流量計変換器
【課題】確認・調査作業やメンテナンス作業時の作業性向上を図ることが可能な流量計変換器を提供する。
【解決手段】基板5には、複数のチェック端子14が設けられている。チェック端子14の近傍には、このチェック端子14を照らすためのLED15が設けられている。LED15は、作業員が作業をする際、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行えるようにすることを目的として設けられている。LED15を設けることによってチェック端子14が照らされ、これによってチェック端子14の位置が容易に分かるようになっている。
【解決手段】基板5には、複数のチェック端子14が設けられている。チェック端子14の近傍には、このチェック端子14を照らすためのLED15が設けられている。LED15は、作業員が作業をする際、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行えるようにすることを目的として設けられている。LED15を設けることによってチェック端子14が照らされ、これによってチェック端子14の位置が容易に分かるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられる流量計変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
流管に接続され、流速に応じて出力される物理量を検出して電気量に変換し、これを基に演算をして瞬時流量や積算流量を出力表示する流量計は、測定装置の一種として広く知られている。流量計は、被測定流体を計測する流量計要素(流量計本体)と、この流量計要素に組み付けられて上記演算等を行う流量計変換器(変換器)とを備えて構成されている(例えば下記特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平6−102070号公報
【特許文献2】特開平10−303722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流量計はこの設置後やメンテナンス時に、「動作の健全性確認」、「不適合発生時の不適合箇所の調査」を行う必要がある。このため、流量計変換器の内部には、メンテナンス用のチェック端子が複数設けられている。チェック端子は、テスターやオシロスコープ等のプローブを接続することができるような小さな端子である。チェック端子は通常、基板(回路基板)の端部に設けられており、基板上のチェック端子の隣にはチェック端子の機能を示す表示が記されている。
【0004】
流量計が設置される場所は、計測される流体の種類にもよるが、特に蒸気などの高温流体や危険流体の場合、通常、屋内の人が存在する環境には設置されず、天井裏や高所・地下に設置されることが多い。このため、比較的暗所での確認・調査作業やメンテナンス作業を行う必要がある。
【0005】
一方、屋外に設置されるケースも多いが、流量計を照らすための照明が専用に設置されることは少なく、日没後は暗所でのメンテナンス作業を行う必要がある。
【0006】
作業員は、懐中電灯等の照明手段を使用しながら確認・調査作業やメンテナンス作業を行う必要があり、従って、流量計の設置場所によっては作業性が悪くなってしまうという問題点を有している。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、確認・調査作業やメンテナンス作業時の作業性向上を図ることが可能な流量計変換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の流量計変換器は、一又は複数の基板をケース内部に備えた状態で、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられ、前記基板には複数のチェック端子が設けられる構成の流量計変換器において、前記チェック端子の近傍に該チェック端子を照らすための端子照明手段を設ける、又は前記チェック端子と一体化するように前記端子照明手段を設けることを特徴としている。
【0009】
このような特徴を有する本発明によれば、チェック端子が照らされることにより、例えば、比較的暗所でのメンテナンス作業や日没後の暗所でのメンテナンス作業を行う場合であっても直ぐにチェック端子の位置が分かり、結果、作業を良好に行うことが可能になる。
【0010】
請求項2記載の本発明の流量計変換器は、請求項1に記載の流量計変換器において、前記チェック端子の機能に応じて前記照明手段の発光する色を変えることを特徴としている。
【0011】
このような特徴を有する本発明によれば、端子照明手段を例えばLEDとして、赤色に発光するLEDを電子回路の基準電圧や流量信号の観測を行うチェック端子を照らすものとし、青色に発光するLEDを疑似信号を入力するためのチェック端子を照らすものとする。チェック端子を機能毎に識別し易くなることから、作業を良好に行うことが可能になる。
【0012】
請求項3記載の本発明の流量計変換器は、請求項1に記載の流量計変換器において、前記流量計の状態に応じて前記端子照明手段を発光させることを特徴としている。
【0013】
このような特徴を有する本発明によれば、例えば流量演算用のCPUに流量信号が正常に入力されてない状況を検知した場合は、流量信号を観測するためのチェック端子だけが端子照明手段によって照らされる。作業者にとってチェックすべきところが即分かることから、作業を良好に行うことが可能になる。
【0014】
請求項4記載の本発明の流量計変換器は、請求項1ないし請求項3いずれか記載の流量計変換器おいて、ケース蓋部を取り外した時に前記端子照明手段を発光させることを特徴としている。
【0015】
このような特徴を有する本発明によれば、電力消費を極力抑えてチェック端子を照らすことができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、端子照明手段によってチェック端子が照らされることから、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。従って、作業性が良好になり、結果、従来よりも作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の流量計変換器の第一実施形態を示す分解斜視図である。また、図2及び図3は図1の要部を模式的に示した図である。
【0018】
図1において、引用符号1は被測定流体を計測するための流量計要素(図示省略)に組み付けられる本発明の流量計変換器を示している。図示しない流量計要素及び流量計変換器1は、流量計(図示省略)を構成する部材として備えられている。図示しない流量計要素は、ここでは公知のものが用いられている(流量計要素の形態は特に限定されないものとする)。流量計は、瞬時流量や積算流量を演算にて求めてこれを出力表示することができるように構成されている。
【0019】
上記流量計変換器1は、変換器ケース2を備えている。変換器ケース2は、ケース本体3と、このケース本体3の前面開口部を覆うケース蓋部4とを有している。変換器ケース2は、公知のものが用いられている。変換器ケース2の内部には、所望の電子部品を実装してなる複数の基板5が収容されている。具体的には(一例であるものとする)、上記前面開口側から順に、第一の基板6と、第二の基板7と、第三の基板8と、第四の基板9とが収容されている。各基板5(6〜9)は、それぞれ円板状に形成されるとともに、所定の間隔をあけて重なるように配置されている。尚、各基板5(6〜9)の基本的な機能は、従来と変わらないものとする。
【0020】
第一の基板6及び第二の基板7は、第一の基板6の裏面及び第二の基板7の表面が対向するように配置されている。第一の基板6及び第二の基板7は、四本の支柱10によって所定の間隔が維持されるようになっている。
【0021】
第二の基板7及び第三の基板8は、第二の基板7の裏面及び第三の基板8の表面が対向するように配置されている。第二の基板7及び第三の基板8は、四本の支柱11によって所定の間隔が維持されるようになっている。
【0022】
第三の基板8及び第四の基板9は、第三の基板8の裏面及び第四の基板9の表面が対向するように配置されている。第三の基板8及び第四の基板9は、四本の支柱12によって所定の間隔が維持されるようになっている。各基板5(6〜9)は、各支柱10〜12を貫通するような四本の固定ネジ13によって固定されるようになっている。
【0023】
第二の基板7及び第三の基板8には、それぞれ複数のチェック端子14が設けられている。チェック端子14は、流量計の設置後やメンテナンス時において、「動作の健全性確認」、「不適合発生時の不適合箇所の調査」を行うために設けられている。チェック端子14は、本形態において、ピン状となる形状に形成されているが、この限りでないものとする。例えば、デジタルマルチメータ(テスター)やオシロスコープ等のプローブを接続させることができる形状であれば特に限定されないものとする。
【0024】
第二の基板7及び第三の基板8の表面において、チェック端子14の近傍には、特に図示しないがチェック端子の機能を示す表示が記されている。
【0025】
図1ないし図3において、チェック端子14の近傍には、このチェック端子14を照らすためのLED15(端子照明手段)が設けられている。LED15は、作業員が作業をする際、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行えるようにすることを目的として設けられている。LED15を設けることによってチェック端子14が照らされ、これによってチェック端子14の位置が容易に分かるようになっている。LED15は、本形態において、チェック端子14と一対一で対応するように設けられている。
【0026】
第二の基板7に設けられるチェック端子14は、第一の基板6の裏面に設けられるLED15によって端子先端側から照らされるようになっている。一方、第三の基板8に設けられるチェック端子14は、第三の基板8の表面、すなわちチェック端子14の直ぐ近くに設けられるLED15によって端子横方向から照らされるようになっている。LED15は、常時発光させておいても良いし、ケース蓋部4をケース本体3から取り外した時点で発光させるようにしても良いものとする(ケース蓋部4を取り外すとスイッチが入る回路構成にしておく)。
【0027】
上記構成及び構造において、チェック端子14はLED15によって照らされることから、例えば懐中電灯を使用しなくとも、確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。懐中電灯を持つ必要がなく、そして、チェック端子14の位置が容易に分かるのであれば、作業性が向上するのは勿論である。
【0028】
尚、上記懐中電灯以外として、仮にヘルメットにランプを固定して作業をするような場合を考えると、この場合には、あまり頭を動かすことができずに不自由さを感じてしまうが、本発明ではこのようなことがないのは当然である。
【0029】
次に、図4ないし図7を参照しながら上記流量計変換器1に適用することができる他の実施形態について説明する。図4は第二実施形態を示す模式的な図、図5は第三実施形態を示す模式的な図、図6は第四実施形態を示す模式的な図、図7は第五実施形態を示す模式的な図である。
【0030】
図4において、基板5には、チェック端子14が設けられている。また、チェック端子14の隣には、LED15が設けられている。図中右側のLED15は、例えば赤色に発光するものであって、電子回路の基準電圧や流量信号の観測を行うチェック端子14を照らすものとなっている(一例であるものとする)。一方、図中左側のLED15は、例えば青色に発光するものであって、疑似信号を入力するためのチェック端子14を照らすものとなっている(一例であるものとする)。第二実施形態においては、チェック端子14を機能毎に識別することがし易くなることから、作業を良好に行うことができるという効果を奏する。
【0031】
図5において、チェック端子14は、LED15が一体化したものとなっている。破線円で囲まれるチェック端子14の端部14aと、LED15の二本のリード15aは、基板(図示省略)に差し込まれて、所定の回路に各々半田付けされるようになっている。第三実施形態においては、チェック端子14の位置が分かり易いのは勿論のこと、LED15の実装スペースにも配慮することができるという効果を奏する。
【0032】
図6において、チェック端子14は、透明な導光部材16が一体化したものとなっている。そして、この導光部材16の近傍には、導光部材16に対して発光するような配置のLED15が設けられている。第四実施形態においては、チェック端子14そのものを光っているように見せることができるという効果を奏する。つまり、上記のような配置構成でもチェック端子14の位置を分かり易くすることができるという効果を奏する。
【0033】
図7において、基板5には、チェック端子14が設けられている。また、チェック端子14の隣には、LED15が設けられている。LED15は、異常の状態に応じて発光するように設定されている。例えば、図中右側のLED15のみが発光しているとすると、これによって照らされる右側のチェック端子14がチェックすべきところであることを指示している。第五実施形態においては、例えば流量演算用のCPUに流量信号が正常に入力されてない状況を検知した場合など、流量信号を観測するためのチェック端子14だけがLED15によって照らされる。従って、作業者にとってチェックすべきところが即分かるようになることから、作業を良好に行うことができるという効果を奏する。
【0034】
以上、図1ないし図7を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、LED15のような端子照明手段(LEDの他には小さなランプ等が挙げられる。また、支柱10、11等を発光させることも挙げられる)によってチェック端子14が照らされることから、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。従って、作業性が良好になり、結果、従来よりも作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0035】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の流量計変換器の第一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の第一の要部を模式的に示した図である。
【図3】図1の第二の要部を模式的に示した図である。
【図4】第二実施形態を示す模式的な図である。
【図5】第三実施形態を示す模式的な図である。
【図6】第四実施形態を示す模式的な図である。
【図7】第五実施形態を示す模式的な図である。
【符号の説明】
【0037】
1 流量計変換器
2 変換器ケース
3 ケース本体
4 ケース蓋部
5 基板
6 第一の基板(基板)
7 第二の基板(基板)
8 第三の基板(基板)
9 第四の基板(基板)
10〜12 支柱
13 固定ネジ
14 チェック端子
14a 端部
15 LED(端子照明手段)
15a リード
16 導光部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられる流量計変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
流管に接続され、流速に応じて出力される物理量を検出して電気量に変換し、これを基に演算をして瞬時流量や積算流量を出力表示する流量計は、測定装置の一種として広く知られている。流量計は、被測定流体を計測する流量計要素(流量計本体)と、この流量計要素に組み付けられて上記演算等を行う流量計変換器(変換器)とを備えて構成されている(例えば下記特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平6−102070号公報
【特許文献2】特開平10−303722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流量計はこの設置後やメンテナンス時に、「動作の健全性確認」、「不適合発生時の不適合箇所の調査」を行う必要がある。このため、流量計変換器の内部には、メンテナンス用のチェック端子が複数設けられている。チェック端子は、テスターやオシロスコープ等のプローブを接続することができるような小さな端子である。チェック端子は通常、基板(回路基板)の端部に設けられており、基板上のチェック端子の隣にはチェック端子の機能を示す表示が記されている。
【0004】
流量計が設置される場所は、計測される流体の種類にもよるが、特に蒸気などの高温流体や危険流体の場合、通常、屋内の人が存在する環境には設置されず、天井裏や高所・地下に設置されることが多い。このため、比較的暗所での確認・調査作業やメンテナンス作業を行う必要がある。
【0005】
一方、屋外に設置されるケースも多いが、流量計を照らすための照明が専用に設置されることは少なく、日没後は暗所でのメンテナンス作業を行う必要がある。
【0006】
作業員は、懐中電灯等の照明手段を使用しながら確認・調査作業やメンテナンス作業を行う必要があり、従って、流量計の設置場所によっては作業性が悪くなってしまうという問題点を有している。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、確認・調査作業やメンテナンス作業時の作業性向上を図ることが可能な流量計変換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の流量計変換器は、一又は複数の基板をケース内部に備えた状態で、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられ、前記基板には複数のチェック端子が設けられる構成の流量計変換器において、前記チェック端子の近傍に該チェック端子を照らすための端子照明手段を設ける、又は前記チェック端子と一体化するように前記端子照明手段を設けることを特徴としている。
【0009】
このような特徴を有する本発明によれば、チェック端子が照らされることにより、例えば、比較的暗所でのメンテナンス作業や日没後の暗所でのメンテナンス作業を行う場合であっても直ぐにチェック端子の位置が分かり、結果、作業を良好に行うことが可能になる。
【0010】
請求項2記載の本発明の流量計変換器は、請求項1に記載の流量計変換器において、前記チェック端子の機能に応じて前記照明手段の発光する色を変えることを特徴としている。
【0011】
このような特徴を有する本発明によれば、端子照明手段を例えばLEDとして、赤色に発光するLEDを電子回路の基準電圧や流量信号の観測を行うチェック端子を照らすものとし、青色に発光するLEDを疑似信号を入力するためのチェック端子を照らすものとする。チェック端子を機能毎に識別し易くなることから、作業を良好に行うことが可能になる。
【0012】
請求項3記載の本発明の流量計変換器は、請求項1に記載の流量計変換器において、前記流量計の状態に応じて前記端子照明手段を発光させることを特徴としている。
【0013】
このような特徴を有する本発明によれば、例えば流量演算用のCPUに流量信号が正常に入力されてない状況を検知した場合は、流量信号を観測するためのチェック端子だけが端子照明手段によって照らされる。作業者にとってチェックすべきところが即分かることから、作業を良好に行うことが可能になる。
【0014】
請求項4記載の本発明の流量計変換器は、請求項1ないし請求項3いずれか記載の流量計変換器おいて、ケース蓋部を取り外した時に前記端子照明手段を発光させることを特徴としている。
【0015】
このような特徴を有する本発明によれば、電力消費を極力抑えてチェック端子を照らすことができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、端子照明手段によってチェック端子が照らされることから、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。従って、作業性が良好になり、結果、従来よりも作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の流量計変換器の第一実施形態を示す分解斜視図である。また、図2及び図3は図1の要部を模式的に示した図である。
【0018】
図1において、引用符号1は被測定流体を計測するための流量計要素(図示省略)に組み付けられる本発明の流量計変換器を示している。図示しない流量計要素及び流量計変換器1は、流量計(図示省略)を構成する部材として備えられている。図示しない流量計要素は、ここでは公知のものが用いられている(流量計要素の形態は特に限定されないものとする)。流量計は、瞬時流量や積算流量を演算にて求めてこれを出力表示することができるように構成されている。
【0019】
上記流量計変換器1は、変換器ケース2を備えている。変換器ケース2は、ケース本体3と、このケース本体3の前面開口部を覆うケース蓋部4とを有している。変換器ケース2は、公知のものが用いられている。変換器ケース2の内部には、所望の電子部品を実装してなる複数の基板5が収容されている。具体的には(一例であるものとする)、上記前面開口側から順に、第一の基板6と、第二の基板7と、第三の基板8と、第四の基板9とが収容されている。各基板5(6〜9)は、それぞれ円板状に形成されるとともに、所定の間隔をあけて重なるように配置されている。尚、各基板5(6〜9)の基本的な機能は、従来と変わらないものとする。
【0020】
第一の基板6及び第二の基板7は、第一の基板6の裏面及び第二の基板7の表面が対向するように配置されている。第一の基板6及び第二の基板7は、四本の支柱10によって所定の間隔が維持されるようになっている。
【0021】
第二の基板7及び第三の基板8は、第二の基板7の裏面及び第三の基板8の表面が対向するように配置されている。第二の基板7及び第三の基板8は、四本の支柱11によって所定の間隔が維持されるようになっている。
【0022】
第三の基板8及び第四の基板9は、第三の基板8の裏面及び第四の基板9の表面が対向するように配置されている。第三の基板8及び第四の基板9は、四本の支柱12によって所定の間隔が維持されるようになっている。各基板5(6〜9)は、各支柱10〜12を貫通するような四本の固定ネジ13によって固定されるようになっている。
【0023】
第二の基板7及び第三の基板8には、それぞれ複数のチェック端子14が設けられている。チェック端子14は、流量計の設置後やメンテナンス時において、「動作の健全性確認」、「不適合発生時の不適合箇所の調査」を行うために設けられている。チェック端子14は、本形態において、ピン状となる形状に形成されているが、この限りでないものとする。例えば、デジタルマルチメータ(テスター)やオシロスコープ等のプローブを接続させることができる形状であれば特に限定されないものとする。
【0024】
第二の基板7及び第三の基板8の表面において、チェック端子14の近傍には、特に図示しないがチェック端子の機能を示す表示が記されている。
【0025】
図1ないし図3において、チェック端子14の近傍には、このチェック端子14を照らすためのLED15(端子照明手段)が設けられている。LED15は、作業員が作業をする際、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行えるようにすることを目的として設けられている。LED15を設けることによってチェック端子14が照らされ、これによってチェック端子14の位置が容易に分かるようになっている。LED15は、本形態において、チェック端子14と一対一で対応するように設けられている。
【0026】
第二の基板7に設けられるチェック端子14は、第一の基板6の裏面に設けられるLED15によって端子先端側から照らされるようになっている。一方、第三の基板8に設けられるチェック端子14は、第三の基板8の表面、すなわちチェック端子14の直ぐ近くに設けられるLED15によって端子横方向から照らされるようになっている。LED15は、常時発光させておいても良いし、ケース蓋部4をケース本体3から取り外した時点で発光させるようにしても良いものとする(ケース蓋部4を取り外すとスイッチが入る回路構成にしておく)。
【0027】
上記構成及び構造において、チェック端子14はLED15によって照らされることから、例えば懐中電灯を使用しなくとも、確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。懐中電灯を持つ必要がなく、そして、チェック端子14の位置が容易に分かるのであれば、作業性が向上するのは勿論である。
【0028】
尚、上記懐中電灯以外として、仮にヘルメットにランプを固定して作業をするような場合を考えると、この場合には、あまり頭を動かすことができずに不自由さを感じてしまうが、本発明ではこのようなことがないのは当然である。
【0029】
次に、図4ないし図7を参照しながら上記流量計変換器1に適用することができる他の実施形態について説明する。図4は第二実施形態を示す模式的な図、図5は第三実施形態を示す模式的な図、図6は第四実施形態を示す模式的な図、図7は第五実施形態を示す模式的な図である。
【0030】
図4において、基板5には、チェック端子14が設けられている。また、チェック端子14の隣には、LED15が設けられている。図中右側のLED15は、例えば赤色に発光するものであって、電子回路の基準電圧や流量信号の観測を行うチェック端子14を照らすものとなっている(一例であるものとする)。一方、図中左側のLED15は、例えば青色に発光するものであって、疑似信号を入力するためのチェック端子14を照らすものとなっている(一例であるものとする)。第二実施形態においては、チェック端子14を機能毎に識別することがし易くなることから、作業を良好に行うことができるという効果を奏する。
【0031】
図5において、チェック端子14は、LED15が一体化したものとなっている。破線円で囲まれるチェック端子14の端部14aと、LED15の二本のリード15aは、基板(図示省略)に差し込まれて、所定の回路に各々半田付けされるようになっている。第三実施形態においては、チェック端子14の位置が分かり易いのは勿論のこと、LED15の実装スペースにも配慮することができるという効果を奏する。
【0032】
図6において、チェック端子14は、透明な導光部材16が一体化したものとなっている。そして、この導光部材16の近傍には、導光部材16に対して発光するような配置のLED15が設けられている。第四実施形態においては、チェック端子14そのものを光っているように見せることができるという効果を奏する。つまり、上記のような配置構成でもチェック端子14の位置を分かり易くすることができるという効果を奏する。
【0033】
図7において、基板5には、チェック端子14が設けられている。また、チェック端子14の隣には、LED15が設けられている。LED15は、異常の状態に応じて発光するように設定されている。例えば、図中右側のLED15のみが発光しているとすると、これによって照らされる右側のチェック端子14がチェックすべきところであることを指示している。第五実施形態においては、例えば流量演算用のCPUに流量信号が正常に入力されてない状況を検知した場合など、流量信号を観測するためのチェック端子14だけがLED15によって照らされる。従って、作業者にとってチェックすべきところが即分かるようになることから、作業を良好に行うことができるという効果を奏する。
【0034】
以上、図1ないし図7を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、LED15のような端子照明手段(LEDの他には小さなランプ等が挙げられる。また、支柱10、11等を発光させることも挙げられる)によってチェック端子14が照らされることから、作業環境に左右されずに確認・調査作業やメンテナンス作業を行うことができる。従って、作業性が良好になり、結果、従来よりも作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0035】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の流量計変換器の第一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の第一の要部を模式的に示した図である。
【図3】図1の第二の要部を模式的に示した図である。
【図4】第二実施形態を示す模式的な図である。
【図5】第三実施形態を示す模式的な図である。
【図6】第四実施形態を示す模式的な図である。
【図7】第五実施形態を示す模式的な図である。
【符号の説明】
【0037】
1 流量計変換器
2 変換器ケース
3 ケース本体
4 ケース蓋部
5 基板
6 第一の基板(基板)
7 第二の基板(基板)
8 第三の基板(基板)
9 第四の基板(基板)
10〜12 支柱
13 固定ネジ
14 チェック端子
14a 端部
15 LED(端子照明手段)
15a リード
16 導光部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の基板をケース内部に備えた状態で、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられ、前記基板には複数のチェック端子が設けられる構成の流量計変換器において、
前記チェック端子の近傍に該チェック端子を照らすための端子照明手段を設ける、又は前記チェック端子と一体化するように前記端子照明手段を設ける
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項2】
請求項1に記載の流量計変換器において、
前記チェック端子の機能に応じて前記照明手段の発光する色を変える
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項3】
請求項1に記載の流量計変換器において、
前記流量計の状態に応じて前記端子照明手段を発光させる
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれか記載の流量計変換器おいて、
ケース蓋部を取り外した時に前記端子照明手段を発光させる
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項1】
一又は複数の基板をケース内部に備えた状態で、被測定流体を計測するための流量計要素に組み付けられ、前記基板には複数のチェック端子が設けられる構成の流量計変換器において、
前記チェック端子の近傍に該チェック端子を照らすための端子照明手段を設ける、又は前記チェック端子と一体化するように前記端子照明手段を設ける
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項2】
請求項1に記載の流量計変換器において、
前記チェック端子の機能に応じて前記照明手段の発光する色を変える
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項3】
請求項1に記載の流量計変換器において、
前記流量計の状態に応じて前記端子照明手段を発光させる
ことを特徴とする流量計変換器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれか記載の流量計変換器おいて、
ケース蓋部を取り外した時に前記端子照明手段を発光させる
ことを特徴とする流量計変換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2010−71925(P2010−71925A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242380(P2008−242380)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000103574)株式会社オーバル (82)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000103574)株式会社オーバル (82)
【Fターム(参考)】
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