説明

浄水器

【課題】フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する浄水器を提供する。
【解決手段】フィルタ洗浄判断部171は、フィルタ101の洗浄時期を検知する。水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類を判別する。光源140は、水種判別部172による水の種類の判別と、フィルタ洗浄判断部171による判断とに基づいて発光する。光源140は、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて発光する場合と、水種判別部172による水の種類の判別に基づいて発光する場合とで、それぞれ異なる色で発光する。導光板145は、管状部材112の外側に配置され、光源140が発する光を導光板145の少なくとも一部からノズル110の外部に放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2007/126047号パンフレット(以下では特許文献1という)、または、特開2004−148162号公報(以下では特許文献2という)に記載されているように、浄水器の所定の状態を表示する表示部等を備えた浄水器が従来から知られている。
【0003】
特許文献1に係る浄水器は、使用者が選択した水の種類および浄水器から供給される水の種類を使用者が視認することができるように、切換操作手段の機械的な構造を用いて浄水器から供給される水の種類を表示する。
【0004】
特許文献2に係る浄水器は、浄水器に備えられたフィルタの交換時期を使用者が視認することができるように構成されている。特許文献2に係る浄水器は、フィルタの交換時期として使用者に選択される所望の月日を、機械的な構造を用いて表示する。
【0005】
また、例えば、特開2008−272693号公報(以下では特許文献3という)に係る浄水器は、汚染物質が給水口から浄水器の内部に逆流したときに、その旨を液晶画面またはLEDランプを利用することによって警告する手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007/126047号パンフレット
【特許文献2】特開2004−148162号公報
【特許文献3】特開2008−272693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に係る浄水器のように、所定の状態を液晶画面で表示したりLEDランプの点灯によって表示したりすることは、使用者が水の種類を識別しやすいとはいえない。例えば、液晶画面で所定の状態を表示することは、使用者は、簡単な表示であっても、液晶画面を見てそれを解読することが必要である。また、LEDランプが点灯していることのみでは、その表示が比較的小さいことにより、使用者はその表示を視認しにくい。
【0008】
また、浄水器の複数の所定の状態のうち、フィルタの洗浄時期と、浄水器から供給される水の種類とは、浄水器が日常的に使用される範囲において、使用者による識別が必要な状態であることが想定される。
【0009】
したがって、浄水器の複数の所定の状態のうち、これらフィルタの洗浄時期と、浄水器から供給される水の種類とが、使用者が比較的識別しやすく且つそれぞれ同様の形態によって表示される場合には、浄水器の利便性がさらに向上する。つまり、フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態によって表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する浄水器が望まれている。
【0010】
そこで、この発明の目的は、フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する浄水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に従った浄水器は、流路と、フィルタと、ノズルとを備えている。流路には、水が流通する。フィルタは、流路に配置され、流路を流通する水を浄化する。ノズルは、流路を流通する水を吐出する。さらに、この発明に従った浄水器は、フィルタ洗浄判断部と、水種判別部と、光源とを備えている。フィルタ洗浄判断部は、フィルタの洗浄時期を判断する。水種判別部は、当該浄水器から外部に供給される水の種類を判別する。光源は、複数の色の光を発する。また、光源は、水種判別部による水の種類の判別と、フィルタ洗浄判断部による判断とに基づいて発光する。光源は、フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて発光する場合と、水種判別部による水の種類の判別に基づいて発光する場合とで、それぞれ異なる色で発光する。一方、ノズルは、管状部材と導光部とを有している。管状部材は流路を形成する。導光部は光源が発する光を伝える。また、導光部は、管状部材の外側に配置され、光源が発する光を導光部の少なくとも一部からノズルの外部に放出する。
【0012】
この発明によれば、フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて光源が発光するときの色と、水種判別部による水の種類の判別に基づいて光源が発光するときの色とがそれぞれ異なっている。これにより、フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて導光部が灯光するときの色と、水種判別部による水の種類の判別に基づいて導光部が灯光するときの色とがそれぞれ異なっている。
【0013】
また、導光部は、管状部材の外側に配置され、光源が発する光を導光部の少なくとも一部からノズルの外部に放出する。このように、導光部は、導光部が伝えている光を当該浄水器の使用者が視認することができるように、ノズルに配置されている。そのため、使用者は、フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて光源が発光するときと、水種判別部によって判別される水の種類が浄水である場合に光源が発光するときとにおいて、それぞれ異なる色で光っている導光部を視認することができる。
【0014】
このように、この発明に従った浄水器において、導光部は、フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて光るときと、水種判別部による水の種類の判別に基づいて光るときとにおいて、ノズルにて同様の形態で光っている。すなわち、この発明に従った浄水器は、フィルタの洗浄時期と、当該浄水器から外部に供給される水の種類とを、ノズルに配置された導光部の光によって表示することができる。また、導光部が伝えている光によってノズルが光るため、使用者は、フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、比較的容易に識別することができる。したがって、この発明に従った浄水器は、フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する。
【0015】
また、この発明に従った浄水器では、水種判別部は、当該浄水器から外部に供給される水の種類として、浄水、オゾンを含む水、機能物質が混入された機能水、熱水、または、冷水のうちの少なくとも一つを判別することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、当該浄水器から外部に供給される水の種類として、浄水、オゾンを含む水、機能水、熱水、または冷水と、さらにフィルタの洗浄時期とが、それぞれ同様の形態で表示され、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示される。そのため、この構成によれば、当該浄水器の利便性がより向上する。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、フィルタの洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明に係る浄水器の一例の全体を示す模式図である。
【図2】この発明に係る浄水器の制御ブロック図である。
【図3】この発明に係る浄水器のノズルの断面図である。
【図4】この発明に係る浄水器のマイコンが光源を制御するときの制御フローである。
【図5】この発明に係る浄水器のマイコンが光源を制御するときの制御フローである。
【図6】この発明に係る浄水器のマイコンが光源を制御するときの制御フローである。
【図7】この発明に係る浄水器の他の一例の全体を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に示す浄水器100は、いわゆる卓上型のものである。浄水器100は、ノズル110とケース120とを備えている。ノズル110は、接続部111を介してケース120に取り付けられている。また、図2に示すように、浄水器100は、流路130と、フィルタ101と、流量センサ105と、光源140とを備えている。流路130には、水が流通する。フィルタ101は、流路130に配置され、流路130を流通する水を浄化する。ノズル110は、流路130を流通する水を吐出する。少なくとも、流路130の一部と、フィルタ101と、流量センサ105とは、ケース120(図1参照)に収容されている。
【0021】
浄水器100に供給される原水は、例えば水道水である。浄水器100には、水道の蛇口から吐出する水が供給される。ただし、浄水器100に供給される原水は、浄化対象の水として、井戸水、または河川水等の他の水であってもよい。
【0022】
なお、浄水器100では、流路130は流路131と流路132と流路133と流路134とを有している。流路131は、流路130のうちの浄水器100に供給された原水がフィルタ101を通過する前の部分である。流路132は、流路130のうちの浄水器100に供給された原水がフィルタ101を通過する後の部分であり、フィルタ101を通過することによって濾過された浄水が流通する。また、浄水器100は、濁度センサ102を備えている。濁度センサ102は、流路132においてフィルタ101が配置された位置よりも、原水の流れ方向に関して下流側に配置されている。流路133は、流路130のうちの濁度センサ102を通過した後の部分である。流路134は、ノズル110の内部の空洞の部分である。
【0023】
流路130は、図示しない他の流路を備えていてもよい。すなわち、浄水器100では、流路131と流路132と流路133と流路134と他の流路によって、流路130が構成されていてもよい。他の流路とは、例えば、フィルタ101を洗浄する際に水が流通する流路である。また、流路130に流入した原水がノズル110を介して浄水器100の外部に供給されるときには、流路132を通過せずに他の流路を流通していてもよい。
【0024】
また、浄水器100は、導光板145とマイコン150とを備えている。導光板145は、光源140の光を伝える。導光板145は、ノズル110に配置されている。このとき、導光板145は、導光板145が伝えている光を使用者が視認することができるように、ノズル110に配置されている。導光板145が伝える光の一部は、導光板145から後述する管状部材113の外部に放出される。これにより、導光板145が伝える光の一部が、ノズル100の外部に取り出される。
【0025】
図3に示すように、ノズル110は、管状の形状を有している。ノズル110のうち、流路134を形成する管状部材112は、金属性または樹脂性材料によって形成されている。管状部材112の外側には、導光板145が配置されている。導光板145の外側には、管状部材113が配置されている。管状部材113は、樹脂性材料によって形成されている。さらに、管状部材113は、ノズル110の外郭を形成している。また、管状部材113の一部は、透明状に形成されている。この透明状に形成された管状部材113の一部から、導光板145が伝える光の一部が外部に放出される。そのため、浄水器100の使用者は、ノズル110において導光板145が伝えている光を視認することができる。なお、導光板145がノズル110の外郭を形成し、その一部が透明状に形成されたものであってもよい。つまり、ノズル110の外側の表面の一部が透明であり、その透明部分から外部に光が放出されるようにノズル110が構成されていればよい。したがって、導光板145が、充分に強固な剛性を有し、また外観上も満足できるものである場合には、管状部材113がノズル110に配置されていなくてもよい。
【0026】
導光板145の形態は、特に限定されない。導光板145は、導光板145のうちのノズル110が延びる方向に延びる面において光源140の光が均一に発光するものであればよい。アクリル面に反射ドットを形成させる方式は、アクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式、アクリル面に凹凸をつけた成型方式、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた粘着ドット方式、もしくは溝加工による方式のいずれであってもよい。また、導光板145は、導光板145の表面と裏面とに、それぞれ拡散用の板材と反射用の板材とが添付されたものであってもよい。例えば、光源140を含む光源からの光は、アクリルの全反射を用いてアクリル面の全面に導かれる。アクリル面の反射ドットに当たった光は、全反射角よりも小さい角度で反射されることによってその進路を変える。進路が変更された光はアクリル面の表面から放出される。このような原理により、導光板145の全面が均一に光る。
【0027】
なお、浄水器100では、導光部として導光板145が利用されている。ただし、導光部は、導光板145に限定されない。導光部の形状は特に限定されず、板状のものに限定されない。導光部は、光源140の光を外方に向かって拡散させるクリアレンズであってもよい。クリアレンズは管状部材112の外側に配置される透明部材の一例である。
【0028】
光源140は、後述するように、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて発光するときと、浄水器100から外部に浄水が供給される場合に発光するときとにおいて、それぞれ異なる色で発光する。浄水器100は、光源140として複数の発光ダイオード(LED)を利用している。光源140は、例えば、赤色、青色、緑色、および黄色にて発光するように構成されていればよい。また、光源140は、赤色にて発光する赤色LEDと、青色にて発光する青色LEDと、緑色にて発光する緑色LEDと、黄色にて発光する黄色LEDとを有していてもよい。光源140が発するこれら赤色、青色、緑色、および黄色の光の色は、単なる例示であって、後述するように、他の複数の5色であってもよい。
【0029】
図2に示すように、光源140は、接続部111に配置されている。ただし、光源140は、ケース120(図1参照)の内部に配置されていてもよい。これによって、導光板145の一部は、ケース120の内部に配置されていてもよい。また、光源140は、ノズル110に配置されていてもよい。このとき、ノズル110が延びる方向に並んで複数の光源140がノズル110に配置されていてもよい。
【0030】
なお、光源140の形態は、特に限定されない。光源140は、発光ダイオードの他に、冷陰極管、または、いわゆるスリム管であってもよい。
【0031】
また、図2に示すように、浄水器100は、オゾン発生器104を備えている。オゾン発生器104は、流路130を流通する水にオゾンを混入させる。オゾンが含まれた水(以下ではオゾン水という)が浄水器100の外部に供給される場合は、使用者は、野菜等の洗浄にオゾン水を利用することができる。そのため、オゾン水とは、以下でいう洗浄水を指している。オゾン発生器104は、接続路103を介して流路133に接続されている。
【0032】
また、図2に示すように、浄水器100は、混合器108を備えている。混合器108は、流路130を流通する水に機能物質を混入させる。混合器108は、接続路107を介して流路133に接続されている。
【0033】
機能物質とは、浄水器100が外部に供給する水に積極的に混入されることにより、その物質が混入された水を使用者が使用する際には有用な物質である。機能物質の態様は、特に限定されず、気体、液体、または固体である。例えば、洗剤を混合する混合器としての洗剤混合器を浄水器が備えていてもよい。この浄水器は、洗剤混合器にて洗剤が混合された水を供給する。また、混合器108は、アルカリイオンまたは銀イオンを水に混入させるものであってもよい。
【0034】
ただし、浄水器100は、混合器108の代わりに加熱装置(図示せず)または冷却装置(図示せず)を備えていてもよい。加熱装置または冷却装置によって流路133を流通する水に熱量が加えられることにより、浄水器100はそれぞれ熱水または冷水を供給することができる。
【0035】
マイコン150は、例えば、実行部151と判断部152と検知部153とタイマ154とを有している。検知部153は、洗浄水スイッチ161、浄水スイッチ162、または機能水スイッチ163が操作されたことを検知する。また、検知部153は、流量センサ105が出力する信号を受け取っている。さらに、検知部153は、濁度センサ102が出力する信号を受け取っている。判断部152は、浄水器100の制御に係る条件を判定している。タイマ154は時間を計測する。
【0036】
図2に示すように、マイコン150は、濁度センサ102と流量センサ105とに接続されている。また、オゾン発生器104と混合器108と光源140とは、マイコン150の実行部151に接続されている。また、浄水器100は、洗浄水スイッチ161と浄水スイッチ162と機能水スイッチ163とを備えている。実行部151は、洗浄水スイッチ161の操作に基づいてオゾン発生器104と光源140とを制御する。実行部151は、機能水スイッチ163の操作に基づいて混合器108と光源140とを制御する。また、実行部151は、浄水スイッチ162の操作に基づいて光源140を制御する。
【0037】
洗浄水スイッチ161と浄水スイッチ162と機能水スイッチ163とは、マイコン150に接続されている。後述するように、洗浄水スイッチ161がONに操作されることに基づいて、オゾンが混入され、その結果浄水器100から外部にオゾン水(洗浄水)が供給される。浄水スイッチ162がONに操作されることに基づいて、流路131に流入した原水から浄水が生成され、その結果浄水器100から外部に浄水が供給される。また、機能水スイッチ163がONに操作されることに基づいて、流路133を流通する水に機能物質が混入され、その結果浄水器100から外部に機能水が供給される。また、浄水器100は、メインスイッチ155を備えている。メインスイッチ155が操作されることにより、図示しないスイッチが例えばON側に切り換えられてマイコン150が稼働する。ただし、マイコン150は、図示しない記憶回路等を浄水器100が備えていることにより、メインスイッチ155が操作されていないときでも稼働することができる。また、浄水器100は、メインスイッチ155を備えていなくてもよい。浄水器100は、図示しない電源プラグがコンセントに挿入されることにより、マイコン150が稼動されるように構成されていてもよい。
【0038】
浄水器100では、例えば、流量センサ105と濁度センサ102と検知部153と判断部152とによってフィルタ洗浄判断部171が構成されている。つまり、フィルタ洗浄判断部171は、少なくとも流量センサ105と濁度センサ102と検知部153と判断部152とを有している。流量センサ105は、フィルタ101を通過する水の瞬時流量を計測している。また、流量センサ105は、計測した水の瞬時流量に基づく信号をマイコン150に送信する。フィルタ洗浄判断部171は、フィルタ101の洗浄時期(つまりフィルタ101の洗浄が必要であるか否か)を判断する。なお、フィルタ101の洗浄が必要か否かは、タイマ154が計測する時間に基づいて判断されるものであってもよい。
【0039】
水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類として、原水と、浄水器100によって浄化された浄水と、オゾン発生器104が発生させたオゾンを含む水と、機能物質が混入された機能水とを判別する。水種判別部172は、例えば、洗浄水スイッチ161と浄水スイッチ162と機能水スイッチ163と検知部153と判断部152とによって構成されている。つまり、水種判別部172は、少なくとも洗浄水スイッチ161と浄水スイッチ162と機能水スイッチ163と検知部153と判断部152とを有している。さらに、水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類として、熱水と冷水とを判別してもかまわない。
【0040】
発光制御部173は、水種判別部172による水の種類の判別と、フィルタ洗浄判断部171の判断とに基づいて光源140を発光させる。発光制御部173は、少なくとも検知部153と判断部152と実行部151とを有している。発光制御部173は、光源140を制御している。つまり、光源140は、発光制御部173の制御に基づいて発光する。このように、光源140は、水種判別部172による水の種類の判別と、フィルタ洗浄判断部171による判断とに基づいて発光する。
【0041】
以上の構成に基づき、浄水器100の導光板145を発光させるときにマイコン150が実行する制御について、図4〜図6を用いて説明する。
【0042】
図4に示すように、ステップS400では、メインスイッチ155(図2参照)が操作されることに基づいて、図示しないスイッチがON側に切り換えられることにより、マイコン150が立ち上げられる。ステップS401では、検知部153が浄水スイッチ162のONの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS401において、検知部153が浄水スイッチ162のONの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS402に進む。ステップS401において、検知部153が浄水スイッチ162のONの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS501(図5参照)に進む。
【0043】
ステップS402では、青色LEDを発光させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS403では、青色LEDが発光する。その結果、ノズル110に配置された導光板145が青色にて着色される。これにより、浄水器100が浄水を供給する準備が整っていることが、浄水器100の使用者に表示される。また、例えば、流路131に原水が供給されており、浄水器100が浄水を外部に供給しているときには、点灯している青色LEDの光によってノズル100に青色の光が灯される。
【0044】
ステップS403に続いてステップS404では、流量センサ105が送信する信号に基づき、流路131に原水が供給されているか否かが判断される。ステップS404において、流路131に原水が供給されていることが判断される場合には、ステップS405に進む。ステップS404において、流路131に原水が供給されていないことが判断される場合には、ステップS441に進む。
【0045】
ステップS405では、流量センサ105が送信する信号に基づき、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が計算される。ただし、ステップS405では、流量センサ105が送信する信号に基づき、タイマ154により、フィルタ101を水が通過するときの時間の積算値が計算されるものであってもよい。
【0046】
ステップS405に続いてステップS406では、フィルタ101の洗浄が必要であるか否かが判断される。ここでは、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値を超えたか否かが判断される。ステップS406において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値を超えていることが判断される場合には、ステップS407に進む。ステップS406において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値以下であることが判断される場合には、ステップS461に進む。
【0047】
ステップS407では、赤色LEDを発光させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS408では、赤色LEDが発光することにより、導光板145が赤色にて着色される。これにより、フィルタ101の洗浄が必要であることが、浄水器100の使用者に表示される。
【0048】
ステップS441では、青色LEDを点滅させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS442では、青色LEDが点滅することによって導光板145が青色にて点滅する。これにより、流路131に原水が供給されていないことが、浄水器100の使用者に表示される。
【0049】
ステップS461では、濁度センサ102が送信する信号に基づき、検知部153がフィルタ101を通過した水の濁度を検知する。続いて、ステップS462では、フィルタ101を通過した水の濁度が、予め定められた所定の基準値を超えているか否かが判断される。ステップS462において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値を超えていることが判断される場合には、ステップS463に進む。ステップS462において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値以下であることが判断される場合には、ステップS465に進む。
【0050】
ステップS463とステップS464とは、それぞれステップS407とステップS408と同様のステップである。
【0051】
ステップS465では、検知部153が浄水スイッチ162のOFFの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS465において、検知部153が浄水スイッチ162のOFFの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS466に進む。ステップS465において、検知部153が浄水スイッチ162のOFFの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS404に戻る。ステップS466では、浄水の供給が停止される。
【0052】
なお、ステップS408またはステップS464では、それぞれステップS406またはステップS462において判断された積算値または基準値に応じ、所定の時間内での点滅の回数が段階的に増加していてもよく、赤色の濃度が段階的に変化していてもよい。
【0053】
図5に示すように、ステップS501では、検知部153が洗浄水スイッチ161のONの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS501において、検知部153が洗浄水スイッチ161のONの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS502に進む。ステップS501において、検知部153が洗浄水スイッチ161のONの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS601(図6参照)に進む。
【0054】
ステップS502では、緑色LEDを発光させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS503では、緑色LEDが発光する。その結果、ノズル110に配置された導光板145が緑色にて着色される。これにより、浄水器100が洗浄水を供給する準備が整っていることが、浄水器100の使用者に表示される。また、例えば、浄水器100が洗浄水を外部に供給しているときには、点灯している緑色LEDの光によってノズル100に緑色の光が灯される。
【0055】
ステップS504は、ステップS404と同様のステップである。ステップS504において、流路131に原水が供給されていることが判断される場合には、ステップS505に進む。ステップS504において、流路131に原水が供給されていないことが判断される場合には、ステップS541に進む。
【0056】
ステップS505は、ステップS405と同様のステップである。ステップS505に続いて、ステップS506において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値を超えていることが判断される場合には、ステップS507に進む。ステップS506において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値以下であることが判断される場合には、ステップS561に進む。なお、ステップS506にて判断される所定の積算値と、ステップS406にて判断される所定の積算値とは、それぞれ同一の値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0057】
ステップS507は、ステップS407と同様のステップである。また、ステップS508は、ステップS408と同様のステップである。
【0058】
ステップS541では、緑色LEDを点滅させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS542では、緑色LEDが点滅することによって導光板145が緑色にて点滅する。これにより、流路131に原水が供給されていないことが、浄水器100の使用者に表示される。
【0059】
ステップS561は、ステップS461と同様のステップである。また、ステップS562は、ステップS462と同様のステップである。ステップS562において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値を超えていることが判断される場合には、ステップS563に進む。ステップS562において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値以下であることが判断される場合には、ステップS565に進む。なお、ステップS562にて判断される所定の基準値と、ステップS462にて判断される所定の基準値とは、それぞれ同一の値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0060】
ステップS563とステップS564とは、それぞれステップS507とステップS508と同様のステップである。
【0061】
ステップS565では、検知部153が洗浄水スイッチ161のOFFの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS565において、検知部153が洗浄水スイッチ161のOFFの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS566に進む。ステップS565において、検知部153が洗浄水スイッチ161のOFFの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS504に戻る。ステップS566では、洗浄水の供給が停止される。
【0062】
図6に示すように、ステップS601では、検知部153が機能水スイッチ163のONの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS601において、検知部153が機能水スイッチ163のONの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS602に進む。ステップS601において、検知部153が機能水スイッチ163のONの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS401(図4参照)に戻る。
【0063】
ステップS602では、黄色LEDを発光させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS603では、黄色LEDが発光する。その結果、ノズル110に配置された導光板145が黄色にて着色される。これにより、浄水器100が機能水を供給する準備が整っていることが、浄水器100の使用者に表示される。また、例えば、浄水器100が機能水を外部に供給しているときには、点灯している黄色LEDの光によってノズル100に黄色の光が灯される。
【0064】
ステップS604は、ステップS404またはステップS504と同様のステップである。ステップS604において、流路131に原水が供給されていることが判断される場合には、ステップS605に進む。ステップS604において、流路131に原水が供給されていないことが判断される場合には、ステップS641に進む。
【0065】
ステップS605は、ステップS405またはステップS505と同様のステップである。ステップS605に続いて、ステップS606において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値を超えていることが判断される場合には、ステップS607に進む。ステップS606において、フィルタ101を通過した水の流量の積算値が所定の積算値以下であることが判断される場合には、ステップS661に進む。なお、ステップS606にて判断される所定の積算値と、ステップS406にて判断される所定の積算値と、またはステップS506にて判断される所定の積算値とは、それぞれ同一の値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0066】
ステップS607は、ステップS407またはステップS507と同様のステップである。また、ステップS608は、ステップS408またはステップS508と同様のステップである。
【0067】
ステップS641では、黄色LEDを点滅させる信号が実行部151から光源140に向かって出力される。続いて、ステップS642では、黄色LEDが点滅することによって導光板145が黄色にて点滅する。これにより、流路131に原水が供給されていないことが、浄水器100の使用者に表示される。
【0068】
ステップS661は、ステップS461またはステップS561と同様のステップである。また、ステップS662は、ステップS462またはステップS562と同様のステップである。ステップS662において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値を超えていることが判断される場合には、ステップS663に進む。ステップS662において、フィルタ101を通過した水の濁度が所定の基準値以下であることが判断される場合には、ステップS665に進む。なお、ステップS662にて判断される所定の基準値と、ステップS462にて判断される所定の基準値と、ステップS562にて判断される所定の基準値とは、それぞれ同一の値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0069】
ステップS663とステップS664とは、それぞれステップS607とステップS608と同様のステップである。
【0070】
ステップS665では、検知部153が機能水スイッチ163のOFFの信号を受け取ったか否かが判断される。ステップS665において、検知部153が機能水スイッチ163のOFFの信号を受け取っていることが判断される場合には、ステップS666に進む。ステップS665において、検知部153が機能水スイッチ163のOFFの信号を受け取っていないことが判断される場合には、ステップS604に戻る。ステップS666では、機能水の供給が停止される。
【0071】
以上のように、浄水器100は、流路130と、フィルタ101と、ノズル110とを備えている。流路130には、水が流通する。フィルタ101は、流路130に配置され、流路130を流通する水を浄化する。ノズル110は、流路130を流通する水を吐出する。さらに、浄水器100は、フィルタ洗浄判断部171と、水種判別部172と、光源140とを備えている。フィルタ洗浄判断部171は、フィルタ101の洗浄時期を判断する。水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類を判別する。光源140は、赤色と青色と緑色と黄色の光を発する。光源140は、水種判別部172による水の種類の判別と、フィルタ洗浄判断部171による判断とに基づいて発光する。浄水器100では、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて光源140が発光するときには、光源140は赤色にて発光し、水種判別部172によって判別される水の種類が浄水である場合に光源140が発光するときには、光源140は青色にて発光する。一方、ノズル110は、管状部材112と導光板145とを有している。管状部材112は流路130のうちの流路134を形成する。導光板145は光源が発する光を伝える。また、導光板145は、管状部材112の外側に配置され、光源140が発する光を導光板145の少なくとも一部からノズル110の外部に放出する。
【0072】
浄水器100によれば、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて光源140が発光するときの色と、水種判別部172によって判別される水の種類が浄水である場合に光源140が発光するときの色とがそれぞれ異なっている。これにより、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて導光板145が発光するときの色と、水種判別部172によって判別される水の種類が浄水である場合に導光板145が発光するときの色とがそれぞれ異なっている。
【0073】
また、導光板145は、管状部材112の外側に配置され、光源140が発する光を導光板145の少なくとも一部からノズル110の外部に放出する。このように、導光板145は、導光板145が伝えている光を浄水器100の使用者が視認することができるように、ノズル110に配置されている。そのため、使用者は、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて光源140が発光するときと、水種判別部172によって判別される水の種類が浄水である場合に光源140が発光するときとにおいて、それぞれ赤色と青色で光っている導光板145を視認することができる。
【0074】
このように、導光板145は、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて光るときと、水種判別部172によって判別される水の種類が浄水である場合に光るときとにおいて、ノズル110にて同様の形態で光っている。すなわち、浄水器100は、フィルタ101の洗浄時期と、浄水器100から外部に供給される水の種類とを、ノズル110に配置された導光板145の光によって表示することができる。また、導光板145が伝えている光によってノズル110に光が灯されるため、使用者は、フィルタ101の洗浄時期と、供給される水の種類とを、比較的容易に識別することができる。このように、浄水器100は、フィルタ101の洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示する。
【0075】
また、浄水器100では、水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類として、浄水、洗浄水、機能水、熱水、または、冷水のうちの少なくとも一つを判別する。
【0076】
この構成によれば、浄水器100から外部に供給される水の種類として、浄水、洗浄水、機能水、熱水、または冷水と、さらにフィルタの洗浄時期とが、それぞれ同様の形態で表示され、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示される。そのため、この構成によれば、浄水器100の利便性がより向上する。
【0077】
浄水器100は、流路130のうちの流路133に接続され、流路133を流通する水にオゾンを混入させるオゾン発生器104を備えている。浄水器100では、水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類として、オゾン発生器104が発生させたオゾンを含む水(これは洗浄水である)と、浄水とを判別する。また、光源140は、フィルタ洗浄判断部171による判断に基づいて発光するときには赤色にて発光し、浄水器100から外部に浄水が供給される場合に発光するときには青色にて発光し、および、浄水器100から外部に洗浄水が供給される場合に発光するときには緑色にて発光する。
【0078】
さらに、浄水器100は、流路133に接続され、流路133を流通する水に機能物質を混入させる混合器108を備えている。水種判別部172は、浄水器100から外部に供給される水の種類として、混合器108から機能物質が混入された機能水と、洗浄水と、浄水とを判別する。また、光源140は、浄水器100から外部に機能水が供給される場合には、黄色にて発光する。
【0079】
このように、浄水器100では、浄水器100から外部に供給される水の種類としての浄水と洗浄水と機能水と、さらにフィルタ101の洗浄時期とが、それぞれ同様の形態で表示され、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示される。そのため、浄水器100の利便性がさらに向上する。また、オゾンの効果により、使用者が利用する水の有用性が向上する。機能物質の効果により、使用者が利用する水の有用性がより向上する。
【0080】
以上のように、浄水器100は、フィルタ101の洗浄時期と、供給される水の種類とを、それぞれ同様の形態で表示し、且つ、使用者に比較的容易に識別させることが可能であるように表示することができる。
【0081】
(第2実施形態)
図7に示すように、第2実施形態に係る浄水器200は、シンク280の下方に配置されるような、いわゆるアンダーシンク型のものである。浄水器200の光源は、例えばシンク280とノズル110との接続部121に収容されている。接続部121には、止水弁283が設けられている。また、原水が流通する流路130のうち、水の流れ方向に関して浄水器200の内部よりも上流側には、止水弁281と逆止弁282とが配置されている。浄水器200のその他の構成は、浄水器100のものと同様である。
【0082】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0083】
100:浄水器、101:フィルタ、104:オゾン発生器、108:混合器、110:ノズル、112:管状部材、113:透明部材、130、131,132,133,134:流路、140:光源、145:導光板、171:フィルタ洗浄判断部、172:水種判別部、173:発光制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流通する流路と、
前記流路に配置され、前記流路を流通する水を浄化するフィルタと、
前記流路を流通する水を吐出するノズルと、
を備えた浄水器であって、さらに、
前記フィルタの洗浄時期を判断するフィルタ洗浄判断部と、
当該浄水器から外部に供給される水の種類を判別する水種判別部と、
複数の色の光を発し、前記水種判別部による水の種類の判別と、前記フィルタ洗浄判断部による判断とに基づいて発光する光源と、を備え、
前記光源は、前記フィルタ洗浄判断部による判断に基づいて発光する場合と、前記水種判別部による水の種類の判別に基づいて発光する場合とで、それぞれ異なる色で発光し、
前記ノズルは、前記流路を形成する管状部材と、前記光源が発する光を伝える導光部と、を有し、
前記導光部は、前記管状部材の外側に配置され、前記光源が発する光を前記導光部の少なくとも一部から前記ノズルの外部に放出する、浄水器。
【請求項2】
前記水種判別部は、当該浄水器から外部に供給される水の種類として、浄水、オゾンを含む水、機能物質が混入された機能水、熱水、または、冷水のうちの少なくとも一つを判別する、
請求項1に記載の浄水器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−96182(P2012−96182A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246556(P2010−246556)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】