浸潤線用測定器
【課題】アースダムにおける浸潤線を測定する際に、巻尺テープの長さを計る機能を損なうことなく、巻尺テープが湿った内壁面等に密着して貼り付くことなく、先端の水位センサを水面まで容易に降下させることができ、かつ巻尺テープの目盛を視認しやすくする。
【解決手段】目盛2が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ3と、巻尺テープ3の先端部に設けられた水位センサ4と、水位センサ4が水面に接した際に報知する報知部5と、を備え、巻尺テープ3に、測定孔54(測定管55)の孔壁への貼着を防止するために、巻尺テープ3の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部8を所定間隔ごとに取り付けた。
【解決手段】目盛2が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ3と、巻尺テープ3の先端部に設けられた水位センサ4と、水位センサ4が水面に接した際に報知する報知部5と、を備え、巻尺テープ3に、測定孔54(測定管55)の孔壁への貼着を防止するために、巻尺テープ3の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部8を所定間隔ごとに取り付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に開けた掘削孔の水位等を測定する測定器に係り、特にアースダムにおける掘削孔の周囲から水分が浸出する浸潤線を測定する浸潤線用測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
アースダム51は、図9の平面図と図10の断面図に示すように、土を横断面が略台形状になるように盛り、締め固めて造成したダムである。基礎地盤がそれほど良好でない場所でも築造でき、堤体材料の土も入手しやすく、施工も簡単であり、灌漑用の溜池として数多く造成されてきた。このアースダム51は、主に灌漑用のダムとして築造されているが、堤体が土のためにダムの強度が弱く、地震に対する抵抗力も小さいので、高さは最高でも40メートル程度で、小規模なものが多い。洪水が堤体を越流するとダムが決壊するので、洪水流量の大きい河川本流には築造されず、流域の小さい河川や支流に築造されられることが多い。
【0003】
このアースダム51を形成している土は水を含むと脆弱になる。透水性の悪い粘土であっても、貯水池52の水を通さないということはなく、必ず水は浸透してくる。図10の断面図に示すように、貯水池52側の水位線がダム本体の中に突然消えるのではなく、カーブを描きながら落ちて行く。このカーブを浸潤線53という。浸潤線53は、アースダム51や河川堤防等の HYPERLINK "http://kotobank.jp/word/%E5%9C%9F%E8%B3%AA" 土質構造体に水が浸透する場合の自由水面の連続線をいう。浸潤線53の先端が堤体本体の末端から上に達すると危険である。その部分で漏水した状態になる。この浸潤線53は難透水の土層であると落ち方が激しく、末端まで至らない。その逆に透水性の土層であると、図示するように、浸潤線53は水平に近くなって末端の高い部分に到達する。このままでは放置するとこのアースダム51は決壊するおそれが高くなる。
【0004】
そこで、ダム構造物管理基準に準じて、このようなアースダム51の浸潤線53について3か月に1回程度、現地で測定している。例えば図9のアースダム51の平面図に示すように、複数の測定孔54を掘削する。この測定孔54には例えば測定管55を埋設している。この測定孔54(測定管55)は、図11の拡大断面図に示すように、下方において、浸潤した水分がこの測定孔54(測定管55)に浸出するように多数のストレーナー56が開けられている。このストレーナー56部分は例えば塩ビ製のパイプに開けた孔にメッシュ生地を張り付けたものである。この測定孔54(測定管55)の上部開口部に蓋57を設けている。図11の測定孔54(測定管55)はモルタル58で固定してある。測定孔54(測定管55)のストレーナー56部分は盛土59の位置になる。
【0005】
このような測定孔54(測定管55)内の水位を地表面から水位計を用いて計測する。水位計は、巻尺テープ61と、巻尺テープ61の先端部にセンサー部(図示していない)設け、このセンサー部が水面に接した際に報知する報知部とを備えた測定器である。センサー部は電極を備えており、センサー部が水面に接した際に、電流が流れて報知部からアラームを鳴動させ、ランプを点灯、点滅させて報知するようになっている。
【0006】
このような構成の水位計では、図10の断面図に示すように、アースダム51の浸潤線53を測定する測定孔54(測定管55)が筒直径約50mmと狭いため、この水位計の巻尺テープ61をセンサー部の重みで測定孔54(測定管55)に降下させる際に、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たり測定箇所まで測定器(センサー部)が下りないことがあった。
【0007】
これは、図12の測定管の断面図の(a)と(b)に示すように、巻尺テープ61は横断面が扁平形状になっているので、井戸や掘削孔等に巻尺テープを降下させる際に、測定孔54(測定管55)の孔壁に巻尺テープ61が水滴で貼り付きS、水面までセンサー部を降下させることができないことがあった。そのため、センサー部に錘を取付けて、巻尺テープ61が貼り付いても、錘の重さによって水面までセンサー部を下ろしていた。しかし、錘の重さで巻尺テープ61に負荷が掛かり過ぎ製品としての寿命が短くなっていた。
【0008】
また、図12(c)に示すように、そのまま巻尺テープ61のみを降下させると、誤測定になりやすく、測定に長時間を要していた。特に、測定孔54(測定管55)が多いアースダム51では尚更のことであった。
【0009】
このように濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たっても巻尺テープを円滑に降下させる技術について、例えば特許文献1の実用新案登録第3148373号公報「水位計」に、長尺な巻尺線状体と、前記巻尺線状体の先端部に設けられたセンサー部と、前記センサー部が水面に接した際に報知する報知部とを備えた水位計において、前記巻尺線状体は、断面形状が円形状に構成されており、且つ長さ方向に沿って1cm又は10cm毎に目盛が標記されている水位計が提案されている。
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3148373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1の「水位計」では、横断面形状が細い円形状ということで、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たっても巻尺テープ61を円滑に降下させることができるが、そもそも浸潤線53を測定する際には、巻尺テープ61を持ってセンサー部を水面に向けて下ろし、センサー部が水面に接して報知部が報知した際に、巻尺テープの目盛を読むことで、水位を測定するものである。特許文献1の水位計のような線状体の巻尺では、手から滑りやすいという問題を有していた。特に、数箇所の浸潤線53を測定すると、この線状体の巻尺自体が湿った状態になり、すべり易くなる。
【0012】
また、特許文献1の「水位計」の線状体の巻尺では、目盛を判読しづらく誤読しやすいという問題を有していた。このような線状体の巻尺は、目盛があることは判別できるがその数値を正確に読み取ることは困難であった。
【0013】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、本来の巻尺テープの長さを計る機能を損なうことなく、巻尺テープが湿った内壁面等に密着して貼り付くことなく、先端の水位センサを水面まで容易に降下させることができ、かつ巻尺テープの目盛が視認しやすい浸潤線用測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、アースダム(51)における浸潤線(53)を測定する際に、複数の測定孔(54)(測定管(55))内における水位を測定する浸潤線用測定器(1)であって、目盛(2)が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ(3)と、前記巻尺テープ(3)の先端部に設けられた水位センサ(4)と、前記水位センサ(4)が水面に接した際に報知する報知部(5)と、を備え、前記巻尺テープ(3)に、前記測定孔(54)(測定管(55))の孔壁への貼着を防止するために、該巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)を所定間隔ごとに取り付けた、ことを特徴とする。
例えば、前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲にテープを巻き付けたものである。
【0015】
または、前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである。
この前記貼着防止部(8)は、横長の略半球形状の部材を前記巻尺テープ(3)に挟むように取り付けたものである。
【0016】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである。
この前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面に、半球形状の部材(9)の連結軸(10)を貫通させ、該連結軸(10)の先端を反対側の半球形状の部材(11)の連結孔(12)に差し込むように取り付けたものである。
【発明の効果】
【0017】
上記構成の発明では、巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)が、この巻尺テープ(3)に所定間隔ごとに取り付けられている。これらの貼着防止部(8)は、測定孔54(測定管55)内に水位センサ(4)から巻尺テープ(3)を降下させる際に、濡れている測定管55の孔壁に、各貼着防止部(8)が先に当たり、巻尺テープ(3)の扁平面が水の表面張力(界面張力)により貼り付くことを防止する。そこで、水位センサ(4)が途中で止まり、又は巻尺テープ(3)が撓むことなく、水位センサ(4)を水面まで円滑に降下させ、そのときの水位を手元の巻尺テープ(3)の目盛を読むことで容易に水位を測定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0018】
この貼着防止部(8)は、濡れた測定孔54(測定管55)の孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」するため、水の表面張力(界面張力)により巻尺テープ(3)と水位センサ(4)の重量が勝っているので、巻尺テープ(3)が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。従来のような巻尺テープ(3)が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことにより、巻尺テープ(3)を無理に上下動させることがないので、水位センサ(4)の損傷防止にもなり、かつ浸潤線(53)の測定に要する測定時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の浸潤線用測定器の全体を示す正面図である。
【図2】実施例1の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープと水位センサの正面図、(b)は巻尺テープと水位センサの側面図、(c)は測定管内を降下している巻尺テープの正面図、(d)は測定管内を降下している巻尺テープの側面図である。
【図3】実施例1の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態である。
【図4】実施例1の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
【図5】実施例2の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープの正面図、(b)は巻尺テープの側面図である。
【図6】実施例2の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態、(c)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と直角にある状態である。
【図7】実施例2の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
【図8】実施例3の貼着防止部としてゴムテープを巻き付けた巻尺テープの一部を示す拡大正面図である。
【図9】アースダムを示す平面図である。
【図10】アースダムを示す平面図である。
【図11】浸潤線を測定する測定孔(測定管)を示す断面図である。
【図12】従来の水位計による測定管内を示し、(a)は巻尺テープが貼り付いた状態の正断面図、(b)は巻尺テープが貼り付いた状態の側断面図、(c)は巻尺テープが弛んだ状態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、アースダムにおける浸潤線を測定する際に、複数の測定孔、測定管内における水位を測定する浸潤線用測定器である。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の浸潤線用測定器の全体を示す正面図である。図2は実施例1の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープと水位センサの正面図、(b)は巻尺テープと水位センサの側面図、(c)は測定管内を降下している巻尺テープの正面図、(d)は測定管内を降下している巻尺テープの側面図である。図3は実施例1の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態である。
本発明の浸潤線用測定器1は、主に目盛2が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ3と、この巻尺テープ3の先端部に設けられた水位センサ4と、この水位センサ4が水面に接した際に報知する報知部5と、を備えた測定器である。巻尺テープ3は、例えば50m程度の長さを有し、この巻尺テープ3の先端部には、水位センサ4が取り付けられている。この浸潤線用測定器1には、巻取用のドラム6を備える。この巻取用のドラム6により巻尺テープ3を巻取り可能とする。巻取用のドラム6は、レバー7を用いて回転させて巻尺テープ3を巻き取る。浸潤線用測定器1には、鳴動、点灯又は点滅などによる報知部5を備える。報知部5は、巻尺テープ3に接続され、更に水位センサ4に接続されている。
【0022】
巻尺テープ3は、図2(a)に示すように長手方向に目盛2が表記されている。この目盛2は、1cm、10cm毎に直線と数字で表記される。このように1cm及び10cm毎に目盛が表記されているので、1cm毎の詳細な水位測定ができる。これらの目盛の数字に限定されないことは勿論である。
【0023】
本発明の巻尺テープ3には所定間隔ごとに貼着防止部(8)が取り付けられている。この貼着防止部8は、巻尺テープ3の長手方向に対し直角な方向へ膨出した部材から成る。この貼着防止部8は、測定孔54(測定管55)の孔壁への貼り付くことを防止するために、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に巻尺テープ3の扁平面が当たり、貼り付こうとしても、この貼着防止部8が先に当たるようになっている。この貼着防止部8はこの濡れた孔壁において、水の表面張力(界面張力)により貼り付くことを防止する機能を有する。
【0024】
隣接する貼着防止部8の間隔は、巻尺テープ3の素材、或いは可撓性の強弱に応じて決定される。例えば、柔らかい素材いわゆる腰がない素材の場合は、濡れた孔壁に貼り付きやすいので、貼着防止部8の間隔を狭めることが望ましい。逆に、剛性がある素材いわゆる腰が強い素材の場合は、濡れた孔壁に貼り付きにくのでので、貼着防止部8の間隔を広げることが可能である。
【0025】
図4は実施例1の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
実施例1の貼着防止部8は、巻尺テープ3の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである。この貼着防止部8は、巻尺テープ3に、横長の略半球形状の部材を挟むように取り付けたものである。部材が2つ折り状態になり、巻尺テープ3に挟むように取り付けることができる。この貼着防止部8の半身部分の内側は、巻尺テープ3との密着力を高めるために、鋸の刃先のような凹凸部をそれぞれに設けている。また、半身部分の一端は連結部であり、開放側の他端に係合部を形成し、巻尺テープ3に挟み、容易に固定できるようになっている。
【0026】
この貼着防止部8は、測定孔54(測定管55)の濡れた孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」するため、水の表面張力(界面張力)により巻尺テープ3と水位センサ4の重量が勝っているので、巻尺テープ3は測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。
【実施例2】
【0027】
図5は実施例2の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープの正面図、(b)は巻尺テープの側面図である。図6は実施例2の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態、(c)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と直角にある状態である。
実施例2の貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである。貼着防止部8は、巻尺テープ3の横断面が扁平状の外周囲を包むような形状に限定されない。貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平部が測定孔54(測定管55)の孔壁に広範囲で貼り付くことを阻止できる形状であればよい。そこで、実施例2のような巻尺テープ3の扁平面から突起状態の半球状からなる貼着防止部8でも貼り付き防止効果がある。
【0028】
図7は実施例2の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
この実施例2の貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平面に、半球形状の部材9の連結軸10を貫通させ、この連結軸10の先端を反対側の半球形状の部材11の連結孔12に差し込むように取り付けたものである。
【0029】
実施例1又は実施例2の貼着防止部8は、横長の略球形状又は半球形状から成るものを例示している。しかし、本発明は測定孔54(測定管55)の濡れた孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」する部材であれば良いので、これらの横長の略球形状又は半球形状に限定されない。例えば、三角錐形状、四角錐形状又は多角錐形状などに形成したものでも良い(図示していない)。或いは三角錐台形状、四角錐台形状又は多角錐台形状などに形成したものでもよい。これ以外にも、孔壁との接触面積が狭小になるものであれば色々な形状のものを用いることができる。
【実施例3】
【0030】
図8は実施例3の貼着防止部としてゴムテープを巻き付けた巻尺テープの一部を示す拡大正面図である。
実施例3の貼着防止部8は、巻尺テープ3の周囲にゴムテープ13を巻き付けた簡易的な構成のものである。このような簡易な構成であっても、巻尺テープ3が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。ゴムテープに代えてビニールテープのような粘着テープを巻き付けることも可能である。
【0031】
なお、本発明は、本来の巻尺テープ3の長さを計る機能を損なうことなく、巻尺テープ3が湿った測定孔54(測定管55)の孔壁等に密着して貼り付くことなく、先端の水位センサ4を水面まで容易に下ろすことができ、かつ巻尺テープ3の目盛が視認しやすい構成であれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の浸潤線用測定器は、井戸、掘削孔、ダム等の水面位置を地表面から測定する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 浸潤線用測定器
2 目盛
3 巻尺テープ
4 水位センサ
5 報知部
8 貼着防止部
9 半球形状の部材(貼着防止部)
10 連結軸
11 半球形状の部材(貼着防止部)
12 連結孔
51 アースダム
53 浸潤線
54 測定孔
55 測定管
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に開けた掘削孔の水位等を測定する測定器に係り、特にアースダムにおける掘削孔の周囲から水分が浸出する浸潤線を測定する浸潤線用測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
アースダム51は、図9の平面図と図10の断面図に示すように、土を横断面が略台形状になるように盛り、締め固めて造成したダムである。基礎地盤がそれほど良好でない場所でも築造でき、堤体材料の土も入手しやすく、施工も簡単であり、灌漑用の溜池として数多く造成されてきた。このアースダム51は、主に灌漑用のダムとして築造されているが、堤体が土のためにダムの強度が弱く、地震に対する抵抗力も小さいので、高さは最高でも40メートル程度で、小規模なものが多い。洪水が堤体を越流するとダムが決壊するので、洪水流量の大きい河川本流には築造されず、流域の小さい河川や支流に築造されられることが多い。
【0003】
このアースダム51を形成している土は水を含むと脆弱になる。透水性の悪い粘土であっても、貯水池52の水を通さないということはなく、必ず水は浸透してくる。図10の断面図に示すように、貯水池52側の水位線がダム本体の中に突然消えるのではなく、カーブを描きながら落ちて行く。このカーブを浸潤線53という。浸潤線53は、アースダム51や河川堤防等の HYPERLINK "http://kotobank.jp/word/%E5%9C%9F%E8%B3%AA" 土質構造体に水が浸透する場合の自由水面の連続線をいう。浸潤線53の先端が堤体本体の末端から上に達すると危険である。その部分で漏水した状態になる。この浸潤線53は難透水の土層であると落ち方が激しく、末端まで至らない。その逆に透水性の土層であると、図示するように、浸潤線53は水平に近くなって末端の高い部分に到達する。このままでは放置するとこのアースダム51は決壊するおそれが高くなる。
【0004】
そこで、ダム構造物管理基準に準じて、このようなアースダム51の浸潤線53について3か月に1回程度、現地で測定している。例えば図9のアースダム51の平面図に示すように、複数の測定孔54を掘削する。この測定孔54には例えば測定管55を埋設している。この測定孔54(測定管55)は、図11の拡大断面図に示すように、下方において、浸潤した水分がこの測定孔54(測定管55)に浸出するように多数のストレーナー56が開けられている。このストレーナー56部分は例えば塩ビ製のパイプに開けた孔にメッシュ生地を張り付けたものである。この測定孔54(測定管55)の上部開口部に蓋57を設けている。図11の測定孔54(測定管55)はモルタル58で固定してある。測定孔54(測定管55)のストレーナー56部分は盛土59の位置になる。
【0005】
このような測定孔54(測定管55)内の水位を地表面から水位計を用いて計測する。水位計は、巻尺テープ61と、巻尺テープ61の先端部にセンサー部(図示していない)設け、このセンサー部が水面に接した際に報知する報知部とを備えた測定器である。センサー部は電極を備えており、センサー部が水面に接した際に、電流が流れて報知部からアラームを鳴動させ、ランプを点灯、点滅させて報知するようになっている。
【0006】
このような構成の水位計では、図10の断面図に示すように、アースダム51の浸潤線53を測定する測定孔54(測定管55)が筒直径約50mmと狭いため、この水位計の巻尺テープ61をセンサー部の重みで測定孔54(測定管55)に降下させる際に、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たり測定箇所まで測定器(センサー部)が下りないことがあった。
【0007】
これは、図12の測定管の断面図の(a)と(b)に示すように、巻尺テープ61は横断面が扁平形状になっているので、井戸や掘削孔等に巻尺テープを降下させる際に、測定孔54(測定管55)の孔壁に巻尺テープ61が水滴で貼り付きS、水面までセンサー部を降下させることができないことがあった。そのため、センサー部に錘を取付けて、巻尺テープ61が貼り付いても、錘の重さによって水面までセンサー部を下ろしていた。しかし、錘の重さで巻尺テープ61に負荷が掛かり過ぎ製品としての寿命が短くなっていた。
【0008】
また、図12(c)に示すように、そのまま巻尺テープ61のみを降下させると、誤測定になりやすく、測定に長時間を要していた。特に、測定孔54(測定管55)が多いアースダム51では尚更のことであった。
【0009】
このように濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たっても巻尺テープを円滑に降下させる技術について、例えば特許文献1の実用新案登録第3148373号公報「水位計」に、長尺な巻尺線状体と、前記巻尺線状体の先端部に設けられたセンサー部と、前記センサー部が水面に接した際に報知する報知部とを備えた水位計において、前記巻尺線状体は、断面形状が円形状に構成されており、且つ長さ方向に沿って1cm又は10cm毎に目盛が標記されている水位計が提案されている。
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3148373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1の「水位計」では、横断面形状が細い円形状ということで、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に当たっても巻尺テープ61を円滑に降下させることができるが、そもそも浸潤線53を測定する際には、巻尺テープ61を持ってセンサー部を水面に向けて下ろし、センサー部が水面に接して報知部が報知した際に、巻尺テープの目盛を読むことで、水位を測定するものである。特許文献1の水位計のような線状体の巻尺では、手から滑りやすいという問題を有していた。特に、数箇所の浸潤線53を測定すると、この線状体の巻尺自体が湿った状態になり、すべり易くなる。
【0012】
また、特許文献1の「水位計」の線状体の巻尺では、目盛を判読しづらく誤読しやすいという問題を有していた。このような線状体の巻尺は、目盛があることは判別できるがその数値を正確に読み取ることは困難であった。
【0013】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、本来の巻尺テープの長さを計る機能を損なうことなく、巻尺テープが湿った内壁面等に密着して貼り付くことなく、先端の水位センサを水面まで容易に降下させることができ、かつ巻尺テープの目盛が視認しやすい浸潤線用測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、アースダム(51)における浸潤線(53)を測定する際に、複数の測定孔(54)(測定管(55))内における水位を測定する浸潤線用測定器(1)であって、目盛(2)が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ(3)と、前記巻尺テープ(3)の先端部に設けられた水位センサ(4)と、前記水位センサ(4)が水面に接した際に報知する報知部(5)と、を備え、前記巻尺テープ(3)に、前記測定孔(54)(測定管(55))の孔壁への貼着を防止するために、該巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)を所定間隔ごとに取り付けた、ことを特徴とする。
例えば、前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲にテープを巻き付けたものである。
【0015】
または、前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである。
この前記貼着防止部(8)は、横長の略半球形状の部材を前記巻尺テープ(3)に挟むように取り付けたものである。
【0016】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである。
この前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面に、半球形状の部材(9)の連結軸(10)を貫通させ、該連結軸(10)の先端を反対側の半球形状の部材(11)の連結孔(12)に差し込むように取り付けたものである。
【発明の効果】
【0017】
上記構成の発明では、巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)が、この巻尺テープ(3)に所定間隔ごとに取り付けられている。これらの貼着防止部(8)は、測定孔54(測定管55)内に水位センサ(4)から巻尺テープ(3)を降下させる際に、濡れている測定管55の孔壁に、各貼着防止部(8)が先に当たり、巻尺テープ(3)の扁平面が水の表面張力(界面張力)により貼り付くことを防止する。そこで、水位センサ(4)が途中で止まり、又は巻尺テープ(3)が撓むことなく、水位センサ(4)を水面まで円滑に降下させ、そのときの水位を手元の巻尺テープ(3)の目盛を読むことで容易に水位を測定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0018】
この貼着防止部(8)は、濡れた測定孔54(測定管55)の孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」するため、水の表面張力(界面張力)により巻尺テープ(3)と水位センサ(4)の重量が勝っているので、巻尺テープ(3)が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。従来のような巻尺テープ(3)が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことにより、巻尺テープ(3)を無理に上下動させることがないので、水位センサ(4)の損傷防止にもなり、かつ浸潤線(53)の測定に要する測定時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の浸潤線用測定器の全体を示す正面図である。
【図2】実施例1の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープと水位センサの正面図、(b)は巻尺テープと水位センサの側面図、(c)は測定管内を降下している巻尺テープの正面図、(d)は測定管内を降下している巻尺テープの側面図である。
【図3】実施例1の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態である。
【図4】実施例1の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
【図5】実施例2の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープの正面図、(b)は巻尺テープの側面図である。
【図6】実施例2の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態、(c)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と直角にある状態である。
【図7】実施例2の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
【図8】実施例3の貼着防止部としてゴムテープを巻き付けた巻尺テープの一部を示す拡大正面図である。
【図9】アースダムを示す平面図である。
【図10】アースダムを示す平面図である。
【図11】浸潤線を測定する測定孔(測定管)を示す断面図である。
【図12】従来の水位計による測定管内を示し、(a)は巻尺テープが貼り付いた状態の正断面図、(b)は巻尺テープが貼り付いた状態の側断面図、(c)は巻尺テープが弛んだ状態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、アースダムにおける浸潤線を測定する際に、複数の測定孔、測定管内における水位を測定する浸潤線用測定器である。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の浸潤線用測定器の全体を示す正面図である。図2は実施例1の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープと水位センサの正面図、(b)は巻尺テープと水位センサの側面図、(c)は測定管内を降下している巻尺テープの正面図、(d)は測定管内を降下している巻尺テープの側面図である。図3は実施例1の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態である。
本発明の浸潤線用測定器1は、主に目盛2が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ3と、この巻尺テープ3の先端部に設けられた水位センサ4と、この水位センサ4が水面に接した際に報知する報知部5と、を備えた測定器である。巻尺テープ3は、例えば50m程度の長さを有し、この巻尺テープ3の先端部には、水位センサ4が取り付けられている。この浸潤線用測定器1には、巻取用のドラム6を備える。この巻取用のドラム6により巻尺テープ3を巻取り可能とする。巻取用のドラム6は、レバー7を用いて回転させて巻尺テープ3を巻き取る。浸潤線用測定器1には、鳴動、点灯又は点滅などによる報知部5を備える。報知部5は、巻尺テープ3に接続され、更に水位センサ4に接続されている。
【0022】
巻尺テープ3は、図2(a)に示すように長手方向に目盛2が表記されている。この目盛2は、1cm、10cm毎に直線と数字で表記される。このように1cm及び10cm毎に目盛が表記されているので、1cm毎の詳細な水位測定ができる。これらの目盛の数字に限定されないことは勿論である。
【0023】
本発明の巻尺テープ3には所定間隔ごとに貼着防止部(8)が取り付けられている。この貼着防止部8は、巻尺テープ3の長手方向に対し直角な方向へ膨出した部材から成る。この貼着防止部8は、測定孔54(測定管55)の孔壁への貼り付くことを防止するために、濡れている測定孔54(測定管55)の孔壁に巻尺テープ3の扁平面が当たり、貼り付こうとしても、この貼着防止部8が先に当たるようになっている。この貼着防止部8はこの濡れた孔壁において、水の表面張力(界面張力)により貼り付くことを防止する機能を有する。
【0024】
隣接する貼着防止部8の間隔は、巻尺テープ3の素材、或いは可撓性の強弱に応じて決定される。例えば、柔らかい素材いわゆる腰がない素材の場合は、濡れた孔壁に貼り付きやすいので、貼着防止部8の間隔を狭めることが望ましい。逆に、剛性がある素材いわゆる腰が強い素材の場合は、濡れた孔壁に貼り付きにくのでので、貼着防止部8の間隔を広げることが可能である。
【0025】
図4は実施例1の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
実施例1の貼着防止部8は、巻尺テープ3の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである。この貼着防止部8は、巻尺テープ3に、横長の略半球形状の部材を挟むように取り付けたものである。部材が2つ折り状態になり、巻尺テープ3に挟むように取り付けることができる。この貼着防止部8の半身部分の内側は、巻尺テープ3との密着力を高めるために、鋸の刃先のような凹凸部をそれぞれに設けている。また、半身部分の一端は連結部であり、開放側の他端に係合部を形成し、巻尺テープ3に挟み、容易に固定できるようになっている。
【0026】
この貼着防止部8は、測定孔54(測定管55)の濡れた孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」するため、水の表面張力(界面張力)により巻尺テープ3と水位センサ4の重量が勝っているので、巻尺テープ3は測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。
【実施例2】
【0027】
図5は実施例2の巻尺テープの一部を示すものであり、(a)は巻尺テープの正面図、(b)は巻尺テープの側面図である。図6は実施例2の巻尺テープと測定管孔壁との位置関係を説明する拡大平断面であり、(a)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にない状態、(b)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と平行にある状態、(c)は巻尺テープの扁平部が測定管孔壁と直角にある状態である。
実施例2の貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである。貼着防止部8は、巻尺テープ3の横断面が扁平状の外周囲を包むような形状に限定されない。貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平部が測定孔54(測定管55)の孔壁に広範囲で貼り付くことを阻止できる形状であればよい。そこで、実施例2のような巻尺テープ3の扁平面から突起状態の半球状からなる貼着防止部8でも貼り付き防止効果がある。
【0028】
図7は実施例2の貼着防止部を巻尺テープへ取り付ける状態を説明する拡大平断面である。
この実施例2の貼着防止部8は、巻尺テープ3の扁平面に、半球形状の部材9の連結軸10を貫通させ、この連結軸10の先端を反対側の半球形状の部材11の連結孔12に差し込むように取り付けたものである。
【0029】
実施例1又は実施例2の貼着防止部8は、横長の略球形状又は半球形状から成るものを例示している。しかし、本発明は測定孔54(測定管55)の濡れた孔壁に対して、「点接触」又は「線接触」する部材であれば良いので、これらの横長の略球形状又は半球形状に限定されない。例えば、三角錐形状、四角錐形状又は多角錐形状などに形成したものでも良い(図示していない)。或いは三角錐台形状、四角錐台形状又は多角錐台形状などに形成したものでもよい。これ以外にも、孔壁との接触面積が狭小になるものであれば色々な形状のものを用いることができる。
【実施例3】
【0030】
図8は実施例3の貼着防止部としてゴムテープを巻き付けた巻尺テープの一部を示す拡大正面図である。
実施例3の貼着防止部8は、巻尺テープ3の周囲にゴムテープ13を巻き付けた簡易的な構成のものである。このような簡易な構成であっても、巻尺テープ3が測定孔54(測定管55)の孔壁に貼り付くことを防止できる。ゴムテープに代えてビニールテープのような粘着テープを巻き付けることも可能である。
【0031】
なお、本発明は、本来の巻尺テープ3の長さを計る機能を損なうことなく、巻尺テープ3が湿った測定孔54(測定管55)の孔壁等に密着して貼り付くことなく、先端の水位センサ4を水面まで容易に下ろすことができ、かつ巻尺テープ3の目盛が視認しやすい構成であれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の浸潤線用測定器は、井戸、掘削孔、ダム等の水面位置を地表面から測定する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 浸潤線用測定器
2 目盛
3 巻尺テープ
4 水位センサ
5 報知部
8 貼着防止部
9 半球形状の部材(貼着防止部)
10 連結軸
11 半球形状の部材(貼着防止部)
12 連結孔
51 アースダム
53 浸潤線
54 測定孔
55 測定管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アースダム(51)における浸潤線(53)を測定する際に、複数の測定孔(54)(測定管(55))内における水位を測定する浸潤線用測定器(1)であって、
目盛(2)が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ(3)と、
前記巻尺テープ(3)の先端部に設けられた水位センサ(4)と、
前記水位センサ(4)が水面に接した際に報知する報知部(5)と、を備え、
前記巻尺テープ(3)に、前記測定孔(54)(測定管(55))の孔壁への貼着を防止するために、該巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)を所定間隔ごとに取り付けた、ことを特徴とする浸潤線用測定器。
【請求項2】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲にテープを巻き付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項3】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項4】
前記貼着防止部(8)は、横長の略半球形状の部材を前記巻尺テープ(3)に挟むように取り付けたものである、ことを特徴とする請求項3の浸潤線用測定器。
【請求項5】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項6】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面に、半球形状の部材(9)の連結軸(10)を貫通させ、該連結軸(10)の先端を反対側の半球形状の部材(11)の連結孔(12)に差し込むように取り付けたものである、ことを特徴とする請求項5の浸潤線用測定器。
【請求項1】
アースダム(51)における浸潤線(53)を測定する際に、複数の測定孔(54)(測定管(55))内における水位を測定する浸潤線用測定器(1)であって、
目盛(2)が表記された横断面が扁平形状の巻尺テープ(3)と、
前記巻尺テープ(3)の先端部に設けられた水位センサ(4)と、
前記水位センサ(4)が水面に接した際に報知する報知部(5)と、を備え、
前記巻尺テープ(3)に、前記測定孔(54)(測定管(55))の孔壁への貼着を防止するために、該巻尺テープ(3)の長手方向に対し直角な方向へ膨出した貼着防止部(8)を所定間隔ごとに取り付けた、ことを特徴とする浸潤線用測定器。
【請求項2】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲にテープを巻き付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項3】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の周囲に横長の略球形状の部材を取り付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項4】
前記貼着防止部(8)は、横長の略半球形状の部材を前記巻尺テープ(3)に挟むように取り付けたものである、ことを特徴とする請求項3の浸潤線用測定器。
【請求項5】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面の表裏に略球形状の部材を取り付けたものである、ことを特徴とする請求項1の浸潤線用測定器。
【請求項6】
前記貼着防止部(8)は、前記巻尺テープ(3)の扁平面に、半球形状の部材(9)の連結軸(10)を貫通させ、該連結軸(10)の先端を反対側の半球形状の部材(11)の連結孔(12)に差し込むように取り付けたものである、ことを特徴とする請求項5の浸潤線用測定器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−29447(P2013−29447A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166493(P2011−166493)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
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