説明

消臭材

【構成】 排水口1に目皿2が被せられ、目皿2から下方に垂設されたフック3に袋状のステンレスメッシュ4が掛止され、このメッシュ4内に菌担持担体5が収容されている。この菌はバチルスサブチルスである。
【効果】 排水口内で発生する臭気が菌の作用により除去されるため、トイレの臭さが低減される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は男子便器の排水口内に設置される消臭材に関する。
【0002】
【従来の技術】男子便器から発生する臭気を少なくするために、男子便器の目皿上に固形の消臭材を置くことが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】男子便器においては、排水口内からも臭気が発生することが多い。特に、排水口内に尿石が析出すると、強い臭気が発生する。この尿石の析出は、一般人は気が付かないことが多く、トイレ臭気がなかなかとれない原因となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の消臭材は、男子便器の排水口内に設置される消臭材であって、菌保持用の担体と、該担体に担持された消臭機能を発揮する菌とからなることを特徴とするものである。
【0005】かかる本発明によると、排水口内で発生する臭気が菌の作用により除去されるため、トイレの臭さが低減される。
【0006】なお、本発明の消臭材は、長期にわたって使用していると担体に尿石が析出することがあるが、この析出量が過度に多くなった場合には、排水口から取り出して新しい消臭材と交換すれば良い。
【0007】本発明では、担体としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭などの粒状体が好適である。
【0008】この担体に担持させる消臭機能を発揮する菌としては、チオバチルス属であって硫化物を酸化する菌、バチルス属、ストレプトコッカス属の菌などが好適であり、具体的にはThiobacillus thiooxidans,Thiobacillus thioparus,Bacillus subtillis,Bacillus coagulans,Lactobacillus casei,Lactobacillus plantarum,Lactobacillus acidophilus,Streptococcus faecalisなどが挙げられる。
【0009】このような菌を担体に担持させるには、例えば、これらの菌を活性炭などのポーラスな担体と混合したり、担体と共に培養し、その後分離乾燥する、あるいは、凍結乾燥する、などにより行なえば良い。
【0010】菌の担持量としては、担体に対し菌が106 〜108 コ程度が好適である。
【0011】本発明の消臭材は、このような菌担持担体を袋状のネット又はメッシュ、孔あき容器などに収容したものが好適であり、このようにすることにより、消臭材の排水口内への出し入れが容易となる。
【0012】このようなネット、メッシュ、孔あき容器などを目皿から吊すようにしても良い。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して実施例について説明する。第1図は実施例に係る消臭材を設置した男子便器の排水口部分の断面図である。
【0014】この排水口1に目皿2が被せられ、目皿2から下方に垂設されたフック3に袋状のステンレスメッシュ(目開き0.5mm)4が掛止され、このメッシュ4内に菌担持担体5が収容されている。
【0015】この菌担持担体5は、粒径が1.0〜3.0mmのゼオライトの表面に、バチルスサブチルスを担持させたものである。
【0016】この担持方法は、培養後、菌体を遠心分離により得た後、担体と共に混合乾燥した。また、菌の担持量は、ゼオライトに対し菌107 コの割合とした。
【0017】この男子便器は、1時間当り平均20人が使用するものであり、80gの担体を有した消臭材を7日間設置したところ、その間、臭気は著しく少なくなった。
【0018】
【発明の効果】以上の通り、本発明の消臭材によると、男子便器の排水口からの臭気発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る消臭材の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 排水口
2 目皿
4 メッシュ
5 菌担持担体

【特許請求の範囲】
【請求項1】 男子便器の排水口内に設置される消臭材であって、菌保持用の担体と、該担体に担持された消臭機能を発揮する菌とからなることを特徴とする消臭材。

【図1】
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