説明

浴室棚取付構造

【課題】 通常は浴室棚として使用できると共に、手摺が必要となったときには必然的に浴室棚を取り外す事となる浴室棚の取付構造を提供する。
【解決手段】 載置物を載置する棚片1を設け且つ嵌合部21を備えた接続片2を設けることで浴室棚3を形成し、その棚片1の裏面を手摺当接面とした。略コ字状又は略U字状の手摺4の先端を水平状態で壁面に設置した。前記手摺当接面を手摺4上部に当接させた状態で前記嵌合部21を手摺4の壁面からの突出基部41に嵌合することで、浴室棚3を着脱自在に設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に取付ける浴室棚の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室の小物を載置するために浴室の壁面に設置される浴室棚が知られている(例えば特許文献1参照)。図2に示す従来の浴室棚3aは、ねじ等の固着具6を用いて浴室の壁面に固設して設置されるものであり、例えばシャンプー等といった小物が該浴室棚上3aに載置されて、浴室内の小物を収納するものとして、非常に便利なものである。
【0003】
また、従来から高齢者や身体障害者等が浴室を利用する際に、これらの者を補助するために浴室に設置される手摺として特許文献2が知られている。この特許文献2には、手摺が浴室の壁面に水平な状態で固設して設置されている。
【特許文献1】特開2004−344198号公報
【特許文献2】特開平9−209538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の通り浴室棚は非常に便利なものであるが、浴室に手摺が必要な高齢者等が浴室を使用する際には浴室の壁面に浴室棚が設置されていると、特に狭い浴室内においては、高齢者等にとって非常に危険なものとなる。このような高齢者等にしてみれば、浴室棚等といった壁面から突出したものは危険なものであり、少なくとも手摺を設置した側の壁面には手摺以外は何も取付けていないことが望まれるものであった。
【0005】
一方、高齢者等として手摺が必要となる以前は、手摺が不要であるばかりか、浴室の壁面には浴室棚が無いと不便であり、そのような場合は浴室の小物を収納できる棚の設置が望まれるものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通常は浴室棚として使用できると共に、手摺が必要となったときには必然的に浴室棚を取り外す事となる浴室棚の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、載置物を載置する棚片1を設け且つ嵌合部21を備えた接続片2を設けることで浴室棚3を形成し、棚片1の裏面を手摺当接面とし、略コ字状又は略U字状の手摺4の先端を水平状態で壁面に設置し、前記手摺当接面を手摺4上部に当接させた状態で前記嵌合部21を手摺4の壁面からの突出基部41に嵌合することで、浴室棚3を着脱自在に設置して成ることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成したことで、通常は浴室棚3として使用しつつ、手摺4が必要な場合には簡単に浴室棚3を取り外して手摺4を使用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通常は浴室の小物を収納できる浴室棚として使用することができて便利であると共に、手摺が必要になったときには簡単に手摺を使用することができる。しかも、それと同時に浴室棚を取り外すこととなるので、より安全な浴室の空間を提供することができる。さらに、浴室棚を取り外した場合であっても、浴室壁面に孔が開いてしまうことがないので、外観上良好なものである。さらに、浴室棚を簡単に取り外しができるので、カビやヌメリが発生し易い浴室棚上の清掃が容易にできて、浴室内を清潔に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を用いて説明する。
【0011】
本発明の実施形態は、図1に示すように、断面略L字状で樹脂製の浴室棚3を、浴室に設置された手摺4上に載置させてある。この手摺4は平面視略コ字状にて形成されるものであり、手摺4を水平に維持した状態でその先端が浴室の壁面に固設して設置される。該手摺4の浴室壁面の近傍(即ち手摺の浴室壁面からの突出基部41)に手摺の断面全周又は一部に(本実施形態では全周)凹溝部41aが凹設されている。
【0012】
前記浴室棚3は、例えばシャンプーやリンス等といった浴室の小物(即ち載置物)を載置するための棚片1と、該棚片1から連設される接続片2とから形成されており、該棚片1の裏面を手摺当接面としている。棚片1の浴室壁面と直角な方向の長さ(即ち、前後方向の長さ)は手摺4の該壁面からの突出長さと略同様の長さで形成されている。更に、該棚片の長手方向の一辺は円弧状に形成されると共に、円弧状の辺の縁辺から上方に向けてガイド部11が突設されている。このガイド部11は、棚片1上面に載置された載置物が落下するのを防止する役割を果たすものである。
【0013】
前記接続片2は、棚片1の長手方向のガイド部11が設置されていない側の辺から下方に向けて連設されている。接続片2には手摺4と嵌合する嵌合部21としての切欠部21aが、接続片2の下辺から上方に向けて逆U字状に形成されている。この切欠部21aの左右方向の長さLは、前記凹溝部41aの断面左右方向の長さよりも長く、且つ手摺4の凹溝部41a以外の部分の断面左右方向の長さよりも短く形成されている。
【0014】
このように形成された浴室棚3は、浴室の壁面に水平状態に設置された手摺4の上部に載置されるが、詳しくは、接続片2に備える嵌合部21としての切欠部21aを、手摺4に備える凹溝部41aに上方から嵌入し、浴室棚3の棚片1の裏面に備える手摺当接面を手摺4上部に当接して載置する。この構成によれば、前後方向及び左右方向に浴室棚3を移動させても、凹溝部41aと切欠部21aとが当接することで浴室棚3の移動が規制される。また、載置物としての浴室の小物が浴室棚3に載置された場合であっても、水平に設置された手摺4上部が棚片1の裏面の手摺当接面に当接しているので、ガタツキなどもなく載置物を載置できる。さらに手摺4使用時は、この浴室棚3を上方に持ち上げることで浴室棚3を手摺4から取り外すことができる。
【0015】
叙述のように構成することで、通常は浴室棚3として使用していても、使用者が高齢になった場合等必要が生じた場合には、簡単に手摺4を使用できるようにすることができる。また同時に、収納棚3が浴室壁面から無くなるので、高齢者が収納棚3に衝突するといった危険も同時に回避することができる。壁面に孔をあけることがなく浴室棚3が設置できることで、浴室棚3の取り外し時においても外観を損ねることも無い。
【0016】
また、ねじ等の固着具を使用しないで収納棚3を浴室壁面に設置することができるから、浴室棚3設置時においても固着具によって外観を損ねることが無く、意匠性が向上する。さらに、収納棚3が着脱自在に設置されているので、カビやヌメリの発生し易い収納棚3を簡単に取り外して清掃することができる。これにより、浴室内を常に清潔に保つことができる。
【0017】
以上、本発明の一例の実施例として、平面視略コ字状の手摺4に基づいて説明したが、平面視略U字状の手摺であってもよく特に限定されない。また、棚片1及び接続片2の形状及び材質は本実施形態のものに特に限定されない。更に、上記実施例の棚片1の前後方向の長さは手摺4の壁面からの突出長さと略同様の長さであるが、手摺の壁面からの突出長さが棚板1の前後方向の長さよりも若干長くてもいいし、若干短くてもよいし、特に限定されない。前記嵌合部21としての切欠部21aも特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 棚片
11 ガイド部
2 接続片
21 嵌合部
21a 切欠部
3 浴室棚
4 手摺
41 突出基部
41a 凹溝部
L 切欠部の左右方向の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置物を載置する棚片を設け且つ嵌合部を備えた接続片を設けることで浴室棚を形成し、棚片の裏面を手摺当接面とし、略コ字状又は略U字状の手摺の先端を水平状態で壁面に設置し、前記手摺当接面を手摺上部に当接させた状態で前記嵌合部を手摺の壁面からの突出基部に嵌合することで、浴室棚を着脱自在に設置して成ることを特徴とする浴室棚取付構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−261624(P2009−261624A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114627(P2008−114627)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】