浴室装置
【課題】微細気泡発生装置の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止でき、微細気泡発生装置の使用時に快適な入浴を行うことができる浴室装置を提供する。
【解決手段】浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。微細気泡発生装置11とエプロン12の間に防音材16aが配設される。
【解決手段】浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。微細気泡発生装置11とエプロン12の間に防音材16aが配設される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微細気泡発生装置を備えた浴室装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に空気を混合し、混合した空気を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置が例えば特許文献1により知られている。
【0003】
この微細気泡発生装置は、浴槽内に径が小さく滞留時間の長い微細気泡を発生させることにより、微細気泡で入浴者を包み込んで温める保温効果や、微細気泡の衝突によって生じる微振動や微細気泡がはじけた際に発生する超音波による洗浄効果及びマッサージ効果、微細気泡によって浴水を白濁させる視覚的効果等が得られる。
【0004】
このような微細気泡発生装置は、一般的に、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び床の浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間に配置され、これによって浴室のスペースを有効利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−313464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、微細気泡発生装置の使用時には、ポンプの運転音や、気体を浴水に混合する際に生じる音、気体を加圧溶解させる際に生じる浴水の衝突音、余剰空気を放出する際に発生する音、浴水が循環水路を流れる際に生じる音等の様々な音が生じるものであり、この使用時の音が周囲に伝わって騒音や振動を生じさせ、快適な入浴が阻害される恐れがある。
【0007】
本発明は前記の事情に鑑みてなされたものであって、微細気泡発生装置の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止でき、微細気泡発生装置の使用時に快適な入浴を行うことができる浴室装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の浴室装置は以下の構成を有する。浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。該微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。そして、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に防音材16aが配設される。
【0009】
このような構成を有することで、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配設された防音材16aにより、微細気泡発生装置11のエプロン12側を覆い、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を効果的に防止することができる。
【0010】
また、微細気泡発生装置11が前記空間19における浴槽10の一端側に配設され、該微細気泡発生装置11とエプロン12との間に前記防音材16aが配設されると共に、前記空間19におけるエプロン対向位置で且つ浴槽10の他端側に他の防音材16bが配設されることが好ましい。
【0011】
微細気泡発生装置11の使用音が空間19における浴槽10の後側を回りこんでエプロン12に伝わることを防音材16bによって防止することができ、騒音や振動が生じることを一層防止することができる。また、この防音材16bは浴槽10の微細気泡発生装置11とは反対側の離れた位置に配置されるため、微細気泡発生装置11の近くに防音材を設けたものと比較して、微細気泡発生装置11の運転時に発生する熱がこもり難くなる。
【0012】
また、前記防音材16aがシート状の吸音材51と該吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52を備えることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11から防音材16aに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰される。このため、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0013】
また、前記防音材16aが浴槽10裏の上部より吊り下げられることで、前記空間19におけるエプロン対向位置に配設されることが好ましい。この場合、防音材16aを浴槽10裏の上部より吊り下げることにより、空間19のエプロン対向位置に簡単に配設することができる。また、防音材16aをエプロン12に接触させることなく配設でき、これにより微細気泡発生装置11の使用音が防音材16aを介してエプロン12に伝わることも防止でき、騒音及び振動の発生をより確実に防止できる。
【0014】
また、前記防音材16aは、一方の側端部が壁に沿い、他方の側端部が浴槽10に沿い、上端部が浴槽10裏面の上部に沿い、下端が浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置されていることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11で発生した使用音がエプロン12側に伝わることを一層防止でき、また、防音材16aの下端が浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置されるので、防音材16aが浴槽10側の床面に溜まる水に浸かることを防止できる。
【0015】
また、本発明の他の浴室装置は以下の構成を有する。浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。該微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。そして、エプロン12の裏面に防音材16c又は16dが取り付けられる。
【0016】
このような構成を有することで、エプロン12の裏面に取り付けられた防音材16c又は16dにより、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を効果的に防止することができる。また、施工時や、微細気泡発生装置11のメンテナンス時において、防音材16c又は16dを取り付ける作業が不要となり、作業性が向上する。
【0017】
また、前記防音材16c又は16dがシート状の吸音材51と該吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52を備えていることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11から防音材16c又は16dに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰される。このため、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0018】
また、前記防音材16c又は16dがエプロン12の外形よりも大きい形状で、エプロン12の周囲より出るように貼り付けられることが好ましい。エプロン12の周囲より突出した防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出すことを防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、微細気泡発生装置の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止でき、微細気泡発生装置の使用時に快適な入浴を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一の実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図2】同上の浴室装置の斜視図である。
【図3】同上の微細気泡浴槽の概略構成を示す側面図である。
【図4】同上のエプロン及び防音材を取り外した状態における微細気泡発生装置の設置状態を示す斜視図である。
【図5】同上の気体溶解装置を示す説明図である。
【図6】図4のエプロン及び防音材を取り付けた状態を示し、エプロンを透視して表した斜視図である。
【図7】同上の要部水平断面図である。
【図8】同上の要部側断面図である。
【図9】同上の防音材の取付け状態を示す説明図である。
【図10】同上の防音材を示し、(a)は背面図であり、(b)は側面図である。
【図11】同上の防音シートの斜視図である。
【図12】他例の防音シートの斜視図である。
【図13】第二の実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図14】同上の防音材が貼り付けられたエプロンを示し、(a)は表側から見た斜視図であり、(b)は裏側から見た斜視図である。
【図15】他例の防音材が貼り付けられたエプロンを示し、(a)は表側から見た斜視図であり、(b)は裏側から見た斜視図である。
【図16】同上の防音材が貼り付けられたエプロンを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態につき説明する。
【0022】
(第一の実施形態)
まず、第一の実施形態について説明する。図1乃至図12に示す本実施形態の浴室装置は浴室に微細気泡浴槽1が設けてなる。
【0023】
浴室はユニットバスからなり、図2等に示すように床、壁、天井の夫々が、床パン2、床パン2の周囲に立設された壁パネル3、壁パネル3上に設けられた天井パネル5により構成されている。
【0024】
床パン2は平面視略矩形状であり、片側半部を構成する洗い場部6と、他側半部を構成する浴槽設置部7とで構成されている。洗い場部6には洗い場部6上の水を排出するための排水口8が形成されている。なお、洗い場部6と浴槽設置部7は一体に形成されるものであってもよいし、別体であってもよい。
【0025】
床パン2の洗い場部6と浴槽設置部7との境界部には、上方に突出する堰部9(図8参照)が形成され、堰部9によって浴槽設置部7から洗い場部6側及び洗い場部6から浴槽設置部7側に水が流れることが防止されている。
【0026】
微細気泡浴槽1は、浴槽設置部7上に設置された浴槽10と、浴槽10の裏側(すなわち湯を溜める内面とは反対側である外面側)に設けられた微細気泡発生装置11と、浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12と、制御装置13と、操作器15と、防音材16a、16bとで構成されている。
【0027】
浴槽10は長手方向が洗い場部6の長手方向と平行となるよう設置され、槽部17と、槽部17の上縁に周設された外方に向けて突出するフランジ部18とで構成されている。
【0028】
エプロン12は堰部9上に立設され、エプロン12により堰部9とこの上方に位置する浴槽10のフランジ部18との間が覆われる。エプロン12は、上端部が浴槽10のフランジ部18に、下端部が堰部9に夫々直接あるいは係止具を介して着脱可能に係止されることで固定され、浴槽10及び床パン2に対して取り外し可能に設けられている。
【0029】
このように浴室に浴槽10及びエプロン12が設けられることにより、浴室には図1に示すように床パン2、壁パネル3、浴槽10、及びエプロン12によって囲まれた平面視環状の空間19が形成される。
【0030】
前記浴槽10を囲む平面視環状の空間19において、エプロン12に対向する位置(以下、エプロン対向位置と記載する)には微細気泡発生装置11が配設されている。この微細気泡発生装置11はエプロン12を取り外すことで設置やメンテナンスが容易に行えるようになっている。
【0031】
微細気泡発生装置11は、浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させるものである。
【0032】
図3に示すように微細気泡発生装置11は、両端がエプロン12に対向する浴槽10の前壁部20に接続された循環水路21と、循環水路21の一端から浴槽10内の浴水を吸い込むと共に循環水路21の他端から浴槽10内に浴水を吐出するためのポンプ22と、循環水路21においてポンプ22よりも下流側に設けられた気体溶解装置23とで構成されている。なお、図3では循環水路21の一端を構成する吸込口25と他端を構成する吐出口26とが槽部17の下部の一箇所にまとめて設けられているが、吸込口25と吐出口26は離間して設けられるものであってもよい。
【0033】
ポンプ22は天井パネル5上に設けられた制御装置13に接続され、その運転・停止の切換えは壁パネル3に設けられた操作器15を操作することで行えるようになっている。
【0034】
ポンプ22よりも上流側の循環水路21には、循環水路21を流れる浴水に気体を混合する気体混合部としてエジェクター27が設けられている。エジェクター27は気体溶解装置23で溶解される気体として外気である空気を浴水に混合するものである。
【0035】
気体溶解装置23では、ポンプ22から供給された浴水にエジェクター27で混合された空気が加圧溶解される。
【0036】
図5に示すように、気体溶解装置23はその主体が浴水を貯留するタンク28で構成されている。タンク28の上端部には溶解させる空気を貯留でき、タンク28内が所定圧力以上になるとタンク28内の余剰空気を図示しない空気逃がし弁により放出されるようになっている。
【0037】
タンク28の底部には、上流側の循環水路21に接続される流入口29と、下流側の循環水路21に接続される流出口30とが形成されている。
【0038】
タンク28内は、仕切り壁33により流入口29側の気液混合槽31と流出口30側の気液分離槽32とに区画されている。気液混合槽31と気液分離槽32は仕切り壁33の下部に設けられた水路35を介して連通すると共に仕切り壁33の上方に設けられた隙間36を介して連通している。水路35は気液分離槽32側に流れる浴水の流れ方向が斜め上方となるよう傾斜している。
【0039】
気液分離槽32は、仕切り壁33に対向する位置に設けられた気液分離壁37により、気液混合槽31側の上流部38と、流出口30側の下流部39とに区画されている。
【0040】
気液分離壁37の上端は仕切り壁33の上端よりも下方に位置し、気液分離壁37の上方には上流部38と下流部39とを連通させる上隙間40が形成されている。気液分離壁37の下方には、上流部38と下流部39とを連通させる下隙間41が形成されている。
【0041】
また、気体溶解装置23は気体循環経路45を備えている。気体循環経路45は、一端がタンク28の上端部に接続される取出口42からなり、他端がタンク28上流側の循環水路21の下流側端部に接続された取込口43からなる。
【0042】
ポンプ22の運転時にはタンク28の上端部に空気が加圧状態で貯留される。また、気液混合槽31では、流入口29から空気を含む浴水が気液混合槽31に噴出されて、タンク28の上壁部に勢いよく衝突し、また、浴水が攪拌され、これらの作用より浴水に含まれる空気及びタンク28の上端部に貯留された空気が浴水に溶け込む。
【0043】
この浴水は、水路35を介して気液分離槽32に流入し、気液分離槽32において未溶解の空気が分離され、この後、流出口30を経て下流側の循環水路21に流出する。そして、この浴水が吐出口26から浴槽10内に吐出されることで、浴水に溶解された空気が大気圧となった浴槽10内において径が小さく滞留時間の長い微細気泡として多量に析出し、この微細気泡により、保温効果、洗浄効果、マッサージ効果、及び浴水を白濁させる視覚的効果等が得られる。
【0044】
気体溶解装置23は、前記気液分離槽32で分離された未溶解の空気が気液分離槽32の上端部から隙間36を介して気液混合槽31の上端部に移動できるため、未溶解の空気を浴水に溶解させる空気として有効に利用することができる。
【0045】
また、水路35から気液分離槽32の上流部38に流入した浴水は、矢印aに示すように、気液分離壁37に沿って気液界面である液面付近まで上昇し、この後、気液分離壁37を乗り越えて下流部39に至る。このため前記浴水が気液分離壁37を乗り越えるときにも気液分離がなされ、気液分離がより一層促進される。
【0046】
また、ポンプ22の運転時には、気体循環経路45の取込口43が接続された流入口29近傍の循環水路21では浴水の流れにより低圧となり、また、未溶解の空気が貯留されたタンク28の上端部は比較的高圧になる。このため、循環水路21の取出口42近傍の部分とタンク28の取込口43近傍の部分との間には圧力差が生じ、これによってタンク28の上端部の余剰空気は取出口42から気体循環経路45に引き抜かれ、取込口43からタンク28上流側の循環水路21への送り出される。このように、タンク28内に貯留している未溶解の空気を気泡として流体に取り込むことができるので、浴水とこれに含まれる空気の接触時間を長くすることができ、空気をより一層浴水に溶解させることができる。なお、気体溶解装置23としては図5に示すものの他、従来から知られている種々の気体溶解装置を用いてもよいものとする。
【0047】
微細気泡発生装置11は、図4等に示すようにポンプ22が脚46を介して浴槽設置部7上に設けられ、ポンプ22上に気体溶解装置23が設けられている。これにより、微細気泡発生装置11の一部を構成するポンプ22及び気体溶解装置23は、前記浴槽10を囲む平面視環状の空間19における洗い場側の一方のコーナー部に配置されている。また、循環水路21の両端は、浴槽10の槽部17において前記一方のコーナー部に偏った箇所に接続されている。すなわち、微細気泡発生装置11を構成するポンプ22、気体溶解装置23、及び循環水路21の全ては、空間19におけるエプロン対向位置で且つ浴槽10の長手方向の一端側に配設されている。
【0048】
図7等に示すように上記空間19におけるエプロン対向位置にはシート状の防音材16a、16bが配設されている。図1のように第一の防音材16aは微細気泡発生装置11が設けられた浴槽10の長手方向の一端側に配置され、第二の防音材16bは浴槽10の長手方向の他端側に配置されている。
【0049】
各防音材16a、16bは、図8等に示されるように浴槽10裏の上部に位置する洗い場側のフランジ部18に吊り下げられ、取付けシート47と、取付けシート47の浴槽10側に臨む背面に取着された防音シート48とで構成されている。
【0050】
図10に示すように取付けシート47の上端部は防音シート48よりも上方に突出し、該突出部分はフランジ部18の下面に取り付けられる取付け部49を構成している。
【0051】
取付け部49はスナップファスナーからなる取付け手段を介してフランジ部18の下面に着脱自在に取り付けられる。スナップファスナーを構成する雌雄対をなすスナップ50a、50bのうち一方のスナップ50aが取付け部49に左右に複数設けられ、これらスナップ50aがフランジ部18の下面に設けられた対応する他方のスナップ50bに着脱自在に嵌着されることで、防音材16a、16bは浴槽10裏の上部に吊り下げられる。
【0052】
なお、各防音材16a、16bをフランジ部18に取り付けた状態では、図9に示すように取付け部49をエプロン12側に曲げてその先端部をフランジ部18の下面に突設された突出部44に当接してもよいし、図8のように取付け部49を浴槽10側に曲げて、フランジ部18の下面に沿わしてもよい。また、取付け部49は面ファスナー等のその他の取付け手段により浴槽10裏の上部に取り付けられるものであってもよい。また、取付け部49は、図10(b)に示されるように、例えば取付けシート47の上端部を折り返した後、縫い付けることで形成される二重のシート部分で構成されるものであってもよい。
【0053】
防音シート48は取付けシート47に縫い付けられることで固定されている。図10(a)の二点鎖線は前記取付け部49や防音シート48の縫い付け箇所を示している。なお、防音シート48は接着や両面テープ等により取付けシート47に張り付けられるものであってもよい。
【0054】
防音シート48は、シート状の吸音材51と、吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52とで構成されている。吸音材51と遮音材52は両面テープを介して貼り合わされる。
【0055】
吸音材51はPET不織布からなり、微細気泡発生装置11から伝わってくる音をPET繊維で減衰させ、吸音する。遮音材52は吸音材51よりも薄いブチル系ゴムシートからなり、吸音材51を通過した音がエプロン12側に伝わることを防止する。例えば吸音材51の厚みは23mm、遮音材52の厚みは2mmに設定される。
【0056】
各防音材16a、16bは、図1に示すように浴槽10の長手方向の両側の壁部とこれに対向する壁パネル3との間に形成される空間部19a、19bをエプロン12側から覆うように配置されている。
【0057】
このうち第一の防音材16aは微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配置されている。防音材16aの両側端部は、エプロン12と反対側に曲げられて、夫々が浴槽10の前壁部20と浴槽10の長手方向の壁部に対向する壁パネル3に密着している。また、防音材16aにあっては、防音シート48が微細気泡発生装置11のポンプ22、気体溶解装置23、及び循環水路21の全てに対向するよう配設されている。
【0058】
他方、第二の防音材16bは浴槽10の前壁部20と略平行とされ、浴槽側が浴槽10の前壁部20に当接し、浴槽10と反対側の端部が壁パネル3に密着している。
【0059】
また、図8に示すように各防音材16a、16bの下端は堰部9よりも上方において堰部9に沿って配置される。浴槽設置部7上に所定量以上の水が溜められると、この水は堰部9を乗り越えて洗い場部6側に流れ出す。つまり、浴槽設置部7上に溜められる水の最高水位は図8中2点鎖線に示すレベルにあり、堰部9の上端の高さと一致している。すなわち、各防音材16a、16bの下端は浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置され、これにより各防音材16a、16bが浴槽10側の床面に溜まる水に浸かることが防止されている。
【0060】
以上説明した本実施形態の浴室装置では、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配設された防音材16aにより、微細気泡発生装置11のエプロン12側を覆い、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を防止することができる。なお、微細気泡発生装置11の使用音としては、ポンプ22の運転音、エジェクター27で気体を浴水に混合する際に生じる音、タンク28内で気体を加圧溶解させる際に生じる浴水の衝突音、タンク28内の余剰空気を空気逃がし弁により放出する際に発生する音、浴水が循環水路21を流れる際に生じる音等が挙げられる。
【0061】
また、エプロン12は微細気泡発生装置11の周囲にある床パン2、壁パネル3及び浴槽10の他の部材と比較して小型で且つ軽量であり、また、浴槽10及び床パン2に対して着脱自在に取り付けられるものであり、音や振動を比較的伝え易いものといえる。つまり、本実施形態ではこのようなエプロン12に微細気泡発生装置11の使用音が伝わることを防止するので、微細気泡発生装置11の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止することができるものである。
【0062】
また、微細気泡発生装置11で発生する使用音には、微細気泡発生装置11から第一の防音材16aとは反対側に向かい、図1に示す平面視環状の空間19における空間部19a、浴槽10の後側の空間部19c、及び空間部19bを順に経て、エプロン12に向かう音もある。しかし、本実施形態ではこのように微細気泡発生装置11で発生した音が浴槽10の後側を回りこんでエプロン12に伝わることを第二の防音材16bによって防止することができ、騒音や振動が生じることを一層防止することができる。また、この第二の防音材16bは浴槽10の微細気泡発生装置11とは反対側の離れた位置に配置されるため、微細気泡発生装置11の近くに第二の防音材を設けたものと比較して、運転時のポンプ22の熱がこもり難く、ポンプ22が過熱状態になり難い。
【0063】
さらに各防音材16a、16bの遮音材52は吸音材51のエプロン12側に積層されている。このため、微細気泡発生装置11から各防音材16a、16bに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰され拡散される。これによって微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0064】
また、各防音材16a、16bを浴槽10裏の上部より吊り下げることにより、空間19のエプロン対向位置に簡単に配設することができる。また、各防音材16a、16bをエプロン12に接触させることなく配設でき、これにより微細気泡発生装置11の使用音が防音材16a、16bを介してエプロン12に伝わることも防止でき、騒音及び振動の発生をより確実に防止できる。
【0065】
また、各防音材16a、16bは、一方の側端部を壁パネル3に沿わせ、他方の側端部を浴槽10に沿わせ、上端部を浴槽10裏面の上部に沿わせているので、空間19を各防音材16a、16bにより微細気泡発生装置11を配置した音源側とエプロン12側とに仕切ることができ、微細気泡発生装置11で発生した使用音がエプロン12側に伝わることを一層防止できる。
【0066】
なお、各防音材16a、16bの防音シート48は、図11に示すものに限定されるものではなく。例えば図12に示すように遮音材52のエプロン12側にPET不織布からなる吸音材54をさらに積層したもので遮音材52を通過した音を吸音材54でさらに減衰させることができる。ちなみに図12の例では吸音材54を吸音材51よりも薄くしてあり、吸音材51、遮音材52、及び吸音材54の夫々の厚みは、23mm、2mm、15mmに設定されている。
【0067】
(第二の実施形態)
次に上記第一の実施形態とは異なる第二の実施形態について説明する。なお以下の説明では第一の実施形態と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態の浴室装置では、防音材16a、16bに代えて、エプロン12の裏面(浴槽10側の面)に取り付けられる防音材16cが用いられている。
【0069】
防音材16cは第一の実施形態における図11に示す防音シート48や、図12に示す防音シート48等で構成され、微細気泡発生装置11から伝わってきた音は、吸音材51にて減衰された後、遮音材52で反射し、再び吸音材51で減衰されるようになっている。図12においては、遮音材52を通過した音を吸音材54で減衰させるようになっている。
【0070】
図14に示されるように防音材16cは、エプロン12の裏面の略全体を覆うものであり、また、エプロン12の外形よりも大きい形状であって、エプロン12の周囲より出るようにエプロン12の裏面に貼り付けられている。
【0071】
防音材16cの上端部、両側端部、及び下端部は、正面視でエプロン12から上方、外側方、下方の夫々に突出している。エプロン12を設置した状態では、これら防音材16cの上端部、両側端部、及び下端部の夫々が、浴槽10の洗い場側のフランジ部18の下面、エプロン12両側の壁パネル3、堰部9に密着し、あるいはこれらの近傍に配置される。
【0072】
本実施形態においても、エプロン12の裏面に設けられた防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12側に伝わることを抑制できる。また、エプロン12を設置するだけで、防音材16cを微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを防止できる位置に配置させることができ、施工時や、微細気泡発生装置11のメンテナンス時において、防音材16cを取り付ける作業が不要となる。
【0073】
また、防音材16cをエプロン12の周囲より出るように貼り付けたので、防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることだけでなく、エプロン12の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出す等することも防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【0074】
なお、防音材16cをエプロン12の周囲から出るように取り付けるにあたって、防音材6cの上端部、両側端部、及び下端部の全てがエプロン12から出るものでなくてもようによく、これらのうち1乃至複数箇所がエプロン12から出るものであってもよい。
【0075】
また、前記図14の例では防音材16cをエプロン12の周囲から食み出すようにしたが、図15に示されるように防音材16cがエプロン12から食み出さないようにしてもよく、さらに防音材16cはエプロン12の裏面において微細気泡発生装置11に対向する部分にのみ貼り付ける等してもよい。
【0076】
また、前記図13乃至図15の例では、浴槽側と洗い場側を一枚のエプロン12により仕切り、このエプロン12の裏面に防音材16cを貼り付けたが、これに代えて、図16に示すようにエプロン12を複数のエプロン分割体53で構成して、これら複数のエプロン分割体53で浴槽側と洗い場側を仕切り、且つ、これらエプロン分割体53の裏面に防音材16dを取り付けてもよい。
【0077】
図16の例では、エプロン12が長手方向において2個のエプロン分割体53に分割され、微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53が面積の大きな大エプロン53aとされ、反対側に位置するエプロン分割体53が面積の小さな小エプロン53bとされており、大エプロン53a及び小エプロン53bの夫々は単独で取り外しが行えるようになっている。このようにエプロン12を複数のエプロン分割体53で構成することで、施工やメンテナンス時には、比較的小型のエプロン分割体53を取り付けたり、取り外したりするだけでよく、施工性やメンテナンス性が向上する。
【0078】
大エプロン53aの裏面及び小エプロン53bの裏面には夫々防音材16dが貼り付けられている。各防音材16dは取り付けられるエプロン分割体53の裏面の略全体を覆い、また、エプロン分割体53の外形よりも大きい形状であって、エプロン分割体53の周囲より出るように貼り付けられている。
【0079】
本例においても、エプロン分割体53の裏面に取り付けられた防音材16dにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12側に伝わることを抑制できる。また、防音材16dをエプロン分割体53の周囲より出るように貼り付けたので、防音材16dにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン分割体53に伝わることだけでなく、エプロン分割体53の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出す等することも防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【0080】
なお、図16の例では防音材16dをエプロン分割体53の周囲から食み出すようにしたが、エプロン分割体53から食み出さないようにしてもよく、また、エプロン分割体53の裏面において部分的に貼り付けられるものであってもよい。
【0081】
また、上記では微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53を反対側に位置するエプロン分割体53(小エプロン53b)よりも大きい大エプロン53aとしたが、逆に微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53を反対側に位置するエプロン分割体53よりも小さい小エプロンとし、夫々に防音材を貼り付けてもよい。また、エプロン12は3以上のエプロン分割体に分割されるものであってもよい。さらに複数のエプロン分割体のうち任意のエプロン分割体53の裏面にのみ防音材を設け、防音材が設けられないエプロン分割体があってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 浴槽
11 微細気泡発生装置
12 エプロン
16a 防音材
16b 防音材
16c 防音材
16d 防音材
19 空間
51 吸音材
52 遮音材
【技術分野】
【0001】
本発明は微細気泡発生装置を備えた浴室装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に空気を混合し、混合した空気を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置が例えば特許文献1により知られている。
【0003】
この微細気泡発生装置は、浴槽内に径が小さく滞留時間の長い微細気泡を発生させることにより、微細気泡で入浴者を包み込んで温める保温効果や、微細気泡の衝突によって生じる微振動や微細気泡がはじけた際に発生する超音波による洗浄効果及びマッサージ効果、微細気泡によって浴水を白濁させる視覚的効果等が得られる。
【0004】
このような微細気泡発生装置は、一般的に、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び床の浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間に配置され、これによって浴室のスペースを有効利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−313464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、微細気泡発生装置の使用時には、ポンプの運転音や、気体を浴水に混合する際に生じる音、気体を加圧溶解させる際に生じる浴水の衝突音、余剰空気を放出する際に発生する音、浴水が循環水路を流れる際に生じる音等の様々な音が生じるものであり、この使用時の音が周囲に伝わって騒音や振動を生じさせ、快適な入浴が阻害される恐れがある。
【0007】
本発明は前記の事情に鑑みてなされたものであって、微細気泡発生装置の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止でき、微細気泡発生装置の使用時に快適な入浴を行うことができる浴室装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の浴室装置は以下の構成を有する。浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。該微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。そして、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に防音材16aが配設される。
【0009】
このような構成を有することで、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配設された防音材16aにより、微細気泡発生装置11のエプロン12側を覆い、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を効果的に防止することができる。
【0010】
また、微細気泡発生装置11が前記空間19における浴槽10の一端側に配設され、該微細気泡発生装置11とエプロン12との間に前記防音材16aが配設されると共に、前記空間19におけるエプロン対向位置で且つ浴槽10の他端側に他の防音材16bが配設されることが好ましい。
【0011】
微細気泡発生装置11の使用音が空間19における浴槽10の後側を回りこんでエプロン12に伝わることを防音材16bによって防止することができ、騒音や振動が生じることを一層防止することができる。また、この防音材16bは浴槽10の微細気泡発生装置11とは反対側の離れた位置に配置されるため、微細気泡発生装置11の近くに防音材を設けたものと比較して、微細気泡発生装置11の運転時に発生する熱がこもり難くなる。
【0012】
また、前記防音材16aがシート状の吸音材51と該吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52を備えることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11から防音材16aに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰される。このため、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0013】
また、前記防音材16aが浴槽10裏の上部より吊り下げられることで、前記空間19におけるエプロン対向位置に配設されることが好ましい。この場合、防音材16aを浴槽10裏の上部より吊り下げることにより、空間19のエプロン対向位置に簡単に配設することができる。また、防音材16aをエプロン12に接触させることなく配設でき、これにより微細気泡発生装置11の使用音が防音材16aを介してエプロン12に伝わることも防止でき、騒音及び振動の発生をより確実に防止できる。
【0014】
また、前記防音材16aは、一方の側端部が壁に沿い、他方の側端部が浴槽10に沿い、上端部が浴槽10裏面の上部に沿い、下端が浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置されていることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11で発生した使用音がエプロン12側に伝わることを一層防止でき、また、防音材16aの下端が浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置されるので、防音材16aが浴槽10側の床面に溜まる水に浸かることを防止できる。
【0015】
また、本発明の他の浴室装置は以下の構成を有する。浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置11を備える。該微細気泡発生装置11が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽10、及び浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12に囲まれた空間19におけるエプロン対向位置に配設される。そして、エプロン12の裏面に防音材16c又は16dが取り付けられる。
【0016】
このような構成を有することで、エプロン12の裏面に取り付けられた防音材16c又は16dにより、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を効果的に防止することができる。また、施工時や、微細気泡発生装置11のメンテナンス時において、防音材16c又は16dを取り付ける作業が不要となり、作業性が向上する。
【0017】
また、前記防音材16c又は16dがシート状の吸音材51と該吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52を備えていることが好ましい。この場合、微細気泡発生装置11から防音材16c又は16dに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰される。このため、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0018】
また、前記防音材16c又は16dがエプロン12の外形よりも大きい形状で、エプロン12の周囲より出るように貼り付けられることが好ましい。エプロン12の周囲より突出した防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出すことを防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、微細気泡発生装置の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止でき、微細気泡発生装置の使用時に快適な入浴を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一の実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図2】同上の浴室装置の斜視図である。
【図3】同上の微細気泡浴槽の概略構成を示す側面図である。
【図4】同上のエプロン及び防音材を取り外した状態における微細気泡発生装置の設置状態を示す斜視図である。
【図5】同上の気体溶解装置を示す説明図である。
【図6】図4のエプロン及び防音材を取り付けた状態を示し、エプロンを透視して表した斜視図である。
【図7】同上の要部水平断面図である。
【図8】同上の要部側断面図である。
【図9】同上の防音材の取付け状態を示す説明図である。
【図10】同上の防音材を示し、(a)は背面図であり、(b)は側面図である。
【図11】同上の防音シートの斜視図である。
【図12】他例の防音シートの斜視図である。
【図13】第二の実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図14】同上の防音材が貼り付けられたエプロンを示し、(a)は表側から見た斜視図であり、(b)は裏側から見た斜視図である。
【図15】他例の防音材が貼り付けられたエプロンを示し、(a)は表側から見た斜視図であり、(b)は裏側から見た斜視図である。
【図16】同上の防音材が貼り付けられたエプロンを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態につき説明する。
【0022】
(第一の実施形態)
まず、第一の実施形態について説明する。図1乃至図12に示す本実施形態の浴室装置は浴室に微細気泡浴槽1が設けてなる。
【0023】
浴室はユニットバスからなり、図2等に示すように床、壁、天井の夫々が、床パン2、床パン2の周囲に立設された壁パネル3、壁パネル3上に設けられた天井パネル5により構成されている。
【0024】
床パン2は平面視略矩形状であり、片側半部を構成する洗い場部6と、他側半部を構成する浴槽設置部7とで構成されている。洗い場部6には洗い場部6上の水を排出するための排水口8が形成されている。なお、洗い場部6と浴槽設置部7は一体に形成されるものであってもよいし、別体であってもよい。
【0025】
床パン2の洗い場部6と浴槽設置部7との境界部には、上方に突出する堰部9(図8参照)が形成され、堰部9によって浴槽設置部7から洗い場部6側及び洗い場部6から浴槽設置部7側に水が流れることが防止されている。
【0026】
微細気泡浴槽1は、浴槽設置部7上に設置された浴槽10と、浴槽10の裏側(すなわち湯を溜める内面とは反対側である外面側)に設けられた微細気泡発生装置11と、浴槽10側と洗い場側を仕切るエプロン12と、制御装置13と、操作器15と、防音材16a、16bとで構成されている。
【0027】
浴槽10は長手方向が洗い場部6の長手方向と平行となるよう設置され、槽部17と、槽部17の上縁に周設された外方に向けて突出するフランジ部18とで構成されている。
【0028】
エプロン12は堰部9上に立設され、エプロン12により堰部9とこの上方に位置する浴槽10のフランジ部18との間が覆われる。エプロン12は、上端部が浴槽10のフランジ部18に、下端部が堰部9に夫々直接あるいは係止具を介して着脱可能に係止されることで固定され、浴槽10及び床パン2に対して取り外し可能に設けられている。
【0029】
このように浴室に浴槽10及びエプロン12が設けられることにより、浴室には図1に示すように床パン2、壁パネル3、浴槽10、及びエプロン12によって囲まれた平面視環状の空間19が形成される。
【0030】
前記浴槽10を囲む平面視環状の空間19において、エプロン12に対向する位置(以下、エプロン対向位置と記載する)には微細気泡発生装置11が配設されている。この微細気泡発生装置11はエプロン12を取り外すことで設置やメンテナンスが容易に行えるようになっている。
【0031】
微細気泡発生装置11は、浴槽10から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽10内に吐出して浴槽10内に微細気泡を発生させるものである。
【0032】
図3に示すように微細気泡発生装置11は、両端がエプロン12に対向する浴槽10の前壁部20に接続された循環水路21と、循環水路21の一端から浴槽10内の浴水を吸い込むと共に循環水路21の他端から浴槽10内に浴水を吐出するためのポンプ22と、循環水路21においてポンプ22よりも下流側に設けられた気体溶解装置23とで構成されている。なお、図3では循環水路21の一端を構成する吸込口25と他端を構成する吐出口26とが槽部17の下部の一箇所にまとめて設けられているが、吸込口25と吐出口26は離間して設けられるものであってもよい。
【0033】
ポンプ22は天井パネル5上に設けられた制御装置13に接続され、その運転・停止の切換えは壁パネル3に設けられた操作器15を操作することで行えるようになっている。
【0034】
ポンプ22よりも上流側の循環水路21には、循環水路21を流れる浴水に気体を混合する気体混合部としてエジェクター27が設けられている。エジェクター27は気体溶解装置23で溶解される気体として外気である空気を浴水に混合するものである。
【0035】
気体溶解装置23では、ポンプ22から供給された浴水にエジェクター27で混合された空気が加圧溶解される。
【0036】
図5に示すように、気体溶解装置23はその主体が浴水を貯留するタンク28で構成されている。タンク28の上端部には溶解させる空気を貯留でき、タンク28内が所定圧力以上になるとタンク28内の余剰空気を図示しない空気逃がし弁により放出されるようになっている。
【0037】
タンク28の底部には、上流側の循環水路21に接続される流入口29と、下流側の循環水路21に接続される流出口30とが形成されている。
【0038】
タンク28内は、仕切り壁33により流入口29側の気液混合槽31と流出口30側の気液分離槽32とに区画されている。気液混合槽31と気液分離槽32は仕切り壁33の下部に設けられた水路35を介して連通すると共に仕切り壁33の上方に設けられた隙間36を介して連通している。水路35は気液分離槽32側に流れる浴水の流れ方向が斜め上方となるよう傾斜している。
【0039】
気液分離槽32は、仕切り壁33に対向する位置に設けられた気液分離壁37により、気液混合槽31側の上流部38と、流出口30側の下流部39とに区画されている。
【0040】
気液分離壁37の上端は仕切り壁33の上端よりも下方に位置し、気液分離壁37の上方には上流部38と下流部39とを連通させる上隙間40が形成されている。気液分離壁37の下方には、上流部38と下流部39とを連通させる下隙間41が形成されている。
【0041】
また、気体溶解装置23は気体循環経路45を備えている。気体循環経路45は、一端がタンク28の上端部に接続される取出口42からなり、他端がタンク28上流側の循環水路21の下流側端部に接続された取込口43からなる。
【0042】
ポンプ22の運転時にはタンク28の上端部に空気が加圧状態で貯留される。また、気液混合槽31では、流入口29から空気を含む浴水が気液混合槽31に噴出されて、タンク28の上壁部に勢いよく衝突し、また、浴水が攪拌され、これらの作用より浴水に含まれる空気及びタンク28の上端部に貯留された空気が浴水に溶け込む。
【0043】
この浴水は、水路35を介して気液分離槽32に流入し、気液分離槽32において未溶解の空気が分離され、この後、流出口30を経て下流側の循環水路21に流出する。そして、この浴水が吐出口26から浴槽10内に吐出されることで、浴水に溶解された空気が大気圧となった浴槽10内において径が小さく滞留時間の長い微細気泡として多量に析出し、この微細気泡により、保温効果、洗浄効果、マッサージ効果、及び浴水を白濁させる視覚的効果等が得られる。
【0044】
気体溶解装置23は、前記気液分離槽32で分離された未溶解の空気が気液分離槽32の上端部から隙間36を介して気液混合槽31の上端部に移動できるため、未溶解の空気を浴水に溶解させる空気として有効に利用することができる。
【0045】
また、水路35から気液分離槽32の上流部38に流入した浴水は、矢印aに示すように、気液分離壁37に沿って気液界面である液面付近まで上昇し、この後、気液分離壁37を乗り越えて下流部39に至る。このため前記浴水が気液分離壁37を乗り越えるときにも気液分離がなされ、気液分離がより一層促進される。
【0046】
また、ポンプ22の運転時には、気体循環経路45の取込口43が接続された流入口29近傍の循環水路21では浴水の流れにより低圧となり、また、未溶解の空気が貯留されたタンク28の上端部は比較的高圧になる。このため、循環水路21の取出口42近傍の部分とタンク28の取込口43近傍の部分との間には圧力差が生じ、これによってタンク28の上端部の余剰空気は取出口42から気体循環経路45に引き抜かれ、取込口43からタンク28上流側の循環水路21への送り出される。このように、タンク28内に貯留している未溶解の空気を気泡として流体に取り込むことができるので、浴水とこれに含まれる空気の接触時間を長くすることができ、空気をより一層浴水に溶解させることができる。なお、気体溶解装置23としては図5に示すものの他、従来から知られている種々の気体溶解装置を用いてもよいものとする。
【0047】
微細気泡発生装置11は、図4等に示すようにポンプ22が脚46を介して浴槽設置部7上に設けられ、ポンプ22上に気体溶解装置23が設けられている。これにより、微細気泡発生装置11の一部を構成するポンプ22及び気体溶解装置23は、前記浴槽10を囲む平面視環状の空間19における洗い場側の一方のコーナー部に配置されている。また、循環水路21の両端は、浴槽10の槽部17において前記一方のコーナー部に偏った箇所に接続されている。すなわち、微細気泡発生装置11を構成するポンプ22、気体溶解装置23、及び循環水路21の全ては、空間19におけるエプロン対向位置で且つ浴槽10の長手方向の一端側に配設されている。
【0048】
図7等に示すように上記空間19におけるエプロン対向位置にはシート状の防音材16a、16bが配設されている。図1のように第一の防音材16aは微細気泡発生装置11が設けられた浴槽10の長手方向の一端側に配置され、第二の防音材16bは浴槽10の長手方向の他端側に配置されている。
【0049】
各防音材16a、16bは、図8等に示されるように浴槽10裏の上部に位置する洗い場側のフランジ部18に吊り下げられ、取付けシート47と、取付けシート47の浴槽10側に臨む背面に取着された防音シート48とで構成されている。
【0050】
図10に示すように取付けシート47の上端部は防音シート48よりも上方に突出し、該突出部分はフランジ部18の下面に取り付けられる取付け部49を構成している。
【0051】
取付け部49はスナップファスナーからなる取付け手段を介してフランジ部18の下面に着脱自在に取り付けられる。スナップファスナーを構成する雌雄対をなすスナップ50a、50bのうち一方のスナップ50aが取付け部49に左右に複数設けられ、これらスナップ50aがフランジ部18の下面に設けられた対応する他方のスナップ50bに着脱自在に嵌着されることで、防音材16a、16bは浴槽10裏の上部に吊り下げられる。
【0052】
なお、各防音材16a、16bをフランジ部18に取り付けた状態では、図9に示すように取付け部49をエプロン12側に曲げてその先端部をフランジ部18の下面に突設された突出部44に当接してもよいし、図8のように取付け部49を浴槽10側に曲げて、フランジ部18の下面に沿わしてもよい。また、取付け部49は面ファスナー等のその他の取付け手段により浴槽10裏の上部に取り付けられるものであってもよい。また、取付け部49は、図10(b)に示されるように、例えば取付けシート47の上端部を折り返した後、縫い付けることで形成される二重のシート部分で構成されるものであってもよい。
【0053】
防音シート48は取付けシート47に縫い付けられることで固定されている。図10(a)の二点鎖線は前記取付け部49や防音シート48の縫い付け箇所を示している。なお、防音シート48は接着や両面テープ等により取付けシート47に張り付けられるものであってもよい。
【0054】
防音シート48は、シート状の吸音材51と、吸音材51のエプロン12側に積層されたシート状の遮音材52とで構成されている。吸音材51と遮音材52は両面テープを介して貼り合わされる。
【0055】
吸音材51はPET不織布からなり、微細気泡発生装置11から伝わってくる音をPET繊維で減衰させ、吸音する。遮音材52は吸音材51よりも薄いブチル系ゴムシートからなり、吸音材51を通過した音がエプロン12側に伝わることを防止する。例えば吸音材51の厚みは23mm、遮音材52の厚みは2mmに設定される。
【0056】
各防音材16a、16bは、図1に示すように浴槽10の長手方向の両側の壁部とこれに対向する壁パネル3との間に形成される空間部19a、19bをエプロン12側から覆うように配置されている。
【0057】
このうち第一の防音材16aは微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配置されている。防音材16aの両側端部は、エプロン12と反対側に曲げられて、夫々が浴槽10の前壁部20と浴槽10の長手方向の壁部に対向する壁パネル3に密着している。また、防音材16aにあっては、防音シート48が微細気泡発生装置11のポンプ22、気体溶解装置23、及び循環水路21の全てに対向するよう配設されている。
【0058】
他方、第二の防音材16bは浴槽10の前壁部20と略平行とされ、浴槽側が浴槽10の前壁部20に当接し、浴槽10と反対側の端部が壁パネル3に密着している。
【0059】
また、図8に示すように各防音材16a、16bの下端は堰部9よりも上方において堰部9に沿って配置される。浴槽設置部7上に所定量以上の水が溜められると、この水は堰部9を乗り越えて洗い場部6側に流れ出す。つまり、浴槽設置部7上に溜められる水の最高水位は図8中2点鎖線に示すレベルにあり、堰部9の上端の高さと一致している。すなわち、各防音材16a、16bの下端は浴槽10側の床面の最高水位よりも高位置に配置され、これにより各防音材16a、16bが浴槽10側の床面に溜まる水に浸かることが防止されている。
【0060】
以上説明した本実施形態の浴室装置では、微細気泡発生装置11とエプロン12の間に配設された防音材16aにより、微細気泡発生装置11のエプロン12側を覆い、微細気泡発生装置11の使用時において発生する使用音がエプロン12側に伝わることを抑制でき、これによりエプロン12を伝わることによって生じる騒音や振動を防止することができる。なお、微細気泡発生装置11の使用音としては、ポンプ22の運転音、エジェクター27で気体を浴水に混合する際に生じる音、タンク28内で気体を加圧溶解させる際に生じる浴水の衝突音、タンク28内の余剰空気を空気逃がし弁により放出する際に発生する音、浴水が循環水路21を流れる際に生じる音等が挙げられる。
【0061】
また、エプロン12は微細気泡発生装置11の周囲にある床パン2、壁パネル3及び浴槽10の他の部材と比較して小型で且つ軽量であり、また、浴槽10及び床パン2に対して着脱自在に取り付けられるものであり、音や振動を比較的伝え易いものといえる。つまり、本実施形態ではこのようなエプロン12に微細気泡発生装置11の使用音が伝わることを防止するので、微細気泡発生装置11の使用時に騒音や振動が生じることを効果的に防止することができるものである。
【0062】
また、微細気泡発生装置11で発生する使用音には、微細気泡発生装置11から第一の防音材16aとは反対側に向かい、図1に示す平面視環状の空間19における空間部19a、浴槽10の後側の空間部19c、及び空間部19bを順に経て、エプロン12に向かう音もある。しかし、本実施形態ではこのように微細気泡発生装置11で発生した音が浴槽10の後側を回りこんでエプロン12に伝わることを第二の防音材16bによって防止することができ、騒音や振動が生じることを一層防止することができる。また、この第二の防音材16bは浴槽10の微細気泡発生装置11とは反対側の離れた位置に配置されるため、微細気泡発生装置11の近くに第二の防音材を設けたものと比較して、運転時のポンプ22の熱がこもり難く、ポンプ22が過熱状態になり難い。
【0063】
さらに各防音材16a、16bの遮音材52は吸音材51のエプロン12側に積層されている。このため、微細気泡発生装置11から各防音材16a、16bに到達した音は、まず吸音材51にて減衰され、この後、遮音材52で反射して再び吸音材51で減衰され拡散される。これによって微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを一層防止できる。
【0064】
また、各防音材16a、16bを浴槽10裏の上部より吊り下げることにより、空間19のエプロン対向位置に簡単に配設することができる。また、各防音材16a、16bをエプロン12に接触させることなく配設でき、これにより微細気泡発生装置11の使用音が防音材16a、16bを介してエプロン12に伝わることも防止でき、騒音及び振動の発生をより確実に防止できる。
【0065】
また、各防音材16a、16bは、一方の側端部を壁パネル3に沿わせ、他方の側端部を浴槽10に沿わせ、上端部を浴槽10裏面の上部に沿わせているので、空間19を各防音材16a、16bにより微細気泡発生装置11を配置した音源側とエプロン12側とに仕切ることができ、微細気泡発生装置11で発生した使用音がエプロン12側に伝わることを一層防止できる。
【0066】
なお、各防音材16a、16bの防音シート48は、図11に示すものに限定されるものではなく。例えば図12に示すように遮音材52のエプロン12側にPET不織布からなる吸音材54をさらに積層したもので遮音材52を通過した音を吸音材54でさらに減衰させることができる。ちなみに図12の例では吸音材54を吸音材51よりも薄くしてあり、吸音材51、遮音材52、及び吸音材54の夫々の厚みは、23mm、2mm、15mmに設定されている。
【0067】
(第二の実施形態)
次に上記第一の実施形態とは異なる第二の実施形態について説明する。なお以下の説明では第一の実施形態と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態の浴室装置では、防音材16a、16bに代えて、エプロン12の裏面(浴槽10側の面)に取り付けられる防音材16cが用いられている。
【0069】
防音材16cは第一の実施形態における図11に示す防音シート48や、図12に示す防音シート48等で構成され、微細気泡発生装置11から伝わってきた音は、吸音材51にて減衰された後、遮音材52で反射し、再び吸音材51で減衰されるようになっている。図12においては、遮音材52を通過した音を吸音材54で減衰させるようになっている。
【0070】
図14に示されるように防音材16cは、エプロン12の裏面の略全体を覆うものであり、また、エプロン12の外形よりも大きい形状であって、エプロン12の周囲より出るようにエプロン12の裏面に貼り付けられている。
【0071】
防音材16cの上端部、両側端部、及び下端部は、正面視でエプロン12から上方、外側方、下方の夫々に突出している。エプロン12を設置した状態では、これら防音材16cの上端部、両側端部、及び下端部の夫々が、浴槽10の洗い場側のフランジ部18の下面、エプロン12両側の壁パネル3、堰部9に密着し、あるいはこれらの近傍に配置される。
【0072】
本実施形態においても、エプロン12の裏面に設けられた防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12側に伝わることを抑制できる。また、エプロン12を設置するだけで、防音材16cを微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることを防止できる位置に配置させることができ、施工時や、微細気泡発生装置11のメンテナンス時において、防音材16cを取り付ける作業が不要となる。
【0073】
また、防音材16cをエプロン12の周囲より出るように貼り付けたので、防音材16cにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12に伝わることだけでなく、エプロン12の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出す等することも防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【0074】
なお、防音材16cをエプロン12の周囲から出るように取り付けるにあたって、防音材6cの上端部、両側端部、及び下端部の全てがエプロン12から出るものでなくてもようによく、これらのうち1乃至複数箇所がエプロン12から出るものであってもよい。
【0075】
また、前記図14の例では防音材16cをエプロン12の周囲から食み出すようにしたが、図15に示されるように防音材16cがエプロン12から食み出さないようにしてもよく、さらに防音材16cはエプロン12の裏面において微細気泡発生装置11に対向する部分にのみ貼り付ける等してもよい。
【0076】
また、前記図13乃至図15の例では、浴槽側と洗い場側を一枚のエプロン12により仕切り、このエプロン12の裏面に防音材16cを貼り付けたが、これに代えて、図16に示すようにエプロン12を複数のエプロン分割体53で構成して、これら複数のエプロン分割体53で浴槽側と洗い場側を仕切り、且つ、これらエプロン分割体53の裏面に防音材16dを取り付けてもよい。
【0077】
図16の例では、エプロン12が長手方向において2個のエプロン分割体53に分割され、微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53が面積の大きな大エプロン53aとされ、反対側に位置するエプロン分割体53が面積の小さな小エプロン53bとされており、大エプロン53a及び小エプロン53bの夫々は単独で取り外しが行えるようになっている。このようにエプロン12を複数のエプロン分割体53で構成することで、施工やメンテナンス時には、比較的小型のエプロン分割体53を取り付けたり、取り外したりするだけでよく、施工性やメンテナンス性が向上する。
【0078】
大エプロン53aの裏面及び小エプロン53bの裏面には夫々防音材16dが貼り付けられている。各防音材16dは取り付けられるエプロン分割体53の裏面の略全体を覆い、また、エプロン分割体53の外形よりも大きい形状であって、エプロン分割体53の周囲より出るように貼り付けられている。
【0079】
本例においても、エプロン分割体53の裏面に取り付けられた防音材16dにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン12側に伝わることを抑制できる。また、防音材16dをエプロン分割体53の周囲より出るように貼り付けたので、防音材16dにより、微細気泡発生装置11の使用音がエプロン分割体53に伝わることだけでなく、エプロン分割体53の周囲の隙間から洗い場側に漏れ出す等することも防止でき、騒音や振動の発生を確実に防止することができる。
【0080】
なお、図16の例では防音材16dをエプロン分割体53の周囲から食み出すようにしたが、エプロン分割体53から食み出さないようにしてもよく、また、エプロン分割体53の裏面において部分的に貼り付けられるものであってもよい。
【0081】
また、上記では微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53を反対側に位置するエプロン分割体53(小エプロン53b)よりも大きい大エプロン53aとしたが、逆に微細気泡発生装置11側に位置するエプロン分割体53を反対側に位置するエプロン分割体53よりも小さい小エプロンとし、夫々に防音材を貼り付けてもよい。また、エプロン12は3以上のエプロン分割体に分割されるものであってもよい。さらに複数のエプロン分割体のうち任意のエプロン分割体53の裏面にのみ防音材を設け、防音材が設けられないエプロン分割体があってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 浴槽
11 微細気泡発生装置
12 エプロン
16a 防音材
16b 防音材
16c 防音材
16d 防音材
19 空間
51 吸音材
52 遮音材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置を備え、該微細気泡発生装置が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間におけるエプロン対向位置に配設され、微細気泡発生装置とエプロンの間に防音材が配設されていることを特徴とする浴室装置。
【請求項2】
微細気泡発生装置が前記空間における浴槽の一端側に配設され、該微細気泡発生装置とエプロンとの間に前記防音材が配設されると共に、前記空間におけるエプロン対向位置で且つ浴槽の他端側に他の防音材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室装置。
【請求項3】
前記防音材がシート状の吸音材と該吸音材のエプロン側に積層されたシート状の遮音材を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浴室装置。
【請求項4】
前記防音材が浴槽裏の上部より吊り下げられることで、前記空間におけるエプロン対向位置に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浴室装置。
【請求項5】
前記防音材は、一方の側端部が壁に沿い、他方の側端部が浴槽に沿い、上端部が浴槽裏面の上部に沿い、下端が浴槽側の床面の最高水位よりも高位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の浴室装置。
【請求項6】
浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置を備え、該微細気泡発生装置が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間におけるエプロン対向位置に配設され、エプロンの裏面に防音材が取り付けられていることを特徴とする浴室装置。
【請求項7】
前記防音材がシート状の吸音材と該吸音材のエプロン側に積層されたシート状の遮音材を備えていることを特徴とする請求項6に記載の浴室装置。
【請求項8】
前記防音材がエプロンの外形よりも大きい形状で、エプロンの周囲より出るように貼り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の浴室装置。
【請求項1】
浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置を備え、該微細気泡発生装置が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間におけるエプロン対向位置に配設され、微細気泡発生装置とエプロンの間に防音材が配設されていることを特徴とする浴室装置。
【請求項2】
微細気泡発生装置が前記空間における浴槽の一端側に配設され、該微細気泡発生装置とエプロンとの間に前記防音材が配設されると共に、前記空間におけるエプロン対向位置で且つ浴槽の他端側に他の防音材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室装置。
【請求項3】
前記防音材がシート状の吸音材と該吸音材のエプロン側に積層されたシート状の遮音材を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浴室装置。
【請求項4】
前記防音材が浴槽裏の上部より吊り下げられることで、前記空間におけるエプロン対向位置に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浴室装置。
【請求項5】
前記防音材は、一方の側端部が壁に沿い、他方の側端部が浴槽に沿い、上端部が浴槽裏面の上部に沿い、下端が浴槽側の床面の最高水位よりも高位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の浴室装置。
【請求項6】
浴槽から浴水を吸い込み、吸い込んだ浴水に気体を混合し、混合した気体を浴水に溶解させ、該浴水を浴槽内に吐出して浴槽内に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置を備え、該微細気泡発生装置が、床、床の周囲に配設された壁、床上に配設された浴槽、及び浴槽側と洗い場側を仕切るエプロンに囲まれた空間におけるエプロン対向位置に配設され、エプロンの裏面に防音材が取り付けられていることを特徴とする浴室装置。
【請求項7】
前記防音材がシート状の吸音材と該吸音材のエプロン側に積層されたシート状の遮音材を備えていることを特徴とする請求項6に記載の浴室装置。
【請求項8】
前記防音材がエプロンの外形よりも大きい形状で、エプロンの周囲より出るように貼り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の浴室装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−30951(P2011−30951A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182678(P2009−182678)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]