流体用スクリーンチェンジャー
【課題】濾過面積の減少を招くことなく、小型化,軽量化を可能とした流体用スクリーンチェンジャーを提供する。
【解決手段】円柱状の回動棒2がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔15を有するケーシング本体10と、前記回動棒孔15に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒2を持つ。また、該回動棒2の一端又は両端に結合された回動駆動軸3と、前記回動棒2と同軸に挿入された濾過手段20とを持つ。そして、前記ケーシング本体10に設けられ、前記可動通路2aに入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔15の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含む。
【解決手段】円柱状の回動棒2がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔15を有するケーシング本体10と、前記回動棒孔15に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒2を持つ。また、該回動棒2の一端又は両端に結合された回動駆動軸3と、前記回動棒2と同軸に挿入された濾過手段20とを持つ。そして、前記ケーシング本体10に設けられ、前記可動通路2aに入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔15の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体用スクリーンチェンジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として下記の特許文献1に示すものがあった。即ち、 円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した2本の回動棒と、該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸とを持つ。そして、前記回動棒に設けられた可動通路は、該棒のほぼ直径を通る直線上に貫通し、その中に同軸に濾過手段が挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3806767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこの技術では、前記回動棒に設けられた可動通路は、該棒のほぼ直径を通る直線上に貫通し、その中に同軸に濾過手段が挿入されている。 従って、通路の直径と軸方向長さは棒の直径に規制される。つまり、通路容積は原理的に棒の直径の制限を受ける。従って、この中に収容する濾過手段の大きさ、即ち、濾過面積が棒の直径で厳しく制限を受けてしまう。このため、必要な濾過面積を得るためには、棒の直径を大とせねばならず、勢いケーシングを含む装置全体の大きさ、重量の増大を甘受せざるを得なかった。
【0005】
本発明は上記問題を解決し、濾過面積の減少を招くことなく、小型化,軽量化を可能とした流体用スクリーンチェンジャーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題解決手段の第1は、円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒と、該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸と、前記回動棒と同軸に挿入された濾過手段と、前記ケーシング本体に設けられ、前記可動通路に入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含むことである。
【0007】
本発明の課題解決手段の第2は第1手段に加え、前記回動棒の可動通路は前記入口主通路および出口主通路に連通するように、入口と出口がそれぞれ軸方向に隔離され、該棒のほぼ軸線上断面で方向転換することである。
【0008】
本発明の課題解決手段の第3は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は有底濾過筒からなり、補強多孔筒と、その外周または内周または中間に張られたスクリーンとを含むことである。
【0009】
本発明の課題解決手段の第4は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は多孔板とスクリーンを含むことである。
【0010】
本発明の課題解決手段の第5は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は多数の濾過孔を持つ筒体からなることである。
【0011】
本発明の課題解決手段の第6は前記いずれか1の手段に加え、ケーシング入口とそれに対応する可動通路入口の面積に対して、ケーシング出口とそれに対応する可動通路出口の面積は同一または異なることである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、流体用スクリーンチェンジャーが濾過面積の減少を招くことなく、小型化と軽量化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】図1のY2−Y2断面図である。
【図3】図2のX3−X3断面図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施例の図3に対応した断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の図3に対応した断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の図3に対応した断面図である。
【図8a】本発明の第5実施例の正面図である。
【図8b】図8aのY8b−Y8b断面図である。
【図8c】図8aのY8c−Y8c断面図である。
【図9】図8bのY9−Y9断面図である。
【図10】本発明の第6実施例の側面図である。
【図11】本発明の効果を説明するグラフである。
【図12】本発明の効果を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図1,2,3において、ケーシング本体10は外形が正面視で横長矩形、側面視で矩形、平面視で横長矩形をなした鋼のブロック状のものである。そして、後記の円柱状の回動棒2がその中心軸線周りに回動できるよう案内するように、円筒形の回動棒孔15が左右方向に延びる軸線上に、上下に2本が並列する。
【0015】
ケーシング本体10には、その一方外面(前面)からに回動棒孔15を連通して他方外面(前面)に開口するように、入口主通路11と出口主通路12が設けられる。そして、これらが各々次記2個の可動通路2aと通じるよう入口連通路13と出口連通路14が設けられる。
【0016】
前記回動棒孔15には、軸方向に対して並列した2本の回動棒2,2が回動自在に挿入される。各々の回動棒は可動通路2aを外円周面に持つ。可動通路は軸線に同心の直円筒孔となり、一方が大径部2bで開口し、他方がテーパ段部を介して縮径部2cとなり、この底から軸線に沿い、かつ、半径方向に曲がる出口2eが設けられる。大径部の近くに半径方向に貫通する入口2dが設けられる。これらの入口2dと出口2eは各々、入口連通路13と出口連通路14に通じる。
【0017】
このようにして、前記ケーシング本体に設けられた入口主通路11および出口主通路12は、入口連通路13および出口連通路14を介して前記可動通路2に連通するように、前記回動棒孔15の軸方向で隔置されたものとなる。また、前記回動棒2の可動通路2aは前記入口主通路11および出口主通路12に連通するように、入口2dと出口2eはそれぞれ軸方向に隔置されて該棒のほぼ軸線上断面で方向転換するものとなる。
【0018】
前記回動棒2の可動通路2b内には、同軸に濾過手段20が挿入される。濾過手段は有底濾過筒からなり、次のように構成される。補強多孔筒21は直円筒を呈して回動棒2と同心となり、その外周に(または内周、中間)に円筒スクリーン22が装着される。補強多孔筒の一端にネジで取り付けられた底部材23は、外側中央が外側に凸となっている。補強多孔筒21の他端は、ネジで縮径部2bに取り付けられる。これにより、円筒スクリーン22と可動通路の大径部2bの内面との間には間隔が保たれ、この間隔と補強多孔筒21の内側には、濾過室が構成される。
【0019】
回動棒2の一端に回動駆動軸3が結合される。回動棒の他端で可動通路の開口端には、蓋4のフランジ部がケーシング本体にボルトで固定される。蓋の中心部は可動通路内に突入し、後記逆洗時に使われる排出孔4aが設けられる。
【0020】
以上において、作動状態を説明する。
通常運転時には、ケーシング10の入口主通路11より入った流体は2つの入口連通路13に分かれて、可動通路の入口2dより濾過室に入り、スクリーン22を通り、濾過筒2の円周に開けられた孔より濾過筒内を通り、可動通路の出口2eを経てケーシング出口主通路12を通り次の機器に入る。この間にスクリーン22で流体の不純物が濾過される。
【0021】
スクリーン22の交換時には、 片側(上側)のスクリーンが目詰まりをすると、上側回棒が図2の矢印の方向に約45度回転すると、ケーシング入口連通路13と可動通路2aとが不通となる。また、出口連通路14と可動通路出口2eとが不通となる。従って、濾過室の流体の出入口が止まるため、スクリーン濾過筒20が蓋4を取り外して機外に取り出されて、新しいスクリーン濾過筒と交換できる。
【0022】
図4は他の実施例を示し、スクリーン22の逆洗浄が可能としたものである。
前記ではケーシング入口11とそれに対応する可動通路入口2dの面積に対して、ケーシング出口12とそれに対応する可動通路出口2eの面積は同一であるが、これを同一でなく異なるようにするのである。即ち、図4は、図2の中心部に対応したものの拡大図である。スクリーンの逆洗浄を行うには、入口連通路13を出口連通路14より小さくすればよい。即ち入口連通路13の直径Φd、出口連通路14の直径をΦDとすれば、ΦD>Φdとする。
【0023】
即ち、ΦD>Φdの場合、図4において、XがX´になり、通路は閉となるが、YはY´になっても通路は閉とならず、隙間δがある。ここから出口側の流体が出口連通路14より可動通路2aを通り、濾過筒内室を通り孔の内側より出口側圧力により押し出される。これにより、片側スクリーンの内側より表面に付着した不純物を流体と共に洗い出し、蓋4の排出孔4aより機外に排出する。排出が終われば回動棒2を逆に回して元の状態に戻る。
【0024】
図5は第3実施例を示し、回動棒2の両端に回転駆動軸を設けたものである。回動棒2は大径部に相当した部分2b1と、段を介した小径部分2c1がその外側で段2c2を介して軸方向に分割され、蓋4はフランジ部41と中心部42とが分離されている。そして、中心部が回動棒の大径部2b1にネジで結合され、中心部に設けられた第2駆動軸3aが蓋を回転自在に貫通し、その先に第2回転ハンドル5aが取り付けられる。段を介した小径部2c1の内側に濾過筒20(21)がネジで取り付けられる。その他の部分は図3と同様である。
【0025】
このように、回動棒2は大径部に相当した部分と、段を介した小径部分が軸方向に分割されたことのより、各部分の回転力が小さくなり、それだけ操作が楽である。また、入口、出口の通路の開度調節を独立して行なうことにより、流量、圧力等のコントロールが容易となる。
【0026】
図6は、前記有底濾過筒20として多数の濾過孔を持つ筒体からなるものである。筒体は円盤ホルダ6の貫通孔に嵌まり固定される。ホルダ6が回動棒2の可動通路2aの出口側にネジで取り付けられる。
【0027】
図7は、前記濾過手段として多孔板とスクリーンとしたものである。可動通路は軸線に同心の直円筒孔となり、一方が大径部2bで開口し、他方が円周溝を介してテーパ縮径部となり、この底から軸線に沿い、かつ、半径方向に曲がる出口2eが設けられる。前記回動棒軸2の可動通路2b内には、同軸に濾過手段が挿入される。濾過手段は多孔板とスクリーンからなり、次のように構成される。円筒ガイド4cの一端に円形多孔板4aとスクリーン4bが固定され、ガイド4cの他端しはネジで円周溝内に取り付けられる。
【0028】
図8,9は、入口連通路13および出口連通路14を各々、回動棒孔間をつなぐ直径上に延びる直線状とし、入口主通路11と入口連通路13および出口主通路12と出口連通路14との各々の交差点に、各々入口三方切り替え弁30および出口三方切り替え弁40を設けたものである。入口連通路13および出口連通路14を各々、回動棒孔間をつなぐ直径上に延びる直線状としたことにより、ケーシングの縦長さ(奥行き)が短縮される。弁棒は細くでき、小さな力で操作できる。
【0029】
前記切換弁30,40において、円柱弁棒30a,40aの先端付近にT字型の流路30b,40bを持ち、弁棒の末端から操作棒30,40cがケーシングの外側に延び、その先端にハンドル30d,40dが設けられる。弁棒の末端付近にはパッキン30e,40eが設けられてケーシングの穴との液密が保たれる。
【0030】
以上において、作動状態を説明する。通常運転時には、ケーシング10の主入口11より入った流体は2つの連通路13に分かれ、濾過室に入り、スクリーン付き濾過筒20の穴より入り、濾過筒出口を経てケーシング出口12より排出される。不純物を含んだ流体はスクリーン22で濾過される。
【0031】
スクリーン逆洗時には、図8の下のスクリーンが目詰りした場合は、入口切り替え弁30を左90度(図8b)回すと、下側の濾過室の流体の流れは止まる。このとき、ケーシング出口側の圧力によりの流体は、連通路14(図8c)より逆に下の多孔筒21の内側に入り、スクリーン22の裏面より流入してスクリーンに付いた不純物を流体と共にはがして、排出孔4aより排出される。このとき流体は全て上側の濾過室を通り出口12より流出するので、運転に支障はない。今度は、入口切り替え弁30を右90度(図8b)回すと、上側の濾過室の流体の流れは止まり、同様にして上側の濾過筒が逆洗される。
【0032】
スクリーン交換時には、下のスクリーンを交換する場合、入口切り替え弁30を左90度(図8b)、出口弁40を右90度(図8c)回すと、下の濾過室の流体が遮断され、蓋4を外して濾過筒20を取り出し、新品と交換する。上のスクリーンを交換する場合、前記切り替え弁を逆90度に回す。出口切り替え弁40がない場合は、成形ライン全体を停止して行う。
【0033】
図10は、回動棒の3本が並列したものである。
図11,12は、本発明による効果を説明するグラフである。図11は本発明のもの(図3の有底濾過筒20)と、従来技術(背景技術に記載)のもの(本発明と同様の有底濾過筒)の、回動棒の径の違いを示し、横軸がスクリーン面積、縦軸が直径である。図12は前記回動棒の径の違いによる機械重量の差を示し、横軸がスクリーン面積、縦軸が重量である。これらから、構造の違いにより回動棒の径が小さくなり、機械全体がコンパクトで、軽量となり、コストも少なくなることが分かる。
【0034】
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は流体用スクリーンチェンジャーに利用される。
【符号の説明】
【0036】
10 ケーシング本体
11 入口主通路
12 出口主通路
13 入口連通路
14 出口連通路
15 回動棒孔
20 濾過手段
21 補強多孔筒
22 スクリーン
23 底部材
2 回動棒
2a 可動通路
2b 大径部
2c 縮径部
2d 入口
2e 出口
3 回動駆動軸
4 蓋
4a 排出孔
5 ハンドル
5a 第2ハンドル
6 ホルダ
【技術分野】
【0001】
本発明は流体用スクリーンチェンジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として下記の特許文献1に示すものがあった。即ち、 円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した2本の回動棒と、該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸とを持つ。そして、前記回動棒に設けられた可動通路は、該棒のほぼ直径を通る直線上に貫通し、その中に同軸に濾過手段が挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3806767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこの技術では、前記回動棒に設けられた可動通路は、該棒のほぼ直径を通る直線上に貫通し、その中に同軸に濾過手段が挿入されている。 従って、通路の直径と軸方向長さは棒の直径に規制される。つまり、通路容積は原理的に棒の直径の制限を受ける。従って、この中に収容する濾過手段の大きさ、即ち、濾過面積が棒の直径で厳しく制限を受けてしまう。このため、必要な濾過面積を得るためには、棒の直径を大とせねばならず、勢いケーシングを含む装置全体の大きさ、重量の増大を甘受せざるを得なかった。
【0005】
本発明は上記問題を解決し、濾過面積の減少を招くことなく、小型化,軽量化を可能とした流体用スクリーンチェンジャーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題解決手段の第1は、円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒と、該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸と、前記回動棒と同軸に挿入された濾過手段と、前記ケーシング本体に設けられ、前記可動通路に入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含むことである。
【0007】
本発明の課題解決手段の第2は第1手段に加え、前記回動棒の可動通路は前記入口主通路および出口主通路に連通するように、入口と出口がそれぞれ軸方向に隔離され、該棒のほぼ軸線上断面で方向転換することである。
【0008】
本発明の課題解決手段の第3は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は有底濾過筒からなり、補強多孔筒と、その外周または内周または中間に張られたスクリーンとを含むことである。
【0009】
本発明の課題解決手段の第4は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は多孔板とスクリーンを含むことである。
【0010】
本発明の課題解決手段の第5は第1手段または第2手段に加え、前記濾過手段は多数の濾過孔を持つ筒体からなることである。
【0011】
本発明の課題解決手段の第6は前記いずれか1の手段に加え、ケーシング入口とそれに対応する可動通路入口の面積に対して、ケーシング出口とそれに対応する可動通路出口の面積は同一または異なることである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、流体用スクリーンチェンジャーが濾過面積の減少を招くことなく、小型化と軽量化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】図1のY2−Y2断面図である。
【図3】図2のX3−X3断面図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施例の図3に対応した断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の図3に対応した断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の図3に対応した断面図である。
【図8a】本発明の第5実施例の正面図である。
【図8b】図8aのY8b−Y8b断面図である。
【図8c】図8aのY8c−Y8c断面図である。
【図9】図8bのY9−Y9断面図である。
【図10】本発明の第6実施例の側面図である。
【図11】本発明の効果を説明するグラフである。
【図12】本発明の効果を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図1,2,3において、ケーシング本体10は外形が正面視で横長矩形、側面視で矩形、平面視で横長矩形をなした鋼のブロック状のものである。そして、後記の円柱状の回動棒2がその中心軸線周りに回動できるよう案内するように、円筒形の回動棒孔15が左右方向に延びる軸線上に、上下に2本が並列する。
【0015】
ケーシング本体10には、その一方外面(前面)からに回動棒孔15を連通して他方外面(前面)に開口するように、入口主通路11と出口主通路12が設けられる。そして、これらが各々次記2個の可動通路2aと通じるよう入口連通路13と出口連通路14が設けられる。
【0016】
前記回動棒孔15には、軸方向に対して並列した2本の回動棒2,2が回動自在に挿入される。各々の回動棒は可動通路2aを外円周面に持つ。可動通路は軸線に同心の直円筒孔となり、一方が大径部2bで開口し、他方がテーパ段部を介して縮径部2cとなり、この底から軸線に沿い、かつ、半径方向に曲がる出口2eが設けられる。大径部の近くに半径方向に貫通する入口2dが設けられる。これらの入口2dと出口2eは各々、入口連通路13と出口連通路14に通じる。
【0017】
このようにして、前記ケーシング本体に設けられた入口主通路11および出口主通路12は、入口連通路13および出口連通路14を介して前記可動通路2に連通するように、前記回動棒孔15の軸方向で隔置されたものとなる。また、前記回動棒2の可動通路2aは前記入口主通路11および出口主通路12に連通するように、入口2dと出口2eはそれぞれ軸方向に隔置されて該棒のほぼ軸線上断面で方向転換するものとなる。
【0018】
前記回動棒2の可動通路2b内には、同軸に濾過手段20が挿入される。濾過手段は有底濾過筒からなり、次のように構成される。補強多孔筒21は直円筒を呈して回動棒2と同心となり、その外周に(または内周、中間)に円筒スクリーン22が装着される。補強多孔筒の一端にネジで取り付けられた底部材23は、外側中央が外側に凸となっている。補強多孔筒21の他端は、ネジで縮径部2bに取り付けられる。これにより、円筒スクリーン22と可動通路の大径部2bの内面との間には間隔が保たれ、この間隔と補強多孔筒21の内側には、濾過室が構成される。
【0019】
回動棒2の一端に回動駆動軸3が結合される。回動棒の他端で可動通路の開口端には、蓋4のフランジ部がケーシング本体にボルトで固定される。蓋の中心部は可動通路内に突入し、後記逆洗時に使われる排出孔4aが設けられる。
【0020】
以上において、作動状態を説明する。
通常運転時には、ケーシング10の入口主通路11より入った流体は2つの入口連通路13に分かれて、可動通路の入口2dより濾過室に入り、スクリーン22を通り、濾過筒2の円周に開けられた孔より濾過筒内を通り、可動通路の出口2eを経てケーシング出口主通路12を通り次の機器に入る。この間にスクリーン22で流体の不純物が濾過される。
【0021】
スクリーン22の交換時には、 片側(上側)のスクリーンが目詰まりをすると、上側回棒が図2の矢印の方向に約45度回転すると、ケーシング入口連通路13と可動通路2aとが不通となる。また、出口連通路14と可動通路出口2eとが不通となる。従って、濾過室の流体の出入口が止まるため、スクリーン濾過筒20が蓋4を取り外して機外に取り出されて、新しいスクリーン濾過筒と交換できる。
【0022】
図4は他の実施例を示し、スクリーン22の逆洗浄が可能としたものである。
前記ではケーシング入口11とそれに対応する可動通路入口2dの面積に対して、ケーシング出口12とそれに対応する可動通路出口2eの面積は同一であるが、これを同一でなく異なるようにするのである。即ち、図4は、図2の中心部に対応したものの拡大図である。スクリーンの逆洗浄を行うには、入口連通路13を出口連通路14より小さくすればよい。即ち入口連通路13の直径Φd、出口連通路14の直径をΦDとすれば、ΦD>Φdとする。
【0023】
即ち、ΦD>Φdの場合、図4において、XがX´になり、通路は閉となるが、YはY´になっても通路は閉とならず、隙間δがある。ここから出口側の流体が出口連通路14より可動通路2aを通り、濾過筒内室を通り孔の内側より出口側圧力により押し出される。これにより、片側スクリーンの内側より表面に付着した不純物を流体と共に洗い出し、蓋4の排出孔4aより機外に排出する。排出が終われば回動棒2を逆に回して元の状態に戻る。
【0024】
図5は第3実施例を示し、回動棒2の両端に回転駆動軸を設けたものである。回動棒2は大径部に相当した部分2b1と、段を介した小径部分2c1がその外側で段2c2を介して軸方向に分割され、蓋4はフランジ部41と中心部42とが分離されている。そして、中心部が回動棒の大径部2b1にネジで結合され、中心部に設けられた第2駆動軸3aが蓋を回転自在に貫通し、その先に第2回転ハンドル5aが取り付けられる。段を介した小径部2c1の内側に濾過筒20(21)がネジで取り付けられる。その他の部分は図3と同様である。
【0025】
このように、回動棒2は大径部に相当した部分と、段を介した小径部分が軸方向に分割されたことのより、各部分の回転力が小さくなり、それだけ操作が楽である。また、入口、出口の通路の開度調節を独立して行なうことにより、流量、圧力等のコントロールが容易となる。
【0026】
図6は、前記有底濾過筒20として多数の濾過孔を持つ筒体からなるものである。筒体は円盤ホルダ6の貫通孔に嵌まり固定される。ホルダ6が回動棒2の可動通路2aの出口側にネジで取り付けられる。
【0027】
図7は、前記濾過手段として多孔板とスクリーンとしたものである。可動通路は軸線に同心の直円筒孔となり、一方が大径部2bで開口し、他方が円周溝を介してテーパ縮径部となり、この底から軸線に沿い、かつ、半径方向に曲がる出口2eが設けられる。前記回動棒軸2の可動通路2b内には、同軸に濾過手段が挿入される。濾過手段は多孔板とスクリーンからなり、次のように構成される。円筒ガイド4cの一端に円形多孔板4aとスクリーン4bが固定され、ガイド4cの他端しはネジで円周溝内に取り付けられる。
【0028】
図8,9は、入口連通路13および出口連通路14を各々、回動棒孔間をつなぐ直径上に延びる直線状とし、入口主通路11と入口連通路13および出口主通路12と出口連通路14との各々の交差点に、各々入口三方切り替え弁30および出口三方切り替え弁40を設けたものである。入口連通路13および出口連通路14を各々、回動棒孔間をつなぐ直径上に延びる直線状としたことにより、ケーシングの縦長さ(奥行き)が短縮される。弁棒は細くでき、小さな力で操作できる。
【0029】
前記切換弁30,40において、円柱弁棒30a,40aの先端付近にT字型の流路30b,40bを持ち、弁棒の末端から操作棒30,40cがケーシングの外側に延び、その先端にハンドル30d,40dが設けられる。弁棒の末端付近にはパッキン30e,40eが設けられてケーシングの穴との液密が保たれる。
【0030】
以上において、作動状態を説明する。通常運転時には、ケーシング10の主入口11より入った流体は2つの連通路13に分かれ、濾過室に入り、スクリーン付き濾過筒20の穴より入り、濾過筒出口を経てケーシング出口12より排出される。不純物を含んだ流体はスクリーン22で濾過される。
【0031】
スクリーン逆洗時には、図8の下のスクリーンが目詰りした場合は、入口切り替え弁30を左90度(図8b)回すと、下側の濾過室の流体の流れは止まる。このとき、ケーシング出口側の圧力によりの流体は、連通路14(図8c)より逆に下の多孔筒21の内側に入り、スクリーン22の裏面より流入してスクリーンに付いた不純物を流体と共にはがして、排出孔4aより排出される。このとき流体は全て上側の濾過室を通り出口12より流出するので、運転に支障はない。今度は、入口切り替え弁30を右90度(図8b)回すと、上側の濾過室の流体の流れは止まり、同様にして上側の濾過筒が逆洗される。
【0032】
スクリーン交換時には、下のスクリーンを交換する場合、入口切り替え弁30を左90度(図8b)、出口弁40を右90度(図8c)回すと、下の濾過室の流体が遮断され、蓋4を外して濾過筒20を取り出し、新品と交換する。上のスクリーンを交換する場合、前記切り替え弁を逆90度に回す。出口切り替え弁40がない場合は、成形ライン全体を停止して行う。
【0033】
図10は、回動棒の3本が並列したものである。
図11,12は、本発明による効果を説明するグラフである。図11は本発明のもの(図3の有底濾過筒20)と、従来技術(背景技術に記載)のもの(本発明と同様の有底濾過筒)の、回動棒の径の違いを示し、横軸がスクリーン面積、縦軸が直径である。図12は前記回動棒の径の違いによる機械重量の差を示し、横軸がスクリーン面積、縦軸が重量である。これらから、構造の違いにより回動棒の径が小さくなり、機械全体がコンパクトで、軽量となり、コストも少なくなることが分かる。
【0034】
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は流体用スクリーンチェンジャーに利用される。
【符号の説明】
【0036】
10 ケーシング本体
11 入口主通路
12 出口主通路
13 入口連通路
14 出口連通路
15 回動棒孔
20 濾過手段
21 補強多孔筒
22 スクリーン
23 底部材
2 回動棒
2a 可動通路
2b 大径部
2c 縮径部
2d 入口
2e 出口
3 回動駆動軸
4 蓋
4a 排出孔
5 ハンドル
5a 第2ハンドル
6 ホルダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、
前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒と
該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸と、
前記回動棒と同軸に挿入された濾過手段と、
前記ケーシング本体に設けられ、前記可動通路に入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含む流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項2】
前記回動棒の可動通路は前記入口主通路および出口主通路に連通するように、入口と出口がそれぞれ軸方向に隔離され、該棒のほぼ軸線上断面で方向転換する請求項1記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項3】
前記濾過手段は有底濾過筒からなり、補強多孔筒と、その外周または内周または中間に張られたスクリーンとを含む請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項4】
前記濾過手段は多孔板とスクリーンを含む請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項5】
前記濾過手段は多数の濾過孔を持つ筒体からなる請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項6】
ケーシング入口とそれに対応する可動通路入口の面積に対して、ケーシング出口とそれに対応する可動通路出口の面積は同一または異なる前記いずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項1】
円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、
前記回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒と
該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸と、
前記回動棒と同軸に挿入された濾過手段と、
前記ケーシング本体に設けられ、前記可動通路に入口連通路および出口連通路を介して連通するように、前記回動棒孔の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含む流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項2】
前記回動棒の可動通路は前記入口主通路および出口主通路に連通するように、入口と出口がそれぞれ軸方向に隔離され、該棒のほぼ軸線上断面で方向転換する請求項1記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項3】
前記濾過手段は有底濾過筒からなり、補強多孔筒と、その外周または内周または中間に張られたスクリーンとを含む請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項4】
前記濾過手段は多孔板とスクリーンを含む請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項5】
前記濾過手段は多数の濾過孔を持つ筒体からなる請求項1または2のいずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【請求項6】
ケーシング入口とそれに対応する可動通路入口の面積に対して、ケーシング出口とそれに対応する可動通路出口の面積は同一または異なる前記いずれか1項記載の流体用スクリーンチェンジャー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−66527(P2012−66527A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214468(P2010−214468)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(501470463)有限会社ジーピーシ・ツチヤ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(501470463)有限会社ジーピーシ・ツチヤ (3)
【Fターム(参考)】
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