説明

流体流速切替え装置

【課題】複数の正確な流速を提供し、それらの流速が使用者に選択可能である、流体流速切替え装置を提供する。
【解決手段】治療的流体の流速を選択するためのスイッチであって、以下:ポートおよび複数の通路を有する、ハウジング;該治療的流体の流速を調節する、複数の堅固な毛管であり、該管の各々が、該通路の1つにそれぞれ配置されている、複数の堅固な毛管;および該ハウジングに操作可能に接続されるバルブであって、1つ以上の該通路からの該ポートに選択的に接続および脱着するように移動可能である、バルブ、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体の流速を制御するための装置に関し、さらに詳細には、医療用流体送達システムにおける、複数の正確な流速を提供し、それらの流速が使用者に選択可能である装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの流体送達システムにおいて、流体流速を注意深く制御することが重要である。流体の静脈内投与において使用されることを意図されるシステムに関しては、流体流速の正確な制御は、通常、患者に提供される治療の重要な部分である。その上医療分野では、正確さは、フロー制御システムの重要な特徴である。さらに、制御されない高い流体流速での流体の静脈内投与は、患者にとって有害であり得る。
【0003】
フロー制御システムの別の所望される特徴は、時間が経っても一貫していることである。医療分野では、処置セッション一体の間、医療付添い人が流体流速をモニターするために居ることを期待するのは、実際的でない。ゆえに、流速制御システムは、比較的長い時間付添われていない間、安定した流速を維持し得なければならない。また、医療分野および他の環境では、フロー制御システムについてのさらに別の所望される特徴は、オペレーターの間違いを最少にするための操作の簡単さである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの薬物投与システムでは、バルブは1対のプラスチックの可撓性の管と組合せて使用され、流体速度切り換え装置を形成する。しかし、プラスチックの可撓性管材料の使用は、流体の流速を調節する際に、高度な正確さを提供しない。また、所望の流速を達成するために必要とされるプラスチック管材料の長さは、プラスチック管材料の製造プロセスにおける不整合性の結果で変化し得る。従って、プラスチック管材料が流体流速調節する際に使用される場合、特別な工程がとられなければならない。
【0005】
ゆえに、本発明の前に、正確で、かつ安定した、使用者に選択可能な流速制御を有する比較的小さな装置の必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、本発明のスイッチは、ポートおよび複数の通路を有するハウジングを含む。この通路を通る治療的流体の流速を調節するための堅固な毛管は、各通路にそれぞれ配置される。さらに、操作可能にこのポートの接続および1つ以上の通路からのこのポートの脱着のために、バルブが回転可能にハウジングへ接続される。
【0007】
本発明は、治療的流体の流速を選択するためのスイッチに関し、このスイッチは:ポートおよび複数の通路を有する、ハウジング;該治療的流体の流速を調節する、複数の堅固な毛管であり、該管の各々が、該通路の1つにそれぞれ配置されている、複数の堅固な毛管;および該ハウジングに操作可能に接続されるバルブであって、1つ以上の該通路からの該ポートに選択的に接続および脱着するように移動可能である、バルブ、を備える。
【0008】
好ましくは、前記バルブが反時計回り方向に回転されるにつれて、少なくとも3つの増分バルブにより前記治療的流体の流速が逐次的に増加され得る。
【0009】
好ましくは、90度の少なくとも3つの連続した段階で前記バルブが逐次的に回転され
るにつれて、前記治療的流体の流速が徐々に増加され得る。
【0010】
好ましくは、前記バルブが時計回り方向に回転されるにつれて、少なくとも3つの増分バルブにより、前記治療的流体の流速が逐次的に減少され得る。
【0011】
好ましくは、前記バルブは、前記ポートに通路の1つを操作可能に接続するように連続フロー位置に移動可能であり、該バルブは、該ポートに少なくとも2つの該通路を操作可能に接続するように平行フロー位置に移動可能であり、そして該バルブは、該通路から該ポートを操作可能に脱着するようにオフ位置に移動可能であり得る。
【0012】
好ましくは、前記ハウジングは、前記毛管を備えるインサートに超音波溶接されたカバー部材を含み、そして該カバー部材および該インサートは、細塵粒子が前記治療的流体に接触するのを防止するためのフラッシュトラップを規定し得る。
【0013】
好ましくは、前記ハウジングは、前記バルブを受容する内腔を含み得る。
【0014】
好ましくは、前記バルブは、ハブ部材に装着されたフランジを含み得る。
【0015】
好ましくは、前記フランジは、前記スイッチを通る流速の情報を示す窓を含み得る。
【0016】
好ましくは、前記フランジは、外周部を有し、そして前記ハウジングは、開口および該開口と同軸上に整列した環状リッジを含み、該開口が、前記バルブのハブおよび該フランジ外周部の要部を取り囲むリッジを受容し得る。
【0017】
好ましくは、前記バルブは流体路を含み得る。
【0018】
好ましくは、前記バルブの流体路は、前記ハウジング内で平行に間隔を空けられた1対の流体通路と操作可能に接続され得る。
【0019】
好ましくは、前記バルブの流体路は、前記ハウジング内で前記間隔を空けられた流体通路と角をなして接続され得る。
【0020】
好ましくは、前記バルブの流体路は、前記ハウジング内で前記間隔を空けられた流体通路の少なくとも1つと、135度の角度で接続され得る。
【0021】
好ましくは、前記バルブの流体路がT形状であり得る。
【0022】
好ましくは、前記バルブは、ハンドルに取り外し可能に装着可能であり得る。
【0023】
好ましくは、前記ハンドルは、管の一部を受容するために適合される湾曲部を含み得る。
【0024】
好ましくは、前記毛管は、微小内腔ガラスであり得る。
【0025】
好ましくは、前記毛管は、前記治療的流体の異なる流速を可能にし得る。
【0026】
本発明は、また上記のスイッチを用いて治療的流体の流速を選択する方法に関し、この方法は:該治療的流体を送入するポンプ手段を提供する工程;該ポンプ手段に操作可能に接続される上記のスイッチを提供する工程;該ポンプ手段に前記通路の1つを操作可能に接続する、連続フロー位置へ、前記バルブを移動させる工程;および該ポンプ手段に少な
くとも2つの該通路を操作可能に接続する、平行フロー位置へ、該バルブを移動させる工程を包含する。
【0027】
この方法は、前記バルブが回転されるにつれて、前記スイッチを通る流速を徐々に増加させる工程、をさらに包含し得る。
【0028】
本発明はまた、患者への治療的流体の流速を提供するための注入器システムに関し、このシステムは:互いに操作可能に接続される、ハウジングおよびバルブ;該ハウジングを通る該治療的流体の流速を調節する、堅固な複数の制限器を含む、ハウジング;ならびに該制限器を該治療的流体が選択的に通過するように移動可能な、バルブ、を備える。
【0029】
好ましくは、前記バルブが回転されるにつれて、少なくとも3つの増分バルブにより、前記治療的流体の流速が、逐次的に増加され得る。
【0030】
好ましくは、90度の少なくとも3つの連続した段階で前記バルブが逐次的に回転されるにつれて、前記治療的流体の流速が徐々に減少され得る。
【0031】
好ましくは、前記治療的流体が、前記制限器の1つのみを通過することを可能にするように、前記バルブが、連続フロー位置に移動可能であり、そして該治療的流体が、該制限器の少なくとも2つを通過することを可能にするように、該バルブが、平行フロー位置に移動可能であり得る。
【0032】
好ましくは、前記バルブは、流速の情報を示す窓を有するフランジを含み得る。
【0033】
好ましくは、前記バルブは、前記ハウジング内で平行に間隔を空けられた1対の流体通路と操作可能に接続する流体路を含み得る。
【0034】
好ましくは、前記流体路は、前記ハウジング内で前記間隔を空けられた流体通路と角をなして接続され得る。
【0035】
好ましくは、ハンドルが取り外し可能に前記バルブに装着可能であり得る。
【0036】
好ましくは、前記ハンドルは、管の一部を受容するように適合される湾曲部を含み得る。
【0037】
好ましくは、前記制限器は、微細内腔ガラス管であり得る。
【0038】
好ましくは、前記制限器は、前記治療的流体の異なる流速を可能にし得る。
【0039】
好ましくは、前記治療的流体を送入するためのポンプ手段は、前記ハウジングに操作可能に接続され得る。
【0040】
好ましくは、前記バルブは、使用者が前記制限器の1つを前記ポンプ手段に操作可能に接続することを可能にし得る。
【0041】
好ましくは、前記バルブは、前記使用者が少なくとも2つの前記制限器を前記ポンプ手段に操作可能に接続することを可能にし得る。
【0042】
好ましくは、前記バルブは、該バルブが回転するにつれて、前記ハウジングを通る流速を、使用者が徐々に増加させることを可能にし得る。
【0043】
好ましくは、前記ハウジングは、前記制限器を備えるインサートに超音波溶接されるカバー部材を含み、そして該カバー部材および該インサートは、細塵粒子が前記治療的流体に接触するのを防止するためのフラッシュトラップを規定し得る。
【0044】
本発明はまた、治療的流体流速を制御するための装置に関し、この装置は:該治療的流体流速を制御するための複数の制限器を有するハウジング;および該ハウジングに操作可能に接続されるバルブであって、該バルブが一方向に回転されるにつれて、少なくとも3つの逐次的な段階で、該治療的流体流速を徐々に増加させるように、該バルブが回転可能である、バルブ、を含む。
【0045】
好ましくは、前記バルブが一方向に回転されるにつれて、少なくとも3つの増分値により、前記治療的流体流速が、逐次的に減少され得る。
【0046】
好ましくは、前記バルブは、選択された流速の情報を示す窓を有するフランジを含み得る。
【0047】
好ましくは、前記バルブは、流体路を含み得る。
【0048】
好ましくは、前記流体路は、前記ハウジング内で平行に間隔を空けられた1対の流体通路に、操作可能に接続され得る。
【0049】
好ましくは、前記流体路は、前記ハウジング内で該間隔を空けられた流体通路に、角をなして接続され得る。
【0050】
好ましくは、前記流体路は、T形状であり得る。
【0051】
好ましくは、前記バルブは、ハンドルに取り外し可能に装着可能であり得る。
【0052】
好ましくは、前記ハンドルは、管の一部を受容するように適合された湾曲部を含み得る。
【0053】
好ましくは、前記制限器は微小内腔ガラスであり得る。
【0054】
本発明の他の利点および特徴は、添付の図面に例示される特定の実施形態の以下の説明から明らかである。
【発明の効果】
【0055】
本発明の装置は、ポートを有するハウジングおよび複数の通路を含む。通路を通る治療的流体の流速を調節するための堅固な毛管が、通路の各々に、それぞれ配置される。さらに、ポートを1つ以上の通路に操作可能に接続するため、そして1つ以上の通路から操作可能に脱着するために、バルブが、ハウジングに回転可能に接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
この発明は、多様な形態の実施形態が可能であるが、本発明の好ましい実施形態は、図面に示され、そして本明細書中に詳細に記載される。この開示は、本発明の本質の例示として考慮されるべきであり、そして本発明の広範な局面を例示された実施形態に限定することを意図されない。
【0057】
ここで図面、特に図1および図2に言及すると、多重速度切替え装置10が開示され、
装置10は、ハウジング12、バルブ14、および1対のフロー制限器16、17(図15〜図18)を有する。このハウジング12は、外部カバー部材18、インサート20、および末端キャップ22を含む。これらの構成要素は、好ましくはポリカーボネート製であり、超音波溶接により互いに連結される。しかし、所望される場合、これらの構成要素は、他の堅固なポリマー材料(例えば、環状オレフィン含有ポリマー、架橋ポリ環状炭化水素含有ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ABS、ポリウレタンなど)から製造され得、そして接着結合、溶媒結合(solvent bonding)、高周波結合(radio frequency bonding)、スナップ嵌合(snap−fit)、または他の適切な接合方法により互いに連結され得る。
【0058】
図3、4、および5を見ると、外部カバー18は、末端壁24および連続的な周辺壁26を含み、互いに一体的に接続される。この末端壁24は、内部表面28(図4および図5)およびほぼ長円形状の周辺部を有する。周辺壁26は、末端壁24の周辺部から延び、インサート20を受容するための開口部30を規定する。
【0059】
図5に示されるように、1対のC形状突出物32、33は、一体的に連結され、そしてカバー部材末端壁24の内部表面28から延びる。このC形状突出物32、33は、末端壁24の側方軸34について対称的に位置決めされる。好ましくは、このC形状突出物32および33は、互いに向かい合う開口部36および37をそれぞれ有する。
【0060】
C形状突出物32および33の各開口部36、37を通って延びるのは、それぞれ長手チャネル38および39である。このチャネル38、39は、末端壁24の表面28に形成され、そして末端壁側方軸34について対称的に位置決めされる。各チャネル38および39は、その付随したC形状突出部32および33のほぼ中点をそれぞれ起点とし、そして末端壁24の長手軸に沿って延びる。これらのチャネル38、39は、末端壁24の側方軸34に届かずに終わる。
【0061】
末端壁24の内部表面28に一体的に連結され、そこから延びるのは、1対の連続壁40、41であり、これらの壁は、各C形状突出部32、33および付随したチャネル38、39を取り囲む。これらの連続壁40、41は、末端壁24の側方軸34について対称的に位置決めされ、各壁は、ほぼ涙珠形状の周辺部を有する。これらの壁40、41は、本明細書中にさらに詳細に記載されるように、カバー18をインサート20に連結させることを容易にし、2つの別々の流体路を規定する。好ましくは、2つの壁40、41の涙珠状周辺部の頂部42は、互いに向き合う。各壁40および41の内周部を縁取るのは、それぞれ連続溝44および45であり、これらの溝は、末端壁24の内部表面28内に形成される。
【0062】
以前に示されたように、外部カバー末端壁24の周辺部から延びるのは、連続周辺壁26であり、この周辺壁26は、断面においてほぼ長円形であり、ハウジングインサート20を受容するための開口チャンバー46を規定する。この周辺壁26は、側部表面48および49をそれぞれ通過する、同軸上に整列した環状開口50および51を伴う、対向する外側表面48、49を含む。外側表面48はまた、開口50と同軸整列で、環形状外部リッジ52を含む。好ましくは、外側表面49は、ほぼ平面であり、患者の皮膚に接してこの側部表面を配置する場合に、快適さを高める。同様に、周辺壁26の側部表面48と側部表面49との間の部分は、平滑である。
【0063】
図6〜図9を見ると、ハウジング12のインサート20は、互いに一体的に連結された、フローブロック54および管部材56を含む。このフローブロック54は、内部プレート部材58および外部プレート部材59を含む。好ましくは、これらのプレート部材58、59は、互いに同一平面上に間隔を空けられた関係である。
【0064】
図7に示されるように、1対の段状外部内腔60、61および1対の内部内腔62、63は、フローブロック54内に形成され、内部プレート部材58および外部プレート部材59を通って延びる。この外部内腔60、61は、互いに平行に間隔を空けられた関係にあり、プレート部材58、59に対して垂直である。各外部内腔60、61は、円筒形通路64、円筒形制限器内包チャンバー66、および円筒形O−リング内包チャンバー68を含む。各外部内腔60、61の円筒形通路64は、内包チャンバー66と流体連通し、外部プレート部材59内に開口部70を有する。各内腔60、61の内包チャンバー66は、O−リング内包チャンバー68と流体連通し、そして円筒形通路64の内径より大きい内径を有する。各内腔60、61のO−リングチャンバー68は、内部プレート部材58内の開口部72、および制限器内包チャンバー66の内径より大きい内径を有する。
【0065】
フローブロック54内の内部内腔62、63は、互いに、そして外部内腔60、61に対して平行に間隔を空けられた関係にある。また、これらの内部内腔62、63は、外部内腔60、61の間に位置する。これらの内部内腔62、63は、内部プレート部材58を通って、内部プレート部材58と外部プレート部材59との間に位置する円筒形制御バルブ受容内腔76の内部表面74まで延びる。従って、内部内腔62および63は、バルブ受容内腔76の内部表面74上で、それぞれポート75および77と流体連通する。
【0066】
好ましくは、制御バルブ受容内腔76の長手軸は、外部内腔60、61および内部内腔62、63の長手軸に対して垂直な関係で間隔を空けられている。さらに、保持リング78は、制御バルブ受容内腔76の一つの開口部の周りで半径方向内側に突出する。
【0067】
ハウジングインサート20の管部材56は、遠位ポートまたは開口部80および円筒形内腔82を、同軸上整列で有し、フローブロック54内に延びる連接内腔84と流体連通する。この連接内腔84はまた、内部内腔63と長手軸方向同軸上に整列し、ポート79を介して制御バルブ受容内腔76と流体連通する。
【0068】
図8に示されるように、プレート部材の側方軸について対称的に位置決めされる1対の長手チャネル88、89は、ハウジングインサートのプレート部材58の外部表面86内に形成される。各チャネル88、89は、流体連通し、そしてO−リングチャンバー68の1つとフローブロック54内の内部内腔62、63の1つとの間に、延びる。カバー部材18が、インサート20に装着される場合、チャネル38(図5)および88は、ハウジング12内のほぼ円筒形の通路を、チャネル39(図5)および89とともに規定する。
【0069】
1対の連続壁90は、側方軸について内部プレート部材58の両側で、チャネル88、89、O−リング内腔開口部72および内部内腔開口部を取り囲む。この壁90は、内部プレート部材58の表面86に、一体的に装着され、その表面から垂直に延びる。この壁90は、ハウジング外部カバー末端壁24の内部表面28内に形成される連続的な溝44、45に、対応し、整列し、そして少なくとも部分的に受容されるように、寸法決めされる。これにより、ハウジング末端壁24の壁40、41をハウジングインサート20の内部プレート部材58に超音波溶接する間に、細塵粒子が装置流体路内に堆積されるのを防止するための、曲折した経路、またはフラッシュトラップ(flash trap)を生じる。
【0070】
図9に示されるように、フローブロック54の外部プレート部材59は、流体連通しているチャネル94を有しそして外部内腔64の間に延びる外部表面92を含む。このチャネル94は、湾曲部96を含み、この湾曲部96内で管部材56の周りにチャネルが延びる。
【0071】
図10を見ると、ハウジング12の末端キャップ22は、一体的に共に装着されたプレート様カバー部材98および管部材100を含む。このカバー部材98は、ハウジングインサート20上の外部プレート部材59に装着する。このカバー部材98は、内部表面102および対向外部表面104を含む。この内部表面102は、フローブロック外部プレート部材59の外部表面92内に形成されるチャネル94と対称であるチャネル106を含む。従って、フローブロック54に末端キャプ22が装着されると、2つのチャネル106および94は、単一管状流体連絡通路108(図15〜図18)を外部内腔60と61との間に規定する。
【0072】
好ましくは、カバー部材98の内部表面102は、外部周辺溶接リング101および開口114の周りの内部溶接リング103を含む。これらの溶接リング101および103は、ハウジングインサート外部プレート部材59の外部表面92に形成される、対応するチャネル105および107(図9)内にそれぞれ受容される。従って、カバー部材98のリング101、102の外部プレート部材59への超音波溶接の間、ハウジングカバー18のハウジングインサート20への装着の際に使用されるものと類似のフラッシュトラップは、細塵粒子が装置の流体路に入るのを防止するために提供される。
【0073】
図15を見ると、末端キャップ22の管部材100は、カバー部材98を通って延び、そして遠位ポートまたは開口部110を有する円筒形内腔112を含む。この内腔112は、カバー部材98の内部表面102内のチャネル106と流体連通しておリ、そして従って連絡通路108と流体連通している。
【0074】
末端キャップ22のカバー部材98はまた、ハウジングインサート20のフローブロック54から延びる管部材56を受容するための開口114を含む。従って、ハウジングインサート管部材56は、カバー部材98がハウジングインサート20に装着される場合、開口114を通って延びる。
【0075】
図1、11および12を見ると、切替え装置10のバルブ14は、インサート部材20のバルブ受容内腔76(図7)およびハウジング外部カバー部材18の開口50、51(図3および図4)内に回転可能に取付けられる円筒形ハブ部材116を含む。好ましくは、バルブ14は、高密度ポリエチレンからなる。また、高粘性シリコンオイルのような潤滑油またはグリースが、密閉するため、そしてバルブハブ116とハウジングインサート部材内腔76との間の摩擦を減らすために使用される。
【0076】
図11および図12に示されるように、ハブ116は、一体的にこのハブに装着される管状流体路接続継手またはT−継手取付け具120を含む内腔118を含む。図16を見ると、ハブ部材116の外部表面は、T−継手取り付け具120と流体連通する3つのバルブポート122、123および124を含む。好ましくは、T−継手取り付け具120の中心接合点125に比較して、ポート122は、ポート123から90度に位置し、そしてポート124から180度に位置する。
【0077】
図11および図12に戻ると、切替え装置10のリング形状外部リッジ52(図1〜図3)内に部分的に受容されるフランジ部材126は、ハブ部材116の一端から半径方向外側に延びる。フランジ126のハウジング12への凹みは、患者がバルブ14を手動で回そうと試みることにより、装置をいじることを防止することが意図される。
【0078】
流速指示窓または切欠き130および1対のハンドル係合切欠き132、133が、フランジ部材126の外周に形成される。この指示窓130は、ハウジング12上に印字され、使用者に選択される流速に対応する速度ラベル134(図1)を、使用者が見ること
を可能にする。従って、バルブフランジ部材は、現在選択される速度を除いて他の全ての速度ラベルを隠す。使用者が速度を変えるためにバルブ14を回転するとき、窓130は回転し、選択された速度のみを露出する。あるいは、バルブフランジの窓を通して選択された速度ラベルを露出する代りに、ポインターが、選択された速度を明らかにするために使用され得る。
【0079】
好ましくは、ハブ部材116の長手軸に比較すると指示窓130の中心は、バルブポート122と123との間にある(図16)。さらに、係合切欠き132および133は、指示窓130の両側から約135度に中心を合わせられる。
【0080】
図12に示されるように、1群の突起128が、フランジ126の反対側で、バルブハブ部材116から長手軸方向に延びる。フランジ部材126および突起128の両方は、ハブ部材116に一体的に装着される。突起128の遠位端は、半径方向外側に縁をなす。この突起128は、保持リング78(図7)を制御バルブ受容内腔76内に係合することにより、バルブ14をハウジング12に固定する。しかし、このバルブ14は、本明細書中にさらに詳細に記載されるように、流速を選択するために制御バルブ受容内腔78内で回転可能である。
【0081】
図1、13および14を見ると、手動でバルブを回すための手段を提供するための速度切替え器具またはハンドル136は、手動でバルブ14に装着可能である。本明細書中でさらに詳細に説明されるように、バルブ14の回転は、スイッチ10を通って通過する流路の選択を生じる。好ましくは,ハンドル136は、バルブ14を回すために必要とされる。従って、ハンドル136は、患者が許可なしにバルブを回すのをやめさせるために、医師または他の健康管理人により、除去され得、そして保持され得る。
【0082】
ハンドル136は、指示面138、反対のバルブ係合面140、および管装着湾曲部142を含む。ハンドル136の係合面140は、フランジ126の周りのバルブハブ116の内腔118内に受容可能な、円筒形制限ハブ144を含む。ハンドル136の係合面140はまた、1対の間隔を空けられた結合ピン146および147を含み、これらの結合ピンは、ハンドルがバルブ14に装着される場合、それぞれ切欠き132および133内に受容される。さらに、ハンドルの指示面138は、ハンドルがバルブ14に装着される場合に、バルブ窓130を指示するためのしるし148を含み得る。さらにハンドル136の湾曲部142は、図19〜図21に示されるように、ハンドルを受容し、そして従って管材料などを留めるための開口部150を規定する。
【0083】
図15を見て、そしてハウジングインサート20に言及すると、毛管または制限器16および17は、それぞれ各外部内腔60および61の内包チャンバー66内に受容される。各制限器16および17は、流体の流速を調節するための較正された長手軸解放内腔151および152をそれぞれ有する。好ましくは、制限器16、17は、実質的に同じ長さを有し、そして微細腔ガラス管からなり、制限器17は、制限器16の2倍の流速が可能である。しかし、代替の実施形態では、制限器17は、制限器16の2倍の流速以外の別の流速を有し得る。
【0084】
好ましくは、制限器16、17は、装置の全長を減少させるために、互いに直線状に並ばず、バルブ14の反対側に位置決めされる。しかし、所望の場合、制限器16、17は、互いに対して他の配置で取付けられ得る。
【0085】
また、フローブロック54内の各通路64に最も近いスペーサーO−リング153は、各外部内腔60、61の内包チャンバー66内に位置決めされる。O−リング153は、積重への耐性の原因となる調節可能な緩衝物を提供し、成形されたハウジングインサート
20と、制限器16、17との間の空気層を除去する。
【0086】
密閉O−リング154は、各外部内腔60および61のO−リング内包チャンバー68内に受容される。O−リング154は、制限器16、17の外部表面に取付けられ、隙間の無い液体シールを形成する。さらに、ハウジングカバー部材18のC−形状突出物32、33は、内包チャンバー66に最も近いフローブロック54に抗してO−リング154を加圧する。従って、隙間の無い液体シールは、各O−リング内包チャンバー68の内壁とO−リング154との間に、提供される。それにもかかわらず、流路は、ハウジング外部カバー部材18の末端壁24のチャネル38を介して、外部内腔16と内部内腔62との間に提供される。同様に、流路は、ハウジング外部カバー部材18の末端壁24のチャネル39を介して外部内腔17と内部内腔63との間に提供される。
【0087】
図15〜図18に示されるように、バルブ14の回転は、所望の流体流速に対応する、速度切替え装置10のポート80、110の間の流路の閉止または選択を生じる。図15に示される位置へのバルブ14の手動の回転は、バルブブロック化を生じ、そして従って、速度切替え装置10のポート80、110の間の全ての流路を閉止する。
【0088】
図16に示される位置へのバルブ14の手動回転は、速度切替え装置10のポート80、110の間の単一で連続的な流路156を生じる。流路156は、管部材内腔112、連絡通路108、制限器16の内腔151、チャネル38、内部内腔62、T−継手120、フローブロック内腔84、および管部材内腔82を介して、ポート110からポート80へ延びる。
【0089】
図17に示される位置へのバルブ14の手動回転は、速度切替え装置10のポート80、110の間に、別の単一で連続的な流路158を生じる。この流路158は、管部材内腔112、連絡通路108、制限器17の内腔152、チャネル39、内部内腔63、T−継手120、フローブロック内腔84、および管部材内腔82を介して、ポート110からポート80へ延びる。
【0090】
図18に示される位置へのバルブ14の手動回転は、速度切替え装置10のポート80、110の間の平行流路160を生じる。この平衡流路160は、流路156および158の両方からなる。従って、流体は、管部材内腔112、連絡通路108、制限器17の内腔152、チャネル39、内部内腔63、T−継手120、フローブロック内腔84、および管部剤内腔82を介して、ポート110からポート80へ流れる。流体はまた、管部材内腔112、連絡通路108、制限器16の内腔151、チャネル38、内部内腔62、T−継手120、フローブロック内腔84、および管部材内腔82を介して、ポート110からポート80へ流れる。
【0091】
図15〜図18に示されるように、バルブ14のT−継手取付け具120は、流体流接続させる場合、斜めまたは約135度の角度で、フローブロック20の内腔62、63、84を遮断する。このY−形状は、装置10のサイズをかなり減少し、ここで装置が小さいほど、患者が身に付けるためにより快適であり、そしてY−形状はまた、論理的に増加する昇順または降順で、流体流速の調節を提供する。例えば、流路156中の制限器16が、1ml/時間の流速を提供し、そして流路158中の制限器17が、2ml/時間の流速を提供する場合、結果として装置10を使用して選択され得る速度は、順に、1ml/時間(図16)、2ml/時間(図17)、3ml/時間(図18)、および0ml/時間(図15)である。
【0092】
好ましくは、装置10を通る、流路および対応する流速は、バルブ14が予め決められた増分量だけ回転される場合に、選択される。例えば、図15〜図18に示されるように
、バルブ14の90度回転は、装置10の閉止または、装置10を通る流路および対応する流速の選択を生じる。
【0093】
詳細には、このバルブの図15に示される位置からの90度反時計方向の回転は、図16に示される、装置10を通る流路および対応する流速の選択を生じる。同様に、図16に示される位置からのバルブの90度反時計方向の回転は、図17に示される、装置10を通る流路および対応する流速の選択を生じる。さらに、バルブの図17に示される位置からの90度反時計方向の回転は、図18に示される、装置10を通る流路および対応する流速の選択を生じる。好ましくは、装置10を通る流速は、バルブ14がハンドル136を用いて反時計回り方向に回転されるにつれて、徐々に増加する。同様に、装置10を通る流速は、バルブ14がハンドル136を用いて時計回り方向に回転されるにつれて、徐々に減少する。従って、蛇口のハンドルを液体の流速を減少させるために時計回りに回すことにより、そして蛇口のハンドルを液体の流速を増加させるために反時計回りに回すことにより、大部分の蛇口を用いて液体の流速を調節するのと類似の論理的な様式で、装置10は、作動する。
【0094】
図19、20、および21に示される実施形態では、切替え装置10は、種々の正の圧力供給源、とりわけ、エラストマー注入ポンプ162、163、および164に、それぞれ可撓性管材料166を介して、操作可能に接続され得る。このようなポンプは当該分野で周知であり、Hesselによる米国特許第5,263,935号(本明細書中に参考として援用される)に開示されるポンプを含み得る。好ましくは、切替え装置10内の制限器16、17は、装置を通る所望の流速を提供するために、圧力供給源により産出される流体圧力の量に適合される。
【0095】
ポンプ162、163、および164は、ほぼ管状の外部ケーシング170と共に配置されるエラストマー内袋168を含む。内袋168は、製薬学的に活性な物質で装填され得る。完全に広がった内袋内の流体圧力は、ポンプから切替え装置への管材料166を介する流体流を生じる。好ましくは、流体が、ポンプから、制限器16、17を通って、そして次いでバルブ14を通って流れるように、管材料166は、溶解性接着により切替え装置10の管100に接続される。さらに、管56は、溶解性接着により、切替え装置10の反対側に装着されるコネクタ174を有する可撓性管材料172に、装着される。このコネクタ174は、切替え装置10を、患者に装着される静脈内管材料などに操作可能に接続するために、提供する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
当業者に理解されるように、切替え装置10はまた、電気機械的、化学的、および重力的な供給源を含む、他の型の正の圧力供給源に操作可能に接続され得る。
【0097】
特定の実施形態が、例示され、そして記載されたが、膨大な改変が、本発明の本質から有意に逸脱することなく惹起され、そして保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、ハウジングおよび切替えバルブを有する切替え装置についての本発明に従った、切替え装置および取り外し可能なハンドルの、拡大斜視組立て図であり、ハウジングは、カバー、インサートおよび末端キャップを含む。
【図2】図2は、図1の切替え装置の側面図である。
【図3】図3は、図1に示されるハウジングのカバーの上面斜視図である。
【図4】図4は、図1に示されるハウジングのカバーの底面斜視図である。
【図5】図5は、図3および図4に示されるハウジングカバーの端壁の内部表面の立面図である。
【図6】図6は、図1に示されるハウジングのインサートの斜視図である。
【図7】図7は、図6に示されるインサートの断面図である。
【図8】図8は、図6に示されるインサートの上面図である。
【図9】図9は、図6に示されるインサートの底面図である。
【図10】図10は、図1に示されるハウジングの末端キャップの斜視図である。
【図11】図11は、図1に示される切替え装置内のバルブの拡大上面図である。
【図12】図12は、面12−12に沿った図11のバルブの断面図である。
【図13】図13は、図11のバルブに取り外し可能に装着する速度切替え器具または図1のハンドルの上面斜視図である。
【図14】図14は、図13に示されるハンドルの底面斜視図である。
【図15】図15は、バルブがオフ位置に回されている、図2の面15−15に沿った切替え装置の断面図である。
【図16】図16は、単一の連続フローが、切替え装置を通るのを可能にするようにバルブが回されていることを除いて、図15と同様である。
【図17】図17は、代替の単一の連続フローが、切替え装置を通るのを可能にするようにバルブが回されていることを除いて、図16と同様である。
【図18】図18は、2重の平行フローが、切替え装置を通るのを可能にするようにバルブが回されていることを除いて、図16および図17と同様である。
【図19】図19は、小容量エラストマー送入ポンプに操作可能に連結された、図1の切替え装置の立面図である。
【図20】図20は、大容量エラストマー送入ポンプに操作可能に連結された、図1の切替え装置の立面図である。
【図21】図21は、送入器に操作可能に連結された、図1の切替え装置の立面図である。
【符号の説明】
【0099】
10 多重速度切替え装置
12 ハウジング
14 バルブ
18 外部カバー部材
20 インサート
22 末端キャップ
24 末端壁
26 周辺壁
28 内部表面
30、37 開口部
32 C形状突出物
34 末端壁側方軸
38、39 チャネル
40、41 壁
42 頂部
44、45 連続溝
46 開口チャンバー
48、49 側部表面
50、70、72、80 開口部
54 フローブロック
56 管部材
58 内部プレート部材
59 外部プレート部材
60、61 外部内腔
62、63 内部内腔
64 円筒形通路
66 円筒形制限器内包チャンバー
76 バルブ受容内腔
78 保持リング
101 外部周辺溶接リング
116 ハブ部材
120 T−継手取付け具
126 フランジ部材
130 指示窓
132、133 ハンドル係合切欠き
136 ハンドル
138 指示面
140 バルブ係合面
142 管装着湾曲部
144 円筒形制限ハブ
146、147 結合ピン
162、163、164 エラストマー注入ポンプ
168 内袋
170 外部ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的流体の流速を選択するためのスイッチであって、以下:
ポートおよび複数の通路を有する、ハウジング;
該治療的流体の流速を調節する、較正された長手軸解放内腔を有する制限器を有する複数の堅固な毛管であり、該管の各々が、該通路の1つにそれぞれ配置されている、複数の堅固な毛管;および
T−継手取付け具を備えるバルブであって、該T−継手取付け具が該バルブの周囲で少なくとも2方向に配置された3つの平行な通路に操作可能に接続され、1つ以上の該通路からの該ポートに選択的に接続および脱着するように移動可能である、バルブ、を備える、スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−236964(P2007−236964A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116264(P2007−116264)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【分割の表示】特願2004−257784(P2004−257784)の分割
【原出願日】平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】