説明

流体容器用注出装置

【課題】 不用意に破断が生じて開口することがなく、カバーキャップの外れを防止できると同時に、開口後の取り外しが容易にでき、カバーキャップ内に開口後の切り取り片を確実に保持して一緒に取り除くことができる。
【解決手段】 カバーキャップ40の外れ防止手段60をカバーキャップ40に、注出ノズル20の平面部以外に係止可能かつ平面部で開放可能な係止突部を形成して構成し、切り取り完了後に平面部で開放されるようにする。開口部材28の切り取り操作後にカバーキャップ40を外す方向に移動させる取り外しカム機構70を設け、切り取り確認と取り外しを容易とする。カバーキャップ40に、回動操作により開口部材28の下側に位置した後、押し上げて切り取る切り離し用カム機構45を設けて確実に開口部材28を切り離し、切り離しカム46とカバーキャップ40の押え部材44とで挟んで切り取り片28を保持し、カバーキャップ40と共に取り除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は流体容器用注出装置に関し、流体が入れられた容器から簡単かつ衛生的に内容物をチューブを取り付けて取り出すことができるようにしたもので、特に病院などの医療機関で使用する経腸栄養剤や流動食あるいは点滴用などの薬液などの流体が入れられたパウチを開口してチューブを介して取り出すのに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
流体の保存容器として従来の缶やビンに代わり合成樹脂製などのボトル状の容器やバッグ状の容器が用いられるようになって来ており、病院などの医療機関で使用する経腸栄養剤や流動食あるいは点滴用などの薬液などの流体もパウチに充填されて使用されることが多い。
【0003】
このようなパウチから内容液を取り出す場合には、簡単に開口でき、しかも衛生的に取り扱う必要があり、スパウトと呼ばれるノズル状のものを予め容器に取り付けておき、開口とチューブの接続とを容易にできるようにしたものが種々提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、図8(a)の縦断面図および同図(b)のB−B断面図に示すように、容器としての包装袋に封鎖されている筒部1とキャップ2とを有する注出口部材3を取り付け、キャップ2の回転により筒部1を破断するようにして開口することができる注出口部材3が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、容器用キャップ装置として、容器の先端に注出筒を配置し、この注出筒は元部とテーパ状の胴体部と止め栓とを有し、開封用キャップは止め栓係合部を有して、注出筒に被嵌する際に止め栓と係合するようにしてある。そして、止め栓を切断する際には、止め栓係合部とが係合されている状態で、開封用キャップを注出筒に対して回転する。
【0006】
これにより、注出筒の口部を開口する際に、手で直接触れることなく、容器内の液体を漏れ出さずに注出することができるようにしている。
【0007】
さらに、特許文献3には、液体収納容器では、上記の2例と同様に、キャップを回動させて開口するように構成し、開口する場合の回動にともないキャップを相対的に上昇させるカム機構を設け、キャップを取り易くしたものが開示されている。
【特許文献1】特開2002−211593号公報
【特許文献2】特開2002−293361号公報
【特許文献3】実用新案登録第2605789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような注出口部材3などでは、いずれもキャップ2を回動することで注出筒1の先端部を切り取り部から切り取って開口することができるものの、図8(b)に示すように、筒部1の切り取る部分とキャップ2とを嵌合状態として回転力が有効に伝わるようにする必要からキャップ2のわずかな回動で切り取り部が破断してしまう一方、筒部1から切り取った部分をキャップ2とともに取り除くためには、切り取る部分とキャップとの嵌合状態を保持する必要がある。
【0009】
また、内容物を注出する必要があるまでは、衛生上、キャップが外れることがないようにする必要がある一方、開口する場合には、簡単に回動して切り取ることができ、しかも切り取った後はこれを知ってキャップを簡単に取り外すことができるようにする必要がある。
そして、これらの要求を満たすようにすると、キャップの回動防止、キャップの外れ防止、切り取り片の保持などの手段が必要となり、構造が複雑になるなどの問題がある。
【0010】
この発明は、上記従来技術の課題と要求に鑑みてなされたもので、簡単な構造で不用意に破断が生じて開口することがない流体容器用注出装置を提供しようとするものである。
また、この発明は、上記従来技術の課題と要求に鑑みてなされたもので、簡単な構造でカバーキャップの外れを防止できると同時に、開口後の取り外しが容易にできる流体容器用注出装置を提供しようとするものである。
さらに、この発明は、上記従来技術の課題と要求に鑑みてなされたもので、簡単な構造でカバーキャップ内に開口後の切り取り片を確実に保持して一緒に取り除くことができる流体容器用注出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来技術の有する課題と要求を解決するためこの発明の請求項1記載の流体容器用注出装置は、流体用容器に基端部が取り付けられるとともに、先端部に切り取り部を介して開口部材が一体に設けられる注出ノズルと、この注出ノズルに被嵌されるとともに、前記開口部材と係合させ外側からの回転力を介して前記開口部材を切り取り可能なカバーキャップとを備える流体容器用注出装置であって、前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、切り取り操作前の相対回転による前記開口部材の切り取りを防止する回動防止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この流体容器用注出装置によれば、注出ノズルとカバーキャップとの間に、切り取り操作前の相対回転による開口部材の切り取りを防止する回動防止手段を設けるようにしており、不用意にカバーキャップが回動して開口部材が切り取られることを防止できるようになる。
【0013】
また、この発明の請求項2記載の流体容器用注出装置は、請求項1記載の構成に加え、前記回動防止手段を、前記注出ノズルの外側面と前記カバーキャップとのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したことを特徴とするものである。
【0014】
この流体容器用注出装置によれば、前記回動防止手段を、前記注出ノズルの外側面と前記カバーキャップとのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成するようにしており、簡単な構造で確実に回動を防止して不用意に開口することを防止できるようになる。
【0015】
さらに、この発明の請求項3記載の流体容器用注出装置は、請求項1記載の構成に加え、前記注出ノズルと前記カバーキャップとに設けた円筒部同士で嵌合させ、前記注出ノズルの円筒外側面に少なくとも1つのノズル平面部を形成し、このノズル平面部と当接して回転を規制するとともに、乗越えて回動を可能とするキャップ平面部を前記カバーキャップの円筒内側面に形成して前記回動防止手段を構成したことを特徴とするものである。
【0016】
この流体容器用注出装置によれば、嵌合される注出ノズルとカバーキャップとに設けた円筒部にノズル平面部と、このノズル平面部と当接して回転を規制するとともに、乗越えて回動を可能とするキャップ平面部を設けて回動防止手段を構成するようにしており、互いの平面部同士を当てて回動を規制し、これを乗越えるようにして規制を開放でき、簡単な構造で回動の規制と開放ができるようになるとともに、平面部を利用して組立て方向を見定めることができ、組立も容易にできるようになる。
【0017】
また、この発明の請求項4記載の流体容器用注出装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に被嵌状態を保持して軸方向の外れを防止する外れ防止手段を設けるとともに、当該外れ防止手段が前記開口部材の切り取り完了後に開放されるよう構成したことを特徴とするものである。
【0018】
この流体容器用注出装置によれば、注出ノズルと前記カバーキャップとの間に被嵌状態を保持して軸方向の外れを防止する外れ防止手段を設けるとともに、当該外れ防止手段が前記開口部材の切り取り完了後に開放されるよう構成しており、カバーキャップを開口部材の切り取り完了まで注出ノズルに保持でき、切り取り後には簡単に取り外すことができるようになる。
【0019】
さらに、この発明の請求項5記載の流体容器用注出装置は、請求項4記載の構成に加え、前記外れ防止手段を、前記カバーキャップと前記注出ノズルのいずれか一方に、いずれか他方の前記円筒部に係止開放可能な係止突部を形成して構成したことを特徴とするものである。
【0020】
この流体容器用注出装置によれば、前記外れ防止手段を、前記カバーキャップと前記注出ノズルのいずれか一方に、いずれか他方の前記円筒部に係止開放可能な係止突部を形成して構成しており、円筒部に係止突部を係止することでカバーキャップの外れを防止し、円筒部から係止突部の係止を開放してカバーキャップを外すようにし、簡単な構造で、外れ防止手段を構成できるようになる。
【0021】
また、この発明の請求項6記載の流体容器用注出装置は、請求項4または5記載の構成に加え、前記請求項1または2記載の回動防止手段を、前記外れ防止手段と兼用して構成したことを特徴とするものである。
【0022】
この流体容器用注出装置によれば、前記回動防止手段を、前記外れ防止手段と兼用して構成するようにしており、一層構造を簡素化して回動防止による不用意な開口とカバーキャップの外れを防止できるようになる。
【0023】
さらに、この発明の請求項7記載の流体容器用注出装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加え、前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、前記開口部材の切り取り操作後に当該カバーキャップを外す方向に移動させる取り外しカム機構を設けたことを特徴とするものである。
【0024】
この流体容器用注出装置によれば、前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、前記開口部材の切り取り操作後に当該カバーキャップを外す方向に移動させる取り外しカム機構を設けており、開口部材が切り取られるとカム機構でカバーキャップが移動されることでこれを知ることができ、取り外しも容易にできるようになる。
これにより、外れ防止手段を備える場合でも外れ防止手段が開放されてカバーキャップが移動されるようになり、一層簡単な構造にできるようになる。
【0025】
また、この発明の請求項8記載の流体容器用注出装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記カバーキャップに、回動操作により前記開口部材の下側に位置するとともに、押し上げて切り取る切り離し用カム機構を設けたことを特徴とするものである。
【0026】
この流体容器用注出装置によれば、前記カバーキャップに、回動操作により前記開口部材の下側に位置するとともに、押し上げて切り取る切り離し用カム機構を設けるようにしており、切り離し用カム機構で捩じるだけでなく押し上げることで一層確実に開口部材を切り離すことができるようになる。
【0027】
さらに、この発明の請求項9記載の流体容器用注出装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の構成に加え、前記カバーキャップと前記開口部材との間に、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に保持する切り取り片保持手段を設けたことを特徴とするものである。
【0028】
この流体容器用注出装置によれば、前記カバーキャップと前記開口部材との間に、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に保持する切り取り片保持手段を設けるようにしており、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に確実に保持することができるようになる。
【0029】
また、この発明の請求項10記載の流体容器用注出装置は、請求項9記載の構成に加え、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップと前記開口部材とのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したことを特徴とするものである。
【0030】
この流体容器用注出装置によれば、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップと前記開口部材とのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成するようにしており、簡単な構造で確実に切り取り片を保持できる。
【0031】
さらに、この発明の請求項11記載の流体容器用注出装置は、請求項9記載の構成に加え、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップに設けた前記開口部材の上面を押える押え部材と、前記切り離し用カム機構のカムとで挟むように構成したことを特徴とするものである。
【0032】
この流体容器用注出装置によれば、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップに設けた前記開口部材の上面を押える押え部材と、前記切り離し用カム機構のカムとで挟むように構成しており、切り取り片を押え部材とカムで挟むことができ、一層確実に切り取り片を保持し、カバーキャップとともに取り除くことができるようになる。
【発明の効果】
【0033】
この発明の請求項1記載の流体容器用注出装置によれば、注出ノズルとカバーキャップとの間に、切り取り操作前の相対回転による開口部材の切り取りを防止する回動防止手段を設けるようにしたので、不用意にカバーキャップが回動して開口部材が切り取られることを確実に防止することができる。
【0034】
また、この発明の請求項2記載の流体容器用注出装置によれば、前記回動防止手段を、前記注出ノズルの外側面と前記カバーキャップとのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したので、簡単な構造で確実に回動を防止して不用意に開口することを防止できる。
【0035】
さらに、この発明の請求項3記載の流体容器用注出装置によれば、嵌合される注出ノズルとカバーキャップとに設けた円筒部にノズル平面部と、このノズル平面部と当接して回転を規制するとともに、乗越えて回動を可能とするキャップ平面部を設けて回動防止手段を構成したので、互いの平面部同士を当てて回動を規制し、これを乗越えるようにして規制を開放でき、簡単な構造で回動の規制と開放ができるとともに、平面部を利用して組立て方向を見定めることができ、組立も容易にすることができる。
【0036】
また、この発明の請求項4記載の流体容器用注出装置によれば、注出ノズルと前記カバーキャップとの間に被嵌状態を保持して軸方向の外れを防止する外れ防止手段を設けるとともに、当該外れ防止手段が前記開口部材の切り取り完了後に開放されるよう構成したので、カバーキャップを開口部材の切り取り完了まで注出ノズルに保持でき、切り取り後には簡単に取り外すことができる。
【0037】
さらに、この発明の請求項5記載の流体容器用注出装置によれば、前記外れ防止手段を、前記カバーキャップと前記注出ノズルのいずれか一方に、いずれか他方の前記円筒部に係止開放可能な係止突部を形成して構成したので、円筒部に係止突部を係止することでカバーキャップの外れを防止でき、円筒部から係止突部の係止を開放してカバーキャップを外すことができ、簡単な構造で、外れ防止手段を構成することができる。
【0038】
また、この発明の請求項6記載の流体容器用注出装置によれば、前記回動防止手段を、前記外れ防止手段と兼用して構成するようにしたので、一層構造を簡素化して回動防止による不用意な開口とカバーキャップの外れを防止することができる。
【0039】
さらに、この発明の請求項7記載の流体容器用注出装置によれば、前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、前記開口部材の切り取り操作後に当該カバーキャップを外す方向に移動させる取り外しカム機構を設けたので、開口部材が切り取られるとカム機構でカバーキャップが移動されることでこれを知ることができ、取り外しも容易に行うことができる。
これにより、外れ防止手段を備える場合でも外れ防止手段が開放されてカバーキャップが移動され、一層簡単な構造にすることができる。
【0040】
また、この発明の請求項8記載の流体容器用注出装置によれば、前記カバーキャップに、回動操作により前記開口部材の下側に位置するとともに、押し上げて切り取る切り離し用カム機構を設けたので、切り離し用カム機構で捩るだけでなく押し上げることができ、一層確実に開口部材を切り離すことができる。
【0041】
さらに、この発明の請求項9記載の流体容器用注出装置によれば、前記カバーキャップと前記開口部材との間に、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に保持する切り取り片保持手段を設けたので、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に確実に保持することができる。
【0042】
また、この発明の請求項10記載の流体容器用注出装置によれば、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップと前記開口部材とのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したので、簡単な構造で確実に切り取り片を保持できる。
【0043】
さらに、この発明の請求項11記載の流体容器用注出装置によれば、前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップに設けた前記開口部材の上面を押える押え部材と、前記切り離し用カム機構のカムとで挟むように構成したので、切り取り片を押え部材とカムで挟むことができ、一層確実に切り取り片を保持し、カバーキャップとともに取り除くことができる。
【0044】
これら各請求項の構成を組み合わせた流体容器用注出装置によれば、不用意に破断が生じて開口することがなく、カバーキャップの外れを防止できると同時に、開口後の取り外しが容易にでき、カバーキャップ内に開口後の切り取り片を確実に保持して一緒に取り除くことができる簡単な構造にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3はこの発明の流体容器用注出装置の一実施の形態にかかり、図1(a),(b)はそれぞれ注出ノズルにカバーキャップを被せた状態の縦断面図および平面図で、(a)は切り取り前の状態を、(b)は切り取り後の状態を示す、図2は注出ノズルの左半分のみを切断した縦断面図、平面図および底面図、図3はカバーキャップの直交する2方向の縦断面図、平面図、底面図およびD‐D断面図である。
【0046】
この流体容器用注出装置10は、注出ノズル20とカバーキャップ40とを備えて構成され、注出ノズル20は、図示しないパウチなどの流体用容器に基端部が取り付けられるとともに、先端部に切り取り可能な切り取り部を介して開口部材が一体に設けられる。一方、カバーキャップ40は、容器に取り付けられた注出ノズル20に被嵌されるとともに、前記開口部材と係合させ外側からの回転力を介して前記開口部材を切り取ることができるようになっている。
【0047】
この流体容器用注出装置10の注出ノズル20は、図1および図2に示すように、基端部に搬送および容器口部連結のためのガイドとなる基部フランジ部21を備え、平面形状が横長の略八角形状とされ、この基部フランジ部21の容器内側に中央部が円弧状に外側に突き出し左右が尖った横長の略ひし形状の連結部22が設けられており、パウチなどの流体容器の口部と連結部22とが溶着などで固定できるようになっている。
【0048】
この注出ノズル20の基部フランジ部21の容器外側部分には、中央部に突き出すように略円筒状の注出ノズル本体23が一体に形成され、中間部に2つのフランジ部24、25が設けてある。
【0049】
これら中間部のフランジ部24,25のうち、上方のフランジ部25より上方に突き出す注出ノズル本体23部分が開口後のカテーテルやチューブの接続部26とされて先端部が円錐状に細めてあり、この接続部26に切り取り用の切り取り部27を介して切り取るための開口部材28が一体に成形してある。
【0050】
この開口部材28は、注出ノズル本体23の接続部26の上部の円板部29の両側に突き出して切取操作用の操作部30が形成され、これら操作部30を中心軸回りに回動したり、下側から押し上げるようにしたり、これら回動および押し上げを組み合わせることなどで、切り取り部27から切り離して注出ノズル20の先端を開口することができるようになっている。
【0051】
一方、このような注出ノズル20に被せられるカバーキャップ40は、図1および図3に示すように、注出ノズル本体23の上方のフランジ部25に当てられる略円筒状のカバーキャップ本体41を備えるとともに、その上部に開口部材28の操作部30の外側を囲むように配置される2つの対向する横断面コ字状の外筒部42とこれらと隣接する2つの円錐部43とが設けられて注出ノズル20の外側を覆うことができるように形成してある。
【0052】
そして、カバーキャップ40の上面は、棒状の押え部材44が外筒部42の上端同士を連結するブリッジ状に設けてあり、切り取り前のカバーキャップ40を被せた状態では開口部材28の操作部30の上に平行に配置されるようになっている。
【0053】
また、このカバーキャップ40には、切り取り操作のため回動するが、回動を容易にするためカバーキャップ本体41の外側に指掛け用リブ41aが外側に突き出して2箇所設けてある。なお、指掛け用リブ41aは、必要に応じてさらに増設するようにしても良い。
【0054】
このような注出ノズル20とこれに被せるカバーキャップ40とで構成される流体容器用注出装置10では、注出ノズル20の切り取り部27を介して設けられる開口部材28を、カバーキャップ40を回動することで切り取って開口するため、切り離し用カム機構45が設けてある。
【0055】
この切り離し用カム機構45は、カバーキャップ40の円錐部43の内側に中央部が高く両側が傾斜した切り離しカム46が対向して設けられ、開口部材28の操作部30の下面をカムフォロアとし、カバーキャップ40をその中心軸回りに回動することで、操作部30を押し上げるようにし、これによって開口部材28を切り取り部27から切り離すことができる。
【0056】
この切り離し操作の際、開口部材28の操作部30の下面が切り離しカム46で押さえられるとともに、上面がブリッジ状の押え部材44で押さえられ、切り取られた開口部材28を切り離しカム46と押え部材44とで挟んだ状態にする切り取り片保持手段47が構成され、この切り取り片保持手段47によりカバーキャップ40内に切り取り片(開口部材28)を保持することができ、カバーキャップ40とともに取り除くことができる。
【0057】
このような開口部材28をカバーキャップ40の回動により切り離しカム46で押し上げて切り取るようにする場合に、注出ノズル20とカバーキャップ40との間に相対回転が生じると、開口が生じる恐れがあることから、この回動を防止する回動防止手段50が設けてある。
【0058】
この注出ノズル20とカバーキャップ40との回動防止手段50は、注出ノズル20の上方の円板状のフランジ部25の中心軸を挟んで対向する2箇所に平面で切り欠いたノズル平面部51を形成する一方、カバーキャップ40の対応するカバーキャップ本体41の内側に突き出すように2箇所のキャップ平面部52を形成してある。そして、開口操作前には、ノズル平面部51とキャップ平面部52とが面接触して簡単にはカバーキャップ40を回動できないようにし、開口しようとする力を加えた場合には、カバーキャップ40の弾性変形でノズル平面部51を乗越えて回動できるようにしてある。
【0059】
このようなノズル平面部51とキャップ平面部52を設けることで、注出ノズル20とカバーキャップ40を組み立てる場合の位置合わせに利用することができ、カバーキャップ40の円錐部43および押え部材44の形状配置と協働し、目印として組立作業を容易にすることができる。
【0060】
なお、この回動防止手段50として設けるノズル平面部51とキャップ平面部52は、図2および図3に示すように、対向する2箇所に形成する場合のほか、図4(a)に示すように、円周等間隔に3箇所としたり、同図(b)に示すように、4箇所とするようにしても良く、さらに増加するようにしても良い。
【0061】
さらに、回動防止手段50として機能するカバーキャップ40のキャップ平面部52は連続する直線で構成したものに限定されず、例えば図4(c)に示すように、曲面部53の両端部にキャップ平面部52を有するものでも良く、この場合の平面部も円周等間隔に2箇所とする場合だけでなくさらに増大するようにしても良い。
【0062】
このような流体容器用注出装置10では、カバーキャップ40の相対回転を防止する必要のほか、カバーキャップ40が開口操作完了まで軸方向に外れないようにする必要があり、外れ防止手段60が設けてある。
【0063】
このカバーキャップ40の外れ防止手段60は、注出ノズル20の上方のフランジ部25を利用し、その下面にカバーキャップ40のカバーキャップ本体41の下端部内側に突き出す係止突部61を引っ掛けて係止するようにして外れを防止する一方、このフランジ部25に形成した回動防止手段50のノズル平面部51の分だけ外周が切り欠かれていることで、係止突部61が引っ掛からないようにして係止を開放できるようにしてある。
【0064】
なお、ノズル平面部51を設けていない場合には、カバーキャップ本体41を弾性変形させて引き上げるようにして係止を開放することもできる。
【0065】
一方、この外れ防止手段60では、カバーキャップ40を注出ノズル20に被せた状態では、係止突部61が上方のフランジ部25のノズル平面部51以外に位置して係止状態とすることができ、カバーキャップ40を回動して開口部材28を切り離し用カム46で切り離して切り離しが完了した状態では、ノズル平面部51に係止突部61が位置して開放状態にすることができるようにしてある。
【0066】
このように、回動防止手段50のノズル平面部51をカバーキャップ40の回動防止に用いると同時に、カバーキャップ40の外れ防止手段60の係止突部61の係止開放に用いるようにして兼用し、これにより、構造を簡素化し、製造も容易にできるようにしている。
【0067】
さらに、この流体容器用注出装置10では、カバーキャップ40を回動することで注出ノズル20の開口部材28を切り離して開口が完了した状態で、カバーキャップ40の外れ防止手段60の係止が開放されるが、このことを明確に知り、カバーキャップ40を取り外すことができるようにするため、カバーキャップ取り外しカム機構70が設けてあり、切り取り完了後、カバーキャップ40をその中心軸方向外側に移動するようにしてある。
【0068】
このカバーキャップ取り外しカム機構70は、カバーキャップ40の下部内周に下方に突き出した取り外しカム71が中心軸を挟んで1対形成され、これら取り外しカム71に対応するカムフォロア72が注出ノズル20の上方のフランジ部25の上面2箇所に突き出して形成してある。
【0069】
これら取り外しカム71とカムフォロア72とで、カバーキャップ40を回動することで、カバーキャップ40を軸方向外側に押し上げるようにリフトアップすることができる。
【0070】
これにより、カバーキャップ40を注出ノズル20から取り外して良いことがわかるとともに、カバーキャップ40の外れ防止手段60の係止が開放されていることもわかる。
【0071】
なお、カバーキャップ40の外れ防止手段60として、係止突部61だけを設けノズル平面部51が設けてない場合には、回動位置によってノズル平面部51での開放が起こらないが、カバーキャップ40の取り外しカム71によってリフトアップさせることで、係止突部61を弾性変形させて係止を開放することもできる。
【0072】
このように構成した流体容器用注出装置10では、図示しない流体容器、例えばパウチの口部に溶着などで取り付けた注出ノズル20に、図1(a)に示すように、カバーキャップ40を被せるようにし、外れ防止手段60の係止突部61を回動防止手段50のノズル平面部51以外のフランジ部25に引っ掛けて係止して取り付けておく。
【0073】
これにより、カバーキャップ40は注出ノズル20から外れることなく保持され、注出ノズル20を衛生的に保つことができる。
【0074】
また、この状態では、注出ノズル20の注出ノズル本体23の先端部に切り取り部27を介して一体に設けてある開口部材28の円板部29および操作部30がカバーキャップ40の外筒部42および円錐部43で取り囲まれた状態となるとともに、開口部材28の上面と注出ノズル本体23の押え部材44とが僅かな隙間を隔てた状態になっている。
【0075】
さらに、回動防止機構50を構成する注出ノズル20のノズル平面部51とカバーキャップ40のキャップ平面部52とが面接触した状態となり、僅かな力がカバーキャップ40に加わる程度では、カバーキャップ40が回動できず、不用意に開口部材28が切り取られることが防止される。
【0076】
また、切り離し用カム機構45の切り離しカム46は、開口部材28の操作部30から回転方向で90度離れたところに位置するとともに、キャップ取り外しカム機構70の取り外しカム71は、押し上げ前の状態で注出ノズル20のフランジ部25のカムフォロア72と対向し、あるいは接する状態となっている。
【0077】
次に、流体容器内の内容物(流体)を取り出す場合には、カバーキャップ40の指掛け用リブ41aに指を掛けるなどし、カバーキャップ40をその中心軸回りに回動するように注出ノズル20の外側に沿って回動する。
このとき、回動防止機構50を構成する注出ノズル20のノズル平面部51とカバーキャップ40のキャップ平面部52とが面接触した状態となっているので、カバーキャップ40を弾性変形させノズル平面部51を乗越えるようにして回動防止機構50を開放させる。
【0078】
このカバーキャップ40の回動により、切り離し用カム機構45の切り離しカム46が、まず開口部材28の両側の操作部30の下側に入り込み、この後操作部30の下面との接触が始まり、さらに回動されると、図1(b)に示すように、操作部30が両側で押し上げられて切り取り部27から切り取られる。
【0079】
そして、切り取られた開口部材28は、切り取り片保持手段47を構成するカバーキャップ本体41の押え部材44および切り離しカム46で上下が挟まれ、カバーキャップ40内に確実に保持された状態となる。
【0080】
また、カバーキャップ40の回動により、切り離し用カム機構45の切り離しカム46が開口部材28の両側の操作部30の下側に入り込んだ後、キャップ取り外しカム機構70の取り外しカム71とカムフォロア72との接触が開始されてカバーキャップ40が押し上げられるようになり、開口部材28が切り取られた状態になると、注出ノズル20のフランジ部25からリフトアップされた状態となる。これと同時に、カバーキャップ40の外れ防止機構60の係止突部61がカバーキャップ40のリフトアップによる弾性変形とノズル平面部51に位置することで係止が開放される。
【0081】
これらにより、カバーキャップ40が注出ノズル20のフランジ部25からリフトアップされた状態では、開口部材28の切り取りが完了し、カバーキャップ40の外れ防止機構60が開放されていることを簡単に知ることができ、注出ノズル20からカバーキャップ40を取り外して良いことが分かる。
【0082】
この後、カバーキャップ40を取り外すことで、切り取られた開口部材28もカバーキャップ40内に保持した状態で取り除くことができる。
これにより、注出ノズル20の接続部26に直接手を触れずに開口することができ、衛生的であり、直ちにチューブなどの接続を行うことができる。なお、切り離しは、切り離し用カム機構45を使用せずに、キャップ取り外し用カム機構70のみを使用して行うこともできる。
【0083】
以上のように、この流体容器用注出装置10によれば、簡単な構造で、カバーキャップの回動防止、カバーキャップの外れ防止、切り取り片の保持および一体廃棄など必要な機能をすべて備えることができるとともに、衛生的に取り扱うことができる。
【0084】
次に、この発明の他の一実施の形態を、図5〜図7により説明するが、すでに説明した実施の形態と同一部分には同一記号を記し、説明は省略する。
図5〜図7はこの発明の流体容器用注出装置の他の一実施の形態にかかり、図5(a),(b),(c)はそれぞれ注出ノズルにカバーキャップを被せた状態の縦断面図,平面図およびC−C断面図で、(a)、(c)は切り取り前の状態を、(b)は切り取り後の状態を示す、図6は注出ノズルの左半分のみを切断した縦断面図、平面図および底面図、図7はカバーキャップのA−O−A断面図、平面図および底面図である。
【0085】
この流体容器用注出ノズル10Aでは、注出ノズル20の開口部材28をカバーキャップ40の回動操作による回転だけで切り離すようにしたものであり、押し上げ力を加えずに切り離すようにしている。
【0086】
したがって、この流体容器用注出装置10Aの注出ノズル20の切り取り部27を介して一体に形成される開口部材28には、円板部29の周囲に4箇所の操作部30が突き出して形成してある。
【0087】
また、開口部材28の円板部29の外側面には、切り取り片保持手段47を構成する水平の凸条31が形成してあり、上面には、カバーキャップ40を支持する円形に窪んだ支持部32が形成してある。
【0088】
一方、カバーキャップ40には、開口部材28の円板部29および操作部30が嵌合される嵌合凹部48がこれらの平面形状に対応して形成されるとともに、この嵌合凹部48の内面に開口部材28の水平の凸条31に対応する凹溝49が形成され、凸条31と凹溝49とを係合することで、切り取られた開口部材28をカバーキャップ40内に保持する切り取り片保持手段47を構成している。
【0089】
また、カバーキャップ40のカバーキャップ本体41の天面内側に下方に突き出す支持突起41bが形成してあり、開口部材28の支持部32と係合するようになっている。
【0090】
なお、この流体容器用注出装置10Aの他の構成は、すでに説明した流体容器用注出装置10と同一であり、同一の構成の回動防止手段50、外れ防止手段60、キャップ取り外しカム機構70を備えている。
【0091】
このように構成した流体容器用注出装置10Aでは、図示しない流体容器、例えばパウチの口部に溶着などで取り付けた注出ノズル20に、図5(a)に示すように、カバーキャップ40を被せるようにし、外れ防止手段60の係止突部61を回動防止手段50のノズル平面部51以外のフランジ部25に引っ掛けて係止して取り付けておく。
これにより、カバーキャップ40は注出ノズル20から外れることなく保持され、注出ノズル20を衛生的に保つことができる。
【0092】
また、この状態では、注出ノズル20の注出ノズル本体23の先端部に切り取り部27を介して一体に設けてある開口部材28の円板部29および操作部30がカバーキャップ40の嵌合凹部48に嵌合されるとともに、開口部材28の凸条31とカバーキャップ40の凹溝49が係合し、開口部材28が切り取られてもカバーキャップ40に確実に保持できる状態になっている。
【0093】
さらに、回動防止機構50を構成する注出ノズル20のノズル平面部51とカバーキャップ40のキャップ平面部52とが面接触した状態となり、僅かな力がカバーキャップ40に加わる程度では、カバーキャップ40が回動できず、開口部材28の切り取り部27の強度による回動を防止する機能と協働して一層確実に不用意に開口部材28が切り取られることが防止される。
【0094】
また、カバーキャップ40のカバーキャップ本体41の天面内側の支持突起41bが注出ノズル20の開口部材28の上面の窪んだ支持部32と係合し、これらを中心にカバーキャップ40を回動できるようになっている。
【0095】
さらに、キャップ取り外しカム機構70の取り外しカム71は、押し上げ前の状態で注出ノズル20のフランジ部25のカムフォロア72と隙間をあけて対向し、あるいは接する状態となっている。
【0096】
次に、流体容器内の内容物(流体)を取り出す場合には、カバーキャップ40の指掛け用リブ41aに指を掛けるなどし、カバーキャップ40をその中心軸回りに回動するように注出ノズル20の外周面に沿って回動する。
このとき、回動防止機構50を構成する注出ノズル20のノズル平面部51とカバーキャップ40のキャップ平面部52とが面接触した状態となっているので、カバーキャップ40を弾性変形させノズル平面部51を乗越えるようにして回動防止機構50を開放させる。
【0097】
このカバーキャップ40を回動する場合に、注出ノズル20の支持部32とカバーキャップ40の支持突起41bとの係合により、カバーキャップ40を注出ノズル20に対して安定して回動させることができる。
【0098】
また、この流体容器用注出装置10Aでは、カバーキャップ40の回動で、カバーキャップ40の嵌合凹部48に嵌合している開口部材28が回動されて切り取り部27から切り取られ、注出ノズル20が開口される。
【0099】
そして、切り取られた開口部材28は、切り取り片保持手段47を構成するカバーキャップ本体41の凹溝49と開口部材28の凸条31との係合によってカバーキャップ40内に確実に保持された状態となる。
【0100】
また、カバーキャップ40の回動により、キャップ取り外しカム機構70の取り外しカム71とカムフォロア72との接触が開始されてカバーキャップ40が押し上げられるようになり、開口部材28が切り取られた状態になると、注出ノズル20のフランジ部25からリフトアップされた状態となる。これと同時に、カバーキャップ40の外れ防止機構60の係止突部61がカバーキャップ40のリフトアップによる弾性変形とノズル平面部51に位置することで係止が開放される。
【0101】
これらにより、カバーキャップ40が注出ノズル20のフランジ部25からリフトアップされた状態では、開口部材28の切り取りが完了し、カバーキャップ40の外れ防止機構60が開放されていることを簡単に知ることができ、注出ノズル20からカバーキャップ40を取り外して良いことが分かる。
【0102】
この後、カバーキャップ40を取り外すことで、切り取られた開口部材28もカバーキャップ40内に保持した状態で取り除くことができ、一体として廃棄することができる。
【0103】
これにより、注出ノズル20の接続部26に直接手を触れずに開口することができ、衛生的であり、直ちにチューブなどの接続を行うことができる。
【0104】
以上のように、この流体容器用注出装置10Aによれば、簡単な構造で、カバーキャップの回動防止、カバーキャップの外れ防止、切り取り片の保持および一体廃棄など必要な機能をすべて備えることができるとともに、衛生的に取り扱うことができる。
【0105】
なお、上記実施の形態では、流体容器の材質や形状については、特に説明していないが、通常の流体用の容器として用いられるものであれば良く、特に合成樹脂製のバッグ状やボトル状のもので、医療用の経腸栄養剤や流動食あるいは点滴用などの薬液が入れられる容器等に好適である。
【0106】
また、注出装置を構成する注出ノズルやカバーキャップの材質は、特に説明していないが、通常用いられる合成樹脂で良く、例えばポリプロピレンなどが用いられ、射出成形などで成形される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】この発明の流体容器用注出装置の一実施の形態にかかり、(a),(b)はそれぞれ注出ノズルにカバーキャップを被せた状態の縦断面図および平面図で、(a)は切り取り前の状態を、(b)は切り取り後の状態を示す。
【図2】この発明の流体容器用注出装置の一実施の形態にかかる注出ノズルの左半分のみを切断した縦断面図、平面図および底面図である。
【図3】この発明の流体容器用注出装置の一実施の形態にかかるカバーキャップの直交する2方向の縦断面図、平面図、底面図およびD‐D断面図である。
【図4】この発明の流体容器用注出装置の回動防止手段の他の実施の形態にかかる注出ノズルの平面図およびカバーキャップの横断面図である。
【図5】この発明の流体容器用注出装置の他の一実施の形態にかかり、(a),(b),(c)はそれぞれ注出ノズルにカバーキャップを被せた状態の縦断面図,平面図およびC−C断面図で、(a)、(c)は切り取り前の状態を、(b)は切り取り後の状態を示す。
【図6】この発明の流体容器用注出装置の他の一実施の形態にかかる注出ノズルの左半分のみを切断した縦断面図、平面図および底面図である。
【図7】この発明の流体容器用注出装置の他の一実施の形態にかかるカバーキャップのA−O−A断面図、平面図および底面図である。
【図8】従来の注出口部材の縦断面図およびB−B断面図である。
【符号の説明】
【0108】
10,10A 流体容器用注出装置
20 注出ノズル
21 基部フランジ部
22 連結部
23 注出ノズル本体
24,25 フランジ部
26 接続部
27 切り取り部
28 開口部材
29 円板部
30 操作部
31 凸条
32 支持部
40 カバーキャップ
41 カバーキャップ本体
41a 指掛け用リブ
41b 支持突起
42 外筒部
43 円錐部
44 押え部材
45 切り離し用カム機構
46 切り離しカム
47 切り取り片保持手段
48 嵌合凹部
49 凹溝
50 回動防止手段
51 ノズル平面部
52 キャップ平面部
53 曲面部
60 外れ防止手段
61 係止突部
70 カバーキャップ取り外しカム機構
71 取り外しカム
72 カムフォロア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用容器に基端部が取り付けられるとともに、先端部に切り取り部を介して開口部材が一体に設けられる注出ノズルと、この注出ノズルに被嵌されるとともに、前記開口部材と係合させ外側からの回転力を介して前記開口部材を切り取り可能なカバーキャップとを備える流体容器用注出装置であって、
前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、切り取り操作前の相対回転による前記開口部材の切り取りを防止する回動防止手段を設けたことを特徴とする流体容器用注出装置。
【請求項2】
前記回動防止手段を、前記注出ノズルの外側面と前記カバーキャップとのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したことを特徴とする請求項1記載の流体容器用注出装置。
【請求項3】
前記注出ノズルと前記カバーキャップとに設けた円筒部同士で嵌合させ、前記注出ノズルの円筒外側面に少なくとも1つのノズル平面部を形成し、このノズル平面部と当接して回転を規制するとともに、乗越えて回動を可能とするキャップ平面部を前記カバーキャップの円筒内側面に形成して前記回動防止手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の流体容器用注出装置。
【請求項4】
前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に被嵌状態を保持して軸方向の外れを防止する外れ防止手段を設けるとともに、当該外れ防止手段が前記開口部材の切り取り完了後に開放されるよう構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体容器用注出装置。
【請求項5】
前記外れ防止手段を、前記カバーキャップと前記注出ノズルのいずれか一方に、いずれか他方の前記円筒部に係止開放可能な係止突部を形成して構成したことを特徴とする請求項4記載の流体容器用注出装置。
【請求項6】
前記請求項1または2記載の回動防止手段を、前記外れ防止手段と兼用して構成したことを特徴とする請求項4または5記載の流体容器用注出装置。
【請求項7】
前記注出ノズルと前記カバーキャップとの間に、前記開口部材の切り取り操作後に当該カバーキャップを外す方向に移動させる取り外しカム機構を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の流体容器用注出装置。
【請求項8】
前記カバーキャップに、回動操作により前記開口部材の下側に位置するとともに、押し上げて切り取る切り離し用カム機構を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の流体容器用注出装置。
【請求項9】
前記カバーキャップと前記開口部材との間に、切り取られた開口部材をカバーキャップ内に保持する切り取り片保持手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の流体容器用注出装置。
【請求項10】
前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップと前記開口部材とのいずれか一方に形成した凸部といずれか他方に形成した凹部とで構成したことを特徴とする請求項9記載の流体容器用注出装置。
【請求項11】
前記切り取り片保持手段を、前記カバーキャップに設けた前記開口部材の上面を押える押え部材と、前記切り離し用カム機構のカムとで挟むように構成したことを特徴とする請求項9記載の流体容器用注出装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−27662(P2006−27662A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208869(P2004−208869)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】