説明

流体配管系の開閉弁撤去工法と流体配管用フランジ蓋及び流体配管系の開閉弁取付け構造

【課題】流体管部の端部にフランジ接合されている開閉弁を能率良く撤去しながら撤去コストの低廉化を図る。
【解決手段】開閉弁内を通して流体管部内に挿入された閉塞手段の拡径操作により流路を遮断する工程、流体管部2から開閉弁を撤去する工程、流体管部2に、フランジ蓋Bのフランジ本体31を取付ける工程、フランジ本体31に作業用開閉弁42及び遮断作業ケースを取付け、遮断作業ケース内に、縮径状態の閉塞手段をフランジ本体31の栓装着口と作業用開閉弁42とを通して回収し、作業用開閉弁42から遮断作業ケースを撤去する工程、作業用開閉弁42に取付けた栓装着作業ケース43内の中栓33を作業用開閉弁42を通してフランジ本体31の栓装着口に装着する工程、フランジ蓋Bから作業用開閉弁42及び栓装着作業ケース43を撤去する工程を備えた流体配管系の開閉弁撤去工法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管の分岐管部や流体機器の接続管部等の流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を、流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法とこの工法に用いられる流体配管用フランジ蓋及び流体配管系の開閉弁取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
前記流体管部にフランジ接合されている開閉弁、例えば、前記流体管部の一例である水道管の分岐管部にフランジ接合されている仕切弁を撤去するにあたって、従来では、特許文献1に示すように、水道管に固定された支持フレームに、分岐管部の管軸芯方向に相対移動並びに相対回動自在に嵌合された内外二重構造の操作軸のうち、外側操作軸の外周面に形成した雄ネジ部に螺合するネジ筒を回転自在に取付け、前記外側操作軸の先端部に脱着可能に取付けられた分岐管部内に挿入可能な受け板に、分岐管部内において前記受け板との間で環状のシール材を分岐管部の流路を遮断可能な状態にまで拡径変形させる押圧部材を保持させるべく、前記押圧部材に挿通した連結ネジ軸を螺合するとともに、前記内側操作軸の先端には、連結ネジ軸の被回転操作部に対して管軸芯方向から係合離脱自在で、且つ、前記連結ネジ軸の被回転操作部に係合した状態での回転操作による連結ネジ軸の螺進に連れて前記押圧部材を受け板側に近接移動させる回転操作部を形成して構成される撤去装置が用いられている。
【0003】
また、前記受け板と押圧部材及びシール材とをもって、前記仕切弁内を通して分岐管部内に挿入可能な縮径状態と分岐管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段が構成されているとともに、前記外側操作軸には、仕切弁の下流側の連結フランジに水密状態で着脱自在に連結可能で、且つ、仕切弁の下流側の流路とで前記閉塞手段を収納するための収納空間を形成する遮断作業ケースが取付けられている。
【0004】
そして、従来の撤去工法では、前記仕切弁の下流側の連結フランジに遮断作業ケースを取付け、前記支持フレームに回転自在に保持されているネジ筒に設けられた操作ハンドルを回転操作して、前記外側操作軸を仕切弁内を通して分岐管部側に送り込み、前記閉塞手段を構成する受け板と押圧部材及びシール材とを分岐管部内に送り込む。
【0005】
次に、前記外側操作軸を回転不能に支持した状態で内側操作軸を回転操作し、連結ネジ軸の螺進に伴う押圧部材の受け板側への近接移動により、前記シール材を拡径変形させて分岐管部の流路を遮断したのち、前記分岐管部の連結フランジから仕切弁を撤去する。
【0006】
前記分岐管部の連結フランジに、前記外側操作軸に外装した二分割構造の仮固定板を取付け、前記受け板及び連結ネジ軸から両操作軸を取り外したのち、前記仮固定板の挿通孔にキャップを嵌着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−340275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の開閉弁撤去工法では、前記仕切弁内を通して分岐管部内に挿入可能な縮径状態と分岐管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段を、拡径状態に切り替えた状態で分岐管部内に遮断部材として残置するため、撤去コストが高騰化するとともに、前記連結ネジ軸が振動等で緩みが発生すると、前記押圧部材の押圧力が低下してシール機能が低下する虞がある。
【0009】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、第1の主たる課題は、流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を能率良く撤去しながら撤去コストの低廉化を図ることのできる流体配管系の開閉弁撤去工法を提供する点にあり、第2の主たる課題は、流体配管系の開閉弁撤去工法に好適な流体配管用フランジ蓋を提供する点にあり、さらに、第3の主たる課題は、流体配管系の開閉弁撤去工法に好適な流体配管系の開閉弁取付け構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による第1の特徴構成は、流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を、流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁の下流側の連結フランジに、前記開閉弁内を通して流体管部内に挿入可能な縮径状態と流体管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段と当該閉塞手段を収納する遮断作業ケースとを備えた流路遮断装置の前記遮断作業ケースを取付け、開弁操作された開閉弁内を通して流体管部内に縮径状態の閉塞手段を挿入し、この閉塞手段を拡径状態に切り替え操作して流体管部の流路を遮断する工程、
前記閉塞手段を拡径状態に維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記流体管部の連結フランジに、当該流体管部の流路に連通する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と、当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体を取付ける工程、
前記フランジ本体に作業用開閉弁を介して前記流路遮断装置の遮断作業ケースを取付け、この遮断作業ケース内に、流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段をフランジ本体の栓装着口と開弁操作された作業用開閉弁とを通して回収したのち、前記作業用開閉弁を閉弁操作して当該作業用開閉弁から流路遮断装置の閉塞手段及び遮断作業ケースを撤去する工程、
前記作業用開閉弁に、前記中栓を装着してある栓装着治具を備えた栓装着作業ケースを取付け、この栓装着作業ケース内の中栓を開弁操作された作業用開閉弁を通してフランジ本体側に送り込み、前記栓装着治具で中栓をフランジ本体の栓装着口に装着する工程、
前記フランジ蓋のフランジ本体から作業用開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去する工程、
を備えた点にある。
【0011】
上記構成によれば、前記閉塞手段による流体管部の流路遮断を維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去し、流体管部の連結フランジにフランジ蓋のフランジ本体と作業用開閉弁及び前記流路遮断装置の遮断作業ケースを順次取付け、流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段を、フランジ本体の栓装着口と開弁操作された作業用開閉弁とを通して遮断作業ケース内に回収することができる。
【0012】
しかも、前記閉塞手段による流路遮断時に前記フランジ蓋のフランジ本体を流体管部の連結フランジに先付けするが故に、このフランジ本体に取付けられた作業用開閉弁と栓装着作業ケースとで密封された空間内において、栓装着作業ケースに装備された栓装着治具を操作して、当該栓装着治具に装着された中栓を、流路遮断装置の閉塞手段の回収通路として使用されたフランジ本体の栓装着口に確実に装着することができる。
【0013】
したがって、縮径状態と拡径状態とに切り替え可能な高機能の閉塞手段を回収して、次の工事に転用することができるとともに、フランジ蓋を構成するフランジ本体を流体管部の連結フランジに先付けすることによって、フランジ本体の栓装着口に対する密封処理も簡単、確実に行うことができ、流体管部にフランジ接合されている開閉弁の撤去作業及びそれに伴う流体管部の端部閉塞作業の容易化と能率化及び撤去コストの低廉化とを図ることができる。
【0014】
本発明による第2の特徴構成は、流体管部の連結フランジと開閉弁の上流側の連結フランジとの間に、流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体が予め組付けられている流体配管系において、前記開閉弁を流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁に、前記中栓を装着してある栓装着治具を備えた栓装着作業ケースを取付け、この栓装着作業ケース内の中栓を開弁操作された開閉弁を通してフランジ本体側に送り込み、前記栓装着治具で中栓をフランジ本体の栓装着口に装着する工程、
前記フランジ蓋のフランジ本体から開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去する工程、
を備えた点にある。
【0015】
上記構成によれば、例えば、流体管部に開閉弁を新設する際に、流体管部の連結フランジと開閉弁の連結フランジとの間に流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体が予め組付けられているから、開閉弁に取付けられた栓装着作業ケースの栓装着治具を操作して、当該栓装着治具に装着された中栓を開閉弁を通して送り込んでフランジ本体の栓装着口に装着するだけで、流体管部の流路を確実、簡単に遮断することができ、開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去するまでの作業時間の短縮化を図ることができる。
【0016】
したがって、開閉弁を通して流体管部内に挿入可能な閉塞手段を備えた高機能の流路遮断装置及び作業用開閉弁を用いる必要がなく、しかも、これに伴って流路遮断装置の遮断作業ケースの脱着作業工程や作業用開閉弁の脱着作業工程が不要になるとともに、フランジ本体の栓装着口の密封処理も簡単、確実に行うことができるため、流体管部にフランジ接合されている開閉弁の撤去作業及びそれに伴う流体管部の端部閉塞作業の容易化と能率化及び撤去コストの低廉化とを図ることができる。
【0017】
本発明による第3の特徴構成は、前記弁撤去後のフランジ蓋のフランジ本体に、前記中栓の離脱を阻止する押え蓋を取付ける工程が設けられている点にある。
【0018】
上記構成によれば、前記フランジ本体の栓装着口に装着された中栓の離脱移動を押え蓋にて接当阻止することができるので、振動等による中栓の緩みに起因する流体の漏洩を抑制することができる。
【0019】
本発明による第4の特徴構成は、前記フランジ本体の栓装着口の内周面には、前記中栓の外周面に突出形成された係止部が管軸芯方向から係脱自在な脱着通路と、この脱着通路の係入位置に前記係止部が位置する状態での中栓の回転操作によって前記係止部の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する係止通路とが連通形成されているとともに、前記中栓の係止部がフランジ本体の係止通路に位置するとき、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が設けられている点にある。
【0020】
上記構成によれば、前記フランジ本体の栓装着口に中栓を装着するとき、フランジ本体の栓装着口の内周面に形成されている脱着通路に対して中栓の係止部を管軸方向から係入させ、この脱着通路の係入位置において中栓を回動操作すると、前記中栓の係止部が係止通路に係入し、当該中栓の管軸芯方向での抜け出し移動が接当阻止される。
【0021】
しかも、前記中栓の係止部が係止通路に係合した状態では、シール材によってフランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を確実に密封することができるとともに、前記中栓に作用する流体圧によって当該中栓が係止通路に係合維持される。
【0022】
したがって、前記中栓を管軸芯方向に押し込んで回転操作するだけで栓装着口を確実、良好に密封することができ、しかも、その良好な密封状態を流体圧を利用して維持することができるから、中栓の装着工程の能率化、容易化、確実化を図ることができる。
【0023】
本発明による第5の特徴構成は、前記フランジ本体の栓装着口の内周面に、前記中栓の外周面に形成された雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を形成するとともに、前記中栓の雄ネジ部がフランジ本体の雌ネジ部に螺合固定されたとき、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が設けられている点にある。
【0024】
上記構成によれば、前記フランジ本体の栓装着口に中栓を装着するにあたっては、フランジ本体の栓装着口の内周面に形成されている雌ネジ部に対して中栓の外周面に形成された雄ネジ部を管軸方向から螺合操作するだけで済み、中栓の装着工程の能率化、容易化を図ることができる。しかも、前記中栓が螺合固定された状態では、シール材によってフランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を確実に密封することができる。
【0025】
本発明による第6の特徴構成は、流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を、流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁の下流側の連結フランジに、前記開閉弁内を通して流体管部内に挿入可能な縮径状態と流体管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段と当該閉塞手段を収納する遮断作業ケースとを備えた流路遮断装置の前記遮断作業ケースを取付け、開弁操作された開閉弁内を通して流体管部内に縮径状態の閉塞手段を挿入し、この閉塞手段を拡径状態に切り替え操作して流体管部の流路を遮断する工程、
前記閉塞手段を拡径状態に維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記流体管部の連結フランジに、前記閉塞手段が縮径状態で通過可能な貫通口を形成してあるフランジ蓋を取付け、このフランジ蓋に前記流路遮断装置の遮断作業ケースを取付ける工程、
前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋との外周面に、これら両者の外周面側を密封する遮断作業カバーと、当該遮断作業カバーに収納可能で、且つ、前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋とを締付け固定する締結具の緩み操作に伴って前記両者間に流体圧で形成される隙間を通して流体管部の流路を遮断する薄板状の仕切板弁とを備えた遮断作業弁を取付ける工程、
前記流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段を、フランジ蓋の貫通口を通して流路遮断装置の遮断作業ケース内に回収したのち、前記遮断作業弁の仕切板弁を流路遮断位置に操作して流体管部の流路を遮断し、前記フランジ蓋から流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記フランジ蓋にこれの貫通口を密閉する密閉フランジ蓋を取付ける、又は、フランジ蓋の貫通口に当該貫通口を密封する中栓を装着したのち、前記流体管部の連結フランジ及びフランジ蓋から前記遮断作業弁の遮断作業カバーを撤去する工程、
を備えた点にある。
【0026】
上記構成によれば、前記閉塞手段による流体管部の流路遮断を維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去することができるとともに、流体管部の連結フランジとフランジ蓋との外周面に、これら両者の外周面側を密封する状態で流体管部の流路を遮断する遮断作業弁の遮断作業カバーを取付けるが故に、前記フランジ蓋に対して遮断作業ケースを直接取付けることができる。
【0027】
しかも、前記流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段を、フランジ蓋の貫通口を通して遮断作業ケース内に回収したのち、前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋とを締付け固定する締結具を緩み操作すると、その緩み操作に伴って前記両者間に流体圧で隙間が形成され、この隙間を通して遮断作業カバーに収納されていた薄板状の仕切板弁を流路遮断位置に押し込み操作することにより、前記フランジ蓋よりも上流側の流路を遮断することができる。
【0028】
それ故に、前記フランジ蓋に閉塞手段が通過可能な貫通口が形成されていても、この貫通口を簡単な構造の密閉フランジ蓋又は中栓で密封することができる。
【0029】
したがって、縮径状態と拡径状態とに切り替え可能な高機能の閉塞手段を回収して、次の工事に転用することができるとともに、前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋との間を通して流路を遮断する薄板状の仕切板弁を備えた遮断作業弁を用いることにより、フランジ蓋の貫通口の密封処理も簡単な構造で確実に行うことができ、流体管部にフランジ接合されている開閉弁の撤去作業及び流体管部の端部閉塞作業の能率化と撤去コストの低廉化を図ることができる。
【0030】
本発明による第7の特徴構成は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体配管系の開閉弁撤去工法に用いられる流体配管用フランジ蓋であって、前記流体管部の連結フランジに締結具で固定連結するための取付け部を備えたフランジ本体に、流体管部の流路に連通する栓装着口が貫通形成されているとともに、前記栓装着口の内周面には、当該栓装着口を密封する中栓の外周面に突出形成された係止部が管軸芯方向から係脱自在な脱着通路と、この脱着通路の係入位置に前記係止部が位置する状態での中栓の回転操作によって前記係止部の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する係止通路とが連通形成されているとともに、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が、前記フランジ本体又は中栓の少なくとも一方に設けられている点にある。
【0031】
上記構成によれば、前記フランジ本体の栓装着口に中栓を装着するとき、フランジ本体の栓装着口の内周面に形成されている脱着通路に対して中栓の係止部を管軸方向から係入させ、この係入位置において中栓を回転操作すると、前記中栓の係止部が係止通路に係入し、当該中栓の管軸芯方向での抜け出し移動が接当阻止される。
【0032】
しかも、前記中栓の係止部が係止通路に係合した状態では、シール材によってフランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を確実に密封することができるとともに、前記中栓に作用する流体圧によって当該中栓が係止通路に係合維持される。
【0033】
したがって、前記中栓を管軸芯方向に押し込んで回転操作するだけで装着することができるから、中栓の装着工程の能率化、容易化を図ることができる。
【0034】
本発明による第8の特徴構成は、請求項1,2,3又は5に記載の流体配管系の開閉弁撤去工法に用いられる流体配管用フランジ蓋であって、前記流体管部の連結フランジに締結具で固定連結するための取付け部を備えたフランジ本体に、流体管部の流路に連通する栓装着口が貫通形成されているとともに、前記栓装着口の内周面には、当該栓装着口を密封する中栓の外周面に形成された雄ネジ部が螺合する雌ネジ部が形成され、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が、前記フランジ本体又は中栓の少なくとも一方に設けられている点にある。
【0035】
上記構成によれば、前記フランジ本体の栓装着口に中栓を装着するにあたっては、フランジ本体の栓装着口の内周面に形成されている雌ネジ部に対して中栓の外周面に形成された雄ネジ部を管軸方向から螺合操作するだけで済み、中栓の装着工程の能率化、容易化を図ることができる。しかも、前記中栓が螺合固定された状態では、シール材によってフランジ本体の内周面と中栓の外周面との間を確実に密封することができる。
【0036】
本発明による第9の特徴構成は、流体配管系の開閉弁取付け構造であって、流体管部の連結フランジと開閉弁の連結フランジとの間に、流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体が組付けられている点にある。
【0037】
上記構成によれば、前記開閉弁の連結フランジと流体管部の連結フランジとの間に流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体が予め組付けられているから、前記開閉弁を撤去して流体管部の端部開口を密閉する必要が爾後に発生しても、前記開閉弁に、前記中栓を装着してある栓装着治具を備えた栓装着作業ケースを取付け、この栓装着作業ケース内の中栓を開弁操作された開閉弁を通してフランジ本体側に送り込み、前記栓装着治具で中栓をフランジ本体の栓装着口に装着することにより、流体管部の流路を確実、簡単に遮断することができ、流体管部側での流体輸送を維持しながらも開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去するまでの作業時間の短縮化を図ることができる。
【0038】
したがって、開閉弁を通して流体管部内に挿入可能な閉塞手段を備えた高機能の流路遮断装置及び作業用開閉弁を用いる必要がなく、しかも、これに伴って流路遮断装置の遮断作業ケースの脱着作業工程や作業用開閉弁の脱着作業工程が不要になるとともに、フランジ本体の栓装着口の密封処理も簡単、確実に行うことができるため、流体管部にフランジ接合されている開閉弁の撤去作業及びそれに伴う流体管部の端部閉塞作業の容易化と能率化及び撤去コストの低廉化とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態を示す施工前の流体配管系の管接続構造の側面図
【図2】流路遮断装置を取付けたときの一部切欠き側面図
【図3】分岐管の流路を遮断したときの一部切欠き側面図
【図4】第1・第2押え操作杆及び遮断作業ケースを撤去したときの一部切欠き側面図
【図5】フランジ蓋のフランジ本体及び作業用開閉弁を取付けるときの一部切欠き側面図
【図6】作業用開閉弁に遮断作業ケースを取付けたときの一部切欠き側面図
【図7】遮断作業ケース内に閉塞手段を回収したときの一部切欠き側面図
【図8】作業用開閉弁に栓装着作業ケースを取付けたときの一部切欠き側面図
【図9】フランジ本体に中栓を装着したときの一部切欠き側面図
【図10】フランジ蓋のフランジ本体の拡大平面図(a)と拡大断面図(b)
【図11】フランジ蓋の中栓の拡大平面図(a)と拡大正面図(b)及び拡大断面図(c)
【図12】中栓装着前の拡大断面図
【図13】中栓の係止部をフランジ本体の脱着通路に係入させたときの拡大平面図(a)と拡大断面図(b)
【図14】中栓の係止部をフランジ本体の係止通路に係入させたときの拡大平面図(a)と拡大断面図(b)
【図15】フランジ蓋から作業用開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去したときの一部切欠き側面図
【図16】フランジ蓋に押え蓋を取付けるときの一部切欠き側面図
【図17】フランジ蓋に押え蓋を取付けたときの一部切欠き側面図
【図18】本発明の第2実施形態を示すフランジ蓋のフランジ本体及び中栓の拡大断面図
【図19】分岐管にフランジ本体、作業用開閉弁、中間フランジ、遮断作業ケースを取付け、遮断作業ケース内に閉塞手段を回収したときの一部切欠き側面図
【図20】中間フランジに栓装着作業ケースを取付けたときの一部切欠き側面図
【図21】フランジ本体に中栓を装着し、フランジ蓋から作業用開閉弁、中間フランジ、栓装着作業ケースを撤去したときの一部切欠き側面図
【図22】フランジ蓋に押え蓋を取付けたときの一部切欠き側面図
【図23】本発明の第3実施形態を示し、分岐管にフランジ蓋のフランジ本体、遮断作業ケースを取付けるときの一部切欠き側面図
【図24】遮断作業ケース内に閉塞手段を回収し、遮断作業弁を装着したときの一部切欠き側面図
【図25】遮断作業弁の拡大平面図
【図26】遮断作業弁を閉弁操作したときの一部切欠き側面図
【図27】フランジ本体から遮断作業ケースを撤去したときの一部切欠き側面図
【図28】フランジ本体にフランジ蓋体を装着するときの一部切欠き側面図
【図29】フランジ蓋から遮断作業弁を撤去したときの一部切欠き側面図
【図30】本発明の第4実施形態を示す施工前の流体配管系の管接続構造の一部切欠き側面図
【図31】本発明の第5実施形態を示す施工前の流体配管系の管接続構造の一部切欠き側面図
【図32】分岐配管を撤去したときの一部切欠き側面図
【図33】仕切弁に栓装着作業ケースを取付けたときの一部切欠き側面図
【図34】フランジ本体に中栓を装着したときの一部切欠き側面図
【図35】フランジ蓋のフランジ本体の拡大断面図(a)と拡大正面図(b)
【図36】フランジ蓋の中栓の拡大断面図(a)と拡大正面図(b)
【図37】フランジ蓋から仕切弁及び栓装着作業ケースを撤去したときの一部切欠き側面図
【図38】フランジ蓋に密閉フランジ蓋を取付けたときの拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔第1実施形態〕
図1は流体配管系の途中の管接続構造を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に上方に一体的に突出形成された分岐管部(流体管部の一例)2の連結フランジ2Aに、開閉弁の一例である補修弁3の上流側端部に形成された連結フランジ部3Aが、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結されているとともに、前記補修弁3の下流側端部に形成された連結フランジ部3Bには、流体機器の一例である空気弁6の上流側端部に形成された連結フランジ6Aが、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結されている。
【0041】
前記水道管1内での上水(流体の一例)の輸送を維持した不断水状態のまま、水道管1の分岐管部2の連結フランジ2Aから既設の補修弁3及び空気弁6を撤去し、前記分岐管部2の端部開口を水密状態で封止(密閉)する工法を実施するにあたって、前記分岐管部2の流路を遮断する流路遮断装置Aと、分岐管部2の端部開口を水密状態で封止するフランジ蓋Bとを用いる。
【0042】
前記流路遮断装置Aとしては、種々の構造のものが存在するが、その一例を挙げると、図2に示すように、前記補修弁3の下流側連結フランジ3Bに、左右一対の取付けリング11及び排水バルブ12を備えた遮断作業ケース13の連結フランジ13Aが水密状態で脱着可能に固定連結されているとともに、前記遮断作業ケース13の天板部13Bには、この天板部13Bの中央部を水密(密封)状態で軸芯方向に摺動自在に貫通する筒状の第1操作軸14と、この第1操作軸14内を軸芯方向に摺動自在に貫通する第2操作軸15とが設けられている。
【0043】
前記第1操作軸14及び第2操作軸15の内端側には、分岐管部2内の流路を遮断するための閉塞手段A1と、この閉塞手段A1による遮蔽箇所よりも上流側の大径管壁部、つまり、水道管1における分岐管部2の流路開口周縁に対して係合可能な拡径姿勢に屈曲しながら張り出す係止リンク16,17対を備えた抜止め手段A2が設けられているとともに、前記閉塞手段A1及び抜止め手段A2を外部から両操作軸14,15を介して操作する操作手段A3が設けられている。
【0044】
前記閉塞手段A1は、前記第1操作軸14の内端部に外嵌固定された第1押圧部材18と、前記第2操作軸15の内端側に外嵌保持された第2押圧部材19と、前記第1押圧部材18の押圧面と第2押圧部材19の押圧面とによる軸芯方向からの挟圧により、径方向外方側に膨出して分岐管部2の分岐流路を遮断するゴム製の止水用弾性体20とから構成されている。
【0045】
前記抜止め手段A2の係止リンク16,17は、前記止水用弾性体20を圧縮する前の第1操作軸14に対する第2操作軸15の下流側(図6における上方側)への摺動ストロークに連動して、止水用弾性体20による流路遮断箇所よりも上流側の内周壁面、つまり、水道管1の分岐流路開口周縁に対して係合可能な拡径姿勢に屈曲しながら張り出して係合するように構成されている。
【0046】
前記操作手段A3を構成するに、前記第2操作軸15の上側ネジ部には、第1操作軸14の上端面に当接した状態での螺合操作に連れて第2操作軸15を第1操作軸14に対して軸線方向の外方側(上方側)に移動させる拡径操作ナット22が螺合されているとともに、前記第1操作軸14の上側軸部に脱着可能に嵌合保持されている第1押え操作杆23には、第2操作軸15の上端部に脱着可能に嵌合保持された第2押え操作杆24に対して係脱操作自在で、且つ、係合状態では水圧に抗して第1操作軸14に対する第2操作軸15の外方側への摺動を阻止する第1係止リング25と、前記遮断作業ケース13の天板部13Bに固着されたL型の一対の係止片26に対して係脱操作自在で、且つ、係合状態では水圧に抗して天板部13Bに対する第1操作軸14の外方側への摺動を阻止する第2係止リング27が設けられている。
【0047】
前記フランジ蓋Bを構成するに、図10〜図14に示すように、前記分岐管部2の連結フランジ2Aと同一又は略同一径の円環状に形成され、且つ、前記連結フランジ2Aに固定連結するための第2締結具29のボルト29Aに対する周方向複数個のネジ穴(取付け部の一例)30を備えたフランジ本体31には、前記流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた前記閉塞手段A1が通過可能で、且つ、流路の一部を構成する状態で分岐管部2の流路に連通される栓装着口32が貫通形成されているとともに、このフランジ本体31の栓装着口32の内周面31bには、当該栓装着口32を密封(止水)する中栓33の外周面33aの周方向二箇所に突出形成された係止部34が管軸芯方向から係脱自在な溝状の脱着通路35と、この脱着通路35の係入位置に前記係止部34が位置する状態での中栓33の回転操作によって前記係止部34の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する部分周溝状の係止通路36とがL字状に連通形成されている。
【0048】
さらに、前記中栓33の外周面33aの前半部には、分岐管部2側ほど小径となる装着ガイド用のテーパーガイド面33bが形成され、このテーパーガイド面33bと係止部34との間に位置する平行外周面部分には、前記フランジ本体31の内周面31bと中栓33の外周面33aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)37を装着するシール装着溝33cが形成されているとともに、前記中栓33の中心部には、栓装着治具Cの操作ロッド40の先端に形成された雄ネジ部40aと螺合連結するネジ穴38が形成されている。
【0049】
前記フランジ本体31の管軸芯方向両側面のうち、分岐管部2の連結フランジ2Aと接合される側面には、この連結フランジ2Aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)39を装着する円環状のシール装着溝31aが形成されている。
【0050】
次に、上述の如く構成された流路遮断装置A及びフランジ蓋Bを用いて不断水状態で補修弁3及び空気弁6を撤去し、且つ、分岐管部2の端部開口を水密状態で封止する工法について説明する。
〔1〕図2は、前記補修弁3のボール弁体3Cの操作レバー3Dを閉弁操作し、当該補修弁3の下流側連結フランジ部3Bに連結されている空気弁6を撤去したのち、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bに、前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の連結フランジ13Aを水密状態で固定連結する工程を示す。
【0051】
前記補修弁3に取付けられた流路遮断装置Aは、前記第1押え操作杆23の第1係止リング25が前記第2押え操作杆24に係合され、且つ、前記遮断作業ケース13内は閉塞手段A1及び抜止め手段A2が収納された状態に設定されている。
【0052】
〔2〕図3は、前記補修弁3の操作レバー3Dを開弁操作し、前記遮断作業ケース13の両取付けリング11と第1押え操作杆23の両端部との間にわたって送り込み手段の一例である二つの係止フックとワイヤーとを備えた手巻きウインチ(図示せず)を取付け、この手巻きウインチの巻取り操作により、前記閉塞手段A1を補修弁3のボール弁体3Cの流路を通して分岐管部2内の流路遮断位置に送り込み、第1押え操作杆23の両第2係止リング27を遮断作業ケース13の係止片26に係合保持する工程を示す。
【0053】
この状態で前記第1押え操作杆23の両第1係止リング25を第2押え操作杆24から取り外すと、前記第2操作軸15が水圧で第1操作軸14に対して軸線方向の外方側(図3の上方側)に移動し、前記抜止め手段A2の係止リンク16,17が少し拡径姿勢に屈曲し、更に、前記拡径操作ナット22を拡径側に螺合操作すると、前記第1操作軸14に対して第2操作軸15が外方側に強制的に摺動され、前記抜止め手段A2の係止リンク16,17が所定の係止姿勢に屈曲されたのち、前記第1押圧部材18に対する第2押圧部材19の近接移動に伴う挟圧作用により、非圧縮状態にある止水用弾性体20が分岐管部2の内周壁面に圧着される拡径状態に弾性変形し、分岐管部2内の流路が水密状態で遮断される。
【0054】
〔3〕図4は、前記第1操作軸14及び第2操作軸15から第1押え操作杆23と第2押え操作杆24及び遮断作業ケース13を撤去した工程を示す。
【0055】
このとき、前記抜止め手段A2の係止リンク16,17が所定係止姿勢に屈曲して水道管1の分岐流路開口周縁に係合しているため、前記閉塞手段A1及び抜止め手段A2に抜け出し側の水圧が作用しても、前記閉塞手段A1は分岐管部2内の流路遮断位置に確実に維持される。
【0056】
〔4〕図5は、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに、前記閉塞手段A1が縮径状態で通過可能で、且つ、密封用の中栓33を装着可能な栓装着口32を形成してあるフランジ蓋Bのフランジ本体31を第2締結具29のボルト29A・ナット29Bで固定連結するとともに、このフランジ本体31に、開弁操作状態にある作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aを、前記第1操作軸14に外装させた状態で前記第2締結具29のボルト29A・ナット29Bで共締め固定する工程を示す。
【0057】
具体的には、前記フランジ本体31の各ネジ孔30に第2締結具29のボルト29Aを螺合し、このボルト29Aの上流側である下半側ボルト部を分岐管部2の連結フランジ2Aに形成されているボルト挿通孔2aに挿入し、このボルト挿通孔2aから下方に突出するボルト29Aの下端部に螺合したナット29Bの締付け側への螺合操作により、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31とを固定連結する。
【0058】
また、前記ボルト29Aの下流側である上半側ボルト部を、作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aに形成されているボルト挿通孔42aに挿入し、このボルト挿通孔42aから上方に突出するボルト29Aの上端部に螺合したナット29Bの締付け側への螺合操作により、フランジ本体31と作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aとを固定連結する。
【0059】
このとき、前記フランジ本体31のシール装着溝31aに装着されたOリング39が分岐管部2の連結フランジ2Aに圧接され、当該連結フランジ2Aとフランジ本体31とが水密状態で固定連結される。
また、フランジ本体31と作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aとの対向面間には、シートパッキン等のシール材(図示せず)が介装されている。
【0060】
〔5〕図6、図7は、前記作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bに、前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の連結フランジ13Aを、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結し、前記分岐管部2内で縮径操作された閉塞手段A1及び抜止め手段A2を、フランジ本体31の栓装着口32と作業用開閉弁42内の流路を通して遮断作業ケース13内に回収する工程を示す。
【0061】
前記閉塞手段A1を縮径するにあたっては、前記操作手段A3の拡径操作ナット22を緩み操作すると、前記第1操作軸14と第2操作軸15との相対移動による第2押圧部材19と第1押圧部材18との離間移動に連れて、圧縮状態にあった止水用弾性体20が非圧縮状態に切り替えられるとともに、抜止め手段A2の係止リンク16,17が縮径した係止解除姿勢に切り替えられる。
【0062】
〔6〕図8、図9は、前記作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bから前記閉塞手段A1及び抜止め手段A2が回収された遮断作業ケース13を撤去したのち、前記作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bに、前記中栓33を装着してある栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結し、この栓装着作業ケース43内の中栓33を開弁操作された作業用開閉弁42を通してフランジ本体31側に送り込み、前記栓装着治具Cで中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する工程を示す。
【0063】
前記栓装着治具Cの操作ロッド40の雄ネジ部40aに螺合保持された中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着するにあたっては、図12〜図14に示すように、中栓33の外周面33aの周方向二箇所に突出形成された係止部34を、前記フランジ本体31における栓装着口32の内周面31bに形成されている脱着通路35に管軸芯方向から係入させ、この脱着通路35の係入位置に前記係止部34が位置する状態での中栓33を回転操作すると、前記中栓33の係止部34が前記脱着通路35にL字状に連通する係止通路36に移入し、この係止通路36の外面開口側に位置する壁部31Aと前記中栓33の係止部34との当接により、中栓33の管軸芯方向での抜け出し移動が阻止される。
【0064】
この状態では、前記中栓33の外周面33aのシール装着溝33cに装着されたOリング37が前記フランジ本体31の栓装着口32の内周面31bに圧接され、前記フランジ本体31の内周面31bと中栓33の外周面33aとの間が水密状態に維持される。
【0065】
前記操作ロッド40の雄ネジ部40aは、中栓33の係止部34が脱着通路35から係止通路36に係合移動する回転方向が緩み側(螺合解除側)に設定されているため、前記中栓33の係止部34が係止通路36の奥部に当接した状態でそのまま回転操作を続けると、前記操作ロッド40の雄ネジ部40aと中栓33のネジ穴38との螺合連結が解除される。
【0066】
〔7〕図15は、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに水密状態で固定連結されている前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から前記作業用開閉弁42及び栓装着作業ケース43を撤去する工程を示す。
つまり、前記締結具4のボルト4A・ナット4Bの螺合固定を解除して、前記作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bから栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを撤去したのち、第2締結具29のボルト29Aと下流側である上方側に位置するナット29Bとの螺合固定を解除して、フランジ本体31から作業用開閉弁42を撤去する。
【0067】
〔8〕図16、図17は、前記作業用開閉弁42及び栓装着作業ケース43が撤去されたフランジ蓋Bのフランジ本体31に、前記中栓33の離脱を接当阻止する押え蓋44を水密状態で取付ける工程を示す。
【0068】
この押え蓋44は、前記フランジ本体31と同一又は略同一径の円形状に形成されているとともに、前記フランジ本体31のネジ穴30に相対向する部位には、フランジ本体31から突出する第2締結具29のボルト29Aに対する挿通孔44aが形成されている。
【0069】
前記フランジ本体31に螺合されているボルト29Aの上半側ボルト部を押え蓋44の挿通孔44aに挿入し、この挿通孔44aから上方に突出するボルト29Aの上端部に螺合したナット29Bの締付け側への螺合操作により、フランジ本体31と押え蓋44とを固定連結する。
【0070】
尚、施工完了後において、新たな補修弁3及び新たな空気弁6を設置する必要が生じた場合には、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から押え蓋44を撤去し、このフランジ本体31に、閉弁状態にある新たな補修弁3の上流側の連結フランジ3Aを水密状態で固定連結する。
この新たな補修弁3の下流側の連結フランジ3Bに、前記栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを水密状態で固定連結(図15参照)し、開弁操作された補修弁3を通して栓装着治具Cの操作ロッド40をフランジ本体31側に送り込み、この操作ロッド40の雄ネジ部40aを、フランジ本体31の栓装着口32に装着されている中栓33のネジ穴38に螺合連結(図9参照)し、前記〔6〕で述べた中栓装着工程とは逆の手順で操作ロッド40を操作して、中栓33をフランジ本体31の栓装着口32から取り外し、操作ロッド40の先端に螺合連結されている中栓33を新たな補修弁3内の流路を通して栓装着作業ケース43内に回収(図8参照)する。
【0071】
閉弁操作された前記新たな補修弁3の下流側連結フランジ3Bから栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43を撤去し、新たな補修弁3の下流側連結フランジ3Bに新たな空気弁6を水密状態で固定連結(後述する第4実施形態の図30参照)する。
【0072】
上述の如く、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに新たな補修弁3及び新たな空気弁6を設置する必要が生じた場合でも、分岐管部2の連結フランジ2Aに水密状態で固定連結されているフランジ蓋Bのフランジ本体31に新たな補修弁3を水密状態で取付けた後、この新たな補修弁3を通して挿入した栓装着治具Cの操作ロッド40でフランジ本体31の栓装着口32に装着されている中栓33を撤去し、新たな補修弁3に新たな空気弁6を水密状態で固定連結するだけで済む。
【0073】
それ故に、新たな補修弁3を通して分岐管部2内に挿入可能な閉塞手段A1を備えた高機能の流路遮断装置A及び作業用開閉弁42を用いる必要がなく、しかも、これに伴って流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の脱着作業工程や作業用開閉弁42の脱着作業工程が不要になるため、分岐管部2にフランジ接合されているフランジ本体31に対する新たな補修弁3及び新たな空気弁6の設置作業の能率化と設置コストの低廉化を図ることができる。
【0074】
尚、第1実施形態の施工完了後において、新たな補修弁3及び新たな空気弁6を、フランジ蓋Bのフランジ本体31が撤去された分岐管部2の連結フランジ2Aに直接固定連結する必要が生じた場合には、図17〜図4に示す上述の〔7〕〜〔3〕の工程を逆の手順で行い、前記分岐管部2内の流路が流路遮断装置Aの閉塞手段A1で遮断されている状態において、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに、新たな補修弁3と前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13とを取付け、前記流路遮断装置Aの閉塞手段A1及び抜止め手段A2を遮断作業ケース13内に回収したのち、この遮断作業ケース13を撤去し、新たな補修弁3に新たな空気弁6を取付けることになる。
【0075】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記中栓33の係止部34を前記脱着通路35と係止通路36とのL字状係合通路に沿って係合操作することにより、中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に抜止め状態で装着したが、図18に示すように、中栓33をフランジ本体31の栓装着口32にネジで螺合装着するフランジ蓋Bを用いて実施してもよい。
【0076】
前記フランジ蓋Bを構成するに、前記分岐管部2の連結フランジ2Aと同一又は略同一径の円形状に形成され、かつ、連結フランジ2Aに固定連結するための第2締結具29のボルト29Aに対するネジ穴(取付け部の一例)30を備えたフランジ本体31には、前記流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた前記閉塞手段A1が通過可能で、且つ、流路の一部を構成する状態で分岐管部2の流路に連通される栓装着口32が貫通形成されているとともに、このフランジ本体31の栓装着口32の大径内周面31cには、当該栓装着口32を密封(止水)する中栓33の外周面33aに形成された雄ネジ部46が螺合する雌ネジ部47が形成されている。
【0077】
前記栓装着口32の大径内周面31cと小径内周面31dとの間に形成される環状段差面31eの入隅部位には、中栓33の外周面の先端側に形成されたテーパー面33dとの当接によって前記フランジ本体31の内周面と中栓33の外周面33aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)37を装着するとともに、前記中栓33の中心部には、栓装着治具Cの操作ロッド40の先端に形成された雄ネジ部40aと螺合連結するネジ穴38が形成されている。
【0078】
前記フランジ本体31の管軸芯方向両側面のうち、分岐管部2の連結フランジ2Aと接合される内側面には、この連結フランジ2Aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)39を装着するシール装着溝31aが形成されている。
【0079】
前記フランジ本体31の外側面には、当該フランジ本体31の栓装着口32に螺合装着された中栓33の離脱を接当阻止する押え蓋44をボルト4Aで取付けるための第2ネジ穴45が形成され、前記フランジ本体31におけるネジ穴30の外方側部位には、前記分岐管部2の内径及び栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の内径よりも大なる内径に構成された作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aをボルト4A・ナット4Bで締付け固定するためのボルト挿通孔48が形成されている。
【0080】
前記作業用開閉弁42の内径が前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13及び栓装着作業ケース43の内径よりも大に構成されているため、図19に示すように、作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bと遮断作業ケース13の連結フランジ13Aとの間に、作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bとボルト連結するためのボルト挿通孔49aと、遮断作業ケース13の連結フランジ13A(又は栓装着作業ケース43の連結フランジ43A)とボルト連結するための第3ネジ穴49b、及び、前記流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた前記閉塞手段A1が通過可能な貫通孔49cとを備えた取付け調整用の中間フランジ49を介装する。
【0081】
次に、上述の如く構成されたネジ式のフランジ蓋Bを用いて不断水状態で補修弁3及び空気弁6を撤去する工法について説明する。
但し、前記分岐管部2の流路を流路遮断装置Aの閉塞手段A1で遮断し、前記第1操作軸14及び第2操作軸15から第1押え操作杆23と第2押え操作杆24及び遮断作業ケース13を撤去する工程までは、上述の第1実施形態の図1〜図4に基づいて説明した工程と同一であるため、それ以降の工程について説明する。
【0082】
〔9〕図19は、前記流路遮断装置Aの閉塞手段A1で流路が遮断されている分岐管部2の連結フランジ2Aに、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31を水密状態でボルト29A・ナット29Bにて固定連結し、このフランジ本体31に、開弁操作状態にある作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aを水密状態でボルト4A・ナット4Bにて固定連結し、この作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bに、前記中間フランジ49を水密状態でボルト4A・ナット4Bにて固定連結し、この中間フランジ49に、前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の連結フランジ13Aを水密状態でボルト4Aにて固定連結したのち、前記分岐管部2内で縮径操作された閉塞手段A1及び抜止め手段A2を、作業用開閉弁42内の流路及び中間フランジ49の貫通孔49cを通して遮断作業ケース13内に回収する工程を示す。
【0083】
〔10〕図20は、閉弁操作された作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bに連結されている中間フランジ49から前記閉塞手段A1及び抜止め手段A2が回収された遮断作業ケース13を撤去したのち、前記中間フランジ49に、前記中栓33を装着してある栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを水密状態でボルト4Aにて固定連結し、この栓装着作業ケース43内の中栓33を開弁操作された作業用開閉弁42を通してフランジ本体31側に送り込み、前記栓装着治具Cで中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する工程を示す。
【0084】
前記栓装着治具Cの操作ロッド40の雄ネジ部40aに螺合保持された中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着するにあたっては、前記中栓33の先端がフランジ本体31の栓装着口32に当接した時点で操作ロッド40を螺合連結方向に回転操作することにより、中栓33の雄ネジ部46がフランジ本体31の栓装着口32の雌ネジ部47に螺合固定される。
【0085】
この状態では、前記栓装着口32の大径内周面31cと環状段差面31eとで形成される入隅部位に装着されたOリング37(図18参照)が、中栓33の外周面の先端側に形成されたテーパー面33dで圧接され、前記フランジ本体31の内周面と中栓33の外周面33aとの間が水密状態に維持される。
【0086】
前記操作ロッド40の雄ネジ部40aは、中栓33の雄ネジ部46がフランジ本体31の雌ネジ部47に螺合装着する回転方向が緩み側(螺合解除側)に設定されているため、前記中栓33のテーパー面33dがフランジ本体31の入隅部位に装着されたOリング37に圧接された水密状態でそのまま回転操作を続けると、前記操作ロッド40の雄ネジ部40aと中栓33のネジ穴38との螺合連結が解除される。
【0087】
〔11〕図21は、前記中間フランジ49と栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aとの固定連結を解除し、作業用開閉弁42の下流側連結フランジ42Bと中間フランジ49との固定連結を解除し、さらに、フランジ本体31と作業用開閉弁42の上流側連結フランジ42Aとの固定連結を解除して、分岐管部2の連結フランジ2Aに水密状態で固定連結されているフランジ蓋Bのフランジ本体31から前記作業用開閉弁42、中間フランジ49及び栓装着作業ケース43を撤去する工程を示す。
【0088】
〔12〕図22は、前記作業用開閉弁42及び栓装着作業ケース43が撤去されたフランジ蓋Bのフランジ本体31に、前記中栓33の離脱を接当阻止する押え蓋44を水密状態でボルト4Aにて取付ける工程を示す。
【0089】
この押え蓋44は、前記フランジ本体31の小径筒部と同一又は略同一径の円形板状に形成されているとともに、前記フランジ本体31の第2ネジ穴45に相対向する部位には、ボルト4Aに対する挿通孔44aが形成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0090】
〔第3実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記分岐管部2の流路を流路遮断装置Aの閉塞手段A1で遮断し、前記第1操作軸14及び第2操作軸15から第1押え操作杆23と第2押え操作杆24及び遮断作業ケース13を撤去する工程(図4参照)後において、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに、フランジ蓋Bのフランジ本体31を介して作業用開閉弁42を取付けた(図5、図6参照)が、この作業用開閉弁42の代わりに、図23〜図29に示すように、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bとの外周面側を密封する遮断作業カバー51と、当該遮断作業カバー51内に収納可能で、且つ、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bとを締付け固定する第2締結具29の緩み操作に伴って前記両者2A,B間に水圧で形成される隙間を通して分岐管部2の流路を遮断する薄板状の仕切板弁52とを備えた遮断作業弁Dを用いて実施してもよい。
【0091】
前記遮断作業弁Dとしては、種々の構造のものが存在するが、その一例を挙げると、図24、図25に示すように、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31に対して、それらの外周を水密に密封する状態で脱着自在に装着可能な遮断作業カバー51と、第2締結具29のボルト29A・ナット29Bの緩み操作によって発生した両者2A,31の接合面間の隙間を通して分岐管部2の流路遮断位置にまで差込み移動自在な薄板状の仕切板弁52と、この仕切板弁52を密封状態で流路遮断位置と流路開放操作位置とに摺動操作する弁操作手段53とが主要構成として備えられているとともに、前記遮断作業カバー51の周方向三箇所には、第2締結具29のボルト29A・ナット29Bの緩み操作代の範囲内で連結フランジ2Aとフランジ蓋Bとの接合面間を機械力で強制的に押し広げる隙間形成手段54が設けられている。
【0092】
前記遮断作業カバー51は、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31との外周面に対して径方向外方から圧接可能な弾性シール材51Aと、この弾性シール材51Aを径方向外方から締付け固定する二分割構造の締付け輪51Bと、前記仕切板弁52の大部分を収納可能な収納空間を備えた弁ケース51Cとから構成されている。
【0093】
前記締付け輪51Bは、弾性シール材51Aの分岐軸芯方向幅よりも大きな分岐軸芯方向幅に構成された略半円弧状の一対の締付け分割輪51aと、各締付け分割輪51aの周方向両端部に固着された連結片51bのうち、仕切板弁52の抜き差し方向で相対向する連結片51b同士を引寄せ固定するボルト51d・ナット51eから構成されている。
前記ボルト51d・ナット51eが設定トルクで締め付け操作されている状態では、前記第2締結具29のボルト29Aがフランジ本体31の各ネジ孔30に螺合されているため、第2締結具29の上流側に位置するナット29Bの緩み操作に連れて分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31との水圧による相対離脱移動を許容する状態で、弾性シール材51Aが連結フランジ2Aの外周面とフランジ本体31の外周面に設定圧接力で密封圧接されるように構成されている。
【0094】
また、前記締付け輪51Bの周方向の三箇所には、前記隙間形成手段54の構成部材で、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31との接合面間を押し広げるためのテーパー面を備えた分離ボルト54Aが径方向外方から螺合するネジ筒体54Bが固着されている。
【0095】
前記弁操作手段53は、仕切板弁52の後端の中央位置に固着され、且つ、弁ケース51Cから水密状態で摺動自在に突出する開閉操作軸53Aと、この開閉操作軸53Aの後端部に螺合固定された操作ハンドル53Bとから構成されている。
【0096】
前記フランジ蓋Bを構成するに、前記分岐管部2の連結フランジ2Aと同一又は略同一径の円形状に形成され、かつ、連結フランジ2Aに固定連結するための第2締結具29のボルト29Aに対するネジ穴(取付け部の一例)30を備えたフランジ本体31には、前記流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた前記閉塞手段A1が通過可能で、且つ、分岐管部2の流路に連通される貫通口55が形成されているとともに、このフランジ本体31の貫通口55を水密状態で密封するフランジ蓋体56が設けられている。
【0097】
前記フランジ蓋体56は、図28、図29に示すように、フランジ本体31と同一又は略同一径の円形状に形成され、且つ、フランジ本体31のネジ穴30に対応する部位に第2締結具29のボルト29Aに対する挿通孔56aが形成されているとともに、前記フランジ本体31に接合される側面には、このフランジ本体31との間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)57を装着するシール装着溝56bが形成されている。
【0098】
次に、上述の如く構成された遮断作業弁D及びフランジ蓋Bを用いて不断水状態で補修弁3及び空気弁6を撤去する工法について説明する。
但し、前記分岐管部2の流路を流路遮断装置Aの閉塞手段A1で遮断し、前記第1操作軸14及び第2操作軸15から第1押え操作杆23と第2押え操作杆24及び遮断作業ケース13を撤去する工程までは、上述の第1実施形態の図1〜図4に基づいて説明した工程と同一であるため、それ以降の工程について説明する。
【0099】
〔13〕図23は、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31を水密状態でボルト29A・ナット29Bにて固定連結し、このフランジ本体31に、前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の連結フランジ13Aを水密状態でボルト29A・ナット29Bにて固定連結する工程を示す。
【0100】
〔14〕図24、図25は、前記分岐管部2内で縮径操作された閉塞手段A1及び抜止め手段A2を、フランジ本体31の貫通口55を通して遮断作業ケース13内に回収するとともに、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ本体31との外周面に、遮断作業弁Dの遮断作業カバー51を構成する一対の締付け分割輪51aを、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ本体31との外周を密封する水密状態でボルト51d・ナット51eにて取付ける工程を示す。
【0101】
〔15〕図26は、前記第2締結具29の上流側(図では下方側)のナット29Bを緩み操作し、この緩み操作に伴って連結フランジ2Aとフランジ本体31との間に水圧で隙間を現出し、この隙間を通して仕切板弁52を流路遮断位置にまで送り込み、この状態で第2締結具29の上流側のナット29Bを水密状態にまで締付け操作し、連結フランジ2Aとフランジ本体31との間で水密に挾持固定された仕切板弁52で分岐管部2の流路を遮断する工程を示す。
【0102】
〔16〕図27は、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31との間が仕切板弁52で遮断されている状態において、第2締結具29の下流側(図では上方側)のナット29Bを固定解除操作して、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13を撤去する工程を示す。
【0103】
〔17〕図28は、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31に、これの貫通口55を水密状態で密封するフランジ蓋体56を第2締結具29のボルト29A・ナット29Bで固定連結する工程を示す。
【0104】
〔18〕図29は、前記第2締結具29の上流側のナット29Bを再び緩み操作して、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31との間に水圧で前記隙間を現出し、流路遮断位置にある仕切板弁52を遮断作業カバー51の弁ケース51C内に格納し、第2締結具29の上流側のナット29Bを再び締付け操作して、分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31とを水密状態で固定連結したのち、前記分岐管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bのフランジ本体31とから遮断作業弁Dの遮断作業カバー51を撤去する。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0105】
また、当該第3実施形態では、前記フランジ蓋Bを、流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた閉塞手段A1が通過可能で、且つ、分岐管部2の流路に連通される貫通口55を備えたフランジ本体31と、前記貫通口55を水密に密封する状態でフランジ本体31に固定連結されるフランジ蓋体56とから構成したが、このフランジ蓋Bを、第1実施形態で説明したフランジ蓋B、つまり、流路遮断装置Aの縮径状態に切り替えられた閉塞手段A1が通過可能で、且つ、分岐管部2の流路に連通される栓装着口32を貫通形成してあるフランジ本体31と、このフランジ本体31の栓装着口32を密封する状態で当該栓装着口32に脱着可能に装着される中栓33とから構成してもよい。
【0106】
〔第4実施形態〕
図30は、流体配管系の他の管接続構造(開閉弁取付け構造)を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に上方に一体的に突出形成された分岐管部(流体管部の一例)2の連結フランジ2Aに、開閉弁の一例である補修弁3の上流側端部に形成された連結フランジ部3Aが、ボルト29A・ナット29Bからなる第2締結具29にて脱着自在に水密状態で固定連結されているとともに、前記補修弁3の下流側端部に形成された連結フランジ部3Bには、流体機器の一例である空気弁6の上流側端部に形成された連結フランジ6Aが、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結されている。
【0107】
前記分岐管部2の連結フランジ2Aと補修弁3の上流側連結フランジ3Aとの間には、流路の一部を構成する状態で分岐管部2の流路に連通される栓装着口32を貫通形成してあるフランジ本体31と当該フランジ本体31の栓装着口32を密封する中栓33とを備えたフランジ蓋Bの前記フランジ本体31が予め組付けられている。
前記フランジ蓋Bのフランジ本体31の形状及び中栓33の形状は、第1実施形態の図10に基づいて説明したフランジ本体31の形状及び図11に基づいて説明した中栓33の形状と同一である。
【0108】
そして、図30に示す流体配管系の管接続構造において、前記水道管1内での上水(流体の一例)の輸送を維持した不断水状態のまま、水道管1の分岐管部2の連結フランジ2Aから既設の補修弁3及び空気弁6を撤去する工法を、第1実施形態の構成及び図面を援用しながら説明する。
【0109】
〔19〕前記締結具4のボルト4A・ナット4Bを固定解除操作して、閉弁操作されている補修弁3の下流側連結フランジ部3Bから空気弁6の上流側連結フランジ6Aを撤去したのち、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bに、前記中栓33を装着してある栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結する(図8参照)。
【0110】
この場合、図8の作業用開閉弁42が当該第4実施形態における補修弁3に相当し、且つ、作業用開閉弁42の連結フランジ42A,42Bが補修弁3の連結フランジ3A,3Bに相当するため、第1実施形態のように、補修弁3を通して分岐管部2内に挿入可能な閉塞手段A1を備えた高機能の流路遮断装置A及び作業用開閉弁42を用いる必要がなく、しかも、これに伴って流路遮断装置Aの遮断作業ケース13の脱着作業工程や作業用開閉弁42の脱着作業工程も不要となる。
【0111】
〔20〕前記栓装着作業ケース43内の中栓33を開弁操作された補修弁3を通してフランジ本体31側に送り込み、前記栓装着治具Cで中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する(図9参照)。
前記栓装着治具Cの操作ロッド40の雄ネジ部40aに螺合保持された中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する操作方法は第1実施形態と同じである。
【0112】
〔21〕前記分岐管部2の連結フランジ2Aに水密状態で固定連結されている前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から前記補修弁3及び栓装着作業ケース43を撤去する。
つまり、前記締結具4のボルト4A・ナット4Bの螺合固定を解除して、前記補修弁3の下流側連結フランジ3Bから栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを撤去したのち、第2締結具29のボルト29Aと下流側に位置するナット29Bとの螺合固定を解除して、フランジ本体31から補修弁3を撤去する。
【0113】
〔22〕前記補修弁3及び栓装着作業ケース43が撤去されたフランジ蓋Bのフランジ本体31に、前記中栓33の離脱を接当阻止する押え蓋44を水密状態で取付ける(図17参照)。
【0114】
この押え蓋44は、前記フランジ本体31と同一又は略同一径の円形状に形成されているとともに、前記フランジ本体31のネジ穴30に相対向する部位には、フランジ本体31から突出する第2締結具29のボルト29Aに対する挿通孔44aが形成されている。
【0115】
前記フランジ本体31に螺合されているボルト29Aの上半側ボルト部を押え蓋44の挿通孔44aに挿入し、この挿通孔44aから上方に突出するボルト29Aの上端部に螺合したナット29Bの締付け側への螺合操作により、フランジ本体31と押え蓋44とを固定連結する。
【0116】
尚、施工完了後において、新たな補修弁3及び新たな空気弁6を設置する必要が生じた場合には、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から押え蓋44を撤去し、このフランジ本体31に、閉弁状態にある新たな補修弁3の上流側連結フランジ3Aを水密状態で固定連結する。
【0117】
この新たな補修弁3の下流側連結フランジ3Bに、前記栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを水密状態で固定連結(図15参照)し、開弁操作された補修弁3を通して栓装着治具Cの操作ロッド40をフランジ本体31側に送り込み、この操作ロッド40の雄ネジ部40aを、フランジ本体31の栓装着口32に装着されている中栓33のネジ穴38に螺合連結(図9参照)し、前記〔6〕で述べた中栓装着工程とは逆の手順で操作ロッド40を操作して、中栓33を連結フランジ43Aの栓装着口32から取り外し、操作ロッド40の先端に螺合連結されている中栓33を新たな補修弁3内の流路を通して栓装着作業ケース43内に回収(図8参照)する。
【0118】
開弁操作された前記新たな補修弁3の下流側の連結フランジ3Bから栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43を撤去し、新たな補修弁3の下流側の連結フランジに新たな空気弁6を水密状態で固定連結(図30参照)する。
【0119】
〔第5実施形態〕
図31は、流体配管系の他の管接続構造(開閉弁取付け構造)を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に水平方向に一体的に突出形成された分岐管部(流体管部の一例)2の連結フランジ2Aに、開閉弁の一例である仕切弁60の上流側端部に形成された上流側連結フランジ部60Aが、ボルト29A・ナット29Bからなる第2締結具29にて脱着自在に水密状態で固定連結されているとともに、前記仕切弁60の下流側端部に形成された下流側連結フランジ部60Bには、流体配管の一例である分岐水道管61の上流側端部に形成された連結フランジ61Aが、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結されている。
【0120】
前記分岐管部2の連結フランジ2Aと仕切弁60の上流側連結フランジ部60Aとの間には、流路の一部を構成する状態で分岐管部2の流路に連通される栓装着口32を貫通形成してあるフランジ本体31と当該フランジ本体31の栓装着口32を密封する状態で当該栓装着口32に脱着自在に装着される中栓33とを備えたフランジ蓋Bの前記フランジ本体31が予め組付けられている。
【0121】
前記フランジ蓋Bのフランジ本体31及び中栓33は、第1実施形態の図10に基づいて説明したフランジ本体31の機能及び図11に基づいて説明した中栓33の機能と同一又は略同一に構成されている。
【0122】
前記フランジ本体31は、図35に示すように、前記分岐管部2の連結フランジ2Aと同一又は略同一径の円環状に形成されているとともに、このフランジ本体31の周方向複数箇所には、前記連結フランジ2Aに固定連結するための第2締結具29のボルト29Aに対するネジ穴(取付け部の一例)30が形成されている。
【0123】
前記フランジ本体31には、流路の一部を構成する状態で分岐管部2の流路に連通される栓装着口32が貫通形成されているとともに、このフランジ本体31の栓装着口32の内周面31bには、当該栓装着口32を密封(止水)する中栓33の外周面33aの周方向二箇所に突出形成された係止部34が管軸芯方向から係脱自在な溝状の脱着通路35と、この脱着通路35の係入位置に前記係止部34が位置する状態での中栓33の回転操作によって前記係止部34の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する部分周溝状の係止通路36とがL字状に連通形成されている。
【0124】
さらに、前記中栓33の外周面33aの前半部には、図36に示すように、分岐管部2側ほど小径となる装着ガイド用のテーパーガイド面33bが形成され、このテーパーガイド面33bと係止部34との間に位置する平行外周面部分には、前記フランジ本体31の内周面31bと中栓33の外周面33aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)37を装着するシール装着溝33cが形成されているとともに、前記中栓33の中心部には、栓装着治具Cの操作ロッド40の先端に形成された雄ネジ部40aと螺合連結するネジ穴38が形成されている。
【0125】
前記フランジ本体31の管軸芯方向両側面のうち、分岐管部2の連結フランジ2Aと接合される側面には、この連結フランジ2Aとの間を水密状態に密封するOリング(シール材の一例)39を装着する円環状のシール装着溝31aが形成されている。
【0126】
そして、図31に示す流体配管系の管接続構造において、前記水道管1内での上水(流体の一例)の輸送を維持した不断水状態のまま、水道管1の分岐管部2の連結フランジ2Aから既設の仕切弁60及び分岐水道管61を撤去する工法について説明する。
【0127】
〔23〕図32に示すように、前記締結具4のボルト4A・ナット4Bを固定解除操作して、閉弁操作されている仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bから分岐水道管61の上流側連結フランジ61Aを撤去する。
【0128】
〔24〕図33に示すように、前記仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bに、前記中栓33を装着してある栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを、ボルト4A・ナット4Bからなる締結具4にて脱着自在に水密状態で固定連結する。
【0129】
〔25〕図34に示すように、前記栓装着作業ケース43内の中栓33を開弁操作された仕切弁60を通してフランジ本体31側に送り込み、前記栓装着治具Cで中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する。
前記栓装着治具Cの操作ロッド40の雄ネジ部40aに螺合保持された中栓33をフランジ本体31の栓装着口32に装着する操作方法は第1実施形態と同じである。
【0130】
〔26〕図37に示すように、前記栓装着作業ケース43に設けられているドレンにて止水を確認したのち、前記分岐管部2の連結フランジ2Aに水密状態で固定連結されている前記フランジ蓋Bのフランジ本体31から前記仕切弁60及び栓装着作業ケース43を撤去する。
つまり、前記締結具4のボルト4A・ナット4Bの螺合固定を解除して、前記仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bから栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを撤去したのち、第2締結具29のボルト29Aと下流側に位置するナット29Bとの螺合固定を解除して、フランジ本体31から仕切弁60を撤去する。
【0131】
〔27〕図38に示すように、前記仕切弁60及び栓装着作業ケース43が撤去されたフランジ蓋Bのフランジ本体31に、前記中栓33の離脱を接当阻止するフランジ蓋体62を水密状態で取付ける。
【0132】
このフランジ蓋体62は、前記フランジ本体31と同一又は略同一径の円形状に形成されているとともに、前記フランジ本体31のネジ穴30に相対向する部位には、フランジ本体31から突出する第2締結具29のボルト29Aに対する挿通孔62aが形成されている。
【0133】
前記フランジ本体31に螺合されているボルト29Aの下流側ボルト部をフランジ蓋体62の挿通孔62aに挿入し、この挿通孔62aから突出するボルト29Aの突出ボルト部に螺合したナット29Bの締付け側への螺合操作により、フランジ本体31とフランジ蓋体62とを固定連結する。
【0134】
尚、施工完了後において、新たな仕切弁60及び新たな分岐水道管61を設置する必要が生じた場合には、前記フランジ蓋Bのフランジ本体31からフランジ蓋体62を撤去し、このフランジ本体31に、閉弁状態にある新たな仕切弁60の上流側連結フランジ部60Aを水密状態で固定連結する。
この新たな仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bに、前記栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43の連結フランジ43Aを水密状態で固定連結(図33参照)し、開弁操作された仕切弁60を通して栓装着治具Cの操作ロッド40をフランジ本体31側に送り込み、この操作ロッド40の雄ネジ部40aを、フランジ本体31の栓装着口32に装着されている中栓33のネジ穴38に螺合連結(図34参照)し、前記〔6〕で述べた中栓装着工程とは逆の手順で操作ロッド40を操作して、中栓33を連結フランジ43Aの栓装着口32から取り外し、操作ロッド40の先端に螺合連結されている中栓33を新たな仕切弁60内の流路を通して栓装着作業ケース43内に回収(図33参照)する。
【0135】
前記新たな仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bから栓装着治具Cを備えた栓装着作業ケース43を撤去し、新たな仕切弁60の下流側連結フランジ部60Bに新たな分岐水道管61を水密状態で固定連結(図31参照)する。
【0136】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、前記フランジ本体31の内周面と中栓33の外周面との間を密封するシール材(Oリング等)37を、前記中栓33の外周面に設けたが、このシール材37をフランジ本体31の内周面31bに設けてもよく、さらに、前記中栓33の外周面とフランジ本体31の内周面31bとの両方に設けてもよい。
【0137】
(2)上述の第2実施形態では、前記フランジ本体31の内周面と中栓33の外周面との間を密封するシール材(Oリング等)37を、フランジ本体31の内周面31bに設けたが、このシール材37を前記中栓33の外周面に設けてもよく、さらに、前記中栓33の外周面とフランジ本体31の内周面31bとの両方に設けてもよい。
【0138】
(3)前記流路遮断装置Aの閉塞手段A1としては、開閉弁3内を通して流体管部2内に挿入可能な縮径状態と流体管部2の流路を遮断する拡径状態とに切り替え操作可能なものであれば、如何なる構造の閉塞手段A1を用いてもよい。
また、前記流路遮断装置Aの遮断作業ケース13としては、閉塞手段A1を収納する収納空間を備え、且つ、開閉弁(補修弁)3の下流側の連結フランジ3Bに密封状態(水密状態)で着脱自在に連結することのできるものであれば、如何なる構造の遮断作業ケース13を用いてもよい。
【0139】
(4)前記遮断作業弁Dの遮断作業カバー51としては、前記流体管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bとの外周面にこれら両者の外周面側を密封する状態で脱着自在に装着することのできるものであれば、如何なる構造の遮断作業カバー51を用いてもよい。
また、前記遮断作業弁Dの仕切板弁52としては、前記遮断作業カバー51内に収納又は略収納可能で、且つ、前記流体管部2の連結フランジ2Aとフランジ蓋Bとを締付け固定する締結具29の緩み操作によって前記両者2A,B間に流体圧又は機械力で形成される隙間を通して流体管部2の流路を遮断することのできるものであれば、如何なる構造の仕切板弁52を用いてもよい。
【0140】
(5)上述の第1実施形態では、水道管等の流体管1の途中に流体管部の一例である分岐管部2を一体形成してある流体配管系統について説明したが、流体管1に、それの周方向に沿って脱着自在に固定連結される複数の分割継手体を備え、かつ、一つの分割継手体に流体管1に形成された貫通孔に対して管径方向から連通する分岐管部を突設してある管継手が装着されているとともに、管継手の分岐管部に開閉弁が取付けられている流体配管系統に本願発明の技術を適用してもよい。
【符号の説明】
【0141】
A 流路遮断装置
A1 閉塞手段
B フランジ蓋
C 栓装着治具
D 遮断作業弁
1 流体管(水道管)
2 流体管部(分岐管部)
2A 連結フランジ
3 開閉弁(補修弁)
3B 下流側連結フランジ
4 締結具
13 遮断作業ケース
29 第2締結具
30 取付け部(ネジ穴)
31 フランジ本体
32 栓装着口
33 中栓
34 係止部
35 脱着通路
36 係止通路
37 シール材(Oリング)
42 作業用開閉弁
43 栓装着作業ケース
44 押え蓋
46 雄ネジ部
47 雌ネジ部
51 遮断作業カバー
52 仕切板弁
55 貫通口
56 フランジ蓋体
60 仕切弁(補修弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を、流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁の下流側の連結フランジに、前記開閉弁内を通して流体管部内に挿入可能な縮径状態と流体管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段と当該閉塞手段を収納する遮断作業ケースとを備えた流路遮断装置の前記遮断作業ケースを取付け、開弁操作された開閉弁内を通して流体管部内に縮径状態の閉塞手段を挿入し、この閉塞手段を拡径状態に切り替え操作して流体管部の流路を遮断する工程、
前記閉塞手段を拡径状態に維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記流体管部の連結フランジに、当該流体管部の流路に連通する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と、当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体を取付ける工程、
前記フランジ本体に作業用開閉弁を介して前記流路遮断装置の遮断作業ケースを取付け、この遮断作業ケース内に、流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段をフランジ本体の栓装着口と開弁操作された作業用開閉弁とを通して回収したのち、前記作業用開閉弁を閉弁操作して当該作業用開閉弁から流路遮断装置の閉塞手段及び遮断作業ケースを撤去する工程、
前記作業用開閉弁に、前記中栓を装着してある栓装着治具を備えた栓装着作業ケースを取付け、この栓装着作業ケース内の中栓を開弁操作された作業用開閉弁を通してフランジ本体側に送り込み、前記栓装着治具で中栓をフランジ本体の栓装着口に装着する工程、
前記フランジ蓋のフランジ本体から作業用開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去する工程、
を備えた流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項2】
流体管部の連結フランジと開閉弁の上流側の連結フランジとの間に、流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体が予め組付けられている流体配管系において、前記開閉弁を流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁に、前記中栓を装着してある栓装着治具を備えた栓装着作業ケースを取付け、この栓装着作業ケース内の中栓を開弁操作された開閉弁を通してフランジ本体側に送り込み、前記栓装着治具で中栓をフランジ本体の栓装着口に装着する工程、
前記フランジ蓋のフランジ本体から開閉弁及び栓装着作業ケースを撤去する工程、
を備えた流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項3】
前記弁撤去後のフランジ蓋のフランジ本体に、前記中栓の離脱を阻止する押え蓋を取付ける工程が設けられている請求項1又は2記載の流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項4】
前記フランジ本体の栓装着口の内周面には、前記中栓の外周面に突出形成された係止部が管軸芯方向から係脱自在な脱着通路と、この脱着通路の係入位置に前記係止部が位置する状態での中栓の回転操作によって前記係止部の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する係止通路とが連通形成されているとともに、前記中栓の係止部がフランジ本体の係止通路に位置するとき、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項5】
前記フランジ本体の栓装着口の内周面には、前記中栓の外周面に形成された雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を形成するとともに、前記中栓の雄ネジ部がフランジ本体の雌ネジ部に螺合固定されたとき、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項6】
流体管部の連結フランジに接合されている開閉弁を、流体管部側での流体輸送を維持したまま撤去する流体配管系の開閉弁撤去工法であって、
前記開閉弁の下流側の連結フランジに、前記開閉弁内を通して流体管部内に挿入可能な縮径状態と流体管部の流路を遮断する拡径状態とに切り替え可能な閉塞手段と当該閉塞手段を収納する遮断作業ケースとを備えた流路遮断装置の前記遮断作業ケースを取付け、開弁操作された開閉弁内を通して流体管部内に縮径状態の閉塞手段を挿入し、この閉塞手段を拡径状態に切り替え操作して流体管部の流路を遮断する工程、
前記閉塞手段を拡径状態に維持したまま流体管部の連結フランジから開閉弁及び流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記流体管部の連結フランジに、前記閉塞手段が縮径状態で通過可能な貫通口を形成してあるフランジ蓋を取付け、このフランジ蓋に前記流路遮断装置の遮断作業ケースを取付ける工程、
前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋との外周面に、これら両者の外周面側を密封する遮断作業カバーと、当該遮断作業カバー内に収納可能で、且つ、前記流体管部の連結フランジとフランジ蓋とを締付け固定する締結具の緩み操作に伴って前記両者間に流体圧で形成される隙間を通して流体管部の流路を遮断する薄板状の仕切板弁とを備えた遮断作業弁を取付ける工程、
前記流体管部内で縮径状態に切り替えられた閉塞手段を、フランジ蓋の貫通口を通して流路遮断装置の遮断作業ケース内に回収したのち、前記遮断作業弁の仕切板弁を流路遮断位置に操作して流体管部の流路を遮断し、前記フランジ蓋から流路遮断装置の遮断作業ケースを撤去する工程、
前記フランジ蓋に、これの貫通口を密閉する密閉フランジ蓋を取付ける、又は、フランジ蓋の貫通口に当該貫通口を密封する中栓を装着したのち、前記流体管部の連結フランジ及びフランジ蓋から前記遮断作業弁の遮断作業カバーを撤去する工程、
を備えた流体配管系の開閉弁撤去工法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体配管系の開閉弁撤去工法に用いられるフランジ蓋であって、前記流体管部の連結フランジに締結具で固定連結するための取付け部を備えたフランジ本体に、流体管部の流路に連通する栓装着口が貫通形成されているとともに、前記栓装着口の内周面には、当該栓装着口を密封する中栓の外周面に突出形成された係止部が管軸芯方向から係脱自在な脱着通路と、この脱着通路の係入位置に前記係止部が位置する状態での中栓の回転操作によって前記係止部の管軸芯方向での抜け出し移動を接当阻止する係止通路とが連通形成されているとともに、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が、前記フランジ本体又は中栓の少なくとも一方に設けられている流体配管用フランジ蓋。
【請求項8】
請求項1、2、3又は5記載の流体配管系の開閉弁撤去工法に用いられるフランジ蓋であって、前記流体管部の連結フランジに締結具で固定連結するための取付け部を備えたフランジ本体に、流体管部の流路に連通する栓装着口が貫通形成されているとともに、前記栓装着口の内周面には、当該栓装着口を密封する中栓の外周面に形成された雄ネジ部が螺合する雌ネジ部が形成され、前記フランジ本体の栓装着口の内周面と中栓の外周面との間を密封するシール材が、前記フランジ本体又は中栓の少なくとも一方に設けられている流体配管用フランジ蓋。
【請求項9】
流体管部の連結フランジと開閉弁の連結フランジとの間に、流路の一部を構成する栓装着口を貫通形成してあるフランジ本体と当該フランジ本体の栓装着口を密封する中栓とを備えたフランジ蓋の前記フランジ本体が組付けられている流体配管系の開閉弁取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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