示されている。画面240には、図4(C)と同様に、活動種類ごとに、目標となる活動量が示されているとともに、総実績値と総活動量を表示する欄が表示されている。
【0237】
そして、画面240では、さらに、メッセージ241が表示されている。メッセージ241は、ステップSA52で選択されたメッセージである。
【0238】
図12へ戻って、ステップSA81で総目標値等をディスプレイ20に表示させた後、制御部10は、所定期間が経過するまで、ステップSA90で実績値のディスプレイ20における表示を更新させる。所定期間が経過したと判断すると(ステップSA100でYES)、処理をステップSA10へ戻す。
【0239】
[第13の実施の形態]
図14は、本実施の形態の活動量計1を含む活動情報提供システムの構成を模式的に示す図である。
【0240】
本実施の形態の活動量計1は、ネットワークを通じて、サーバ100と通信可能に構成されている。また、活動量計1は、サーバ100を介して、生活パターン解析データベース(DB)400および体脂肪率計300に接続可能である。
【0241】
図15は、本実施の形態の活動量計1のブロック図である。
本実施の形態の活動量計1の制御部10は、第1の実施の形態の制御部10の構成に加えて、データ管理部10Fを含む。
【0242】
本実施の形態の活動量計1のメモリ14は、第1の実施の形態のメモリ14の構成に加えて、さらにメッセージ記憶部14Fを含む。
【0243】
メッセージ記憶部14Fの記憶内容の一例を、表6に示す。
【0244】
【表6】
【0245】
表6を参照して、本実施の形態のメッセージ記憶部14Fには、表5を参照して説明したメッセージが、コードに関連付けられて記憶されている。
【0246】
本実施の形態のサーバ100には、表5を参照して説明した、所定期間の活動の傾向が、表7に示されるように、コードに関連付けられて記憶されている。
【0247】
【表7】
【0248】
本実施の形態の活動量計1では、データ管理部10Fは、I/F12を介して、所定期間ごとに、または、逐次的に、実績活動量記憶部14Cに記憶しているすべての活動種類についての活動実績値を、サーバ100へ送信する。
【0249】
これに基づき、サーバ100は、生活パターン解析DB400に記憶されたデータを参照し、第12の実施の形態において制御部10がステップSA51の処理と同様の態様で、直前の所定期間における活動量計1の実績活動量記憶部14Cの記憶内容に基づいて、活動の傾向と抽出する。そして、サーバ100は、活動量計1に対して、抽出した傾向に関連付けられたコードを、活動量計1に送信する。
【0250】
コードを受信すると、データ管理部10Fは、メッセージ記憶部14Fにおいて、当該受信したコードに関連付けられたメッセージを、ディスプレイ20に表示させる。
【0251】
また、サーバ100は、活動の傾向の抽出だけでなく、制御部10が図12のステップSA60やステップSA70で実行していたように、総目標値や活動種類ごとの目標値の設定を行なってもよい。この場合、データ管理部10Fは、サーバ100から受信した総目標値と活動種類ごとの目標値を、目標設定部10Cに目標活動量記憶部14Bへ記憶させ、また、上記したメッセージとともにディスプレイ20に表示させる。
【0252】
また、データ管理部10Fは、体脂肪率計300に対して、活動量計1の使用者の体重値や基礎代謝量等のデータを要求する情報を送信する。これに応じて、体脂肪率計300から、使用者の基礎代謝量等のデータが送信される。データ管理部10Fは、受信した基礎代謝量のデータを目標設定部10Cに送ることにより、目標設定部10Cは、受信した基礎代謝量に基づいて目標値を算出できる。
【0253】
また、データ管理部10Fは、上記した活動の傾向をサーバ100に抽出させ、そして、当該抽出された傾向を受信し、当該傾向を目標値算出部10Dに送り、目標値算出部10Dに当該傾向に基づいて活動種類ごとの目標値を算出させても良い。たとえば、第9の実施の形態として説明したように、直前の所定期間における活動種類の間で活動量の差が大きい場合には、目標値算出部10Dは、活動種類間の活動割合を調整するように目標値を算出する。この場合、「活動種類の間で活動量の差が大きい」という傾向が、サーバ100によって抽出される傾向となる。
【0254】
本実施の形態では、サーバ100と、当該サーバ100から送信された目標値を活動種類ごとに記憶して表示させる活動量計1により、活動量管理システムが構成される。
【0255】
なお、第1〜第12の実施の形態において説明してきた活動量計1では、単体で、活動種類ごとの目標値を設定し、表示させることができる。この場合には、活動量計1により活動量管理システムが構成されていることになる。
【0256】
[第14の実施の形態]
以上各実施の形態で説明してきた活動量計1は、他の活動量計1と、記憶内容を通信可能に構成されても良い。図15に、複数の活動量計1(活動量計1Aと活動量計1B)が通信行なう態様を示す。
【0257】
活動量計1Aと活動量計1Bは、各装置内の実績活動量記憶部14Cに記憶された各活動種類の活動実績値や総活動量および/または目標活動量記憶部14Bに記憶された各活動種類の活動目標値や総目標値を、通信可能に構成されている。
【0258】
そして、通信相手からこれらの情報を受信したことに応じて、活動量計1Aおよび活動量計1Bでは、自機の実績活動量記憶部14Cや目標活動量記憶部14Bに記憶された値とともに(同じ画面で、または、異なる画面で)、かつ、自機の各部に記憶された内容と区別可能な態様で、受信した値を表示する。
【0259】
これにより、活動量計1Aの使用者は、活動量計1Bの使用者の活動量についても、自己の活動量とともに確認することができる。これにより、活動量計1Aの使用者は、競争心を持って運動することができる。したがって、活動量計1Aの使用者の運動意欲を促進することができる。
【0260】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以上説明した各実施の形態において開示された技術は、単独で、または、可能な限り組み合わされて実現されることが意図される。
【符号の説明】
【0261】
1,1A,1B 活動量計、10 制御部、10A 表示情報生成部、10B 活動量算出部、10C 目標設定部、10D 目標値算出部、10E 傾向抽出部、11 操作部、13 加速度センサ、14 メモリ、14A プログラム記憶部、14B 目標活動量記憶部、14C 実績活動量記憶部、14D データ記憶部、14E,14F メッセージ記憶部、18 メディアドライブ、18A 記録媒体、20 ディスプレイ、100 サーバ、200,210,220,230,240 画面、300 体脂肪率計、400 生活パターン解析DB。
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムに関し、特に、使用者に対して適切な運動目標を提示できる活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、活動量計において、目標活動量を提示するものがあった。たとえば、特許文献1には、目標活動量を設定し、そして、加速度センサによって身体の体動を検出することによって計測された活動量を累積し、目標活動量に対する累積活動量の達成度合いを報知する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、運動実施期間および生体情報の改善目標の入力を受付け、これらに応じて改善目標を達成するために必要な運動強度および運動時間を算出し、そして、算出した運動強度および運動時間を提示する技術が開示されている。また、特許文献2では、生体情報の記録値の推移に基づいて生体情報の値の将来的な変化を予測し、予測した結果を提示する技術も開示されている。
【0004】
なお、特許文献3に開示されているように、加速度センサ等によって検出される体動に関し、安静に座っている状態、普通歩行、速歩、ジョギング等の活動種類によって、運動強度は異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−246175号公報
【特許文献2】特開2007−323246号公報
【特許文献3】特開2009−28312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように活動種類によって運動強度が異なるため、同じ時間の活動であっても、活動種類によって運動量は異なる。
【0007】
しかしながら、従来の活動量計では、すべての活動種類の目標活動量の合計である目標活動量のみが提示されていた。このため、使用者は、活動種類ごとにどの程度目標が達成されているかを把握することができず、自分自身の活動種類ごとの結果に応じた改善目標を立てることができなかった。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、活動種類ごとの目標を設定することにより、使用者の活動量の改善に貢献することのできる活動量計、制御プログラム、活動量計の制御方法および活動量管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った活動量計は、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計であって、身体の体動を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて活動種類を判別し、判別された活動種類ごとに活動量を計測する活動量計測手段と、活動種類ごとの目標活動量を設定する設定手段と、設定手段が設定した目標活動量を記憶する目標活動量記憶手段と、目標活動量記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示する提示手段とを備える。
【0010】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、活動量計測手段による活動種類ごとの活動量の計測結果に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を算出する目標値算出手段を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、活動種類ごとに異なる態様で目標活動量を設定することが好ましい。
【0012】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、第1の活動種類および第1の活動種類とは異なる第2の活動種類の目標活動量を、第1の設定パターンおよび第1の設定パターンとは異なる第2の設定パターンに従って設定し、第1の設定パターンは、第1の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合の量で設定し、第2の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合の量で設定し、第2の設定パターンは、第1の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合より高い第3の割合の量で設定し、第2の活動種類の目標活動量を、活動量計測手段による第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合より低い第4の割合の量で設定することが好ましい。
【0013】
また、本発明の活動量計は、活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量に基づいて、使用者の活動傾向を抽出する抽出手段をさらに備え、設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの活動量を設定することが好ましい。
【0014】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、全ての活動種類についての目標活動量である総目標活動量を設定し、総目標活動量に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0015】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、使用者の基礎代謝量を取得し、当該使用者の基礎代謝量を用いて、活動種類ごとの活動量を設定することが好ましい。
【0016】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得し、カレンダー情報に基づいて、目標活動量の設定を第1の設定パターンまたは第2の設定パターンで行なうかを決定することが好ましい。
【0017】
また、本発明の活動量計では、設定手段は、予め定められた上限値以下で、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0018】
また、本発明の活動量計では、活動量計測手段は、活動種類ごとに、目標活動量に対する活動量計測手段の計測結果である活動量の達成度を算出し、提示手段は、活動種類ごとに達成度を提示することが好ましい。
【0019】
また、本発明の活動量計は、活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量を外部の機器に送信するデータ管理手段をさらに備え、データ管理手段は、外部の機器から、活動量計測手段が算出した活動種類ごとの活動量に基づいて抽出された使用者の活動傾向を受信し、設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定することが好ましい。
【0020】
本発明に従った活動量計の制御プログラムは、記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計において実行されるコンピュータ読取可能なプログラムであって、活動量計に、身体の体動を検出する検出するステップと、身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、判別された活動種類ごとに活動量を計測するステップと、活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、設定した目標活動量を記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示するステップとを実行させる。
【0021】
本発明に従った活動量計の制御方法は、記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計の制御方法であって、身体の体動を検出する検出するステップと、身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、判別された活動種類ごとに活動量を計測するステップと、活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、設定した目標活動量を記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示するステップとを備える。
【0022】
本発明に従った活動量管理システムは、活動種類ごとに活動量を入力する入力手段と、活動種類ごとに目標活動量の設定値を設定する設定手段と、設定手段が設定した活動種類ごとの目標活動量の設定値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された目標活動量を活動目標ごとに提示する提示手段とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、活動種類ごとに、目標活動量が設定され、そして、提示される。
これにより、使用者は、活動種類ごとにどの程度目標が達成されているかを把握することができる。
【0024】
したがって、使用者は、自分自身の活動種類ごとの結果に応じた改善目標を立てることができ、これにより、使用者の活動量の改善に確実に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態の活動量計の外観図である。
【図2】図1の活動量計の使用状態の一例を示す図である。
【図3】図1の活動量計のブロック図である。
【図4】図1の活動量計のディスプレイに表示される、活動量等を提示する画面の例を示す図である。
【図5】図1の活動量計の制御部が実行する、活動目標表示処理のフローチャートである。
【図6】図1の活動量計の制御部が実行する、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の活動量計において実行される、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第10の実施の形態の活動量計の制御部が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。
【図9】図8の活動量計のディスプレイにおける表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第11の実施の形態の活動量計のブロック図である。
【図11】本発明の第12の実施の形態の活動量計のブロック図である。
【図12】図11の活動量計の制御部が実行する活動目標表示処理のフローチャートを示す。
【図13】図11の活動量計のディスプレイにおける表示画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の第13の実施の形態の活動量計を含む活動情報提供システムの構成を模式的に示す図である。
【図15】図14の活動量計のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の血圧測定装置の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0027】
[第1の実施の形態]
(1.活動量計の外観構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態における活動量計1の外観図である。
【0028】
図1を参照して、活動量計1は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計1を使用者の着衣などに固定するために設けられている。本体部191には、後述する操作部11の一部を構成するスイッチ111〜113および表示部15の一部を構成するディスプレイ20が設けられている。
【0029】
本実施の形態では、ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)など他の種類のディスプレイであってもよい。
【0030】
図2は、本実施の形態における活動量計1の使用状態の一例を示す図である。図2を参照して、活動量計1は、たとえば、使用者の腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。なお、図2に示された態様に限定されず、活動量計1は、使用者の体の他の部分に装着されて用いられてもよいし、使用者が持ち歩く鞄等に入れて所持して用いられるように設計されてもよい。
【0031】
(2.活動量計の具体的構成)
図3は、本実施の形態の活動量計1のブロック図である。図3を参照して、活動量計1は、制御部10と、操作部11と、インターフェイス(I/F)12と、加速度センサ13と、メモリ14と、表示部15と、報音部16と、電源17とを含む。電源17は、活動量計1の他の要素に電力を供給する。
【0032】
活動量計1では、加速度センサ13は、歩行や走行などの身体運動による加速度を検出するために設けられている。加速度センサ13は、互いに直交する3方向の加速度を検出可能な3軸加速度センサである。活動量計1が所定の装着態様で使用者に装着されると、加速度センサ13が、第1の方向(図2に示された装着状態であれば、垂直方向(上下方向))と第2および第3の方向(図2に示された装着状態であれば、水平2方向(前後方向および左右方向))の3方向の加速度を検出可能な姿勢をとる。加速度センサ13としては、静電容量型センサ、圧電型センサなど、どのような原理のセンサであっても、利用可能である。
【0033】
制御部10は、マイコンなどで構成されるもので、予め記憶されたプログラムに従って、歩数の計測、判定基準の設定、歩行ピッチ(周期)や歩幅の算出、歩行や走行などの身体運動についての活動の種類(以下、活動種類という)の特定などの各種演算処理、および、表示部15や報音部16の制御などを実行する機能を担っている。制御部10の機能の詳細については後述する。
【0034】
操作部11は、モード(計測モードと学習モード)の切換え、歩数のリセット、各種設定値の入力などの操作を行なうための使用者インターフェイス(スイッチ111〜113を含む)である。
【0035】
I/F(インターフェイス)12は、パーソナル・コンピュータなどの外部機器と無線通信または有線通信でデータを送受信するための外部インターフェイスである。たとえば、歩数の計測結果と当該計測に用いられた判定基準などを外部機器へ送信する。
【0036】
メモリ14は、各種設定値、歩数、目標運動量、残運動時間、使用者に関する情報などのデータを記憶する不揮発性の記憶媒体である。
【0037】
表示部15は、上述したディスプレイ20などで構成される表示手段であり、測定された歩数、目標歩数などの情報を表示する。
【0038】
報音部16は、制御部10の制御に従い、操作音、歩行ピッチ音、警告音等を鳴らす。
制御部10は、表示情報生成部10A、活動量算出部10B、目標設定部10Cおよび目標値算出部10Dを含む。表示情報生成部10Aは、ディスプレイ20に表示する画面の画像データを生成する。活動量算出部10Bは、加速度センサ13から得られる信号に基づいて、活動量計1の使用者の体動による活動量(エネルギ量)を算出する。本実施の形態では、活動量算出部10Bは、後述するように、単位時間ごとに、活動種類を判別し、判別した活動種類ごとに活動量を計測する。本実施の形態では、活動量算出部10Bにより活動量計測手段が構成されている。目標値算出部10Dは、活動量算出部10Bが算出した活動量に基づいて、活動種類ごとに目標値を算出する。目標設定部10Cは、操作部11を介して入力された値、ネットワークを介して入力された値、または、目標値算出部10Dが算出した目標値を、目標値として設定する。
【0039】
メモリ14は、プログラム記憶部14A、目標活動量記憶部14B、実績活動量記憶部14Cおよびデータ記憶部14Dを含む。プログラム記憶部14Aは、制御部10のマイコンが実行するプログラムを記憶する。目標活動量記憶部14Bは、目標設定部10Cによって設定された、活動種類ごとの、目標となる活動量を記憶する。実績活動量記憶部14Cは、活動量算出部10Bによって算出された活動量を、活動種類ごとに記憶する。データ記憶部14Dは、プログラム記憶部14Aに記憶されるプログラムの実行に必要な変数などの、種々のデータを記憶する。
【0040】
(3.活動量計における表示態様)
図4に、ディスプレイ20に表示される、活動量等を提示する画面の例を示す。
【0041】
活動量計1に電源が投入され、歩数の計測が開始されると、まず、図4(A)に示されるように、所定期間(たとえば1週間)についての目標となる活動量と、当該所定期間中に加速度センサ13の検出出力に基づいて算出された活動量の累積値が表示される。図4(A)の画面200には、欄201に、実際の活動量の累積値が表示され、欄202には最初の所定期間についての目標となる活動量が表示されている。
【0042】
活動量計1において、活動量の計測を開始してから最初の所定期間が経過すると、活動種類ごとに、当該所定期間の活動量に基づいて、次の所定期間についての目標となる活動量が算出される。当該算出された、目標となる活動量は、ディスプレイ20に表示することができる。
【0043】
図4(B)を参照して、画面210には、複数の活動種類のそれぞれについての、目標となる活動量を表示するためのバー211〜215が表示されている。各バーは、16個のブロックを有している。
【0044】
本実施の形態では、活動量計1では5種類の活動種類について、活動量を管理することができる。5種類とは、たとえば「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」「家事」「屋内運動」である。
【0045】
バー211〜215の中の一部のブロックは、他のブロックと異なる色で表示される。
「ふつう歩き」についての活動量を表示するバー211では、左端から4個のブロックは第1の種類の色で表示され、それに隣接する5個のブロックは第2の種類の色で表示され、その右側に隣接する1個のブロックは第3の種類の色で表示され、その右側に隣接する6個のブロックは第2の種類の色で表示されている。
【0046】
なお、各図において、色の種類は、ハッチングの種類またはハッチングを付さないことによって示されている。
【0047】
バー211〜215では、第3の種類の色で表示されるブロックの左端からの位置は、対応する活動種類の目標となる活動量を示す。当該色で表示されるブロックが右側に位置するほど、目標となる活動量が多いことを意味する。
【0048】
バー211〜215では、第1の種類の色で表示されたブロックの数は、対応する活動種類についての実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量を意味する。バー211〜215では、左端から順に、第1の種類の色で表示されるブロックが配置される。
【0049】
上記したように、バー211では、左端から10個目のブロックが第3の種類の色で表示され、左から4個のブロックが第1の種類の色で表示されている。このことから、活動種類「ふつう歩き」については、加速度センサ13の検出出力により算出された活動量は、目標となる活動量の40%であることになる。このパーセント表示の値は、第1の種類の色で表示されるブロックの数「4」を第3の種類の色で表示されるブロックの位置を意味する「10」で割って、それに100を掛け合わせることにより算出される。
【0050】
なお、制御部10は、加速度センサ13の検出出力により算出した活動量の、目標となる活動量に対する割合を算出し、当該割合を、各活動種類の達成度として、ディスプレイ20に表示させても良い。
【0051】
バー212では、左端から13個目のブロックが第3の種類の色で表示され、左端のブロック1個のみが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー212は、活動種類「しっかり歩き」については、目標となる活動量に対して実際の活動量はその1/13であることを示している。
【0052】
バー213では、左端から5個目のブロックが第3の種類の色で表示されているが、第1の種類の色で表示されているブロックはない。これにより、バー213は、目標となる活動量を設定されてから、表示の対象となっている期間内では「走る」という活動をしたことが検出されていないことを示している。
【0053】
バー214は、その左端から3個目のブロックが第3の種類の色で表示され、また、第3の種類の色で表示されているブロックを除いて左端から5個目までのブロックが、第1の種類の色で表示されている。これにより、バー214は、活動種類「家事」については、目標となる活動量に対して5/3倍の活動量が算出されていることを示している。
【0054】
バー215では、左端から6個目のブロックは第3の種類の色で表示され、当該ブロックを除いて、左から10個目までのブロックが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー215は、当該バー215が対応する活動種類「屋内運動」については、目標となる活動量に対して5/3倍の活動量が算出されていることを示している。
【0055】
バー211〜215の中で、第3の種類の色で表示されるブロックの左右方向の位置が異なるのは、バー211〜215において、1個のブロックが同じ活動量(エネルギ量)に対応しているからである。つまり、図4(B)の画面210では、5個の活動種類のそれぞれについて、目標となる活動量および算出されている活動量が異なることが示されている。
【0056】
画面210では、すべての活動種類の目標となる活動量の合計、および、当該目標となる活動量の合計に対するすべての活動種類について算出された活動量の合計が、バー216に示されている。バー216において、目標となる活動量の合計は第3の種類の色で表示されたブロックによって、算出された活動量の合計は第1の種類の色で表示されたブロックによって、それぞれ示されている。具体的には、バー216は、バー211〜215と同様に、16個のブロックを有する。バー216では、左端から9個目のブロックが、第3の種類の色で表示され、左端から4個のブロックが第1の種類の色で表示されている。これにより、バー216は、目標となる活動量に対する現在算出されている活動量の割合は、4/9であることを示している。
【0057】
また、画面210では、すべての活動種類についての、目標となる活動量が欄218に表示され、そして、算出された活動量が欄217に表示されている。
【0058】
以上、図4(B)を参照して説明したように、活動量計1では、活動種類ごとに、所定期間内の、活動量計1において算出された活動量および目標とされる活動量が表示される。
【0059】
なお、図4(B)の画面210では、各活動種類についての活動量を表示するバーは、左右方向に並べられた複数のブロックについて、各ブロックの表示色を変化させることなどにより、各活動種類についての活動量を示しているが、表示態様はこれに限定されるものではない。つまり、たとえば、バー211〜215は、縦方向に並ぶ複数のブロックを含むように構成されてもよい。また、活動量計1では、活動量が、複数のブロックを含むバーではなく、数値で表示されても良いし、棒グラフなどの一般的に数値を表す他の図形で表示されてもよい。
【0060】
本実施の形態では、算出される活動量は、後述するように、所定期間内で逐次更新され、また、所定期間ごとにも更新される。
【0061】
図4(C)に、所定期間が経過したときの、更新直後のディスプレイ20に表示される画面の一例を示す。
【0062】
図4(C)を参照して、画面220には、画面210の欄217,218に対応する欄227,228が表示されている。また、画面220には、画面210のバー211〜216に対応するバー221〜226が表示されている。
【0063】
図4(B)のバー211と図4(C)のバー221を対比すると、バー211では左端から10個目のブロックが第3の種類の色で表示されていたが、バー221では、左端から7個目のブロックが第3の種類の色で表示されている。これは、所定期間の経過により画面210から画面220に変更されるときに、目標となる活動量が7/10倍に変更されたことを意味する。
【0064】
バー221〜226には、第3の種類の色で表示されているブロックが存在していない。これは、所定期間の経過により、実績活動量記憶部14Cに記憶されていた各活動種類の活動量がリセットされたことを意味する。
【0065】
(4.活動量の記憶態様)
本実施の形態の活動量計1では、目標となる活動量および算出された活動量が、活動種類ごとに、記憶されている。
【0066】
目標活動量記憶部14Bの記憶内容の一例を、表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
また、実績活動量記憶部14Cの記憶内容の一例を、表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
目標活動量記憶部14Bでは、表1から理解されるように、図4を参照した説明における5種類の活動種類のそれぞれについて、EA01〜EA05で示された、目標となる活動量(活動目標値)が記憶されている。また、EA00として示された、これらの合計が、総目標値として記憶されている。
【0071】
実績活動量記憶部14Cでは、表2から理解されるように、図4を参照して説明した5種類の活動種類のそれぞれについて、算出された活動量(活動実績値)が記憶されている。各活動種類の活動実績値は、表2では、E01〜E05で示されている。また、実績活動量記憶部14Cでは、各活動種類の活動量の合計が、総活動量として記憶されている。表2では、総活動量は、E00として示されている。
【0072】
活動量計1において、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶される活動種類は、表2に示されるものに限定されない。また、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶される活動種類は、目標活動量記憶部14Bに値を記憶される活動種類のみとされなくともよい。つまり、実績活動量記憶部14Cでは、目標活動量記憶部14Bに値を記憶される活動種類以外の種類の活動種類についても、当該活動種類の活動として算出された活動量を記憶していてもよい。
【0073】
また、活動量計1では、ディスプレイ20に、実績活動量記憶部14Cに活動量を記憶されたすべての活動種類の活動量を表示させなくとも良い。たとえば、実績活動量記憶部14Cにおいて、心臓を動かすなどの基礎代謝による活動量が他の活動種類の活動量とともに記憶されている場合、当該活動量については、図4(B)を参照して説明したようなディスプレイ20への表示は行なわないようにしても良い。
【0074】
また、実績活動量記憶部14Cは、表3に示すように、所定期間の中で、さらに特定の期間ごとに、各活動種類についての算出された活動量を記憶していてもよい。
【0075】
【表3】
【0076】
表3に示された例では、各活動種類(「ふつう歩き」「しっかり歩き」等)について、1週間という期間の中の、1日ごとについて算出された活動量(E11〜E71,E12〜E72等)活動量が記憶されている。また、表3に示されたように、実績活動量記憶部14Cでは、複数の活動種類についての活動量の合計として、1日ごとの活動量の合計(E10〜E70)とともに、所定期間すべての活動量の合計(E100)が記憶されていてもよい。
【0077】
(5.活動目標表示処理)
図5は、活動量計1の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。制御部10は、たとえば、活動量計1への電源投入時、または、測定結果をリセットする旨の操作がなされたときに、活動目標表示処理を開始する。
【0078】
活動目標表示処理において、制御部10は、まずステップSA10で、第1週目の活動量の計測を実行する状態にあるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA60へ処理を進める。
【0079】
ステップSA10において、制御部10は、たとえば所定のフラグ(継続計測フラグ)がセットされているか否かを判断する。当該フラグがセットされていなければステップSA10でYESの判断をしてステップSA20へ処理を進める。当該フラグがセットされていれば、ステップSA10でNOの判断をしてステップSA60へ処理を進める。
【0080】
ステップSA20では、制御部10は、すべての活動種類についての目標となる活動量の合計である総目標値を設定して、ステップSA30へ処理を進める。
【0081】
ステップSA20における総目標値の設定は、予め設定された値をそのまま総目標値として設定されてもよいし、使用者に年齢や性別や体重などの値の入力を促し、当該入力された値に基づき予め記憶された態様で算出される値が設定されてもよいし、使用者から入力された目標とするカロリー数がそのまま設定されてもよい。
【0082】
また、ステップSA20における総目標値の設定は、一般的な運動目標とされる運動量と基礎代謝量とに基づいて算出されてもよい。具体的には、たとえば、「毎日1時間歩く」というモデル的な運動を実践するための総目標値が設定される。この場合、「歩く」という運動についての一般的な運動強度が、データ記憶部14Dに予め記憶されている。また、活動量と(活動量計1の使用者の)基礎代謝量と運動強度と時間とは、次の式(1)の関係がある。
【0083】
【数1】
【0084】
使用者の基礎代謝量については、操作部11を介した当該使用者の年齢や性別などの入力を受付けることにより、当該入力された情報に基づいて、一般的な手法により、算出することができる。制御部10は、式(1)に従い、このように算出した基礎代謝量を利用して、モデル的な運動を実践することにより所定期間で消費される活動量を算出することができる。ステップSA20では、このように算出された活動量を、総目標値として設定することができる。
【0085】
なお、使用者の基礎代謝量は、特開2008−250967号公報において表1として示されるように、性別および年齢によって決定されるデータテーブルを利用して算出することができる。
【0086】
また、基礎代謝量は、次の式(2)に従って求めることができる。
【0087】
【数2】
【0088】
式(2)において、基礎代謝量Bは、BSで表わされる体表面積1m2当りの基礎代謝基準値と、Sで表わされる体表面積の積として求められる。体表面積は、体重の0.444乗と身長の0.663乗と定数(0.008883)との積で求められる。また、BSは、性別年齢により異なった値を示し、特開2003−210439号公報に記載されるように、「日本人の栄養所要量(第5次改訂)」の表II−1(図2(性別と年齢の相違による基礎代謝基準値の表)および図3(年齢と基礎代謝基準値との関係を示すグラフ)参照)により求めることができる。
【0089】
図5に戻って、ステップSA30では、制御部10は、ステップSA20で設定した総目標値を図4(A)を参照して説明したように、ディスプレイ20に表示させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0090】
ステップSA40では、制御部10は、加速度センサ13の検出出力に基づいて活動種類ごとに活動量を算出し、表2に示したように実績活動量記憶部14Cに記憶させるとともに、図4(A)を参照して説明したように当該活動種類ごとの活動量の総和(表2の「総活動量」)をディスプレイ20に表示させて、ステップSA50へ処理を進める。加速度センサ13の検出出力に基づいた活動種類ごとの活動量の算出の態様については、後述する。
【0091】
ステップSA50では、制御部10は、ステップSA10の処理を開始してから1週間が経過したか否かを判断し、まだ経過していないと判断すると、ステップSA40へ処理を戻して、総活動量の表示内容の更新を行なう。
【0092】
一方、1週間が経過したと判断すると、制御部10は、ステップSA10へ処理を戻す。このとき、上記した継続計測フラグがセットされる。なお、継続計測フラグは、活動量計1への電源投入時に、または、操作部11に対して計測結果をリセットするための操作がなされたときに、リセットされる。
【0093】
ステップSA60では、制御部10は、総目標値を設定して、ステップSA70へ処理を進める。なお、ステップSA60では、たとえば、直前の1週間における総活動量の実績値を総目標値として設定することができる。具体的には、制御部10は、実績活動量記憶部14Cにおいて総活動量として記憶されている値を読出し、総目標値として設定することができる。
【0094】
ステップSA70では、制御部10は、活動種類別に目標値を設定して、ステップSA80へ処理を進める。ステップSA70では、制御部10は、たとえば、実績活動量記憶部14Cに記憶された各活動種類についての活動実績値を読出し、それらを、目標となる活動量として設定し、そして、目標活動量記憶部14Bの各活動種類についての活動目標値として記憶させる。
【0095】
ステップSA80では、ステップSA60で設定した総目標値とステップSA70で設定した活動種類ごとの活動目標値をディスプレイ20に表示させて、ステップSA90へ処理を進める。これにより、ディスプレイ20では、図4(C)を参照して説明したように、各活動種類についての目標となる活動量を示すためのバー221〜225が示され(目標となる活動量に対応するブロックに第3の種類の色を付されて)表示され、また、総活動量を表わすバー226が総目標値に対応するブロックに第3の種類の色を付されて表示される。
【0096】
ステップSA90では、制御部10は、加速度センサ13の検出出力に基づいて活動種類ごとの活動量を算出し、実績活動量記憶部14C中の対応する各活動種類の活動実績値を算出した各活動量を加算することによって更新し、そして、更新後の各活動実績値をディスプレイ20に表示させて、ステップSA10へ処理を進める。これにより、ディスプレイ20における各活動種類の活動実績値および総活動量の表示が更新される。活動種類ごとの活動量の算出の態様については、後述する。
【0097】
ステップSA100では、制御部10は、ステップSA60の処理を実行してから1週間が経過したか否かを判断し、まだ経過していないと判断すると、ステップSA90へ処理を戻して、実績活動量記憶部14Cに記憶された数値に基づいてディスプレイ20における各活動種類および総活動量についての表示を更新させて、ステップSA100へ処理を進める。一方、ステップSA100において1週間が経過したと判断すると、制御部10は、ステップSA10へ処理を戻す。
【0098】
以上説明した活動目標表示処理では、1週間ごとに、活動種類ごとの目標となる活動量およびそれらの総和(総目標値)が設定されて、ディスプレイ20に表示される。なお、ステップSA10〜ステップSA50の処理により、最初の1週間については、総目標値のみが設定される。そして、最初の1週間では、ディスプレイ20には、総目標値と総活動量とが表示される。
【0099】
そして、2週目以降には、総目標値とともに、活動種類ごとに目標となる活動量が設定される。そして、ディスプレイ20には、これらの目標値が、実績値(実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量)とともに表示される。実績値の表示内容は、所定期間内で、随時(たとえば、60秒間ごとに)更新される。
【0100】
なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、本実施の形態の活動量計を実現するためのソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて活動量計が実現することになる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
【0101】
本実施の形態では、所定期間ごとに目標値が更新され、当該所定期間の一例として1週間が挙げられた。なお、所定期間の長さはこれに限定されるものではなく、1ヶ月であってもよいし、その他の期間であってもよい。ステップSA10では、活動目標表示処理が開始されてから(または、計測結果をリセットするための操作がなされてから)最初の所定期間が経過していなければステップSA20へ処理が進められ、経過していれば、ステップSA60へ処理が進められる。また、ステップSA50では、ステップSA10が最初に実行されてから当該所定期間が経過しているか否かが判断され、経過していると判断するとステップSA10へ処理が戻される。また、ステップSA100では、ステップSA60が実行されてから当該所定期間が経過しているか否かが判断され、経過していると判断されると、ステップSA10へ処理が戻される。
【0102】
また、活動量計1では、各活動種類について、所定期間ごとに目標値が算出され、さらに当該所定期間よりも長い期間についての目標値が算出されて、所定期間ごとの目標値とともに表示されても良い。具体的には、たとえば1週間(所定期間)ごとに、活動種類ごとに、次の1週間の目標値が算出されるとともに、当該次の一週間を初めとする1ヶ月(所定期間よりも長い期間)についての目標値が算出され、表示されても良い。このように長い期間についての目標値が表示されることにより、活動量計1の使用者は、長期的に運動を継続する意思を持つことを促進され、使用者の運動継続の促進に寄与できる。なお、1ヶ月の目標値は、たとえば、1週間の目標値から日割りの値を算出し、当該日割りの値から1ヶ月分の値を算出することによって、算出することができる。
【0103】
(6.活動種類ごとの活動量の計測)
図6を参照して、制御部10が、加速度センサ13の検出出力に基づいて、活動種類ごとの活動量を計測する態様を説明する。図6は、制御部10が実行する、活動量を計測するための処理のフローチャートである。
【0104】
この処理において、まず制御部10は、上下、左右、前後の各方向の加速度の代表値X,Y,Zを算出し(ステップS1〜S3)、合成加速度Sとその垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shを算出する(ステップS4)。
【0105】
活動量計1では、予め決められた期間(単位期間(たとえば、60秒間))の出力信号を統計的に処理することによって、当該単位期間における加速度の大きさの代表値が求められる。具体的には、60秒間の信号から約2000点のサンプリングが行なわれる。そして、サンプリング値の相加平均(基準値)が算出される。次に、サンプリング値と基準値の差(偏差)の絶対値が計算され、偏差の絶対値の相加平均が求められる。偏差の絶対値の相加平均は、平均偏差と呼ばれる統計量である。活動量計1では、当該平均偏差が、単位期間における加速度の代表値として用いられる。
【0106】
加速度の代表値(平均偏差)は、上記したように、上下、左右、前後のそれぞれの方向について、次の式(3)、式(4)および式(5)に従って算出される。そして、各方向の加速度の代表値X,Y,Zが得られると、これらを合成することにより、3軸の合成加速度Sが算出される。また、合成加速度Sの垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shは、次の式(7)および式(8)に従って求められる。
【0107】
【数3】
【0108】
式(3)〜式(5)において、xi,yi,ziは、サンプリング点であり、ax,ay,azはサンプリングの相加平均であり、Nはサンプル数である。
【0109】
図6に戻って、ステップS1〜S4で、加速度の代表値X,Y,Zならびに合成加速度Sとその垂直方向成分Svおよび水平方向成分Shを算出する一方で、制御部10は、上下方向の加速度信号に基づいて、単位期間における歩数Cを求める(ステップS5)。具体的には、上下方向の加速度の値が所定値を超えた回数をカウントすることで、歩数Cが求められる。なお、歩数Cの求め方は、これに限定されず、周知の他の手法が用いられてもよい。
【0110】
次に、制御部10は、合成加速度の水平方向成分Shに対する垂直方向成分Svの比Sv/Shの値を求め、比Sv/Shがしきい値1.5以上か否かを調べる(ステップS6)。比Sv/Shがしきい値1.5以上である場合には、制御部10は「使用者は走行状態にある」と判断し、走行時の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10が、走行時の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS7)。一方、比Sv/Shが1.5未満の場合は、ステップS8へ処理を進める。
【0111】
なお、メモリ14のデータ記憶部14Dには、走行時、生活活動時、歩行活動時のそれぞれについての、合成加速度Sから運動強度を計算するための算出式が記憶されているものとする。
【0112】
ステップS8では、制御部10は、合成加速度の水平方向成分Shに対する垂直方向成分Svの比Sv/Shの値を求め、比Sv/Shがしきい値1.0以上か否かを調べる。比Sv/Shが1.0以上の場合、制御部10は「使用者の身体活動は歩行活動である」と判断し、歩行活動用の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、歩行活動用の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS9)。比Sv/Shが1.0未満の場合は、ステップS10へ処理を進める。
【0113】
ステップS10では、制御部10は、比Sv/Shがしきい値0.5未満か否かを調べる。比Sv/Shが0.5未満の場合、制御部10は「使用者の身体活動が生活活動である」と判断し、生活活動用の算出式をメモリ14から読出す(ステップS11)。そして、制御部10は、生活活動用の算出式を用いて合成加速度Sから運動強度を計算する(ステップS11)。比Sv/Shが0.5以上の場合は、ステップS12へ処理を進める。
【0114】
ステップS12では、制御部10は、歩数Cがしきい値90以上か否かを調べる。歩数Cが90以上の場合、制御部10は「使用者の身体活動は歩行活動である」と判断し、ステップS9と同様に、歩行活動用の算出式を用いて運動強度を計算する(ステップS13)。歩数Cが90未満の場合は、ステップS11と同様に、生活活動用の算出式を用いて運動強度を計算する(ステップS14)。
【0115】
データ記憶部14Dには、生活活動時および歩行活動時のそれぞれについて、運動強度の値に関連付けられた活動種類が記憶されている。活動種類の記憶内容の一例を、表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
なお、表4では、ステップS9,S11,S13,S14で判断された身体活動の内容と、活動種類とが関連付けられている。具体的には、身体活動が「生活活動」である場合には、運動強度が4METs未満であれば活動内容は「家事」であり、4METs以上であれば活動種類は「屋内運動」(エアロビクス、ダンス等)であるとされる。また、身体活動が「歩行活動」である場合には、運動強度が4METs未満であれば活動種類は「ふつう歩き」とされ、4METs以上であれば活動種類は「しっかり歩き」とされる。
【0118】
図4に戻って、ステップS15では、制御部10は、処理対象となっている単位期間の加速度センサ13の検出出力が対応する活動種類を「走る」決定する。
【0119】
一方、ステップS16〜ステップS19では、表4に示したような情報が用いられ、ステップS9,S11,S13,S14で算出した運動強度と身体活動の内容から活動種類が決定される。
【0120】
そして、ステップS20では、制御部10は、ステップS7等で計算した運動強度から消費カロリーを計算する。なお、運動強度(METs)から消費カロリーへの換算は、公知の手法を利用することができる。ステップS20で計算された消費カロリーは、実績活動量記憶部14Cにおける、ステップS15〜S19で決定された活動種類に対応する活動実績値に加算される。これに従い、実績活動量記憶部14Cの総活動量も、当該消費カロリーが加算されるように更新される。
【0121】
以上説明した本実施の形態では、図6を参照して説明したように、活動の種類の決定の際に、まずステップS8,S10等において「歩行活動」「生活活動」のように大枠で活動の種類を決定し、その後、ステップS16,17等において、上記した大枠での活動の種類と運動強度とに基づいて、最終的な活動の種類を決定している。なお、本発明に従った活動量計では、上記したような大枠での活動の種類の決定を行なわず、初めから、運動強度のみに基づいて、最終的な活動の種類を決定(判別)してもよい。
【0122】
また、以上説明した本実施の形態において、図3に示した各構成要素は、独立したハードウェア資源(IC(integrated circuit)チップ等)によって構成されても良いし、プログラムとしてソフトウェア資源として構成されても良い。
【0123】
[第2の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、第1の実施の形態に対して、図6を参照して説明した活動種類ごとの活動量の計測のための処理内容が変更されている。以下、本実施の形態の活動量計1の制御部10が実行する、当該処理の内容について、当該処理のフローチャートである図7を参照して、説明する。
【0124】
この処理において、まず、制御部10は、上述した加速度算出方法に従って、単位期間における、上下、左右、前後の各方向の加速度の代表値を算出する(ステップS30)。このとき、制御部10は、加速度センサ13の検出出力について、ハイパスフィルタ(図示略)通過前の信号から加速度の代表値Xa,Ya,Zaを算出するとともに、ハイパスフィルタ通過後の信号から加速度の代表値Xb,Yb,Zbを算出する。
【0125】
次に、制御部10は、代表値Xa,Ya,Zaから合成加速度Saを、代表値Xb,Yb,Zbから合成加速度Sbを、それぞれ算出する(ステップS31)。
【0126】
次に、制御部10は、(Sa−Sb)/Sbで表わされる評価値を算出する(ステップS32)。合成加速度Saの値には、動的加速度と静的加速度(重力加速度)の両方の変動成分が含まれているのに対して、合成加速度Sbの値には、動的加速度の変動成分しか含まれていない。よって、両者の差分(Sa−Sb)は、静的加速度の変動成分を表わす値ということができ、合成加速度Sbは、動的加速度の変動成分を表わす値ということができる。そして、評価値(Sa−Sb)/Sbは、静的加速度の変動成分を表わす値と動的加速度の変動成分を表わす値の比に相当する。ここでは、この評価値(Sa−Sb)/Sbを、身体の傾きの変化を表わす値(指標)とする。
【0127】
制御部10は、上記評価値がしきい値0.8より大きいか否かを調べる(ステップS32)。評価値が0.8以下の場合、制御部10は「使用者の身体活動は運動である」と判断し、運動量の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、運動用の算出式を用いて合成加速度Sbから運動強度を算出する(ステップS33)。
【0128】
評価値が0.8より大きい場合、制御部10は「使用者の身体活動は生活活動である」と判断し、生活活動用の算出式をメモリ14から読出す。そして、制御部10は、生活活動用の算出式を用いて合成加速度Sbから運動強度を算出する(ステップS34)。
【0129】
そして、いずれかの算出式で運動強度が計算された後、制御部は、ステップS35またはステップS36で、ステップS33またはステップS34で算出された運動強度から活動の種類を決定して、ステップS37へ処理を進める。
【0130】
そして、制御部10は、ステップS37で、運動強度から消費カロリーを算出し、ステップS35またはステップS36で決定した活動種類の活動実績値(表2)に算出した値を加算して、処理を終了させる。
【0131】
以上説明した本実施の形態では、活動量計1では、身体の傾きの変化に基づいて、活動種類が判別される。
【0132】
本実施の形態において、たとえば、活動種類「走る」「ふつう歩き」「しっかり歩き」は、「運動」という身体活動に属する。活動種類「家事」「屋内運動」は、「生活活動」という身体活動に属する。
【0133】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1では、第1の実施の形態の活動目標表示処理において、総目標値および各活動種類の目標値が直前の所定期間に検出された活動値がそのまま設定されていたところを(ステップSA60,SA70)、本実施の形態の活動量計1では、直前の所定期間の各値に対して所定の演算を施して得られた値が設定される。
【0134】
1.総目標値の設定
(1) 第1の例
本実施の形態の活動量計1における総目標値の設定(図5の活動目標表示処理のステップSA60)における総目標値の設定態様の一例としては、次の式(9)に従ったものを挙げることができる。
【0135】
【数4】
【0136】
式(9)に従えば、活動目標表示処理のステップSA60では、総目標値は、直前の所定期間における総活動量(表2)に定数Aとの積として、総目標値を取得することができる。定数Aは、たとえば0.8〜1.2程度が好ましいと考えられる。ここで、定数Aを、たとえば「1.1」等の、1.0よりも多少大きい数に設定すれば、総目標値を、直前の所定期間の活動量を少し上回る活動量に、設定することができる。
【0137】
(2) 第2の例
本実施の形態における総目標値の算出態様の例として、次の式(10)に従ったものを挙げることもできる。
【0138】
【数5】
【0139】
式(10)に従えば、総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、総目標値と総活動量の差の3分の1の値を加えた値として取得することができる。具体的には、総活動量に、総活動量からそれまで設定されていた総目標値を差引いた値を3で割った値が加えられて、新たな総目標値が算出される。これにより、直前の所定期間において、当該直前の所定期間に対して設定されていた総目標値を上回った場合には、当該上回った値の3分の1の値を、当該直前の所定期間において算出された総活動量に対して加えられるように、新たな総目標値が設定される。
【0140】
また、直前の所定期間において算出された総活動量が、当該直前の所定期間に対して設定された総目標値より下回った場合には、その下回った分の値の3分の1の値が、当該直前の所定期間において算出された活動量(総活動量)から差引くことにより、新たな総目標値が算出されることになる。これにより、新たな総目標値が、直前の所定期間における総活動量に対してさらに直前の所定期間における総目標値に対する総活動量の特性を反映するように、新たな総目標値が算出される。つまり、直前の所定期間において、総活動量が総目標値を上回った場合には、総活動量にさらに上回った分に対応する値(上回った分の3分の1の値)を加算することにより、活動量計1の使用者の活動量の増加を適度に促進するような総目標値を設定することができる。
【0141】
また、直前の所定期間において、総活動量が総目標値を下回った場合には、その下回った分に対応する値(下回った分の3分の1の値)だけ直前の所定期間における総活動量から差引いた値として、新たな総目標値が設定される。これにより、直前の所定期間において総目標値を達成できなかったという使用者に対して、目標を達成できなかった量に応じて甘く設定することにより、使用者の運動に対するやる気を削がないように、新たな総目標値を設定することができる。
【0142】
なお、式(10)において、分母の「3」の値は一例であって、これに限定されるものではない。直前の所定期間における傾向を適度に新たな総目標値に反映させるべく、分母の値は、たとえば2〜10程度が好ましいと考えられる。
【0143】
(3) 第3の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)の第3の例として、式(11)に従った態様を挙げることができる。
【0144】
【数6】
【0145】
式(11)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量と総目標値の差を3で割った値の絶対値を、当該直前の所定期間における総活動量に足し合わせたものとして取得することができる。
【0146】
この例によれば、新たな目標値は、総活動量に対して少しずつ総活動量と総目標値との差に対応した値を加算していくことにより、新たな総目標値が算出されることになる。これにより、常に、少しずつ総目標値を上昇させ、活動量計1の使用者の運動能力の向上に寄与することができると考えられる。
【0147】
なお、活動量計1では、総目標値に対する上限値が設定されていることが好ましい。そして、制御部10は、式(11)等に従って総目標値を暫定的に設定した後、当該上限値に達していれば、総目標値を当該上限値とするように設定することが好ましい。
【0148】
(4) 第4の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)の第4の例としては、次の式(12)に従ったものを挙げることができる。
【0149】
【数7】
【0150】
式(12)に従うと、新たな総目標値は、式(11)を参照して説明した値に定数Bを掛け合わせることにより得られる値とすることができる。式(12)に従って総目標値を算出することにより、新たに得られる総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、直前の所定期間に対して設定された総目標値との関係を考慮し、さらに、定数Bにより調整される傾向を加味したものとすることができる。定数Bは、たとえば0.8〜1.2程度の値とすることができる。
【0151】
2.活動種類ごとの目標値の設定
本実施の形態では、総目標値が上記したように設定されることに伴って、各活動種類の目標値の設定態様(図5のステップSA70)も、次の式(13)に従ったものに変更される。
【0152】
【数8】
【0153】
本実施の形態では、活動種類ごとの目標値(式(13)中の「種別目標」)は、直前の所定期間における総活動量に対する当該活動種類についての活動実績値(式(13)中の「種別実績」)の割合に、式(9)〜式(12)を参照して説明したように設定される新たな総目標値を掛け合わせることによって取得することができる。
【0154】
これにより、上記式(9)〜式(12)に従って算出された総目標値に対して、直前の所定期間における活動種類ごとの活動量の割合に応じて、各活動種類についての新たな目標値を設定することができる。
【0155】
[第4の実施の形態]
1.総目標値の設定
本実施の形態では、制御部10は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得することができ、そして、活動目標表示処理(図5参照)において、当該カレンダー情報に基づいて、総目標値を設定することができる(ステップSA60)。
【0156】
(1) 第1の例
カレンダー情報に応じた総目標値の設定態様の第1の例としては、次の式(14)に従ったものを挙げることができる。
【0157】
【数9】
【0158】
式(14)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、次の所定期間に含まれる祝日数に0.1を掛けたものに1を足した値を掛け合わせることによって取得することができる。つまり、たとえば、次の所定期間に祝日が2日含まれている場合には、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に1.2を掛け合わせることによって得られる。
【0159】
ここで、祝日とは、平日であって、休みの日とされる日である。
つまり、式(14)に従えば、新たに設定される総目標値では、次の所定期間に含まれる祝日の数が多いほど、総目標値は大きな値となり、具体的には、祝日数が1日多くなるごとに、直前の所定期間の総活動量に0.1を掛け合わせた値ずつ、新たに設定される総目標値の値が大きくなる。
【0160】
なお、この例では、次の所定期間に含まれる祝日の数が増えるほど、新たに設定される総目標値の値が大きくなればよく、祝日数に掛け合わされる値は、式(14)の0.1に限定されるものではない。
【0161】
(2) 第2の例
この例では、新たな総目標値は、次の所定期間に含まれる祝日数に基づいて、次の式(15)に示されるように求めることができる。
【0162】
【数10】
【0163】
式(15)によれば、新たな総目標値は、式(11)で示した値に、さらに、「1+祝日数×0.1」で表わされる祝日数に応じた数値を掛け合わせることによって、取得される。これにより、新たな総目標値が、直前の所定期間における総目標値と総活動量との関係を反映し、さらに、次の所定期間に含まれる祝日の数だけ値が大きくなるように、設定される。
【0164】
このように、本実施の形態では、次の所定期間に含まれる祝日数が多いほど、活動量計1の使用者の運動する機会が増えると予想されるため、その分だけ総目標値の値が大きくなるように設定される。
【0165】
なお、本実施の形態では、活動種類ごとの新たな目標値は、上記した式(13)に従って算出することができる。
【0166】
[第5の実施の形態]
活動目標表示処理の総目標値の設定(ステップSA60)を、カレンダー情報に従った例として、季節情報を考慮して総目標値を設定する例について説明する。
【0167】
(1) 第1の例
本実施の形態では、制御部10は、次の式(16)に従って、新たな総目標値を算出することができる。
【0168】
【数11】
【0169】
式(16)において、Cは、季節関数である。季節関数Cは、次の所定期間の過半数の比が、3〜5月または9〜11月に属する場合には0.8程度の値とされ、6月〜8月または12月〜2月に属する場合には、1.2程度の値とされる。
【0170】
総目標値の設定に、Cのような季節関数が用いられることにより、季節に応じて、活動量計1の使用者に提示する総目標値の値を変更することができる。具体的には、比較的気温が高くまたは低いために運動の機会が少なくなると考えられる夏(6月〜8月)や冬(12月〜2月)には、総目標値は低めに算出され、比較的気温が穏やかで運動をする機会が増えると考えられる春(3月〜5月)や秋(9月〜11月)には、夏や冬と比べて高めの総目標値が設定されることになる。
【0171】
なお、本実施の形態では、活動目標表示処理のステップSA70における活動種類ごとの目標値が、上記した式(12)に従って算出することができる。
【0172】
(2) 第2の例
季節関数を利用した総目標値の設定の第2の例としては、式(17)に従ったものを挙げることができる。
【0173】
【数12】
【0174】
式(17)に従えば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量と総目標値の差の3分の1の値の絶対値に季節関数Cを掛け合わせたものを、足し合わせることにより取得される。
【0175】
これにより、新たに設定される総目標値は、直前の所定期間における総活動量に対して、直前の所定期間における総活動量と総目標値との差に応じた値を加算されることにより算出されるため、直前の所定期間における総活動量よりもさらに高い値とされ、活動量計1の使用者の運動能力の促進に寄与することができる。なお、総目標値の算出に当たって総活動量に加算される値が、季節関数の値に従ったものとなる。これにより、直前の所定期間の総活動量に対して、夏や冬に増加される値の割合を、春や秋よりも低いものとすることができる。
【0176】
[第6の実施の形態]
(1) 第1の例
活動量計1の活動目標表示処理における総目標値の設定(ステップSA60)は、次の所定期間に含まれることが予想される雨天の日の数(以下、「予想雨天日数」という)に基づいて算出することもできる。制御部10は、たとえば、ネットワークを介して天気予報情報を取得し、当該取得した天気予報情報から次の所定期間に含まれることが予想される雨天の日数を抽出し、当該抽出した日数を「予想雨天日数」として、次の式(18)に従って、新たな総目標値を算出することができる。
【0177】
【数13】
【0178】
式(18)によれば、新たな総目標値は、直前の所定期間における総活動量に、「1−予想雨天日数×0.05」で得られる値を掛け合わせることによって取得される。つまり、次の所定期間に含まれる予想雨天日数が多くなるほど、設定される総目標値の値は小さくなる。これにより、雨天により活動量計1の使用者の運動の機会が減ることが予想されるが、当該予想に応じて、総目標値を設定することができる。
【0179】
(2) 第2の例
本実施の形態における予想雨天日数に基づいた総目標値の設定態様の第2の例として、式(19)に従ったものを挙げることができる。
【0180】
【数14】
【0181】
式(19)に従えば、式(11)を参照して説明した値に、「1−予想雨天日数×0.05」を掛け合わせることにより、総目標値が設定される。これにより、直前の所定期間における総目標値と総活動量の関係を考慮しつつ、次の所定期間における予想雨天日数を考慮して、総目標値を設定することができる。
【0182】
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、活動目標表示処理のステップSA60における総目標値の設定は、第1の実施の形態に従って、または、上記した式(9)〜式(12)のいずれかに従って、算出することができる。
【0183】
本実施の形態では、ステップSA70における活動種類ごとの目標値の設定に特徴を有する。具体的には、活動種類ごとに、季節関数を用いて、目標値を算出する。
【0184】
より具体的には、目標値を設定する複数の活動種類を、第1のグループの季節では高めに設定し、第2のグループの季節では低めに設定する、第1のグループの種類と、上記第1のグループの季節では低めに設定し上記第2のグループの季節では高めに設定する第2のグループの種類とに分類する。
【0185】
たとえば、第1のグループの季節を春と秋とし、第2のグループの季節を夏と冬とした場合、比較的気候がよいとされる第1グループの季節においては、運動する機会が増えると考えられるため、第1のグループの活動種類として、「歩行」などの運動に関する活動種類を挙げることができ、これに応じて、運動以外の活動種類については目標値として提示する値を抑えることができるため、当該第1のグループの季節に比較的低い目標値を設定される第2のグループの種類の活動種類としては、「家事」を挙げることができる。
【0186】
なお、第1のグループの種類については、暑さや寒さ厳しいと考えられる第2のグループの季節(夏や冬)には、その目標値は低く設定され、その分、第2のグループの種類については、当該第2のグループの季節には、比較的高い目標値が設定されることになる。
【0187】
このような態様での活動種類別の目標値を設定するための数式を、式(20)および式(21)として示す。
【0188】
【数15】
【0189】
式(20)および式(21)において、Dは、季節関数を示している。季節関数Dは、次の所定期間の過半数が春や秋(3月〜5月,9月〜11月)に属する場合には、1.2程度の値を取り、また、夏や冬(6月〜8月,12月〜2月)には0.8程度の値を取る。
【0190】
なお、式(20)は、第1のグループの活動種類についての目標値の設定に用いられ、式(21)は、第2のグループの活動種類についての目標値の設定に用いられる。
【0191】
式(20)では、第1のグループの活動種類の目標値は、直前の所定期間における、当該活動種類の活動値(式(20)中の「個別実績」)の総活動量に対する割合に、ステップSA60において設定された新たな総目標値を掛け合わせ、さらに、季節関数Dを掛け合わせることによって算出される。
【0192】
一方、第2のグループの活動種類についての目標値は、式(21)に示されるように、直前の所定期間における当該活動種類の活動値の総活動量に対する割合に、直線のステップSA60で算出された総目標値を掛け合わせ、さらに、「2−D」を掛け合わせることによって算出される。
【0193】
なお、式(21)における「2−D」の「2」とは、季節関数Dを用いて目標値を設定される活動種類の数に対応している。
【0194】
なお、本実施の形態では、式(20)と式(21)に示されるように、季節関数Dが活動種類ごとに異なる態様で、利用されている。これにより、式(20)と式(21)を使用して算出された活動種類ごとの目標値の総和が、ステップSA60で算出された総目標値と一致しなくなる場合が想定される。
【0195】
このような場合には、適宜、これらの総和が総目標値に一致するように調整するための処理が実行されることが好ましい。
【0196】
[第8の実施の形態]
本実施の形態では、複数の活動種類のそれぞれの目標値を設定(ステップSA70)する際に、複数の活動種類を、上記した「予想雨天日数」が多くなるほど目標値を低下させるよう設定される第1のグループと、「予想雨天日数」が増えるほど上昇させるように設定される第2のグループとに分類される。
【0197】
第1のグループの一例としては、たとえば活動種類「歩行」が挙げられる。また、第2のグループの一例としては、活動種類「家事」を挙げることができる。
【0198】
そして、本実施の形態では、第1のグループに属する活動種類の目標値は、次の式(22)に従って算出し、第2のグループの活動種類の目標値は、次の式(23)に従って算出される。
【0199】
【数16】
【0200】
本実施の形態によれば、「歩行」で例示された第1のグループの活動種類については、次の所定期間における予想雨天日数が多くなるほど、設定される目標値の値は低くなる。一方、「家事」で例示した第2のグループについては、次の所定期間における予想雨天日数が多くなるほど、目標値が高く設定される。
【0201】
これは、雨天の日数が増えれば、運動をする機会が減ると予想されることに基づき、この予想を、算出される目標値に反映させている。
【0202】
[第9の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、活動目標表示処理における活動種類ごとの目標値の設定(ステップSA70)において、直前の所定期間における活動種類の間で活動量の差が大きい場合には、活動種類間での活動の割合を調整することができるように目標値を設定する。
【0203】
具体的には、たとえば、上記したような第1〜第8の実施の形態に示された態様に従って、総目標値を設定し(ステップSA60)、そして、活動種類ごとの目標値を設定した後(ステップSA70)、直前の所定期間における活動実績値が最も大きい活動種類については、暫定的に算出した目標値を0.9倍して、最終的な目標値に設定する。一方、直前の所定期間における活動実績値が最も小さい活動種類については、暫定的に算出した目標値を1.1倍して、最終的な目標値として設定する。
【0204】
本実施の形態において、たとえば、或る活動種類の活動実測値が他の活動種類の活動実測値の2倍以上の値を有していた場合に、活動種類の間で活動量の差が大きいと判断される。
【0205】
なお、このような上記した調整により、すべての活動種類の目標値の和が、ステップSA60で設定された総目標値と一致しなくなる場合が想定される。したがって、本実施の形態では、すべての活動種類について設定される目標値の和がステップSA60で設定された総目標値と一致するように調整するための処理が実行されることが好ましい。
【0206】
[第10の実施の形態]
図8は、本実施の形態の活動量計1の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートである。
【0207】
活動量計1では、表3を参照して説明したように、各活動種類の実績活動値は、所定期間内の特定の期間ごとに、具体的には、1週間所定期間とした場合の1日ごとに、記憶することができる。そして、制御部10は、ステップSA70における活動種類ごとの目標値の設定において、特定の期間ごとに、活動種類ごとの目標値を設定し、表示することができる(ステップSA81,SA82)。なお、各特定の期間についての目標値は、たとえば、実績活動量記憶部14Cにおいて、1日ごとに記憶されている活動実績値をそのまま活動目標値として設定することができる。
【0208】
また、活動種類ごとに、平日が休日よりも極端に少ない(たとえば、平日の活動実績値の平均値が、休日の活動実績値の平均値の0.5倍以下)場合には、活動実績値をそのまま活動目標値とするのではなく、平日については活動実績値の1.1倍の値を活動目標値とし、休日の場合は活動実績値の0.9倍の値を活動目標値として設定することができる。つまり、本実施の形態では、平日と休日で活動量に偏りがある場合には、当該偏りを効果的に抑えられるような態様で、各活動種類についての、各特定の期間の、目標値を設定することができる。
【0209】
以上、本実施の形態に従うと、活動目標表示処理に従って、活動量計1のディスプレイ20には、図9に示すような画面230が、2週目以降には表示される。
【0210】
画面230には、3月15日から3月21日日曜日までの1週間の、各日について、活動量についての表示がなされている。各日の表示では、下段に、各日について算出された目標となる活動量が表示され、上段には、各日の総実績値(表3のE10、E20、E30等)が表示されている。
【0211】
なお、本実施の形態では、各日の活動実績値について、表3を参照して説明したように、活動種類ごとに活動実績値が記憶されている。したがって、画面230の代わりに、各日について、活動種類ごとに、活動実績値や目標となる活動量をディスプレイ20に表示することもできる。
【0212】
[第11の実施の形態]
本実施の形態の活動量計1は、その外観は、第1の実施の形態の活動量計1と同様のものとすることができる。
【0213】
図10に、本実施の形態の活動量計1のブロック図を示す。
本実施の形態の活動量計1は、活動量計1の本体に対して着脱可能な記録媒体18Aに記録されたプログラムに従って、制御部10は、処理を実行することができる。
【0214】
活動量計1には、記録媒体18Aに対して情報の読込および書込をするためのメディアドライブ18が備えられている。
【0215】
[第12の実施の形態]
1.活動量計の構成
本実施の形態の活動量計1の外観構成は、第1の実施の形態の活動量計1と同様なものとすることができる。
【0216】
図11に、本実施の形態の活動量計1のブロック図を示す。
本実施の形態の活動量計1の制御部10は、第1の実施の形態の制御部10の構成に加えて、さらに、所定期間ごとに算出される活動量に基づいて、活動量計1の使用者の活動についての傾向を抽出する傾向抽出部10Eを含む。
【0217】
本実施の形態の活動量計1のメモリ14は、第1の実施の形態のメモリ14に対して、さらにメッセージ記憶部14Eを含む。メッセージ記憶部14Eの記憶内容の一例を、表5に示す。
【0218】
【表5】
【0219】
表5から理解されるように、メッセージ記憶部14Eには、活動量計1の使用者の活動の傾向ごとに、メッセージが記憶されている。
【0220】
本実施の形態の活動量計1では、傾向抽出部10Eが抽出した活動の傾向に関連付けられて記憶されているメッセージが、ディスプレイ20に表示される。
【0221】
2.活動目標表示処理
図12に、本実施の形態の制御部10が実行する活動目標表示処理のフローチャートを示す。
【0222】
本実施の形態の活動目標表示処理では、制御部10は、最初の所定期間においては、第1の実施の形態の活動目標表示処理と同様に、ステップSA10〜ステップSA50の処理を実行する。
【0223】
そして、活動目標表示処理が開始されてから最初の所定期間が経過した後は、処理は、ステップSA51以降へ進められる。
【0224】
ステップSA10において、活動目標表示処理が開始されてから最初の所定期間が経過した(本実施の形態では、「1週間」が経過した)と判断すると、制御部10は、ステップSA51へ処理を進める。
【0225】
ステップSA51では、制御部10は、直前の所定期間における実績活動量記憶部14Cにおける記憶内容(表2参照)に基づいて、直前の所定期間における活動量計1の使用者の活動の傾向を抽出する。
【0226】
ステップSA51における活動の傾向の抽出は、たとえば、メッセージ記憶部14Eに記憶されている「傾向」の条件を満たすか否かの判断に基づいて実行される。
【0227】
具体的には、「家事の割合が高い」という傾向に対しては、活動種類「家事」の活動実績値が、活動種類「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」の3種類の活動実績値の和よりも高い値となっていることが条件として、データ記憶部14Dに記憶されているものとする。
【0228】
また、「歩行の中でふつう歩きの割合が高い」という傾向の条件として、活動種類「ふつう歩き」の活動実績値が「しっかり歩き」の活動実績値の2倍以上となっていることという条件が記憶されている。当該条件を満たす場合には、制御部10は、直前の所定期間における活動は、「歩行の中でふつう歩きの割合が高い」という傾向を抽出する。
【0229】
また、本実施の形態では、第10の実施の形態で説明したように、所定期間より短い特定の期間ごとに、実績活動量記憶部14Cにおいて、各活動種類の活動実績値を記憶することができる。表3を参照して説明したように。
【0230】
そして、「ほとんど週末しか歩行していない」という傾向の条件として、データ記憶部14Dには、月曜日から金曜日の活動種類「ふつう歩き」「しっかり歩き」「走る」「屋内運動」の活動実績値の和が、土曜日と日曜日についてのこれらの活動種類の活動実績値の和の50%以下の値であることが挙げられる。この条件を満たすと判断すると、制御部10は、直前の所定期間の実績活動量記憶部14Cに記憶された活動量から、「ほとんど週末しか歩行していない」という傾向を抽出する。
【0231】
図12に戻って、ステップSA51で直前の所定期間の活動量についての傾向を抽出すると、制御部10は、ステップSA52で、メッセージ記憶部14Eにおいて抽出した傾向に関連付けられて記憶されているメッセージを選択して、ステップSA60へ処理を進める。
【0232】
ここでは、たとえば、「家事の割合が高い」という傾向が抽出されていれば、表5を参照して、「たまには外を歩いて気分転換しませんか?」というメッセージを選択する。
【0233】
ステップSA60では、制御部10は、第1の実施の形態と同様にこれからの所定期間についての総目標値を設定して、ステップSA70へ処理を進める。
【0234】
ステップSA70では、制御部10は、第1の実施の形態と同様に、次の所定期間についての、活動種類ごとの目標値を設定して、ステップSA81へ処理を進める。
【0235】
ステップSA81では、制御部10は、ディスプレイ20に、ステップSA60で設定した総目標値およびステップSA70で設定した活動種類ごとの目標値とともに、ステップSA52で選択したメッセージを表示させて、ステップSA90へ処理を進める。
【0236】
図13には、このときのディスプレイ20における表示画面の一例を示す。
図13を参照して、ディスプレイ20には、画面240が表示されている。画面240には、図4(C)と同様に、活動種類ごとに、目標となる活動量が示されているとともに、総実績値と総活動量を表示する欄が表示されている。
【0237】
そして、画面240では、さらに、メッセージ241が表示されている。メッセージ241は、ステップSA52で選択されたメッセージである。
【0238】
図12へ戻って、ステップSA81で総目標値等をディスプレイ20に表示させた後、制御部10は、所定期間が経過するまで、ステップSA90で実績値のディスプレイ20における表示を更新させる。所定期間が経過したと判断すると(ステップSA100でYES)、処理をステップSA10へ戻す。
【0239】
[第13の実施の形態]
図14は、本実施の形態の活動量計1を含む活動情報提供システムの構成を模式的に示す図である。
【0240】
本実施の形態の活動量計1は、ネットワークを通じて、サーバ100と通信可能に構成されている。また、活動量計1は、サーバ100を介して、生活パターン解析データベース(DB)400および体脂肪率計300に接続可能である。
【0241】
図15は、本実施の形態の活動量計1のブロック図である。
本実施の形態の活動量計1の制御部10は、第1の実施の形態の制御部10の構成に加えて、データ管理部10Fを含む。
【0242】
本実施の形態の活動量計1のメモリ14は、第1の実施の形態のメモリ14の構成に加えて、さらにメッセージ記憶部14Fを含む。
【0243】
メッセージ記憶部14Fの記憶内容の一例を、表6に示す。
【0244】
【表6】
【0245】
表6を参照して、本実施の形態のメッセージ記憶部14Fには、表5を参照して説明したメッセージが、コードに関連付けられて記憶されている。
【0246】
本実施の形態のサーバ100には、表5を参照して説明した、所定期間の活動の傾向が、表7に示されるように、コードに関連付けられて記憶されている。
【0247】
【表7】
【0248】
本実施の形態の活動量計1では、データ管理部10Fは、I/F12を介して、所定期間ごとに、または、逐次的に、実績活動量記憶部14Cに記憶しているすべての活動種類についての活動実績値を、サーバ100へ送信する。
【0249】
これに基づき、サーバ100は、生活パターン解析DB400に記憶されたデータを参照し、第12の実施の形態において制御部10がステップSA51の処理と同様の態様で、直前の所定期間における活動量計1の実績活動量記憶部14Cの記憶内容に基づいて、活動の傾向と抽出する。そして、サーバ100は、活動量計1に対して、抽出した傾向に関連付けられたコードを、活動量計1に送信する。
【0250】
コードを受信すると、データ管理部10Fは、メッセージ記憶部14Fにおいて、当該受信したコードに関連付けられたメッセージを、ディスプレイ20に表示させる。
【0251】
また、サーバ100は、活動の傾向の抽出だけでなく、制御部10が図12のステップSA60やステップSA70で実行していたように、総目標値や活動種類ごとの目標値の設定を行なってもよい。この場合、データ管理部10Fは、サーバ100から受信した総目標値と活動種類ごとの目標値を、目標設定部10Cに目標活動量記憶部14Bへ記憶させ、また、上記したメッセージとともにディスプレイ20に表示させる。
【0252】
また、データ管理部10Fは、体脂肪率計300に対して、活動量計1の使用者の体重値や基礎代謝量等のデータを要求する情報を送信する。これに応じて、体脂肪率計300から、使用者の基礎代謝量等のデータが送信される。データ管理部10Fは、受信した基礎代謝量のデータを目標設定部10Cに送ることにより、目標設定部10Cは、受信した基礎代謝量に基づいて目標値を算出できる。
【0253】
また、データ管理部10Fは、上記した活動の傾向をサーバ100に抽出させ、そして、当該抽出された傾向を受信し、当該傾向を目標値算出部10Dに送り、目標値算出部10Dに当該傾向に基づいて活動種類ごとの目標値を算出させても良い。たとえば、第9の実施の形態として説明したように、直前の所定期間における活動種類の間で活動量の差が大きい場合には、目標値算出部10Dは、活動種類間の活動割合を調整するように目標値を算出する。この場合、「活動種類の間で活動量の差が大きい」という傾向が、サーバ100によって抽出される傾向となる。
【0254】
本実施の形態では、サーバ100と、当該サーバ100から送信された目標値を活動種類ごとに記憶して表示させる活動量計1により、活動量管理システムが構成される。
【0255】
なお、第1〜第12の実施の形態において説明してきた活動量計1では、単体で、活動種類ごとの目標値を設定し、表示させることができる。この場合には、活動量計1により活動量管理システムが構成されていることになる。
【0256】
[第14の実施の形態]
以上各実施の形態で説明してきた活動量計1は、他の活動量計1と、記憶内容を通信可能に構成されても良い。図15に、複数の活動量計1(活動量計1Aと活動量計1B)が通信行なう態様を示す。
【0257】
活動量計1Aと活動量計1Bは、各装置内の実績活動量記憶部14Cに記憶された各活動種類の活動実績値や総活動量および/または目標活動量記憶部14Bに記憶された各活動種類の活動目標値や総目標値を、通信可能に構成されている。
【0258】
そして、通信相手からこれらの情報を受信したことに応じて、活動量計1Aおよび活動量計1Bでは、自機の実績活動量記憶部14Cや目標活動量記憶部14Bに記憶された値とともに(同じ画面で、または、異なる画面で)、かつ、自機の各部に記憶された内容と区別可能な態様で、受信した値を表示する。
【0259】
これにより、活動量計1Aの使用者は、活動量計1Bの使用者の活動量についても、自己の活動量とともに確認することができる。これにより、活動量計1Aの使用者は、競争心を持って運動することができる。したがって、活動量計1Aの使用者の運動意欲を促進することができる。
【0260】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以上説明した各実施の形態において開示された技術は、単独で、または、可能な限り組み合わされて実現されることが意図される。
【符号の説明】
【0261】
1,1A,1B 活動量計、10 制御部、10A 表示情報生成部、10B 活動量算出部、10C 目標設定部、10D 目標値算出部、10E 傾向抽出部、11 操作部、13 加速度センサ、14 メモリ、14A プログラム記憶部、14B 目標活動量記憶部、14C 実績活動量記憶部、14D データ記憶部、14E,14F メッセージ記憶部、18 メディアドライブ、18A 記録媒体、20 ディスプレイ、100 サーバ、200,210,220,230,240 画面、300 体脂肪率計、400 生活パターン解析DB。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計であって、
身体の体動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて活動種類を判別し、判別された前記活動種類ごとに活動量を計測する活動量計測手段と、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した前記目標活動量を記憶する目標活動量記憶手段と、
前記目標活動量記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示する提示手段とを備える、活動量計。
【請求項2】
前記設定手段は、前記活動量計測手段による活動種類ごとの活動量の計測結果に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を算出する目標値算出手段を備える、請求項1に記載の活動量計。
【請求項3】
前記設定手段は、前記活動種類ごとに異なる態様で目標活動量を設定する、請求項2に記載の活動量計。
【請求項4】
前記設定手段は、第1の活動種類および前記第1の活動種類とは異なる第2の活動種類の目標活動量を、第1の設定パターンおよび前記第1の設定パターンとは異なる第2の設定パターンに従って設定し、
前記第1の設定パターンは、前記第1の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合の量で設定し、前記第2の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合の量で設定し、
前記第2の設定パターンは、前記第1の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第1の活動種類の活動量の計測結果に対する前記第1の割合より高い第3の割合の量で設定し、前記第2の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第2の活動種類の活動量の計測結果に対する前記第2の割合より低い第4の割合の量で設定する、請求項3に記載の活動量計。
【請求項5】
前記活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量に基づいて、使用者の活動傾向を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記設定手段は、当該活動傾向に基づいて、前記活動種類ごとの活動量を設定する、請求項4または請求項5に記載の活動量計。
【請求項6】
前記設定手段は、
全ての前記活動種類についての前記目標活動量である総目標活動量を設定し、
前記総目標活動量に基づいて、前記活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の活動量計。
【請求項7】
前記設定手段は、使用者の基礎代謝量を取得し、当該使用者の基礎代謝量を用いて、前記活動種類ごとの活動量を設定する、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の活動量計。
【請求項8】
前記設定手段は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得し、前記カレンダー情報に基づいて、目標活動量の設定を前記第1の設定パターンまたは前記第2の設定パターンで行なうかを決定する、請求項2〜請求項7のいずれかに記載の活動量計。
【請求項9】
前記設定手段は、予め定められた上限値以下で、活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項2〜請求項8のいずれかに記載の活動量計。
【請求項10】
前記活動量計測手段は、活動種類ごとに、目標活動量に対する前記活動量計測手段の計測結果である活動量の達成度を算出し、
前記提示手段は、活動種類ごとに前記達成度を提示する、請求項2〜請求項9のいずれかに記載の活動量計。
【請求項11】
前記活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量を外部の機器に送信するデータ管理手段をさらに備え、
前記データ管理手段は、外部の機器から、前記活動量計測手段が算出した活動種類ごとの活動量に基づいて抽出された使用者の活動傾向を受信し、
前記設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の活動量計。
【請求項12】
記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計において実行されるコンピュータ読取可能なプログラムであって、
前記活動量計に、
身体の体動を検出する検出するステップと、
前記身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、
判別された前記活動種類ごとに活動量を計測するステップと、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、
設定した前記目標活動量を前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された活動種類ごとの前記目標活動量を提示するステップとを実行させる、活動量計の制御プログラム。
【請求項13】
記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計の制御方法であって、
身体の体動を検出する検出するステップと、
前記身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、
判別された前記活動種類ごとに活動量を計測するステップと、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、
設定した前記目標活動量を前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された活動種類ごとの前記目標活動量を提示するステップとを備える、活動量計の制御方法。
【請求項14】
活動種類ごとに活動量を入力する入力手段と、
活動種類ごとに目標活動量の設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した活動種類ごとの目標活動量の設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された目標活動量を活動目標ごとに提示する提示手段とを備えた、活動量管理システム。
【請求項1】
身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計であって、
身体の体動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて活動種類を判別し、判別された前記活動種類ごとに活動量を計測する活動量計測手段と、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した前記目標活動量を記憶する目標活動量記憶手段と、
前記目標活動量記憶手段に記憶された活動種類ごとの目標活動量を提示する提示手段とを備える、活動量計。
【請求項2】
前記設定手段は、前記活動量計測手段による活動種類ごとの活動量の計測結果に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を算出する目標値算出手段を備える、請求項1に記載の活動量計。
【請求項3】
前記設定手段は、前記活動種類ごとに異なる態様で目標活動量を設定する、請求項2に記載の活動量計。
【請求項4】
前記設定手段は、第1の活動種類および前記第1の活動種類とは異なる第2の活動種類の目標活動量を、第1の設定パターンおよび前記第1の設定パターンとは異なる第2の設定パターンに従って設定し、
前記第1の設定パターンは、前記第1の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第1の活動種類の活動量の計測結果に対する第1の割合の量で設定し、前記第2の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第2の活動種類の活動量の計測結果に対する第2の割合の量で設定し、
前記第2の設定パターンは、前記第1の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第1の活動種類の活動量の計測結果に対する前記第1の割合より高い第3の割合の量で設定し、前記第2の活動種類の目標活動量を、前記活動量計測手段による前記第2の活動種類の活動量の計測結果に対する前記第2の割合より低い第4の割合の量で設定する、請求項3に記載の活動量計。
【請求項5】
前記活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量に基づいて、使用者の活動傾向を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記設定手段は、当該活動傾向に基づいて、前記活動種類ごとの活動量を設定する、請求項4または請求項5に記載の活動量計。
【請求項6】
前記設定手段は、
全ての前記活動種類についての前記目標活動量である総目標活動量を設定し、
前記総目標活動量に基づいて、前記活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の活動量計。
【請求項7】
前記設定手段は、使用者の基礎代謝量を取得し、当該使用者の基礎代謝量を用いて、前記活動種類ごとの活動量を設定する、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の活動量計。
【請求項8】
前記設定手段は、年月日情報を含むカレンダー情報を取得し、前記カレンダー情報に基づいて、目標活動量の設定を前記第1の設定パターンまたは前記第2の設定パターンで行なうかを決定する、請求項2〜請求項7のいずれかに記載の活動量計。
【請求項9】
前記設定手段は、予め定められた上限値以下で、活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項2〜請求項8のいずれかに記載の活動量計。
【請求項10】
前記活動量計測手段は、活動種類ごとに、目標活動量に対する前記活動量計測手段の計測結果である活動量の達成度を算出し、
前記提示手段は、活動種類ごとに前記達成度を提示する、請求項2〜請求項9のいずれかに記載の活動量計。
【請求項11】
前記活動量計測手段が計測した活動種類ごとの活動量を外部の機器に送信するデータ管理手段をさらに備え、
前記データ管理手段は、外部の機器から、前記活動量計測手段が算出した活動種類ごとの活動量に基づいて抽出された使用者の活動傾向を受信し、
前記設定手段は、当該活動傾向に基づいて、活動種類ごとの目標活動量を設定する、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の活動量計。
【請求項12】
記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計において実行されるコンピュータ読取可能なプログラムであって、
前記活動量計に、
身体の体動を検出する検出するステップと、
前記身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、
判別された前記活動種類ごとに活動量を計測するステップと、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、
設定した前記目標活動量を前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された活動種類ごとの前記目標活動量を提示するステップとを実行させる、活動量計の制御プログラム。
【請求項13】
記憶手段を備え、身体の体動を検出することにより活動量を計測する活動量計の制御方法であって、
身体の体動を検出する検出するステップと、
前記身体の体動の検出結果に基づいて活動種類を判別するステップと、
判別された前記活動種類ごとに活動量を計測するステップと、
前記活動種類ごとの目標活動量を設定するステップと、
設定した前記目標活動量を前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された活動種類ごとの前記目標活動量を提示するステップとを備える、活動量計の制御方法。
【請求項14】
活動種類ごとに活動量を入力する入力手段と、
活動種類ごとに目標活動量の設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した活動種類ごとの目標活動量の設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された目標活動量を活動目標ごとに提示する提示手段とを備えた、活動量管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−206323(P2011−206323A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77958(P2010−77958)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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