説明

浸透性医薬発泡剤

【課題】本発明は、水、疎水性溶媒、界面活性剤およびゲル化剤からなるアルコール非含有の化粧品用または医薬品用の発泡性担体に関する。
【解決手段】発泡性担体は、改良された皮膚浸透性を有する治療特性を備えた活性剤類および添加剤類からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、疎水性溶媒、界面活性剤およびゲル化剤からなるアルコール非含有の化粧品用または医薬品用の発泡性担体に関する。さらに該発泡性担体は、有益な治療特性を備えた活性剤類および添加剤類からなる。
【背景技術】
【0002】
発泡剤製品は医薬品および化粧品の局所適用に供せられ、エアロゾル製品、特に発泡剤は、任意の環境下では形成されない複雑な物理化学的構造を有する。特に、発泡剤形成成分間の特殊なバランスが重要である。組成における些細な変化によっても発泡剤が破壊され得るため、追加条件なくして活性成分自体の発泡剤としての製剤法を定式化することは不可能であろう。
【0003】
本発明者らは、新規な乳剤ベース発泡剤の一連の製剤法を開発した。同一出願人による同時係属出願の特許文献1を参照されたい。
【0004】
特許文献2では、尿素および乳酸が含まれていてもよい発泡性スキンクリームに関する説明がなされている。該スキンクリーム製剤法は、本発明において考慮されない極めて特殊な成分類に限定される。
【0005】
特許文献3では、鉱油(0.25−1重量%)および尿素(0.001−0.006重量%)の配合量が少ないシェービングフォーム組成物に関する説明がなされている。シェービングフォームは本来、易破壊性でないため、活性成分の局所投与を容易に促進できず、特に皮膚浸透用組成物の局所投与には適さない。
【0006】
特許文献4では、ヒドロキシ酸などの主要酸成分、炭水化物、多価アルコール、アミノ酸およびカルボン酸からなる群から選択される成分により構成された非発泡性化粧品組成物に含まれる複数の共融混合物が例示されている。
【特許文献1】WO 2004/037225
【特許文献2】米国特許第6423323号
【特許文献3】米国特許第4,145,411号
【特許文献4】米国特許第6,410,036号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一形態において、(1)混合により共融混合物を生成する複数の活性剤の組み合せ、(2)少なくとも濃度2 %以上の尿素、(3)少なくとも濃度1 %以上のヒドロキシ酸、および(4)治療促進剤からなる群から選択される少なくともひとつの活性成分を含むアルコール非含有の化粧品用または医薬品用の発泡性組成物が提供され、さらにエアロゾル容器において該組成物を液化ガス発泡剤と混合することにより、局所投与に好適な易破壊性発泡剤が放出される。上記のアルコール非含有発泡剤組成物は、水溶性および油溶性いずれの活性剤の含有にも好適である。本発明における発泡性組成物には、エアロゾル容器から放出される際に発泡剤が形成できる製剤が含まれる。
【0008】
本発明のひとつ以上の実施例に基づく化粧品用または医薬品用の発泡性組成物は、水、疎水性溶媒、界面活性剤およびゲル化剤に加えて、(1)混合により共融混合物を生成する複数の活性剤の組み合わせ、(2)少なくとも濃度2 %以上の尿素、(3)少なくとも濃度1 %以上のヒドロキシ酸、および(4)少なくとも濃度2%以上の治療促進剤からなる群から選択される少なくともひとつの活性成分、ならびに組成物全体のおよそ3−18重量%の液化ガス発泡剤を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の組成物により、放出前の状態において安定した水中油型乳剤が調製される。エアロゾル容器からの放出時に、該組成物は局所投与または粘膜投与に好適な易破壊性発泡生成物を形成する。
【0010】
本発明のひとつ以上の実施例において、およそ5−10 %(分類A)、およそ10−20 %(分類B)またはおよそ20−50 %(分類C)の濃度の疎水性溶媒が発泡性組成物に含有される。界面活性剤濃度はおよそ0.1−5重量%、ゲル化剤濃度はおよそ0.01−5重量%であり、組成物全体のおよそ3−18 %の濃度での液化ガス発泡剤が含まれる。水とその他成分を加えたならば、総質量が100 %となる。また本発明のその他の実施例においては、発泡組成物の疎水性溶媒含量は0−5 %であってもよい。
【0011】
ひとつ以上の実施例において、前記組成物はそれぞれさらに濃度範囲0.1−5 %の発泡補助剤を含んでいてもよい。
【0012】
該発泡性組成物は、低級脂肪族アルコール類を含まないため、刺激性および不乾性を有しない。
【0013】
ひとつ以上の実施例において、本発明の発泡性組成物に加えて、少なくともひとつの活性剤が治療上有効な濃度で含まれる発泡性組成物が提供される。該発泡性担体は、それぞれ水溶性、油溶性および懸濁性を有するいずれの活性剤の含有にも好適である。上記のような組成物は、ヒトおよび動物の皮膚の局所治療、ならびに粘膜障害または粘膜病に好適である。あるいは、該組成物はクレンジング、美化、誘引性促進もしくは身体構造に影響しない外観変化に好適である。
【0014】
また、該アルコール非含有発泡組成物を用いた美容上および医学上の障害の最適な治療が確認されており、該担体ならびに生成物の利点が実証される。
【0015】
本発明のひとつ以上の実施例に基づく発泡性の担体または組成物により、従来の発泡組成物に勝る各種利点が提供される。
1. 該発泡剤は軽量のため、経済的である。
2. 該発泡剤は疎水性溶媒を好ましい濃度で含むため、皮膚に張りを与えて、疲労回復効果をもたらす。
3. 該発泡剤は、それぞれ水溶性、油溶性および懸濁性を有するいずれの活性剤を含有してもよい。
4. 該発泡剤は易分散性であり、上肢、背部、下肢および胸部など広範な部位の治療が可能である。
5. 該発泡剤は、その流動性によってひだおよびしわの中まで効果的に分散するため、広範囲にわたる摩擦の必要がなく、活性剤の均一な分布および吸収が可能である。
【0016】
本発明において、あらゆる成分比率は全組成に対する重量%で記載される。
【0017】
本発明において、組成の重量%に関して用いられる「およそ」という語は、記載された重量%の± 10 %を表す。本発明において、組成物の実測特性に関して用いられる「およそ」という語は記載された値の± 20 %を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
疎水性溶媒
該発泡性組成物には疎水性溶媒が含まれる。該疎水性溶媒には、周囲温度において蒸留水に100 mlあたりおよそ1g未満、100 mlあたりおよそ0.5g未満、または100 mlあたりおよそ0.1g未満で溶解し得る物質が含まれる。疎水性溶媒は、例えばおよそ20−30 oCの周囲温度(室温)において液体である。
【0019】
疎水性溶媒の総含量は、5−50 %(重量/重量)の範囲内であればよい。但し、予想される化粧品または医薬品の需要に基づく適切な分類を容易に選定するために、各種範囲(本発明では「A−C分類組成物」)が指定されている。一般的な経験則として、乾燥皮膚および/または薬剤反応性の高い疾患の治療には高濃度の疎水性溶媒が適切であるため、油状の賦形剤に内包して塗布し、目標部位における活性成分の滞留を調節する。別の考察は製品の有用性および耐容性に関しており、それによれば、極めて高濃度の疎水性溶媒(組成物のおよそ25 %)では、塗布後にべとつきの残る恐れがあり、製品として好ましくない。したがって、発泡性組成物を用いる際には、治療対象母集団ならびに該母集団特有の需要を考慮に入れて疎水性溶媒濃度を選定する。
【0020】
ひとつの実施例において、疎水性溶媒は鉱油である。鉱油(CAS番号8012−95−1)は、石油由来の脂肪族液化炭化水素、ナフタレン液化炭化水素および芳香族液化炭化水素の混合物である。通常、これらは液体であり、粘度はおよそ35−100 CST (40 oC)の範囲内であり、流動点(流れを妨げるろう結晶が過量形成されずに油を取り扱うことができる最低温度)は0 oC未満である。一方、「ワセリン」とも呼ばれる白色ワセリンは、ろう状性質であるために不適である。ワセリンは、塗布後にろう状のべたつきが残り、衣服を汚す場合があることが知られている。したがって、白色ワセリンは本発明の疎水性溶媒として好ましくない。
【0021】
また、その他の疎水性溶媒としては、植物、海産物または動物由来の液体油が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、オリーブ油、とうもろこし油、大豆油、菜種油、綿実油、やし油、ごま油、ひまわり油、ルリヂサ油、チョウジ油、麻実油、にしん油、タラ肝油、サケ油、アマニ油、麦芽油、マツヨイグサ油およびそれらを任意の割合で混合したものからなる群から選択される不飽和油である。
【0022】
各分類の油として、オメガ3脂肪酸およびオメガ6脂肪酸を含有する多価不飽和油類が挙げられる。上記の多価不飽和脂肪酸として、リノール酸、リノレン酸、ガンマリノレン酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが挙げられる。したがって、本発明の各実施例において、不飽和油はオメガ3油、オメガ6油およびそれらの混合物の中から選択される油を少なくとも6 %含有する。
【0023】
その他の分類の油としては、生物活性分子を含み、局所適用時に治療効果を発揮する「治療用油」とみなされる精油類が挙げられる。上記の油類として、レチノイド類を含有し、ざ瘡およびざ瘡後の瘢痕を軽減することで知られるローズヒップ油、抗細菌性、抗真菌性および抗ウィルス性を有するティーツリー油などが挙げられる。その他の精油類として、バジル、ショウノウ、ショウズク、ニンジン、シトロネラ、サッサフラス、チョウジ、ヒノキ、オリバナム、ショウガ、グレープフルーツ、ヒソップ、ジャスミン、ラベンダー、レモン、マンダリン、マヨラナ、ミルラ、ネロリ、ニクズク、プチグレン、セージ、タンジェリン、バニラ、バーベナならびに漢方薬の分野で知られているその他の治療上有益な油などが挙げられる。
【0024】
その他の分類の溶媒として、局所塗布時の治療有益性を備えていることで知られる液体状の疎水性植物由来油類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
さらに別の分類の疎水性溶媒は、「皮膚軟化剤」群として知られている。この定義の一般性を損なわない使用に好適な皮膚軟化剤としては、イソステアリン酸誘導体、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、ジイソプロピルジメレート、マレイン化大豆油、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、乳酸セチル、リシノレイン酸セチル、酢酸トコフェロール、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、フェニルトリメチコン、オレイン酸グリセリル、リノール酸トコフェロール、コムギ胚芽グリセリド類、プロピオン酸アラキル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸プロピレングリコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、テトラステアリン酸ペンタエリスリチル、ジカプリル酸/ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、水添ココグリセリド類、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、クエン酸トリイソセチル、オクチルドデカノール、ショ糖脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸オクチルおよびそれらの混合物が挙げられる。その他の好ましい皮膚軟化剤の例は、コスメティック・ベンチ・リファレンス(1996年)の1.19−1.22節に記載されている。
【0026】
各実施例において、疎水性溶媒は鉱油と皮膚軟化剤を重量ベースで2:8から8:2の比率で混合したものからなる。
【0027】
シリコーン油類は皮膚保護性を有することが知られており、疎水性溶媒として使用してもよい。シリコーン油は揮発性または不揮発性のいずれかであり、ジメチコンコポリオールなどの水溶性シリコーン類は(疎水性溶媒としての)シリコーン油には含まれない。
【0028】
各実施例において、疎水性溶媒には少なくとも2 %のシリコーン油が含まれる。ひとつ以上の疎水性溶媒が、任意の組み合わせにおいて使用できる。
【0029】
界面活性剤
発泡性組成物には界面活性剤が含有される。界面活性剤には、乳剤の形成を促進するために、組成物における油成分および水成分の表面特性を変化させる任意の薬剤が含まれる。界面活性剤の親水性親油性比(HLB)は、乳化剤の水親和性または油親和性を表す。HLB値は1(完全親油性)から20(完全親水性)までに区分されており、10は両特性が均衡を保っていることを表す。親油性乳化剤は油中水型(w/o型)乳剤を形成する傾向があり、親水性界面活性剤は水中油型(o/w型)乳剤を形成する傾向がある。2つの乳化剤の混合物のHLB値は、乳化剤Aの重量比にそのHLB値を乗じたものに、乳化剤Bの重量比にそのHLB値を乗じたものを加えた値に等しい(加重平均)。
【0030】
陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性イオン性、両性および両性電解質型の界面活性剤から選択された任意の界面活性剤、あるいはそれらの組み合わせを、界面活性剤として使用してもよい。本発明のひとつ以上の実施例によれば、界面活性剤はおよそ9−14の親水性親油性比を有し、該値はほとんどの油類および疎水性溶媒類の所要HLB値(所定油の水中油型乳剤を安定させるために要するHLB値)である。したがって、ひとつ以上の実施例において組成物はおよそ9−14のHLB値を有する単一の界面活性剤であると共に、ひとつ以上の実施例において発泡組成物はひとつ以上の界面活性剤を含み、それらのHLB値の加重平均はおよそ9−14の範囲内である。
【0031】
界面活性剤として、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(ツイーン60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ツイーン80)などのポリソルベート類;Myrj45、Myrj49、Myrj59などのポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル類;ポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)パルミチルエーテル、ポリ酸化エチレンヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、brij 38、brij 52、brij 56、brij W1などのポリ(オキシエチレン)アルキリルエーテル類;ショ糖エステル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノラウレート−モノグリセリドまたはジグリセリド、イソセテス−20、ココイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ベタイン類などのソルビトールおよびソルビトール無水物の部分エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
いくつかの実施例において、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤としては、ショ糖と食品脂肪酸のメチルエステルおよびエチルエステル類から調製された、あるいはショ糖グリセリド類から抽出されたショ糖ならびに食品脂肪酸類(ショ糖エステル類)のモノエステル、ジエステルおよびトリエステル類が挙げられる。さらに、HLB値の高いモノエステル高含量ショ糖エステルも挙げられる。
【0033】
非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)を組み合わせて使用してもよい。ひとつの実施例では、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤は発泡性の担体または組成物において、1:1から20:1、あるいは4:1から10:1までの比率で含まれる。
【0034】
従来の発泡性組成物とは異なり、安定した発泡剤を得るために用いられる界面活性剤の総量は少ない。驚くべきことに、皮膚刺激性を低減するために好ましい安定した発泡性組成物を得るための界面活性剤の所要量が低減されるのである。界面活性剤の総量は発泡性組成物のおよそ0.1−5重量%であり、2重量%未満あるいは1重量%未満にさえ低減できる。したがって、ひとつ以上の実施例に基づく界面活性剤と疎水性溶媒との比率は、およそ1:8−1:16、もしくはおよそ1:16−1:32の範囲内である。
【0035】
発泡補助剤
発泡組成物には発泡補助剤が含まれていてもよく、セチルアルコール、ステアリルアルコール(またはそれらの混合物)など、炭素数15以上の炭素鎖を有する脂肪族アルコール類が挙げられる。その他の脂肪族アルコールとしては、アラキルアルコール(C20)、ベヘニルアルコール(C22)、1−トリアコンタノール(C30)、ならびに長炭素鎖を含むアルコール類(最大C50)が挙げられる。発泡体系を支持するための脂肪族アルコールの所要濃度は、その炭素鎖の長さに反比例する。アルコール類の混合物を含む蜜ろう由来脂肪族アルコールの大部分は、炭素鎖において少なくとも20個の炭素原子を有しており、発泡補助剤として特に好適である。
【0036】
その他の分類の発泡補助剤としては、ヘキサデカン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、オクタコサン酸(C28)など、炭素鎖において16以上の炭素を有する脂肪酸類、ならびに長炭素鎖(最大C50)を有する脂肪酸類、あるいはそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
また、上記の脂肪族アルコールまたは脂肪酸の炭素原子鎖は、少なくともひとつの二重結合を有していてもよい。その他の分類の発泡補助剤として、炭素原子鎖が分岐している長鎖の脂肪族アルコールまたは脂肪酸が挙げられる。さらに別の分類の発泡補助剤においては、例えば12−ヒドロキシステアリン酸のように、脂肪酸の炭素鎖が水酸基に置換されている。
【0038】
発泡補助剤は、脂肪族アルコール類、脂肪酸類およびヒドロキシ脂肪酸類の混合物ならびにそれらの誘導体を任意の割合において含んでいてもよいが、それらの総量は担体質量の0.1−5 %(重量/重量)でなければならない。該総量は、担体質量の0.4−2.5 %(重量/重量)であってもよい。
【0039】
ステアリルアルコール、エリシルアルコール、アラキルアルコール、ドコサノールなどの長鎖の飽和脂肪族アルコール類および一不飽和脂肪族アルコール類は、抗ウィルス性、抗感染性、抗増殖性および抗炎症性を有することが報告されている(米国特許第4,874,794号)。テトラコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどのより長鎖の脂肪族アルコールは、代謝修飾性および組織活性化特性を有することが知られている。また、長鎖脂肪酸は抗感染性を有することが報告されている。したがって、治療用の発泡補助剤を含有する化粧品用または医薬品用の発泡組成物は、不活性である従来の賦形剤に比べて格別の治療有益性を提供する。
【0040】
ゲル化剤
ゲル化剤としては、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン培地、カラゲニンガムアルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、デンプン、化工デンプン類などの天然高分子物質類;セルロースエーテル類(ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、結晶セルロースおよびFMC社製組成物類(アビセル型)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ガーゴム、ヒドロキシプロピルガーゴム、溶性デンプン、陽イオン性セルロース、陽イオン性ガーゴムなどの半合成高分子物質類;カルボキシビニル重合体類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸重合体類、ポリメタクリル酸重合体類、ポリ酢酸ビニル重合体類、ポリ塩化ビニル重合体類、ポリ塩化ビニリデン重合体類などの合成高分子物質類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記化合物類の混合物を考慮に入れてもよい。
【0041】
さらに、本発明において有用なゲル化剤としては、アクリル酸/アクリル酸エチル共重合体類、ならびに市販のカルボキシビニル重合体類(B.F.グッドリッチ社製樹脂、登録商標カルボポール)などが挙げられる。これらの樹脂は、基本的にポリアリルスクロースまたはポリアリルペンタエリスリトールなど、0.75−2 %の架橋剤により架橋されたアクリル酸のコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋重合体からなる。それらの例としては、ペミュレンTR1、ペミュレンTR2、カルボポール934、カルボポール940、カルボポール950、カルボポール980、カルボポール951、カルボポール981などが挙げられる。カルボポール934は、ショ糖分子あたり平均およそ5.8個のアリル基を有するおよそ1 %のショ糖のポリアリルエーテルで架橋されたアクリル酸の水溶性重合体である。
【0042】
本発明の一形態において、ゲル化剤は、両親媒性共重合体類の分類から選択される。両親媒性共重合体類は、疎水基および親水基、または疎水部および親水部を有する重合体類を含む。これらの物質は、別名「高分子界面活性剤」とも称されるが、その所以は該重合体類の親水部および疎水部が相互に作用して、組成物の親水成分ならびに親油成分をそれぞれ安定させる働きをなすことにある。該共重合体は、ランダム共重合体、あるいはグラフト共重合体または櫛形共重合体のブロック共重合体であってもよい。両親媒性共重合体類としては、ジ−、トリ−またはマルチブロック共重合体、あるいは生分解性重合体のグラフト共重合体などが挙げられる。
【0043】
両親媒性共重合体は、疎水部が親水性重合体に化学結合する、あるいは親水部が疎水性重合体に化学結合することにより、両親媒性の界面活性剤および界面安定剤を調製するアクリレート共重合体であってもよい。好適な両親媒性共重合体類の例としては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2、ETD 2020およびカルボポール1382(すべてアクリレーツ/アクリル酸アルキルC10−30クロスポリマー);ナトロソルCSプラス330、ナトロソルCSプラス430およびポリサーフ67(すべてセチルヒドロキシエチルセルロース);アキュリン22(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20共重合体)、アキュリン25(アクリレーツ/メタクリル酸ラウレス−25共重合体)、アキュリン28(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25共重合体)、アキュリン46(PEG−150/ステアリルアルコール/SMDI共重合体)、スタビレン30(アクリレーツ/イソデカン酸ビニル)、ストラクチャー2001(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20共重合体)、ストラクチャー3001(アクリレーツ/イタコン酸セテス−20共重合体)、ストラクチャープラス(アクリレーツ/アミノアクリレート/C10−30アルキルPEG−20イタコン酸共重合体)など(PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコールを表す)、アクリル酸の架橋共重合体類ならびに疎水性共重合用単量体が挙げられる。
【0044】
その他の両親媒性共重合体類の例としては、両親媒性シリコーンのポリオールまたはコポリオール(例えば、セチルジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールPPG−3オレイルエーテル)などのシリコーン重合体類、アセチル化デンプン誘導体類、両親媒性化工デンプン、ならびにエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはプロピレングリコールの両親媒性ブロック共重合体類(「ポロクサマー」としても知られる)などが挙げられる。
【0045】
ひとつ以上のゲル化剤が、任意の組み合わせにおいて使用できる。
【0046】
ゲル化剤は、発泡組成物においておよそ0.1−5.0 %の量で含まれる。ひとつ以上の実施例において、発泡組成物に含まれるゲル化剤は発泡性組成物の1 %未満であってもよい。
【0047】
活性成分
活性成分は、複数の活性剤の共融混合物であってもよい。共融混合物は、複数の特定成分の組み合わせによって得ることができる最低融点を有する複数の物質の混合物である。上記の混合物により、皮膚浸透性を改善して、治療効果を向上させることができる。
【0048】
好適な共融混合物としては、例えば米国特許第6,410,036号に記載されている複数の局所麻酔薬の混合物などが挙げられる。共融混合物においては、(a)ひとつの基剤型局所麻酔薬が(b)別のひとつの基剤型局所麻酔薬と混合されており、薬剤(a)は30−50°Cの融点を有し、薬剤(b)は30°Cを超える融点、好ましくは40°Cを超える融点を有する。例えば、プリロカイン、テトラカイン、ブタニリカイン、トリメカインなどの化合物を、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、ジブカイン、メピバカイン、エチドカインなどの化合物ならびにテトラカイン、ブタニリカイン、トリメカインと組み合わせることができる。米国特許第6,410,036号においては、化粧品用組成物に含まれるその他の共融混合物としてヒドロキシ酸などの主要酸成分の混合物、ならびに炭水化物、多価アルコール、アミノ酸およびカルボン酸からなる群から選択される成分などが例示されている。
【0049】
また、皮膚浸透性および治療効果が改善された別の共融混合物の例として、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)が挙げられるが、これに限定されるものではない。一例を挙げるならば、インドメタシン、ナプロキセン、ケトプロフェン、サリチル酸フェニル、ピロキシカムおよびフルルビプロフェンを含む一連の非ステロイド系抗炎症剤を、イブプロフェンなどの別の非ステロイド系抗炎症剤と混合することにより、融点を大幅に低下させると共に二元共晶系の拡散が促進され、単独使用の薬剤に比べて薬剤吸収性が向上した。
【0050】
共融混合物に含まれる物質の割合により、最低融点および最大皮膚浸透性が得られる。混合物の一例には、20:80から80:20の重量比での2つの物質が含まれる。
【0051】
本発明の別の実施例において、テトラカインおよびリドカインが、基剤形式で、30:70から70:30、もしくは45:55から55:45の重量比で混合される。
【0052】
多くの場合、局所麻酔薬およびその他の治療薬の分類は広範な身体部位の治療を目的としているため、発泡性担体において共融混合物を含む組成物の使用は極めて有益である。したがって、本発明のひとつ以上の実施例に基づく発泡組成物には、治療上有効な濃度における複数の活性成分の共融混合物が含まれる。ひとつの実施例において、発泡性組成物は油および水の乳剤を形成する。
【0053】
複数の活性剤の共融混合物を含有する上記の組成物は、治療上の処置においてより有用であり、その所以は複数の活性剤の共融混合物により浸透性が向上することにある。該組成物は、活性剤に反応する疾患または障害の治療のための局所適用に好適である。
【0054】
ひとつ以上の実施例によれば、発泡組成物において活性成分として尿素が含まれる。
【0055】
尿素は、長らく製剤法において、湿潤剤および保湿剤として作用する化粧品成分として認識されてきた。尿素については、角質溶解作用と共に、高濃度におけるタンパク質の可溶化および変性能力が報告されている。また、高濃度の尿素は弱い抗菌作用を有することが知られている。さらに尿素は、活性剤の表皮バリア通過調整を行うために有用な肌角質除去性を有する。
【0056】
尿素調製、特に高濃度の尿素の調製はゲル類、クリーム類、ローション類およびペースト類において行われるが、発泡剤においてはみられない。発泡剤は、治療上尿素を要する多くの場合に好適である。例えば、高濃度尿素製剤の一般的な適応症である乾燥症においては、該尿素製剤が広範な皮膚部位に塗布されるため、低比重ならびに優れた拡散性および吸収性を有する本発明の発泡剤が有益である。
【0057】
ひとつの実施例において、尿素は、発泡組成物全体のおよそ1−50 %の量で該組成物に含まれる。好ましくは、所定の用途に応じて、組成物はおよそ10−20 %、ならびにおよそ20−50 %の比率で尿素を含有する。
【0058】
尿素は角質溶解作用を有するため、種々の薬剤または化粧品用活性剤の皮膚浸透性を促進する手段として用いることができる。さらに、多くの皮膚科学的障害において、上記のような有益性を備えた尿素を用いることにより、薬剤または化粧品用活性剤の治療効果を相乗的に向上させることができる。これは、抗細菌作用および抗真菌作用を有することで知られる尿素を、他の抗感染剤と組み合わせた場合も同様である。
【0059】
したがって、本発明のひとつ以上の実施例において、発泡性組成物には後述の通り、尿素および少なくともひとつの医薬品用または化粧品用の活性剤が含まれる。活性剤の浸透性は、発泡組成物に尿素が含有されることにより促進される。
【0060】
それゆえ、本発明による発泡剤には、治療上有効な濃度で尿素を含有する発泡性組成物が含まれる。ひとつの実施例において、発泡性組成物は本発明において分類A、分類Bまたは分類Cとして記載された量の疎水性溶媒を含む油および水の乳剤を形成する。
【0061】
ひとつ以上の実施例によれば、ヒドロキシ酸は活性成分として発泡組成物に含有される。
【0062】
ヒドロキシ酸類は、皮膚表面の透明度、細胞のターンオーバならびに皮膚の輝きおよび滑らかさを増進させる働きにおいて有用である。さらにヒドロキシ酸類は、活性剤の表皮バリア通過調整を行うために有用な肌角質除去性を有する。
【0063】
好適なヒドロキシ酸類としては、アルファまたはベータ・ヒドロキシ酸類、ポリヒドロキシ酸類、あるいは上記薬剤の任意の組み合わせが挙げられる。ヒドロキシ酸は、アルファ・ヒドロキシ酸であってもよい。アルファ・ヒドロキシ酸類としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、アルファヒドロキシエタン酸、アルファヒドロキシオクタン酸、アルファヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、酒石酸、ピルビン酸、ならびにそれらに対応する塩類および医薬品として適格な誘導体類;もしくは上記薬剤の任意の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
アスコルビン酸は、皮膚浸透性およびコラーゲン合成作用を有する。ベータ・ヒドロキシ酸類としてサリチル酸、ベータヒドロキシブタン酸、トロパ酸およびトレトカン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
ヒドロキシ酸類は角質溶解作用を有するため、種々の薬剤または化粧品用活性剤の皮膚浸透性を促進する手段として用いることができる。さらに、多くの皮膚科学的障害において、上記のような有益性を備えた尿素を用いることにより、薬剤または化粧品用活性剤の治療効果を相乗的に向上させることができる。
【0066】
したがって、本発明のひとつ以上の実施例において、発泡性組成物には後述の通り、ヒドロキシ酸ならびに少なくともひとつの医薬品用または化粧品用の活性剤が含まれる。
【0067】
ひとつの実施例において、ヒドロキシ酸は発泡性組成物全体のおよそ1−30 %の量で該組成物に含まれる。該組成物は、所定の用途に応じておよそ1−10 %、ならびにおよそ10−30 %の比率のヒドロキシ酸を含有する。
【0068】
ひとつ以上の実施例によれば、治療促進剤は活性成分として発泡組成物に含まれる。本発明において、治療促進剤は目標部位への活性剤の到達を促進し、それにより治療効果を向上させ得る物質である。好適な治療促進剤として、少なくとも2つのヒドロキシ基、あるいは少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多価アルコール類、もしくは多価アルコールの誘導体が挙げられる。
【0069】
多価アルコール類として、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、オリゴ糖類、ジメチルイソソルバイド、エトキシ化グリセリドのモノオレエート(エチレンオキシド単位8−10)、ポリエチレングリコール200−600、トランスクトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、グリコフロール(テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに治療促進剤は、少なくともシクロデキストリン化合物を含むことができる。シクロデキストリンは構造的に環状のオリゴ糖であり、医薬品用添加剤の新規群を形成する。シクロデキストリンは、親水性の外面と親油性の中央空孔を有するドーナツ状の分子である。シクロデキストリンは、多様な親油性水不溶性薬剤の全分子または一部の分子を空孔に包接することにより、該薬剤と共に水溶性包接錯体を形成することができる。シクロデキストリン分子は比較的大きく(分子量およそ1000−1500)、親水性外面を有しており、通常条件下では表皮バリアを通過するのは極めて困難である。一般的に、シクロデキストリン分子は溶液内で親油性薬剤分子を保持することにより真の担体として作用すると共に、該薬剤分子を表皮に到達させ、そこで該薬剤分子を空孔から分離して皮膚に浸透させると考えられる。
【0070】
ひとつの実施例において、治療促進剤は発泡組成物全体のおよそ2−30 %の量で該組成物に含まれる。該組成物は、所定の用途に応じておよそ2−10 %、ならびにおよそ10−30 %の比率で治療促進剤を含有する。
【0071】
活性剤
該発泡組成物は、皮膚障害の治療、スキンケアならびに美容上の手入れに有用かつ有益である。皮膚に張りを与えて保護し、かつ保湿する特性を有する油を拡散性発泡剤に加えることにより、従来の皮膚科学的な化粧品用のクリーム類、ローション類、ゲル類の代替品として使用することができる。
【0072】
本発明のひとつ以上の実施例において、発泡組成物には医学上あるいは美容上の障害を治療するための活性剤が含まれる。該活性剤は、その有益性もしくは予想される作用機序により分類することができる。該活性剤は、場合によってはひとつ以上の有益性をもたらすことができる、あるいはひとつ以上の作用機序を介して機能させることができる。したがって、分類は利便性のために行われるのであって、特定の用途または指定された用途に作用を制限するものではない。さらに発泡組成物は、活性成分の追加の有無にかかわらず、「薬用化粧品」製剤としての用途に好適である。
【0073】
抗菌性物質
薬品の種類のひとつに抗菌性物質がある。ここで用いられる「抗菌性」という用語には、細菌の増殖を破壊または抑制する物質、または細菌およびその他の微生物の増殖に対する抑制力や破壊力を有するゆえに、感染症の治療に使用される物質を含むものとするが、必ずしもこれらに限定されない。細菌感染が、皮膚、眼、粘膜、口腔、膣および直腸の種々の表在性疾患に関与していることはよく知られている。抗菌薬剤は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、原虫、好気性細菌および嫌気性細菌に対して有効である。
【0074】
抗菌薬剤は、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、合成ペニシリン、半合成ペニシリン、ベータ・ラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクライド抗生物質、メトロニダゾール、メトロニダゾール誘導体およびその類似物質、アゼライン酸などのジカルボン酸、シリシレート、ペプチド抗生物質、シクロスポリン、およびそれらのいずれかを治療効果のある濃度で組み合わせたものからなる群から選択される。抗菌性物質のもうひとつの群は非特異的であり,その中には過酸化水素、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウムなど)、ヨウ素、クロルヘキシジン、過酸化ベンゾイルなどの強酸化剤やフリーラジカル遊離化合物が含まれる。
【0075】
典型的な発泡性配合物は、切り傷、創傷、火傷、潰瘍など皮膚組織の損傷に伴う二次感染の予防およびその治療に特に有用かつ有効である。上記のいずれの場合にも、塗布時は泡状であるが皮膚に擦り込むと液状になるため、本製剤は使用しやすい。
【0076】
感染の予防と治療に有効であると同時に、抗菌発泡剤は炭素病や天然痘などの細菌戦生物の被害にあった汚染除去地域にも適用できる。
【0077】
抗真菌薬
真菌感染症は、発泡性配合物を用いた治療のもうひとつの対象である。皮膚の表在性真菌感染症は、一般診療で受診される最も一般的な皮膚疾患のひとつである。
皮膚糸状菌症は、おそらく最も多い皮膚の表在性真菌感染症であろう。皮膚糸状菌症は、人間の上皮、爪、毛髪の角質を代謝する力を有する菌類によって引き起こされる。皮膚糸状菌症を引き起こす皮膚糸状菌には、小胞子菌、白癬菌、表皮菌の3種類がある。
【0078】
カンジタ症は、酵母様真菌、カンジタアルビカンス、また時には別種のカンジタ菌によって引き起こされる感染症である。カンジタ症の臨床的症候群には、次のものがある;(a) 口腔カンジタ症 (口内がこう創); (b) 皮膚および性器粘膜のカンジタ症;(c) カンジタ性爪周囲炎 (爪が冒される);(d) 性器および膣カンジタ症(性器および膣が冒される)
薬剤としては、皮膚糸状菌とカンジタ菌に対して有効な抗真菌薬を含むことができる。抗真菌薬は、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール・グリセオフルビン、シクロピロクス、アモロルフィン、テルビナフィン、アンフォテリシンB、ヨウ化カリウム、フルシトシン(5FC)、およびそれらのいずれかを、治療効果のある濃度で組み合せたものからなる群から選択される。
【0079】
本発明のひとつまたは複数の実施形態による発泡配合物は、例えば、体部白癬、足白癬、紅色白癬、爪白癬、股部白癬、白癬性毛瘡、癜風、およびカンジタ症、カンジタ膣炎などのイースト菌感染症の治療に有効である。
【0080】
抗ウイルス薬
治療効果のある濃度での既知の抗ウイルス薬は、すべて発泡配合物に組み込むことができる。典型的な配合物は、ウイルス感染症の場合に特に有効である。ヘルペスは単純ヘルペスタイプ1ウイルスによって引き起こされ、顔面ヘルペスと呼ばれることもある。軟属腫は、顔面、胴、下腹部、骨盤、太腿の内側または陰茎に単独で、または集合的に現れる小さなウイルス増殖である。帯状疱疹(帯状ヘルペス)には通常では一生に一度しか罹らないが、発疹(基部が赤い塊状水膨れ)として現れる。帯状疱疹は、水痘の原因となるウイルスと同じウイルスによって引き起こされる。いぼは、ウイルス感染によって引き起こされる一般的な良性皮膚腫瘍である。
【0081】
抗炎症薬および抗アレルギー薬
活性物質として、抗炎症薬または抗アレルギー薬が用いられる場合がある。典型的な抗炎症薬または抗アレルギー薬には、コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗ヒスタミン剤、免疫賦活剤、免疫抑制剤およびそれらのいずれかを治療効果のある濃度で組み合わせたものが含まれる。
【0082】
抗炎症活性物質はコルチコステロイドである。コルチコステロイドは、プロプリオン酸クロベタゾール、プロプリオン酸ハロビタゾール、ジプロプリオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、フルオシノロン・アセトニド、ハルシノニド、吉草酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン・アセトニド、ヒドロコルチゾンおよびそれらのいずれかを、治療効果のある濃度で組み合わせたものからなる群から選択することができる。コルチコステロイド薬は通常、疎水性を有しているため、適切な発泡基材は高レベルの疎水性溶剤などである。疎水性溶剤は局所の塗布を容易にし、あらゆるコルチコステロイド薬の浸透率を高める。
【0083】
本配合物には、乾癬治療用の活性物質が含まれる場合がある。コルチコステロイド軟膏は水分を全くまたはほとんど含まない油分の多い製剤であり、通常乾癬の治療に用いられる。この軟膏の主な欠点は、治療の終了後にべたつき感が長時間続いて、治療を受ける者に不便と不快感を与えることにある。それとは異なり、本発明のひとつまたは複数の実施形態による高レベル油分(疎水性溶剤)を含む発泡配合物は、極めて容易に患部全体に広がり、なんら不快な感覚や跡を残さずに皮膚に吸収される。活性物質としてステロイドを含有する発泡配合物によって治療可能なその他の炎症性疾患の例として、アトピー性皮膚炎、脂漏症、顔面および胴体の脂漏性皮膚炎、脂漏性眼瞼炎、接触性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎(重力性湿疹、静脈瘤性湿疹)、剥脱性皮膚炎(紅皮症)、慢性単純性苔癬、バラ色粃糠疹、天疱瘡がある。
【0084】
現在利用可能な局所用抗ヒスタミン製剤は、1%および2%ジフェンヒドラミン(ベネドリルおよびカラドリル)、5%ドクセピン(ゾナロン)クリーム、マレイン酸フェニラミン、クロルフェニラミンおよびトリペレナミン、フェノチアジン、塩酸プロメタジン(フェナーガン)、およびマレイン酸ジメチンデンを含む。その他の抗ヒスタミン剤と同様に、これらの薬剤も使用することができる。
【0085】
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を含有する多価不飽和脂肪酸(リノール酸およびリノレン酸、ガンマ・リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA))は、乾癬やその他の皮膚の炎症の治療に有効であり、発泡配合物に含めることができる。
【0086】
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は皮膚の異常および全身性異常に有効であり、発泡配合物に加えることができる。NSAIDに含まれる種々の化合物は、当業者によく知られている。この配合物に有効な特定の非ステロイド系抗炎症薬には下記のものが含まれるが、必ずしもこれらに限定されない:ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカムなどのオキシカム; サリチル酸、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、アスピリン、ジサルシド、ベノリレート、トリリセート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサルおよびフェンドサルなどのサリチル酸基; ジシオフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナク、ケトロラクなどの酢酸誘導体; メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸などのフェナム酸塩; イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェニクなどのプロピオン酸誘導体; フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、トリメタゾンなどのピラゾール。
【0087】
炎症を予防し、その症状を緩和し、炎症を治療または治癒する力を有するその他のステロイド化合物および非ステロイド化合物は、すべて一般的に抗炎症薬として加えることができる。
【0088】
炎症性サイトカインの発生を低減させる、またはその作用を抑える抗炎症薬および・または抗アレルギー薬を、薬剤に含めることができる。
【0089】
皮膚病学的に許容できる塩、エステル、アミド、プロドラッグ、およびこれらの物質の誘導体はもとより、どのような抗炎症薬の組み合わせも本配合物に用いることができる。
【0090】
発泡剤を局所へ塗布することによってNSAIDを安全、かつ効果的に投与することができ、関節リウマチ、骨関節炎および疼痛の症状の予防および・または緩和に役立たせることができる。発泡配合物に組み込まれた局所用NSAIDはまた、にきび、しゅさ、育毛障害、光線角化症、および皮膚癌のある種の症状などの皮膚障害の治療にも用いることができる。
【0091】
局所麻酔薬
発泡配合物には、有効な量の局所麻酔薬を含有することができる。局所麻酔薬は、下記のものからなる群から選択することができる; ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メプルバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの麻酔薬の組み合わせ。相乗効果のある麻酔薬の組み合わせを検討する。
【0092】
角質溶解活性剤
発泡性配合物の活性剤として、角質溶解剤を含有させることができる。ここで用いられる「角質溶解活性剤」という用語には、皮膚の角質層を緩めて取り除く化合物、または皮膚の角質層の構造を変える化合物が含まれる。角質溶解活性剤は、乾燥肌、過度の角質化(乾癬など)、皮膚のかゆみ(乾燥症など)、にきび、およびしゅさなどの皮膚疾患の治療に使用される。
【0093】
適切な角質溶解活性剤には、フェノールおよび置換フェノール化合物が含まれる。このような化合物は、過度に角質化した組織の細胞内基質を分解して緩めることで知られている。したがって、それらは皮膚疾患の治療に用いられる。ジヒドロキシベンゼンとその誘導体は、効果の高い角質溶解剤として認められている。レゾルシノール(m-ジヒドロキシベンゼン)とその誘導体は、にきび抑制薬に使用される。ヒドロキノン(p-ジヒドロキシベンゼン)は、抗色素沈着特性を有することに加えて、角質溶解の働きをすることでも知られている。これらの化合物はさらに殺菌特性も示す。クレゾールもまた、殺菌特性と角質溶解特性を併せ持つ。
【0094】
レチノイン酸、イソレチノイン酸、レチノール、レチナールなどのビタミンAとビタミンA誘導体(ここでは「レチノイド」とも呼ぶ)は、もうひとつの部類の角質溶解活性剤である。
【0095】
角質溶解活性剤の別の部類には、乳酸、グリコール酸、それらの塩および誘導体などのアルファハイドロキシ酸とサリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、サリチル酸塩、および薬学的に許容できる誘導体などのベータハイドロキシ酸が含まれる。
【0096】
角質溶解活性剤の別の部類には、尿素と尿素誘導体が含まれる。
【0097】
レチノイド
活性剤の別の部類にはレチノール、レチナール、すべてのトランス・レチノイン酸および誘導体、それらの異性体および類似体が含まれ、それらを総称して「レチノイド」と呼称する。上述のレチノイドの異性体および類似体の例を挙げるならば、エトレチネート、アクチレチン、イソトレチノイン、アダプレネおよびタザロテンなどである。活性薬としてレチノイドを含む発泡性配合物は、患部に塗布することによって、にきび、脂漏症、種々の皮膚疾患、皮膚、粘膜、膣および直腸の炎症、乾癬、光線角化症、および皮膚癌の治療に用いることができる。
【0098】
殺虫剤および防虫剤
蚊、サシバエ、ダニ、ハエ類、ノミ、ツツガムシ類、ヌカカ、チョウバエ、シラミ、マダニなどの虫類は厄介なものであり、時には人間および動物の健康に重大な危険をもたらす。米国のある地域では、蚊が馬脳炎やセントルイス脳炎などの病気を感染させることがある。サシバエに刺されると痛みが何日も続き、腫れ上がり、ウイルス感染する場合もある。マダニは、ライム病やロッキー山発疹熱のような重篤な病気を感染させることがある。
【0099】
飛ぶ虫、刺す虫、蜘蛛、マダニやダニから人間や動物を守るために、防虫剤を発泡配合物に加えることができる。
【0100】
防虫剤の例として、DEET(N、N-ジエチル-m-トルアミド)、フタル酸ジメチル、ピペロニル・ブトキシド、ペルメトリンなどが挙げられる。防虫テルペノイドは、J.Chem. Ecol.のHwangら(11, 1297(1985))と蚊抑制協会のRuledge. J. Am.(4,414 (1985))によって報告された。
【0101】
防虫剤の特別な群には、米国特許第No.5,411,992号に記載の下記のテルペノイド化合物が含まれる:
(1) テルペノイド・アルコールまたはテルペン-olは、ヒドロキシル基を1個以上有するテルペノイドである。テルペン-olの例を次に挙げる;C10H16O化合物、ペリルチルアルコール、カルベオール、ミルテノールおよびシス・ベルベノール;C10H18O化合物、ミルタノール、イソ・ピノカムフェノール、ジヒドロ・カルベオール、イソプレゴール、テルピネオール、テルピネン-4-オール、ネロール、ゲラニオール、リナロール、およびC10H20O化合物、メントール、ベータ・シトロネロールおよびジヒドロ・ミルセノール。
(2) テルペノイド・エステルは、テルペン-olのヒドロキシル基が脂肪族鎖のヒドロキシル其またはアミンなどの官能基を含むことができる脂肪族カルボン酸と結合した結果生じた生成物であるエステル基を1個以上有する、テルペノイドである。適切な脂肪族カルボン酸の例として、酢酸、プロピオン酸、乳酸、および種々のアミノ酸がある。テルペノイド・エステルの例: カルビル・アセテート、カルビル・プロピオネート、乳酸メンチル
(3) テルペノイドを含むエッセンシャルオイルおよびテルペノイドを含む香料。テルペン-olとエステルを多く含有するエッセンシャルオイルの非限定例を次に挙げる; ベルガモット(テルペノイド62%)、セージ(テルペノイド>50%)、スティラックス(テルペノイド>50%)、ペパーミント(テルペノイド>50%)、シベリア松(テルペノイド75%)。テルペン、アルデヒド、およびケトンは有効性がそれぞれ異なるが、一般的な群としては防虫剤としての潜在能力を有している。
【0102】
発泡性配合物は、防虫剤を人間や動物の皮膚上に広範囲にわたって効果的に均一に行き渡らせるために特に適している。発泡配合物の中に含まれる疎水性溶剤は、防虫剤を皮膚表面に長時間とどめることを助ける。
【0103】
発泡性配合物は、殺虫剤を人間や動物の患部表面に塗布するために適している。このように、薬剤または美容用配合物には、ペルメトリン、ヘキサクロロベンゼン、カルバメート、天然ピレスロイド、ペルメトリン、アレスレン、マラチオン、ピペロニル・ブトキシド、および薬学的に有効な濃度でのそれらの組み合わせからなる群から選択された殺虫剤が含まれる。この配合物は極めて便宜に塗布することができ、有毛部にも薬剤が容易に広がる。発泡配合物の中に含まれる疎水性溶剤は、殺虫剤を皮膚表面に長時間とどめておくことを助ける。さらに発泡剤中に疎水性溶剤が含まれていることにより、シラミやシラミ卵を櫛で容易に取り除くことができる。
【0104】
抗癌剤
前癌症状の光線角化症だけでなく、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、メラノーマ、カポジ肉腫など皮膚悪性腫瘍の治療のための選択薬としても、抗癌剤を使用することができる。場合によっては、このような癌を治療または予防するために、5-フルオロウラシル(5-FUとも呼ばれる)などの局所用細胞毒性抗増殖薬が使用される。5-FUは、抗癌剤の分野において知られているその他の抗癌剤と同様に、治療効果のあるレベルで発泡剤に組み入れることができる。現在の製剤の発泡剤に使用するために適した典型的な抗癌剤群には、タモキシフェンなどの抗エストロゲンが含まれる。
【0105】
光線力学療法剤
発泡配合物は、感光剤を塗布するためにも便宜である。光線感作物質は、ポルフィリン、変性ポルフィリン、ソラレン、8-メトキシプソラレン、5-メトキシプソラレン、ソラレン誘導体、クロリン、バクテリオクロリン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、フェオホルビド、プルプリン、m-THPC、モノ-L-アスパルチルクロリン e6、ベンゾポルフィリン誘導体、およびアミノレブリン酸(ALA)などの光線感作物質前駆物質からなる群から選択することができる。
【0106】
火傷、創傷、切り傷および潰瘍に対する活性物質
発泡性配合物を用いた火傷、創傷、切り傷、および潰瘍の治療には、特に利点がある。発泡剤は、抗感染症薬(抗細菌、抗真菌、および/または抗ウイルス)、抗炎症薬(ステロイド、および/またはNSAID)および鎮痛成分を含むことができる。塗布と同時に泡が患部の表面を覆うため、痛みを引き起こすことなく容易に広がる。
【0107】
スキンケア用活性物質
発泡配合物には、スキンケアおよび美容ケアに有効な利点がある。泡が広がる状態で保水特性を有する油と水の組み合わせが、現在使用されている美容スキンケアクリーム、ローション、ジェルなどに取って代わって用いられる。美容用発泡配合物は、さらに老化肌、しわ、過度の色素沈着(黒皮症、肝斑、そばかすなど)、麟状皮膚およびその他の不快な皮膚性状などの「美容」上の皮膚の不調を治療するための「薬用化粧品」(治療上の効用を有する化粧品)としての用途にも適している。
【0108】
CTFA 化粧品成分便覧にはスキンケア業界で一般に使用されている種々の非限定的な化粧品成分および薬剤成分が記載されているが、それらは本発明の配合物への使用に適している。これらの成分部類の例を次に挙げる; 研磨剤、吸収剤、香料、色素、着色剤、エッセンシャルオイル、アストリンゼンなど美的成分(丁子油、メントール、樟脳、ユーカリ油、ユージノール、乳酸メンチル、マンサク留出物など)、にきび抑制剤、固化防止剤、発泡防止剤、抗菌剤(ヨードプロピル・ブチルカルバメートなど)、酸化防止剤、結合剤、生物添加剤、緩衝剤、充填剤、キレート剤、薬品添加剤、着色剤、美容アストリンゼン、美容殺生剤、変性剤、薬物アストリンゼン、外用鎮痛剤、塗膜形成特質と配合物(エイコサンおよびビニルピロリドンの共重合体など)の直接性を助けるための塗膜形成要素または材料(ポリマなど)、乳白剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚漂白・美白剤(ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸フォスフェイト・マグネシウム、アスコルビン酸グルコサミンなど)、肌調整剤(種々の保湿剤、および皮膚内の活性物質の滞留を調整するのを助ける保湿剤など)、肌回復・治癒剤(パンテノールおよびその誘導体(エチル・パンテノールなど)、アロエ、パントテン酸およびパントテン酸誘導体、アラントイン、ビサボール、グリチルリチン酸2カリウムなど)、肌治療剤、増粘剤、ビタミンおよびその誘導体。
【0109】
にきび抑制活性物質
にきび抑制剤を発泡性配合物に含めることができる。にきび抑制剤は、レゾルシノール、硫黄、サリチル酸およびサリチル酸塩、アルファ・ヒドロキシ酸、非ステロイド系抗炎症薬、過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、イソレチノイン酸およびその他のレチノイド化合物、アダプレネ、タザロテン、アゼライン酸およびアゼライン酸誘導体、エリスロマイシンやクリンダマイシンなどの抗生物質製剤、亜鉛塩および複合体、および治療効果のある濃度でのそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0110】
しわ防止・老化防止活性物質および乾燥皮膚(乾燥症および魚麟癬)治療剤
発泡性配合物には、効果的な量のしわ防止活性物質および・または少なくとも1種類の老化防止活性物質を含めることもできる。発泡性配合物への使用に適した典型的なしわ防止・老化防止活性物質には次のものが含まれる; D型およびL型含硫アミノ酸およびその誘導体と塩、特にN-アセチル誘導体; チオール; ヒドロキシ酸(乳酸、グリコール酸、それらの誘導体および塩などのアルファ・ヒドロキシ酸、またはサリチル酸、サリチル酸塩およびその誘導体などのベータ・ヒドロキシ酸)、尿素、ヒアルロン酸、フィチン酸、リポ酸、リゾホスファチジン酸、表皮剥脱剤(フェノール、レゾルシノールなど)、ビタミンB3化合物(ナイアシンアミド、ニコチン酸、ニコチン酸塩、およびニコチン酸非血管拡張エステルなどのエステル(ニコチン酸トコフェロールなど)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸ニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N-オキサイドおよびナイアシンアミドN-オキサイドなど)、ビタミンB5およびレチノイド(レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、レチニル・パルミテート、レチニル・アスコルビン酸塩など)。乾燥皮膚(乾燥症)および魚麟癬の場合には、前記物質はこれらの状態に伴うかゆみを一時的に緩和することによって症状を軽減することができる。
【0111】
酸化防止剤・遊離基捕捉剤
効果的な量の酸化防止剤・遊離基捕捉剤を、例えば、およそ0.1%から10%(w/w)、またはおよそ1%から5%(w/w)の量だけ発泡性配合物に加えることができる。
次のような酸化防止剤・遊離基捕捉剤が使用できる;
アスコルビン酸(ビタミンC)およびアスコルビン酸塩、脂肪酸アスコルビンエステル、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸フォスフェイト・マグネシウム、アスコルビン酸フォスフェイト・ナトリウム、アスコルビン酸ソルベートなど)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロール・ソルベート、酢酸トコフェロール、その他のトコフェロール・エステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびその塩、6-ヒドロキシ-2、5、7、8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(市販品名Trolox)、没食子酸および没食子酸アルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸、尿酸塩および尿酸アルキルエステル、ソルビン酸およびソルビン酸塩、リポ酸、アミン(N-N-ジエチルヒドロキシアミン、アミノ・グアニジンなど)、スルフヒドリル化合物(グルタチオンなど)、ジヒドロキシ・フマル酸およびジヒドロキシ・フマル酸塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアヤレト酸、バイオフラボノイド、クルクミン、リジン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシド・ジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ぶどうの皮・種子抽出物、メラニン、ローズマリー抽出物。
【0112】
発泡剤は、肌を保護し活性化させる酸化防止剤・遊離基捕捉剤を塗布するために適している。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を含む多価不飽和脂肪酸(リノール酸およびリノレン酸、ガンマ・リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)など)は、乾癬やその他の皮膚の炎症の治療に有効である。同様に、皮膚軟化剤やシリコーン油は皮膚に保湿効果と皮膚保護効果を与える。したがって、不飽和脂肪酸を豊富に含む皮膚軟化剤、シリコーン油およびオイルの群から選択された溶剤が疎水性溶剤の全体または一部をなして、酸化防止剤・遊離基捕捉剤と賦形剤成分との相乗治療効果をもたらす皮膚保護発泡剤が提供される。
【0113】
セルフ・タンニング活性物質
発泡配合物は、皮膚上に広範囲にわたってタンニング活性物質を均一に塗布するために特に適している。発泡配合物には、ジヒドロキシ・アセトンまたは人工タンニング活性物質としてこの分野で知られているその他の化合物が、およそ0.1%-20%、およそ2%-7%、あるいはおよそ3%-6%含まれる。
【0114】
美白剤
発泡配合物は、美白剤を均一に塗布できるような配合にすることができる。使用する場合には、配合物に美白剤がおよそ0.1%-10%、またはおよそ0.2%-5%含まれる。適した美白剤には、この分野で知られている下記物質が含まれる; ヒドロキノン、アゼライン酸およびその他の同族ジカルボン酸、それらの塩および誘導体、レチノイド、コウジ酸、アルブチン、ニコチン酸およびニコチン酸前駆物質、塩および誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩およびその誘導体(アスコルビン酸フォスフェイト・マグネシウムまたはアスコルビン酸フォスフェイト・ナトリウムなど)、ハーブ抽出物(桑抽出物、胎盤抽出物など)。
【0115】
本発明のひとつまたは複数の実施形態において、発泡配合物には1種類以上の美白剤とレチノイド、角質溶解薬および抗炎症薬から選択された1種類以上の追加活性剤との組み合わせが含まれる。
【0116】
ひとつまたは複数の実施形態において、本配合物には1種類以上の美白剤とアルファ・ヒドロキシ酸、ベータ・ヒドロキシ酸およびレチノイドから選択された1種類以上の角質溶解薬との組み合わせが含まれる。
【0117】
本発明のひとつまたは複数の実施形態において、発泡配合物には1種類の美白剤と1種類の無機日焼け防止剤との組み合わせが含まれる。二酸化チタンや酸化亜鉛などの無機日焼け防止剤を皮膚に擦り込むと白い被膜ができ、即座に美白効果が得られる(但し一時的)。これは自分の外見が直ちに変化することを見たい消費者にとっては、非常に望ましいことである。発泡基材に無機日焼け防止剤を組み合わせることによって美白剤を皮膚表面に容易かつ均一に塗布できるため、皮膚表面に均一に塗り広げることが難しいクリームとは異なり、均一な美白効果が直ちに得られる。
【0118】
育毛障害用薬剤
育毛の形態に作用する薬剤は、発泡配合物に組み込むために適している。最も一般的な脱毛原因である男性型禿頭症(MPB)は、男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)の活動によって誘発される。DHTは、酵素5-アルファ還元酵素によってテストステロンから転換される。MPBの現在の治療には、ミノキシジルおよび5-アルファ還元酵素を遮断する薬剤(フィナストライド、スピロノラクトン、アゼライン酸、アゼライン酸誘導体およびアゼライン酸塩など)が用いられる。これらの薬剤は、この分野で知られているその他の薬剤と同様に、発泡配合物に組み込むことができる。
【0119】
多価不飽和脂肪酸、すなわちリノール酸やリノレン酸、ガンマ・リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)などの必須脂肪酸(EFA)のいずれかを含むものも、育毛を助けることが知られている。したがって、このような不飽和脂肪酸を豊富に含んだオイルが疎水性溶剤の全体または一部を成す育毛用発泡配合物が提供される。
【0120】
体型作り用薬剤;脂肪を取る薬剤・痩せ薬
脂肪の処理やダイエット商品に使用されている体型作り用薬剤は、発泡配合物に組み込むのに適している。脂肪の処理および痩身効果の誘発により知られている活性物質の非限定例の一覧を次に挙げる:
- ハーブ抽出物: バルダーワック(baldderwack)抽出物、ナギイカダ、唐辛子、タンポポ、ムラサキツメクサ、銀杏、トチノキの実、マンサク、ルリヂサオイル
- オメガ3オイル、オメガ6オイル
- コーヒー酸、塩およびその誘導体
- テオフィリンやペントキシフィリンなどのキサンチン薬剤
- ニコチン酸、塩およびその誘導体
サン・バーン、熱傷、放射線による火傷、発疹およびかゆみの治療薬
皮膚炎、軽微な皮膚のかぶれ、サン・バーン、熱傷、放射線による火傷を治療して炎症を予防することが薬品業界および美容業界で知られている化粧品成分や薬剤成分は、発泡配合物に効果的に組み込むことができる。
【0121】
そのような活性物質の例を以下に挙げる;カモミール抽出物(matricaria recutitia)、キュウリ留出物(cucumis sativus)、ラベンダーウォーター(lavendula angustifolia)、ローズウォータ(rosa damascena)、マンサク(hamamells virginiana)、アラントイン、ビサボロール、ローズヒップオイル、カレンデュラオイル、アズラエン(azulaene)、メントール、樟脳。
【0122】
その他のスキンケア活性物質
活性物質は次の群から選択することができる; 含硫アミノ酸、チオール化合物、アルファ・ヒドロキシ酸、乳酸、乳酸誘導体および塩、グリコール酸、グリコール酸誘導体およびグリコール酸塩、ベータ・ヒドロキシ酸、サリチル酸、サリチル酸塩および誘導体、フィチン酸、リポ酸、リゾホスファチジン酸、表皮剥脱剤、フェノール、レゾルシノール、ビタミンB3化合物、ナイアシンアミド、ニコチン酸、ニコチン酸塩およびエステル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸ニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N-オキサイドおよびナイアシンアミドN-オキサイド、レチノイド、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、レチニル・パルミテートおよびレチニル・アスコルビン酸塩、カフェイン、テオフィリン、ペントキシフィリン、ジヒドロキシ・アセトン・コウジ酸、アルブチン、ニコチン酸およびニコチン酸前駆物質、ニコチン酸塩、ニコチン酸誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩およびアスコルビン酸誘導体。
【0123】
「アルコール非含有」
米国特許第6,126,920号および第6,358,541号に開示された組成には脂肪族アルコールが40〜90%含まれているが、発泡配合物の発泡基材は基本的に短鎖脂肪族アルコール(メチル-、エチル-、イソプロピル-、ブチル-アルコール)を含有しない。本出願において「アルコール非含有」という用語は、炭素骨格に炭素原子を1個から6個持つ脂肪族アルコールを7.5重量%以上含有しない組成、またはそのような脂肪族アルコールの混合物を7.5重量%以上含有しない組成を意味する。
【0124】
選択的成分
薬剤用または化粧品用発泡基材には任意に種々の薬剤成分または化粧品成分が含まれるが、それらは製剤の濃度を微調整し、処方成分の劣化や酸化を防ぎ、美容剤としての受容性を与えるために付加される。そのような賦形剤は、下記物質からなる群から望ましいものが選択される: ジグリセリド、トリグリセリド、安定剤、酸化防止剤、グリセロール、着香料、着色剤、着臭剤、および薬剤ならびに化粧品処方の分野で知られているその他の処方成分。本発明に基づく発泡基材を用いて製造された薬剤・美容剤配合物は極めて使いやすい。人間または動物の体の患部表面に塗布すれば、それは泡状であるゆえに垂れず、自由に塗布できる。そこで配合物を体表面に擦りこむ力を加えると、表面に自由に広がり、すばやく吸収される。
【0125】
配合物および泡の物理的特性
本発明のひとつまたは複数の実施形態にしたがって、発泡基材を用いて製造された薬剤・美容剤配合物は極めて使いやすい。哺乳動物、すなわち人間または動物の体の患部表面に塗布すれば、それは泡状であるため垂れず、自由に塗布できる。そこで、例えば配合物を体表面に擦りこむといった力を加えると、表面に自由に広がり、すばやく吸収される。
【0126】
発泡配合物または基材には水、疎水性溶剤、界面活性剤、ゲル化剤および噴射剤が含まれており、それらによって1年以上、または常温では2年以上の許容品質保持期間を有する安定した乳剤が得られる。美容用・医療用製品の特徴は長期安定性にある。低分子量炭化水素の混合物である噴射剤は、乳剤の安定性を損なう傾向がある。しかし、ゲル化剤として両親媒性共重合体を含む発泡配合物は、驚くほど安定性の高いことが判明している。真摯な安定性研究の結果として、本発泡配合物は望ましい構造を示している; 表面に接触した直後は壊れず、治療表面に容易に広がり、さらに迅速に吸収される泡構造となっている。
【0127】
配合物はまた、エアゾール容器などの容器の開口部から流れ出て満足できる泡を形成できるように、自由に流れる状態でなければならない。乳剤の油相の主成分として白色ワセリンなどの半固形疎水性溶剤を含有する配合物は、粘度が高く、流動性も悪いため、発泡配合物に用いるには不適である。
【0128】
泡質は、以下のように等級付けすることができる:
Eグレード(優れている): 外観が極めて濃厚でクリーム状、気泡構造が見えない、あるいは協定微細な気泡構造しか見えない; すぐにはだれない; 皮膚に広がった直後に泡はクリーム状特性を保ち、水っぽく見えない。
【0129】
Gグレード(良い): 外観が濃厚でクリーム状、気泡が極めて小さい; 「優れている」泡より早くだれる: 皮膚に広がった直後に泡はクリーム状を保ち、水っぽくならない。
【0130】
FGグレード(やや良い): 中程度のクリーム状が見てとれる、気泡構造が見てとれる; 皮膚に広がった直後にだれて、外見上の粘度がやや低くなる。
【0131】
Fグレード(普通): クリーム状がほとんど見られない、「やや良い」泡よりも気泡構造が大きい、皮膚に広がった直後に外見上平たくかつ水っぽくなる。
【0132】
Pグレード(劣る): クリーム状が見られない、気泡構造が大きい、皮膚に広がった直後に外見上極めて平たくかつ水っぽくなる。
【0133】
VPグレード(極めて劣る): 泡が乾いており、気泡が大きくだれている、皮膚に広がりにくい。
【0134】
エアゾール容器から噴射した際に局所的に投与可能な泡は、一般的に品質等級EまたはGである。気泡が小さいほど、泡がより安定していることを示している。安定した泡は、容器から噴射された直後に自然に壊れることはない。気泡構造が微細であればあるほど外観および感触が滑らかであり、その有用性と魅力が増す。
【0135】
泡に関する別の側面は壊れやすさにある。壊れやすい泡は熱的には安定しているが、垂直の力を受けると壊れる。垂直の力による泡の壊れやすさは、熱による壊れやすさより明らかに有利である。熱に弱い泡は皮膚の温度にさらされると即座に壊れるため、手に塗布した後に患部に塗布することができない。
【0136】
泡のもうひとつの特性は、エアゾール缶から噴射した直後に測定した比重である。一般的に、泡の比重はおよそ0.01g/mL−0.1g/mLである。
【0137】
その他の技術的パラメータ
本発明の配合物は、噴射剤ガスの圧力に耐えられ、圧力下で泡状になった配合物を噴射するための適切なバルブやノズルを有する容器に入れて、そこから噴射することができる。従来の液化噴射剤を、全配合物のおよそ3−18%の量だけ加えることができる。液化噴射剤は圧力下で液体として存在するガスであり、プロパン、イソブタンおよびn-ブタン、ジメチルエーテル、クロロフルオロカーボン(CFC)などの高純度炭化水素を含む。
【0138】
本発明による具体的な実施例を次に述べる。皮膚表面の治療を効果的に行って薬剤の皮膚への浸透を高めるために、本発明の配合物をパッチ上に置き、皮膚テープまたは経皮投与装置の皮膚接触部の活性成分量を調整して、それを皮膚に当てる。
【0139】
このような方法を用いれば、現在は全身投与されている薬剤や経皮投与を必要とする薬剤を本発明の好ましい治療システムにより投与することができる。そのような薬剤の例を次に挙げる; ニコチン、テストステロンおよびその他の男性ホルモンおよび男性ホルモン前駆物質、エストロゲンとその他の女性ホルモンおよびホルモン前駆物質、成長ホルモン、インスリン、カフェイン、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬、甲状腺ホルモン代用剤。
【0140】
典型的な例として例1に示したように、本発明の配合物を作り出すために一般的なプロセスを適用できる。
【0141】
本発明による薬剤基材は、スキンケア剤と香料に加えることによって、美容用化粧品を調合するためにも使用できる。
【0142】
医薬品への応用分野
適切な活性成分とひとつ以上の適切な活性物質を随意に組み込むことによって、本発明の発泡配合物は非限定例としての下記群に基づいて分類される種々の疾患の治療に役立つ:
接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、手足の慢性皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、オムツかぶれなどの皮膚炎; 蜂巣炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、壊死性皮膚感染、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、毛嚢炎、せつ腫、汗腺膿瘍、カルブンケル、ひょうそ、紅色陰癬などの細菌感染症; 皮膚糸状菌感染症、イースト菌感染症など真菌感染症; 疥癬、シラミ寄生症、皮膚爬行症など寄生虫感染症: ウイルス感染症; にきび、しゅさ、口囲皮膚炎、多毛症、脱毛症(男性型禿頭症、円形脱毛症、全身性脱毛症、完全脱毛症)、偽性毛嚢炎、角質嚢腫など毛包および脂腺の疾患; 乾癬、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、毛孔性紅色粃糠疹など落屑性丘疹; ほくろ、形成異常母斑、軟性繊維腫、脂肪腫、血管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚繊維腫、角化棘細胞腫、ケロイドなど良性腫瘍; 基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、乳頭パジェット病、カポジ肉腫など悪性腫瘍; サン・バーン、日光の慢性影響、光過敏性など日光に対する反応; 天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、線状免疫グロブリンA疾患など水泡性疾患; 低色素沈着(白斑、色素欠乏症、炎症後の低色素沈着)、高色素沈着(肝斑、薬剤性高色素沈着、炎症後の高色素沈着)など色素異常症; 魚麟癬、毛孔性角化症、タコおよび魚の目、光線角化症など角化疾患; 床ずれ; 発汗障害; 薬疹、中毒性表皮壊死症など炎症反応; 多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫。
【0143】
発泡配合物は、活性物質の局所・経皮投与に反応を示す非皮膚性疾患の治療に有効である。一例として挙げるならば、上記疾患には関節痛、筋肉痛、腰痛、リウマチ痛、関節炎、骨関節炎、急性軟組織損傷およびスポーツ損傷だけでなく、全身の限局的な痛みが含まれる。この部類のその他の疾患には、ホルモン補充療法などのホルモン療法や経皮的ニコチン投与に反応を示す疾患およびドラッグ投与技術において知られているその他の各疾患が含まれる。
【0144】
発泡配合物は、直腸、膣、陰茎尿道、外耳道などその他の体腔の障害および疾患の治療と予防に有効である。
【0145】
したがって、発泡配合物は種々の婦人科疾患のいずれかに罹っている患者を治療するために有効である。そのような婦人科疾患の非限定例として、下記群に基づいて分類したものを列挙する:
月経前症候群(PMS)、中間痛(月経中期の排卵に伴う強い痛み)、月経困難症(月経周期に関連する痛み)、子宮内膜症、子宮外妊娠、卵巣嚢胞および塊、急性骨盤感染症、骨盤うっ血症候群、外陰の疼痛など骨盤痛; 細菌性膣炎、カンジタ膣炎、トリコモナス膣炎、単純ヘルペス陰部疣および潰瘍、骨盤感染症(PID)、子宮頚管炎、急性・慢性卵管炎など外陰膣感染症; 子宮内膜症; 子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、外陰癌、膣癌、卵管癌、妊娠性絨毛性疾患など婦人科新生物; 良性腫瘍; 性感染症; 性的喚起障害、女性オルガスム障害、性交疼痛症、膣痙などの薬理療法が有効な性機能障害; ホルモン治療が有効な種々の婦人科疾患。
【0146】
直腸への投与例として、肛門膿瘍・痔瘻、肛門癌、肛門疣、クローン病、痔核、肛門および肛門周囲掻痒、痛みおよび表皮剥離、肛門周囲鷭口瘡、裂肛、便失禁、便秘、大腸ポリープおよび直腸ポリープなどが挙げられる。
【0147】
発泡配合物は、さらに性感染症(STD)および非性感染症の膣内および直腸内治療に有効である。
【0148】
ひとつまたは複数の実施形態において、本発明は1種類またはそれ以上の活性物質を治療効果のある濃度で含有した発泡配合物を患部に局所的に投与することによる皮膚、粘膜、外耳道、膣、直腸、および陰茎尿道の疾患の治療法を提供する。
【0149】
さらに別の実施形態において、本発明は1種類またはそれ以上の活性物質を治療効果のある濃度で含有した本発明の発泡配合物を皮膚に局所的に投与することによる、活性物質の局所的投与が効果的な非皮膚性疾患の治療法を提供する。
【0150】
治療・セラピー
ここで同義的に用いられる「セラピー」と「治療」という用語は、疾患または障害のあらゆる治療をカバーする。その例を以下に挙げる:
(i) 疾患または障害を治す。
(ii) その疾患に罹りやすい傾向があるがまだ罹っているとは診断されていない対象に対
して、その疾患または障害が生じることを予防する。
(iii) 疾患または障害を抑制する。
(iv) 疾患または障害を緩和する。
(iv) 疾患を退行させる。
(v) 効果的な免疫作用を与える。
(vi) 疾患または障害に苦しむ対象や、美容上の治療の場合に生活の質を高める。
(vii) 身体構造または機能に影響を及ぼすことなく、清浄にする、美しくする、より魅力
的にする、または外見を変える。
【0151】
実施例
次にいくつかの例と実験について詳細に述べる。本発明はこれらの例および実験に限定されない。多くの変更形態が、本特許請求の範囲の目的とする最大限の範囲内で可能であろう。
【0152】
例1- 医薬品用または美容用発泡基材および配合物の製造 - 一般的方法
医薬品発泡基材の製造法は一般的に次の手順からなる。
【0153】
ステップ1 - 水相: ゲル化剤と界面活性剤を攪拌しながら水に溶かす。その溶液を50−70℃に加熱する。この水相混合物に、水溶性の美容用または薬剤用活性成分*および任意の水溶性成分を加えて攪拌する。
【0154】
ステップ2− 疎水相: 疎水性溶剤を同温まで加熱する。油溶性の美容用または薬剤用活性物質および任意の油溶性の製剤成分を、疎水相混合物に加えて攪拌する。
【0155】
ステップ3 - 暖められた疎水相を暖められた水相に攪拌しながら徐々に注ぎ込み、続いてウルトラトラックス(Ultraturax)均質化を行なう。この混合物を周囲温度まで冷す。
【0156】
ステップ4- 周囲温度に冷えた混合物をエアゾール容器に入れる。容器を密閉して、適正量の噴射剤(配合物の質量のおよそ10%)を容器に圧搾する。
* 熱に弱い活性成分を用いる場合には、ステップ3の後に活性成分を混合物に加えて攪拌する。
【0157】
以下の例では、発泡配合物を上記の通り調合した後に、泡質試験を実施した。
【0158】
【表1】

【0159】
【表2】

【0160】
【表3】

【0161】
【表4】

【0162】
【表5】

【0163】
【表6】

【0164】
【表7】

【0165】
【表8】

【0166】
【表9】

【0167】
【表10】

【0168】
【表11】

【0169】
【表12】

【0170】
【表13】

【0171】
【表14】

【0172】
【表15】

【0173】
【表16】

【0174】
【表17】

【0175】
【表18】

【0176】
【表19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分からなり、エマルジョンがアルコール非含有である事前調剤状態において安定している水中油発泡性エマルジョン:
(i)成分のおよそ5-50重量%を占める非揮発性の疎水性溶媒液、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(iii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iv)尿素、ヒドロキシ酸、および活性剤の共融混合物のひとつまたはそれ以上からなる群から選択される活性成分、ならびに
(v)全成分のおよそ3-18重量%の濃度での液化ガス推薬。
【請求項2】
前記活性成分が混合時に共融混合物を生成する活性剤の組み合わせからなる、ことを特徴とする請求項1記載の発泡性エマルジョン。
【請求項3】
前記活性成分がおよそ1%-50%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項1記載の発泡性エマルジョン。
【請求項4】
前記活性成分がおよそ10%-20%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項3記載の発泡性エマルジョン。
【請求項5】
前記活性成分がおよそ20%-50%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項3記載の発泡性エマルジョン。
【請求項6】
前記活性成分がおよそ1%-30%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項1記載の発泡性エマルジョン。
【請求項7】
前記活性成分がおよそ1%-10%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項6記載の発泡性エマルジョン。
【請求項8】
前記活性成分がおよそ10%-30%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項6記載の発泡性エマルジョン。
【請求項9】
前記活性成分がおよそ1%-50%の尿素とおよそ1%-30%のヒドロキシ酸の組み合わせからなる、ことを特徴とする請求項1記載の発泡性エマルジョン。
【請求項10】
下記成分からなり、エマルジョンがアルコール非含有である事前調剤状態において安定している発泡性エマルジョン:
(i)成分のおよそ5-50重量%を占める非揮発性の疎水性溶媒液、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(iii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iv)プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マニトール、オリゴサッカライド、ジメチルイソソルバイド、およそ8-10単位のエチレン酸化物を有するエトキシル化グリセルドのモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール200-600、トランスキュトール、グリコフロール、およびシクロデキストリンからなる群から選択される治療強化剤、
(v)少なくともひとつの活性剤の治療有効濃度、ならびに
(vi)全成分のおよそ3-18重量%の濃度での液化ガス推薬。
【請求項11】
前記活性成分がおよそ1%-10%の治療強化剤からなる、ことを特徴とする請求項10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項12】
前記活性成分がおよそ10%-30%の治療強化剤からなる、ことを特徴とする請求項10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項13】
さらに少なくともひとつの活性剤の治療有効濃度からなる、ことを特徴とする請求項3および6記載の発泡性エマルジョン。
【請求項14】
前記疎水性溶媒液が成分のおよそ5-10重量%を占める、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項15】
前記疎水性溶媒液が成分のおよそ10-20重量%を占める、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項16】
前記疎水性溶媒液が成分のおよそ20-50重量%を占める、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項17】
前記疎水性溶媒液が重量比2:8から8:2までの鉱油と緩和薬の混合物からなる、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項18】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および両性イオン界面活性剤からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項19】
前記界面活性剤が比率1:1から20:1までの非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤の混合物からなる、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項20】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項21】
前記界面活性剤が9以上のHLB値を有する、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項22】
疎水性溶媒が植物油、魚油、鉱油、緩和薬、シリコン油、植物由来治療油および前記物質のあらゆる比率の混合物からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項23】
界面活性剤と疎水性溶媒との比率がおよそ1:8から1:16である、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項24】
界面活性剤と疎水性溶媒との比率がおよそ1:16から1:32である、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項25】
前記成分が皮膚、粘膜、膣および直腸の疾患に対して用いられる、ことを特徴とする請求項1,2,3,6,および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項26】
痛みを処置するための請求項2,3,6,および10記載の発泡性エマルジョンの使用。
【請求項27】
皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、手足の慢性皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、オムツかぶれなどの皮膚炎、 蜂巣炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、壊死性皮膚感染、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、毛嚢炎、せつ腫、汗腺膿瘍、カルブンケル、ひょうそ、紅色陰癬などの細菌感染症、 皮膚糸状菌感染症、イースト菌感染症などの真菌感染症; 疥癬、シラミ寄生症、皮膚爬行症など寄生虫感染症、ウイルス感染症、にきび、しゅさ、口囲皮膚炎、多毛症、多毛、男性型禿頭症、円形脱毛症、全身性脱毛症、完全脱毛症、偽性毛嚢炎、角質嚢腫など毛包および脂腺の疾患、 乾癬、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、毛孔性紅色粃糠疹など落屑性丘疹; ほくろ、形成異常母斑、軟性繊維腫、脂肪腫、血管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚繊維腫、角化棘細胞腫、ケロイドなど良性腫瘍; 基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、乳頭パジェット病、カポジ肉腫など悪性腫瘍、サン・バーン、光過敏性など日光に対する反応、 天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、線状免疫グロブリンA疾患など水泡性疾患、白斑、色素欠乏症、炎症後の低色素沈着、高色素沈着、肝斑、薬剤性高色素沈着、炎症後の高色素沈着、魚麟癬、毛孔性角化症、タコおよび魚の目、光線角化症など角化疾患、床ずれ、発汗障害; 多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫、活性物質の局所・経皮投与に反応を示す非皮膚性疾患、限局痛、関節痛、筋肉痛、腰痛、リウマチ痛、関節炎、骨関節炎、急性軟組織損傷およびスポーツ損傷、ホルモン補充療法などのホルモン療法や経皮的ニコチン投与に反応を示す疾患、骨盤痛、月経前症候群(PMS)、中間痛、月経困難症、子宮内膜症、子宮外妊娠、卵巣嚢胞および塊、急性骨盤感染症、骨盤うっ血症候群、外陰の疼痛、細菌性膣炎、カンジタ膣炎、トリコモナス膣炎、単純ヘルペス陰部疣および潰瘍、骨盤感染症(PID)、子宮頚管炎、急性・慢性卵管炎など外陰膣感染症、 子宮内膜症、 子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、外陰癌、膣癌、卵管癌、妊娠性絨毛性疾患など婦人科新生物、良性腫瘍、性感染症; 性的喚起障害、女性オルガスム障害、性交疼痛症、膣痙などの薬理療法が有効な性機能障害、肛門膿瘍・痔瘻、肛門癌、肛門疣、クローン病、痔核、肛門周囲鷭口瘡、裂肛、便失禁、便秘、大腸ポリープおよび直腸ポリープ、性感染症および非性感染症の膣および外性器感染病の群から選択される疾患の処理に対する請求項2,3,6および10記載の発泡性エマルジョンの使用。
【請求項28】
傷、火傷、切り傷および潰瘍を処置するための請求項2,3,6,および10記載の発泡性エマルジョンの使用。
【請求項29】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗菌剤である、ことを特徴とする請求項2,10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項30】
前記の少なくともひとつの活性剤はクロラムフェニコール、テトラサイクリン、合成ペニシリン、半合成ペニシリン、ベータ・ラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクライド抗生物質、ペプチド抗生物質、シクロスポリン、メトロニダゾール、遊離基生成剤、ヨウ素、クロルヘキシジン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、および治療上有効な濃度でのそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項29記載の発泡性エマルジョン。
【請求項31】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗真菌剤である、ことを特徴とする請求項2,10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項32】
前記の少なくともひとつの活性剤は、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール・グリセオフルビン、シクロピロクス、アモロルフィン、テルビナフィン、アンフォテリシンB、ヨウ化カリウム、フルシトシン(5FC)、およびそれらのいずれかを治療効果のある濃度で組み合せたものからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項31記載の発泡性エマルジョン。
【請求項33】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗ウィルス剤である、ことを特徴とする請求項2,10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項34】
前記の少なくともひとつの活性剤がビダラビン、アシクロビル、、ガンシクロビル、ヌクレオシド類似逆転写酵素抑制剤、AZT(ジドブジン)、ddl(ジダノシン)、ddC(ザルシタビン)d4T(スタブジン)、3TC(ラミブジン、非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤、ネビラピン、デラビルジン、プロテアーゼ抑制剤、プロテアーゼ阻害剤、サキナビル、リトナビル、インディナビル、ネルフィナビル、リバビリン、アマンタジン、リマンタジンおよびインターフェロンからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項33記載の発泡性エマルジョン。
【請求項35】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗炎症剤である、ことを特徴とする請求項10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項36】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗アレルギー剤である、ことを特徴とする請求項10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項37】
前記の少なくともひとつの活性剤がコルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症薬、抗ヒスタミン剤、免疫賦活剤、免疫抑制剤およびそれらのいずれかを治療効果のある濃度で組み合わせたものからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項35および36記載の発泡性エマルジョン。
【請求項38】
前記抗炎症薬がプロプリオン酸クロベタゾール、プロプリオン酸ハロビタゾール、ジプロプリオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、フルオシノロン・アセトニド、ハルシノニド、吉草酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン・アセトニド、ヒドロコルチゾンおよびそれらのいずれかを治療効果のある濃度で組み合わせたものからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項35記載の発泡性エマルジョン。
【請求項39】
前記抗アレルギー剤が非ステロイド系抗炎症薬である、ことを特徴とする請求項35記載の発泡性エマルジョン。
【請求項40】
前記抗炎症剤がオキシカム、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム、サリチル酸、アスピリン、ジサルシド、ベノリレート、トリリセート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサル、フェンドサル、 ジシオフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナク、ケトロラク、フェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、プロピオン酸誘導体、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェニク、ピラゾール、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾンおよびトリメタゾンからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項39記載の発泡性エマルジョン。
【請求項41】
前記抗アレルギー剤がジフェンヒドラミン、ドクセピン、マレイン酸フリラミン、クロルフェニラミンおよびトリペレナミン、フェノチアジン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ジメチンデンおよびそれらの治療上有効な濃度での組み合わせからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項36記載の発泡性エマルジョン。
【請求項42】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗癌剤である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項43】
前記の活性剤が光線力学治療薬である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項44】
前記の少なくともひとつの活性剤が局所麻酔薬である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項45】
前記局所麻酔薬がベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メプルバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシおよびフェノールからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項44記載の発泡性エマルジョン。
【請求項46】
前記活性剤がレチノイドである、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項47】
前記レチノイドがレチノール、レチナール、すべてのトランス・レチノイン酸、エトレチネート、アクチレチンイソトレチノイン、アダプレネおよびタザロテンからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項46記載の発泡性エマルジョン。
【請求項48】
前記の少なくともひとつの活性剤がしわ取り剤である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項49】
前記の少なくともひとつの活性剤がアスコルビン酸およびアスコルビン酸塩、脂肪酸アスコルビンエステル、アスコルビン酸フォスフェイト・マグネシウム、アスコルビン酸フォスフェイト・ナトリウム、アスコルビン酸ソルベート、トコフェロール、トコフェロール・ソルベート、酢酸トコフェロール、その他のトコフェロール・エステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびそれらの塩、6-ヒドロキシ-2、5、7、8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸、没食子酸および没食子酸アルキルエステル、没食子酸プロピル、尿酸、尿酸塩および尿酸アルキルエステル、ソルビン酸およびソルビン酸塩、リポ酸、N-N-ジエチルヒドロキシアミン、アミノ・グアニジン、スルフヒドリル化合物、グルタチオン、ジヒドロキシ・フマル酸およびジヒドロキシ・フマル酸塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアヤレト酸、バイオフラボノイド、クルクミン、リジン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシド・ジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ぶどう皮・種子抽出物、メラニンおよびローズマリー抽出物からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項2,10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項50】
前記の少なくともひとつの活性剤がセルフタンニング剤である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項51】
前記の少なくともひとつの活性剤が抗アクネ剤である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項52】
前記の少なくともひとつの活性剤がレゾルシノール、硫黄、サリチル酸、サリチル酸塩、過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、イソレチノイン酸、アダパレネ、タザロテン、アゼライン酸、アゼライン酸誘導体、抗生物質製剤、エリスロマイシン、クリンダマイシン、亜鉛塩および複合体からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項51記載の発泡性エマルジョン。
【請求項53】
前記の少なくともひとつの活性剤が肌美白剤である、ことを特徴とする請求項2、10および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項54】
前記の少なくともひとつの活性剤が経皮投与用である、ことを特徴とする請求項2および13記載の発泡性エマルジョン。
【請求項55】
さらに発泡補薬からなる、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項56】
発泡性エマルジョンの使用後に、およそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つアルコール非含有泡が得られる、ことを特徴とする請求項1および10記載の発泡性エマルジョン。
【請求項57】
下記成分からなる発泡剤であって、アルコール非含有であること、またおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つことを特徴とする発泡剤:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)およそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iii)活性剤の共融混合物、および
(iv)水。
【請求項58】
下記成分からなる発泡剤であって、アルコール非含有であること、またおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つことを特徴とする発泡剤:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)およそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iii)およそ10-40重量%を占める尿素、および
(iv)水。
【請求項59】
下記成分からなる発泡剤であって、アルコール非含有であること、またおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つことを特徴とする発泡剤:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)およそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iii)およそ10-30重量%を占めるヒドロキシ酸、および
(iv)水。
【請求項60】
下記成分からなる発泡剤であって、アルコール非含有であること、またおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つことを特徴とする発泡剤:
(i)成分のおよそ5-50重量%を占める非揮発性の疎水性溶媒液、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(iii)両親媒性共重合体からなるおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iv)尿素、ヒドロキシ酸、活性剤の共融混合物、および治療促進剤のひとつまたはそれ以上からなる群から選択される活性成分。
【請求項61】
皮膚、粘膜、耳道、膣、直腸および陰茎尿道の疾患からなる群から選択される異常を措置するための請求項1,10,57,58,59,60記載の発泡剤の使用。
【請求項62】
接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、手足の慢性皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、慢性単純性苔癬、オムツかぶれなどの皮膚炎、 蜂巣炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、壊死性皮膚感染、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、毛嚢炎、せつ腫、汗腺膿瘍、カルブンケル、ひょうそ、紅色陰癬などの細菌感染症、皮膚糸状菌感染症、イースト菌感染症などの真菌感染症; 疥癬、シラミ寄生症、皮膚爬行症など寄生虫感染症、ウイルス感染症、にきび、しゅさ、口囲皮膚炎、多毛症、多毛、男性型禿頭症、円形脱毛症、全身性脱毛症、完全脱毛症、偽性毛嚢炎、角質嚢腫など毛包および脂腺の疾患、 乾癬、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、毛孔性紅色粃糠疹など落屑性丘疹; ほくろ、形成異常母斑、軟性繊維腫、脂肪腫、血管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚繊維腫、角化棘細胞腫、ケロイドなど良性腫瘍; 基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、乳頭パジェット病、カポジ肉腫など悪性腫瘍、サン・バーン、光過敏性など日光に対する反応、天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、線状免疫グロブリンA疾患など水泡性疾患、白斑、色素欠乏症、炎症後の低色素沈着、肝斑、薬剤性高色素沈着、炎症後の高色素沈着、魚麟癬、毛孔性角化症、タコおよび魚の目、光線角化症など角化疾患、床ずれ、発汗障害; 多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫、活性物質の局所・経皮投与に反応を示す非皮膚性疾患、限局痛、関節痛、筋肉痛、腰痛、リウマチ痛、関節炎、骨関節炎、急性軟組織損傷およびスポーツ損傷、ホルモン補充療法などのホルモン療法や経皮的ニコチン投与に反応を示す疾患、月経前症候群(PMS)、中間痛、月経困難症、子宮内膜症、子宮外妊娠、卵巣嚢胞および塊、急性骨盤感染症、骨盤うっ血症候群、外陰の疼痛など骨盤痛; 細菌性膣炎、カンジタ膣炎、トリコモナス膣炎、単純ヘルペス陰部疣および潰瘍、骨盤感染症(PID)、子宮頚管炎、急性・慢性卵管炎など外陰膣感染症、 子宮内膜症、 子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、外陰癌、膣癌、卵管癌、妊娠性絨毛性疾患など婦人科新生物、 良性腫瘍、 性感染症; 性的喚起障害、女性オルガスム障害、性交疼痛症、膣痙などの薬理療法が有効な性機能障害、肛門膿瘍・痔瘻、肛門癌、肛門疣、クローン病、痔核、肛門および肛門周囲掻痒、痛みおよび表皮剥離、肛門周囲鷭口瘡、裂肛、便失禁、便秘、大腸ポリープおよび直腸ポリープ、性感染症および非性感染症の膣および外性器感染病の群から選択される疾患の処理に対する請求項1,10,57,58,59および60記載の発泡性エマルジョンの使用。
【請求項63】
下記発泡成分からなり、アルコール非含有かつおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つ該発泡成分を治療の必要な皮膚病的または粘膜的疾患を有する表面に塗布することを特徴とする、皮膚病的または粘膜的疾患を処理、軽減または防止する方法:
(i)成分のおよそ5-50重量%を占める非揮発性の疎水性溶媒液、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(iii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、
(iv)尿素、ヒドロキシ酸、活性剤の共融混合物、および治療促進剤からなる群から選択される活性成分、
(Vii)全成分のおよそ3-18重量%の濃度での液化ガス噴射剤。
【請求項64】
下記発泡成分からなり、アルコール非含有かつおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つ該発泡成分を治療の必要な皮膚病的または粘膜的疾患を有する表面に塗布することを特徴とする、皮膚病的または粘膜的疾患を処理、軽減または防止する方法:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、および
(iii)活性剤の共融混合物。
【請求項65】
下記発泡成分からなり、アルコール非含有かつおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つ該発泡成分を治療の必要な皮膚病的または粘膜的疾患を有する表面に塗布することを特徴とする、皮膚病的または粘膜的疾患を処理、軽減または防止する方法:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、および
(iii)およそ10-40%を占める尿素。
【請求項66】
下記発泡成分からなり、アルコール非含有かつおよそ0.01 g/mL からおよそ0.1 g/mLまでの比重を持つ該発泡成分を治療の必要な皮膚病的または粘膜的疾患を有する表面に塗布することを特徴とする、皮膚病的または粘膜的疾患を処理、軽減または防止する方法:
(i)成分のおよそ0.1-5重量%を占める界面活性剤、
(ii)成分のおよそ0.1-5重量%を占めるゲル化剤、および
(iii)およそ1-30%を占めるヒドロキシ酸。
【請求項67】
前記ゲル化剤が両親媒性共重合体からなる、ことを特徴とする請求項63,64,65,66記載の方法。
【請求項68】
前記活性成分がおよそ1%-50%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項69】
前記活性成分がおよそ10%-20%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記活性成分がおよそ20%-50%の尿素からなる、ことを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項71】
前記活性成分がおよそ1%-30%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項72】
前記活性成分がおよそ1%-10%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記活性成分がおよそ10%-30%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項71記載の方法。
【請求項74】
前記活性成分がおよそ1%-50%の尿素およびおよそ1%-30%のヒドロキシ酸からなる、ことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項75】
前記活性成分がおよそ1%-10%の治療促進剤からなる、ことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項76】
前記活性成分がおよそ10%-30%の治療促進剤からなる、ことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項77】
前記活性成分がプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、オリゴ糖類、ジメチルイソソルバイド、エトキシ化グリセリドのエチレンオキシド単位8−10を有するモノオレエート、ポリエチレングリコール200−600、トランスクトール、グリコフロールおよびシクロデキストリン化合物からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項75および76記載の方法。
【請求項78】
さらに少なくともひとつの活性剤の治療的に有効な濃度からなる、ことを特徴とする請求項63,64,65,66,67,68,71,75,76,77記載の方法。
【請求項79】
界面活性剤と疎水性溶媒との比率がおよそ1:8 - 1:16である、ことを特徴とする請求項63,64,65,66,67記載の方法。
【請求項80】
界面活性剤と疎水性溶媒との比率がおよそ1:16 - 1:32である、ことを特徴とする請求項63,64,65,66,67記載の方法。

【公表番号】特表2007−503428(P2007−503428A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524466(P2006−524466)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002965
【国際公開番号】WO2005/018530
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506038039)フォーミックス エルティーディー. (7)
【Fターム(参考)】