説明

浴室用洗い場床の表面材、浴室用洗い場床及び表面材の製造方法

【課題】簡易的な方法で製造でき、親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する浴室用洗い場床の表面材、浴室用洗い場床、及び、表面材の製造方法を提供する。
【解決手段】浴室用洗い場床の最表面となる上部シート11と、前記上部シートの下に積層され、前記上部シートよりも親水性の高い下部シート12と、を含むラミネート加工材18を備えた浴室用洗い場床の表面材が提供される。前記上部シートには、前記下部シートの一部を露出させる排水溝17が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用洗い場床の表面材、浴室用洗い場床及び表面材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室ユニットに組み込まれる洗い場床の水捌け性を向上させるために、凸部に撥水性を持たせ、凹部である排水溝に親水性を持たせた構成の洗い場床がある。この構造によれば、撥水性の凸部上の水は弾かれ、弾かれた水は親水性の排水溝に流れ込む。そして、排水溝内に流れ込んだ水は、排水口まで残水することなく排水される。
【0003】
特許文献1には、洗い場床の表面に、撥水塗料が塗布された凸部と、親水塗料が塗布された排水溝と、を設け、凸部で弾かれた水を排水溝を介して排水する技術が開示されている。しかしながら、凸部のみに撥水塗料を塗布することは容易ではなく、生産性が悪いという問題があった。
【0004】
また、凸部に撥油性塗料を塗布することで、皮脂汚れなどが固着しやすい凸部上の汚れの除去性を上げつつ、排水溝内に流れ込んだ水を排水口まで排水することも望まれているが、この場合も、凸部のみに撥油性塗料を塗布することは容易ではなく、生産性が悪い。
【0005】
このように、床表面の凸部と排水溝とに対して、それぞれ異なる性状の塗料を塗布させることは、製造上、困難である。
【0006】
洗い場床の表面に、簡易的な製法で、親水性の排水溝と、撥水性及び/または撥油性など、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を形成することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−39013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、簡易的な方法で製造でき、親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する浴室用洗い場床の表面材、浴室用洗い場床、及び、表面材の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る浴室用洗い場床の表面材は、浴室用洗い場床の最表面となる上部シートと、前記上部シートの下に積層され、前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、を含むラミネート加工材を備え、前記上部シートには、前記下部シートの一部を露出させるよう排水溝が凹設されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、下部シートの一部を露出させるよう凹設され、その結果親水性を有する排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する洗い場床の表面材を、簡易的な方法で製造して提供することができる。上部シートは凸部となり、凸部の上の水滴は親水性の下部シートが露出する排水溝に流れ込み、排水溝に流れ込んだ水は、排水溝の親水性により残留することなく流されるため、洗い場床の水捌け性を向上させることができる。
【0011】
本願請求項2に係る浴室用洗い場床の表面材は、前記上部シートは、前記下部シートよりも高い撥水性、及び、前記下部シートよりも高い撥油性、の少なくともいずれかを有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、上部シートからなる凸部の上の水滴を排水溝へ効果的に導水し水捌け性をさらに向上させ、また、凸部上の汚れの除去性を向上させることができる。
【0013】
本願請求項3に係る浴室用洗い場床は、浴室用洗い場床の浴室内側の最表面となる上部シートと、前記上部シートの下に積層され、前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、を含むラミネート加工材を有し、前記上部シートには、前記下部シートの一部を露出させるよう排水溝が凹設されている表面材と、前記表面材の下に配置され、洗い場床上の水を集水するための凹状の排水口部を有する基材と、を備え、前記ラミネート加工材の表面に形成された前記排水溝は、前記排水口部の立ち面まで連続していることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、簡易的な方法で製造できる、親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する洗い場床の表面材を用い、凸部の上の水滴を弾いて、親水性の排水溝に流れ込ませ、排水溝の親水性により残留させることなく流し、排水口部に排水することができる。
【0015】
本願請求項4に係る表面材の製造方法は、複数のシートが貼り合わされて形成される洗い場床の最表層に積層される表面材の製造方法であって、上部シートと、前記上部シートに積層され前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、をローラーで加圧し、前記ローラーの押圧面に形成された刃で、前記上部シートを切り欠き、前記下部シートの一部を露出させることで排水溝を形成することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、上部シートを切り欠き、下部シートの一部を露出させることで形成される親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する表面材を簡便に製造できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易的な方法で製造でき、親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する浴室用洗い場床の表面材、浴室用洗い場床、及び、表面材の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材を例示する模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材の特性を例示する模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材の製造方法を例示する模式図である。
【図4】第2の実施形態に係る浴室用洗い場床を例示する模式図である。
【図5】第2の実施形態に係る浴室用洗い場床の排水口部を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材を例示する模式図であり、図4及び図5は、本発明の実施形態に係る浴室用洗い場床を例示する模式図である。 すなわち、図1(a)及び(b)は、それぞれ、浴室用洗い場床の表面材の構成を例示する模式的斜視図及び模式的断面図である。図2(a)及び(b)は、表面材の特性を例示する模式的断面図である。図3(a)及び(b)は、表面材の製造方法を例示する模式図である。図4(a)及び(b)は、それぞれ、浴室用洗い場床の模式的斜視図及び模式的平面図である。図5(a)は、浴室用洗い場床の排水口部を例示する模式的斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA部を拡大した模式的斜視図である。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1に表したように、実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材10は、ラミネート加工材18を備える。
【0021】
ラミネート加工材18は、浴室用洗い場床の浴室内側の最表面となる上部シート11と、上部シートの下に積層される下部シート12と、を有する。
なお、本具体例では、ラミネート加工材18は、下部シート12の下に積層されたパック層13をさらに有している。パック層13は、単層、または、積層された複数の層からなることができる。なお、パック層13は省略しても良い。
【0022】
下部シート12は、上部シート11よりも親水性が高い。
【0023】
そして、上部シート11には、下部シート12の一部を露出させる切り目15が形成されている。
【0024】
すなわち、この切り目15によって、親水性の高い下部シート12が、上部シート11から露出する。そして、この切り目15から露出した下部シート12は排水溝17となる。そして、切り目15以外の部分の上部シート11は、排水溝17よりも上方に突出する凸部16となる。すなわち、上部シート11には、下部シート12の一部を露出させるよう排水溝17が凹設されている。
【0025】
これにより、相対的に親水性が低い上部シートからなる凸部16と、切り目15から露出され、相対的に親水性が高い排水溝17と、を有する洗い場床の表面材を、簡易的な方法で製造できる。
【0026】
上部シート11には、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性など、洗い場床表面に要求される基本性能(耐久性)を満足する材料を用いることができる。
【0027】
上部シート11には、例えば、FRP、PVC(塩化ビニル)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン・ポリエステル・オレフィン・アクリル系の各種エラストマー、EVA、EPDM、シリコンゴムなどのゴム(硬質)系、あるいはこれらを十分な耐久性が期待できる程度の硬さに調整したもの、あるいはこれらをベースに充填材や強化材を加えた複合材料などが用いられる。
【0028】
但し、これらの材料は一例であって、その他、上部シート11の材料としては、浴室の一般的な使用に際し十分な耐久性を有するべく強靱な材料であれば良く、前述したものに限らない。
【0029】
一方、下部シート12には、上部シート11よりも親水性の高い材料を用いる。すなわち、下部シート12となる材料の水に対する接触角は、上部シート11となる材料よりも小さい。すなわち、下部シート12となる材料の水に対する濡れ性は、上部シート11となる材料の濡れ性よりも高い。例えば、下部シート12となる材料の表面エネルギーは、上部シート11となる材料の表面エネルギーよりも大きい。
【0030】
下部シート12には、例えば、FRP、PVC(塩化ビニル)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン・ポリエステル・オレフィン・アクリル系の各種エラストマー、EVA、EPDM、シリコンゴムなどのゴム(硬質)系、あるいはこれらの硬さを調整したもの、あるいはこれらをベースに充填材や強化材を加えた複合材料などが用いられる。
【0031】
ただし、これらの材料は一例であって、下部シート12となる材料は、上部シート11となる材料に対して相対的に親水性が高い材料が選択されれば良く、上記に限らない。
【0032】
親水性が比較的高い材料としては、例えば、アセテート系、ポリビニルアルコール系、及びナイロン系の材料等が挙げられ、これらの材料を下部シート12に好適に用いることができる。
【0033】
一方、親水性が比較的低い材料としては、フッ素系やシリコンゴム系の材料が挙げられ、これらの材料を上部シート11に好適に用いることができる。
【0034】
また、上部シート11となる材料と下部シート12となる材料とに同じ系の材料を用いても良く、この場合においては、下部シート12の方が上部シート11よりも親水性が高くなるように、例えば、各種の添加材やタルクなどの充填剤などの成分比(含有しない場合も含めて)が調整される。
【0035】
なお、上部シート11は、下部シート12に比べて相対的に親水性が低く、上部シート11は、下部シート12よりも疎水性が高い。
【0036】
図2は、このような構成を有する浴室用床パネルの表面材10の特性を例示している。図2(a)に表したように、例えば浴室を使用した後に、表面材10の上に水滴19aが残るが、凸部16は排水溝17よりも相対的に親水性が低く、水を弾く性質があるため、図2(b)に表したように、凸部16の上の水滴19aは弾かれ、弾かれた水19は親水性の排水溝17に流れ込む。すなわち、表面材10の表面の水は、排水溝17に導水される。そして、排水溝17内に流れ込んだ水19は、排水口まで残水することなく排水される。これにより、洗い場床の水捌け性が向上できる。
【0037】
このような表面材10は、図3に例示した方法で製造される。
図3(a)は、ラミネート工程を例示しており、図3(b)は、パターン加工工程を例示している。
【0038】
図3(a)に表したように、上部シート11となるシート11aと、下部シート12となるシート12aと、パック層13となるシート13aと、をラミネートして、ラミネート加工材18となるラミネート材18aを作製する。
【0039】
そして、図3(b)に表したように、ラミネート材18aをパターンロール31(ローラー)と受圧ロール32との間に通す。パターンロール31の表面には、上部シート11に切り目15を形成するための突出部31a(刃)が設けられている。これにより、パターンロール31と受圧ロール32との間の圧着部33を、ラミネート材18aが通過する際に、上部シート11に切れ目15が形成され、切れ目15から下部シート12の一部が露出する。このようにして、表面に凸部16が形成されたパターン付きラミネートシート18bが形成できる。
【0040】
そして、パターン付きラミネートシート18bを所定のサイズに切断し、加工することによって、ラミネート加工材18を形成し、これによって本実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材10が製造できる。
【0041】
なお、パターンロール31の突出部31aは、表面材10に形成される切れ目15に適合するパターン形状と高さとを有するように設計される。すなわち、図1(a)に例示したように、表面材10においては、例えば、凸部16は縦横に二次元的に配列しており、切れ目15は縦方向と横方向とに延在する。この場合には、パターンロール31の突出部31aは、縦方向と横方向とに延在するパターン形状とされる。
【0042】
そして、突出部31aの高さは、圧着部33における突出部31aのラミネート材18aへの加圧の際に、例えば突出部31aが上部シート11となるシート11aを貫通し、下部シート12となるシート12aに到達する高さに設定される。これにより、突出部31aによって形成された切れ目15によって、下部シート12の一部を露出させることができる。
【0043】
この時、突出部31aの高さは、加工成形された後の上部シート11の厚みよりも高い高さを必ずしも有している必要はなく、例えば、ラミネート材18aの圧着部33における加工時の上部シート11となるシート11aの厚みよりも高くされ、加工時において形成される切れ目15が下部シート12となるシート12aに到達できれば良い。
【0044】
なお、図3(a)及び(b)に例示したラミネート工程及びパターン加工工程は、連続的に実施しても良く、また、不連続的に実施しても良い。
【0045】
なお、本実施形態に係る浴室用洗い場床の表面材10においては、下部シート12が上部シート11よりも親水性が高く設定される。これにより、図2に関して説明したように、凸部16の上の水滴19aを排水溝17に導水させる。すなわち、上部シート11は、下部シート12よりも親水性が低く設定されれば良い。
【0046】
この時、上部シート11の親水性を特に低くさせ、上部シート11に特に撥水性を持たせることで、凸部16の上の水滴19aの排水溝17への導水を効率的に行うことができる。
【0047】
また、上部シート11に撥油性を持たせ、浴室の使用者の皮脂汚れなどが固着しやすい凸部16上の汚れの除去性を上げつつ、凸部16の上の水滴19aの排水溝17への導水を効率的に行うことができる。
【0048】
このように、上部シート11は、下部シート12よりも高い撥水性、及び、下部シート12よりも高い撥油性、の少なくともいずれかを有することができ、これにより、凸部16の上の水滴19aの排水溝17への導水を効果的に行い、水捌け性をさらに向上させ、また、凸部16上の汚れの除去性を向上させることができる。
【0049】
なお、撥水性が高い材料や撥油性が高い材料として、フッ素系やシリコンゴム系の材料を好適に用いることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
図4(a)及び(b)に表したように、本発明の第2の実施形態に係る浴室用洗い場床20は、表面材10と基材28とを備える。
そして、基材28は、表面材10の下に配置され、洗い場床20上の水を集水するための凹状の排水口部21を有する。
【0051】
なお、浴室用洗い場床20は、例えば浴槽23に隣接して、浴室内に設けられる。そして、浴室用洗い場床20には、例えば排水口部21に向けて傾斜した排水勾配22が設けられる。
【0052】
そして、図5(a)に表したように、排水口部21には、排水口21aが設けられ、水を排水できるようになっている。
【0053】
図5(b)に表したように、表面材10は、第1の実施形態に関して説明したように、浴室用洗い場床の浴室内側の最表面となる上部シート11と、上部シート11の下に積層され、上部シート11よりも親水性の高い下部シート12と、を含むラミネート加工材18を有し、上部シート11には、下部シート12の一部を露出させる切り目15が形成されている。この切り目15によって、上部シート11が凸部16となり、露出した下部シート12の部分が排水溝17となる。そして、排水溝17が排水溝端部29となる。
【0054】
すなわち、表面材10のラミネート加工材18には、切り目15が設けられている。そして、切り目15の下流端は、排水口部21の立ち面まで連続している。すなわち、切り目15によって形成される排水溝端部29が、排水口部21の立ち面まで連続している。これにより、排水溝17すなわち排水溝端部29に集められた水が、排水口部21に途切れることなく導水され、浴室用洗い場床20の水捌けを良好に行うことができる。
【0055】
なお、本具体例では、排水口部21において、基材28と表面材10との間には仕上目地26が設けられ、基材28と表面材10とが固着されている。
【0056】
本実施形態に係る浴室用洗い場床20によれば、簡易的な方法で製造でき、親水性の排水溝17と、排水溝17とは異なる表面特性の凸部16と、を有する洗い場床の表面材10を用い、凸部16の上の水滴19aを弾いて、親水性の排水溝17に流れ込ませ、排水溝端部29より、排水口部21に残水することなく排水させることができる。
【0057】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る表面材の製造方法は、複数のシートが貼り合わされて形成される、洗い場床の最表層に積層される表面材の製造方法である。
【0058】
図3(a)及び(b)に関して説明したように、この製造方法においては、上部シート11と、上部シート11に積層され、上部シート11よりも親水性の高い下部シート12と、をローラー(パターンロール31)で加圧して接着する際に、ローラーの押圧面に形成された刃(突出部31a)で、上部シート11の一部を切り欠き、上部シート11側の面から下部シート12の一部を露出させる。
【0059】
この製造方法によれば、親水性の排水溝と、排水溝とは異なる表面特性の凸部と、を有する洗い場床の表面材を簡便に製造できる。
【0060】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、洗い場床の表面材及び洗い場床を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0061】
その他、本発明の実施の形態として上述した洗い場床の表面材、洗い場床及び表面材の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての洗い場床の表面材、洗い場床及び表面材の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0062】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0063】
10…表面材、 11…上部シート、 11a…シート、 12…下部シート、 12a…シート、 13…パック層、 13a…シート、 15…切れ目、 16…凸部、 17…排水溝、 18…ラミネート加工材、 18a…ラミネート材、 18b…パターン付きラミネート材、 19…水、 19a…水滴、 20…浴室用洗い場床、 21…排水口部、 21a…排水口、 22…排水勾配、 23…浴槽、 25…基材、 26…仕上目地、 28…基材、 29…排水溝端部、 31…パターンロール(ローラー)、 31a…突出部(刃)、 32…受圧ロール、 33…圧着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室用洗い場床の最表面となる上部シートと、前記上部シートの下に積層され、前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、を含むラミネート加工材を備え、
前記上部シートには、前記下部シートの一部を露出させるよう排水溝が凹設されていることを特徴とする浴室用洗い場床の表面材。
【請求項2】
前記上部シートは、前記下部シートよりも高い撥水性、及び、前記下部シートよりも高い撥油性、の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1記載の浴室用洗い場床の表面材。
【請求項3】
浴室用洗い場床の浴室内側の最表面となる上部シートと、前記上部シートの下に積層され、前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、を含むラミネート加工材を有し、前記上部シートには、前記下部シートの一部を露出させるよう排水溝が凹設されている表面材と、
前記表面材の下に配置され、洗い場床上の水を集水するための凹状の排水口部を有する基材と、
を備え、
前記ラミネート加工材の表面に形成された前記排水溝は、前記排水口部の立ち面まで連続していることを特徴とする浴室用洗い場床。
【請求項4】
複数のシートが貼り合わされて形成される洗い場床の最表層に積層される表面材の製造方法であって、
上部シートと、前記上部シートに積層され前記上部シートよりも親水性の高い下部シートと、をローラーで加圧し、前記ローラーの押圧面に形成された刃で、前記上部シートを切り欠き、前記下部シートの一部を露出させることで排水溝を形成することを特徴とする表面材の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−281032(P2010−281032A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132687(P2009−132687)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】