説明

流路開閉弁及びシャフト軸の回動制御方法

【課題】シャフト軸とボールバルブとの嵌合部でガタツキがある場合にも、ボールバルブを確実に全閉することができる流路開閉弁及び該流路開閉弁に適用されるシャフト軸の回動制御方法を提供する。
【解決手段】流路開閉弁10は、ガス通路42が貫通形成されたボールバルブ14と、ボディ本体12と、ボールバルブ14を連通室26内で回動させるシャフト軸46と、ボールバルブ14に変位自在に摺接するバルブ押さえ16と、ボールバルブ14が着座するバルブシート18と、バルブ押さえ16をボールバルブ14側に押圧するウェーブワッシャ32とを備え、ボールバルブ14の全閉位置からガス通路42が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲と、シャフト軸46とボールバルブ14との嵌合部47でのガタツキにより、シャフト軸46が回動してもボールバルブ14が回動しない空転角度との差が、予め設定された規定角度範囲よりも大きく構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流通する流路を開閉することにより該流体の流通状態を切り換える流路開閉弁及び該流路開閉弁に適用されるシャフト軸の回動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、流体の流通する流路に接続され、該流路の連通状態を切り換えることによって前記流体の流通状態を制御する流路開閉弁が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示される流路開閉弁は、ボディ本体(ケーシング)の内部に流体が流通する流体流路(弁孔)が形成されたボールバルブ(ボール弁体)が設けられ、該ボールバルブがシャフト軸(弁棒)によって回動制御されることで、流体流入口(開口部)から流入する流体の流通及び遮断を切り換え可能に構成されている。この流路開閉弁では、皿ばねによってボディ本体側から弾性的に押圧付勢されて可動するバルブ押さえ(シートリング)がボールバルブに着座することで、流体流入口から貫通孔へと延在する流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−49863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、この種の流路開閉弁では、シャフト軸は、その先端がボールバルブ頂部に設けられた凹部に嵌合され、これによりボールバルブを回動可能となっている。
【0006】
ところが、シャフト軸とボールバルブとの嵌合部では、その寸法公差や製造誤差等によるガタツキにより、シャフト軸の回動角度とボールバルブの回動角度との間に角度ずれを生じていることがあり、該角度ずれは、シャフト軸が回動してもボールバルブが回動しない角度範囲である空転角度(ガタ角度)を形成している。従って、前記空転角度が、ボールバルブが全閉位置を保った状態での角度範囲(不感帯)を超えている場合には、シャフト軸を予め設定された作動範囲(例えば、0°〜90°)で回動させたとしても、ボールバルブが全閉位置にならず、ガスリークを生じる可能性がある。
【0007】
さらに、上記の流路開閉弁では、ボールバルブの回動に追従させるため、バルブ押さえを可動構造としているため、バルブ押さえやバルブシートとボールバルブとの間には、多少の隙間が形成されている。
【0008】
従って、該流路開閉弁を、例えば排気ガス再循環システム用の排気循環弁機構等に適用し、排気ガスのような燃焼生成物を含んだ流体を流通させた場合には、前記隙間からバルブ押さえやバルブシートとボールバルブとの間に排気ガス(燃焼ガス)が入り込み、ボールバルブが配置されたボディ室内等に排気ガスが滞留し、ボールバルブ表面に燃焼生成物が堆積することがある。そうすると、ボールバルブの作動停止時にバルブシートが固着化し、その結果、再びボールバルブを回動し始める際には高トルクが必要となり、ボールバルブの円滑な回動動作ができなくなる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであり、シャフト軸とボールバルブとの嵌合部でガタツキがある場合にも、ボールバルブを確実に全閉することができる流路開閉弁及び該流路開閉弁に適用されるシャフト軸の回動制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、流体中に燃料生成物等の塵埃が含まれている場合であっても、ボールバルブの円滑な回動動作を維持することができる流路開閉弁及び該流路開閉弁に適用されるシャフト軸の回動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る流路開閉弁は、流体通路(42)が貫通形成されたボールバルブ(14)と、前記ボールバルブ(14)を回転自在に収容する室(26)が設けられ、且つ該室(26)の上流側及び下流側にそれぞれ流体流入口(22)及び流体流出口(24)が設けられたボディ本体(12)と、アクチュエータ(58)の駆動作用下に回転することで、前記ボールバルブ(14)を前記室(26)内で回動させて前記流体流入口(22)と前記流体流出口(24)とを連通及び遮断するシャフト軸(46)と、前記ボールバルブ(14)の前記流体流入口(22)側に設けられ、前記ボールバルブ(14)に変位自在に摺接するバルブ押さえ(16)と、前記ボールバルブ(14)の前記流体流出口(24)側に設けられ、前記ボールバルブ(14)が着座するバルブシート(18)と、前記バルブ押さえ(16)を前記ボールバルブ(14)側に押圧することで、前記ボールバルブ(14)を前記バルブシート(18)側に押圧する弾性部材(32)とを備える流路開閉弁であって、前記ボールバルブ(14)の全閉位置から前記流体通路(42)が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲(a)と、前記シャフト軸(46)と前記ボールバルブ(14)との嵌合部(47)でのガタツキにより、前記シャフト軸(46)が回動しても前記ボールバルブ(14)が回動しない角度である空転角度(α)との差が、予め設定された規定角度範囲(c)よりも大きいことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、ボールバルブ(14)の全閉位置から流体流路(42)が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲(a)と、シャフト軸(46)とボールバルブ(14)との嵌合部(47)でのガタツキにより、シャフト軸(46)が回動してもボールバルブ(14)が回動しない角度である空転角度(α)との差が、予め設定された規定角度範囲(c)よりも大きく設定されている。これにより、シャフト軸(46)とボールバルブ(14)との嵌合部(47)でガタツキがある場合にも、シャフト軸(46)を所定の作動範囲(s)で動作させることで、ボールバルブ(14)を確実に全閉位置に設定することができるため、ガスリークの発生を防止することができる。なお、括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために実施の形態で付与した符号に倣って付したものであり、本発明がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではなく、以下同様である。
【0013】
また、本発明に係るシャフト軸の回動制御方法は、流体通路(42)が貫通形成されたボールバルブ(14)と、前記ボールバルブ(14)を回転自在に収容する室(26)が設けられ、且つ該室(26)の上流側及び下流側にそれぞれ流体流入口(22)及び流体流出口(24)が設けられたボディ本体(12)と、アクチュエータ(58)の駆動作用下に回転することで、前記ボールバルブ(14)を前記室(26)内で回動させて前記流体流入口(22)と前記流体流出口(24)とを連通及び遮断するシャフト軸(46)と、前記ボールバルブ(14)の前記流体流入口(22)側に設けられ、前記ボールバルブ(14)に変位自在に摺接するバルブ押さえ(16)と、前記ボールバルブ(14)の前記流体流出口(24)側に設けられ、前記ボールバルブ(14)が着座するバルブシート(18)と、前記バルブ押さえ(16)を前記ボールバルブ(14)側に押圧することで、前記ボールバルブ(14)を前記バルブシート(18)側に押圧する弾性部材(32)とを備える流路開閉弁におけるシャフト軸の回動制御方法であって、前記シャフト軸(46)と前記ボールバルブ(14)との嵌合部(47)でのガタツキにより、前記シャフト軸(46)が回動しても前記ボールバルブ(14)が回動しない角度である空転角度(α)が、前記ボールバルブ(14)の全閉位置から前記流体通路(42)が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲(a)を超えているか否かを判断する工程(ステップS3)と、前記空転角度(α)が、前記全閉作動範囲(a)を超えている場合に、前記シャフト軸(46)の作動範囲(s)を補正する工程(ステップS4)とを有することを特徴とする。
【0014】
このような方法によれば、前記空転角度(α)が、前記全閉作動範囲(a)を超えているか否かを判断する工程(ステップS3)と、空転角度(α)が全閉作動範囲(a)を超えている場合に、シャフト軸(46)の作動範囲(s)を補正する工程(ステップS4)とを有する。これにより、シャフト軸(46)とボールバルブ(14)との嵌合部(47)でガタツキがある場合にも、シャフト軸(46)を所定の作動範囲(s)で動作させることで、ボールバルブ(14)を確実に全閉位置に設定することができるため、ガスリークの発生を防止することができる。
【0015】
この場合、前記空転角度(α)が変化した場合には、その変化分だけ前記シャフト軸(46)の作動範囲(s)を補正する作動範囲補正工程(ステップS18、ステップS28)を有するとよい。
【0016】
前記作動範囲補正工程(ステップS28)は、前記ボールバルブ(14)の全作動開度を積算する工程(ステップS24)と、前記積算した作動開度から前記嵌合部(47)での磨耗量(γ)を推定する工程(ステップS25)と、前記推定した摩耗量(γ)に基づき、前記空転角度(α)を補正する工程(ステップS26)と、前記補正した前記空転角度(α)に基づき、前記シャフト軸(46)の作動範囲(s)を補正する工程(ステップS28)とを有してもよい。
【0017】
前記空転角度補正工程(ステップS18)は、前記シャフト軸(46)の各開度での回動トルクを測定する工程(ステップS13)と、前記測定した回動トルクに基づき、前記空転角度(α)を推定する工程(ステップS16)と、前記推定した空転角度(α)に基づき、該空転角度(α)を補正する工程(ステップS18)と、前記補正した前記空転角度(α)に基づき、前記シャフト軸(46)の作動範囲(s)を補正する工程(ステップS18)とを有してもよい。
【0018】
前記ボールバルブ(14)の回動範囲内での前記シャフト軸の回動規定範囲(β内)を設定する工程(ステップS5)と、前記設定された前記回動規定範囲(β内)が、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも大きいか否かを判断する工程(ステップS6)と、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも前記回動規定範囲(β内)が大きい場合に、該回動規定範囲(β内)を変更して再度設定する工程(ステップS7)とを有してもよい。
【0019】
前記ボールバルブ(14)の回動範囲内での前記シャフト軸(46)の回動規定範囲(β内)を設定する工程(ステップS31)と、前記設定された回動規定範囲(β内)が、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも大きいか否かを判断する工程(ステップS32)と、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも前記回動規定範囲(β内)が大きい場合に、前記シャフト軸(46)の作動範囲(s)を変更する工程(ステップS33)とを有してもよい。
【0020】
また、前記ボールバルブ(14)が、全閉位置から前記流体流路が開き始めるまでの角度、又は全開位置から前記流体流路が閉じ始めるまでの角度のうち、大きい角度の範囲内で、前記ボールバルブ(14)を作動する工程を有してもよい。さらに、前記ボールバルブ(14)が、全閉位置から前記流体流路が開き始めるまでの角度、又は全開位置から前記流体流路が閉じ始めるまでの角度のうち、小さい角度の範囲内で、前記ボールバルブ(14)を作動する工程を有してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ボールバルブの全閉位置から流体流路が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲と、シャフト軸とボールバルブとの嵌合部でのガタツキにより、シャフト軸が回動してもボールバルブが回動しない角度である空転角度との差が、予め設定された規定角度範囲よりも大きく設定される。これにより、シャフト軸とボールバルブとの嵌合部でガタツキがある場合にも、シャフト軸を所定の作動範囲で動作させることで、ボールバルブを確実に全閉位置に設定することができるため、ガスリークの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る流路開閉弁の縦断面図である。
【図2】シャフト軸を0°位置から90°位置まで往復動作させた場合の該シャフト軸とボールバルブとの各角度での回転位置関係を示す説明図である。
【図3】お掃除モードにおけるシャフト軸の作動範囲と、ボールバルブの回動範囲と、シャフト軸の通常の作動範囲との関係を示す説明図である。
【図4】お掃除モードの範囲設定方法における第1設定制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5Aは、経年劣化を考慮した設定の第1方法の手順を示すフローチャートであり、図5Bは、経年劣化を考慮した設定の第2方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】お掃除モードの範囲設定方法における第2設定制御方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るボールバルブのゼロ点位置決定方法について、この決定方法を適用する流路開閉弁との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
1.流路開閉弁の構成の説明
先ず、図1を参照して、本実施の形態に係る流路開閉弁10の構成を説明する。ここでは、流路開閉弁10として、自動車等の内燃機関から排出された排気ガスを該内燃機関に対して再循環させるためのEGR用切換バルブ(排気循環弁機構)として用いられるものを例示して説明する。
【0025】
図1に示すように、流路開閉弁10は、ボディ本体12と、該ボディ本体12の内部に回動自在に設けられるボールバルブ14と、前記ボールバルブ14の外周面に当接するバルブ押さえ(可動シート)16及びバルブシート(固定シート)18と、前記ボディ本体12の上部に設けられ、前記ボールバルブ14に対して回転駆動力を付与する駆動力伝達機構20とを含む。
【0026】
ボディ本体12の下側には、例えば、排気ガス(流体)の供給される流入通路となるガス流入口(流体流入口)22と、その反対側に設けられ、前記排気ガスを導出して内燃機関(図示せず)へと循環させる流出通路となるガス流出口(流体流出口)24が設けられている。なお、ボディ本体12において、ガス流入口22とガス流出口24とは略同軸上に設けられる。また、ボディ本体12は、ガス流入口22とガス流出口24との間に連通室26を有し、この連通室26の内部に略球状のボールバルブ14が回動自在に配設されている。
【0027】
連通室26とガス流入口22との間には、バルブ押さえ16が設けられ、前記バルブ押さえ16は、小径部28と、該小径部28と一体的且つ同軸な大径部30とからなる。そして、小径部28が、ボディ本体12において、ガス流入口22に臨み大径部30が前記ボールバルブ14に臨むように配設される。また、大径部30には、ボディ本体12との間にウェーブワッシャ(弾性部材)32が設けられ、前記ウェーブワッシャ32の弾発力によってバルブ押さえ16は常にボールバルブ14側へと付勢され、前記大径部30によって前記ボールバルブ14がシートされている。
【0028】
バルブ押さえ16には、中心部にガス流入口22と連通する第1連通路(連通孔)34が形成され軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通すると共に、該バルブ押さえ16の一端面には、ボールバルブ14の当接するシート面36が形成される。
【0029】
一方、連通室26とガス流出口24との間には、リング状のバルブシート18が設けられ、前記バルブシート18は、ガス流出口24と連通室26との間に形成された環状の装着溝に装着されている。
【0030】
バルブシート18は、装着溝に対して回転自在に設けられ、その一端面が連通室26に臨んでボールバルブ14の外周面に当接し、他側面がガス流出口24に臨むように配設されている。なお、バルブシート18は、連通室26を中心としてバルブ押さえ16と同軸上に設けられる。
【0031】
このバルブシート18には、中心部にガス流出口24と連通する第2連通路(連通孔)38が形成され軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通している。また、バルブシート18の一端面は、ボールバルブ14の当接するシート面40が形成される。
【0032】
ボールバルブ14は、中心軸に直交するように一方の曲面と他方の曲面が取り除かれ、該中心軸に沿って一方の面から他方の面へと貫通するガス通路(流体通路)42の形成された球体である。そして、ガス通路42に直交する頂部には、平面長方形状の凹部44が形成され、後述するシャフト軸46の先端部46aが嵌合される嵌合部47を構成している。
【0033】
ガス通路42は、ボールバルブ14の弁開状態(図1参照)において、ガス流入口22に臨む第1開口部48と、ガス流出口24に臨む第2開口部50とを有し、前記第1開口部48から第2開口部50へと直線状に形成される。このガス通路42の延在方向は、ボールバルブ14に連結されるシャフト軸46の軸線と直交するように設定され、前記第1及び第2開口部48、50は、ガス通路42を通じて流通させる排気ガスの必要流量に基づいて同一直径(通路断面積)で形成される。
【0034】
駆動力伝達機構20は、ボールバルブ14の頂部に連結されるシャフト軸46と、前記シャフト軸46の上端部に連結される回転ヨーク56と、ボディ本体12の上部に連結され、前記回転ヨーク56を介して前記シャフト軸46を回転駆動させる駆動源58とを含む。
【0035】
シャフト軸46は、ボディ本体12の内部に設けられた一組の軸受60a、60bによって回転自在に支持され、その下端にある先端部46aが断面長方形状に形成され連通室26内においてボールバルブ14の凹部44に挿入・嵌合されて嵌合部47を構成している。また、シャフト軸46の上端部は、回転ヨーク56の略中央部に挿通されてナット62を締め付けることによって固定されている。
【0036】
駆動源58は、例えば、通電作用下に回転駆動するステッピングモータやロータリーアクチュエータからなり、その回転駆動力が回転ヨーク56を介してシャフト軸46へと伝達されることにより、前記シャフト軸46に連結されたボールバルブ14が所定方向に回動動作する。
【0037】
なお、図1中の参照符号63は、当該流路開閉弁10を駆動制御する制御部であり、流路開閉弁10は、該制御部63の制御下に駆動源58が駆動制御され、これにより流路の開閉を切り換え可能である。制御部63は、当該流路開閉弁10と一体的に構成してもよいが、その機能を当該流路開閉弁10が設置される車両のECU(図示せず)等に持たせてもよい。
【0038】
流路開閉弁10は、以上のように構成されることにより、第1及び第2連通路34、38がいずれもボールバルブ14によって閉塞された弁閉状態(図1に示す位置からボールバルブ14が90°回転した状態)においては、排気ガスがガス流入口22へと供給されているが、バルブ押さえ16のシート面36にボールバルブ14が当接しているため、該バルブ押さえ16を通じて前記排気ガスの連通室26内への流通が遮断されることになる。
【0039】
一方、弁閉状態から弁開状態にするためには、先ず、駆動源58が付勢されることによって回転ヨーク56を介してシャフト軸46に回転駆動力が伝達され、ガス通路42の第1及び第2開口部48、50がそれぞれガス流入口22及びガス流出口24に接近するようにボールバルブ14が回転する。そして、図1に示されるように、ボールバルブ14の回動作用下にガス通路42がガス流入口22及びガス流出口24と一直線上となることにより、前記ガス通路42を通じてガス流入口22とガス流出口24とが連通した弁開状態となる。これにより、ガス流入口22に供給されている排気ガスが、ボールバルブ14のガス通路42を通じてガス流出口24側へと流通して図示しない内燃機関へと導入される。
【0040】
ところで、このようなシャフト軸46によるボールバルブ14の作動に際し、シャフト軸46とボールバルブ14との嵌合部47では、その寸法公差や製造誤差等によるガタツキを生じていることがあり、この場合、シャフト軸46の回動角度とボールバルブ14の回動角度との間に角度ずれを生じることになる。すなわち、該角度ずれは、シャフト軸46が回動しても、その先端部46aが凹部44内で空転し、ボールバルブ14を回動させることができない角度範囲である空転角度(ガタ角度)を形成している。
【0041】
該空転角度が、ボールバルブ14が全閉位置を保つことができる角度範囲、つまりボールバルブ14を作動してもガス通路42が開かない角度範囲(不感帯)を超えている場合には、シャフト軸46を予め設定された作動範囲(例えば、0°〜90°の間)で回動させたとしても、ボールバルブ14が全閉位置にならず、ガスリークを生じる可能性がある。
【0042】
また、このような流路開閉弁10では、内燃機関において燃料が燃焼される際に生じた燃焼生成物等の塵埃を含んだ排気ガスが、バルブ押さえ16やバルブシート18とボールバルブ14との接触部分に生じる隙間に浸入した場合には、ボールバルブ14の表面に燃焼生成物が堆積することがある。そうすると、ボールバルブ14の作動停止時に、該ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との間が固着化し、再びボールバルブ14を作動させる際に高トルクが必要となり、ボールバルブ14の円滑な回動動作ができなくなる可能性がある。
【0043】
2.シャフト軸の回動制御方法の説明
そこで、次に、前記空転角度に起因するガスリークの防止方法について説明し、さらに、該ガスリークの防止方法との関係で、ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との間で生じる堆積物(例えば、前記燃焼生成物)をそぎ落とし、ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との固着化を防止するための動作モード(お掃除モード、クリーニングモード、堆積物除去モード)について説明する。本実施の形態では、これらガスリークの防止と固着化の防止とは、いずれもシャフト軸46を回動制御することにより実行される(シャフト軸の回動制御方法)。
【0044】
2.1.シャフト軸とボールバルブの回転位置関係の説明
シャフト軸の回動制御方法の説明に先立ち、シャフト軸46とボールバルブ14の回転位置関係について、図2を参照して説明する。図2は、シャフト軸46を0°位置から90°位置まで往復動作させた場合の該シャフト軸46とボールバルブ14との各角度での回転位置関係を示す説明図であり、図2中の軸J1はシャフト軸46の先端部46aの長手方向(回転位相)を示し、軸J2はボールバルブ14の凹部44の長手方向(回転位相)を示す。
【0045】
先ず、図2中のシャフト回転角度が(α)°の説明図に示されるように、ボールバルブ14とシャフト軸46の間には、嵌合部47でのガタツキによる空転角度(α)が形成されており、さらに、ボールバルブ14とバルブ押さえ16の間には、ボールバルブ14を初期位置(シャフト軸46の0°位置又は90°位置に対応する位置。図2では0°位置を例示)から作動させ、全閉状態が維持される角度範囲である不感帯(a)が形成されている(ボールバルブ14とバルブシート18の間も同様)。勿論、初期位置を90°位置とした場合、不感帯(a)は全開状態が維持される角度範囲となる。
【0046】
従って、図2に示すように、シャフト軸46を初期位置である0°位置から、90°位置まで往復動作させる場合には、シャフト軸46の回転角度(シャフト回転角度)が空転角度(α)°までの間は、シャフト軸46のみ回転し、ボールバルブ14は作動せず、ボールバルブ14の回転角度(ボール回転角度)は0°となっている。
【0047】
そして、シャフト回転角度が(α)°に到達すると、シャフト軸46の先端部46aが凹部44の壁面に当接することから、シャフト軸46とボールバルブ14とが一体的に回動可能な状態となる。このため、シャフト回転角度が(α+a)°となると、ボール回転角度は(a)°となり、ガス通路42が開き始める。つまり、ボール回転角度が0°から(a)°になるまでの間は、ボールバルブ14は作動しているがガス通路42は閉じている不感帯となっている。さらに、シャフト軸46が回動され、シャフト回転角度が全開角度である90°になると、ボール回転角度は全開角度である(90−α)°となり、ガス通路42が全開状態となる。
【0048】
続いて、シャフト軸46を0°側に戻し始めるが、シャフト回転角度が90°から(90−2α)°に到達するまでは、先端部46aが凹部44内で空転してボールバルブ14は作動せず、ボール回転角度は(90−α)°を保持している。
【0049】
そして、シャフト回転角度が(90−2α)°に到達すると、シャフト軸46の先端部46aが凹部44の壁面に当接することから、シャフト軸46とボールバルブ14とが一体的に回動可能な状態となる。このため、ガス通路42が閉じ始め、シャフト回転角度が(a−α)°となると、ボール回転角度は(a)°となり、ガス通路42が全閉となる。さらに、シャフト軸46が回転し、シャフト回転角度が0°に戻った際には、嵌合部47でのガタツキ(空転角度)のため、ボール回転角度は(α)°となり、ボールバルブ14は0°位置に戻らない。
【0050】
2.2.ガスリークの防止方法の概要説明
以上の動作に基づき、図2から諒解されるように、シャフト回転角度が(a−α)°から0°までの間では、シャフト軸46を0°にした際にボールバルブ14が全閉となっているためには、(a−α)>0、の関係が担保されている必要がある。(a−α)が負、つまり不感帯(a)より空転角度(α)が大きいと、ガス通路42が全閉していない状態でシャフト軸46が作動範囲端に到達し、シャフト軸46の復路動作のみが完了してしまうからである。
【0051】
従って、前記ガスリークの防止方法は、(a−α)>0、の関係を保持するために、空転角度(α)及び不感帯(a)の値に基づき、シャフト軸46の作動範囲(初期的に設定された作動範囲)を補正するように設定制御することで、ボールバルブ14を確実に全閉位置まで作動させる方法である。
【0052】
2.3.お掃除モードの概要説明
次に、お掃除モードの概要を説明する。このお掃除モードは、流体路の開閉というボールバルブ14本来の作動とは別に、所定の一定範囲内で、定期的にボールバルブ14を作動させることにより、ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との間の堆積物を強制的に除去する動作モードである。従って、お掃除モードでは、ボールバルブ14が全閉や全開にある位置を初期位置として、この全閉や全開の状態を維持し得る一定範囲、つまり不感帯でボールバルブ14を作動させることで、ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との間を摺動させ、前記堆積物の除去を行うものとする。
【0053】
不感帯とは、図2に示す角度範囲(a)のことで、ボールバルブ14の初期位置(シャフト軸46が0°又は90°)から作動させて全閉状態又は全開状態が維持される角度範囲のことである。ところが、上記のように、該初期位置は、ボールバルブ14とシャフト軸46の嵌合部47でのガタツキである空転角度の値によっては変化させる必要があるため、該空転角度を考慮した不感帯を考えて、お掃除モードの範囲設定をする必要がある。
【0054】
すなわち、図2に示されるように、ボールバルブ14は、シャフト軸46の作動よりも空転角度(α)だけ遅れて作動するため、往路動作においてシャフト軸46が90°作動したとき、ボールバルブ14は(90−α)°作動した位置となる。復路動作に関しても同様であり、シャフト軸46が0°に戻るときには、ボールバルブ14は(α)°となる。
【0055】
従って、お掃除モードは、ボールバルブ14が(α)°の状態である全閉位置、又は(90−α)°の状態である全開状態を基準として実行され、このときのシャフト軸46の作動範囲(β)は、不感帯のみで設定される必要があり、具体的には、図3に示されるように次の範囲で設定する必要がある。なお、図3は、お掃除モードにおけるシャフト軸46の作動範囲(β)と、ボールバルブ14の回動範囲(b)と、シャフト軸46の通常の作動範囲(s)との関係を示す説明図であり、図3中、2点鎖線で示すガス通路42等は0°位置の状態を示し、実線で示すガス通路42等は90°位置の状態を示す。
【0056】
先ず、ボールバルブ14の全閉位置(α)°を基準とした場合、お掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β)は、(a−α)>(β)>{−(a+α)}、に設定する必要がある。この場合、ガス通路42の閉じ始めとなる角度(a−α)は、ボールバルブ14の回動範囲(b)内にある。また、0°を超えたマイナス側でのガス通路42の開き始めとなる角度{−(a+α)}は、ボールバルブ14の回動範囲外にある(図2及び図3参照)。なお、{−(a+α)}は、0°を基準としてマイナス側の回動方向となることから、(a+α)にマイナス符号を付して説明している。
【0057】
一方、全開位置(90−α)°を基準とした場合、お掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β)は、(a+α)>(β)>(a−α)、に設定する必要がある。この場合、(a+α)は、ボールバルブ14の回動範囲外にあり、(a−α)は、ボールバルブ14の回動範囲内にある(図3参照)。
【0058】
以上より、ボールバルブ14の回動範囲外では、作動範囲(β)が(a+α)となり、その値が負になることはないため、該回動範囲外でのシャフト軸46の回動規定範囲である作動範囲(β)(以下、「β外」という)は、原則として(a+α)で設定することができる。
【0059】
これに対して、ボールバルブ14の回動範囲内では、作動範囲(β)が(a−α)となり、空転角度(α)の大きさによっては値が負になるため、該回動範囲内でのシャフト軸46の回動規定範囲である作動範囲(β)(以下、「β内」という)は、先ず、(a−α)が正であることを保証する必要がある。(a−α)が負であると、上記したように、シャフト軸46がその作動範囲の全閉位置となった状態であっても、ボールバルブ14が全閉位置とならず、ガスリークを生じるからである。
【0060】
2.4.お掃除モードの範囲設定方法の説明
2.4.1.第1設定制御方法の説明
以上に基づき、先ず、ボールバルブ14の回動範囲内でのお掃除モードの範囲設定方法における第1設定制御方法について、図4のフローチャートに基づき説明する。
【0061】
当該設定制御方法は、基本的には制御部63による制御下に実行されるものであり、先ず、図4中のステップS1において、空転角度{α(n)}を設定する。この場合、(n)は、空転角度(α)の設定回数を示す自然数であり、流路開閉弁10の使用開始時には、n=1であり、この際の空転角度{α(1)}の値は、所定の測定方法によって予め測定しておけばよい。なお、ステップS1における「経年劣化を考慮した設定」とは、流路開閉弁10を繰り返し使用した際に、嵌合部47でのシャフト軸46とボールバルブ14の間で生じる磨耗等によってガタツキが大きくなり、空転角度αの増加分に対応するための設定であり、初期的には考慮する必要がないため、詳細は後述する。
【0062】
ステップS2では、ステップS1での空転角度の場合と略同様に、所定の測定方法によって予め測定しておいた不感帯(a)を設定する。
【0063】
ステップS3では、当該設定制御方法の前提条件として、シャフト軸46の作動範囲(s)(図3参照)について、ボールバルブ14が全閉(又は全開)された状態となるように、空転角度{α(n)}と不感帯(a)とを比較する。すなわち、不感帯(a)の値から空転角度{α(n)}の値を引いた差が、正であるか負であるか否かを判断する。
【0064】
不感帯(a)の値より空転角度{α(n)}の値の方が大きい場合には(ステップS3のNO)、次にステップS4において、シャフト軸46の作動範囲(s)を変更する。すなわち、不感帯(a)の値より空転角度{α(n)}の値の方が大きい場合には、例えば、シャフト軸46が閉じ側方向で図2中の(a−α)°に設定された場合であっても、ボールバルブ14が不感帯(a)に入らず、ガス通路42が閉じ始めないため、ガスリークを生じることになる。
【0065】
そこで、この場合には、シャフト軸46の作動範囲(s)を予め規定された作動範囲(s)、例えば、0°〜90°よりも拡大し、例えば、−3°〜93°といった値に再設定することにより、シャフト軸46が作動範囲(s)内を動作した際に、ボールバルブ14が確実に全閉されるように設定する。
【0066】
つまり、このステップS3、S4に係る動作によって、シャフト軸46の作動範囲(s)を空転角度(α)の値によって変更・補正することで、上記したガスリークの防止方法を実行している。なお、流路開閉弁10では、ボールバルブ14の全閉位置からガス通路42が開き始めるまでの角度範囲(全閉作動範囲)である不感帯(a)と、シャフト軸46とボールバルブ14の嵌合部47でのガタツキにより、シャフト軸46が回動してもボールバルブ14が回動しない角度である空転角度(α)との差(a−α)が、単に正であるとの条件以外にも、例えば、0より大きな多少の余裕を持った閾値である規定角度範囲(c)を予め設定しておき、差(a−α)が規定角度範囲(c)よりも大きい(a−α>c)ことをステップS3での条件式として設定してもよい。これにより、シャフト軸46を所定の作動範囲(s)で動作させた際に、ボールバルブ14を一層確実に全閉位置に作動させることができる。換言すれば、前記規定角度範囲(c)を0以上(c≧0)の所定の値に設定するとよい。
【0067】
一方、不感帯(a)の値より空転角度{α(n)}の値の方が小さい場合には(ステップS3のYES)、上記のガスリークを生じないものと判断し、次にステップS5を実行し、お掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β内)を設定する。
【0068】
この作動範囲(β内)は、例えば、制御部63の図示しない記憶部(メモリ)に複数の数値データのテーブル又は数式として記憶されており、当該ステップS5では、制御部63の制御下に、所定の作動範囲(β内)のデータを前記記憶部のテーブル内の複数のデータから選択し設定する。
【0069】
ステップS6では、ステップS5で設定された作動範囲(β内)が、ボールバルブ14の全閉位置の内側にあるか否か、つまり{a−α(n)}が作動範囲(β内)より大きいか否かを判断する。
【0070】
{a−α(n)}が作動範囲(β内)より小さい場合には(ステップS6のNO)、お掃除モードにおいて、ボールバルブ14が全閉範囲を超える角度までシャフト軸46が作動し、ガスリークを惹起することになるため、次にステップS7で異なる作動範囲(β内)を前記テーブルから選択し、ステップS6に戻って該選択した作動範囲(β内)を設定する。
【0071】
一方、{a−α(n)}が作動範囲(β内)より大きい場合には(ステップS6のYES)、お掃除モードをボールバルブ14の全閉範囲(不感帯)内で作動可能であると判断し、当該第1設定制御方法を終了する。なお、ボールバルブ14の回動範囲外での作動範囲(β外)については、上記のように(a+α)で設定すればよいが、勿論、ステップS5〜S7に係る作動範囲(β内)の設定方法と同様な方法で設定することも可能である。
【0072】
このような第1設定制御方法によりお掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β内)及び作動範囲(β外)が設定されると、制御部63は、当該設定内容に基づき、ボールバルブ14が全閉位置(又は全開位置)にある状態で当該お掃除モードを実行する。このお掃除モードは、例えば、ボールバルブ14が全閉位置にある状態の都度、実行してもよいし、所定時間毎又は所定作動回数毎に実行する等、流路開閉弁10の使用条件等によって適宜設定すればよい。
【0073】
例えば、全閉位置(α)°を基準としたお掃除モードを実行する場合には、制御部63は上記の作動範囲(β内、β外)の設定に基づき、この作動範囲内でシャフト軸46を1往復又は複数往復作動させることにより、ボールバルブ14とバルブ押さえ16やバルブシート18との間に堆積した堆積物を除去することができる。
【0074】
なお、全閉位置(α)°を基準としたお掃除モードと、全開位置(90−α)°を基準としたお掃除モードのいずれを実行するかは、流路開閉弁10の使用条件等によって適宜設定すればよいが、例えば、ボールバルブ14が、全閉位置からガス通路42が開き始めるまでの角度、又は全開位置からガス通路42が閉じ始めるまでの角度のうち、大きい角度の範囲内でお掃除モードを実行し、ボールバルブ14を作動するように構成すると、全閉状態又は全開状態を維持したまま、ボールバルブ14を可及的に広い動作範囲で作動させることができるため、燃焼生成物の除去を一層効率的に行うことができる。一方、例えば、ボールバルブ14が、全閉位置からガス通路42が開き始めるまでの角度、又は全開位置からガス通路42が閉じ始めるまでの角度のうち、小さい角度の範囲内でお掃除モードを実行し、ボールバルブ14を作動するように構成すると、全閉状態又は全開状態を一層確実に維持することができ、お掃除モード中に誤ってガスリークを生じることをより確実に防止することができる。
【0075】
2.4.2.経年劣化を考慮した設定の説明
次に、上記ステップS1における「経年劣化を考慮した設定」の動作フローについて、2つの設定方法を例示して説明する。
【0076】
流路開閉弁10を繰り返し使用し、ボールバルブ14を複数回作動させた際には、凹部44と先端部46aとが互いに複数回ぶつかり合うために経年劣化(磨耗)を生じ、空転角度(α)が次第に大きくなる。そうすると、シャフト軸46の作動範囲(s)とボールバルブ14の作動範囲(b)との位置関係がずれ、ボールバルブ14を全閉位置に設定できず、ガスリークを生じることになる。
【0077】
すなわち、シャフト軸46の往復端位置でボールバルブ14が全閉しない状態(又は全開しない状態)が生じ、上記したステップS3(図4参照)での前提条件を満たすことができない可能性を生じる。そこで、この経年劣化を考慮した設定では、流路開閉弁10の作動中、空転角度(α)が不感帯の角度範囲(a)を超えないように制御部63で常時モニタリングし、(α)が(a)を超えた場合にシャフト軸46の作動範囲(s)を補正する。
【0078】
2.4.2(1)経年劣化を考慮した設定の第1方法の説明
経年劣化を考慮した設定の第1方法について、図5Aのフローチャートを参照して説明する。この第1方法では、シャフト軸46が開き側動作、つまりシャフト軸46が0°から90°に向かう方向の動作の場合に経年劣化の判定を行う場合を例示する。
【0079】
図5A中のステップS11において、この第1方法の実行回数(n)として、n=0、を設定した後、ステップS12において、今回のシャフト軸46の回転角度であるシャフト開度(t)が、前記のシャフト軸46の回転角度であるシャフト開度(t−1)より大きいか否かを判断する。シャフト開度(t)がシャフト開度(t−1)より小さい場合には(ステップS12のNO)、今回のシャフト軸46の動作が閉じ側動作であると判断し、ステップS12に戻る。
【0080】
一方、シャフト開度(t)がシャフト開度(t−1)より大きい場合には(ステップS12のYES)、今回のシャフト軸46の動作が開き側動作であると判断し、次にステップS13を実行する。
【0081】
ステップS13では、制御部63で検出される今回のシャフト軸46の作動に係る駆動源58の負荷であるトルク(t)が、所定の閾値より大きいか否かを判断する。具体的には、空転角度(α)の範囲では、シャフト軸46(駆動源58)にかかるトルクはゼロという前提条件の下、各時刻における開き側動作(ステップS12)でのシャフト軸46の動作トルクを制御部63でモニタリングする。そして、時刻tでのトルク(t)が、予め定められた所定のトルク(閾値)より小さい場合には(ステップS13のNO)、シャフト軸46が空転角度(α)にあると判断し、ステップS12に戻る。
【0082】
一方、時刻tでのトルク(t)が、予め定められた所定のトルク(閾値)を超えた場合には(ステップS13のYES)、この時刻tでシャフト軸46の空転が終わり、先端部46aが凹部44の壁面に接触したと判断し、この時刻tでのシャフト開度(n)を制御部63の図示しない記憶部に記憶する(ステップS14)。
【0083】
ステップS15では、この第1方法の実行回数(n)が0(ゼロ)であるか否かを判断し、n=0、である場合には(ステップS15のYES)、実行回数が1回目のため前回のデータとの比較が不要と判断し、ステップS12に戻る。
【0084】
一方、ステップS15において、n=0、以外の場合には(ステップS15のNO)、次に、ステップS16に進み、今回のシャフト開度(n+1)が前回のシャフト開度(n)よりも大きいか否かを判断する。具体的には、前回の実行時のステップS14において記憶されたシャフト開度(n)と、その後、一度閉じ側動作を終了し、再び開き側動作を実行している今回の実行時においてステップS14で記憶したシャフト開度(n+1)とを比較する。そして、今回のシャフト開度(n+1)が前回のシャフト開度(n)以下である場合には(ステップS16のNO)、次にステップS17を実行し、(n)に(n+1)を代入してステップS12に戻る。
【0085】
一方、今回のシャフト開度(n+1)が前回のシャフト開度(n)より大きい場合には(ステップS16のYES)、シャフト開度(n+1)とシャフト開度(n)との差の分だけ空転角度(α)が増大し、ガタツキが増えたものと判断できるため、この空転角度(α)の増加分だけシャフト軸46の開度指令値である作動範囲(s)を拡大するように補正する作動範囲補正工程を実行する(ステップS18)。
【0086】
当該ステップS18では、シャフト軸46の作動開度(s)を、現在のシャフト軸46の作動開度(s)に、空転角度(α)の増加分(現在のシャフト開度(n)から前回のシャフト開度(n−1)を引いた差)を足した値で置き換える処理を行う。換言すれば、ステップS16において回動トルクに基づく空転角度(α)が推定されるため、ステップS18では、この推定した空転角度(α)に基づき、予め設定されている空転角度(α)を補正すると共に、該補正した空転角度(α)に基づき、シャフト軸46の作動範囲(s)を補正する。
【0087】
以上の動作フローを実行することにより、この第1方法では、経年劣化による空転角度(α)の増加分に対応させるべく、シャフト軸46の作動開度(s)を修正することができる。そこで、次回のお掃除モードの範囲設定方法では、図4のステップS1〜S6について、空転角度(α)を上記ステップS16、S18における経年劣化を考慮した空転角度(α)に補正して設定を行うことで、ボールバルブ14がガスリークを生じない範囲内で適切にお掃除モードを実行することができる。
【0088】
2.4.2(2)経年劣化を考慮した設定の第2方法の説明
経年劣化を考慮した設定の第2方法について、図5Bのフローチャートを参照して説明する。この第2方法では、シャフト軸46が閉じ側動作、つまりシャフト軸46が90°から0°に向かう方向の動作の場合に経年劣化の判定を行う場合を例示する。
【0089】
図5B中のステップS21において、制御部63はシャフト軸46の指示開度を設定する。例えば、ボールバルブ14の開き側動作の場合には、シャフト軸46を0°から90°まで回動させるために、前回指示開度よりも増加する方向の指示開度が設定される。
【0090】
ステップS22では、シャフト軸46の今回指示開度が前回指示開度よりも小さいか否かが判断され、今回指示開度が前回指示開度よりも大きい場合には(ステップS22のNO)、今回のシャフト軸46の動作が開き側動作であると判断し、ステップS21に戻る。一方、今回指示開度が前回指示開度よりも小さい場合には(ステップS22のYES)、今回のシャフト軸46の動作が閉じ側動作であると判断し、次にステップS23を実行する。
【0091】
ステップS23では、前回指示開度から今回指示開度を引いた差を、シャフト軸46の今回の作動開度として設定し、続いて、ステップS24では、前回までの合計作動開度(前回合計作動開度)と今回の作動開度(今回作動開度)とを足した和を、今回までのシャフト軸46の合計作動開度として設定する。
【0092】
ステップS25では、例えば、合計作動開度と磨耗量(γ:空転角度の増加分)との特性グラフ、つまり、合計作動開度の変化量に対する磨耗量(γ)の変化量を規定したグラフに基づき、ステップS24で求めた合計作動開度から現在までの磨耗量(γ)を算出する。例えば、上記の特性グラフは、シャフト軸46の合計作動開度に対する摩耗量(γ)、つまり空転角度の増加分を予め実験等で求めておけばよく、この特性グラフに上記ステップS24で求めた合計作動開度を当てはめることで、その時点で推定される磨耗量(γ)を取得することができる。
【0093】
ステップS26では、ステップS25で求めた磨耗量(γ)と現在までの空転角度(α)とを足した和を、今回の空転角度(α)として設定する。
【0094】
ステップS27では、不感帯(a)の範囲をステップS26で求めた空転角度(α)が超えているか否かを判断する。すなわち、(a−α)≧0、である場合には(ステップS27のNO)、磨耗量(γ)が規定値より少なく、経年劣化がないか又はほとんど生じていないものと判断し、ステップS21に戻る。
【0095】
一方、(a−α)<0、である場合には(ステップS27のYES)、磨耗量(γ)が規定値より多く、経年劣化が進みガスリークを生じる可能性があると判断し、次にステップS28を実行する。
【0096】
ステップS28では、ステップS27で磨耗量(γ)が規定値を超えていると判断されたことから、これによる空転角度の増加分だけシャフト軸46の指示開度を拡大するように補正する作動範囲補正工程を実行する。すなわち、当該ステップS28では、今回指示開度と、磨耗量(γ)に基づく空転角度の増加分の補正開度とを足した和を、最終指示開度として設定し、この最終指示開度に基づきシャフト軸46の作動範囲(s)を設定する。なお、この第2方法でも、ステップS28で算出した最終指示開度に基づき、次回のお掃除モードの範囲設定方法では、図4のステップS1〜S6を実行することで、ボールバルブ14がガスリークを生じない範囲内でお掃除モードを実行することが可能となる。
【0097】
2.4.3.第2設定制御方法の説明
次に、ボールバルブ14の回動範囲内でのお掃除モードの範囲設定方法における第2設定制御方法について、図6のフローチャートに基づき説明する。
【0098】
当該第2設定制御方法についても、図6中のステップS1〜S4は、上記した図4中のステップS1〜S4と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0099】
図6中のステップS31では、図4中のステップS5と略同様に、お掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β内)を設定する。
【0100】
次に、ステップS32では、ステップS31で設定された作動範囲(β内)が、ボールバルブ14の全閉位置の内側にあるか否か、つまり{a−α(n)}が作動範囲(β内)より大きいか否かを判断する。
【0101】
{a−α(n)}が作動範囲(β内)より小さい場合には(ステップS32のNO)、お掃除モードにおいて、ボールバルブ14が全閉範囲を超える角度までシャフト軸46が作動し、ガスリークを惹起することになるため、次にステップS33においてシャフト軸46の作動範囲(s)を変更し、再びステップS32に戻る。そして、このように再度実行されるステップS32では、該変更したシャフト軸46の作動範囲(s)に基づき設定される作動範囲(β内)が、ボールバルブ14の全閉位置の内側にあるか否かを判断する。
【0102】
一方、{a−α(n)}が作動範囲(β内)より大きい場合には(ステップS32のYES)、お掃除モードをボールバルブ14の全閉範囲内で作動可能であると判断し、当該第2設定制御方法を終了する。そこで、制御部63は、この第2設定制御方法により設定された作動範囲(β内)でお掃除モードを適宜実行する。
【0103】
なお、このようにシャフト軸46の作動範囲(s)を変更した場合、該作動範囲(s)の変更方法によっては、お掃除モードでのシャフト軸46の作動範囲(β外)が変更されることもある。そこで、この場合には、図6中の破線で示すステップS34、S35をさらに実行し、作動範囲(β外)についても、ステップS32、S33と略同様な処理を実行してもよい。
【0104】
すなわち、ステップS33で設定されたシャフト軸46の作動範囲(s)の変更角度分を(d)とすると、ステップS34では、この場合の作動範囲(β外)である{a+α(n)−d}が作動範囲(β外)より大きいか否かを判断し、その結果に基づき、必要に応じてステップS35を実行してシャフト軸46の作動範囲(s)を変更すればよい。
【0105】
また、このような第2設定制御方法では、ステップS33でシャフト軸46の作動範囲を所定の変更可能範囲内で変更しても、ステップS32において{a−α(n)}が作動範囲(β内)より大きいとの解が得られない可能性もある。そこで、この場合には、ステップS33に代えて、図4中のステップS5〜S7を実行するようにしてもよく、ステップS34、S35についても略同様である。
【0106】
以上のように、本実施の形態に係る流路開閉弁10によれば、ボールバルブ14の全閉位置からガス通路42が開き始めるまでの角度範囲(全閉作動範囲)である不感帯(a)と、シャフト軸46とボールバルブ14の嵌合部47でのガタツキにより、シャフト軸46が回動してもボールバルブ14が回動しない角度である空転角度(α)との差が、予め設定された規定角度範囲(c)又は0よりも大きく設定されている。また、本実施の形態に係るシャフト軸46の回動制御方法によれば、空転角度(α)が、全閉作動範囲(a)を超えているか否かを判断する工程(図4のステップS3)と、空転角度(α)が全閉作動範囲(a)を超えている場合に、シャフト軸46の作動範囲(s)を補正する工程(図4のステップS4)とを有する。従って、シャフト軸46を所定の作動範囲(s)で動作させた際に、ボールバルブ14を確実に全閉位置に作動させることができ、ガスリークの発生を防止することができる。
【0107】
この場合、経年劣化によって空転角度(α)が変化した場合には、その変化分だけシャフト軸46の作動範囲(s)を補正する作動範囲補正工程(図5AのステップS18及び図5BのステップS28)を実行することにより、経年劣化によって空転角度(α)が増加した場合であっても、シャフト軸46を所定の作動範囲(s)で作動させた際には、ボールバルブ14を確実に全閉させることができる。
【0108】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0109】
10…流路開閉弁 12…ボディ本体
14…ボールバルブ 16…バルブ押さえ
18…バルブシート 20…駆動力伝達機構
22…ガス流入口 24…ガス流出口
42…ガス通路 44…凹部
46…シャフト軸 46a…先端部
47…嵌合部 63…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路が貫通形成されたボールバルブと、
前記ボールバルブを回転自在に収容する室が設けられ、且つ該室の上流側及び下流側にそれぞれ流体流入口及び流体流出口が設けられたボディ本体と、
アクチュエータの駆動作用下に回転することで、前記ボールバルブを前記室内で回動させて前記流体流入口と前記流体流出口とを連通及び遮断するシャフト軸と、
前記ボールバルブの前記流体流入口側に設けられ、前記ボールバルブに変位自在に摺接するバルブ押さえと、
前記ボールバルブの前記流体流出口側に設けられ、前記ボールバルブが着座するバルブシートと、
前記バルブ押さえを前記ボールバルブ側に押圧することで、前記ボールバルブを前記バルブシート側に押圧する弾性部材と、
を備える流路開閉弁であって、
前記ボールバルブの全閉位置から前記流体通路が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲(a)と、前記シャフト軸と前記ボールバルブとの嵌合部でのガタツキにより、前記シャフト軸が回動しても前記ボールバルブが回動しない角度である空転角度(α)との差が、予め設定された規定角度範囲(c)よりも大きい(a−α>c)ことを特徴とする流路開閉弁。
【請求項2】
流体通路が貫通形成されたボールバルブと、
前記ボールバルブを回転自在に収容する室が設けられ、且つ該室の上流側及び下流側にそれぞれ流体流入口及び流体流出口が設けられたボディ本体と、
アクチュエータの駆動作用下に回転することで、前記ボールバルブを前記室内で回動させて前記流体流入口と前記流体流出口とを連通及び遮断するシャフト軸と、
前記ボールバルブの前記流体流入口側に設けられ、前記ボールバルブに変位自在に摺接するバルブ押さえと、
前記ボールバルブの前記流体流出口側に設けられ、前記ボールバルブが着座するバルブシートと、
前記バルブ押さえを前記ボールバルブ側に押圧することで、前記ボールバルブを前記バルブシート側に押圧する弾性部材と、
を備える流路開閉弁におけるシャフト軸の回動制御方法であって、
前記シャフト軸と前記ボールバルブとの嵌合部でのガタツキにより、前記シャフト軸が回動しても前記ボールバルブが回動しない角度である空転角度(α)が、前記ボールバルブの全閉位置から前記流体通路が開き始めるまでの角度範囲である全閉作動範囲(a)を超えているか否かを判断する工程(S3)と、
前記空転角度(α)が、前記全閉作動範囲(a)を超えている場合に、前記シャフト軸の作動範囲(s)を補正する工程(S4)と、
を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項3】
請求項2記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記空転角度(α)が変化した場合には、その変化分だけ前記シャフト軸の作動範囲(s)を補正する作動範囲補正工程(S18、S28)を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項4】
請求項3記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記作動範囲補正工程(S28)は、前記ボールバルブの全作動開度を積算する工程(S24)と、
前記積算した作動開度から前記嵌合部での磨耗量(γ)を推定する工程(S25)と、
前記推定した摩耗量(γ)に基づき、前記空転角度(α)を補正する工程(S26)と、
前記補正した前記空転角度(α)に基づき、前記シャフト軸の作動範囲(s)を補正する工程(S28)と、
を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項5】
請求項3記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記空転角度補正工程(S18)は、前記シャフト軸の各開度での回動トルクを測定する工程(S13)と、
前記測定した回動トルクに基づき、前記空転角度(α)を推定する工程(S16)と、
前記推定した空転角度(α)に基づき、該空転角度(α)を補正する工程(S18)と、
前記補正した前記空転角度(α)に基づき、前記シャフト軸の作動範囲(s)を補正する工程(S18)と、
を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記ボールバルブの回動範囲内での前記シャフト軸の回動規定範囲(β内)を設定する工程(S5)と、
前記設定された前記回動規定範囲(β内)が、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも大きいか否かを判断する工程(S6)と、
前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも前記回動規定範囲(β内)が大きい場合に、該回動規定範囲(β内)を変更して再度設定する工程(S7)と、
を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項7】
請求項2〜5のいずれか1項に記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記ボールバルブの回動範囲内での前記シャフト軸の回動規定範囲(β内)を設定する工程(S31)と、
前記設定された回動規定範囲(β内)が、前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも大きいか否かを判断する工程(S32)と、
前記空転角度(α)と前記全閉作動範囲(a)との差(a−α)よりも前記回動規定範囲(β内)が大きい場合に、前記シャフト軸の作動範囲(s)を変更する工程(S33)と、
を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記ボールバルブが、全閉位置から前記流体流路が開き始めるまでの角度、又は全開位置から前記流体流路が閉じ始めるまでの角度のうち、大きい角度の範囲内で、前記ボールバルブを作動する工程を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれか1項に記載のシャフト軸の回動制御方法において、
前記ボールバルブが、全閉位置から前記流体流路が開き始めるまでの角度、又は全開位置から前記流体流路が閉じ始めるまでの角度のうち、小さい角度の範囲内で、前記ボールバルブを作動する工程を有することを特徴とするシャフト軸の回動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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