説明

浴槽装置

【課題】浴槽と兼用することができ、入浴者にリラックスした状態で運動させることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置11において、浴槽12の背側面12aに体幹揺動部13を設ける。体幹揺動部13の一部は浴槽12の内部に露出させ、その露出部分の少なくとも一部は、浴槽12に対して移動可能な移動部14とする。また、浴槽装置11には、体幹揺動部13を駆動して移動部14を移動させる駆動部15を設ける。そして、入浴者が浴槽12内に入り、背中を背側面12aに当接させた状態で、駆動部15が体幹揺動部13を駆動することにより、入浴者の入浴姿勢を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的に健康志向が高まり、フィットネスやエクササイズなどの運動によって健康管理を行いたいという要求が高まっている。また、入浴中に手軽に運動したいという要望もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面であり、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の装置は、入浴者に単にマッサージを施すだけであるため、指圧効果によって入浴者の血行の促進を図ることはできても、入浴者に運動させることはできない。
【0004】
また、特許文献2には、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術が開示されている。踏み台にはバネによって踏み込み負荷が与えられており、入浴者は座位姿勢のまま片足で踏み台を踏み込むことにより、運動することができる。しかしながら、普段から運動習慣の無い人が運動を行うには、相当な意志の力を要する。特に、入浴時はリラックスした精神状態になっているため、意志の力を発揮することは困難である。このため、浴槽内に運動器具を設置しても、運動が長続きしないことが予想される。一方、無理に運動しようとすると、リラックスした精神状態になれないため、入浴によるリラックス効果が損われるという問題もある。
【0005】
更に、特許文献3には、水槽内に椅子状の水中運動具を設置する技術が開示されている。特許文献3には、人がこの水中運動具に跨った状態で、この水中運動具を上下・水平方向に変位させると、人に無意識に運動させることができると記載されている。しかしながら、この水中運動具を設置するためには、ある程度の深さを持つ水槽が必要となる。また、水槽の中央部に椅子状の水中運動具が固定されてしまう。このため、このような水槽を一般の住宅に設置された浴槽と兼用することは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2000−233010号公報
【特許文献2】特開2003−236014号公報
【特許文献3】特開2006−006582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、浴槽と兼用することができ、入浴者にリラックスした状態で運動させることができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、浴槽と、少なくとも一部が前記浴槽の背側の内面に露出し、前記露出した部分の少なくとも一部が前記背側の内面に対して移動可能な移動部となる体幹揺動部と、前記体幹揺動部を駆動して前記移動部を移動させる駆動部と、を備え、入浴者がその背中を前記移動部に当接させた状態で、前記駆動部が前記体幹揺動部を駆動することにより、前記入浴者の入浴姿勢を変化させることを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴槽と兼用することができ、入浴者がリラックスした状態で運動することができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、浴槽12が設けられている。浴槽12の形状は略直方体形状であり、長手方向の一端部の内面は、入浴者が入浴姿勢をとったときにその背中が接触する背側面12aとなっており、長手方向の他端部の内面は、入浴者の足裏に対向する足側面12bとなっている。すなわち、背側面12aは浴槽12の背側の内面であり、足側面12bは浴槽12の足側の内面である。背側面12aと足側面12bとは、底面12cを挟んで相互に対向している。
【0011】
背側面12aには、体幹揺動部13が設けられている。体幹揺動部13の一部は背側面12aに露出しており、この露出した部分が背側面12aに対して移動可能な移動部14となっている。例えば、移動部14は2ヶ所設けられており、背側面12aの上部に配置されており、背側面12aの上下方向に延びる中心線に関して対称な位置に、水平方向に沿って配列されている。移動部14間の距離、すなわち、移動部14の中心軸間の距離は、例えば200乃至400ミリメートル(mm)である。
【0012】
各移動部14は、背側面12aに交差する方向に移動可能とされている。すなわち、各移動部14は、背側面12aと略同一平面上の位置にある状態(以下、「標準状態」という)と、背側面12aから突出して浴槽12の内部に向けて進出した状態(以下、「進出状態」という)との間で往復運動する。移動部14の進出量、すなわち、移動部14が進出状態にあるときの移動部14の位置と移動部14が標準状態にあるときの移動部14の位置との間の距離は、例えば50ミリメートル以上である。なお、移動部14が標準状態にあるときに、移動部14は必ずしも背側面12aと同一平面上に位置していなくてもよく、例えば、背側面12aから僅かに突出していてもよい。
【0013】
また、浴槽装置11には、体幹揺動部13を駆動して移動部14を往復運動させる駆動部15が設けられている。駆動部15は浴槽12の外部に配置されており、体幹揺動部13に接続されている。
【0014】
一例では、体幹揺動部13には2個のエアバッグが設けられており、各エアバッグはその一端部が浴槽12に対して固定され、他端部が自由端となっており、この自由端部分が移動部14となっている。一方、駆動部15にはこれらのエアバッグに対してエアーを供給するポンプが設けられている。
【0015】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
図2(a)及び(b)は、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する部分斜視図であり、
図3は、本実施形態における入浴者の体幹の変化を例示する上面図である。
【0016】
図1に示すように、2ヶ所の移動部14をいずれも標準状態とし、浴槽12内に湯(図示せず)を入れた状態で、入浴者(図示せず)が浴槽12内に入り、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者は、背中を背側面12aに当接させ、腰部を底面12cに当接させ、足裏を足側面12bに当接させ、無意識に背中、腰部及び足裏を浴槽12に対して押し付けることにより、浮力に抗して姿勢を保持する。また、移動部14は入浴者の背中に相当する位置に位置するが、標準状態となっているため、入浴者の背中は背側面12aに接触する。なお、移動部14が標準状態にあるときに背側面12aから僅かに突出している場合は、入浴者の背中は移動部14に接触し、背側面12aには必ずしも接触しない。但し、以下の説明では、移動部14が標準状態にあるときは、入浴者の背中が背側面12aに接触するものとして説明する。
【0017】
この状態で、駆動部15が体幹揺動部13を駆動して、移動部14を背側面12aに対して交差する方向に往復運動させる。これにより、各移動部14は、標準状態と進出状態とを交互に実現する。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態においては、体幹揺動部13は、移動部14を浴槽12の内部に向けて交互に進出させる。すなわち、ある期間には、図2(a)に示すように、入浴者から見て右側の移動部14を進出状態とし、左側の移動部14を標準状態とする。そして、次の期間には、図2(b)に示すように、入浴者から見て左側の移動部14を進出状態とし、右側の移動部14を標準状態とする。この動作を繰り返すことにより、1対の移動部14を相互に逆位相で往復運動させる。
【0018】
これにより、移動部14が、入浴者の背中の右側部分及び左側部分を交互に押圧し、前方に押し出す。そうすると、背中の右側部分及び左側部分のうち、移動部14が標準状態となった方の部分は背側面12aに接触し、移動部14が進出状態となった方の部分は背側面12aから離隔する。すなわち、背中の右側部分及び左側部分が交互に背側面12aから離れる。この結果、体幹が往復回動する。
【0019】
そして、このような動作により、入浴者の入浴姿勢の保持部である足、腰、背中のうちの一ヶ所(背中)が変化し、入浴姿勢のバランスが崩れそうになる。このとき、入浴者は、それまでの姿勢を保とうとして、浮力に抗して無意識に全身の筋肉を働かせて入浴姿勢を維持しようとし、補償動作をとる。これにより、入浴者は無意識に運動することになる。このように、本実施形態によれば、駆動部15が体幹揺動部13を駆動することにより、入浴者の入浴姿勢を変化させて、入浴者に他動運動させることができる。なお、「他動運動」とは、人が自分の筋力ではなく外力を利用して行う運動をいい、本明細書においては、上述の如く外力によって姿勢を崩された場合の補償動作も含むものとする。
【0020】
次に、本実施形態を具体的数値例を用いて説明する。
移動部間の距離:200乃至400ミリメートル
上述の如く、本実施形態においては、移動部14の動作により入浴者の体幹を回動させている。図3に示すように、移動部間の距離が200ミリメートル未満であると、入浴者Mが体幹の中心を2ヶ所の移動部間の等距離面上に位置させたときに、各移動部は体幹の中心から100ミリメートル未満の位置を押圧することになる。この場合、移動部は体幹の中心付近の柔らかい筋肉部を押圧するため、体幹に食い込んでしまい、体幹がうまく回動しないことがある。これに対して、体幹の中心軸から100ミリメートル以上の位置を押圧すれば、硬い肩甲骨付近を押圧することができ、また、体幹の中心から離隔した位置を押すため、体幹に回転モーメントを与えることができるため、体幹を確実に回転させることができる。
【0021】
一方、移動部間の距離が400ミリメートルを超えると、入浴者の体格によっては、移動部が入浴者の背中からはみ出してしまい、背中にうまく当接しないことがある。従って、移動部間の距離は200乃至400ミリメートルであることが好ましい。なお、特許文献1に記載されているようなマッサージを目的とする装置では、入浴者の体幹を回転させずに押し玉を脊柱起立筋などの筋肉に食い込ませて指圧していると考えられるため、押し玉間の距離は60ミリメートル程度であると考えられる。
【0022】
移動部の進出量:50ミリメートル以上
上述の如く、本実施形態においては、入浴者の体幹に外力を加えて入浴姿勢を変化させることにより、入浴者のバランスを崩し、入浴者に補償動作を行わせている。このとき、入浴者に歩行動作を模擬した運動を行わせると、より高い運動効果を得ることができる。通常、人が歩行する際には、足関節は屈曲状態と伸展状態との間で約30度変化する。また、膝関節は約60度変化する。そして、体幹(上半身)の上部と下部とは相互に逆方向に回転し、その回転角度は左右合計で約30度である。このため、歩行動作を模すためには、体幹を片側15度以上回転させることが好ましい。
【0023】
図3に示すように、移動部間の距離が400ミリメートルである場合、すなわち、入浴者Mが体幹の中心を移動部間の等距離面上に位置させたときに、各移動部が体幹の中心軸から200ミリメートル離隔している場合は、進出量を50ミリメートル以上とすれば、片側の回転角度は約15度以上となる。従って、移動部の進出量を50ミリメートル以上とすれば、移動部間の距離が400ミリメートル以下であるときは常に、体幹の片側回転角度を約15度以上とすることができる。よって、移動部の進出量は50ミリメートル以上であることが好ましい。
【0024】
なお、移動部間の距離が400ミリメートル未満である場合は、移動部の進出量を50ミリメートル未満としても、体幹の片側回転角度を15度以上とすることができる。すなわち、移動部間の距離を2Lとし、進出量をXとするとき、X≧L×tan15°であればよい。例えば、移動部間の距離が200ミリメートルである場合、すなわち、移動部が体幹の中心から100ミリメートル離隔している場合は、進出量を30ミリメートル以上とすれば、片側の回転角度は15度以上となる。なお、特許文献1に記載されているようなマッサージを目的とする装置では、入浴者の背中を浴槽の背側面から離隔させずに筋肉を押圧するため、押し玉の進出量は筋肉に食い込むことができる程度の量とする必要があり、30ミリメートル未満であると考えられる。
【0025】
以下、本実施形態の効果について説明する。
上述の如く、本実施形態によれば、駆動部15が体幹揺動部13を駆動することにより、入浴者に運動をさせることができる。この運動は外部から与えられる他力的な他動運動であり、入浴者の意志によって行われる自動運動ではないため、入浴者の意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、リラックスした状態で運動することができる。これにより、入浴による温熱効果と合わせて、より効果的な運動効果を得ることができる。更に、入浴者が運動することにより、浴槽内に入浴者の動きに応じた水流が発生し、この水流が入浴者の動きに逆らう抵抗として作用するため、より高い運動効果を得ることができる。更にまた、この水流により入浴者の周囲の温度境界層が常に破壊されるため、入浴者が温まり易く、運動効果が高い。
【0026】
更にまた、全ての移動部を標準状態とすれば、浴槽12を通常の浴槽として使用することができるため、浴槽装置11は一般家庭の浴槽として設置することができる。これにより、上述の運動を入浴という日常行為の中で行うことができ、継続が容易である。
【0027】
更にまた、本実施形態においては、移動部14を背側面12aの上部に配置している。これにより、移動部14を入浴者の背中に確実に当接させることができる。背中には、水上に位置する頭部及び肩部の自重がかかるため、この自重を利用して、背中を移動部14に強く押し付けることができる。この結果、上述の運動を効果的に行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4(a)及び(b)は、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する断面図であり、(a)は全ての移動部が進出状態になっている場合を示し、(b)は全ての移動部が標準状態になっている場合を示す。
【0029】
本実施形態に係る浴槽装置の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、移動部の動作パターンが異なっている。すなわち、図4(a)に示すように、左右1対の移動部14が共に進出状態になる状態と、図4(b)に示すように、左右1対の移動部14が共に標準状態になる状態と、を繰り返す。そして、図4(a)に示すように、1対の移動部14が共に進出状態になると、入浴者Mの姿勢は前屈姿勢となる。一方、図4(b)に示すように、1対の移動部14が共に標準状態になると、入浴者Mの姿勢は通常の入浴姿勢に戻る。
【0030】
本実施形態によれば、左右1対の移動部14が同位相で標準状態と進出状態とを繰り返すことにより、入浴者Mに前屈運動をさせることができる。これにより、腹筋及び背筋、特に脊柱起立筋R1を鍛えることができる。また、このとき、入浴者Mには浮力が作用し、腰が浮き気味になるため、入浴者は足を突っ張ることにより足裏で足側面12bを強く押圧して入浴姿勢を保つ必要がある。これにより、姿勢維持に必要な筋肉、特に、足関節が背屈になったときに押力を発揮する筋肉、すなわち、腓腹筋及びヒラメ筋R2を鍛えることができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態においては、移動部14は必ずしも2ヶ所設ける必要はなく、背側面12aの中央部に1ヶ所のみ設けてもよい。
【0031】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5乃至図7は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、図5は背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示し、図6は背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示し、図7は背当板が中立状態にある場合を示す。
図8(a)及び(b)は、本実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する上面図であり、(a)は背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示し、(b)は背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示す。
【0032】
図5乃至図7に示すように、本実施形態に係る浴槽装置21には浴槽22が設けられており、浴槽22の背側面22aには体幹揺動部23が設けられており、体幹揺動部23には背当板26が設けられている。背当板26は背側面22aの上部に配置されており、左右にシーソー状に回動する。また、浴槽22の上方には、ヘッドレスト28が設けられており、浴槽22の背側部分の直上域付近に配置されている。これにより、入浴者が入浴姿勢をとると、後頭部がヘッドレスト28に当接する。
【0033】
以下、背当板26及びその周辺部分の詳細な構成について説明する。
図8(a)及び(b)に示すように、背当板26は、長方形の板材が略「く」字形状に湾曲されたものであり、浴槽22の内部に面した表面26aに、人の背中に合わせた凹曲面が形成されている。従って、背当板26の裏面26bには凸曲面が形成されている。また、背当板26の長手方向は水平方向に延びており、背当板26の長手方向中央部には、浴槽22の背側面22aに沿って上下方向に延びる回動軸26eが設けられている。これにより、背当板26は、この回動軸26eを中心として背側面22aに対して回動可能に支持されている。更に、背当板26の長手方向の長さは例えば200乃至400ミリメートルである。
【0034】
また、体幹揺動部23における背当板26の裏側には、2個のエアバッグ27a及び27bが設けられており、それぞれ背当板26の両端部26c及び26dに裏面側から当接している。エアバッグ27a及び27bの形状は例えば蛇腹形状であり、背当板26に当接していない側の端部は、浴槽22に対して固定されている。エアバッグ27a及び27bには、駆動部(図示せず)に設けられたポンプから、エアーが供給される。
【0035】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図9(a)及び(b)は、本実施形態における入浴者の状態を例示する斜視図であり、(a)は背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示し、(b)は背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示す。
図8(a)及び(b)に示すように、浴槽装置21において、駆動部がエアバッグ27a及び27bに交互にエアーを供給する。これにより、背当板26が左右に往復回動する。
【0036】
具体的には、図5及び図8(a)に示すように、駆動部がエアバッグ27aにエアーを注入すると、エアバッグ27aが蛇腹の配列方向に沿って伸張し、背当板26の端部26cを浴槽22の内部、すなわち、浴槽22の足側に向けて押圧する。これにより、背当板26が回動軸26eを中心として、上方から見て反時計回りに回動し、端部26cが浴槽22の内部に向けて進出する。すなわち、移動部としての端部26cが進出状態になる。このとき、移動部としての端部26dは背側面22aの略同一平面上に位置し、標準状態となる。これにより、エアバッグ27bが圧縮され、エアバッグ27b内のエアーが強制的に排出される。この結果、図9(a)に示すように、入浴者Mの体幹が右半身が前方に出るように捻られる。
【0037】
同様に、図6及び図8(b)に示すように、駆動部がエアバッグ27bにエアーを注入すると、背当板26は上方から見て時計回りに回動し、端部26dが進出状態となり、端部26cが標準状態となる。これにより、図9(b)に示すように、入浴者Mの左半身が前方に出るように体幹が捻られる。端部26c及び26dの移動距離(進出量)は、例えば、50ミリメートル以上である。
一方、図7に示すように、入浴者が通常の入浴を行うときには、背当板26を中立位置において固定し、端部26c及び26dを同程度に進出させる。
【0038】
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述の如く、本実施形態においては、背当板26が左右に回動することにより、入浴者Mの体幹を左右に捻り、入浴者Mに他動運動させることができる。これにより、特に捻りに関する筋肉を鍛えることができる。また、入浴者の姿勢のバランスを崩すことにより、入浴者に補償動作を行わせ、これによっても入浴者の筋力及びバランス感覚を鍛えることができる。このとき、入浴者が入浴姿勢を保つためには、体幹及び足部において左右の協調動作が必要となるため、バランス感覚を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態においては、背当板26の表面26aに形成された凹曲面が入浴者の背中のカーブにフィットするため、入浴者の体幹は背当板26によって保持される。これにより、運動中に入浴者の体幹が背当板26から離れてしまうことがなく、快適性が高い。また、通常の入浴時においても、入浴姿勢が安定するため、快適である。
【0040】
更に、入浴者Mがヘッドレスト28に頭部を押し付ければ、頭部を動かさずに体幹のみを捻ることができる。これにより、大きな捻りを得ることができ、トレーニング効果がより一層向上する。また、頭部が揺れることによる不快感がなく、リラックスした状態で運動することができる。更に、頭部が揺れないため、高齢者なども安心して使用することができる。更にまた、体重の一部をヘッドレスト28に預けることにより、浮力感・浮遊感を味わうことができ、リラックス効果が高い。
【0041】
更にまた、本実施形態においては、駆動部が一方のエアバッグにエアーを注入してこのエアバッグを伸張させると、背当板が回動することにより、他方のエアバッグが圧縮されてこの他方のエアバッグからエアーが強制的に排出される。このため、背当板の応答性が良好である。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0042】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図10(a)は、本実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する正面図であり、(b)はその断面図である。
図10(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る浴槽装置においては、体幹揺動部に円板状の背当板31が設けられている。背当板31の直径は例えば200乃至400ミリメートルである。また、背当板31の表面31a、すなわち、入浴者に接する側の面は、例えば平坦面とされている。なお、表面31aには、人の背中の形状に合わせた凹曲面が形成されていてもよい。
【0043】
一方、背当板31の裏面31b、すなわち、浴槽の背側面32aに対向する側の面の中心は、ボールジョイント33によって背側面32aに連結されている。ボールジョイント33においては、例えば、背当板31に雄型部品33aが取り付けられており、背側面32aに雌型部品33bが取り付けられている。これにより、背当板31は背側面32aに対して傾斜自在に支持されている。すなわち、背当板31は、一定の範囲内で、背側面32aに対して任意の傾斜方向及び傾斜角度をとることができる。
【0044】
また、体幹揺動部には4個のエアバッグ34が設けられており、その先端は背当板31の裏面31bに当接している。背当板31における4個のエアバッグ34が当接する位置は、例えば、背当板31の中心に関して4回対称となる位置であり、例えば、背当板31の上部、下部、左部及び右部である。更に、この浴槽装置においては、エアバッグ34にエアーを供給する駆動部(図示せず)が設けられている。
【0045】
本実施形態によれば、体幹揺動部に設けられた4個のエアバッグ34により、背当板31を浴槽の背側面32aに対して任意の方向に傾斜させることができる。すなわち、駆動部がエアバッグ34に対して選択的にエアーを供給することにより、背当板31の背側面32aに対する傾斜方向及び傾斜角度を自在に変化させることができる。この場合、背当板31における外周部分が移動部となる。そして、背側面32aに垂直な方向において、背当板31の外周部分の移動距離は、例えば50ミリメートル以上である。
【0046】
そして、入浴者が、背中を背当板31の表面31aに当接させた状態で、背当板31の傾斜方向及び傾斜角度を変化させることにより、入浴者に多様な運動をさせることができる。例えば、背当板31を左右に傾斜させることにより、前述の第3の実施形態と同様に、入浴者の体幹を左右に捻ることができる。また、背当板31を上下に傾斜させることにより、体幹を前後に屈伸させることができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。なお、本実施形態において、エアバッグの数は4個に限定されず、3個又は5個以上であってもよい。
【0047】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する断面図である。
図11に示すように、本実施形態に係る浴槽装置においては、浴槽42の外面であって背側面42aに相当する領域に、駆動部としてのモーター43が取り付けられている。モーター43の回転軸43aは、浴槽42を貫通し、背側面42aから浴槽42の内部に向けて突出している。回転軸43aが延びる方向は、背側面42aに対して例えば略垂直である。
【0048】
また、回転軸43aの先端部には、回転板44が固定的に取り付けられている。回転板44の形状は円板状であり、その表面44a及び中心軸は回転軸43aに対して傾斜している。このため、回転板44の表面44aは浴槽42の背側面42aに対して傾斜している。更に、回転板44の表面44a上には円板状の背当板45が重ねられており、回転板44によって回転自在に支持されている。背当板45の回転軸は背当板45の中心軸と一致しており、回転板44の中心軸とも一致している。
【0049】
本実施形態においては、モーター43がその回転軸43aを回転させると、回転板44が回転する。このとき、回転板44の中心軸は回転軸43aに対して傾斜しているため、回転板44が回転すると、回転板44の中心軸は回転軸43aが延びる方向に対して一定の角度を保ちながら回転する。これにより、背当板45の中心軸も同様に回転し、表面45aの法線も回転するため、背当板45はローリング運動を行う。すなわち、本実施形態においても、背当板45における外周部分が移動部となる。なお、一例では、背当板45の直径は200乃至400ミリメートルであり、背側面42aに垂直な方向における背当板45の外周部分の移動距離は50ミリメートル以上である。
【0050】
入浴者が入浴姿勢をとって、背中を背当板45の表面45aに押し付けると、背当板45は入浴者の背中との間の摩擦力によって拘束されるため、入浴者に対しては回転しないが、表面45aの傾斜方向は回転板44の回転に伴って変化する。これにより、入浴者の体幹を種々の角度に傾斜させ、入浴者に運動させることができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0051】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図12(a)乃至(c)は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、(a)は背当板が背側面の中心部にある状態を示し、(b)は右側位置にある状態を示し、(c)は左側位置にある状態を示す。
【0052】
図12(a)乃至(c)に示すように、本実施形態に係る浴槽装置においては、浴槽52に体幹揺動部が設けられており、体幹揺動部には背当板53が設けられている。背当板53は、浴槽52の背側面52aに沿って例えば水平方向に移動可能である。例えば、背側面52aには水平方向に延びるレール(図示せず)が形成されており、背当板53はこのレールに案内されて移動する。従って、本実施形態においては、背当板53全体が移動部である。また、この浴槽52の外部には、背当板53を移動させるために、例えばエアシリンダーを含む駆動部(図示せず)が設けられている。
【0053】
本実施形態によれば、入浴者が入浴姿勢をとって背中を背当板53に押し当てた状態で、駆動部が背当板53を背側面52aに沿って水平方向に往復運動させることにより、入浴者の体幹を左右に揺動させることができる。これにより、入浴者の姿勢のバランスを崩し、補償動作を取らせることにより、入浴者に他動運動させることができる。なお、通常の入浴時においては、図12(a)に示すように、背当板53を背側面52aの中心部に固定しておけばよい。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0054】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図13(a)乃至(c)は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図であり、(a)はヘッドレストが起立している状態を示し、(b)はヘッドレストが後倒している状態を示し、(c)はヘッドレストが浴槽から離隔している状態を示す。
【0055】
図13(a)乃至(c)に示すように、本実施形態に係る浴槽装置61においては、浴槽62が設けられており、浴槽62の背側面62aには、体幹揺動部63が設けられており、体幹揺動部63の一部は背側面62aにおいて露出しており、移動部64となっている。移動部64は、例えば、背側面62aの上下方向に延びる中心線を挟む2ヶ所の位置に形成されている。これらの移動部64は、相互に同位相で駆動してもよく、逆位相で駆動してもよい。
【0056】
そして、浴槽62の上方であって背側部分の直上域付近には、ヘッドレスト65が設けられている。また、浴槽装置61には、ヘッドレスト65の角度及び位置を調節する調節手段66が設けられている。調節手段66は、ヘッドレスト65の角度を調整することにより、図13(a)に示すように、ヘッドレスト65の表面65aが浴槽62の背側面62aの略延長面上に位置する起立状態と、図13(b)に示すように、表面65aが背側面62aよりも後方(背側方向)に傾斜する後倒状態と、を実現する。また、図13(c)に示すように、調整手段66はヘッドレスト65の位置を調整することにより、ヘッドレスト65を浴槽62から後方に離隔した位置に位置させて、離隔状態を実現する。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1又は第2の実施形態と同様である。
【0057】
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
図13(a)に示すように、調節手段66によってヘッドレスト65を起立状態とすれば、入浴者Mは、通常の入浴姿勢をとったまま後頭部をヘッドレスト65に押し当てることができる。これにより、入浴者Mは、ヘッドレスト65により頭部を保持された状態で、体幹のみを揺動させることができる。この結果、頭部が揺れることによる不快感がなく、リラックスした状態で運動することができる。また、頭部が揺れないため、高齢者など機敏な補償動作をとることができない人も、安心して使用することができる。
【0058】
また、図13(b)に示すように、調節手段66によってヘッドレスト65を後倒状態とすれば、入浴者Mは、体重の一部をヘッドレスト65に預け、腰部をやや浮かせた状態で運動することができる。これにより、浮力感・浮遊感を味わうことができ、高いリラックス効果を得ることができる。
【0059】
更に、図13(c)に示すように、調節手段66によってヘッドレスト65を離隔状態とすれば、入浴者Mは頭部及び肩部を背側面62aよりも更に後方の位置、すなわち、浴槽62の外部に位置させることができる。これにより、体幹に作用する浮力の影響を低減し、背中と移動部64との当接部に大きな荷重をかけることができる。この結果、体幹を移動部64に強く押し付けることができ、より効率的に運動することができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1又は第2の実施形態と同様である。
【0060】
なお、調節手段66を設けず、ヘッドレスト65を浴槽62に直接連結してもよい。これにより、浴槽装置61の構成を簡略化することができる。この場合においても、ヘッドレスト65を浴槽62に対して回動可能に連結すれば、図13(a)に示す起立状態及び図13(b)に示す後倒状態を実現することができる。また、ヘッドレスト65を伸縮可能とすれば、図13(c)に示す離隔状態と同様な状態も実現することができる。
【0061】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
図14に示すように、本実施形態に係る浴槽装置71においては、浴槽72の背側面72aに体幹揺動部73が設けられており、体幹揺動部73の一部は移動部74となっている。また、浴槽装置71には、体幹揺動部73を駆動する駆動部75が設けられている。更に、浴槽72の上方にはヘッドレスト76が設けられている。体幹揺動部73の構成は、前述の第1乃至第6のいずれかの実施形態と同様である。また、ヘッドレスト76の構成は、前述の第7の実施形態と同様である。
【0062】
そして、浴槽72の足側面72b上には、揺動足支持部77が、足側面72bに対して揺動自在に設けられている。また、底面72c上には、揺動腰支持部78が、底面72cに対して揺動自在に設けられている。揺動足支持部77は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに足裏が当接する位置に配置されており、揺動腰支持部78は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに腰部が当接する位置に配置されている。
【0063】
本実施形態によれば、入浴者Mが入浴姿勢をとると、背中が体幹揺動部73の移動部74に当接し、後頭部がヘッドレスト76に当接し、足裏が揺動足支持部77に当接し、腰部が揺動腰支持部78に当接する。この状態で駆動部75が作動すると、体幹揺動部73を駆動し、移動部74の動作によって入浴者Mの姿勢が強制的に崩される。このとき、入浴者Mは補償動作を行って姿勢を保とうとするが、揺動足支持部77及び揺動腰支持部78は揺動するため、姿勢を維持するためには多くの筋力及びバランス調整が必要となる。例えば、主動筋及び拮抗筋の交互の筋力調整が必要となる。この結果、より効率的に筋力及びバランス力の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態においては、体幹揺動部73は駆動部75によって駆動されるが、揺動足支持部77及び揺動腰支持部78は駆動部によって駆動されず、単に入浴者Mの揺動に従動すればよいので、構成が簡略である。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0065】
なお、本実施形態においては、浴槽装置71に揺動足支持部77及び揺動腰支持部78の双方が設けられている例を示したが、本発明はこれに限定されず、揺動足支持部77及び揺動腰支持部78のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0066】
以下、揺動足支持部77及び揺動腰支持部78の構成の一具体例について説明する。
図15は、本具体例に係る浴槽装置を例示する分解斜視図である。
図15に示すように、揺動足支持部77においては、1対の足当板77aが設けられている。足当板77aの形状は矩形板状であり、その表面77bは平坦面となっており、裏面における長手方向中央部には突起部77cが形成されている。一方、浴槽72の足側面72bには水平方向に配列された1対の孔部77dが形成されており、この孔部77dに足当板77aの突起部77cが嵌合している。これにより、足当板77aは、その長手方向が上下方向に沿った状態で浴槽72の足側面72b上に配置されており、突起部77cと孔部77dとの嵌合部を中心として上下方向に回動自在に軸支されている。すなわち、足当板77aは足側面72bに対して揺動可能とされている。
【0067】
また、揺動腰支持部78においては、円板状の腰乗板78aが設けられている。腰乗板78aの表面78bは平坦面となっており、裏面における中心部には突起部78cが形成されている。一方、浴槽72の底面72cには1個の孔部78dが形成されており、この孔部78dに腰乗板78aの突起部78cが嵌合している。これにより、腰乗板78aは、浴槽72の底面72c上に配置されており、突起部78cと孔部78dとの嵌合部を中心として回転自在に軸支されている。すなわち、腰乗板78aは底面72cに対して揺動自在とされている。
【0068】
これにより、入浴者が入浴姿勢をとると、背中が体幹揺動部73の移動部に当接し、足裏が足当板77aの表面77bに当接し、腰部が腰乗板78aの表面78bに当接する。この状態で体幹揺動部73が駆動されると、入浴者の体幹が揺動し、これに伴って入浴者の足裏及び腰部も揺動する。このとき、入浴者は足裏を足当板77aに押し付け、腰部を腰乗板78aに押し付けて姿勢を安定させようとするが、足当板77aは上下方向にシーソー状に回動し、腰乗板78aは回転して、足裏及び腰部の押し付け力を逃がしてしまうため、入浴者は姿勢の安定を妨げられる。この結果、入浴者にはより大きな筋力及びより高いバランス力が要求されるため、これらの能力を効率的に鍛えることができる。
【0069】
なお、本具体例においては、足当板77aが浴槽72の足側面72bに対して上下方向にシーソー状に回動自在である例を示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、足当板は足側面72bに対して水平方向に回動自在であってもよく、全方向に傾斜自在であってもよく、足当板の中心を回転中心として回転自在であってもよく、ローリング自在であってもよく、足側面72bに沿って上下方向又は水平方向などにスライド自在であってもよい。同様に、本具体例においては、腰乗板78aが浴槽72の底面72cに対して回転自在である例を示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、腰乗板は底面72cに対してシーソー状に回動自在であってもよく、全方向に傾斜自在であってもよく、ローリング自在であってもよく、底面72cに沿ってスライド自在であってもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態を参照しつつ、本発明の特徴を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施形態を適宜組み合わせたもの、及び各実施形態のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0071】
例えば、前述の各実施形態においては、体幹揺動部にエアバッグが設けられており、駆動部にこのエアバッグにエアーを供給するポンプが設けられている例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、体幹揺動部に移動部を往復運動させるリニアアクチュエーターが設けられており、駆動部にはこのリニアアクチュエーターに対して電力を供給する電源装置が設けられていてもよい。又は、体幹揺動部にモーター及びこのモーターによる回転運動を往復直線運動に変換して移動部を往復運動させるカムが設けられており、駆動部にはこのモーターに対して電力を供給する電源装置が設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は、本実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する部分斜視図である。
【図3】本実施形態における入浴者の体幹の変化を例示する上面図である。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る浴槽装置の動作を例示する断面図であり、(a)は全ての移動部が進出状態になっている場合を示し、(b)は全ての移動部が標準状態になっている場合を示す。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示す。
【図6】本実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示す。
【図7】本実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、背当板が中立状態にある場合を示す。
【図8】(a)及び(b)は、本実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する上面図であり、(a)は背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示し、(b)は背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示す。
【図9】(a)及び(b)は、本実施形態における入浴者の状態を例示する斜視図であり、(a)は背当板の右側の端部が進出状態にある場合を示し、(b)は背当板の左側の端部が進出状態にある場合を示す。
【図10】(a)は、本発明の第4の実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する正面図であり、(b)はその断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る浴槽装置の体幹揺動部を例示する断面図である。
【図12】(a)乃至(c)は、本発明の第6の実施形態に係る浴槽装置を例示する斜視図であり、(a)は背当板が背側面の中心部にある状態を示し、(b)は右側位置にある状態を示し、(c)は左側位置にある状態を示す。
【図13】(a)乃至(c)は、本発明の第7の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図であり、(a)はヘッドレストが起立している状態を示し、(b)はヘッドレストが後倒している状態を示し、(c)はヘッドレストが浴槽から離隔している状態を示す。
【図14】本発明の第8の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
【図15】本実施形態の具体例に係る浴槽装置を例示する分解斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
11、21、61、71 浴槽装置、12、22、42、52、62、72 浴槽、12a、22a、32a、42a、52a、62a、72a 背側面、12b、72b 足側面、12c、72c 底面、13、23、63、73 体幹揺動部、14、64、74 移動部、15、75 駆動部、26、31、45、53 背当板、26a、31a、44a、45a、65a 表面、26b、31b 裏面、26c、26d 端部、26e 回動軸、27a、27b エアバッグ、28、65、76 ヘッドレスト、33a 雄型部品、33b 雌型部品、34 エアバッグ、43 モーター、43a 回転軸、44 回転板、66 調整手段、77 揺動足支持部、77a 足当板、77b、78b 表面、77c、78c 突起部、77d、78d 孔部、78 揺動腰支持部、78a 腰乗板、M 入浴者、R1 脊柱起立筋、R2 腓腹筋及びヒラメ筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
少なくとも一部が前記浴槽の背側の内面に露出し、前記露出した部分の少なくとも一部が前記背側の内面に対して移動可能な移動部となる体幹揺動部と、
前記体幹揺動部を駆動して前記移動部を移動させる駆動部と、
を備え、
入浴者がその背中を前記背側の内面に当接させた状態で、前記駆動部が前記体幹揺動部を駆動することにより、前記入浴者の入浴姿勢を変化させることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記移動部は、前記背側の内面の上部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
前記移動部は、標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で往復運動可能であり、
前記移動部が前記往復運動を行うことにより、前記入浴者の背中の少なくとも一部と前記背側の内面との間の距離を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記移動部が前記標準状態にあるときは、前記入浴者の背中の少なくとも一部は前記背側の内面に接触し、前記移動部が前記進出状態にあるときは、前記背中の少なくとも一部は前記背側の内面から離隔することを特徴とする請求項3記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記移動部は水平方向に沿って少なくとも2ヶ所設けられており、前記2ヶ所の移動部は、前記浴槽の内部に向けて交互に進出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記体幹揺動部は、少なくとも一部が前記移動部となる背当板を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項7】
前記背当板は、前記背側の内面に沿って延びる軸を中心として前記背側の内面に対して回動自在に支持されており、
前記駆動部は、前記背当板を回動させることを特徴とする請求項6記載の浴槽装置。
【請求項8】
前記背当板は、前記背側の内面に対して傾斜自在に支持されており、
前記駆動部は、前記背当板の前記背側の内面に対する傾斜方向及び傾斜角度を変化させることを特徴とする請求項6記載の浴槽装置。
【請求項9】
前記体幹揺動部は、表面が前記背側の内面に対して傾斜しており、前記表面及び中心軸の双方に対して傾斜する回転軸を中心として前記背側の内面に対して回転可能に支持され、前記表面上に前記背当板を回転自在に支持する回転板を有し、
前記駆動部は、前記回転板を回転させることを特徴とする請求項6記載の浴槽装置。
【請求項10】
前記背当板は、前記背側の内面に沿って移動可能に設けられており、
前記駆動部は、前記背当板を前記背側の内面に沿って移動させることを特徴とする請求項6記載の浴槽装置。
【請求項11】
前記浴槽上に配置されたヘッドレストをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項12】
前記ヘッドレストの位置を調節する調節手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の浴槽装置。
【請求項13】
前記浴槽の足側の内面上に設けられ、前記足側の内面に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項14】
前記浴槽の底面上に配置され、前記底面に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の浴槽装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−200105(P2008−200105A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36544(P2007−36544)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】