流動性材料閉じ込めシステム
【課題】顆粒状流動性材料を受け入れるように構成されて、一時的な障壁構造を形成する流動性材料閉じ込めシステムを提供する。
【解決手段】流動性材料閉じ込めシステム10は、開放端型セル12のアレイを規定するように互いに結合された複数の長い、概ねストリップ形状の部材で形成されている。複数のストリップ形状部材は、複数の縦向きストリップ14と、複数の横向きストリップ16とを含んでいる。縦向きストリップ14は、第1の大きな幅のストリップ14aと、第2の小さな幅のストリップ14bとを含むことがある。縦向きストリップ14は、異なるタイプのコネクタを持つストリップを含むこともある。縦向きストリップ14及び横向きストリップ16の図示された配置は、少なくとも2つの異なるタイプのセル、即ち内部セル12aと外部境界セル12bを規定する。
【解決手段】流動性材料閉じ込めシステム10は、開放端型セル12のアレイを規定するように互いに結合された複数の長い、概ねストリップ形状の部材で形成されている。複数のストリップ形状部材は、複数の縦向きストリップ14と、複数の横向きストリップ16とを含んでいる。縦向きストリップ14は、第1の大きな幅のストリップ14aと、第2の小さな幅のストリップ14bとを含むことがある。縦向きストリップ14は、異なるタイプのコネクタを持つストリップを含むこともある。縦向きストリップ14及び横向きストリップ16の図示された配置は、少なくとも2つの異なるタイプのセル、即ち内部セル12aと外部境界セル12bを規定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低い可視状態で容易に展開可能に、且つ/又は拡張構造を形成するために隣接する流動性材料閉じ込めシステムに対し迅速に結合可能に構成された流動性材料閉じ込めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
砂袋は、多くの異なる状況において用途を見出す。例えば、砂袋は、洪水の水を押しとどめることや、兵士を戦場で弾や砲等から保護することに、更には建物やキャンプ等の構造体を爆発装置から保護することに使用される。
【0003】
砂袋壁は、そのような環境において保護の手段を与えるが、それらはまた多くの欠点を持つ。例えば、砂袋壁の建設は、多くの人手を必要とし、しかも袋詰めしたり、障壁構造に袋を配置するために過度の量の時間を要する。また、砂袋は、強度の弱い点を有する。これは、一般に個別の砂袋が、互いに取り付けられるのではなく、単に相互に積み重ねられるからである。更には、一般に砂袋は再使用可能ではない。かくして、それらは高価で時間を要する廃棄過程を必要とする。しかも、各緊急事態後に、将来の緊急事態を予測して、新しい砂袋が購入されることを要する。
【0004】
一時的な障壁構造を形成するためのモジュラーシステムも知られている。例えば、ジョンソンJrに付与された米国特許第4,785,604号及び第4,945,689号は、一時的な障壁を形成するための折りたたみ可能な格子構造体を開示している。格子は、織り合わせ式に接続された複数の横及び縦ストリップで形成されている。格子は、隣接する格子に対し、積み重ね式に且つ横並び式に接続されるように構成されており、そして砂のような材料で充填されて一時的な障壁を形成する。格子は、一時的な障壁構造が、匹敵する砂袋構造よりも迅速且つ少ない人員で組立られることを可能にする。
【0005】
ジョンソン特許に開示された格子は、横及び縦ストリップの端部に形成されたコネクタスロットを介して横並び式に接続されている。コネクタスロットは、ストリップの頂部またはストリップの底部のいずれかからストリップ内に延びている。1つの格子を隣接する格子に接続するために、格子は、ある方位で横並び式に配置されている。この方位では、格子上でストリップの頂部から延びたコネクタスロットは、隣接する格子上でストリップの底部から延びた相補形コネクタスロットと整列される(逆もまた同じ)。コネクタスロットは、それから相補形コネクタスロットと結合されて格子を継ぎ合わせる。
【0006】
ジョンソン特許に開示された格子は、一時的な障壁構造を形成するための伝統的砂袋の使用に対して改善を与えるが、それらはある種の短所を有する。例えば、コネクタスロットは、過酷な条件で接続することが困難になることがある。これは、コネクタスロットが正しい相補形スロットと整列する正しい格子方位を決定することが困難だからである。同様に、相補形スロットコネクタが確実に接続されているか否かを決定することは困難である。
【0007】
加えて、ジョンソンJr特許に開示された格子のストリップの端部は、隣接する格子間の境界に形成されたセルが流動性材料で満たされるときに、コネクタスロットに起因して折れる傾向にある。このことは、これらのセルが流動性材料で完全に満たされることを阻み、極端な条件下では潜在的に破滅的破壊を引き起こす構造的弱さを障壁壁にもたらす。ジョンソン格子に関するもう1つの潜在的問題は、低い可視状態で、且つ/又は不正確に積み重ねられた壁を如何に見つけて修理するかを学ぶ訓練を受けることなしに、複数の格子を積み重ねて壁を形成することが困難である点である。加えて、ジョンソン格子のストリップは、折りたたみ構成と展開構成との間を格子が円滑に移動することを妨げる90度のコーナーで終結している。
【0008】
[要約]
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成されて、一時的な障壁構造を形成する流動性材料閉じ込めシステムが開示される。この流動性材料閉じ込めシステムは、複数のストリップと、積み重ねエラー指示器とを備える。複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定する。複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップを含む。この少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、この流動性材料閉じ込めシステムが隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されている。積み重ねエラー指示器は、幅広縦向きストリップに関連したものであって、低い可視状態で効果的に、この流動性材料閉じ込めシステムを隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上へ積み重ねた場合のエラーの位置をユーザに指示するように構成されている。
【0009】
[図示された実施形態の詳細な説明]
図1は、概ね10で、流動性材料閉じ込めシステムの第1の実施形態を示している。流動性材料閉じ込めシステム10は、開放端型セル12のアレイを規定するように互いに結合された複数の長い、概ねストリップ形状の部材で形成されている。複数のストリップ形状部材は、複数の縦向きストリップ14と、複数の横向きストリップ16とを含んでいる。縦向きストリップ14は、第1の大きな幅のストリップ14aと、第2の小さな幅のストリップ14bとを含むことがある。縦向きストリップ14は、以下で更に詳細に説明されるように、異なるタイプのコネクタを持つストリップを含むこともある。縦向きストリップ14及び横向きストリップ16の図示された配置は、少なくとも2つの異なるタイプのセル、即ち内部セル12aと外部境界セル12bを規定する。更には、ストリップの図示された配置は、流動性材料閉じ込めシステム10が開放構成(図1に示されている)と少なくとも1つの折りたたみ構成(以下で更に詳細に説明される)との間を移動可能であるようにすると共に、1以上の展開指示器18を含むことがある。これは、折りたたみ構成から開放構成へのシステムの移動を助けるためである。
【0010】
セル12は、好適な顆粒状流動性材料、典型的には砂を受け入れるように、且つ有意な量の流動性材料が水平又は垂直装填時に流れたり転移したりすることを防止するように構成されている。この結果、機械的に強い頑強な構造体が形成される。複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられ、且つ/又は横並びに(又は端と端を縦に繋いで)配置され、更に顆粒状流動性材料で満たされて、所望の障壁構造を建造する。例えば、上述したように、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、壁形状構成に配置され、そして流動性材料で満たされて、洪水又は波障壁を形成する。加えて、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、緊急泥流障壁や、土堤防構造の中心部内の支持体、又は砂丘として使用されるか、あるいは戦場用の防壁や、他のそのような衝撃構造を形成することに使用される。
【0011】
流動性材料閉じ込めシステム10は、従来のシステムによっては完全に適合されない多くの重要な設計基準に適合する。例えば、流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられて、充填材料を6フィート以上の高さに保持する。また、流動性材料システムは、手動又は機械的に充填される。加えて、流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられた構造体内に閉じ込められた砂や他の小粒流動性材料を、その構造体の意図された寿命の間、例えば、6ヶ月以上保持する。流動性材料閉じ込めシステム10は、2人だけで容易且つ迅速に展開可能であって、起立するための追加的設備を余り又は全く必要としない。システム10は、砂袋壁の建造に対してコスト面の利点を与え、また従来システムよりも多くの量の保護を与える。最後に、システム10は、それが配置される領域の地形及び幾何構造に従うことが可能であり、しかも経済的手法で簡単に輸送可能である。これらの利点を生じさせる構造的特徴は、以下で更に詳細に説明される。
【0012】
再び流動性材料閉じ込めシステム10の基本構造に戻ると、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、好適な長さを有する。典型的に、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、3〜6フィートの範囲内の長さ、より典型的には約4フィートであるが、それらはこれらの範囲外の長さを持つこともできる。図1の実施形態では、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、ほぼ同じ長さを有する。しかしながら、横向きストリップとは異なる長さの縦向きストリップも使用され得ることが認められるであろう。
【0013】
幅広縦向きストリップ14aは、流動性材料閉じ込めシステム10の積み重ねを助ける。流動性材料閉じ込めシステム10を積み重ねるときに、最底部の流動性材料閉じ込めシステムは、地上に配置される。この場合、幅広縦向きストリップ14aは、幅狭縦向きストリップ14bのトップエッジを超えて上方に延びる。それから、各後続の流動性材料閉じ込めシステム10が、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの上に上下逆構成で積み重ねられる。このようにして、最底部の流動性材料閉じ込めシステム10の幅広縦向きストリップ14aは上向きに延びて、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に入る。このことは、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステム10を、最底部の流動性材料閉じ込めシステムに対して定位置に保持することを助け、しかも幅広縦向きストリップ14aが進入したセルを補強することを助ける。同様に、各後続の流動性材料閉じ込めシステム10の幅広縦向きストリップ14aは下向きに延びて、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に入って、セルを補強すると共に流動性材料閉じ込めシステムを互いに定位置に保持することを助ける。このようにして、複数の流動性材料閉じ込めシステム10を使用すると、他の構成の他の追加的部品なしに、拡張障壁構造が構築され、これにより拡張障壁構造の構築を、特に高ストレスまたは困難な条件下で簡素化することができる(しかし、以下で更に詳細に説明されるように、必要であれば、他の構成を有する部品もシステム10と組み合わせて使用してもよい)。
【0014】
2つの幅広縦向きストリップ14aを流動性材料閉じ込めシステムの各側の最外側ストリップとして使用すると、障壁セルのネットワークが形成される。このネットワークは、流動性材料が障壁セル12bから漏れ出すことを防止することを助け、かくして隣接する格子層の最外側ストリップ間から砂が漏れ出すことによって引き起こされる破壊を防止し、かくして一時的障壁の寿命を長引かせる。障壁セル12bに加えられた砂は、流動性材料閉じ込めシステムから外に逃げたり、あるいは流動性材料閉じ込めシステムの内部セル12aに逃げることは不可能であって、流動性材料閉じ込めシステムで構築された構造体の一体性を維持することを助ける。このことは、砂が外側セルから逃げることを許容し、かくして障壁の破滅的破壊の危険性へと導く従来の流動性材料閉じ込めシステムとは対照的である。
【0015】
しかしながら、内側セル内の砂は、垂直に積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステム間の境界にあるセル間を自由に転移することができる。何故ならば、これらのセルを形成しているストリップは、垂直方向に隣接するセルのストリップとは重ならないからである。更には、幅狭縦向きストリップ14bと横向きストリップ16は、垂直方向に隣接する格子のセル内に延びていないので、これらのストリップは、垂直方向に隣接する格子と比較して、整列状態から自由に押し出される。このことは、砂が、構造体全体を延びる砂の個別の柱を形成する代わりに、格子を通して横方向に流れることも許容する。この構造を通る砂の横向きの流れは、砂の損失に起因した構造内の空隙の形成が確実に起こらないようにすることを助け、かくして隔離されたセル内に砂損失によって引き起こされる弱いスポットに起因した破滅的破壊を防止することを助ける。砂が経時的に空隙に流入するにつれ、より多くの砂が構造体の頂部に加えられて、構造全体が頂部まで砂で満たされることを確実にする。
【0016】
さらに、この構造を通る砂の水平移動は、複数の流動性材料閉じ込めシステム10によって構築された障壁構造の初期充填中に、確実に全てのセルが砂で均一且つ完全に充填されることを助ける。障壁の頂部から入った砂は、障壁が充填されるにつれ、隣接するセル内へ横方向に移動することが可能である。砂が障壁の基部に達すると、上の砂の重量によって、下の砂は均一に地面に沿って分布し、且つ効率的なパッキングに固まる。
【0017】
流動性材料閉じ込めシステム10は、選択されたストリップ上に配設された垂直整列指示器19を含むことがある。垂直整列指示器19は、過酷な天候や他の低可視条件で、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10の方位を決定することを助ける。更には、積み重ね配置の上側の流動性材料閉じ込めシステム10の垂直整列指示器19は、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの垂直整列指示器と整列され、2つの流動性材料閉じ込めシステムが相互に正しい方位となることを確実にする。
【0018】
上述したように、ここで開示される流動性材料閉じ込めシステムは、横並び配置で他の流動性材料閉じ込めシステムに取付可能に構成されてもよい。かくして、1つの好適な接続又は支持構造(又は複数の構造)が設けられて、この様式で複数の流動性材料閉じ込めシステムが接続されることを可能にする。
【0019】
図1の実施形態では、幅広縦向きストリップ14aは、2つの異なるタイプの接続構造を有する。これらは、図2及び3において、より詳細に示されている。図2は、流動性材料閉じ込めシステム10の最外側から2番目の縦向きストリップ14a’を示し、また図3は、流動性材料閉じ込めシステム10の最外側の縦向きストリップ14a”を示している。これらの図において、最外側から2番目の縦向きストリップ14a’はストリップ14a’と呼ばれ、そして最外側の縦向きストリップ14a”はストリップ14a” と呼ばれる。
【0020】
図2を参照すると、幅広縦向きストリップ14a’は、舌20の形態の接続構造を有する。幅広縦向きストリップ14a’は、舌20をストリップの各端部上に有するが、このストリップは、その代わりに、一方の好ましい端部上にのみ舌を有することができる。
【0021】
舌20は、任意の好適な手法で形成され得る。図示の舌20は、幅広縦向きストリップ14a’の各端部に形成された概ね“U”形状のカット、スロット、又は他の開口22によって形成される。しかしながら、舌20は、任意の他の形状スロット、例えば“V”形状のスロット又は実質的に直線状のスロットによって形成され得る。更に、舌20は、接着剤や溶接等によって幅広縦向きストリップ14a’に繋ぎ合わされる好ましい形状のタブによって形成され得る。実質的に直線状のスロットが接続構造として使用される場合、このスロットは、ストリップのエッジまで延びないで、全体的にストリップの端部以内に含まれることが好ましい。このことは、セルが流動性材料で充填されるときに、ストリップの端部が折れることを防止する。
【0022】
同様に、舌20は、任意の好ましい方位を持つことができる。図示の舌20は内側を向き、幅広縦向きストリップ14a’の長さ寸法に対し概ね平行に延びている。この長さ寸法は、一方の舌20から他方の舌20’まで延びる寸法である。幅広縦向きストリップ14a’は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形幅広縦向きストリップに繋ぎ合わされる。この繋ぎ合わせは、舌20を隣接する流動性材料閉じ込めシステムのスロット22’内に挿入し、それから舌20をスロット22’内に完全に延ばすようにストリップを引くことによってなされる。好適な舌方位の他の例は、以下で更に詳細に論じられる。
【0023】
図3を参照すると、各幅広縦向きストリップ14a”は、ストリップの長さ寸法に対して概ね直交して方位付けされると共に、ストリップの一端に配設された舌21及び関連するスロット23を有する。幅広縦向きストリップ14a”はまた、ストリップの他端に配設された相補形の舌21’ 及び関連するスロット23’を有する。幅広縦向きストリップ14a”は、隣接する幅広縦向きストリップ14a” に繋ぎ合わされる。この繋ぎ合わせは、舌21を隣接する流動性材料閉じ込めシステムのスロット23’内に挿入する(又は舌21’をスロット23内に挿入する)ことによってなされる。
【0024】
舌21及び舌20の異なる方位を単一の流動性材料閉じ込めシステム上で使用すると、いずれかを単独で使用するよりも、隣接した流動性材料閉じ込めシステムを互いに確実に保持することを助ける。例えば、舌20及び舌21の双方が隣接流動性材料閉じ込めシステム上の相補形接続構造に接続されるとき、舌20の方位は、舌21を隣接スロット23’から分離する隣接流動性材料閉じ込めシステムの垂直変位に抵抗することを助ける。一方、舌21の方位は、舌20を隣接スロット22’から分離する水平変位を防止することを助ける。幅広縦向きストリップ14a’及び14a”は、異なる接続構造を有するものとして図示されているが、全ての縦向きストリップは、同じ接続構造、又は好適な接続構造の任意の他の組み合わせを有することもできる。
【0025】
舌20と同様に、舌21は、任意の好適な手法で形成され得る。図示の舌21は、幅広縦向きストリップ14a”の端部に形成された概ね“U”形状のスロット23によって形成されているが、任意の他の好適な手法、例えば、限定されるものではないが、舌20について上に掲載された手法で形成され得る。
【0026】
従来システムのスロットコネクタとは対照的に、舌20及び21の使用もまた、障壁の組立中の方位問題を回避することを助ける。これは、隣接する流動性材料閉じ込めシステム10が、積み重ねられるときに繋がって、複数の異なる方位で入れ子状に重なるためである。
【0027】
各幅広縦向きストリップ14aはまた、典型的にストリップの長さに沿って配設された1以上の異なるタイプの他のスロット(又は他の同様の構造)を有する。スロットの各タイプは、典型的に特別な目的のために設けられている。例えば、幅広縦向きストリップ14a上のスロットのいくつかは、横向きストリップ16の挿入に適応するように構成された横向きストリップ受け入れ用スロット24である。横向きストリップ受け入れ用スロット24は、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16が相互に結合されて、流動性材料閉じ込めシステムを形成することを可能にする。横向きストリップ受け入れ用スロット24は、以下で更に詳細に説明されるように、横向きストリップ16上の相補形縦向きストリップ受け入れ用スロット内で入れ子状に重なるように構成されている。
【0028】
横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップ14aの長さ寸法に対し直交して方位付けされるか、あるいは任意の他の好適な方位を有することがある。加えて、横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップ14aの幅に沿って充分長く延びることがある。この場合、選択された幅広縦向きストリップと結合された全ての横向きストリップ16のトップエッジは、幅狭縦向きストリップ14bのトップエッジとほぼ同じ高さになる。かくして、幅広縦向きストリップ14aのトップエッジから下向きに延びる横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップのボトムエッジから上向きに延びる横向きストリップ受け入れ用スロットよりも更に幅広縦向きストリップの幅に沿って長く延びる。
【0029】
横向きストリップ受け入れ用スロット20は、所望の間隔を有し、この横向きストリップ受け入れ用スロット24の間隔は、所望の基準に基づいて選択される。例えば、ストリップ間隔を接近させると、より小さなセル12が形成され、いくらか強い構造を与える。しかしながら、このことはまた、流動性材料閉じ込めシステム10を作るために更に多くの材料の使用を必要とし、かくして製造コストを増加することになる。同様に、ストリップ間隔を更に遠ざけると、単位面積当たりの流動性材料閉じ込めシステム10のコスト及び重量を低減するが、小さなセルを持つ流動性材料閉じ込めシステムよりは幾分少ない強さとなる。典型的に、横向きストリップ受け入れ用スロット20は、4〜12インチ離れて、より典型的にはほぼ7インチ離れて配置されるが、横向きストリップ受け入れ用スロットは、これらの範囲外の距離だけ離れて配置され得ることが認められるであろう。
【0030】
横向きストリップ受け入れ用スロットは、幅広縦向きストリップ14aの長さに沿って均等に離れて配置されるか、あるいは不均等な様式で離れて配置され得る。図示の実施形態では、横向きストリップ受け入れ用スロット20は、均等に離れて配置され、且つ幅広縦向きストリップ14aのトップエッジ及びボトムエッジから交互に延びている。横向きストリップ受け入れ用スロット20の均等な間隔形成は、均一な寸法のセルを創生し、かくして流動性材料閉じ込めシステム10の構造的特性の規則性に寄与する。更には、横向きストリップ受け入れ用スロット20の交互配置は、幅広縦向きストリップ及び横向きストリップ16が織り合わされて、貯蔵又は輸送中に流動性材料閉じ込めシステム10が分離しないことを助ける。流動性材料閉じ込めシステム10の織り合わせ構造はまた、流動性材料閉じ込めシステムが、以下で更に詳細に説明されるように、少なくとも2つの異なる折りたたみ構成に折りたたまれることを可能にする。
【0031】
横向きストリップ受け入れ用スロット24の他に、幅広縦向きストリップ14aは、複数の積み重ね用スロット26を含んで、流動性材料閉じ込めシステム10の積み重ねに適応することがある。積み重ね用スロット26は、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステム10の横向きストリップを受けるように構成されている。このことは、上側の流動性材料閉じ込めシステムを安定化することを助け、また上側システムの横向きストリップ16及び幅狭縦向きストリップ14bの双方が、システムが積み重ねられるときに、下側システムの横向きストリップ及び幅狭縦向きストリップにほぼ完全に載ることができるようにする。幅広縦向きストリップ14aのトップエッジから延びる横向きストリップ受け入れ用スロット24も積み重ね用スロットとして機能することが認められるであろう。
【0032】
幅広縦向きストリップ14aは、幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16に対して任意の好適な幅を持つことができる。例えば、幅広縦向きストリップ14aは、10〜14インチ、より典型的には約12インチの幅を持つことができる。一方、幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16は、6〜10インチ、より典型的には約8インチの幅を持つことができる。更に、流動性材料閉じ込めシステム10は、8つの縦向きストリップ14及び6つの横向きストリップ16を有するように示されているが、流動性材料閉じ込めシステムは、任意の他の好適な数の縦向きストリップ及び/又は横向きストリップを含むことができる。
【0033】
図示の幅広縦向きストリップ14a’及び14a”は双方共に、丸みつけされたか又は傾けられた外側コーナー29を有する。丸みつけされたコーナー29は、折りたたみ構成と展開構成間における流動性材料閉じ込めシステム10の円滑な展開を確実にすることを助ける。これは、四角いコーナーの使用(ジョンソン格子のように、従来システムで使用されているように)が、展開中に、構造のハングアップを引き起こし、素早い展開速度が重要である状況での拡張障壁構造の建造を大幅に遅くすることが判明しているからである。図示の実施形態では、幅広縦向きストリップの上側コーナーだけが丸みつけされている点、そして下側コーナー29’は丸みつけされていない点に留意されたい(ここで使用されている“上側”及び“下側”という用語は、ストリップが図2及び3の方位にあり、他の方位にないときのコーナーの位置を規定している)。これは、下側コーナーを丸みつけると、丸みつけされたコーナーがストリップと下地又は他の表面との間に開く空間に起因して、システム10によって構築された障壁構造の底部から流動性材料が流出してしまうからである。ここで使用される“丸みつけされた”という用語は、一定の又は可変の曲率半径を持つ任意の湾曲プロフィールと、直線セグメントによって分離されて、個別の角度が各々90度より小さく、且つ角度の合計が約90度に等しい複数の角度を持つ傾けられたプロフィール(例えば、図2に破線29’で描かれたような)と、丸みつけされたプロフィール及び傾けられたプロフィールの組み合わせとを含んでいる。
【0034】
同様に、図示の実施形態のコーナーは、ストリップ14a’及び14a”の上側エッジに沿った各スロット24及び26では丸みつけされているが、下側エッジに沿ったスロットでは丸みつけされていない。上側エッジに沿ったコーナーを丸みつけすると、格子の積み重ねを容易にすることを助ける。これは、丸みつけによって生成される形状が、隣接して上位に積み重ねられる格子のストリップを、隣接して下位に積み重ねられた格子上の正しいスロット内に導こうとするからである。同様に、下側エッジに沿ったコーナーを丸みつけしないと、丸みつけされたコーナーと下地表面との間の空間から流動性材料が漏れ出さないようにすることを助け、これにより波の応力や砲の衝撃等の下でのシステム破壊を防止することを助ける。しかしながら、下側の外側コーナー又は内側コーナー(ここで底部スロットが底部エッジと交差する)は、必要であれば、丸みつけされ得ることが認められるであろう。更には、上側のコーナーも、湾曲される代わりに(又は加えて)、必要であれば、同様に角度付けされるか傾けられてもよい。
【0035】
幅広縦向きストリップ14a’及び14a”上の丸みつけされたコーナーは、任意の好適な曲率半径を持つことができる。好適な曲率半径の一例は、約1インチである。他の好適な曲率半径は、1インチより大きいか小さい値を有する。
【0036】
洪水保持壁の建造のような緊急作業中は、一般的に時間が最も重要であって、流動性材料閉じ込めシステムのような緊急システムをどのように展開するかを決めるために浪費された如何なる時間も、財産及び/又は生命を危険にさらす。かくして、上述したように、流動性材料閉じ込めシステム10は、1以上の展開指示器18を含むことがある。この展開指示器は、低い光条件(又は他の不利な条件)で効果的であって、ユーザに対し、如何にして流動性材料閉じ込めシステムを折りたたみ姿勢の少なくとも1つから開放姿勢に移動するかを指示できるように構成されている。
【0037】
展開指示器は、流動性材料閉じ込めシステムの操作性を所望の手法で強化する。図示の実施形態では、展開指示器18は、如何にして流動性材料閉じ込めシステム10が閉鎖姿勢から開放姿勢へ移動されるかを、幅広縦向きストリップ14a上に配設された可視的に強化された指示印によって示す。展開指示器18は、可視性を強化する背景部分28と、指示部分30とを含む。背景部分28は、典型的に反射性又は蛍光性材料で形成され、このシステムを展開するときに1人のユーザ(又は複数のユーザ)が流動性材料閉じ込めシステムを保持すべき流動性材料閉じ込めシステム10の位置を可視的に強調する。指示部分30は典型的に、少なくとも部分的に背景部分28内に含まれ、そして背景部分に対して目立つように構成されている。そのため、指示部分に含まれた指示は容易に解読され、手本とされる。
【0038】
指示部分30は、任意の好適な印を含んで、如何にして流動性材料閉じ込めシステム10が開放構成へ移動されるかを指示することができる。例えば、図示の実施形態の指示部分30は、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10を把持すべき場所を示す説明文を有し、またユーザが流動性材料閉じ込めシステムを開放構成へ移動させるべき方向を示す矢印を有する。展開指示器18は、ユーザによって把持されるべき流動性材料閉じ込めシステム10の位置を可視的に強調するように構成されているが、展開指示器18が任意の他の好適な手法で機能してもよいことは理解されるであろう。例えば、展開指示器は、一連の隆起したバンプやリッジを含み、流動性材料閉じ込めシステム10が握られるべき場所を、触知性の強化によって示すようにしてもよい。
【0039】
幅狭縦向きストリップ14bは、図4に更に詳細に示されている。幅広縦向きストリップ14aと同様に、幅狭縦向きストリップ14bは、異なるタイプの複数のスロットを有する。例えば、幅狭縦向きストリップ14bは、複数の横向きストリップ受け入れ用スロット32を有し、これらは、幅狭縦向きストリップが横向きストリップ16に結合され得るようにする。図示の実施形態では、横向きストリップ受け入れ用スロット32は、幅狭縦向きストリップ14bのトップ及びボトムエッジから交互に延びて、幅狭縦向きストリップ14bが横向きストリップ16と編み合わされるようにする。この代わりに、全ての横向きストリップ受け入れ用スロット32は、必要であれば、幅狭縦向きストリップ14bの同じエッジから延びることもできる。幅狭縦向きストリップ14bはまた、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロットに結合されるように構成された1以上の接続構造、例えば舌34を有することができる。舌34は、任意の好適な方位を持つことができる。例えば、図示の実施形態では、舌34は、幅広縦向きストリップ14a’について上述したように、幅狭縦向きストリップ14bの長軸に沿って方位付けされている。好適な舌方位の他の例は、以下で説明される。
【0040】
図5は、例示的な横向きストリップ16を更に詳細に示している。各横向きストリップ16は、横向きストリップの長さに沿って配設された複数の縦向きストリップ受け入れ用スロット36を含んでいる。縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、幅広縦向きストリップ14aの横向きストリップ受け入れ用スロット20に繋ぎ合わされ、且つ幅狭縦向きストリップ14bの横向きストリップ受け入れ用スロット32に繋ぎ合わされるように構成されている。図示の実施形態では、縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、各横向きストリップ16のトップ及びボトムエッジから交互に延びているので、横向きストリップは、縦向きストリップと織り合わされる。しかしながら、縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、横向きストリップ16の一方のエッジだけから延びてもよい。
【0041】
縦向きストリップ受け入れ用スロット36の他に、横向きストリップ16は、各横向きストリップの端部に形成された境界セルスロット38を含むことがある。境界セルスロット38は、外側縦向きストリップ14を受け入れて、境界セル12bを作るように構成されている。境界セルスロット38は、隣接する縦向きストリップ受け入れ用スロット34から所望の距離だけ離されている。図示の実施形態では、各境界セルスロット38は、最近接の縦向きストリップ受け入れ用スロット36から約半分の距離だけ離されている。このことで、内部セル12aよりも小容積の境界セル12bを作り、かくして静水圧及び波衝撃によって生じた力に対する抵抗性を強めて、境界セルを更に堅固にすることができる。各境界セルスロット38から横向きストリップの各端部まで延びた横向きストリップ16の端部39は、砂が充填される間に通常使用の応力下で、縦向きストリップが外向きに移動することを最小限することを助ける。
【0042】
図示の幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16は、丸みつけされたコーナーを有しない。これら幅狭ストリップの外側コーナーは、幅広縦向きストリップ14a’及び14a”とは異なり、展開中に他のストリップに掛からない傾向にあることが見出されている。同様に、スロットがこれらストリップのエッジと交差する位置に形成された内側コーナーは、図示の実施形態では、丸みつけされていない。これは、幅狭ストリップ14b及び16が、積み重ね拡張構造に組み立てられるときに、隣接する下位の層に入れ子状に重ならないからである。しかしながら、幅狭縦向きストリップ14b及び/または横向きストリップ16の1以上のコーナーは、必要であれば、丸みつけされ得ることが認められるであろう。
【0043】
流動性材料閉じ込めシステム10を形成する種々のストリップは、任意の好適な材料で作られる。好適な材料には、軽量でダメージ耐性のある強くて柔軟なプラスチックが含まれる。そのような材料は、流動性材料閉じ込めシステム10の重量を減らすと共に、耐久性を増す。材料は、波衝撃、静水圧及び砂圧に抵抗可能でありながら、編み合わされるように充分に柔軟であるべきである。更に、材料は透明または半透明であってもよく、これは、流動性材料閉じ込め格子システム内の砂のレベルが容易にモニタされることを可能にする。好適な材料のいくつかの例には、PET(ポリ(エチレンテレフタレート))、PETG(1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリエスレル)、PCTG(ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート))、塩化ポリビニール、及びビスフェノールAポリカーボネートのようなポリカーボネート類が含まれる。これに対し、より柔軟な材料、例えば高濃度ポリエチレンは、そのような条件に耐えるに必要な強度を有しない。
【0044】
流動性材料閉じ込めシステム10は、ある種の使用中に、大きな応力にさらされることがある。この理由のために、比較的高い応力耐性や比較的高い硬度等を持つ材料で流動性材料閉じ込めシステム10を形成することが望ましい。例えば、流動性材料閉じ込めシステム10が形成される材料は、45MPa以上の引っ張り応力降伏点と、52MPa以上の引っ張り応力折点と、1800MPa以上の曲げ係数と、66MPa以上の曲げ強さと、103ロックウェル硬さと、42J(最大負荷でのエネルギ)以上の衝撃抵抗(穿刺)とを室温で持つ。上に掲載された材料の強さ特性が単なる例示である点、並びに流動性材料閉じ込めシステム10が構築される材料が任意の他の好適な物理的特性を持ち得る点が認められるであろう。
【0045】
必要であれば、多数の異なる添加物が、これらの材料の特性を調整することに使用される。例えば、UV吸収剤は、出発物質として、あるいは完成品の被覆として添加され、UV劣化に対する材料の耐性を増加する。他の可能な添加物には、衝撃耐性を増す衝撃調整剤や、材料のスチフネスを調整する屈曲調整剤が含まれる。
【0046】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステム10は、少なくとも1つの折りたたみ構成に折りたたみ可能であるように構成されて、貯蔵及び輸送を容易にする。図6は、流動性材料閉じ込めシステム10の第1の折りたたみ構成を示している。この場合、流動性材料閉じ込めシステムは、実質的に平坦なシート様の形状に折りたたまれる。図6の構成では、多数の流動性材料閉じ込めシステム10が、パレット搭載式貯蔵用の比較的少量の空間内に積み重ねられる。更には、この構成では、展開指示器18は、流動性材料閉じ込めシステム10の上面の、このシステムを展開中のユーザが明瞭に見えるところに配設される。かくして、ユーザは、流動性材料閉じ込めシステム10をどこで把持するか、そして如何にして開くかを、システムを迅速に一見しただけで容易に決定することができる。
【0047】
図7は、流動性材料閉じ込めシステム10の第2の可能な折りたたみ構成を示している。この構成では、流動性材料閉じ込めシステム10は、幅広縦向きストリップ14aと同じ幅の狭い構造に折りたたまれる。図6の折りたたみ構成と全く同様に、展開指示器18は、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10を把持してシステムを展開する位置と、システムが展開用に移動されるべき方向とを指示するように構成されている。
【0048】
流動性材料閉じ込めシステム10は、図6の折りたたみ構成にある時は、少量の空間だけを占有する。かくして、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、パレット搭載式貯蔵用の図6の折りたたみ構成にある時は、横並び及び積み重ねの配置に容易に貯蔵される。
【0049】
図8は、概ね50で、隣接する流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続するに好適な接続構造の代替実施形態を示している。接続構造50は、スロット又はカット54で形成された舌52をストリップの端部に有し、そして隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロットを通して延びるように構成されている。舌52はまた、舌のエッジに形成された少なくとも1つの突起56を有する。突起56は、相補形接続構造上の相補形突起の後方で嵌合、従って係合するように構成され、相補形スロット内の舌を固定する。図示の接続構造50は、2つの突起56を舌52の各側に1つずつ有する。しかしながら、接続構造50は、より多くの又はより少ない突起を有することもある。
【0050】
接続構造はまた、接続指示器を有して、流動性材料閉じ込めシステム及び隣接する流動性材料閉じ込めシステムが確実に接続されていることをユーザに指示することもできる。典型的に、接続指示器は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形接続指示器と組み合わされて動作して、接続指示器と相補形接続指示器が適切に接続されたときにのみ接続が確実であるという指示を形成する。任意の好適なタイプの指示が接続指示器と相補形接続指示器によって形成され得る。例としては、限定されるものではないが、可視的及び/又は触感的な指示である。
【0051】
図9及び10は、好適な接続指示器の一例を概ね60で、また相補形接続指示器を概ね60’で示している。接続指示器60及び相補形接続指示器60’は各々、1以上の英数文字を含んでいる。英数文字は、接続構造50と相補形接続構造50’が正しい様式で接続された時に、相補形英数文字と結合して、認識可能な単語、句、頭字語等を形成するように構成されている。図示の実施形態では、接続指示器60は文字“LO”を含み、そして相補形接続指示器60’は文字“AD”を含んでいる。接続構造50及び50’が適切に接続された時、舌52は相補形スロット内へ充分遠くまで延びて、これらの文字が単語“LOAD”を書き、流動性材料閉じ込めシステムが正しく接続され且つ流動性材料で装填される状態に準備されたことをユーザに知らせる。半透明又は透明材料を使用して流動性材料閉じ込めシステム10を形成すると、接続指示器60及び相補形接続指示器60’の使用が容易にされる。
【0052】
図10はまた、隣接する流動性材料閉じ込めシステムに対して節動する流動性材料閉じ込めシステム10の能力を描いている。接続構造50及び相補形接続構造50’の、それぞれのストリップ(図9及び10にそれぞれ64及び64’で示されている)上での構成及び配置に起因して、ストリップ64の端部は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の66’で示される最近接の垂直ストリップから離れて配置されている。同様に、ストリップ64’の端部もまた、66で示される最近接の横向きストリップから離れて配置されている。ストリップ64及び64’の端部は、横向きストリップ66に接近しても接してもいないので、ストリップ64’は、図10に示すように、ストリップ64’に対して節動することが可能である。このことにより、複数の流動性材料閉じ込めシステム10が使用されて、個別の流動性材料閉じ込めシステムの有意な歪みなしに、不均一な地形をカバーすることを可能にする。
【0053】
流動性材料閉じ込めシステム10は、任意の好適な節動の範囲を持つように構成され得る。隣接する流動性材料閉じ込めシステム間で許容される節動の範囲は、ストリップ64及び64’の端部と最近接の横向きストリップ66及び66’との間の距離を変更することによって調節され得る。これは、流動性材料閉じ込めシステムが典型的に、ストリップ64の端部のコーナーがストリップ66’に接触するまで(あるいはストリップ64’のコーナーがストリップ66に接触するまで)、節動できるからである。この代わりに、節動の範囲は、ストリップの幅を調整することによっても調節され得る。
【0054】
図11は、概ね100で、流動性材料閉じ込めシステム10とは異なる接続構造を持つ流動性材料閉じ込めシステムの第2の実施形態を示している。流動性材料閉じ込めシステム100は、流動性材料閉じ込めシステム10と同じ特徴の多くを有する。例えば、流動性材料閉じ込めシステム100は、縦向きストリップ104及び横向きストリップ106の相互接続されたネットワークで形成された複数の境界セル102bによって境界つけされた複数の内部セル102aを有する。縦向きストリップ104は、幅広縦向きストリップ104a及び幅狭縦向きストリップ104bの双方を含むことがある。更に、流動性材料閉じ込めシステム100は、低可視条件での流動性材料閉じ込めシステムの展開を助けるように構成された複数の展開指示器108を有する。図示の流動性材料閉じ込めシステム100は、各々が2番目に最外側の位置に配置された2つの幅広縦向きストリップ104aを含む。しかしながら、より多くの又はより少ない幅広縦向きストリップ104aもまた使用され得る。
【0055】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステム100はまた、隣接する各端部に配設された接続構造110を有する。各接続構造110は、幅広縦向きストリップ104a及び幅狭縦向きストリップ104bの端部のエッジから離れて設けられたスロット又は開口114からなる舌112を有する。例示的な幅狭縦向きストリップ314bが、より詳細に図12に示されている。舌112は、ストリップ314bの長さ寸法に対して概ね垂直に方位付けされている。更に、幅狭縦向きストリップ314bの一端上の舌112は、幅狭縦向きストリップの他端上の舌112’及びスロット114’から約180度の方位に設定されている。かくして、2つの流動性材料閉じ込めシステム100が横並び式に配置されると、一方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の隣接するスロット114内に挿入されるように方位付けされる。同様に、舌112’は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の隣接するスロット114’内に挿入されるように方位付けされている。このようにして、一方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112は、他方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112’の後方に開口114’を通して挿入され、2つのシステムを結合する。舌112及び112’は、最近接の横向きストリップよりも縦向きストリップ104の端部近くに配置され、隣接する接続された流動性材料閉じ込めシステムに対する流動性材料閉じ込めシステムの節動を容易にする。
【0056】
図示の実施形態は、接続構造110を各縦向きストリップ104の各端部に有するが、任意の他の好適な接続構造の配置が使用され得る点が認められるであろう。例えば、流動性材料閉じ込めシステムが障壁構造の端部に配置されるように構成されている場合、各縦向きストリップ104は、単一の接続構造を有することができる。加えて、図示の実施形態における各舌112,112’は概ね“U”形状の構成を有するが、開口は任意の他の好適な構成、例えば単純な直線状スロットや“V”形状構成を有し得る点が認められるであろう。
【0057】
図13は、概ね120で、隣接した流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続することに好適に使用されるもう1つの代替接続構造を示している。接続構造120は、スロット124によって形成された舌122を有する。舌122は、ストリップの長さ寸法に対して概ね斜めに方位付けされている。図示の舌122は、ストリップの長さ寸法から約45度の方位に設定されているが、舌が任意の他の好適な斜め方位を持ち得る点が認められるであろう。相補形舌122’及びスロット124’は、ストリップの他端に配設されている。相補形舌122’及びスロット124’は、舌122及びスロット124から約180度の方位に設定されている。この方位は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロット124’内への舌122の挿入を容易にする。しかしながら、舌122及び相補形舌122’は、相互に任意の他の好適な方位を持つことができる。
【0058】
流動性閉じ込めシステム100に関連して図14に示されているように、流動性材料閉じ込めシステムは、2人のユーザによって迅速且つ容易に展開され得る。ユーザは、折りたたまれた流動性材料閉じ込めシステム100の互いに逆側に対面して立ち、流動性閉じ込めシステムの指示されている位置を把持し、展開指示器108によって指示されている方向に単純に引っ張る。このことにより、流動性材料閉じ込めシステム100は、迅速且つ容易に開放構成に切り替わる。それから、流動性材料閉じ込めシステム100は、所望の位置に配置され、そしてもう1つの流動性材料閉じ込めシステムは、最初のシステムの上に又は並んで配置されるために開かれて、拡張構造を形成する。それから、3番目の人が好適な設備、例えばフロントローダーを利用して、この構造に砂又は他の流動性材料を単純に充填することで、障壁構造を完成する。完成された障壁構造は、図15に概ね200で示されている。正しく組み立てられると、垂直整列指示器19は、障壁構造200を下がる線を規則的な間隔で形成する。更に、幅広縦向きストリップ14a”のコネクタ21及び23は、隣接する上位の層の幅広縦向きストリップの重複部分によってカバーされ、更に障壁を補強することを助ける。200で示されるような障壁構造は、流動性材料閉じ込めシステム10によって、同様の比率の砂袋障壁より(総工数で)100倍も速く構築されることが判明している。更に、障壁は、流動性材料閉じ込めシステム10によって、スロット型コネクタと全て同幅のストリップを有する従来の流動性材料閉じ込めシステムより5倍以上も速く構築されることが判明している。
【0059】
一時的障壁構造がもはや必要でなくなったら、一時的障壁構造は、単純に流動性材料閉じ込めシステムを互いに引き離し、流動性材料をセルから落下させ、流動性材料閉じ込めシステムを貯蔵用の折りたたみ構成に切り換えることによって解体される。
【0060】
ある種の環境では、複数の流動性材料閉じ込めシステムからなる拡張構造を単一の顆粒状材料、例えば砂やその場の土で充填することによって好適な強度の障壁構造が構築される。しかしながら、他の環境では、更に補強が必要となる。これらの環境では、異なる材料が境界セルに添加されて拡張構造の外側部分を補強する。外側境界セルに添加されて拡張構造を補強する材料の例には、コンクリート又はセメントが含まれる。コンクリート又はセメントは、任意の比率の成分を持つことができる。約20:1のセメント混合物は、境界セルを補強することに特に有利であることが証明されている。これは、この混合物のセメントは、良好な硬さ特性を有する一方で、過度の労力なしに破壊されて除去され得るからである。
【0061】
セメント又はコンクリートで充填された外側境界セルを持つ障壁は、任意の好適な手法で構築され得る。好適な構築法の一例は、次の通りである。先ず、複数の流動性材料閉じ込めシステムが、所望の高さに積み重ねられ、且つ所望の長さに配置される。上述したように、最底部の流動性材料閉じ込めシステムは、表向きにして位置決めされ、そして他の格子システムは、上下逆にして最底部の格子システム上に位置決めされる。
【0062】
次に、内部セルは、好適な構造によってカバーされ、注ぎ込みプロセス中に内部セルにセメントが入ることを防止する。境界セルは、露出されたまま残される。内部セルをカバーするに好適な構造の例には、合板又は軽量金属のシートが含まれる。次に、セメント混合物が、境界セルに注ぎ込まれる。それからカバー用の構造が取り除かれ、そして典型的にフロントローダーや同様の重機を使用して、流動性材料が内部セルに注ぎ込まれる。この方法は、有意な高さ及び長さの強固な障壁構造が、少数の作業者を使用して、迅速に構築されることを可能にする。さらなる強度が望まれる場合は、2番目の流動性材料閉じ込めシステム障壁が最初の障壁の直接後方に接して建造され、保護障壁の厚さを2倍にする。
【0063】
図15はまた、ある環境での一時的保護障壁の使用を描いている。この環境では、障壁が、もう1つの固定対象物202、例えば建物の壁又は橋杭に接して建造されることを必要とする。この場合、障壁構造200が固定対象物202と合う領域は、他の材料で封止又は補強される必要がある。これは、水が一時的障壁のエッジ回り又は底部直下にしみ込むことを防止するためである。これらのエッジ領域を補強する1つの好適な方法は、エッジ領域を材料充填済の袋204で囲むことである。袋204は、砂又は他の好適な材料、例えばセメント混合物を含むことができる。更に、セメント混合物、典型的に20:1の混合物は、固定対象物と障壁の間の空間に注ぎ込まれ、障壁との間に残された空間を満たす。最後に、一列の袋204を障壁構造200の底部に沿って配置して、水が障壁構造200の底部直下にしみ込むことを防止する。障壁構造200内に収容された流動性材料206は、構造的一体性を壁に与えるのに対し、砂袋204は、障壁構造と他の周囲構造の間の継ぎ目を封止する。
【0064】
障壁セル12bに対する更なる支持を与えるために、いくつかの横向きストリップの下端は、図16に示されるように、他の横向きストリップの上端に結合される。この配置は、1つおきの障壁セル12bを横切って延びるブレース210を創生し、かくして支持された障壁セルの壁を硬くする。横向きストリップの端部は、好適な締結具、例えば限定されるものではないが、ワイヤタイ、リングコネクタ、コッターピン、ボルト等や、粘着テープ、糊又は他の接着剤によって互いに接続されるか、あるいは隣接する横向きストリップの端部が互いに発揮する摩擦及び圧力を介して、単純に定位置に保持される。
【0065】
図1及び11に図示された実施形態において示されたコネクタ構成は、複数の流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続して、直線的な障壁構造を形成するに好適である。非線形的様式で延びる障壁構造は、従来の障壁構造を所望の角度で接合する障壁構造を単に形成することによって形成される。しかしながら、2つの障壁構造が合う位置は、弱い点となる。より強い多方向性構造を与えるために、横向き支柱上に設けられたコネクタを有するコーナー流動性材料閉じ込めシステムが使用され、方向変化を障壁構造に導入する。そのようなコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、一時的障壁構造、例えば防壁、ダム又は土地の湾曲点回りの堤防等の建設を容易にする。
【0066】
図17は、概ね300で、好適なコーナー流動性材料閉じ込めシステムの模式的平面図を示している。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、縦向き及び横向き方向の双方に延びる複数の幅狭縦向きストリップ14bを有する。複数の幅狭縦向きストリップ14bは、幅広縦向きストリップ14a’(又は14a”) によって各側が囲まれている。かくして、コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、縦向き及び横向きストリップの各々の各端部上に接続構造を有し、そして任意の好適な流動性材料閉じ込めシステムの取付を、その側部のいずれでも受け入れる。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300の周回りでの幅広ストリップの使用は、コーナー流動性材料閉じ込めシステムの境界セル302の補強を助け、また砂が障壁から逃げないようにすることを助ける。
【0067】
図示のコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、幅広ストリップを最外側ストリップとしてのみ有するが、コーナー流動性材料閉じ込めシステムが、より多いかより少ない幅広ストリップを有してもよいこと、そして全て幅広のストリップ又は全て幅狭のストリップを有してもよいことが認められるであろう。更には、図示のコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、複数のストリップ14a’及び14bで形成されているが、コーナー流動性材料閉じ込めシステムが、ここに開示され、又は米国特許出願第10/086,772号に開示されて参照によりここに組み入れられる任意の他の好適なストリップの組み合わせを有してもよいことが認められるであろう。
【0068】
図18は、複数のコーナー流動性材料閉じ込めシステムで構成され、概ね400で示された多方向拡張障壁構造の模式的平面図である。図示の障壁構造は、複数の流動性材料閉じ込めシステム10と、2つのコーナー流動性材料閉じ込めシステム300とを備える。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、障壁に方向変化を導入する。例えば、障壁セグメント402と障壁セグメント404は、コーナー部品300の1つでおおよそ直角に交わる。障壁セグメントが交わる角度は、図7に示された折りたたみ構成に向かってコーナー部品300を部分的に折りたたむことによって幾分変更され得る。更には、流動性材料閉じ込めシステムが柔軟な材料で建造される場合、隣接する壁は、直角構成から僅かに外れて曲げられる。多方向拡張構造の建造を容易にするために、コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、流動性材料閉じ込めシステム10とは異なる展開指示器(図示せず)を有することがある。
【0069】
上述したように、2つの最外側ストリップとしての幅広縦向きストリップ14aの使用は、隣接する格子層の最外側ストリップの間から砂が漏れ出さないようにすることを助け、かくして格子構造の一体性を保存することを助ける。更に、阻止ストリップが使用され、障壁構造の端部を封止して、障壁構造の端部で隣接する格子層の間から砂が漏れ出さないようにすることができる。
【0070】
図19a及び19bは、概ね400で、障壁構造の端部を封止するに好適な阻止ストリップの第1の実施形態を示している。阻止ストリップ400は、長い面部分402と、かぎ状端部404とを有する。長い面部分402は、内部セル12aの幅にほぼ等しい幅406を持つ。所望の高さの障壁構造を組み立てた後、この障壁構造に砂を充填する前に、阻止ストリップ400は、障壁構造の各端部の各セル列内へ垂直に挿入される。この場合、阻止ストリップは、かぎ状端部404によって、構造の各端部において、最上側の流動性材料閉じ込めシステムの最外側横向きストリップ16から吊り下げられる。このことは、図21に模式的に示されている。このようにして、各阻止ストリップ400の長い面部分402は、垂直に隣接する流動性材料閉じ込めシステム間のギャップを阻止することを助け、かくして障壁構造の端部から砂が漏れ出さないようにすることを助ける。図示の実施形態は、かぎ状端部404を阻止ストリップ400の一方の端部にのみ有するが、かぎ状端部404がストリップの各端部に設けられても良いことは認められるであろう。このことは、阻止ストリップ400がいずれの端部を先にしても障壁構造中に挿入されることを可能にし、かくして乏しい可視性を持つ条件で障壁構造の構築の容易さに寄与する。
【0071】
図20は、阻止ストリップの代替実施形態を、概ね500で示している。阻止ストリップ500は、長い面部分502と、ストリップの少なくとも一方の端部に形成された舌コネクタ504とを有する。阻止ストリップ400と同様に、阻止ストリップ500は、完全に構築された障壁構造の各端部セル中へ、この障壁構造が砂で充填される前に、垂直に挿入される。このようにして、阻止ストリップ500の面部分502は、垂直に隣接する流動性材料閉じ込めシステム間のギャップを阻止し、障壁構造の端部から砂が漏れ出さないようにすることを助ける。
【0072】
舌コネクタ504は、最上側流動性材料閉じ込めシステムの最外側横向きストリップ16に繋がるように構成されている。この場合、阻止ストリップ504は、セルの列内に吊り下がり、かくして図19a及び19bの実施形態のかぎ状端部4040と本質的に同じ機能を果たす。舌コネクタ504は、阻止ストリップの一方の端部にのみ、あるいは図20に示されているように、各端部に設けられる。舌コネクタ504を阻止ストリップの各端部に設けると、阻止ストリップ500は、いずれの端部を先にしても障壁構造内に挿入され、かくして乏しい可視性を持つ条件で障壁構造の構築の容易さに寄与する。更には、舌コネクタ504は、たとえ阻止ストリップ500のどの面が障壁構造の外側に向けて方位付けされていても、障壁構造内の最上側流動性材料閉じ込めシステムのストリップに掛けられる。かくして、阻止ストリップ500の各端部での舌コネクタ504の使用は、阻止ストリップを、いずれの端部を先にしても、且ついずれの向きに面していても、障壁構造内に挿入されるようにする。
【0073】
阻止ストリップ400及び500は、障壁構造の端部のセル以外のセル内に配置され得ることは理解されるであろう。例えば、1以上の阻止ストリップ400及び500は、内部セル12a内に配置され得る。これは、拡張構造の完成時に、この拡張構造に砂を充填して障壁構造を形成する前に、セルを開放状態に保持するため、並びに複数の垂直に積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステムを正しい整列状態に保持するためである。このことは、図21に400’で示されている。
【0074】
図22は、概ね600で、複数の流動性材料閉じ込めシステム10によって構築された拡張構造のもう1つの例を示している。拡張構造600は、120度の外角604で互いに交差する3つの分離した線形壁セグメント602を有する。これらの壁は、最外側の幅広縦向きストリップ14a”によって互いに接続されている。ストリップが柔軟な材料で形成されている場合、最外側のストリップ14a”は湾曲して、砂を漏れさせる有意なギャップのない円滑なコーナーを形成する。図22の各線形壁セグメント602は約120度の外角で他の線形壁セグメントと交差しているが、最外側の縦向きストリップ14a”の柔軟な性質は、線形壁セグメントが幅広い範囲の可能な外角、例えば約90度で交差することを可能にし、これによりコーナー流動性材料閉じ込めシステム300を使用せずに直角接続を達成するものであることが認められるであろう。
【0075】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステムは、任意の好適な形状及び相対寸法をもつことができる。図23は、702で、縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムを構築するに好適な短縮された横向きストリップの実施形態を示す。縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムの例示的実施形態は、図24において概ね700で示される。縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、1つの幅広縦向きストリップ14a’と、1つの幅広縦向きストリップ14a”と、2つの幅狭縦向きストリップ14bと、6つの横向きストリップ702とで形成されている。図示の横向きストリップ702は、流動性材料閉じ込めシステム10の横向きストリップ16の長さの約1/2であり、流動性材料閉じ込めシステム700の全設置面積を流動性材料閉じ込めシステム10の全設置面積のサイズの約1/2にする。しかしながら、横向きストリップ702は、任意の他の好適な長さを持つことができることが認められるであろう。
【0076】
縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、異なる目的に使用され得る。例えば、縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、図25a及び25b示されるように、砂袋に代えて、又はそれに加えて、複数の流動性材料閉じ込めシステム10で構築された拡張構造の脚部を補強することに使用されるか、あるいは図26に示されているように、流動性材料閉じ込めシステム10を使用するにはスペースがあまりにも制限されている場合に、構造体、例えば建物や家等の内壁を補強することに使用され得る。これらの用途は、単なる例示である点、並びに縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、任意の他の好適な目的のために使用され得る点が認められるであろう。
【0077】
図27は、幅広縦向きストリップのもう1つの代替実施形態を概ね802で示している。幅広縦向きストリップ802は、ストリップの長さに沿って延びた積み重ねエラー指示器804を有する。積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップ802のエッジ806に隣接しているが離れて位置決めされている。この代わりに、積み重ねエラー指示器は、804’で示されるように、幅広縦向きストリップ802のエッジ806に直接隣接して、あるいは任意の他の好適な位置に配置されてもよい。積み重ねエラー指示器804の構造及び機能の詳細がここで論議される場合、この論議は積み重ねエラー指示器804’にも適用されることが認められるであろう。
【0078】
積み重ねエラー指示器804は、拡張構造の建造中の積み重ねエラーの回避を促進する。流動性材料閉じ込めシステム10(又は700)で構築された拡張構造は、より大きな強度をもつことがある。これは、各流動性材料閉じ込めシステムの幅広縦向きストリップが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの対応するストリップの、外面ではなく、内面に接して入れ子状に重ねられる時である。ここで使用される“内面”という用語は、格子構造の中心に面している各幅広縦向きストリップの面を指す。この構成は、構造が砂で満たされるときに、構造の幅広縦向きストリップが折れないようにすることを助けると共に、拡張構造が、例えば波の衝撃によってストレスを加えられるときに、最外側の保護セルから砂が漏れないようにすることを助ける。
【0079】
しかしながら、ストレス及び/又は低可視条件下で拡張障壁構造を建造するときに、積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステムの適正な積み重ね又は入れ子状の重ね入れにエラーが起こることがある。具体的に、流動性材料閉じ込めシステムの幅広縦向きストリップのセグメントは、積み重ね中に、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの対応する幅広縦向きストリップの外側に配置されることがある。更には、障壁構造の比較的複雑な幾何学的外観に起因して、そのような積み重ねエラーは、見つけて訂正することが、特に低可視条件で困難となる。
【0080】
積み重ねエラー指示器804は、拡張構造内の1つの流動性材料閉じ込めシステムからの幅広縦向きストリップが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの内側、又は外側に、入れ子状に重ねられているか否かを示す簡単な可視基準として作用する。積み重ねエラー指示器804は、最外側の幅広縦向きストリップ14a’上にのみ、又は最外側から2番目の幅広縦向きストリップ14a”上にのみ、又は両ストリップ14a’及び14a”上に含まれる。更に、積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップ14a’の各々の外面、又は内面、又は外及び内面双方の上に設けられる。更に、展開指示器810は、積み重ねエラー指示器804と関連して使用され得る。図28は、積み重ねエラーのない例示的障壁構造を概ね900で描いている。図29は、積み重ねエラーのある例示的障壁構造を概ね1000で描いている。
【0081】
先ず図28を参照すると、拡張構造の最低位の層上の各流動性材料閉じ込めシステム10上にある積み重ねエラー指示器804は、拡張構造900の面を横切って間断のない線902を形成している。間断のない線の外観は、流動性材料閉じ込めシステムの最低位から2番目の層が最低位の層上に正しく積み重ねられたときに、流動性材料閉じ込めシステム10の最低位から2番目の層からの全ての最外側及び最外側から2番目の縦向きストリップが、拡張構造900内の流動性材料閉じ込めシステムの最低位の層の対応するストリップ内で入れ子状に重ねられていることを示す。更に、他の積み重ねエラー指示器804は、拡張構造900の面上の他の位置では見えない。このことは、拡張構造内の各層の他の幅広縦向きストリップが、隣接する下位の拡張構造の内部で入れ子状に重ねられていることを示す。
【0082】
次に図29を参照すると、1つの積み重ねエラー1002が拡張構造1000の面のほぼ中ほど上に見られ、そしてもう1つの積み重ねエラー1004が構造の底部(ここで第1及び第2の格子レベルが交差する)に隣接して見られる。積み重ねエラー1002では、最外側の幅広縦向きストリップ14a”の単一セグメント(即ち、スロット24間のセクション)が、隣接する下位の層の、内側ではなく、外側に入れ子状に重ねられている。このことは、積み重ねエラーの位置における積み重ねエラー指示器804の外観によって指示されている。積み重ねエラー1004では、最底部の流動性材料閉じ込めシステムの積み重ねエラー指示器804内の欠けているセグメントは、最底部の流動性材料閉じ込めシステムの一部が、隣接する上位のシステムの内側に、不適正に入れ子状に重ねられていることを示している。エラーは、積み重ねエラー指示器804のオフセットセグメントとして現れる。これらのエラーは、充填中及び/又はストレスを受けているときに、砂を構造から漏れ出させる可能性があり、また隣接する上位の層の内部に位置決めされた隣接する下位の層内のストリップが充填中に折れて、砂が完全に構造を充填することを妨げる。積み重ねエラー指示器804なしに、そのような積み重ねエラーを検出することは、全く困難である。しかしながら、積み重ねエラー指示器804があると、エラーは、積み重ねエラー指示器804の(最低位の層で)欠けているセグメント又は(他の層で)目視できるセグメントをチェックするための表面的な視認検査によって容易に視認することができ、そして拡張構造1000の次の層が建造される前に、あるいは積み重ねエラーが起こった瞬間にでさえも、迅速且つ容易に直すことができる。幅広縦向きストリップは、不透明であり得る。この場合、隣接する下位の層の内部に入れ子状に重ねられた積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップを通して見えなくなり、これによりユーザが積み重ねエラーを見過ごさないようにすることを助ける。
【0083】
積み重ねエラーは、特に積み重ねエラー指示器の幅狭縦向きストリップが少なくとも部分的に透明な場合、積み重ねエラー指示器804を使用して、内側幅広横向きストリップ上でも検出され得る。例えば、流動性材料閉じ込めシステムが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムに対し不適正に入れ子状に重ねられたセクションを持つ内側幅広横向きストリップを有する場合、積み重ねエラー指示器804は、透明な幅狭縦向きストリップを通して、構造の逆側に立っているユーザによって、積み重ねエラーとして視認される。このことにより、障壁構造を組み立てるために、図14に図示すように、一方から他方へ横切って働く2人のチームが、障壁構造の組み立て中において、流動性材料が障壁構造に加えられる前に、幅広縦向きストリップの外部及び内部双方で積み重ねエラーを発見し訂正することが可能になる。
【0084】
上述したように、積み重ねエラー指示器804は、積み重ねエラーの存在を指示するために任意の好適な外観を持つことができる。例えば、積み重ねエラー指示器804は、一様な又はパターン化された外観、例えば矢印パターンや交差ハッチングパターン等を有することができる。その代わりに、積み重ねエラー指示器804は、図24〜26に示すように、一様な外観を有してもよい。更に、積み重ねエラー指示器804は、図27に示すように、幅広縦向きストリップ14aを間断なく完全に横切って延びるか、あるいは図30に1104で示すように、破断された線の外観を持っても良い。更に、幅広縦向きストリップ14aは、不透明な外観、例えば限定されるものではないが、白又はベージュの外観を有して、積み重ねエラー指示器804に対し大きなコントラストを持つようにしてもよい。更に、積み重ねエラー指示器804は、縦向きストリップの各セグメント上に現れる不連続なマークやシンボル等の形態を有してもよい。この場合、各セグメントは、単一セルの長さによって規定される。積み重ねエラー指示器804は、積み重ねエラーの存在を示す以外の目的に役立つことが認められるであろう。例えば、追加的な保護が望まれる場合には、積み重ねエラー指示器804によって障壁構造の底部を横切って形成された線(図28に900で示されている)は、如何に高く砂袋の列を壁の前に積み重ねるかを指示するマーカーとして使用され得る。
【0085】
本開示は、障壁流動性材料閉じ込めシステム及びこれらシステムを使用する方法の特定の実施形態を含んでいるが、特定の実施形態は、限定的な意味で考えられているのではない。何故ならば、多数の変更が可能だからである。本開示の主題は、ここで開示された種々の流動性材料閉じ込めシステム、これらシステムを使用する方法、これらシステムで構築される構造、及び他の要素、特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規且つ非自明な組み合わせ及び下位組み合わせを含む。ここに含まれる説明及び例は、発明の範囲を限定することを意図されているのではなく、例証目的だけのために含まれている。この発明の他の実施形態が開発され、且つ発明の精神及び範囲並びに請求の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0086】
以下の請求項は、新規且つ非自明とみなされる所定の組み合わせ及び下位組み合わせを特に指摘している。これら請求項は、“1つの”要素や、“第1の”要素又はその均等物に言及することがある。そのような請求項は、1以上のそのような要素の結合を含むものと理解されるべきである。この場合、2以上のそのような要素を必要としたり、排除したりしない。特徴、機能、要素、及び/又は特性の全ての組み合わせ及び下位組み合わせは、現請求項の補正により、あるいはこの又は関連出願での新請求項の提示により請求される。そのような請求項もまた、元の請求項の範囲に対し、広くても、狭くても、等しくても、異なっても、本開示の主題内に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施形態に係る流動性材料閉じ込めシステムの等角図である。
【図2】図1の実施形態の第1の幅広縦向きストリップの立側面図である。
【図3】図1の実施形態の第2の幅広縦向きストリップの立側面図である。
【図4】図1の実施形態の幅狭縦向きストリップの立側面図である。
【図5】図1の実施形態の横向きストリップの立側面図である。
【図6】第1の折りたたみ構成における図1の実施形態の斜視図である。
【図7】第2の折りたたみ構成における図1の実施形態の斜視図である。
【図8】隣接する流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続するに好適な接続構造の代替実施形態の立側面図である。
【図9】接続構造のもう1つの代替実施形態の立側面図であり、隣接する流動性材料閉じ込めシステムからの相補形接続構造が一緒に示されている。
【図10】相互に接続された図9の接続構造と対応する接続構造の立側面図であり、節動の例示的範囲が破線で示されている。
【図11】第2の実施形態に係る流動性材料閉じ込めシステムの等角図である。
【図12】図11の実施形態の幅狭縦向きストリップの立側面図である。
【図13】幅狭縦向きストリップの代替実施形態の立側面図である。
【図14】図1の実施形態の展開を図示した図である。
【図15】積み重ねられ、また端と端が縦に繋ぎ合わされ、さらに顆粒状流動性材料で満たされて洪水保持壁を形成した複数の流動性材料閉じ込めシステムの斜視図である。
【図16】図1の実施形態の等角図であり、隣接する横向きストリップの端部が接続されて最外側のセルを補強している。
【図17】もう1つの実施形態に係るコーナーの流動性材料閉じ込めシステムの平面図である。
【図18】第1の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図であり、図17の実施形態の例示的用途を示している。
【図19a】複数の流動性材料閉じ込めシステムによって建造された構造体の端部から砂が流失することを防止するように構成された阻止ストリップの立側面図である。
【図19b】図19aの阻止ストリップの端部の上面図である。
【図20】阻止ストリップのもう1つの実施形態の立側面図である。
【図21】第2の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図であり、図19及び20の実施形態の例示的用途を示している。
【図22】第3の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図である。
【図23】縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムを建造するための横向きストリップの実施形態の図である。
【図24】縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムの実施形態の平面図である。
【図25a】複数の流動性材料閉じ込めシステムと縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムによって建造された拡張構造の実施形態の平面図である。
【図25b】図25aの実施形態の側面図である。
【図26】建物の壁を補強するために複数の縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムによって建造された拡張構造の模式的側面図である。
【図27】積み重ねエラー指示器を有する幅広横向きストリップの実施形態の立側面図である。
【図28】複数の流動性材料閉じ込めシステムによって形成された拡張構造の斜視図であり、積み重ねエラー指示器は積み重ねエラーを示していない。
【図29】図28の拡張構造の斜視図であり、積み重ねエラー指示器は積み重ねエラーを示している。
【図30】積み重ねエラー指示器を有する幅広横向きストリップのもう1つの実施形態の立側面図である。
【技術分野】
【0001】
本開示は、低い可視状態で容易に展開可能に、且つ/又は拡張構造を形成するために隣接する流動性材料閉じ込めシステムに対し迅速に結合可能に構成された流動性材料閉じ込めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
砂袋は、多くの異なる状況において用途を見出す。例えば、砂袋は、洪水の水を押しとどめることや、兵士を戦場で弾や砲等から保護することに、更には建物やキャンプ等の構造体を爆発装置から保護することに使用される。
【0003】
砂袋壁は、そのような環境において保護の手段を与えるが、それらはまた多くの欠点を持つ。例えば、砂袋壁の建設は、多くの人手を必要とし、しかも袋詰めしたり、障壁構造に袋を配置するために過度の量の時間を要する。また、砂袋は、強度の弱い点を有する。これは、一般に個別の砂袋が、互いに取り付けられるのではなく、単に相互に積み重ねられるからである。更には、一般に砂袋は再使用可能ではない。かくして、それらは高価で時間を要する廃棄過程を必要とする。しかも、各緊急事態後に、将来の緊急事態を予測して、新しい砂袋が購入されることを要する。
【0004】
一時的な障壁構造を形成するためのモジュラーシステムも知られている。例えば、ジョンソンJrに付与された米国特許第4,785,604号及び第4,945,689号は、一時的な障壁を形成するための折りたたみ可能な格子構造体を開示している。格子は、織り合わせ式に接続された複数の横及び縦ストリップで形成されている。格子は、隣接する格子に対し、積み重ね式に且つ横並び式に接続されるように構成されており、そして砂のような材料で充填されて一時的な障壁を形成する。格子は、一時的な障壁構造が、匹敵する砂袋構造よりも迅速且つ少ない人員で組立られることを可能にする。
【0005】
ジョンソン特許に開示された格子は、横及び縦ストリップの端部に形成されたコネクタスロットを介して横並び式に接続されている。コネクタスロットは、ストリップの頂部またはストリップの底部のいずれかからストリップ内に延びている。1つの格子を隣接する格子に接続するために、格子は、ある方位で横並び式に配置されている。この方位では、格子上でストリップの頂部から延びたコネクタスロットは、隣接する格子上でストリップの底部から延びた相補形コネクタスロットと整列される(逆もまた同じ)。コネクタスロットは、それから相補形コネクタスロットと結合されて格子を継ぎ合わせる。
【0006】
ジョンソン特許に開示された格子は、一時的な障壁構造を形成するための伝統的砂袋の使用に対して改善を与えるが、それらはある種の短所を有する。例えば、コネクタスロットは、過酷な条件で接続することが困難になることがある。これは、コネクタスロットが正しい相補形スロットと整列する正しい格子方位を決定することが困難だからである。同様に、相補形スロットコネクタが確実に接続されているか否かを決定することは困難である。
【0007】
加えて、ジョンソンJr特許に開示された格子のストリップの端部は、隣接する格子間の境界に形成されたセルが流動性材料で満たされるときに、コネクタスロットに起因して折れる傾向にある。このことは、これらのセルが流動性材料で完全に満たされることを阻み、極端な条件下では潜在的に破滅的破壊を引き起こす構造的弱さを障壁壁にもたらす。ジョンソン格子に関するもう1つの潜在的問題は、低い可視状態で、且つ/又は不正確に積み重ねられた壁を如何に見つけて修理するかを学ぶ訓練を受けることなしに、複数の格子を積み重ねて壁を形成することが困難である点である。加えて、ジョンソン格子のストリップは、折りたたみ構成と展開構成との間を格子が円滑に移動することを妨げる90度のコーナーで終結している。
【0008】
[要約]
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成されて、一時的な障壁構造を形成する流動性材料閉じ込めシステムが開示される。この流動性材料閉じ込めシステムは、複数のストリップと、積み重ねエラー指示器とを備える。複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定する。複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップを含む。この少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、この流動性材料閉じ込めシステムが隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されている。積み重ねエラー指示器は、幅広縦向きストリップに関連したものであって、低い可視状態で効果的に、この流動性材料閉じ込めシステムを隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上へ積み重ねた場合のエラーの位置をユーザに指示するように構成されている。
【0009】
[図示された実施形態の詳細な説明]
図1は、概ね10で、流動性材料閉じ込めシステムの第1の実施形態を示している。流動性材料閉じ込めシステム10は、開放端型セル12のアレイを規定するように互いに結合された複数の長い、概ねストリップ形状の部材で形成されている。複数のストリップ形状部材は、複数の縦向きストリップ14と、複数の横向きストリップ16とを含んでいる。縦向きストリップ14は、第1の大きな幅のストリップ14aと、第2の小さな幅のストリップ14bとを含むことがある。縦向きストリップ14は、以下で更に詳細に説明されるように、異なるタイプのコネクタを持つストリップを含むこともある。縦向きストリップ14及び横向きストリップ16の図示された配置は、少なくとも2つの異なるタイプのセル、即ち内部セル12aと外部境界セル12bを規定する。更には、ストリップの図示された配置は、流動性材料閉じ込めシステム10が開放構成(図1に示されている)と少なくとも1つの折りたたみ構成(以下で更に詳細に説明される)との間を移動可能であるようにすると共に、1以上の展開指示器18を含むことがある。これは、折りたたみ構成から開放構成へのシステムの移動を助けるためである。
【0010】
セル12は、好適な顆粒状流動性材料、典型的には砂を受け入れるように、且つ有意な量の流動性材料が水平又は垂直装填時に流れたり転移したりすることを防止するように構成されている。この結果、機械的に強い頑強な構造体が形成される。複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられ、且つ/又は横並びに(又は端と端を縦に繋いで)配置され、更に顆粒状流動性材料で満たされて、所望の障壁構造を建造する。例えば、上述したように、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、壁形状構成に配置され、そして流動性材料で満たされて、洪水又は波障壁を形成する。加えて、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、緊急泥流障壁や、土堤防構造の中心部内の支持体、又は砂丘として使用されるか、あるいは戦場用の防壁や、他のそのような衝撃構造を形成することに使用される。
【0011】
流動性材料閉じ込めシステム10は、従来のシステムによっては完全に適合されない多くの重要な設計基準に適合する。例えば、流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられて、充填材料を6フィート以上の高さに保持する。また、流動性材料システムは、手動又は機械的に充填される。加えて、流動性材料閉じ込めシステム10は、積み重ねられた構造体内に閉じ込められた砂や他の小粒流動性材料を、その構造体の意図された寿命の間、例えば、6ヶ月以上保持する。流動性材料閉じ込めシステム10は、2人だけで容易且つ迅速に展開可能であって、起立するための追加的設備を余り又は全く必要としない。システム10は、砂袋壁の建造に対してコスト面の利点を与え、また従来システムよりも多くの量の保護を与える。最後に、システム10は、それが配置される領域の地形及び幾何構造に従うことが可能であり、しかも経済的手法で簡単に輸送可能である。これらの利点を生じさせる構造的特徴は、以下で更に詳細に説明される。
【0012】
再び流動性材料閉じ込めシステム10の基本構造に戻ると、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、好適な長さを有する。典型的に、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、3〜6フィートの範囲内の長さ、より典型的には約4フィートであるが、それらはこれらの範囲外の長さを持つこともできる。図1の実施形態では、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16は、ほぼ同じ長さを有する。しかしながら、横向きストリップとは異なる長さの縦向きストリップも使用され得ることが認められるであろう。
【0013】
幅広縦向きストリップ14aは、流動性材料閉じ込めシステム10の積み重ねを助ける。流動性材料閉じ込めシステム10を積み重ねるときに、最底部の流動性材料閉じ込めシステムは、地上に配置される。この場合、幅広縦向きストリップ14aは、幅狭縦向きストリップ14bのトップエッジを超えて上方に延びる。それから、各後続の流動性材料閉じ込めシステム10が、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの上に上下逆構成で積み重ねられる。このようにして、最底部の流動性材料閉じ込めシステム10の幅広縦向きストリップ14aは上向きに延びて、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に入る。このことは、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステム10を、最底部の流動性材料閉じ込めシステムに対して定位置に保持することを助け、しかも幅広縦向きストリップ14aが進入したセルを補強することを助ける。同様に、各後続の流動性材料閉じ込めシステム10の幅広縦向きストリップ14aは下向きに延びて、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に入って、セルを補強すると共に流動性材料閉じ込めシステムを互いに定位置に保持することを助ける。このようにして、複数の流動性材料閉じ込めシステム10を使用すると、他の構成の他の追加的部品なしに、拡張障壁構造が構築され、これにより拡張障壁構造の構築を、特に高ストレスまたは困難な条件下で簡素化することができる(しかし、以下で更に詳細に説明されるように、必要であれば、他の構成を有する部品もシステム10と組み合わせて使用してもよい)。
【0014】
2つの幅広縦向きストリップ14aを流動性材料閉じ込めシステムの各側の最外側ストリップとして使用すると、障壁セルのネットワークが形成される。このネットワークは、流動性材料が障壁セル12bから漏れ出すことを防止することを助け、かくして隣接する格子層の最外側ストリップ間から砂が漏れ出すことによって引き起こされる破壊を防止し、かくして一時的障壁の寿命を長引かせる。障壁セル12bに加えられた砂は、流動性材料閉じ込めシステムから外に逃げたり、あるいは流動性材料閉じ込めシステムの内部セル12aに逃げることは不可能であって、流動性材料閉じ込めシステムで構築された構造体の一体性を維持することを助ける。このことは、砂が外側セルから逃げることを許容し、かくして障壁の破滅的破壊の危険性へと導く従来の流動性材料閉じ込めシステムとは対照的である。
【0015】
しかしながら、内側セル内の砂は、垂直に積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステム間の境界にあるセル間を自由に転移することができる。何故ならば、これらのセルを形成しているストリップは、垂直方向に隣接するセルのストリップとは重ならないからである。更には、幅狭縦向きストリップ14bと横向きストリップ16は、垂直方向に隣接する格子のセル内に延びていないので、これらのストリップは、垂直方向に隣接する格子と比較して、整列状態から自由に押し出される。このことは、砂が、構造体全体を延びる砂の個別の柱を形成する代わりに、格子を通して横方向に流れることも許容する。この構造を通る砂の横向きの流れは、砂の損失に起因した構造内の空隙の形成が確実に起こらないようにすることを助け、かくして隔離されたセル内に砂損失によって引き起こされる弱いスポットに起因した破滅的破壊を防止することを助ける。砂が経時的に空隙に流入するにつれ、より多くの砂が構造体の頂部に加えられて、構造全体が頂部まで砂で満たされることを確実にする。
【0016】
さらに、この構造を通る砂の水平移動は、複数の流動性材料閉じ込めシステム10によって構築された障壁構造の初期充填中に、確実に全てのセルが砂で均一且つ完全に充填されることを助ける。障壁の頂部から入った砂は、障壁が充填されるにつれ、隣接するセル内へ横方向に移動することが可能である。砂が障壁の基部に達すると、上の砂の重量によって、下の砂は均一に地面に沿って分布し、且つ効率的なパッキングに固まる。
【0017】
流動性材料閉じ込めシステム10は、選択されたストリップ上に配設された垂直整列指示器19を含むことがある。垂直整列指示器19は、過酷な天候や他の低可視条件で、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10の方位を決定することを助ける。更には、積み重ね配置の上側の流動性材料閉じ込めシステム10の垂直整列指示器19は、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの垂直整列指示器と整列され、2つの流動性材料閉じ込めシステムが相互に正しい方位となることを確実にする。
【0018】
上述したように、ここで開示される流動性材料閉じ込めシステムは、横並び配置で他の流動性材料閉じ込めシステムに取付可能に構成されてもよい。かくして、1つの好適な接続又は支持構造(又は複数の構造)が設けられて、この様式で複数の流動性材料閉じ込めシステムが接続されることを可能にする。
【0019】
図1の実施形態では、幅広縦向きストリップ14aは、2つの異なるタイプの接続構造を有する。これらは、図2及び3において、より詳細に示されている。図2は、流動性材料閉じ込めシステム10の最外側から2番目の縦向きストリップ14a’を示し、また図3は、流動性材料閉じ込めシステム10の最外側の縦向きストリップ14a”を示している。これらの図において、最外側から2番目の縦向きストリップ14a’はストリップ14a’と呼ばれ、そして最外側の縦向きストリップ14a”はストリップ14a” と呼ばれる。
【0020】
図2を参照すると、幅広縦向きストリップ14a’は、舌20の形態の接続構造を有する。幅広縦向きストリップ14a’は、舌20をストリップの各端部上に有するが、このストリップは、その代わりに、一方の好ましい端部上にのみ舌を有することができる。
【0021】
舌20は、任意の好適な手法で形成され得る。図示の舌20は、幅広縦向きストリップ14a’の各端部に形成された概ね“U”形状のカット、スロット、又は他の開口22によって形成される。しかしながら、舌20は、任意の他の形状スロット、例えば“V”形状のスロット又は実質的に直線状のスロットによって形成され得る。更に、舌20は、接着剤や溶接等によって幅広縦向きストリップ14a’に繋ぎ合わされる好ましい形状のタブによって形成され得る。実質的に直線状のスロットが接続構造として使用される場合、このスロットは、ストリップのエッジまで延びないで、全体的にストリップの端部以内に含まれることが好ましい。このことは、セルが流動性材料で充填されるときに、ストリップの端部が折れることを防止する。
【0022】
同様に、舌20は、任意の好ましい方位を持つことができる。図示の舌20は内側を向き、幅広縦向きストリップ14a’の長さ寸法に対し概ね平行に延びている。この長さ寸法は、一方の舌20から他方の舌20’まで延びる寸法である。幅広縦向きストリップ14a’は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形幅広縦向きストリップに繋ぎ合わされる。この繋ぎ合わせは、舌20を隣接する流動性材料閉じ込めシステムのスロット22’内に挿入し、それから舌20をスロット22’内に完全に延ばすようにストリップを引くことによってなされる。好適な舌方位の他の例は、以下で更に詳細に論じられる。
【0023】
図3を参照すると、各幅広縦向きストリップ14a”は、ストリップの長さ寸法に対して概ね直交して方位付けされると共に、ストリップの一端に配設された舌21及び関連するスロット23を有する。幅広縦向きストリップ14a”はまた、ストリップの他端に配設された相補形の舌21’ 及び関連するスロット23’を有する。幅広縦向きストリップ14a”は、隣接する幅広縦向きストリップ14a” に繋ぎ合わされる。この繋ぎ合わせは、舌21を隣接する流動性材料閉じ込めシステムのスロット23’内に挿入する(又は舌21’をスロット23内に挿入する)ことによってなされる。
【0024】
舌21及び舌20の異なる方位を単一の流動性材料閉じ込めシステム上で使用すると、いずれかを単独で使用するよりも、隣接した流動性材料閉じ込めシステムを互いに確実に保持することを助ける。例えば、舌20及び舌21の双方が隣接流動性材料閉じ込めシステム上の相補形接続構造に接続されるとき、舌20の方位は、舌21を隣接スロット23’から分離する隣接流動性材料閉じ込めシステムの垂直変位に抵抗することを助ける。一方、舌21の方位は、舌20を隣接スロット22’から分離する水平変位を防止することを助ける。幅広縦向きストリップ14a’及び14a”は、異なる接続構造を有するものとして図示されているが、全ての縦向きストリップは、同じ接続構造、又は好適な接続構造の任意の他の組み合わせを有することもできる。
【0025】
舌20と同様に、舌21は、任意の好適な手法で形成され得る。図示の舌21は、幅広縦向きストリップ14a”の端部に形成された概ね“U”形状のスロット23によって形成されているが、任意の他の好適な手法、例えば、限定されるものではないが、舌20について上に掲載された手法で形成され得る。
【0026】
従来システムのスロットコネクタとは対照的に、舌20及び21の使用もまた、障壁の組立中の方位問題を回避することを助ける。これは、隣接する流動性材料閉じ込めシステム10が、積み重ねられるときに繋がって、複数の異なる方位で入れ子状に重なるためである。
【0027】
各幅広縦向きストリップ14aはまた、典型的にストリップの長さに沿って配設された1以上の異なるタイプの他のスロット(又は他の同様の構造)を有する。スロットの各タイプは、典型的に特別な目的のために設けられている。例えば、幅広縦向きストリップ14a上のスロットのいくつかは、横向きストリップ16の挿入に適応するように構成された横向きストリップ受け入れ用スロット24である。横向きストリップ受け入れ用スロット24は、縦向きストリップ14及び横向きストリップ16が相互に結合されて、流動性材料閉じ込めシステムを形成することを可能にする。横向きストリップ受け入れ用スロット24は、以下で更に詳細に説明されるように、横向きストリップ16上の相補形縦向きストリップ受け入れ用スロット内で入れ子状に重なるように構成されている。
【0028】
横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップ14aの長さ寸法に対し直交して方位付けされるか、あるいは任意の他の好適な方位を有することがある。加えて、横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップ14aの幅に沿って充分長く延びることがある。この場合、選択された幅広縦向きストリップと結合された全ての横向きストリップ16のトップエッジは、幅狭縦向きストリップ14bのトップエッジとほぼ同じ高さになる。かくして、幅広縦向きストリップ14aのトップエッジから下向きに延びる横向きストリップ受け入れ用スロット24は、幅広縦向きストリップのボトムエッジから上向きに延びる横向きストリップ受け入れ用スロットよりも更に幅広縦向きストリップの幅に沿って長く延びる。
【0029】
横向きストリップ受け入れ用スロット20は、所望の間隔を有し、この横向きストリップ受け入れ用スロット24の間隔は、所望の基準に基づいて選択される。例えば、ストリップ間隔を接近させると、より小さなセル12が形成され、いくらか強い構造を与える。しかしながら、このことはまた、流動性材料閉じ込めシステム10を作るために更に多くの材料の使用を必要とし、かくして製造コストを増加することになる。同様に、ストリップ間隔を更に遠ざけると、単位面積当たりの流動性材料閉じ込めシステム10のコスト及び重量を低減するが、小さなセルを持つ流動性材料閉じ込めシステムよりは幾分少ない強さとなる。典型的に、横向きストリップ受け入れ用スロット20は、4〜12インチ離れて、より典型的にはほぼ7インチ離れて配置されるが、横向きストリップ受け入れ用スロットは、これらの範囲外の距離だけ離れて配置され得ることが認められるであろう。
【0030】
横向きストリップ受け入れ用スロットは、幅広縦向きストリップ14aの長さに沿って均等に離れて配置されるか、あるいは不均等な様式で離れて配置され得る。図示の実施形態では、横向きストリップ受け入れ用スロット20は、均等に離れて配置され、且つ幅広縦向きストリップ14aのトップエッジ及びボトムエッジから交互に延びている。横向きストリップ受け入れ用スロット20の均等な間隔形成は、均一な寸法のセルを創生し、かくして流動性材料閉じ込めシステム10の構造的特性の規則性に寄与する。更には、横向きストリップ受け入れ用スロット20の交互配置は、幅広縦向きストリップ及び横向きストリップ16が織り合わされて、貯蔵又は輸送中に流動性材料閉じ込めシステム10が分離しないことを助ける。流動性材料閉じ込めシステム10の織り合わせ構造はまた、流動性材料閉じ込めシステムが、以下で更に詳細に説明されるように、少なくとも2つの異なる折りたたみ構成に折りたたまれることを可能にする。
【0031】
横向きストリップ受け入れ用スロット24の他に、幅広縦向きストリップ14aは、複数の積み重ね用スロット26を含んで、流動性材料閉じ込めシステム10の積み重ねに適応することがある。積み重ね用スロット26は、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステム10の横向きストリップを受けるように構成されている。このことは、上側の流動性材料閉じ込めシステムを安定化することを助け、また上側システムの横向きストリップ16及び幅狭縦向きストリップ14bの双方が、システムが積み重ねられるときに、下側システムの横向きストリップ及び幅狭縦向きストリップにほぼ完全に載ることができるようにする。幅広縦向きストリップ14aのトップエッジから延びる横向きストリップ受け入れ用スロット24も積み重ね用スロットとして機能することが認められるであろう。
【0032】
幅広縦向きストリップ14aは、幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16に対して任意の好適な幅を持つことができる。例えば、幅広縦向きストリップ14aは、10〜14インチ、より典型的には約12インチの幅を持つことができる。一方、幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16は、6〜10インチ、より典型的には約8インチの幅を持つことができる。更に、流動性材料閉じ込めシステム10は、8つの縦向きストリップ14及び6つの横向きストリップ16を有するように示されているが、流動性材料閉じ込めシステムは、任意の他の好適な数の縦向きストリップ及び/又は横向きストリップを含むことができる。
【0033】
図示の幅広縦向きストリップ14a’及び14a”は双方共に、丸みつけされたか又は傾けられた外側コーナー29を有する。丸みつけされたコーナー29は、折りたたみ構成と展開構成間における流動性材料閉じ込めシステム10の円滑な展開を確実にすることを助ける。これは、四角いコーナーの使用(ジョンソン格子のように、従来システムで使用されているように)が、展開中に、構造のハングアップを引き起こし、素早い展開速度が重要である状況での拡張障壁構造の建造を大幅に遅くすることが判明しているからである。図示の実施形態では、幅広縦向きストリップの上側コーナーだけが丸みつけされている点、そして下側コーナー29’は丸みつけされていない点に留意されたい(ここで使用されている“上側”及び“下側”という用語は、ストリップが図2及び3の方位にあり、他の方位にないときのコーナーの位置を規定している)。これは、下側コーナーを丸みつけると、丸みつけされたコーナーがストリップと下地又は他の表面との間に開く空間に起因して、システム10によって構築された障壁構造の底部から流動性材料が流出してしまうからである。ここで使用される“丸みつけされた”という用語は、一定の又は可変の曲率半径を持つ任意の湾曲プロフィールと、直線セグメントによって分離されて、個別の角度が各々90度より小さく、且つ角度の合計が約90度に等しい複数の角度を持つ傾けられたプロフィール(例えば、図2に破線29’で描かれたような)と、丸みつけされたプロフィール及び傾けられたプロフィールの組み合わせとを含んでいる。
【0034】
同様に、図示の実施形態のコーナーは、ストリップ14a’及び14a”の上側エッジに沿った各スロット24及び26では丸みつけされているが、下側エッジに沿ったスロットでは丸みつけされていない。上側エッジに沿ったコーナーを丸みつけすると、格子の積み重ねを容易にすることを助ける。これは、丸みつけによって生成される形状が、隣接して上位に積み重ねられる格子のストリップを、隣接して下位に積み重ねられた格子上の正しいスロット内に導こうとするからである。同様に、下側エッジに沿ったコーナーを丸みつけしないと、丸みつけされたコーナーと下地表面との間の空間から流動性材料が漏れ出さないようにすることを助け、これにより波の応力や砲の衝撃等の下でのシステム破壊を防止することを助ける。しかしながら、下側の外側コーナー又は内側コーナー(ここで底部スロットが底部エッジと交差する)は、必要であれば、丸みつけされ得ることが認められるであろう。更には、上側のコーナーも、湾曲される代わりに(又は加えて)、必要であれば、同様に角度付けされるか傾けられてもよい。
【0035】
幅広縦向きストリップ14a’及び14a”上の丸みつけされたコーナーは、任意の好適な曲率半径を持つことができる。好適な曲率半径の一例は、約1インチである。他の好適な曲率半径は、1インチより大きいか小さい値を有する。
【0036】
洪水保持壁の建造のような緊急作業中は、一般的に時間が最も重要であって、流動性材料閉じ込めシステムのような緊急システムをどのように展開するかを決めるために浪費された如何なる時間も、財産及び/又は生命を危険にさらす。かくして、上述したように、流動性材料閉じ込めシステム10は、1以上の展開指示器18を含むことがある。この展開指示器は、低い光条件(又は他の不利な条件)で効果的であって、ユーザに対し、如何にして流動性材料閉じ込めシステムを折りたたみ姿勢の少なくとも1つから開放姿勢に移動するかを指示できるように構成されている。
【0037】
展開指示器は、流動性材料閉じ込めシステムの操作性を所望の手法で強化する。図示の実施形態では、展開指示器18は、如何にして流動性材料閉じ込めシステム10が閉鎖姿勢から開放姿勢へ移動されるかを、幅広縦向きストリップ14a上に配設された可視的に強化された指示印によって示す。展開指示器18は、可視性を強化する背景部分28と、指示部分30とを含む。背景部分28は、典型的に反射性又は蛍光性材料で形成され、このシステムを展開するときに1人のユーザ(又は複数のユーザ)が流動性材料閉じ込めシステムを保持すべき流動性材料閉じ込めシステム10の位置を可視的に強調する。指示部分30は典型的に、少なくとも部分的に背景部分28内に含まれ、そして背景部分に対して目立つように構成されている。そのため、指示部分に含まれた指示は容易に解読され、手本とされる。
【0038】
指示部分30は、任意の好適な印を含んで、如何にして流動性材料閉じ込めシステム10が開放構成へ移動されるかを指示することができる。例えば、図示の実施形態の指示部分30は、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10を把持すべき場所を示す説明文を有し、またユーザが流動性材料閉じ込めシステムを開放構成へ移動させるべき方向を示す矢印を有する。展開指示器18は、ユーザによって把持されるべき流動性材料閉じ込めシステム10の位置を可視的に強調するように構成されているが、展開指示器18が任意の他の好適な手法で機能してもよいことは理解されるであろう。例えば、展開指示器は、一連の隆起したバンプやリッジを含み、流動性材料閉じ込めシステム10が握られるべき場所を、触知性の強化によって示すようにしてもよい。
【0039】
幅狭縦向きストリップ14bは、図4に更に詳細に示されている。幅広縦向きストリップ14aと同様に、幅狭縦向きストリップ14bは、異なるタイプの複数のスロットを有する。例えば、幅狭縦向きストリップ14bは、複数の横向きストリップ受け入れ用スロット32を有し、これらは、幅狭縦向きストリップが横向きストリップ16に結合され得るようにする。図示の実施形態では、横向きストリップ受け入れ用スロット32は、幅狭縦向きストリップ14bのトップ及びボトムエッジから交互に延びて、幅狭縦向きストリップ14bが横向きストリップ16と編み合わされるようにする。この代わりに、全ての横向きストリップ受け入れ用スロット32は、必要であれば、幅狭縦向きストリップ14bの同じエッジから延びることもできる。幅狭縦向きストリップ14bはまた、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロットに結合されるように構成された1以上の接続構造、例えば舌34を有することができる。舌34は、任意の好適な方位を持つことができる。例えば、図示の実施形態では、舌34は、幅広縦向きストリップ14a’について上述したように、幅狭縦向きストリップ14bの長軸に沿って方位付けされている。好適な舌方位の他の例は、以下で説明される。
【0040】
図5は、例示的な横向きストリップ16を更に詳細に示している。各横向きストリップ16は、横向きストリップの長さに沿って配設された複数の縦向きストリップ受け入れ用スロット36を含んでいる。縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、幅広縦向きストリップ14aの横向きストリップ受け入れ用スロット20に繋ぎ合わされ、且つ幅狭縦向きストリップ14bの横向きストリップ受け入れ用スロット32に繋ぎ合わされるように構成されている。図示の実施形態では、縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、各横向きストリップ16のトップ及びボトムエッジから交互に延びているので、横向きストリップは、縦向きストリップと織り合わされる。しかしながら、縦向きストリップ受け入れ用スロット36は、横向きストリップ16の一方のエッジだけから延びてもよい。
【0041】
縦向きストリップ受け入れ用スロット36の他に、横向きストリップ16は、各横向きストリップの端部に形成された境界セルスロット38を含むことがある。境界セルスロット38は、外側縦向きストリップ14を受け入れて、境界セル12bを作るように構成されている。境界セルスロット38は、隣接する縦向きストリップ受け入れ用スロット34から所望の距離だけ離されている。図示の実施形態では、各境界セルスロット38は、最近接の縦向きストリップ受け入れ用スロット36から約半分の距離だけ離されている。このことで、内部セル12aよりも小容積の境界セル12bを作り、かくして静水圧及び波衝撃によって生じた力に対する抵抗性を強めて、境界セルを更に堅固にすることができる。各境界セルスロット38から横向きストリップの各端部まで延びた横向きストリップ16の端部39は、砂が充填される間に通常使用の応力下で、縦向きストリップが外向きに移動することを最小限することを助ける。
【0042】
図示の幅狭縦向きストリップ14b及び横向きストリップ16は、丸みつけされたコーナーを有しない。これら幅狭ストリップの外側コーナーは、幅広縦向きストリップ14a’及び14a”とは異なり、展開中に他のストリップに掛からない傾向にあることが見出されている。同様に、スロットがこれらストリップのエッジと交差する位置に形成された内側コーナーは、図示の実施形態では、丸みつけされていない。これは、幅狭ストリップ14b及び16が、積み重ね拡張構造に組み立てられるときに、隣接する下位の層に入れ子状に重ならないからである。しかしながら、幅狭縦向きストリップ14b及び/または横向きストリップ16の1以上のコーナーは、必要であれば、丸みつけされ得ることが認められるであろう。
【0043】
流動性材料閉じ込めシステム10を形成する種々のストリップは、任意の好適な材料で作られる。好適な材料には、軽量でダメージ耐性のある強くて柔軟なプラスチックが含まれる。そのような材料は、流動性材料閉じ込めシステム10の重量を減らすと共に、耐久性を増す。材料は、波衝撃、静水圧及び砂圧に抵抗可能でありながら、編み合わされるように充分に柔軟であるべきである。更に、材料は透明または半透明であってもよく、これは、流動性材料閉じ込め格子システム内の砂のレベルが容易にモニタされることを可能にする。好適な材料のいくつかの例には、PET(ポリ(エチレンテレフタレート))、PETG(1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリエスレル)、PCTG(ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート))、塩化ポリビニール、及びビスフェノールAポリカーボネートのようなポリカーボネート類が含まれる。これに対し、より柔軟な材料、例えば高濃度ポリエチレンは、そのような条件に耐えるに必要な強度を有しない。
【0044】
流動性材料閉じ込めシステム10は、ある種の使用中に、大きな応力にさらされることがある。この理由のために、比較的高い応力耐性や比較的高い硬度等を持つ材料で流動性材料閉じ込めシステム10を形成することが望ましい。例えば、流動性材料閉じ込めシステム10が形成される材料は、45MPa以上の引っ張り応力降伏点と、52MPa以上の引っ張り応力折点と、1800MPa以上の曲げ係数と、66MPa以上の曲げ強さと、103ロックウェル硬さと、42J(最大負荷でのエネルギ)以上の衝撃抵抗(穿刺)とを室温で持つ。上に掲載された材料の強さ特性が単なる例示である点、並びに流動性材料閉じ込めシステム10が構築される材料が任意の他の好適な物理的特性を持ち得る点が認められるであろう。
【0045】
必要であれば、多数の異なる添加物が、これらの材料の特性を調整することに使用される。例えば、UV吸収剤は、出発物質として、あるいは完成品の被覆として添加され、UV劣化に対する材料の耐性を増加する。他の可能な添加物には、衝撃耐性を増す衝撃調整剤や、材料のスチフネスを調整する屈曲調整剤が含まれる。
【0046】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステム10は、少なくとも1つの折りたたみ構成に折りたたみ可能であるように構成されて、貯蔵及び輸送を容易にする。図6は、流動性材料閉じ込めシステム10の第1の折りたたみ構成を示している。この場合、流動性材料閉じ込めシステムは、実質的に平坦なシート様の形状に折りたたまれる。図6の構成では、多数の流動性材料閉じ込めシステム10が、パレット搭載式貯蔵用の比較的少量の空間内に積み重ねられる。更には、この構成では、展開指示器18は、流動性材料閉じ込めシステム10の上面の、このシステムを展開中のユーザが明瞭に見えるところに配設される。かくして、ユーザは、流動性材料閉じ込めシステム10をどこで把持するか、そして如何にして開くかを、システムを迅速に一見しただけで容易に決定することができる。
【0047】
図7は、流動性材料閉じ込めシステム10の第2の可能な折りたたみ構成を示している。この構成では、流動性材料閉じ込めシステム10は、幅広縦向きストリップ14aと同じ幅の狭い構造に折りたたまれる。図6の折りたたみ構成と全く同様に、展開指示器18は、ユーザが流動性材料閉じ込めシステム10を把持してシステムを展開する位置と、システムが展開用に移動されるべき方向とを指示するように構成されている。
【0048】
流動性材料閉じ込めシステム10は、図6の折りたたみ構成にある時は、少量の空間だけを占有する。かくして、複数の流動性材料閉じ込めシステム10は、パレット搭載式貯蔵用の図6の折りたたみ構成にある時は、横並び及び積み重ねの配置に容易に貯蔵される。
【0049】
図8は、概ね50で、隣接する流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続するに好適な接続構造の代替実施形態を示している。接続構造50は、スロット又はカット54で形成された舌52をストリップの端部に有し、そして隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロットを通して延びるように構成されている。舌52はまた、舌のエッジに形成された少なくとも1つの突起56を有する。突起56は、相補形接続構造上の相補形突起の後方で嵌合、従って係合するように構成され、相補形スロット内の舌を固定する。図示の接続構造50は、2つの突起56を舌52の各側に1つずつ有する。しかしながら、接続構造50は、より多くの又はより少ない突起を有することもある。
【0050】
接続構造はまた、接続指示器を有して、流動性材料閉じ込めシステム及び隣接する流動性材料閉じ込めシステムが確実に接続されていることをユーザに指示することもできる。典型的に、接続指示器は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形接続指示器と組み合わされて動作して、接続指示器と相補形接続指示器が適切に接続されたときにのみ接続が確実であるという指示を形成する。任意の好適なタイプの指示が接続指示器と相補形接続指示器によって形成され得る。例としては、限定されるものではないが、可視的及び/又は触感的な指示である。
【0051】
図9及び10は、好適な接続指示器の一例を概ね60で、また相補形接続指示器を概ね60’で示している。接続指示器60及び相補形接続指示器60’は各々、1以上の英数文字を含んでいる。英数文字は、接続構造50と相補形接続構造50’が正しい様式で接続された時に、相補形英数文字と結合して、認識可能な単語、句、頭字語等を形成するように構成されている。図示の実施形態では、接続指示器60は文字“LO”を含み、そして相補形接続指示器60’は文字“AD”を含んでいる。接続構造50及び50’が適切に接続された時、舌52は相補形スロット内へ充分遠くまで延びて、これらの文字が単語“LOAD”を書き、流動性材料閉じ込めシステムが正しく接続され且つ流動性材料で装填される状態に準備されたことをユーザに知らせる。半透明又は透明材料を使用して流動性材料閉じ込めシステム10を形成すると、接続指示器60及び相補形接続指示器60’の使用が容易にされる。
【0052】
図10はまた、隣接する流動性材料閉じ込めシステムに対して節動する流動性材料閉じ込めシステム10の能力を描いている。接続構造50及び相補形接続構造50’の、それぞれのストリップ(図9及び10にそれぞれ64及び64’で示されている)上での構成及び配置に起因して、ストリップ64の端部は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の66’で示される最近接の垂直ストリップから離れて配置されている。同様に、ストリップ64’の端部もまた、66で示される最近接の横向きストリップから離れて配置されている。ストリップ64及び64’の端部は、横向きストリップ66に接近しても接してもいないので、ストリップ64’は、図10に示すように、ストリップ64’に対して節動することが可能である。このことにより、複数の流動性材料閉じ込めシステム10が使用されて、個別の流動性材料閉じ込めシステムの有意な歪みなしに、不均一な地形をカバーすることを可能にする。
【0053】
流動性材料閉じ込めシステム10は、任意の好適な節動の範囲を持つように構成され得る。隣接する流動性材料閉じ込めシステム間で許容される節動の範囲は、ストリップ64及び64’の端部と最近接の横向きストリップ66及び66’との間の距離を変更することによって調節され得る。これは、流動性材料閉じ込めシステムが典型的に、ストリップ64の端部のコーナーがストリップ66’に接触するまで(あるいはストリップ64’のコーナーがストリップ66に接触するまで)、節動できるからである。この代わりに、節動の範囲は、ストリップの幅を調整することによっても調節され得る。
【0054】
図11は、概ね100で、流動性材料閉じ込めシステム10とは異なる接続構造を持つ流動性材料閉じ込めシステムの第2の実施形態を示している。流動性材料閉じ込めシステム100は、流動性材料閉じ込めシステム10と同じ特徴の多くを有する。例えば、流動性材料閉じ込めシステム100は、縦向きストリップ104及び横向きストリップ106の相互接続されたネットワークで形成された複数の境界セル102bによって境界つけされた複数の内部セル102aを有する。縦向きストリップ104は、幅広縦向きストリップ104a及び幅狭縦向きストリップ104bの双方を含むことがある。更に、流動性材料閉じ込めシステム100は、低可視条件での流動性材料閉じ込めシステムの展開を助けるように構成された複数の展開指示器108を有する。図示の流動性材料閉じ込めシステム100は、各々が2番目に最外側の位置に配置された2つの幅広縦向きストリップ104aを含む。しかしながら、より多くの又はより少ない幅広縦向きストリップ104aもまた使用され得る。
【0055】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステム100はまた、隣接する各端部に配設された接続構造110を有する。各接続構造110は、幅広縦向きストリップ104a及び幅狭縦向きストリップ104bの端部のエッジから離れて設けられたスロット又は開口114からなる舌112を有する。例示的な幅狭縦向きストリップ314bが、より詳細に図12に示されている。舌112は、ストリップ314bの長さ寸法に対して概ね垂直に方位付けされている。更に、幅狭縦向きストリップ314bの一端上の舌112は、幅狭縦向きストリップの他端上の舌112’及びスロット114’から約180度の方位に設定されている。かくして、2つの流動性材料閉じ込めシステム100が横並び式に配置されると、一方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の隣接するスロット114内に挿入されるように方位付けされる。同様に、舌112’は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の隣接するスロット114’内に挿入されるように方位付けされている。このようにして、一方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112は、他方の流動性材料閉じ込めシステム上の舌112’の後方に開口114’を通して挿入され、2つのシステムを結合する。舌112及び112’は、最近接の横向きストリップよりも縦向きストリップ104の端部近くに配置され、隣接する接続された流動性材料閉じ込めシステムに対する流動性材料閉じ込めシステムの節動を容易にする。
【0056】
図示の実施形態は、接続構造110を各縦向きストリップ104の各端部に有するが、任意の他の好適な接続構造の配置が使用され得る点が認められるであろう。例えば、流動性材料閉じ込めシステムが障壁構造の端部に配置されるように構成されている場合、各縦向きストリップ104は、単一の接続構造を有することができる。加えて、図示の実施形態における各舌112,112’は概ね“U”形状の構成を有するが、開口は任意の他の好適な構成、例えば単純な直線状スロットや“V”形状構成を有し得る点が認められるであろう。
【0057】
図13は、概ね120で、隣接した流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続することに好適に使用されるもう1つの代替接続構造を示している。接続構造120は、スロット124によって形成された舌122を有する。舌122は、ストリップの長さ寸法に対して概ね斜めに方位付けされている。図示の舌122は、ストリップの長さ寸法から約45度の方位に設定されているが、舌が任意の他の好適な斜め方位を持ち得る点が認められるであろう。相補形舌122’及びスロット124’は、ストリップの他端に配設されている。相補形舌122’及びスロット124’は、舌122及びスロット124から約180度の方位に設定されている。この方位は、隣接する流動性材料閉じ込めシステム上の相補形スロット124’内への舌122の挿入を容易にする。しかしながら、舌122及び相補形舌122’は、相互に任意の他の好適な方位を持つことができる。
【0058】
流動性閉じ込めシステム100に関連して図14に示されているように、流動性材料閉じ込めシステムは、2人のユーザによって迅速且つ容易に展開され得る。ユーザは、折りたたまれた流動性材料閉じ込めシステム100の互いに逆側に対面して立ち、流動性閉じ込めシステムの指示されている位置を把持し、展開指示器108によって指示されている方向に単純に引っ張る。このことにより、流動性材料閉じ込めシステム100は、迅速且つ容易に開放構成に切り替わる。それから、流動性材料閉じ込めシステム100は、所望の位置に配置され、そしてもう1つの流動性材料閉じ込めシステムは、最初のシステムの上に又は並んで配置されるために開かれて、拡張構造を形成する。それから、3番目の人が好適な設備、例えばフロントローダーを利用して、この構造に砂又は他の流動性材料を単純に充填することで、障壁構造を完成する。完成された障壁構造は、図15に概ね200で示されている。正しく組み立てられると、垂直整列指示器19は、障壁構造200を下がる線を規則的な間隔で形成する。更に、幅広縦向きストリップ14a”のコネクタ21及び23は、隣接する上位の層の幅広縦向きストリップの重複部分によってカバーされ、更に障壁を補強することを助ける。200で示されるような障壁構造は、流動性材料閉じ込めシステム10によって、同様の比率の砂袋障壁より(総工数で)100倍も速く構築されることが判明している。更に、障壁は、流動性材料閉じ込めシステム10によって、スロット型コネクタと全て同幅のストリップを有する従来の流動性材料閉じ込めシステムより5倍以上も速く構築されることが判明している。
【0059】
一時的障壁構造がもはや必要でなくなったら、一時的障壁構造は、単純に流動性材料閉じ込めシステムを互いに引き離し、流動性材料をセルから落下させ、流動性材料閉じ込めシステムを貯蔵用の折りたたみ構成に切り換えることによって解体される。
【0060】
ある種の環境では、複数の流動性材料閉じ込めシステムからなる拡張構造を単一の顆粒状材料、例えば砂やその場の土で充填することによって好適な強度の障壁構造が構築される。しかしながら、他の環境では、更に補強が必要となる。これらの環境では、異なる材料が境界セルに添加されて拡張構造の外側部分を補強する。外側境界セルに添加されて拡張構造を補強する材料の例には、コンクリート又はセメントが含まれる。コンクリート又はセメントは、任意の比率の成分を持つことができる。約20:1のセメント混合物は、境界セルを補強することに特に有利であることが証明されている。これは、この混合物のセメントは、良好な硬さ特性を有する一方で、過度の労力なしに破壊されて除去され得るからである。
【0061】
セメント又はコンクリートで充填された外側境界セルを持つ障壁は、任意の好適な手法で構築され得る。好適な構築法の一例は、次の通りである。先ず、複数の流動性材料閉じ込めシステムが、所望の高さに積み重ねられ、且つ所望の長さに配置される。上述したように、最底部の流動性材料閉じ込めシステムは、表向きにして位置決めされ、そして他の格子システムは、上下逆にして最底部の格子システム上に位置決めされる。
【0062】
次に、内部セルは、好適な構造によってカバーされ、注ぎ込みプロセス中に内部セルにセメントが入ることを防止する。境界セルは、露出されたまま残される。内部セルをカバーするに好適な構造の例には、合板又は軽量金属のシートが含まれる。次に、セメント混合物が、境界セルに注ぎ込まれる。それからカバー用の構造が取り除かれ、そして典型的にフロントローダーや同様の重機を使用して、流動性材料が内部セルに注ぎ込まれる。この方法は、有意な高さ及び長さの強固な障壁構造が、少数の作業者を使用して、迅速に構築されることを可能にする。さらなる強度が望まれる場合は、2番目の流動性材料閉じ込めシステム障壁が最初の障壁の直接後方に接して建造され、保護障壁の厚さを2倍にする。
【0063】
図15はまた、ある環境での一時的保護障壁の使用を描いている。この環境では、障壁が、もう1つの固定対象物202、例えば建物の壁又は橋杭に接して建造されることを必要とする。この場合、障壁構造200が固定対象物202と合う領域は、他の材料で封止又は補強される必要がある。これは、水が一時的障壁のエッジ回り又は底部直下にしみ込むことを防止するためである。これらのエッジ領域を補強する1つの好適な方法は、エッジ領域を材料充填済の袋204で囲むことである。袋204は、砂又は他の好適な材料、例えばセメント混合物を含むことができる。更に、セメント混合物、典型的に20:1の混合物は、固定対象物と障壁の間の空間に注ぎ込まれ、障壁との間に残された空間を満たす。最後に、一列の袋204を障壁構造200の底部に沿って配置して、水が障壁構造200の底部直下にしみ込むことを防止する。障壁構造200内に収容された流動性材料206は、構造的一体性を壁に与えるのに対し、砂袋204は、障壁構造と他の周囲構造の間の継ぎ目を封止する。
【0064】
障壁セル12bに対する更なる支持を与えるために、いくつかの横向きストリップの下端は、図16に示されるように、他の横向きストリップの上端に結合される。この配置は、1つおきの障壁セル12bを横切って延びるブレース210を創生し、かくして支持された障壁セルの壁を硬くする。横向きストリップの端部は、好適な締結具、例えば限定されるものではないが、ワイヤタイ、リングコネクタ、コッターピン、ボルト等や、粘着テープ、糊又は他の接着剤によって互いに接続されるか、あるいは隣接する横向きストリップの端部が互いに発揮する摩擦及び圧力を介して、単純に定位置に保持される。
【0065】
図1及び11に図示された実施形態において示されたコネクタ構成は、複数の流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続して、直線的な障壁構造を形成するに好適である。非線形的様式で延びる障壁構造は、従来の障壁構造を所望の角度で接合する障壁構造を単に形成することによって形成される。しかしながら、2つの障壁構造が合う位置は、弱い点となる。より強い多方向性構造を与えるために、横向き支柱上に設けられたコネクタを有するコーナー流動性材料閉じ込めシステムが使用され、方向変化を障壁構造に導入する。そのようなコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、一時的障壁構造、例えば防壁、ダム又は土地の湾曲点回りの堤防等の建設を容易にする。
【0066】
図17は、概ね300で、好適なコーナー流動性材料閉じ込めシステムの模式的平面図を示している。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、縦向き及び横向き方向の双方に延びる複数の幅狭縦向きストリップ14bを有する。複数の幅狭縦向きストリップ14bは、幅広縦向きストリップ14a’(又は14a”) によって各側が囲まれている。かくして、コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、縦向き及び横向きストリップの各々の各端部上に接続構造を有し、そして任意の好適な流動性材料閉じ込めシステムの取付を、その側部のいずれでも受け入れる。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300の周回りでの幅広ストリップの使用は、コーナー流動性材料閉じ込めシステムの境界セル302の補強を助け、また砂が障壁から逃げないようにすることを助ける。
【0067】
図示のコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、幅広ストリップを最外側ストリップとしてのみ有するが、コーナー流動性材料閉じ込めシステムが、より多いかより少ない幅広ストリップを有してもよいこと、そして全て幅広のストリップ又は全て幅狭のストリップを有してもよいことが認められるであろう。更には、図示のコーナー流動性材料閉じ込めシステムは、複数のストリップ14a’及び14bで形成されているが、コーナー流動性材料閉じ込めシステムが、ここに開示され、又は米国特許出願第10/086,772号に開示されて参照によりここに組み入れられる任意の他の好適なストリップの組み合わせを有してもよいことが認められるであろう。
【0068】
図18は、複数のコーナー流動性材料閉じ込めシステムで構成され、概ね400で示された多方向拡張障壁構造の模式的平面図である。図示の障壁構造は、複数の流動性材料閉じ込めシステム10と、2つのコーナー流動性材料閉じ込めシステム300とを備える。コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、障壁に方向変化を導入する。例えば、障壁セグメント402と障壁セグメント404は、コーナー部品300の1つでおおよそ直角に交わる。障壁セグメントが交わる角度は、図7に示された折りたたみ構成に向かってコーナー部品300を部分的に折りたたむことによって幾分変更され得る。更には、流動性材料閉じ込めシステムが柔軟な材料で建造される場合、隣接する壁は、直角構成から僅かに外れて曲げられる。多方向拡張構造の建造を容易にするために、コーナー流動性材料閉じ込めシステム300は、流動性材料閉じ込めシステム10とは異なる展開指示器(図示せず)を有することがある。
【0069】
上述したように、2つの最外側ストリップとしての幅広縦向きストリップ14aの使用は、隣接する格子層の最外側ストリップの間から砂が漏れ出さないようにすることを助け、かくして格子構造の一体性を保存することを助ける。更に、阻止ストリップが使用され、障壁構造の端部を封止して、障壁構造の端部で隣接する格子層の間から砂が漏れ出さないようにすることができる。
【0070】
図19a及び19bは、概ね400で、障壁構造の端部を封止するに好適な阻止ストリップの第1の実施形態を示している。阻止ストリップ400は、長い面部分402と、かぎ状端部404とを有する。長い面部分402は、内部セル12aの幅にほぼ等しい幅406を持つ。所望の高さの障壁構造を組み立てた後、この障壁構造に砂を充填する前に、阻止ストリップ400は、障壁構造の各端部の各セル列内へ垂直に挿入される。この場合、阻止ストリップは、かぎ状端部404によって、構造の各端部において、最上側の流動性材料閉じ込めシステムの最外側横向きストリップ16から吊り下げられる。このことは、図21に模式的に示されている。このようにして、各阻止ストリップ400の長い面部分402は、垂直に隣接する流動性材料閉じ込めシステム間のギャップを阻止することを助け、かくして障壁構造の端部から砂が漏れ出さないようにすることを助ける。図示の実施形態は、かぎ状端部404を阻止ストリップ400の一方の端部にのみ有するが、かぎ状端部404がストリップの各端部に設けられても良いことは認められるであろう。このことは、阻止ストリップ400がいずれの端部を先にしても障壁構造中に挿入されることを可能にし、かくして乏しい可視性を持つ条件で障壁構造の構築の容易さに寄与する。
【0071】
図20は、阻止ストリップの代替実施形態を、概ね500で示している。阻止ストリップ500は、長い面部分502と、ストリップの少なくとも一方の端部に形成された舌コネクタ504とを有する。阻止ストリップ400と同様に、阻止ストリップ500は、完全に構築された障壁構造の各端部セル中へ、この障壁構造が砂で充填される前に、垂直に挿入される。このようにして、阻止ストリップ500の面部分502は、垂直に隣接する流動性材料閉じ込めシステム間のギャップを阻止し、障壁構造の端部から砂が漏れ出さないようにすることを助ける。
【0072】
舌コネクタ504は、最上側流動性材料閉じ込めシステムの最外側横向きストリップ16に繋がるように構成されている。この場合、阻止ストリップ504は、セルの列内に吊り下がり、かくして図19a及び19bの実施形態のかぎ状端部4040と本質的に同じ機能を果たす。舌コネクタ504は、阻止ストリップの一方の端部にのみ、あるいは図20に示されているように、各端部に設けられる。舌コネクタ504を阻止ストリップの各端部に設けると、阻止ストリップ500は、いずれの端部を先にしても障壁構造内に挿入され、かくして乏しい可視性を持つ条件で障壁構造の構築の容易さに寄与する。更には、舌コネクタ504は、たとえ阻止ストリップ500のどの面が障壁構造の外側に向けて方位付けされていても、障壁構造内の最上側流動性材料閉じ込めシステムのストリップに掛けられる。かくして、阻止ストリップ500の各端部での舌コネクタ504の使用は、阻止ストリップを、いずれの端部を先にしても、且ついずれの向きに面していても、障壁構造内に挿入されるようにする。
【0073】
阻止ストリップ400及び500は、障壁構造の端部のセル以外のセル内に配置され得ることは理解されるであろう。例えば、1以上の阻止ストリップ400及び500は、内部セル12a内に配置され得る。これは、拡張構造の完成時に、この拡張構造に砂を充填して障壁構造を形成する前に、セルを開放状態に保持するため、並びに複数の垂直に積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステムを正しい整列状態に保持するためである。このことは、図21に400’で示されている。
【0074】
図22は、概ね600で、複数の流動性材料閉じ込めシステム10によって構築された拡張構造のもう1つの例を示している。拡張構造600は、120度の外角604で互いに交差する3つの分離した線形壁セグメント602を有する。これらの壁は、最外側の幅広縦向きストリップ14a”によって互いに接続されている。ストリップが柔軟な材料で形成されている場合、最外側のストリップ14a”は湾曲して、砂を漏れさせる有意なギャップのない円滑なコーナーを形成する。図22の各線形壁セグメント602は約120度の外角で他の線形壁セグメントと交差しているが、最外側の縦向きストリップ14a”の柔軟な性質は、線形壁セグメントが幅広い範囲の可能な外角、例えば約90度で交差することを可能にし、これによりコーナー流動性材料閉じ込めシステム300を使用せずに直角接続を達成するものであることが認められるであろう。
【0075】
上述したように、流動性材料閉じ込めシステムは、任意の好適な形状及び相対寸法をもつことができる。図23は、702で、縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムを構築するに好適な短縮された横向きストリップの実施形態を示す。縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムの例示的実施形態は、図24において概ね700で示される。縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、1つの幅広縦向きストリップ14a’と、1つの幅広縦向きストリップ14a”と、2つの幅狭縦向きストリップ14bと、6つの横向きストリップ702とで形成されている。図示の横向きストリップ702は、流動性材料閉じ込めシステム10の横向きストリップ16の長さの約1/2であり、流動性材料閉じ込めシステム700の全設置面積を流動性材料閉じ込めシステム10の全設置面積のサイズの約1/2にする。しかしながら、横向きストリップ702は、任意の他の好適な長さを持つことができることが認められるであろう。
【0076】
縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、異なる目的に使用され得る。例えば、縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、図25a及び25b示されるように、砂袋に代えて、又はそれに加えて、複数の流動性材料閉じ込めシステム10で構築された拡張構造の脚部を補強することに使用されるか、あるいは図26に示されているように、流動性材料閉じ込めシステム10を使用するにはスペースがあまりにも制限されている場合に、構造体、例えば建物や家等の内壁を補強することに使用され得る。これらの用途は、単なる例示である点、並びに縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステム700は、任意の他の好適な目的のために使用され得る点が認められるであろう。
【0077】
図27は、幅広縦向きストリップのもう1つの代替実施形態を概ね802で示している。幅広縦向きストリップ802は、ストリップの長さに沿って延びた積み重ねエラー指示器804を有する。積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップ802のエッジ806に隣接しているが離れて位置決めされている。この代わりに、積み重ねエラー指示器は、804’で示されるように、幅広縦向きストリップ802のエッジ806に直接隣接して、あるいは任意の他の好適な位置に配置されてもよい。積み重ねエラー指示器804の構造及び機能の詳細がここで論議される場合、この論議は積み重ねエラー指示器804’にも適用されることが認められるであろう。
【0078】
積み重ねエラー指示器804は、拡張構造の建造中の積み重ねエラーの回避を促進する。流動性材料閉じ込めシステム10(又は700)で構築された拡張構造は、より大きな強度をもつことがある。これは、各流動性材料閉じ込めシステムの幅広縦向きストリップが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの対応するストリップの、外面ではなく、内面に接して入れ子状に重ねられる時である。ここで使用される“内面”という用語は、格子構造の中心に面している各幅広縦向きストリップの面を指す。この構成は、構造が砂で満たされるときに、構造の幅広縦向きストリップが折れないようにすることを助けると共に、拡張構造が、例えば波の衝撃によってストレスを加えられるときに、最外側の保護セルから砂が漏れないようにすることを助ける。
【0079】
しかしながら、ストレス及び/又は低可視条件下で拡張障壁構造を建造するときに、積み重ねられた流動性材料閉じ込めシステムの適正な積み重ね又は入れ子状の重ね入れにエラーが起こることがある。具体的に、流動性材料閉じ込めシステムの幅広縦向きストリップのセグメントは、積み重ね中に、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの対応する幅広縦向きストリップの外側に配置されることがある。更には、障壁構造の比較的複雑な幾何学的外観に起因して、そのような積み重ねエラーは、見つけて訂正することが、特に低可視条件で困難となる。
【0080】
積み重ねエラー指示器804は、拡張構造内の1つの流動性材料閉じ込めシステムからの幅広縦向きストリップが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムの内側、又は外側に、入れ子状に重ねられているか否かを示す簡単な可視基準として作用する。積み重ねエラー指示器804は、最外側の幅広縦向きストリップ14a’上にのみ、又は最外側から2番目の幅広縦向きストリップ14a”上にのみ、又は両ストリップ14a’及び14a”上に含まれる。更に、積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップ14a’の各々の外面、又は内面、又は外及び内面双方の上に設けられる。更に、展開指示器810は、積み重ねエラー指示器804と関連して使用され得る。図28は、積み重ねエラーのない例示的障壁構造を概ね900で描いている。図29は、積み重ねエラーのある例示的障壁構造を概ね1000で描いている。
【0081】
先ず図28を参照すると、拡張構造の最低位の層上の各流動性材料閉じ込めシステム10上にある積み重ねエラー指示器804は、拡張構造900の面を横切って間断のない線902を形成している。間断のない線の外観は、流動性材料閉じ込めシステムの最低位から2番目の層が最低位の層上に正しく積み重ねられたときに、流動性材料閉じ込めシステム10の最低位から2番目の層からの全ての最外側及び最外側から2番目の縦向きストリップが、拡張構造900内の流動性材料閉じ込めシステムの最低位の層の対応するストリップ内で入れ子状に重ねられていることを示す。更に、他の積み重ねエラー指示器804は、拡張構造900の面上の他の位置では見えない。このことは、拡張構造内の各層の他の幅広縦向きストリップが、隣接する下位の拡張構造の内部で入れ子状に重ねられていることを示す。
【0082】
次に図29を参照すると、1つの積み重ねエラー1002が拡張構造1000の面のほぼ中ほど上に見られ、そしてもう1つの積み重ねエラー1004が構造の底部(ここで第1及び第2の格子レベルが交差する)に隣接して見られる。積み重ねエラー1002では、最外側の幅広縦向きストリップ14a”の単一セグメント(即ち、スロット24間のセクション)が、隣接する下位の層の、内側ではなく、外側に入れ子状に重ねられている。このことは、積み重ねエラーの位置における積み重ねエラー指示器804の外観によって指示されている。積み重ねエラー1004では、最底部の流動性材料閉じ込めシステムの積み重ねエラー指示器804内の欠けているセグメントは、最底部の流動性材料閉じ込めシステムの一部が、隣接する上位のシステムの内側に、不適正に入れ子状に重ねられていることを示している。エラーは、積み重ねエラー指示器804のオフセットセグメントとして現れる。これらのエラーは、充填中及び/又はストレスを受けているときに、砂を構造から漏れ出させる可能性があり、また隣接する上位の層の内部に位置決めされた隣接する下位の層内のストリップが充填中に折れて、砂が完全に構造を充填することを妨げる。積み重ねエラー指示器804なしに、そのような積み重ねエラーを検出することは、全く困難である。しかしながら、積み重ねエラー指示器804があると、エラーは、積み重ねエラー指示器804の(最低位の層で)欠けているセグメント又は(他の層で)目視できるセグメントをチェックするための表面的な視認検査によって容易に視認することができ、そして拡張構造1000の次の層が建造される前に、あるいは積み重ねエラーが起こった瞬間にでさえも、迅速且つ容易に直すことができる。幅広縦向きストリップは、不透明であり得る。この場合、隣接する下位の層の内部に入れ子状に重ねられた積み重ねエラー指示器804は、幅広縦向きストリップを通して見えなくなり、これによりユーザが積み重ねエラーを見過ごさないようにすることを助ける。
【0083】
積み重ねエラーは、特に積み重ねエラー指示器の幅狭縦向きストリップが少なくとも部分的に透明な場合、積み重ねエラー指示器804を使用して、内側幅広横向きストリップ上でも検出され得る。例えば、流動性材料閉じ込めシステムが、隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムに対し不適正に入れ子状に重ねられたセクションを持つ内側幅広横向きストリップを有する場合、積み重ねエラー指示器804は、透明な幅狭縦向きストリップを通して、構造の逆側に立っているユーザによって、積み重ねエラーとして視認される。このことにより、障壁構造を組み立てるために、図14に図示すように、一方から他方へ横切って働く2人のチームが、障壁構造の組み立て中において、流動性材料が障壁構造に加えられる前に、幅広縦向きストリップの外部及び内部双方で積み重ねエラーを発見し訂正することが可能になる。
【0084】
上述したように、積み重ねエラー指示器804は、積み重ねエラーの存在を指示するために任意の好適な外観を持つことができる。例えば、積み重ねエラー指示器804は、一様な又はパターン化された外観、例えば矢印パターンや交差ハッチングパターン等を有することができる。その代わりに、積み重ねエラー指示器804は、図24〜26に示すように、一様な外観を有してもよい。更に、積み重ねエラー指示器804は、図27に示すように、幅広縦向きストリップ14aを間断なく完全に横切って延びるか、あるいは図30に1104で示すように、破断された線の外観を持っても良い。更に、幅広縦向きストリップ14aは、不透明な外観、例えば限定されるものではないが、白又はベージュの外観を有して、積み重ねエラー指示器804に対し大きなコントラストを持つようにしてもよい。更に、積み重ねエラー指示器804は、縦向きストリップの各セグメント上に現れる不連続なマークやシンボル等の形態を有してもよい。この場合、各セグメントは、単一セルの長さによって規定される。積み重ねエラー指示器804は、積み重ねエラーの存在を示す以外の目的に役立つことが認められるであろう。例えば、追加的な保護が望まれる場合には、積み重ねエラー指示器804によって障壁構造の底部を横切って形成された線(図28に900で示されている)は、如何に高く砂袋の列を壁の前に積み重ねるかを指示するマーカーとして使用され得る。
【0085】
本開示は、障壁流動性材料閉じ込めシステム及びこれらシステムを使用する方法の特定の実施形態を含んでいるが、特定の実施形態は、限定的な意味で考えられているのではない。何故ならば、多数の変更が可能だからである。本開示の主題は、ここで開示された種々の流動性材料閉じ込めシステム、これらシステムを使用する方法、これらシステムで構築される構造、及び他の要素、特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規且つ非自明な組み合わせ及び下位組み合わせを含む。ここに含まれる説明及び例は、発明の範囲を限定することを意図されているのではなく、例証目的だけのために含まれている。この発明の他の実施形態が開発され、且つ発明の精神及び範囲並びに請求の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0086】
以下の請求項は、新規且つ非自明とみなされる所定の組み合わせ及び下位組み合わせを特に指摘している。これら請求項は、“1つの”要素や、“第1の”要素又はその均等物に言及することがある。そのような請求項は、1以上のそのような要素の結合を含むものと理解されるべきである。この場合、2以上のそのような要素を必要としたり、排除したりしない。特徴、機能、要素、及び/又は特性の全ての組み合わせ及び下位組み合わせは、現請求項の補正により、あるいはこの又は関連出願での新請求項の提示により請求される。そのような請求項もまた、元の請求項の範囲に対し、広くても、狭くても、等しくても、異なっても、本開示の主題内に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施形態に係る流動性材料閉じ込めシステムの等角図である。
【図2】図1の実施形態の第1の幅広縦向きストリップの立側面図である。
【図3】図1の実施形態の第2の幅広縦向きストリップの立側面図である。
【図4】図1の実施形態の幅狭縦向きストリップの立側面図である。
【図5】図1の実施形態の横向きストリップの立側面図である。
【図6】第1の折りたたみ構成における図1の実施形態の斜視図である。
【図7】第2の折りたたみ構成における図1の実施形態の斜視図である。
【図8】隣接する流動性材料閉じ込めシステムを互いに接続するに好適な接続構造の代替実施形態の立側面図である。
【図9】接続構造のもう1つの代替実施形態の立側面図であり、隣接する流動性材料閉じ込めシステムからの相補形接続構造が一緒に示されている。
【図10】相互に接続された図9の接続構造と対応する接続構造の立側面図であり、節動の例示的範囲が破線で示されている。
【図11】第2の実施形態に係る流動性材料閉じ込めシステムの等角図である。
【図12】図11の実施形態の幅狭縦向きストリップの立側面図である。
【図13】幅狭縦向きストリップの代替実施形態の立側面図である。
【図14】図1の実施形態の展開を図示した図である。
【図15】積み重ねられ、また端と端が縦に繋ぎ合わされ、さらに顆粒状流動性材料で満たされて洪水保持壁を形成した複数の流動性材料閉じ込めシステムの斜視図である。
【図16】図1の実施形態の等角図であり、隣接する横向きストリップの端部が接続されて最外側のセルを補強している。
【図17】もう1つの実施形態に係るコーナーの流動性材料閉じ込めシステムの平面図である。
【図18】第1の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図であり、図17の実施形態の例示的用途を示している。
【図19a】複数の流動性材料閉じ込めシステムによって建造された構造体の端部から砂が流失することを防止するように構成された阻止ストリップの立側面図である。
【図19b】図19aの阻止ストリップの端部の上面図である。
【図20】阻止ストリップのもう1つの実施形態の立側面図である。
【図21】第2の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図であり、図19及び20の実施形態の例示的用途を示している。
【図22】第3の例示的拡張構造に配置された複数の流動性材料閉じ込めシステムの平面図である。
【図23】縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムを建造するための横向きストリップの実施形態の図である。
【図24】縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムの実施形態の平面図である。
【図25a】複数の流動性材料閉じ込めシステムと縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムによって建造された拡張構造の実施形態の平面図である。
【図25b】図25aの実施形態の側面図である。
【図26】建物の壁を補強するために複数の縮小サイズの流動性材料閉じ込めシステムによって建造された拡張構造の模式的側面図である。
【図27】積み重ねエラー指示器を有する幅広横向きストリップの実施形態の立側面図である。
【図28】複数の流動性材料閉じ込めシステムによって形成された拡張構造の斜視図であり、積み重ねエラー指示器は積み重ねエラーを示していない。
【図29】図28の拡張構造の斜視図であり、積み重ねエラー指示器は積み重ねエラーを示している。
【図30】積み重ねエラー指示器を有する幅広横向きストリップのもう1つの実施形態の立側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成され、且つ隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられて一時的な障壁構造を形成するように構成された流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップと、積み重ねエラー指示器とを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップを含み、この少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、前記流動性材料閉じ込めシステムが前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されており、
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップに関連したものであって、低い可視状態で効果的に、前記流動性材料閉じ込めシステムを前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねた場合のエラーの位置をユーザに指示するように構成されていることを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項2】
前記幅広縦向きストリップは、長さを有し、前記積み重ねエラー指示器は、実質的に前記幅広縦向きストリップの長さに延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項3】
前記幅広縦向きストリップは、長さを有し、前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの長さに沿って分割されている請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項4】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの幅の一部分だけを延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項5】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの他の部分とは異なる色を有する請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項6】
前記幅広縦向きストリップは、不透明である請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項7】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの上端から延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項8】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの上端から離れて配置されている請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項9】
前記幅広横向きストリップは、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル列内に入れ子状に重なるように構成され、前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広横向きストリップのセグメントが前記セル列のセル外に配置される場合に目立つようになり、また前記幅広横向きストリップのセグメントが前記セル列のセル内に配置される場合に目立たなくなる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項10】
前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムは、障壁構造内の最低位の流動性材料閉じ込めシステムであり、前記最低位の流動性材料閉じ込めシステムは、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステムが前記最低位の流動性材料閉じ込めシステム上に適切に積み重ねられる場合に目視可能な最低位の積み重ねエラー指示器を有する最低位の横向きストリップを含む請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項11】
前記幅広縦向きストリップは、第1の縦向きエッジと、第2の縦向きエッジと、複数の外側コーナーとを有し、前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、湾曲した構成を持ち、前記第2の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、角度付けされた構成を持つ請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項12】
前記第1の縦向きエッジ内に形成された第1の複数のスロットと、前記第2の縦向きエッジ内に形成された第2の複数のスロットとを更に備え、前記第1の複数のスロットは、前記第1の複数のスロットが前記第1の縦向きエッジと交差する位置に丸みつけされたコーナーを有し、前記第2の複数のスロットは、前記第2の複数のスロットが前記第2の縦向きエッジと交差する位置にほぼ直角のコーナーを有する請求項11に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項13】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成されて、一時的な障壁構造を形成する流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、最外側の縦向きストリップと、2番目に最外側の縦向きストリップと、複数の内側の縦向きストリップとを含み、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップは、残りの縦向きストリップ及び横向きストリップよりも大きな幅を有することを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項14】
前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップは、不透明である請求項13に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項15】
前記内側の縦向きストリップは、透明である請求項14に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項16】
前記流動性材料閉じ込めシステムは、障壁構造内で隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるように構成され、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップの少なくとも一方は、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム内で入れ子状に重なるように構成され、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップの少なくとも一方は、前記流動性材料閉じ込めシステムを前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム内に入れ子状に重ねる際のエラーを示すように構成された積み重ねエラー指示器を有する請求項13に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項17】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成され、且つ隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられて一時的な障壁構造を形成するように構成された流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップと、少なくとも1つの幅狭縦向きストリップとを含み、前記少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、前記流動性材料閉じ込めシステムが前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されており、前記少なくとも1つの幅狭縦向きストリップは、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びないように構成されており、前記幅広縦向きストリップの各々は、概ね平行な第1及び第2の縦向きエッジと、複数の外側コーナーとを有し、前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、湾曲した構成を持ち、前記第2の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、実質的に直角にされた構成を持つことを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項18】
前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、約1インチの曲率半径の湾曲した構成を持つ請求項17に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項19】
前記幅広縦向きストリップの前記第1の縦向きエッジに沿って形成された複数のスロットと、前記第2の縦向きエッジに沿って形成された複数のスロットとを更に備え、前記第1の縦向きエッジに沿って形成されたスロットは、それらスロットが前記第1の縦向きエッジと交差する位置に丸みのあるコーナーを有し、前記第2の縦向きエッジに沿って形成されたスロットは、それらスロットが前記第2の縦向きエッジと交差する位置にほぼ直角のコーナーを有する請求項18に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項20】
前記複数の横向きストリップは、丸みのあるコーナーを欠いている請求項17に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項1】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成され、且つ隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられて一時的な障壁構造を形成するように構成された流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップと、積み重ねエラー指示器とを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップを含み、この少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、前記流動性材料閉じ込めシステムが前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されており、
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップに関連したものであって、低い可視状態で効果的に、前記流動性材料閉じ込めシステムを前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねた場合のエラーの位置をユーザに指示するように構成されていることを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項2】
前記幅広縦向きストリップは、長さを有し、前記積み重ねエラー指示器は、実質的に前記幅広縦向きストリップの長さに延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項3】
前記幅広縦向きストリップは、長さを有し、前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの長さに沿って分割されている請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項4】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの幅の一部分だけを延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項5】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの他の部分とは異なる色を有する請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項6】
前記幅広縦向きストリップは、不透明である請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項7】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの上端から延びる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項8】
前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広縦向きストリップの上端から離れて配置されている請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項9】
前記幅広横向きストリップは、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル列内に入れ子状に重なるように構成され、前記積み重ねエラー指示器は、前記幅広横向きストリップのセグメントが前記セル列のセル外に配置される場合に目立つようになり、また前記幅広横向きストリップのセグメントが前記セル列のセル内に配置される場合に目立たなくなる請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項10】
前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムは、障壁構造内の最低位の流動性材料閉じ込めシステムであり、前記最低位の流動性材料閉じ込めシステムは、隣接する上位の流動性材料閉じ込めシステムが前記最低位の流動性材料閉じ込めシステム上に適切に積み重ねられる場合に目視可能な最低位の積み重ねエラー指示器を有する最低位の横向きストリップを含む請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項11】
前記幅広縦向きストリップは、第1の縦向きエッジと、第2の縦向きエッジと、複数の外側コーナーとを有し、前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、湾曲した構成を持ち、前記第2の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、角度付けされた構成を持つ請求項1に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項12】
前記第1の縦向きエッジ内に形成された第1の複数のスロットと、前記第2の縦向きエッジ内に形成された第2の複数のスロットとを更に備え、前記第1の複数のスロットは、前記第1の複数のスロットが前記第1の縦向きエッジと交差する位置に丸みつけされたコーナーを有し、前記第2の複数のスロットは、前記第2の複数のスロットが前記第2の縦向きエッジと交差する位置にほぼ直角のコーナーを有する請求項11に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項13】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成されて、一時的な障壁構造を形成する流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、最外側の縦向きストリップと、2番目に最外側の縦向きストリップと、複数の内側の縦向きストリップとを含み、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップは、残りの縦向きストリップ及び横向きストリップよりも大きな幅を有することを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項14】
前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップは、不透明である請求項13に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項15】
前記内側の縦向きストリップは、透明である請求項14に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項16】
前記流動性材料閉じ込めシステムは、障壁構造内で隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるように構成され、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップの少なくとも一方は、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム内で入れ子状に重なるように構成され、前記最外側の縦向きストリップと前記2番目に最外側の縦向きストリップの少なくとも一方は、前記流動性材料閉じ込めシステムを前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム内に入れ子状に重ねる際のエラーを示すように構成された積み重ねエラー指示器を有する請求項13に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項17】
顆粒状流動性材料を受け入れるように構成され、且つ隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられて一時的な障壁構造を形成するように構成された流動性材料閉じ込めシステムであって、複数のストリップを備え、
前記複数のストリップは、複数の縦向きストリップと複数の横向きストリップとを有し、これらストリップは互いに結合されて複数の開放セルを規定し、前記複数の縦向きストリップは、少なくとも1つの幅広縦向きストリップと、少なくとも1つの幅狭縦向きストリップとを含み、前記少なくとも1つの幅広縦向きストリップは、前記流動性材料閉じ込めシステムが前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステム上に積み重ねられるときに、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びるように構成されており、前記少なくとも1つの幅狭縦向きストリップは、前記隣接する下位の流動性材料閉じ込めシステムのセル内に延びないように構成されており、前記幅広縦向きストリップの各々は、概ね平行な第1及び第2の縦向きエッジと、複数の外側コーナーとを有し、前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、湾曲した構成を持ち、前記第2の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、実質的に直角にされた構成を持つことを特徴とする流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項18】
前記第1の縦向きエッジに隣接する外側コーナーは、約1インチの曲率半径の湾曲した構成を持つ請求項17に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項19】
前記幅広縦向きストリップの前記第1の縦向きエッジに沿って形成された複数のスロットと、前記第2の縦向きエッジに沿って形成された複数のスロットとを更に備え、前記第1の縦向きエッジに沿って形成されたスロットは、それらスロットが前記第1の縦向きエッジと交差する位置に丸みのあるコーナーを有し、前記第2の縦向きエッジに沿って形成されたスロットは、それらスロットが前記第2の縦向きエッジと交差する位置にほぼ直角のコーナーを有する請求項18に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【請求項20】
前記複数の横向きストリップは、丸みのあるコーナーを欠いている請求項17に記載の流動性材料閉じ込めシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2008−144457(P2008−144457A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−332495(P2006−332495)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(506408885)ジオセル システムズ インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GEOCELL SYSTEMS INC.
【出願人】(507086549)五洋商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332495(P2006−332495)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(506408885)ジオセル システムズ インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GEOCELL SYSTEMS INC.
【出願人】(507086549)五洋商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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