説明

流動層反応器、その使用及びクロロシランのエネルギー自立型の水素化方法

本発明は、クロロシランを主にエネルギー自立型に連続的に製造するための、特に高純度シリコンの獲得のための中間生成物としてのトリクロロシランを製造するための装置、その使用及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロシランを主にエネルギー自立型に連続的に製造するための、特に高純度シリコンの獲得のための中間生成物としてのトリクロロシランを製造するための装置、その使用及び方法に関する。
【0002】
トリクロロシラン、特に純粋な形のトリクロロシランは、今日では、特に高純度シリコンの製造のため、例えばチップ又は太陽電池の製造のための重要な出発材料である(WO 02/48034, EP 0 921 098)。
【0003】
残念ながら、これらの公知の方法は手間がかかりかつエネルギー消費量が多い。このように、材料は最高品質の要求にもかかわらず常に低コストで製造することが求められる。
【0004】
冶金学的ケイ素(Si)から塩化水素(HCl)又は塩化メチルの添加下で流動層反応器又は流動床反応器中でクロロシランが製造されることは以前から公知である(特にUS 4,281,149)。
【0005】
ケイ素とHClとの反応は、著しい発熱性で進行する。この場合、一般に、主生成物としてトリクロロシラン(TCS)及び四塩化ケイ素(STC)が得られる。更に、反応器の実施のための特別な材料の使用が考慮されている(DE 36 40 172)。
【0006】
この反応の選択性を得ることにも努力されている。この反応は、程度に差はあるが適切な触媒の存在により影響を受けることがある。これについての例として、文献中には、特にFe、Cr、Ni、Co、Mn、W、Mo、V、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Ti、Zr、C、Ge、Sn、Pb、Cu、Zn、Cd、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al、Y、Clが挙げられる。一般に、このような触媒は、既に冶金学的ケイ素中に、例えば酸化物の形又は金属の形、ケイ化物として又は他の冶金学的相の形で存在している。触媒は、上記反応の場合に、金属の形又は合金の形又は塩の形で添加するか又は存在させることができる。使用される反応器の壁部材料又は表面材料も、反応の際に触媒的に影響を及ぼすことがある(特にB. Kanner及びK. M. Lewis著 "Commercial Production of Silanes by the direct Synthesis", p. 1 - 66; Studies in Organic Chemistry 49, Catalyzed Direct Reactions of Silicon, K. M. Lewis及びD. G. Rethwisch編, 1993, Elsevier Science Publishers; H. Samori et al.著 "Effects of trace elements in metallurgical silicon on trichlorosilane synthesis reaction", Silicon for the chemical industry III, Sandefjord, Norway, June 18 - 20, 1996, p. 157 - 167; J. Acker et al.著 "Formation of silicides in the system Metal-Silicon-Chlohne-Hydrogen: Consequences for the synthesis of trichlorosilane from Silicon an hydrogen chloride", Silicon for the chemical industry, Tromso, Norway, May 29 - June 2, 2000, p. 121 - 133; W.C. Breneman et al.著, "A comparison of the Trichlorosilane and silane routes in the purification of metallurgical grade silicon to semiconductor quality", Silicon for the chemical industry IV, Geiranger, Norway, June 3 - 5, 1998, p. 101 - 112; WO 03/018207, WO 05/003030)。
【0007】
トリクロロシランの製造のための他の方法は、気相中で触媒の存在又は不在での四塩化ケイ素と水素との熱による変換である。この合成経路は、同様に、エネルギー消費量が極めて多い、それというのもこの反応は吸熱性に進行するためである(DE 10 2006 050 329, DE 10 2005 046703)。
【0008】
同様に、冶金学的ケイ素を四塩化ケイ素及び水素(DE 33 11 650)又はケイ素も四塩化ケイ素、水素及びHCl(DE 100 63 863, DE 100 44 795, DE 100 44 794, DE 100 45 367, DE 100 48 794, DE 100 61 682)と反応させることができる。この反応は一般に加圧下でかつ高温で実施される。更に、この方法も、エネルギーの供給を必要とし、このことは一般に電気的に行われかつコスト要因を増大させる。この場合、ケイ素、四塩化ケイ素及び水素又はケイ素、四塩化ケイ素、水素及び塩化水素を出発成分として、20〜42bar及び400〜800℃の反応条件下で反応器中に計量供給し、この反応を開始させ、その進行を維持する。
【0009】
運転を中断する場合に、長い加熱時間なしで再び始動させるか又はこの運転を続けるためにも、運転の静止において、この出発材料もしくは出発材料供給を必要な運転圧力及び温度に維持する必要もある。
【0010】
従って、この課題は、上述の問題を軽減するために、ケイ素(Si)、四塩化ケイ素(STC、SiCl4)、水素(H2)及び場合により塩化水素(HCl)及び場合により他の成分を大規模工業的に連続的に反応させるための他のできる限り経済的な方法を提供することであった。
【0011】
本発明の特別な関心事は、高純度シリコン、クロロシラン又はオルガノシラン及びオルガノシロキサン及び熱分解シリカの製造のための合同システム(Verbundsystem)のための、できる限りエネルギー及びコストを節約するトリクロロシラン(TCS、HSiCl3)を提供することであった。
【0012】
上記の課題は、本発明の場合に特許請求の範囲中の記載によって解決される。
【0013】
意外にも、この方法の実施の際に、STC流の加熱のため並びに反応器の始動プロセスのため並びに調整及び制御のためにガス燃焼させるバーナー、特に天然ガスバーナーを使用する場合に、粒子状のSi、クロロシラン、特にSiCl4、及びH2を、場合により少なくとも1種の触媒の存在で、25〜55barの圧力で及び450〜650℃の温度で、特にエネルギーを節約する、それによりコストを節約する方法で反応を実施することができることが見出された。
【0014】
特に、SiCl4の水素化の場合に、この方法の範囲内で、必要な反応エネルギーは、反応器熱を介して簡単に及び特に経済的な方法で有利に供給することができる。
【0015】
更に、HClガス及び/又はCl2ガスの適切な導入によって、この反応及びこの変換を発熱性に導くことも可能である。更に、この場合に過剰な熱量を反応器温度調節によって搬出することができ、熱交換器を介して例えば原料ガスの予熱のために有利に利用できる。この変換及び反応の始動又は維持のためのエネルギー導入を、有利にエネルギーを節約する方法で調節するために、HCl及び/又はCl2を流動層反応器中へ適切に導入もしくは計量供給することができる。
【0016】
同様に、この方法を実施する際に、有利に少なくとも1つの触媒を使用することができる。この場合、有利に、少なくとも1つの遷移金属元素をベースとする、特に有利にFe、Co、Ni、Cu、Ta、Wの系列からの少なくとも1つの金属をベースとする、例えば塩化物の形の触媒系、例えばFeCl2、CuCl、CuCl2等が選択されるか、及び/又は相応する金属ケイ化物又はこれらの混合物、特に有利に銅含有触媒系が選択される。
【0017】
更に、この方法及びこのために開発された装置、特に新規の流動層装置、並びに有利にいわゆる合同システム中に組み込まれたこのような装置を、クロロシラン、シラン、オルガノシラン、オルガノシロキサン、熱分解シリカ及び沈降シリカ、並びに太陽電池用シリコンの製造のために、特に有利に大規模工業的に、特に経済的な連続運転法で実施又は運転することができる。
【0018】
従って、本発明の主題は、ケイ素の存在で式HnSiCl4-n(式中、n=0、1、2又は3)の高級クロロシランを連続的に水素化するための、特に、主にケイ素(A)、四塩化ケイ素(B)、水素(C)及び場合により塩化水素ガス及び/又は塩素ガス(D)を、場合により触媒の存在で、25〜55barの圧力及び450〜650℃の温度で反応させることによりクロロシランを製造するための流動層反応器であり、この流動層反応器ユニット(1)は、
− 反応器の冷却又は加温又は加熱のためのジャケット部(1.2)及び反応器長軸に対して平行でかつ反応器内室中に配置された熱交換器ユニット(1.3)を備えた反応器又は反応器ジャケット(1.1)と、その際、上記ユニット(1.2)及び(1.3)はガス状の媒体(F)が貫流することができ、かつこの媒体(F)はガス燃焼させる熱交換器(1.11)を用いて加温することができ、
− クロロシラン含有又はSTC含有の出発材料流(B*)用の少なくとも1つの底部側の供給部(1.4)と、
− 系統(C)及び(D)からの1種以上のガス状の使用材料用の少なくとも1つの供給部(1.5)と、
− 場合により触媒が混合されている、粒子状ケイ素(A)用の少なくとも1種の(固体)供給部(1.6)と、
− 反応器頭部、ダストフィルター(1.7)及び凝縮器(1.8)を用いた生成物(G、H)用の搬出部及び分離部とを基礎とする。この場合、ユニット(1.2)及び(1.3)からの廃熱は、導管(1.14)を介して熱交換器(1.10)(いわゆる熱ガスレキュペレーター)に搬送され、有利に例えばガス流(F)の予熱のために及び/又は熱交換器(1.5.5)による(C)及び/又は(D)を含むガス流の予熱のため利用することができる。更に、この装置ユニットの廃熱は、特にエネルギー的に有効な方法で、反応の開始、その反応の維持及び本発明による流動層反応器中での制御のために有利に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による流動層反応器の有利な実施態様を示す。
【図2】ガス燃焼させる加熱装置の有利な実施態様を示す。
【0020】
図1は、本発明による流動層反応器の有利な実施態様を示す。
【0021】
この場合、100mm〜2000mmの内径及び5m〜25mの高さ、特に有利に200mm〜1500mmの内径及び10m〜20mの高さを有する反応器ジャケット(1.1)が有利である。
【0022】
加熱された出発材料流(B*)、特にSTCを用いる本発明による流動層反応器ユニット(1)の始動及びその均質な導入のために、循環路を備えた有利に(天然ガス)ガス燃焼させる加熱ユニット(2)を使用し(例えば図2参照)、前記加熱ユニット(2)中で、主にSTCを含有するクロロシラン流(B)は約20℃、つまり周囲温度から、650℃の温度に25〜55barの圧力で加熱することができ、このユニット(2)は、ポンプ(2.1)を用いたクロロシラン供給部、特にSTCの供給系(B)と、ガスバーナー(2.3)を備えたガスを燃焼させる熱交換器釜(2.2)と、凝縮物調節装置(2.5)を含めた凝縮物返送路/緩衝容器(2.4)を備えた少なくとも1つの拡張容器と、少なくとも1つの計量供給ユニット(2.6)を基礎とし、その際、ユニット(2.1)は導管(2.1.1)を介してユニット(2.2)と接続されていて、さらに導管(2.2.1)は熱交換器(2.2)を出口側でユニット(2.4)と接続し、ここで、場合により生じる凝縮物及び/又は蒸気状のSTC(循環運転法)は導管(2.4.1)もしくは(2.4.2)を介して導管(2.1.1)に再び供給することができ、かつ加熱された蒸気状のクロロシラン又はSTC(B*)はユニット(2.4)から導管(2.4.3)並びに調節ユニット(2.6)及び導管(2.6.1)を介して底部側(1.4)で反応器ユニット(1)に計量供給することができる。
【0023】
図2は、反応器の始動及び適切な均質な導入のために、55barまでの圧力で650℃の温度までの、クロロシラン用の、特にこの流動層反応器の導入のために主にSTC含有クロロシラン供給物の加熱のための、ガス燃焼させる加熱装置の有利な実施態様を示す。
【0024】
クロロシラン(B*)、特にSTC含有クロロシラン流を用いた流動層ユニット(1)又は(1.4)の始動及び導入みのためのクロロシラン加熱装置は、名称「化学物質を所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法及び該方法を実施するための装置(Verfahren zum gleitenden Temperieren chemischer Substanzen mit definierten Ein- und Ausgangstemperaturen in einem Erhitzer und Einrichtung zur Durchfuehrung des Verfahrens)」の公開前の並行出願PCT/EP2008/053079に記載されているように実施又は行うこともできる。
【0025】
この流動層反応器(1)又は(1.1)は、有利に(B又はB*)の供給部(1.4)のために流動化底部を介して導入まれ、その際、体積流量及び反応器(1.1)中の成分(A)の充填高さによって流動層を始動させ、かつ反応器中のガス状の生成物混合物の平均滞留時間が主に調節される。反応器(1.1)中の流体力学は、有利に少なくとも1つのスクリーン底部を使用することにより、粉粒体及び/又は流動内部構造体を有することができる反応器又はスクリーン底部システム中の供給部(1.4)の上方の領域内で更に改善することができる。
【0026】
有利に、本発明による流動層反応器(1)には、供給部(1.5)の提供のために、H2(C)用の少なくとも1つのガス計量供給ユニット(1.5.4)及びHClガス及び/又は塩素ガス(D)用の少なくとも1つのガス計量供給ユニット(1.5.2)が備え付けられている。
【0027】
(2.2)又は(1.11)のような加熱装置の燃焼運転のために、適切には燃焼可能なガス(E)、有利に天然ガスが使用される。
【0028】
燃焼室ユニット(2.2)から(2.2.2)を介して搬出された廃熱は、有利にガス流(F)の予熱のため及び/又は熱交換器(1.5.5)を用いた(C)及び/又は(D)を含有するガス流の予熱のために有利に利用することができる。
【0029】
更に、本発明による流動層反応器(1)は有利に集塵装置(1.7)を有することができ、この集塵は主に流動層反応器中に含まれかつ反応器の頭部から搬出されるクロロシラン含有生成物混合物のための濾過を基礎とする。
【0030】
生成物混合物を材料流(G)と(H)とに分離するために、本発明による流動層反応器(1)の場合に、適切な方法で分離ユニット(1.8)を設け、その際、この材料流(H)は凝縮物としてトラップされ、材料流(G)はガス状で排出される。この場合、凝縮されないクロロシランは有利に水素と一緒に(水素化)反応器(1.1)中へリサイクルすることができる。
【0031】
出発材料流、反応物流又は生成物流と接触する本発明による流動層反応器の装置部分(特に図1参照)は、クロロシラン加熱装置又はSTC加熱装置(特に図2参照)を含めて、有利に、例えば(しかしながら専らではない)、1.7380又は1.5415のような高耐熱性の黒色鋼を用いて、しかしながら有利にはより高い温度範囲では、系列1.4306、1.4404、1.4571又は1.4876Hの特殊鋼合金から作成することができる。
【0032】
本発明の主題は、同様に、
− 請求項1から9までのいずれか1項記載の流動層反応器は、その反応室の1/8〜3/4が粒子状のケイ素(A)で充填され、その際、この成分(A)は場合により触媒と混合されていてもよく、
− 底部側に、ガスバーナーで燃焼運転される熱交換器を用いて予熱された、式HnSiCl4-n(式中、n=0、1、2又は3)の少なくとも1種の高級クロロシランの、つまり、ほぼ有利なモノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン及び特に四塩化ケイ素又は前記のクロロシランからなる混合物(B*)の定義された質量流量を計量供給し、
− クロロシラン又は四塩化ケイ素の質量流量中で又は上記反応器の下方部分中で、しかしながら上記反応器のケイ素充填の充填高さより下で、1箇所又は数箇所で、水素ガス(C)並びに場合により塩化水素ガス及び/又は塩素ガス(D)を適切に計量供給し、
− この反応で得られた生成物混合物を反応器頭部で取り出し、400℃を超える温度及び25〜55barの間の圧力で、集塵装置を介して案内し、
− 主な粉塵成分を除去した生成物流を冷却し、有利に35bar未満及び150℃未満で、クロロシラン、特にトリクロロシラン(H)を凝縮し、過剰のガス成分(G)を生成物流から搬出し、有利にこの装置にリサイクルし、及び
− 生成物流を介して反応器から取り出されたケイ素の割合を、反応器のケイ素充填物の充填高さを超える反応器の上方部分中に配置されている少なくとも1つの供給部を介して後供給することによる、25〜55barの圧力及び450〜650℃の温度、有利に35〜45barの圧力及び550〜620℃の温度、特に38〜42barの圧力及び580〜610℃温度で、場合により有利に少なくとも1種の遷移金属元素、特に有利にFe、Co、Ni、Cu、Ta、Wの系列からの少なくとも1種の遷移金属元素をベースとする少なくとも1種の触媒、例えばFeCl2、CuCl、CuCl2及び/又は相応する金属ケイ化物、特に銅をベースとする触媒系の存在で、主にケイ素(Si)(A)、クロロシラン、特に四塩化ケイ素(STC)(B)及び水素(H2)(C)及び場合により塩化水素ガス(HCl)及び/又は塩素ガス(Cl2)又は塩化水素ガスと塩素ガスとの混合物(D)の反応によるトリクロロシラン(TCS)を含有する生成物流の大規模工業的な連続的製造方法である。
【0033】
本発明による方法の場合に、有利にSiCl4(B)1Mol当たり、H2(C)1〜5Mol、特に有利にH2 1.1〜2Molを使用する。
【0034】
特に有利に、できる限りエネルギー自立型の運転方法のために本発明による方法の場合にH2(C)1Mol当たりHCl(D)0〜1Mol、有利にHCl0.001〜0.7Mol、特に有利にHCl0.01〜0.5Mol、更に特に有利にHCl0.1〜0.4Mol、殊にHCl0.2〜0.3Molを使用する。
【0035】
意外にも、同様に、H2(C)1Mol当たりCl2(D)0〜1Mol、有利にCl2 0.001〜0.5Mol、特に有利にCl2 0.01〜0.4Mol、殊にCl2 0.1〜0.3Molを、できる限りエネルギー自立型の運転方法のために使用することができる。
【0036】
適切な方法で、この場合、成分(D)として、HCl及びCl2のガス混合物も、0対1〜1対0、有利に0.01対0.99〜0.99対0.01のHCl対Cl2のモル比で使用することができる。
【0037】
更に、本発明による方法の場合、有利に0.1〜120秒、有利に0.5〜100秒、特に有利に1〜60秒、更に特に有利に3〜30秒、殊に5〜20秒の反応器中でのガス混合物又は蒸気混合物の平均滞留時間が考慮される。
【0038】
本発明による方法とは反対に、今まで先行技術では、STCからTCSへの吸熱に進行する水素化反応において電気加熱によって必要なエネルギー量を反応器に供給することが必要であった。
【0039】
更に、本発明による方法の場合に、反応器内室中での反応のための反応温度を監視し、かつこれを一定の水素/STC割合で、HCl及び/又はCl2(D)の計量供給によって調節し、及び/又は反応器(1.1)中での反応のための反応温度をユニット(1.2)及び(1.3)によって媒体(F)を使用して、並びにユニット(1.9)又は(1.11)を使用して制御又は付加的に調節する場合が有利である。この場合、導入及び搬出される熱量は、ユニット(1.9)及び(1.11)を含めて、二重ジャケット(1.2)及び内側にある熱交換ユニット(1.3)によって有利に調節することができる。この場合、媒体(F)として、例えば(しかしながら専らではない)空気又は不活性ガス、例えば窒素又は希ガス、例えばアルゴンを使用することができる。
【0040】
更に、本発明による方法の場合に、ケイ素(A)として(一般に市販の)10〜3000μm、有利に50〜2000μm、特に有利に80〜1500μm、更に特に有利に100〜1000μm、殊に120〜500μmの平均粒径を有する冶金学的ケイ素が有利に使用される。この場合、ここで使用されたケイ素(A)は、有利に80%以上の、特に有利に90%以上の、殊に98%以上の純度を有する。
【0041】
この場合、ケイ素と触媒系を強力に混合することにより、特にケイ素と触媒とを予め一緒に粉砕することにより、ケイ素(A)に少なくとも1種の触媒が有利に混合されていてもよい。このために、当業者は自体公知の粉砕方法を使用することができる。更に、ケイ素に、又はケイ素及び触媒の混合物の製造の際に、少なくとも割合に応じて、ユニット(1.7)からの粉塵(J)を有利にリサイクルすることができる。
【0042】
原則として、本発明による方法は以下のように実施される:
この反応器及び出発材料又は生成物が供給される装置の導管は、原則として、運転開始の前に、例えば、出口において酸素の割合がゼロとなるまでこの装置を予熱された不活性ガス、例えばアルゴン又は窒素で洗浄することにより原則として乾燥並びに不活性化される。
【0043】
本発明による流動層反応器(1)の前方に、加熱された出発物質流(B*)による始動及び引き続き均質でかつ連続的な導入のために、有利にユニット(2)、つまり循環路を備えたガス燃焼させるクロロシラン加熱装置が配置されていて、その中で主にSTCを含有する出発物質流(B)は約20℃から650℃の温度及び25〜55barの圧力で加熱することができ、このユニット(2)は調節ユニット及び耐圧導管の他に、主にガスバーナー(2.3)を備えたガス燃焼させる熱交換器釜に関するいわゆる供給ポンプ(2.1)及び縮合物返送部を備えた拡張容器(2.4)を基礎とし、その際、燃焼釜中の熱い煙道ガスは、クロロシラン流又はSTC流(B)の案内のために利用する少なくとも1つの耐圧導管の周囲を流れる。更に、このユニットは、クロロシラン流又はSTC流の均一な加熱のための循環法のための適切な装置からなる(図2参照)。このために、例えば適当な方法でタンクから取り出されたSiCl4は、ピストンダイアフラムポンプ(2.1)を用いて約40barに圧縮することができる。導管(2.1.1)を介して、SiCl4は、天然ガスを燃焼させる加熱装置(2.2)の第1の加熱蛇管部分に達することができる。更に、適切な方法で、充填レベルが制御された拡張容器が存在し、この拡張容器は生じるクロロシラン液相又はSTC液相を循環路中で予め存在する圧力に適合させる調節ユニット(2.5)を介して再び導管(2.1.1)のクロロシラン流又はSTC流中に案内される。この拡張容器のガス室から、適切に十分に定義された加熱された蒸気状のクロロシラン又はSTC(B*)を取り出すことができ、供給物として調節ユニット(2.6)及び導管(2.6.1)並びにクロロシラン供給部(1.4)を介して反応器(1.1)に、有利に十分に計量供給された、有利に連続的な容量流量で供給することができる。このようにこの緩衝容器(2.4)は、有利に圧力変動を補償しかつ過熱されたクロロシラン又はSiCl4を流動層反応器(1)の連続的運転のために温度調節もしくは圧力調節して準備するためにも利用される。並行プロセス又は連続プロセスにおいて生じるクロロシラン流、特にSTC流を、少なくとも割合に応じて供給物流(B)としてこのクロロシラン加熱装置のために有利に利用することもできる。クロロシラン加熱装置の燃焼釜及び緩衝釜及びクロロシラン、特にテトラクロロシランの案内のための所属する導管は、一般に、1.7380又は1.5415のような高耐熱性の黒色鋼からなり、有利により高い温度範囲の場合では、系列1.4306、1.4404、1.4571又は1.4876Hの特殊鋼合金からなる。クロロシラン用のこのような加熱装置は、特に有利な方法で、トリクロロシラン又は特に純粋な多結晶シリコンの製造のための装置中で使用することができる。このようにガス燃焼させるクロロシラン加熱ユニット、特に天然ガスバーナーの使用は、特に経済的な方法で、クロロシラン相又はSTC相のコストのかかる電気的加熱の節約を可能にし;このことは調達コストにも電気的に運転される加熱装置の高い運転コストにも関係する。電気的に加熱される加熱装置に対して、天然ガス又は燃料ガスを直接燃焼させる加熱装置システムは、負荷変動により迅速に反応することができる、それというのも長く持続する加熱効果及び後加熱効果は生じないためである。特に有利に実施された加熱装置の構造様式の場合に、運転コストの更なる節約を達成するために、熱い廃ガスを何度もこの加熱装置を介して案内することもできる。更に、運転の中断及び反応の中断の場合に、長い加熱時間のためにできる限り時間損失なしに釜又は加熱装置を待機状態に維持する循環運転に切り替えることができる。このように、主に臨界超過条件に加熱されたクロロシラン流又はSTC流(B*)は、有利に流動層反応器(1)中に計量供給され、その際、この反応器(1.1)は粉砕されたケイ素粉末(A)で充填されていて、有利に反応器容量の1/8〜3/4、特に有利に1/4〜2/3、殊に1/3〜1/2が充填され、これが加熱されたクロロシラン流の適切な導入の際に流動する(省略して流動層又は流動床といわれる)。本発明による方法の場合に、この反応は一般に400℃〜650℃の温度範囲で、25〜55barの圧力で行われる。本発明による反応器は、有利に内側で溶接されたリブを備えた二重ジャケットが使用される。これは伝熱面積を高め、同時に媒体の案内された流動を生じさせる。ベンチレータを用いて、この二重ジャケットを通過するように空気又は不活性ガス(F)を送ることができる。大きな直径を有する反応器は、更に適切な内部構造体を有することができ、この内部構造体は同様にリブを備え、かつガスが貫流する。このガスは、有利にガスバーナー((1.11)参照)により、いずれの所望の温度にも調節することができる。従って、この反応器(1.1)を、始動の際に極めて均一にかつ材料を傷めずに必要な運転温度に加熱することができる。このことを、電気加熱を用いるよりも本発明の場合に主に経済的な方法で達成することができる。この運転温度の達成後に、ケイ素床中に水素並びに場合によりHClガス及び/又はCl2ガスを適切に添加もしくは計量供給することにより、ガスの燃焼により加熱される伝熱媒体(F)を用いる更なるエネルギー供給の場合に水素化反応を開始させる。このように、特にHCl(ガス)の添加により、ケイ素の発熱性の塩化水素処理を開始することができる。この場合、HClの添加を、適切に反応器中で温度上昇が観察されるように上昇させることができる。有利な方法で、実際にこのSTCのエネルギー自立型の水素化を実施することができる。このバーナー出力を、原則として反応の開始後に弱め、反応器温度処理を加熱運転から冷却運転に移行させることができる。この冷却により、局所的な過熱により反応器材料の損傷が生じないことを保証することができる。更に、冷却により、特に反応器内部における流動層の上方の空間でのSTCへの逆反応を有利に抑制することができる。この反応により生じる生成物混合物は反応器の頭部を介して搬出することができ、適切な方法で集塵フィルタを用いて主にSi粉塵並びに場合により触媒粉塵を除去することができる。この集めた粉塵(J)は成分(A)を介して添加物としてリサイクルすることができる。引き続き、適切な方法でこの生成物流を冷却し、その際、気相及びTCS/STC液相(H)が得られる。この気相(G)は有利に再び特別な供給部を介して有利に反応器の下部にリサイクルすることができる。生成物流(H)をTCSとリサイクル可能なSTCとに分離することは、例えば蒸留によって行うことができる。反応器の頭部を介して生成物流中で案内されたケイ素又は消費されたケイ素の割合は、適切な方法で固体供給部(1.6)を介して反応器内へ後供給される。
【0044】
従って、本発明の主題は、式HnSiCl4-n(式中、n=0、1、2又は3)の高級の塩素化されたシランの水素化のための、有利に式HnSiCl4-n(式中、n=1、2、3又は4)の低級の塩素化されたクロロシランの製造のための、殊にトリクロロシランの製造のための本発明による装置の使用でもある。
【0045】
特に有利に、本発明による装置(以後、省略して流動層段階という)は、クロロシラン、オルガノシラン、熱分解シリカ及び/又は太陽電池用途及び電子用途のための高純度シリコン製造のために1つの合同システムにおいて使用することができる。
【0046】
同様に、本発明の主題は、シラン、オルガノシロキサン、特にクロロシラン又はオルガノシラン、例えばモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、ビニルトリクロロシラン、置換又は非置換のC3〜C18−アルキルクロロシラン、例えば3−クロロプロピルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、置換又は非置換のC3〜C18−アルキルアルコキシシラン、例えばプロピルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、クロロアルキルアルコキシシラン、例えば3−クロロプロピルトリアルコキシシラン、フルオロアルキルアルコキシシラン、例えばトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリアルコキシシラン、アミノアルキルアルコキシシラン、メタクリルオキシアルキルアルコキシシラン、グリシジルオキシアルキルアルコキシシラン、ポリエーテルアルキルアルコキシシラン(この場合、アルコキシは、いくつかを挙げると、それぞれ例えばメトキシ並びにエトキシを表す)並びにこれらの反応生成物(この場合、クロロシラン流、特にSTC含有流は、少なくとも割合に応じて流動層中での熱分解シリカの製造のため及びクロロシランの製造のためのプロセス段階にリサイクルされる)の自体公知の製造のための合同システムにおける本発明による装置(以後、省略して流動層段階という)の使用である。
【0047】
本発明による流動層段階において得られた及び後精製されたトリクロロシランは、不均化によるモノシランの製造のために有利に使用され、この場合、不均化の際に生じる四塩化ケイ素は少なくとも割合に応じてモノシランプロセス中に返送され及び/又は少なくとも割合に応じて本発明による流動層反応器のSTC加熱装置に返送される。こうして得られたモノシランは、有利にモノシランの熱分解による多結晶シリコン(太陽電池グレード)の製造のために利用することができる。更に、モノシランの熱分解の際に生じる水素を、合同システムの範囲内で、有利に本発明による流動層段階中に返送することができる。
【0048】
本発明の場合に、冶金学的ケイ素、四塩化ケイ素及び水素、並びに場合によりHCl及び/又はCl2から出発しかつ場合による触媒の存在でのトリクロロシランの製造のための装置及び主にエネルギー自立型の方法は、特に経済的な方法で、同時に高い収率でかつ反応器の材料にとって穏和な運転方法で準備することができかつ特に有利に、予め指摘されたように、使用することができる。
【0049】
図1及び2についての符号の説明
【符号の説明】
【0050】
1 流動層反応器
1.1 反応器(−ジャケット)
1.2 熱交換器ジャケット
1.3 熱交換器内部構造体
1.4 クロロシラン−供給(B又はB*)
1.5 成分(C)及び/又は(D)用の供給(ガス計量供給)
1.6 成分(A)用の固体供給(計量供給)
1.7 ダストフィルター
1.8 凝縮器
1.9 ベンチレータ(送風機)
1.10 熱ガスレキュペレーター
1.11 ガス燃焼させる熱交換器(燃焼室)
2 循環路を備えたクロロシラン−加熱装置(ヒーター)
2.1 成分(B)用の(液体)ポンプ
2.2 ガス燃焼させる熱交換器釜(燃焼室)
2.3 ガスバーナー
2.4 凝縮物返送/緩衝容器を備えた拡張容器
2.5 凝縮物調節装置(凝縮物調節弁)
2.6 圧力調節弁(加熱したクロロシラン流用の計量供給ユニット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素の存在で式HnSiCl4-n(式中、n=0、1、2又は3)の高級クロロシランを連続的に水素化するための、特に、主にケイ素(A)、四塩化ケイ素(B)、水素(C)及び場合により塩化水素ガス及び/又は塩素ガス(D)を、場合により触媒の存在で、25〜55barの圧力及び450〜650℃の温度で反応させることによりクロロシランを製造するための流動層反応器において、前記流動層反応器ユニット(1)は、
− 反応器の冷却又は加熱のためのジャケット部(1.2)及び反応器長軸に対して平行でかつ反応器内室中に配置された熱交換器ユニット(1.3)を備えた反応器ジャケット(1.1)と、その際、前記ユニット(1.2)及び(1.3)はガス状の媒体(F)が貫流することができ、かつ前記媒体(F)はガス燃焼させる熱交換器(1.11)を用いて加温することができ、
− クロロシラン又はSTCを含有する出発材料流(B*)用の少なくとも1つの底側の供給部(1.4)と、
− 系統(C)及び(D)からの1種以上のガス状の使用材料用の少なくとも1つの供給部(1.5)と、
− 場合により触媒が混合されている、粒子状ケイ素(A)用の少なくとも1種の供給部(1.6)と、
− 反応器頭部、ダストフィルター(1.7)及び凝縮器(1.8)を用いた生成物(G、H)用の搬出部及び分離部とを基礎とする、高級クロロシランを連続的に水素化するための流動層反応器。
【請求項2】
存在する廃熱を利用して、ガス流(F)を予熱するための熱交換器(1.10)を特徴とする、請求項1記載の流動層反応器。
【請求項3】
存在する廃熱を利用して、(C)及び/又は(D)を含むガス流を予熱するための熱交換器(1.5.5)を特徴とする、請求項1又は2記載の流動層反応器。
【請求項4】
加熱された出発材料流(B*)を用いた前記流動層反応器ユニット(1)の始動及び均質な導入のためのユニット(2)を有し、前記ユニット(2)中で、クロロシラン、特にSTCを含む出発材料流(B)を25〜55barの圧力で約20℃、つまり周囲温度から650℃の温度に加熱することができ、かつ前記ユニット(2)は、供給ポンプ(2.1)を備えたクロロシラン供給系(B)、ガスバーナー(2.3)を備えたガス燃焼させる熱交換器釜(2.2)、少なくとも1つの拡張容器/緩衝容器(2.4)及び少なくとも1つの計量供給ユニット(2.6)を基礎とし、その際、ユニット(2.1)は導管(2.1.1)を介してユニット(2.2)と接続されていて、さらに導管(2.2.1)は熱交換器(2.2)を出口側でユニット(2.4)と接続し、ここで場合により生じる凝縮物及び/又は蒸気状のクロロシラン、特にSTCを(循環法の場合)導管(2.4.1)もしくは(2.4.2)を介して前記導管(2.1.1)に再び供給することができ、加熱され蒸気状のクロロシラン、特にSTC(B*)は前記ユニット(2.4)から導管(2.4.3)及び調節ユニット(2.6)及び導管(2.6.1)を介して底部側(1.4)で反応器ユニット(1)中へ計量供給することができることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項5】
前記反応器(1.1)中への(B*)の供給部(1.4)のための流動化底部を特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項6】
前記供給部(1.5)の提供のためのH2(C)用の少なくとも1つのガス計量供給ユニット(1.5.4)及びHClガス及び/又は塩素ガス(D)用の少なくとも1つのガス計量供給ユニット(1.5.2)を特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項7】
前記流動層反応器中で得られかつ前記反応器の頭部で搬出されるクロロシラン混合物のための濾過を主に基礎とする集塵装置(1.7)を特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項8】
材料流(G)及び(H)を分離し、前記材料流(H)は凝縮物として生じ、かつ前記材料流(G)はガス状で搬出される分離ユニット(1.8)を特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項9】
100mm〜2000mmの内径及び5m〜25mの高さを有する反応器ジャケット(1.1)を特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の流動層反応器。
【請求項10】
主にケイ素(Si)(A)、四塩化ケイ素(STC)(B)及び水素(H2)(C)及び場合により塩化水素ガス(HCl)及び/又は塩素ガス(Cl2)又は塩化水素ガスと塩素ガスとの混合物(D)を、25〜55barの圧力及び450〜650℃の温度で、場合により少なくとも1種の触媒の存在で反応させることによりトリクロロシラン(TCS)を含む生成物流を連続的に製造する方法において、
− 請求項1から9までのいずれか1項記載の流動層反応器に、その反応室の1/8〜3/4まで粒子状のケイ素(A)を充填し、その際、前記成分(A)は場合により触媒と混合されていてもよく、
− 底側で、ガスバーナーで燃焼運転された熱交換器で予熱された四塩化ケイ素(B*)の定義された体積流量を計量供給し、
− 四塩化ケイ素の前記質量流量中で又は前記反応器の下方部分中で、しかしながら前記反応器のケイ素充填物の充填高さより下で、1箇所又は数箇所で、水素ガス(C)並びに場合により塩化水素ガス及び/又は塩素ガス(D)を適切に計量供給し、
− 前記反応で得られた生成物混合物を反応器頭部で取り出し、400℃を超える温度及び25〜55barの間の圧力で集塵装置を介して案内し、
− ほぼ粉塵割合が除去された前記生成物流を冷却し、クロロシランを凝縮(H)し、過剰量のガス割合(G)を生成物流から搬出し、及び
− 前記生成物流を介して前記反応器から取り出されたケイ素(A)の割合を、前記反応器のケイ素充填物の充填高さを超える前記反応器の上方部分中に配置されている少なくとも1つの供給部を介して後供給する、トリクロロシラン(TCS)を含む生成物流を連続的に製造する方法。
【請求項11】
SiCl4(B)1Mol当たりH2(C)1〜5Molを使用することを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
2(C)1Mol当たり、HCl(D)0〜1Molを使用することを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
2(C)1Mol当たり、Cl2(D)0〜1Molを使用することを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
【請求項14】
成分(D)としてHClとCl2とのガス混合物を、0対1〜1対0のHCl対Cl2のモル比で使用することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記反応器内室中での前記反応のための反応温度を監視し、かつ前記反応温度を一定の水素/STC割合で、HCl及び/又はCl2(D)の計量供給によって調節し、及び/又は前記反応器(1.1)中での前記反応のための反応温度を前記ユニット(1.2)及び(1.3)によって媒体(F)を使用して、並びに前記ユニット(1.9)又は(1.11)を使用して制御又は付加的に調節することを特徴とする、請求項10から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
ケイ素(A)として、10〜3000μmの平均粒径を有する冶金学的ケイ素を使用することを特徴とする、請求項10から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記ケイ素(A)に少なくとも1種の触媒を混合し、前記ケイ素と前記触媒とは強力に混合されていることを特徴とする、請求項10から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
式HnSiCl4-n(式中、n=0、1、2又は3)の高級の塩素化されたシランを水素化するための、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置の使用。
【請求項19】
シラン、オルガノシロキサン、沈降シリカ、熱分解シリカ及び/又は高純度シリコンの製造のための合同システムにおける、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(以後省略して流動層段階という)又は請求項18に記載の使用の使用。
【請求項20】
前記合同システム中で生じる高級の塩素化されたシラン又は相応する高級の塩素化されたシランの混合物を少なくとも割合に応じて、前記流動層中での熱分解シリカの製造のため及びクロロシランの製造のためのプロセス段階中へリサイクルする、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記流動層段階中で得られたトリクロロシランを再度精製し、不均化によるモノシランの製造のために使用し、前記不均化の際に生じる四塩化ケイ素を、少なくとも割合に応じて前記クロロシラン加熱装置又はST加熱装置に供給することにより、前記四塩化ケイ素を少なくとも割合に応じて前記プロセス中に返送する、請求項19又は20記載の使用。
【請求項22】
モノシランの熱分解による多結晶シリコン(太陽電池グレード)の製造のために、流動層段階の使用下で得られたトリクロロシランから不均化によりモノシランを獲得することを特徴とする、請求項19から21までのいずれか1項記載の使用。
【請求項23】
モノシランの前記熱分解の際に生じる水素を前記合同システムの範囲内で前記流動層段階中へ返送する、請求項19から22までのいずれか1項記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−501949(P2012−501949A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526433(P2011−526433)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058790
【国際公開番号】WO2010/028878
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】