浴槽設置構造および浴槽設置方法
【課題】浴槽防水パンを設置可能なユニットバスにおいて、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定することが可能となり浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置することができる浴槽設置構造および浴槽設置方法を提供する。
【解決手段】浴槽架台と、前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、前記浴槽載置ピースを基準にして水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、を備え、前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする浴槽設置構造が提供される。
【解決手段】浴槽架台と、前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、前記浴槽載置ピースを基準にして水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、を備え、前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする浴槽設置構造が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、浴槽設置構造および浴槽設置方法に関し、具体的には浴槽防水パンを設置可能な浴槽設置構造および浴槽設置方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ユニットバスの中には、浴槽と、洗い場床と、バスエプロンと、が別体として分割されたものがある。このようなユニットバスでは、一般的に、浴槽と、洗い場床と、バスエプロンと、が施工現場にそれぞれ分割された状態で搬入され、その施工現場にて組み立てられる。このとき、浴槽と洗い場床との相対的な位置は、より正確に決定されることが好ましい。これは、浴槽と洗い場床とを正確な位置に取り付けることができないと、浴槽や洗い場床などに載置される壁パネルを正確な位置に取り付けることができないためである。浴室の壁パネルを正確な位置に取り付けることができないと、ユニットバス自体が歪んだり、隙間が発生して気密性や水密性が低下するため好ましくない。
【０００３】
あるいは、浴槽と洗い場床とを正確な位置に取り付けることができないと、バスエプロンを正確な位置に取り付けることができないおそれがある。バスエプロンは、一般的に、浴槽の側面を覆い隠すように、あるいは浴槽と洗い場床との間に形成される開口を塞ぐように取り付けられる。そのため、バスエプロンを正確な位置に取り付けることができないと、隙間が発生して気密性や水密性が低下したり、意匠性が低下するため好ましくない。
【０００４】
そこで、洗い場パンの裏側から延出された補強フレーム上に、別体の浴槽脚を介在させて別体の浴槽を固設する洗い場付き浴槽の設置構造がある（特許文献１）。特許文献１に記載された設置構造によれば、浴槽を補強フレーム上に載置し位置合わせをすることにより、補強フレームからみた浴槽の設置位置を決定することができる。しかしながら、浴槽防水パンが設置されるユニットバスにおいては、浴槽と浴槽架台（補強フレーム）との間に浴槽防水パンが介在することとなるため、特許文献１に記載された設置構造によれば、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定できないという問題がある。
【０００５】
また、浴槽載置用の防水パンを備えた浴室ユニットがある（特許文献２）。特許文献２に記載された浴室ユニットによれば、防水パンの軽量化や低廉化を図ることができ、また防水パンの設置や運搬作業を容易化することができる。しかしながら、浴槽と、洗い場床や浴槽架台（支持部材）と、の位置関係については、特許文献２には記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−１６２６３号公報
【特許文献２】特開２００７−９２３４６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、浴槽防水パンを設置可能としながらも、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、施工性をより向上させることができる浴槽設置構造および浴槽設置方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために本発明に係る浴槽設置構造は、浴槽架台と、前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、前記浴槽載置ピースに対し固定されることにより水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、を備え、前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする。
【０００９】
本発明では、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準として規定することができる。そのため、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置することができ、浴槽を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００１０】
本願請求項２に係る浴槽設置構造では、前記下側位置決め部は、前記下面から下方へ突出した第１の位置決めリブと、前記下面から下方へ突出し前記第１の位置決めリブよりも水平方向に変形しやすい第２の位置決めリブと、を有することを特徴とする。
【００１１】
この態様では、第１の位置決めリブは、第２の位置決めリブが浴槽架台から力（反発力）を受けることにより、浴槽架台に押し付けられる、あるいは当接する。そのため、浴槽防水パンを浴槽架台に載置することにより、浴槽架台からみた浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置することができ、浴槽を設置する際の施工性をさらに向上させることができる。
【００１２】
本願請求項３に係る浴槽設置構造では、前記上側位置決め部は、前記下側位置決め部からみて直上付近に設けられたことを特徴とする。
【００１３】
この態様では、浴槽架台から浴槽防水パンを介してみた浴槽載置ピースの水平方向の設置位置の誤差を小さくすることが可能となり、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準としてより正確に規定することができる。
【００１４】
本願請求項４に係る浴槽設置方法では、浴槽防水パンを浴槽架台の上に設置する際、前記浴槽防水パンの下面に設けられた下側位置決め部により前記浴槽架台に対して前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定し、浴槽載置ピースを前記浴槽防水パンの上に設置する際、前記浴槽防水パンの上面に設けられた上側位置決め部により前記浴槽防水パンに対して前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定し、浴槽の裏面に設けられた浴槽位置決め部を前記浴槽載置ピースに対し固定することにより前記浴槽架台に対して前記浴槽の水平方向の設置位置を規定することを特徴とする。
【００１５】
本発明では、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準として規定することができる。そのため、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、浴槽を設置する際の施工性を向上させることができる。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、浴槽防水パンを設置可能としながらも、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、施工性をより向上させることができる浴槽設置構造および浴槽設置方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の実施の形態にかかる浴槽設置構造を備えたユニットバスを表す分解模式図である。
【図２】浴槽防水パンが設置されたユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図３】浴槽防水パンが設置されていないユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図４】本実施形態の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
【図５】本実施形態の浴槽載置ピースを表す斜視模式図である。
【図６】本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための平面模式図である。
【図７】本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための斜視模式図である。
【図８】浴槽の裏面に付設された浴槽位置決め部の近傍を拡大して眺めた拡大模式図である。
【図９】本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造を表す断面模式図である。
【図１０】本変形例の浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図１１】本変形例の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図１は、本発明の実施の形態にかかる浴槽設置構造を備えたユニットバスを表す分解模式図である。
【００１９】
図１に表したユニットバスは、図示しない建物床に載置される洗い場床１００と、洗い場床１００に固定され図示しない建物床に載置される浴槽架台２００と、浴槽架台２００の上に載置される浴槽防水パン３００と、浴槽防水パン３００に上に取り付けられる浴槽載置ピース３６０と、浴槽防水パン３００の上に載置される浴槽４００と、を備える。また、図１に表したユニットバスでは、洗い場床１００と浴槽４００との間に、バスエプロン５００（図９参照）が設置される。
【００２０】
洗い場床１００は、支持脚１１０を有し、建物床の任意の位置に載置される。また、洗い場床１００の支持脚１１０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより、洗い場床１００の高さを調整することができる。
浴槽架台２００は、ねじなどの締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されている。浴槽架台２００は、洗い場床１００と同様に、支持脚２１０を有し、その支持脚２１０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより、浴槽架台２００の高さを調整することができる。また、浴槽架台２００は、浴槽防水パン３００および浴槽４００の長手方向（左右方向）に延在するフレーム２０１を有する。
【００２１】
浴槽防水パン３００は、底部３０１と、底部３０１の周縁部から上方に延在した側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃ、３０２ｄと、を有する。側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃの上端の高さは、浴槽防水パン３００の上に載置された浴槽４００の浴槽リム４０５の高さと略同じある。そのため、浴槽防水パン３００の側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃは、浴槽４００の側壁部４０２ａ、４０２ｂ、４０２ｃをそれぞれ覆うことができる。一方、側壁部３０２ｄの上端の高さは、浴槽防水パン３００の上に載置された浴槽４００の浴槽リム４０５の高さよりも低い。そのため、浴槽防水パン３００の側壁部３０２ｄは、浴槽４００の側壁部４０２ｄの一部を覆うことができる。なお、側壁部３０２ｄにより覆われない浴槽４００の側壁部４０２ｄの他部は、バスエプロン５００により覆われる。
【００２２】
これにより、浴槽防水パン３００は、例えば、給水源に接続された図示しない配管などから水が漏れた場合であっても、その漏水を受けることができる。つまり、浴槽防水パン３００は、浴槽架台２００や建物床などに水が漏れることをより確実に抑制することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【００２３】
また、浴槽防水パン３００は、底部３０１の浴槽架台２００側の面（下面）に設けられた下側位置決め部３１０と、底部３０１の浴槽４００側の面（上面）に設けられた上側位置決め部３２０（図２参照）と、を有する。下側位置決め部３１０は、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２を有する。下側位置決め部３１０は、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定することができる。一方、上側位置決め部３２０は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成され、浴槽防水パン３００に対して浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定することができる。これらについては、後に詳述する。
【００２４】
浴槽４００は、底部４０１と、底部４０１の周縁部から上方に延在した側壁部４０２ａ、４０２ｂ、４０２ｃ、４０２ｄと、上面あるいは上端を形成する浴槽リム４０５と、を有する。浴槽４００の裏面、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側の面（下面）には、図１に表したように、浴槽４００の水平方向の設置位置を規定する浴槽位置決め部４１０が付設されている。なお、浴槽位置決め部４１０は、浴槽４００と別体ではなく、一体として形成されていてもよい。
【００２５】
また、浴槽載置ピース３６０は、浴槽防水パン３００に設けられた取付部３３０（図２参照）にねじなどの締結部材６０１により固定される。そして、例えば作業者などは、浴槽位置決め部４１０と、浴槽載置ピース３６０と、を締結部材６０１で締結し固定することにより、浴槽架台２００を基準として浴槽４００の設置位置を規定することができる。これらのことについて、以下図面を参照しつつさらに詳細に説明する。
【００２６】
図２は、浴槽防水パンが設置されたユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
また、図３は、浴槽防水パンが設置されていないユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
なお、図２および図３は、図１に表したＡ−Ａ断面図に相当する。
【００２７】
浴槽防水パン３００は、図１に関して前述したように、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された下側位置決め部３１０を有する。そして、下側位置決め部３１０は、浴槽防水パン３００からみて洗い場床１００側に設けられた第１の位置決めリブ３１１と、第１の位置決めリブ３１１よりも洗い場床１００から離間した位置に設けられた第２の位置決めリブ３１２と、を有する。第１の位置決めリブ３１１は、第２の位置決めリブ３１２よりも水平方向に変形しにくく、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定することができる。一方、第２の位置決めリブ３１２は、第１の位置決めリブ３１１よりも水平方向に変形しやすい。
【００２８】
そのため、図２に表したように、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入されるように、あるいは係合されるように、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００の上に設置すると、第２の位置決めリブ３１２は、第１の位置決めリブ３１１の方向（矢印Ｃの方向）にフレーム２０１を押す（作用）。言い換えれば、第２の位置決めリブ３１２は、フレーム２０１を押す方向とは反対方向（矢印Ｃとは反対方向）に押される（反作用）。そのため、浴槽防水パン３００は、矢印Ｃとは反対方向に移動し、第１の位置決めリブ３１１は、浴槽架台２００のフレーム２０１に押し付けられる、あるいは当接する。これにより、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置が規定される。
【００２９】
また、浴槽防水パン３００は、図１に関して前述したように、底部３０１の上面から上へ突出するように形成された上側位置決め部３２０を有する。そして、浴槽載置ピース３６０を上側位置決め部３２０に押し付ける、あるいは当接させることにより、浴槽防水パン３００に対して浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定することができる。さらに、浴槽防水パン３００は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成された取付部３３０を有する。この取付部３３０は、締結部材６０１を締結可能な孔３３１を有する。そのため、浴槽載置ピース３６０が有する貫通孔３６３に締結部材６０１を通し取付部３３０の孔３３１に締結することにより、浴槽防水パン３００に対して水平方向の設置位置を規定しつつ浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００３０】
このとき、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、締結部材６０１の径Ｄよりも十分に大きいため、上側位置決め部３２０を基準として規定される浴槽載置ピース３６０の設置位置には影響を及ぼさない。言い換えれば、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、上側位置決め部３２０を基準として規定される浴槽載置ピース３６０の設置位置に影響を及ぼさない程度に大きい。あるいは、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、浴槽載置ピース３６０の設置位置を上側位置決め部３２０を基準として規定できる程度に大きい。
【００３１】
また、浴槽防水パン３００の底部３０１には、浴槽載置ピース３６０を固定するための孔などは設けられていない。そのため、浴槽防水パン３００は、浴槽架台２００や建物床などに水が漏れることをより確実に抑制できる。
【００３２】
なお、上側位置決め部３２０は、下側位置決め部３１０の第１の位置決めリブ３１１からみて直上に設けられていることが好ましい。あるいは、下側位置決め部３１０の第１の位置決めリブ３１１は、上側位置決め部３２０からみて直下に設けられていることが好ましい。これは、一般的に、２つの部分や部材や部品の間の距離が大きくなるにつれて、その間の距離の誤差は大きくなるためである。したがって、上側位置決め部３２０と、第１の位置決めリブ３１１と、の間の水平方向の距離を小さくすることにより、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置の誤差を小さくすることができる。
【００３３】
なお、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定できる限りにおいて、下側位置決め部３１０に対して上側位置決め部３２０の水平方向の設置位置がずれているものも、本願明細書にいう「直上」の範囲に包含されるものとする。また、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定できる限りにおいて、上側位置決め部３２０に対して下側位置決め部３１０の水平方向の設置位置がずれているものも、本願明細書にいう「直下」の範囲に包含されるものとする。
【００３４】
浴槽載置ピース３６０は、図２に表したように、締結部材６０１を通す貫通孔３６２を有する。そして、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２の近傍には、ナット３６１が付設されている。ナット３６１は、溶接や接着などにより浴槽載置ピース３６０に予め固定されている。
【００３５】
浴槽位置決め部４１０は、図１に関して前述したように、浴槽４００の裏面、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側の面（下面）に締結部材６０１により固定されている。浴槽位置決め部４１０は、図２に表したように、締結部材６０１を通す貫通孔４１５を有する。浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５は、締結部材６０１の径Ｄよりも大きい径を有し、その貫通孔４１５の径は、締結部材６０１の径Ｄに比較的近い。そのため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に締結部材６０１を通しナット３６１に締結することにより、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽載置ピース３６０に位置決めされつつ固定される。つまり、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される。
【００３６】
ここで、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される浴槽４００の水平方向とは、左右方向（図１参照）および前後方向（図１参照）の少なくともいずれかである。そのため、浴槽位置決め部４１０が有する貫通孔４１５は、上下方向に長手方向を有する長孔であって、左右方向の幅が締結部材６０１の径Ｄに比較的近い長孔であってもよい。これによれば、浴槽４００の上下方向の設置位置は、自由度を有しつつ、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される。
【００３７】
一方、浴槽４００の上下方向の設置位置は、浴槽４００の底部４０１が浴槽防水パン３００の所定位置に載置されることにより規定される。これについては、後に詳述する。そして、浴槽載置ピース３６０と、浴槽位置決め部４１０と、の間には上下方向に間隙Ｂが存在する。すなわち、浴槽載置ピース３６０の上端は、浴槽位置決め部４１０には当接していない。そのため、浴槽４００の荷重は、浴槽載置ピース３６０にはあまりかからず、浴槽４００の底部４０１を載置する浴槽防水パン３００の所定位置に主としてかかる。これによれば、浴槽載置ピース３６０が浴槽４００の荷重により破損することを抑えることができる。なお、浴槽架台２００と、浴槽防水パン３００と、は互いに固定されないため、水密性がより確保される位置において適宜固定される。
【００３８】
以上説明したように、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３６０に、位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３６０を介して浴槽架台２００を基準として規定される。すなわち、浴槽架台２００に対する浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３６０を介して決定される。
【００３９】
さらに、浴槽架台２００は、図１に関して前述したように、締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されている。そのため、浴槽４００の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することにより、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。
【００４０】
一方、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでは、図３に表したように、浴槽位置決め部４１０を浴槽架台２００の上に直接的に載置することができる。そのため、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽架台２００に位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスにおいても、浴槽架台２００を基準として規定される。
【００４１】
そして、浴槽架台２００は、締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されているため、浴槽４００の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することにより、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。なお、この場合には、締結部材６０１が浴槽架台２００の上面に接触しないように、浴槽位置決め部４１０に「ザクリ」などと呼ばれる凹部を設ける、あるいは浴槽架台２００の上面に凹部あるいは孔を設けることが好ましい。
【００４２】
本実施形態にかかる浴槽設置構造によれば、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。
【００４３】
次に、浴槽防水パン、浴槽載置ピース、および浴槽位置決め部の構造の詳細、並びに浴槽設置方法について、図面を参照しつつ説明する。
まず、浴槽防水パン３００の構造の詳細について説明する。
図４は、本実施形態の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
なお、図４（ａ）は、浴槽防水パン３００の内側を眺めた斜視模式図であり、図４（ｂ）は、浴槽防水パン３００の外側を眺めた斜視模式図である。
【００４４】
浴槽防水パン３００は、図４（ａ）に表したように、底部３０１の上面において、上側位置決め部３２０と、取付部３３０と、を有する。上側位置決め部３２０は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成され、浴槽防水パン３００の長手方向に延在している。上側位置決め部３２０の高さは、取付部３３０の高さと略同じあるいはそれよりも低い。取付部３３０は、例えば略円柱形状を有し、その上面から下へ向かって形成された孔３３１（図２参照）を有する。但し、取付部３３０の形態は、これだけに限定されず、例えば、略直方体であってもよい。さらに、取付部３３０の設置数および設置形態についても、図４に表した取付部３３０の設置数および設置形態に限定されるわけではない。
【００４５】
また、浴槽防水パン３００は、図４（ｂ）に表したように、底部３０１の下面において、下側位置決め部３１０を有する。下側位置決め部３１０は、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２を有し、第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２は、浴槽防水パン３００の長手方向に延在している。そして、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に、浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入される、あるいは係合される。
【００４６】
次に、浴槽載置ピース３６０の構造の詳細について説明する。
図５は、本実施形態の浴槽載置ピースを表す斜視模式図である。
なお、図５（ａ）は、ナット３６１側からみた斜視模式図であり、図５（ｂ）は、ナット３６１とは反対側からみた斜視模式図である。
【００４７】
浴槽載置ピース３６０は、図５に表したように、浴槽防水パン３００に載置される基部３６６と、基部３６６と略直交する方向に延在し浴槽位置決め部４１０を固定する固定部３６７と、基部３６６から上方に突出した凸部３６８と、を有する。凸部３６８の上部には、例えば２つの貫通孔３６３が設けられている。この貫通孔３６３の設置位置は、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に設けられた取付部３３０の孔３３１の設置位置に対応している。
【００４８】
そして、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３６０を載置し、凸部３６８の貫通孔３６３と取付部３３０の孔３３１との位置を対応させ、固定部３６７における基部３６６とは反対側の面を上側位置決め部３２０に当接させることにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３６０の設置位置を規定できる。また、貫通孔３６３に締結部材６０１を通し取付部３３０の孔３３１に締結することにより、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００４９】
固定部３６７には、貫通孔３６２が設けられている。また、固定部３６７における基部３６６側の面には、中心軸が貫通孔３６２の中心軸と略一致するようにナット３６１が付設されている。ナット３６１は、溶接や接着などにより固定部３６７に固定されている。そのため、図１および図２に表したように、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に洗い場床１００側から締結部材６０１を通しナット３６１に締結することにより、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００を浴槽載置ピース３６０に位置決めし固定することができる。
【００５０】
次に、浴槽設置方法について説明する。
図６は、本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための平面模式図である。
なお、図６は、浴槽架台２００に浴槽防水パン３００を固定し、浴槽防水パン３００に浴槽載置ピース３６０を固定した状態を上方から眺めた平面模式図である。
【００５１】
まず、作業者は、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００上に載置する。このとき、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入されるように、あるいは係合されるように、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００の上に載置する。そうすると、図２に関して前述したように、浴槽防水パン３００は、矢印Ｃとは反対方向に移動し、第１の位置決めリブ３１１は、浴槽架台２００のフレーム２０１に押し付けられる、あるいは当接する。これにより、浴槽架台２００に対する浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置が規定される。
【００５２】
続いて、作業者は、水密性がより確保される図示しない位置において、浴槽架台２００と、浴槽防水パン３００と、を接着あるいは締結部材などにより固定する。これにより、浴槽架台２００に対する浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００に固定することができる。
【００５３】
続いて、作業者は、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３６０を載置し、浴槽載置ピース３６０の凸部３６８の貫通孔３６３と、浴槽防水パン３００の取付部３３０の孔３３１と、の位置を対応させる。そして、浴槽載置ピース３６０の固定部３６７における基部３６６とは反対側の面を上側位置決め部３２０に当接させる。さらに、浴槽載置ピース３６０の凸部に設けられた貫通孔３６３に締結部材６０１を通し、取付部３３０の孔３３１に締結する。これにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。このようにして、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００に固定し、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定した状態は、図６に表した如くである。
【００５４】
図７は、本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための斜視模式図である。
また、図８は、浴槽の裏面に付設された浴槽位置決め部の近傍を拡大して眺めた拡大模式図である。
【００５５】
続いて、本実施形態にかかる浴槽設置方法では、作業者は、浴槽防水パン３００の上に浴槽４００を載置する。そして、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の固定部３６７に設けられた貫通孔３６２と、の位置を対応させる。このとき、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５の中心軸と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２の中心軸と、が略一致していることがより好ましい。
【００５６】
ここで、浴槽４００の下側には、図７に表したように、支持脚４２０が付設されている。この支持脚４２０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより浴槽４００の高さを調整することができる。そして、浴槽４００を浴槽防水パン３００上に載置すると、支持脚４２０の下端部と、浴槽４００の底部４０１の下端部４０１ａは、浴槽防水パン３００に接触する。これによれば、支持脚４２０と、底部４０１の下端部４０１ａと、は浴槽４００の荷重を支えることができる。
【００５７】
また、浴槽４００の裏面には、図７に表したように、浴槽位置決め部４１０が付設されている。浴槽位置決め部４１０は、図８に表したように、浴槽４００の裏面に固定される基部４１１と、基部４１１と略直交する方向に延在し浴槽載置ピース３６０に固定される固定部４１３と、を有する。
【００５８】
浴槽位置決め部４１０は、図８に表したように、基部４１１において締結部材６０１により浴槽４００の裏面に固定されている。また、固定部４１３の端部には、浴槽４００からみて洗い場床１００側に湾曲したガイド部４１４が設けられている。そのため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、の位置を対応させる際、浴槽４００に付設された浴槽位置決め部４１０は、ガイド部４１４により案内される。これにより、作業者は、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、の位置を楽に対応させることができる。なお、本実施形態の浴槽４００では、図７に表したように、２つの浴槽位置決め部４１０が浴槽４００の長手方向（左右方向）に離間して付設されている。但し、浴槽位置決め部４１０の設置数や設置位置については、これだけに限定されるわけではない。
【００５９】
続いて、作業者は、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に締結部材６０１を通しナット３６１（図５参照）に締結する。これにより、位置決め部４１０を有する浴槽４００を浴槽載置ピース３６０に固定することができる。このとき、図２に関して前述したように、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５は、締結部材６０１の径Ｄに比較的近いため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５に締結部材６０１を通して締結することにより、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽載置ピース３６０を基準として規定することができる。
【００６０】
本実施形態にかかる浴槽設置方法によれば、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３６０に、浴槽４００を位置決めしつつ固定することができる。その結果、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。さらに、浴槽４００を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００６１】
次に、本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造について、図面を参照しつつ説明する。
図９は、本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造を表す断面模式図である。
また、図１０は、本変形例の浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
また、図１１は、本変形例の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
なお、図１０は、図９に表した範囲Ｅの部分の拡大模式図に相当する。
【００６２】
本変形例の浴槽４００ａは、図９および図１０に表したように、浴槽４００ａの裏側、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側に凹部４０１ｂを有する。そして、この凹部４０１ｂには、図９に表したように、例えばゴムやパッキンなどの弾性体６０５が付設されている。本変形例では、図８に表したような浴槽位置決め部４１０は設けられていない。
【００６３】
また、本変形例の浴槽載置ピース３７０は、図１１に表したように、略直方体の形状を有する。つまり、浴槽載置ピース３７０は、図５に表した浴槽載置ピース３６０の基部３６６や固定部３６７などを有しているわけではなく、いわゆる「ブロック」の形状を有する。また、浴槽載置ピース３７０は、図１０および図１１に表したように、上面に凹設部３７１を有し、その凹設部３７１の下部には、締結部材６０１を通す貫通孔３７３が設けられている。
【００６４】
そして、浴槽載置ピース３７０を浴槽防水パン３００に取り付ける場合には、まず、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３７０を載置し、浴槽載置ピース３７０の貫通孔３７３と、浴槽防水パン３００の取付部３３０の孔３３１と、の位置を対応させる。そして、図１０に表したように、浴槽載置ピース３７０の外面を上側位置決め部３２０に当接させる。さらに、浴槽載置ピース３７０の貫通孔３６３に締結部材６０１を通し、取付部３３０の孔３３１に締結する。これにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３７０の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽載置ピース３７０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００６５】
また、浴槽４００ａは、浴槽載置ピース３７０が凹部４０１ｂに挿入されるように、あるいは浴槽載置ピース３７０と凹部４０１ｂとが係合するように、浴槽載置ピース３７０上に載置されている。より具体的には、浴槽載置ピース３７０の外面と、凹部４０１ｂの内面と、が当接するように、浴槽４００ａは、浴槽載置ピース３７０に載置されている。これにより、浴槽４００ａの水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３７０を基準として規定される。
【００６６】
このとき、凹部４０１ｂに付設された弾性体６０５の下面と、浴槽載置ピース３７０の上面と、は当接している。つまり、凹部４０１ｂに付設された弾性体６０５は、浴槽載置ピース３７０上に載置されている。そのため、本変形例の浴槽載置ピース３７０は、浴槽４００ａの水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽４００ａの荷重を支えることができる。また、弾性体６０５は、例えばゴムやパッキンなどのように弾性を有するため、浴槽４００ａを設置するときの衝撃などを和らげることができる。なお、その他の構造については、図１〜図８に関して前述した浴槽設置構造と同様である。
【００６７】
本変形例によれば、浴槽４００ａは、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３７０に、位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００ａの水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３７０を介して浴槽架台２００を基準として規定される。また、浴槽位置決め部４１０を別体として設ける必要がないため、浴槽４００ａを設置する際の施工性をより向上させることができる。さらに、浴槽載置ピース３７０は、浴槽４００ａの水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽４００ａの荷重を支えることができる。これにより、図７に表した支持脚４２０などを設ける必要はなくなり、浴槽４００ａの構造を簡略化することができる。また、その他の効果についても、図１〜図８に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【００６８】
以上説明したように、本実施形態によれば、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。さらに、浴槽４００を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００６９】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴槽防水パン３００や浴槽４００などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや浴槽載置ピース３６０の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【００７０】
１００ 洗い場床、 １１０ 支持脚、 ２００ 浴槽架台、 ２０１ フレーム、 ２１０ 支持脚、 ３００ 浴槽防水パン、 ３０１ 底部、 ３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃ、３０２ｄ 側壁部、 ３１０ 下側位置決め部、 ３１１ 第１の位置決めリブ、 ３１２ 第２の位置決めリブ、 ３２０ 上側位置決め部、 ３３０ 取付部、 ３３１ 孔、 ３６０ 浴槽載置ピース、 ３６１ ナット、 ３６２ 、３６３ 貫通孔、 ３６６ 基部、 ３６７ 固定部、 ３６８ 凸部、 ３７０ 浴槽載置ピース、 ３７１ 凹設部、 ３７３ 貫通孔、 ４００、４００ａ 浴槽、 ４０１ 底部、 ４０１ａ 下端部、 ４０１ｂ 凹部、 ４０２ａ、４０２ｂ、４０３ｃ、４０２ｄ 側壁部、 ４０５ 浴槽リム、 ４１０ 浴槽位置決め部、 ４１１ 基部、 ４１３ 固定部、 ４１４ ガイド部、 ４１５ 貫通孔、 ４２０ 支持脚、 ５００ バスエプロン、 ６０１ 締結部材、 ６０５ 弾性体
【技術分野】
【０００１】
本発明は、浴槽設置構造および浴槽設置方法に関し、具体的には浴槽防水パンを設置可能な浴槽設置構造および浴槽設置方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
ユニットバスの中には、浴槽と、洗い場床と、バスエプロンと、が別体として分割されたものがある。このようなユニットバスでは、一般的に、浴槽と、洗い場床と、バスエプロンと、が施工現場にそれぞれ分割された状態で搬入され、その施工現場にて組み立てられる。このとき、浴槽と洗い場床との相対的な位置は、より正確に決定されることが好ましい。これは、浴槽と洗い場床とを正確な位置に取り付けることができないと、浴槽や洗い場床などに載置される壁パネルを正確な位置に取り付けることができないためである。浴室の壁パネルを正確な位置に取り付けることができないと、ユニットバス自体が歪んだり、隙間が発生して気密性や水密性が低下するため好ましくない。
【０００３】
あるいは、浴槽と洗い場床とを正確な位置に取り付けることができないと、バスエプロンを正確な位置に取り付けることができないおそれがある。バスエプロンは、一般的に、浴槽の側面を覆い隠すように、あるいは浴槽と洗い場床との間に形成される開口を塞ぐように取り付けられる。そのため、バスエプロンを正確な位置に取り付けることができないと、隙間が発生して気密性や水密性が低下したり、意匠性が低下するため好ましくない。
【０００４】
そこで、洗い場パンの裏側から延出された補強フレーム上に、別体の浴槽脚を介在させて別体の浴槽を固設する洗い場付き浴槽の設置構造がある（特許文献１）。特許文献１に記載された設置構造によれば、浴槽を補強フレーム上に載置し位置合わせをすることにより、補強フレームからみた浴槽の設置位置を決定することができる。しかしながら、浴槽防水パンが設置されるユニットバスにおいては、浴槽と浴槽架台（補強フレーム）との間に浴槽防水パンが介在することとなるため、特許文献１に記載された設置構造によれば、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定できないという問題がある。
【０００５】
また、浴槽載置用の防水パンを備えた浴室ユニットがある（特許文献２）。特許文献２に記載された浴室ユニットによれば、防水パンの軽量化や低廉化を図ることができ、また防水パンの設置や運搬作業を容易化することができる。しかしながら、浴槽と、洗い場床や浴槽架台（支持部材）と、の位置関係については、特許文献２には記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−１６２６３号公報
【特許文献２】特開２００７−９２３４６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、浴槽防水パンを設置可能としながらも、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、施工性をより向上させることができる浴槽設置構造および浴槽設置方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために本発明に係る浴槽設置構造は、浴槽架台と、前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、前記浴槽載置ピースに対し固定されることにより水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、を備え、前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする。
【０００９】
本発明では、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準として規定することができる。そのため、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置することができ、浴槽を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００１０】
本願請求項２に係る浴槽設置構造では、前記下側位置決め部は、前記下面から下方へ突出した第１の位置決めリブと、前記下面から下方へ突出し前記第１の位置決めリブよりも水平方向に変形しやすい第２の位置決めリブと、を有することを特徴とする。
【００１１】
この態様では、第１の位置決めリブは、第２の位置決めリブが浴槽架台から力（反発力）を受けることにより、浴槽架台に押し付けられる、あるいは当接する。そのため、浴槽防水パンを浴槽架台に載置することにより、浴槽架台からみた浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置することができ、浴槽を設置する際の施工性をさらに向上させることができる。
【００１２】
本願請求項３に係る浴槽設置構造では、前記上側位置決め部は、前記下側位置決め部からみて直上付近に設けられたことを特徴とする。
【００１３】
この態様では、浴槽架台から浴槽防水パンを介してみた浴槽載置ピースの水平方向の設置位置の誤差を小さくすることが可能となり、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準としてより正確に規定することができる。
【００１４】
本願請求項４に係る浴槽設置方法では、浴槽防水パンを浴槽架台の上に設置する際、前記浴槽防水パンの下面に設けられた下側位置決め部により前記浴槽架台に対して前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定し、浴槽載置ピースを前記浴槽防水パンの上に設置する際、前記浴槽防水パンの上面に設けられた上側位置決め部により前記浴槽防水パンに対して前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定し、浴槽の裏面に設けられた浴槽位置決め部を前記浴槽載置ピースに対し固定することにより前記浴槽架台に対して前記浴槽の水平方向の設置位置を規定することを特徴とする。
【００１５】
本発明では、浴槽の水平方向の設置位置を浴槽架台を基準として規定することができる。そのため、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、浴槽を設置する際の施工性を向上させることができる。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、浴槽防水パンを設置可能としながらも、浴槽架台を基準として浴槽の設置位置を規定することが可能となり、浴槽と洗い場床とをより正確な位置関係に配置し、施工性をより向上させることができる浴槽設置構造および浴槽設置方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の実施の形態にかかる浴槽設置構造を備えたユニットバスを表す分解模式図である。
【図２】浴槽防水パンが設置されたユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図３】浴槽防水パンが設置されていないユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図４】本実施形態の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
【図５】本実施形態の浴槽載置ピースを表す斜視模式図である。
【図６】本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための平面模式図である。
【図７】本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための斜視模式図である。
【図８】浴槽の裏面に付設された浴槽位置決め部の近傍を拡大して眺めた拡大模式図である。
【図９】本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造を表す断面模式図である。
【図１０】本変形例の浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
【図１１】本変形例の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図１は、本発明の実施の形態にかかる浴槽設置構造を備えたユニットバスを表す分解模式図である。
【００１９】
図１に表したユニットバスは、図示しない建物床に載置される洗い場床１００と、洗い場床１００に固定され図示しない建物床に載置される浴槽架台２００と、浴槽架台２００の上に載置される浴槽防水パン３００と、浴槽防水パン３００に上に取り付けられる浴槽載置ピース３６０と、浴槽防水パン３００の上に載置される浴槽４００と、を備える。また、図１に表したユニットバスでは、洗い場床１００と浴槽４００との間に、バスエプロン５００（図９参照）が設置される。
【００２０】
洗い場床１００は、支持脚１１０を有し、建物床の任意の位置に載置される。また、洗い場床１００の支持脚１１０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより、洗い場床１００の高さを調整することができる。
浴槽架台２００は、ねじなどの締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されている。浴槽架台２００は、洗い場床１００と同様に、支持脚２１０を有し、その支持脚２１０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより、浴槽架台２００の高さを調整することができる。また、浴槽架台２００は、浴槽防水パン３００および浴槽４００の長手方向（左右方向）に延在するフレーム２０１を有する。
【００２１】
浴槽防水パン３００は、底部３０１と、底部３０１の周縁部から上方に延在した側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃ、３０２ｄと、を有する。側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃの上端の高さは、浴槽防水パン３００の上に載置された浴槽４００の浴槽リム４０５の高さと略同じある。そのため、浴槽防水パン３００の側壁部３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃは、浴槽４００の側壁部４０２ａ、４０２ｂ、４０２ｃをそれぞれ覆うことができる。一方、側壁部３０２ｄの上端の高さは、浴槽防水パン３００の上に載置された浴槽４００の浴槽リム４０５の高さよりも低い。そのため、浴槽防水パン３００の側壁部３０２ｄは、浴槽４００の側壁部４０２ｄの一部を覆うことができる。なお、側壁部３０２ｄにより覆われない浴槽４００の側壁部４０２ｄの他部は、バスエプロン５００により覆われる。
【００２２】
これにより、浴槽防水パン３００は、例えば、給水源に接続された図示しない配管などから水が漏れた場合であっても、その漏水を受けることができる。つまり、浴槽防水パン３００は、浴槽架台２００や建物床などに水が漏れることをより確実に抑制することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【００２３】
また、浴槽防水パン３００は、底部３０１の浴槽架台２００側の面（下面）に設けられた下側位置決め部３１０と、底部３０１の浴槽４００側の面（上面）に設けられた上側位置決め部３２０（図２参照）と、を有する。下側位置決め部３１０は、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２を有する。下側位置決め部３１０は、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定することができる。一方、上側位置決め部３２０は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成され、浴槽防水パン３００に対して浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定することができる。これらについては、後に詳述する。
【００２４】
浴槽４００は、底部４０１と、底部４０１の周縁部から上方に延在した側壁部４０２ａ、４０２ｂ、４０２ｃ、４０２ｄと、上面あるいは上端を形成する浴槽リム４０５と、を有する。浴槽４００の裏面、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側の面（下面）には、図１に表したように、浴槽４００の水平方向の設置位置を規定する浴槽位置決め部４１０が付設されている。なお、浴槽位置決め部４１０は、浴槽４００と別体ではなく、一体として形成されていてもよい。
【００２５】
また、浴槽載置ピース３６０は、浴槽防水パン３００に設けられた取付部３３０（図２参照）にねじなどの締結部材６０１により固定される。そして、例えば作業者などは、浴槽位置決め部４１０と、浴槽載置ピース３６０と、を締結部材６０１で締結し固定することにより、浴槽架台２００を基準として浴槽４００の設置位置を規定することができる。これらのことについて、以下図面を参照しつつさらに詳細に説明する。
【００２６】
図２は、浴槽防水パンが設置されたユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
また、図３は、浴槽防水パンが設置されていないユニットバスの浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
なお、図２および図３は、図１に表したＡ−Ａ断面図に相当する。
【００２７】
浴槽防水パン３００は、図１に関して前述したように、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された下側位置決め部３１０を有する。そして、下側位置決め部３１０は、浴槽防水パン３００からみて洗い場床１００側に設けられた第１の位置決めリブ３１１と、第１の位置決めリブ３１１よりも洗い場床１００から離間した位置に設けられた第２の位置決めリブ３１２と、を有する。第１の位置決めリブ３１１は、第２の位置決めリブ３１２よりも水平方向に変形しにくく、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定することができる。一方、第２の位置決めリブ３１２は、第１の位置決めリブ３１１よりも水平方向に変形しやすい。
【００２８】
そのため、図２に表したように、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入されるように、あるいは係合されるように、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００の上に設置すると、第２の位置決めリブ３１２は、第１の位置決めリブ３１１の方向（矢印Ｃの方向）にフレーム２０１を押す（作用）。言い換えれば、第２の位置決めリブ３１２は、フレーム２０１を押す方向とは反対方向（矢印Ｃとは反対方向）に押される（反作用）。そのため、浴槽防水パン３００は、矢印Ｃとは反対方向に移動し、第１の位置決めリブ３１１は、浴槽架台２００のフレーム２０１に押し付けられる、あるいは当接する。これにより、浴槽架台２００に対して浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置が規定される。
【００２９】
また、浴槽防水パン３００は、図１に関して前述したように、底部３０１の上面から上へ突出するように形成された上側位置決め部３２０を有する。そして、浴槽載置ピース３６０を上側位置決め部３２０に押し付ける、あるいは当接させることにより、浴槽防水パン３００に対して浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定することができる。さらに、浴槽防水パン３００は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成された取付部３３０を有する。この取付部３３０は、締結部材６０１を締結可能な孔３３１を有する。そのため、浴槽載置ピース３６０が有する貫通孔３６３に締結部材６０１を通し取付部３３０の孔３３１に締結することにより、浴槽防水パン３００に対して水平方向の設置位置を規定しつつ浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００３０】
このとき、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、締結部材６０１の径Ｄよりも十分に大きいため、上側位置決め部３２０を基準として規定される浴槽載置ピース３６０の設置位置には影響を及ぼさない。言い換えれば、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、上側位置決め部３２０を基準として規定される浴槽載置ピース３６０の設置位置に影響を及ぼさない程度に大きい。あるいは、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６３は、浴槽載置ピース３６０の設置位置を上側位置決め部３２０を基準として規定できる程度に大きい。
【００３１】
また、浴槽防水パン３００の底部３０１には、浴槽載置ピース３６０を固定するための孔などは設けられていない。そのため、浴槽防水パン３００は、浴槽架台２００や建物床などに水が漏れることをより確実に抑制できる。
【００３２】
なお、上側位置決め部３２０は、下側位置決め部３１０の第１の位置決めリブ３１１からみて直上に設けられていることが好ましい。あるいは、下側位置決め部３１０の第１の位置決めリブ３１１は、上側位置決め部３２０からみて直下に設けられていることが好ましい。これは、一般的に、２つの部分や部材や部品の間の距離が大きくなるにつれて、その間の距離の誤差は大きくなるためである。したがって、上側位置決め部３２０と、第１の位置決めリブ３１１と、の間の水平方向の距離を小さくすることにより、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置の誤差を小さくすることができる。
【００３３】
なお、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定できる限りにおいて、下側位置決め部３１０に対して上側位置決め部３２０の水平方向の設置位置がずれているものも、本願明細書にいう「直上」の範囲に包含されるものとする。また、浴槽架台２００から浴槽防水パン３００を介してみた浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定できる限りにおいて、上側位置決め部３２０に対して下側位置決め部３１０の水平方向の設置位置がずれているものも、本願明細書にいう「直下」の範囲に包含されるものとする。
【００３４】
浴槽載置ピース３６０は、図２に表したように、締結部材６０１を通す貫通孔３６２を有する。そして、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２の近傍には、ナット３６１が付設されている。ナット３６１は、溶接や接着などにより浴槽載置ピース３６０に予め固定されている。
【００３５】
浴槽位置決め部４１０は、図１に関して前述したように、浴槽４００の裏面、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側の面（下面）に締結部材６０１により固定されている。浴槽位置決め部４１０は、図２に表したように、締結部材６０１を通す貫通孔４１５を有する。浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５は、締結部材６０１の径Ｄよりも大きい径を有し、その貫通孔４１５の径は、締結部材６０１の径Ｄに比較的近い。そのため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に締結部材６０１を通しナット３６１に締結することにより、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽載置ピース３６０に位置決めされつつ固定される。つまり、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される。
【００３６】
ここで、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される浴槽４００の水平方向とは、左右方向（図１参照）および前後方向（図１参照）の少なくともいずれかである。そのため、浴槽位置決め部４１０が有する貫通孔４１５は、上下方向に長手方向を有する長孔であって、左右方向の幅が締結部材６０１の径Ｄに比較的近い長孔であってもよい。これによれば、浴槽４００の上下方向の設置位置は、自由度を有しつつ、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３６０を基準として規定される。
【００３７】
一方、浴槽４００の上下方向の設置位置は、浴槽４００の底部４０１が浴槽防水パン３００の所定位置に載置されることにより規定される。これについては、後に詳述する。そして、浴槽載置ピース３６０と、浴槽位置決め部４１０と、の間には上下方向に間隙Ｂが存在する。すなわち、浴槽載置ピース３６０の上端は、浴槽位置決め部４１０には当接していない。そのため、浴槽４００の荷重は、浴槽載置ピース３６０にはあまりかからず、浴槽４００の底部４０１を載置する浴槽防水パン３００の所定位置に主としてかかる。これによれば、浴槽載置ピース３６０が浴槽４００の荷重により破損することを抑えることができる。なお、浴槽架台２００と、浴槽防水パン３００と、は互いに固定されないため、水密性がより確保される位置において適宜固定される。
【００３８】
以上説明したように、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３６０に、位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３６０を介して浴槽架台２００を基準として規定される。すなわち、浴槽架台２００に対する浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３６０を介して決定される。
【００３９】
さらに、浴槽架台２００は、図１に関して前述したように、締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されている。そのため、浴槽４００の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することにより、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。
【００４０】
一方、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでは、図３に表したように、浴槽位置決め部４１０を浴槽架台２００の上に直接的に載置することができる。そのため、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００は、浴槽架台２００に位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００の水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスにおいても、浴槽架台２００を基準として規定される。
【００４１】
そして、浴槽架台２００は、締結部材や溶接や接着などにより洗い場床１００に適宜固定されているため、浴槽４００の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することにより、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。なお、この場合には、締結部材６０１が浴槽架台２００の上面に接触しないように、浴槽位置決め部４１０に「ザクリ」などと呼ばれる凹部を設ける、あるいは浴槽架台２００の上面に凹部あるいは孔を設けることが好ましい。
【００４２】
本実施形態にかかる浴槽設置構造によれば、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。
【００４３】
次に、浴槽防水パン、浴槽載置ピース、および浴槽位置決め部の構造の詳細、並びに浴槽設置方法について、図面を参照しつつ説明する。
まず、浴槽防水パン３００の構造の詳細について説明する。
図４は、本実施形態の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
なお、図４（ａ）は、浴槽防水パン３００の内側を眺めた斜視模式図であり、図４（ｂ）は、浴槽防水パン３００の外側を眺めた斜視模式図である。
【００４４】
浴槽防水パン３００は、図４（ａ）に表したように、底部３０１の上面において、上側位置決め部３２０と、取付部３３０と、を有する。上側位置決め部３２０は、底部３０１の上面から上へ突出するように形成され、浴槽防水パン３００の長手方向に延在している。上側位置決め部３２０の高さは、取付部３３０の高さと略同じあるいはそれよりも低い。取付部３３０は、例えば略円柱形状を有し、その上面から下へ向かって形成された孔３３１（図２参照）を有する。但し、取付部３３０の形態は、これだけに限定されず、例えば、略直方体であってもよい。さらに、取付部３３０の設置数および設置形態についても、図４に表した取付部３３０の設置数および設置形態に限定されるわけではない。
【００４５】
また、浴槽防水パン３００は、図４（ｂ）に表したように、底部３０１の下面において、下側位置決め部３１０を有する。下側位置決め部３１０は、底部３０１の下面から下へ突出するように形成された第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２を有し、第１および第２の位置決めリブ３１１、３１２は、浴槽防水パン３００の長手方向に延在している。そして、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に、浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入される、あるいは係合される。
【００４６】
次に、浴槽載置ピース３６０の構造の詳細について説明する。
図５は、本実施形態の浴槽載置ピースを表す斜視模式図である。
なお、図５（ａ）は、ナット３６１側からみた斜視模式図であり、図５（ｂ）は、ナット３６１とは反対側からみた斜視模式図である。
【００４７】
浴槽載置ピース３６０は、図５に表したように、浴槽防水パン３００に載置される基部３６６と、基部３６６と略直交する方向に延在し浴槽位置決め部４１０を固定する固定部３６７と、基部３６６から上方に突出した凸部３６８と、を有する。凸部３６８の上部には、例えば２つの貫通孔３６３が設けられている。この貫通孔３６３の設置位置は、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に設けられた取付部３３０の孔３３１の設置位置に対応している。
【００４８】
そして、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３６０を載置し、凸部３６８の貫通孔３６３と取付部３３０の孔３３１との位置を対応させ、固定部３６７における基部３６６とは反対側の面を上側位置決め部３２０に当接させることにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３６０の設置位置を規定できる。また、貫通孔３６３に締結部材６０１を通し取付部３３０の孔３３１に締結することにより、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００４９】
固定部３６７には、貫通孔３６２が設けられている。また、固定部３６７における基部３６６側の面には、中心軸が貫通孔３６２の中心軸と略一致するようにナット３６１が付設されている。ナット３６１は、溶接や接着などにより固定部３６７に固定されている。そのため、図１および図２に表したように、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に洗い場床１００側から締結部材６０１を通しナット３６１に締結することにより、浴槽位置決め部４１０を有する浴槽４００を浴槽載置ピース３６０に位置決めし固定することができる。
【００５０】
次に、浴槽設置方法について説明する。
図６は、本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための平面模式図である。
なお、図６は、浴槽架台２００に浴槽防水パン３００を固定し、浴槽防水パン３００に浴槽載置ピース３６０を固定した状態を上方から眺めた平面模式図である。
【００５１】
まず、作業者は、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００上に載置する。このとき、第１の位置決めリブ３１１と、第２の位置決めリブ３１２と、の間に浴槽架台２００のフレーム２０１が挿入されるように、あるいは係合されるように、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００の上に載置する。そうすると、図２に関して前述したように、浴槽防水パン３００は、矢印Ｃとは反対方向に移動し、第１の位置決めリブ３１１は、浴槽架台２００のフレーム２０１に押し付けられる、あるいは当接する。これにより、浴槽架台２００に対する浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置が規定される。
【００５２】
続いて、作業者は、水密性がより確保される図示しない位置において、浴槽架台２００と、浴槽防水パン３００と、を接着あるいは締結部材などにより固定する。これにより、浴槽架台２００に対する浴槽防水パン３００の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００に固定することができる。
【００５３】
続いて、作業者は、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３６０を載置し、浴槽載置ピース３６０の凸部３６８の貫通孔３６３と、浴槽防水パン３００の取付部３３０の孔３３１と、の位置を対応させる。そして、浴槽載置ピース３６０の固定部３６７における基部３６６とは反対側の面を上側位置決め部３２０に当接させる。さらに、浴槽載置ピース３６０の凸部に設けられた貫通孔３６３に締結部材６０１を通し、取付部３３０の孔３３１に締結する。これにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３６０の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定することができる。このようにして、浴槽防水パン３００を浴槽架台２００に固定し、浴槽載置ピース３６０を浴槽防水パン３００に固定した状態は、図６に表した如くである。
【００５４】
図７は、本実施形態にかかる浴槽設置方法を説明するための斜視模式図である。
また、図８は、浴槽の裏面に付設された浴槽位置決め部の近傍を拡大して眺めた拡大模式図である。
【００５５】
続いて、本実施形態にかかる浴槽設置方法では、作業者は、浴槽防水パン３００の上に浴槽４００を載置する。そして、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の固定部３６７に設けられた貫通孔３６２と、の位置を対応させる。このとき、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５の中心軸と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２の中心軸と、が略一致していることがより好ましい。
【００５６】
ここで、浴槽４００の下側には、図７に表したように、支持脚４２０が付設されている。この支持脚４２０は、いわゆる「アジャスタボルト」を有する。これにより浴槽４００の高さを調整することができる。そして、浴槽４００を浴槽防水パン３００上に載置すると、支持脚４２０の下端部と、浴槽４００の底部４０１の下端部４０１ａは、浴槽防水パン３００に接触する。これによれば、支持脚４２０と、底部４０１の下端部４０１ａと、は浴槽４００の荷重を支えることができる。
【００５７】
また、浴槽４００の裏面には、図７に表したように、浴槽位置決め部４１０が付設されている。浴槽位置決め部４１０は、図８に表したように、浴槽４００の裏面に固定される基部４１１と、基部４１１と略直交する方向に延在し浴槽載置ピース３６０に固定される固定部４１３と、を有する。
【００５８】
浴槽位置決め部４１０は、図８に表したように、基部４１１において締結部材６０１により浴槽４００の裏面に固定されている。また、固定部４１３の端部には、浴槽４００からみて洗い場床１００側に湾曲したガイド部４１４が設けられている。そのため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、の位置を対応させる際、浴槽４００に付設された浴槽位置決め部４１０は、ガイド部４１４により案内される。これにより、作業者は、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、の位置を楽に対応させることができる。なお、本実施形態の浴槽４００では、図７に表したように、２つの浴槽位置決め部４１０が浴槽４００の長手方向（左右方向）に離間して付設されている。但し、浴槽位置決め部４１０の設置数や設置位置については、これだけに限定されるわけではない。
【００５９】
続いて、作業者は、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５と、浴槽載置ピース３６０の貫通孔３６２と、に締結部材６０１を通しナット３６１（図５参照）に締結する。これにより、位置決め部４１０を有する浴槽４００を浴槽載置ピース３６０に固定することができる。このとき、図２に関して前述したように、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５は、締結部材６０１の径Ｄに比較的近いため、浴槽位置決め部４１０の貫通孔４１５に締結部材６０１を通して締結することにより、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽載置ピース３６０を基準として規定することができる。
【００６０】
本実施形態にかかる浴槽設置方法によれば、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３６０に、浴槽４００を位置決めしつつ固定することができる。その結果、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。さらに、浴槽４００を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００６１】
次に、本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造について、図面を参照しつつ説明する。
図９は、本実施形態の変形例にかかる浴槽設置構造を表す断面模式図である。
また、図１０は、本変形例の浴槽載置ピースの近傍を拡大して眺めた断面模式図である。
また、図１１は、本変形例の浴槽防水パンを表す斜視模式図である。
なお、図１０は、図９に表した範囲Ｅの部分の拡大模式図に相当する。
【００６２】
本変形例の浴槽４００ａは、図９および図１０に表したように、浴槽４００ａの裏側、すなわち底部４０１の浴槽架台２００側に凹部４０１ｂを有する。そして、この凹部４０１ｂには、図９に表したように、例えばゴムやパッキンなどの弾性体６０５が付設されている。本変形例では、図８に表したような浴槽位置決め部４１０は設けられていない。
【００６３】
また、本変形例の浴槽載置ピース３７０は、図１１に表したように、略直方体の形状を有する。つまり、浴槽載置ピース３７０は、図５に表した浴槽載置ピース３６０の基部３６６や固定部３６７などを有しているわけではなく、いわゆる「ブロック」の形状を有する。また、浴槽載置ピース３７０は、図１０および図１１に表したように、上面に凹設部３７１を有し、その凹設部３７１の下部には、締結部材６０１を通す貫通孔３７３が設けられている。
【００６４】
そして、浴槽載置ピース３７０を浴槽防水パン３００に取り付ける場合には、まず、浴槽防水パン３００の底部３０１の上面に浴槽載置ピース３７０を載置し、浴槽載置ピース３７０の貫通孔３７３と、浴槽防水パン３００の取付部３３０の孔３３１と、の位置を対応させる。そして、図１０に表したように、浴槽載置ピース３７０の外面を上側位置決め部３２０に当接させる。さらに、浴槽載置ピース３７０の貫通孔３６３に締結部材６０１を通し、取付部３３０の孔３３１に締結する。これにより、浴槽防水パン３００に対する浴槽載置ピース３７０の水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽載置ピース３７０を浴槽防水パン３００に固定することができる。
【００６５】
また、浴槽４００ａは、浴槽載置ピース３７０が凹部４０１ｂに挿入されるように、あるいは浴槽載置ピース３７０と凹部４０１ｂとが係合するように、浴槽載置ピース３７０上に載置されている。より具体的には、浴槽載置ピース３７０の外面と、凹部４０１ｂの内面と、が当接するように、浴槽４００ａは、浴槽載置ピース３７０に載置されている。これにより、浴槽４００ａの水平方向の設置位置は、浴槽載置ピース３７０を基準として規定される。
【００６６】
このとき、凹部４０１ｂに付設された弾性体６０５の下面と、浴槽載置ピース３７０の上面と、は当接している。つまり、凹部４０１ｂに付設された弾性体６０５は、浴槽載置ピース３７０上に載置されている。そのため、本変形例の浴槽載置ピース３７０は、浴槽４００ａの水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽４００ａの荷重を支えることができる。また、弾性体６０５は、例えばゴムやパッキンなどのように弾性を有するため、浴槽４００ａを設置するときの衝撃などを和らげることができる。なお、その他の構造については、図１〜図８に関して前述した浴槽設置構造と同様である。
【００６７】
本変形例によれば、浴槽４００ａは、浴槽防水パン３００を介して浴槽架台２００に位置決めされた浴槽載置ピース３７０に、位置決めされつつ固定される。その結果、浴槽４００ａの水平方向の設置位置は、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスにおいても、浴槽載置ピース３７０を介して浴槽架台２００を基準として規定される。また、浴槽位置決め部４１０を別体として設ける必要がないため、浴槽４００ａを設置する際の施工性をより向上させることができる。さらに、浴槽載置ピース３７０は、浴槽４００ａの水平方向の設置位置を規定しつつ、浴槽４００ａの荷重を支えることができる。これにより、図７に表した支持脚４２０などを設ける必要はなくなり、浴槽４００ａの構造を簡略化することができる。また、その他の効果についても、図１〜図８に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【００６８】
以上説明したように、本実施形態によれば、浴槽防水パン３００が設置されるユニットバスでも、浴槽防水パン３００が設置されないユニットバスでも、浴槽４００の水平方向の設置位置を浴槽架台２００を基準として規定することができる。そのため、浴槽４００と洗い場床１００とをより正確な位置関係に配置することができる。さらに、浴槽４００を設置する際の施工性を向上させることができる。
【００６９】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴槽防水パン３００や浴槽４００などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや浴槽載置ピース３６０の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【００７０】
１００ 洗い場床、 １１０ 支持脚、 ２００ 浴槽架台、 ２０１ フレーム、 ２１０ 支持脚、 ３００ 浴槽防水パン、 ３０１ 底部、 ３０２ａ、３０２ｂ、３０２ｃ、３０２ｄ 側壁部、 ３１０ 下側位置決め部、 ３１１ 第１の位置決めリブ、 ３１２ 第２の位置決めリブ、 ３２０ 上側位置決め部、 ３３０ 取付部、 ３３１ 孔、 ３６０ 浴槽載置ピース、 ３６１ ナット、 ３６２ 、３６３ 貫通孔、 ３６６ 基部、 ３６７ 固定部、 ３６８ 凸部、 ３７０ 浴槽載置ピース、 ３７１ 凹設部、 ３７３ 貫通孔、 ４００、４００ａ 浴槽、 ４０１ 底部、 ４０１ａ 下端部、 ４０１ｂ 凹部、 ４０２ａ、４０２ｂ、４０３ｃ、４０２ｄ 側壁部、 ４０５ 浴槽リム、 ４１０ 浴槽位置決め部、 ４１１ 基部、 ４１３ 固定部、 ４１４ ガイド部、 ４１５ 貫通孔、 ４２０ 支持脚、 ５００ バスエプロン、 ６０１ 締結部材、 ６０５ 弾性体
【特許請求の範囲】
【請求項１】
浴槽架台と、
前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、
前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、
前記浴槽載置ピースに対し固定されることにより水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、
を備え、
前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、
前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする浴槽設置構造。
【請求項２】
前記下側位置決め部は、前記下面から下方へ突出した第１の位置決めリブと、前記下面から下方へ突出し前記第１の位置決めリブよりも水平方向に変形しやすい第２の位置決めリブと、を有することを特徴とする請求項１記載の浴槽設置構造。
【請求項３】
前記上側位置決め部は、前記下側位置決め部からみて直上に設けられたことを特徴とする請求項１または２に記載の浴槽設置構造。
【請求項４】
浴槽防水パンを浴槽架台の上に設置する際、前記浴槽防水パンの下面に設けられた下側位置決め部により前記浴槽架台に対して前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定し、
浴槽載置ピースを前記浴槽防水パンの上に設置する際、前記浴槽防水パンの上面に設けられた上側位置決め部により前記浴槽防水パンに対して前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定し、
浴槽の裏面に設けられた浴槽位置決め部を前記浴槽載置ピースに対し固定することにより前記浴槽架台に対して前記浴槽の水平方向の設置位置を規定することを特徴とする浴槽設置方法。
【請求項１】
浴槽架台と、
前記浴槽架台の上に設置される浴槽防水パンと、
前記浴槽防水パンの上に取り付けられる浴槽載置ピースと、
前記浴槽載置ピースに対し固定されることにより水平方向の設置位置が規定される浴槽位置決め部を裏面に有する浴槽と、
を備え、
前記浴槽防水パンは、下面に設けられ前記浴槽架台に対する前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定する下側位置決め部と、上面に設けられ前記浴槽防水パンに対する前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定する上側位置決め部と、を有し、
前記浴槽は、前記上側位置決め部と、前記下側位置決め部と、前記浴槽位置決め部と、により前記浴槽架台に対して水平方向の設置位置が規定されることを特徴とする浴槽設置構造。
【請求項２】
前記下側位置決め部は、前記下面から下方へ突出した第１の位置決めリブと、前記下面から下方へ突出し前記第１の位置決めリブよりも水平方向に変形しやすい第２の位置決めリブと、を有することを特徴とする請求項１記載の浴槽設置構造。
【請求項３】
前記上側位置決め部は、前記下側位置決め部からみて直上に設けられたことを特徴とする請求項１または２に記載の浴槽設置構造。
【請求項４】
浴槽防水パンを浴槽架台の上に設置する際、前記浴槽防水パンの下面に設けられた下側位置決め部により前記浴槽架台に対して前記浴槽防水パンの水平方向の設置位置を規定し、
浴槽載置ピースを前記浴槽防水パンの上に設置する際、前記浴槽防水パンの上面に設けられた上側位置決め部により前記浴槽防水パンに対して前記浴槽載置ピースの水平方向の設置位置を規定し、
浴槽の裏面に設けられた浴槽位置決め部を前記浴槽載置ピースに対し固定することにより前記浴槽架台に対して前記浴槽の水平方向の設置位置を規定することを特徴とする浴槽設置方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１０−２７０５３２（Ｐ２０１０−２７０５３２Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２４４３９（Ｐ２００９−１２４４３９）
【出願日】平成２１年５月２２日（２００９．５．２２）
【出願人】（００００１００８７）ＴＯＴＯ株式会社 (3,889)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月２２日（２００９．５．２２）
【出願人】（００００１００８７）ＴＯＴＯ株式会社 (3,889)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]