説明

消費媒体連動広告方法

【課題】新聞やチラシ、雑誌など広く配布される個々の消費媒体の保存期間の長期化を図り、これにより消費媒体に掲載等された広告の効果を高める。
【解決手段】新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する配布段階と、配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う告知段階と、需要者が前記識別記号を、消費媒体の発行者の管理サーバに送信して登録し懸賞に応募する応募段階と、当選記号が広く一般に発表されるとともに、管理サーバが登録された識別記号と発表された当選記号とを比較して当落を確認する発表確認段階と、管理サーバが需要者に当落の結果を連絡する連絡段階と、当選の連絡を受けた需要者がその旨を広告主に報告する報告段階と、広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する手配段階と、からなる消費媒体連動広告方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞やチラシ、雑誌など広く配布される個々の消費媒体の保存期間の長期化を図り、これにより消費媒体に掲載等された広告の効果を高めるための消費媒体連動広告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに代表される様々な新しい広告媒体の出現などに伴い、新聞やチラシ、雑誌等の紙媒体等による広告には、いかにして新たな広告媒体や他紙等との差別化を図り、需要者に対する訴求力を高めるかが大きな課題となっている。
【0003】
紙媒体による広告の特徴としては、インターネット広告や放送広告などの一時的なものと異なり、広告を印刷した紙が手元に残るといった保存性がある。しかしながら新聞等の紙媒体は消費媒体といわれるように、一般にその保存期間が短く、また、ある程度の期間保存されていたとしても読み返されることはほとんどないのが実情であった。そのため消費媒体に掲載又は添付された広告の効果も必然的に短命となっており、広告的効果を十分に維持することが極めて困難であった。
【0004】
紙媒体の広告に関心を持たせて広告効果を高めるようにした発明としては、例えば特許文献1の「広告方法」などが発案されている。この発明は、新聞や雑誌に掲載される広告欄に抽選補助番号を表示し、この抽選補助番号と複数桁の数字とを組合せることにより抽選番号として、抽選番号のうちの当選番号をインターネットを用いて確認できるようにしたものである。
【特許文献1】特開特開2002−91363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこの発明は、個々の広告欄に抽選補助番号を掲載するものであり、従来からある懸賞付広告とほとんど変わることがなく、消費者への訴求力も大きなものではなかった。
なおこれまで、新聞社や出版社等の発行者自身がその紙媒体の差別化を図り、広告主に懸賞募集の機会を与え、また、需要者の趣向を集計しこれを広告主に還元するサービスは存在しなかった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するために発案されたものであり、消費媒体に付加価値を付与することで新たな媒体や他紙との差別化を図るものである。すなわち本発明は、新聞社や出版社等の発行者自身が新たな方法によって広告主に懸賞募集の機会を与えることで、需要者に対する訴求力を高め、従来その保存期間が短かった消費媒体の保存期間の長期化を図り、これによりその広告効果を高めることを可能とした消費媒体連動広告方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する配布段階と、配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う告知段階と、当選記号が後日配布される別の消費媒体上に発表されるとともに、消費媒体に付された識別記号と発表された当選記号とが比較されてその当落が確認される発表確認段階と、当選した需要者がその旨を広告主に報告する報告段階と、広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する手配段階と、を含む、ことを特徴とする消費媒体連動広告方法を提供する。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する配布段階と、配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う告知段階と、需要者が前記識別記号を、消費媒体の発行者の管理サーバに送信して登録し懸賞に応募する応募段階と、当選記号が広く一般に発表されるとともに、管理サーバが登録された識別記号と発表された当選記号とを比較してその当落を確認する発表確認段階と、管理サーバが需要者に当落の結果を連絡する連絡段階と、当選の連絡を受けた需要者がその旨を広告主に報告する報告段階と、広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する手配段階と、を含む、ことを特徴とする消費媒体連動広告方法を提供する。
【0009】
ここで請求項3に記載したように、前記識別記号には消費媒体の配布地域を特定するための地域記号が含まれており、前記発表確認段階での当選記号の選出は、広告が掲載・配布された地域の地域記号を含む識別記号の中から行われる、ようにしてもよい。
【0010】
また請求項4に記載したように、広告上には該広告を特定するための広告コードが記載されており、前記応募段階では、懸賞に応募しようとする広告に記載された広告コードの登録も併せて行われる、ようにしてもよい。
【0011】
一方、請求項5に記載したように、前記広告コードには広告が掲載・配布された地域を特定するための地域記号が含まれており、前記発表確認段階での当選記号の選出は、広告が掲載・配布された地域の地域記号を含む広告コードを登録した需要者の中から行われる、ようにしてもよい。
【0012】
なお請求項6に記載したように、前記識別記号はカメラ付き携帯電話等の情報端末で読み取り可能な二次元コードを備えており、前記応募段階では読み取った二次元コードにより管理サーバにアクセスすることで自動的に識別記号の登録が行われる、ことも好ましい。
【0013】
また請求項7に記載したように、前記管理サーバには需要者のメールアドレスが登録されており、需要者が過去に応募した懸賞の履歴からその懸賞と同一又は類似の懸賞が告知された場合に、当該需要者にその旨を電子メールで通知する通知段階を含む、ことも好ましい。
【0014】
また請求項8に記載したように、懸賞の当選者が存在しない場合又は当選した需要者がその旨を広告主に報告してこない場合に、所定の期間を経過後に再抽選を行う再抽選段階を含む、ことも好ましい。
【0015】
さらに請求項9に記載したように、前記管理サーバは、種々の懸賞への需要者の応募動向を調査する、こととすることも好ましい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、配布された消費媒体に付された個別の識別記号を抽選記号とした懸賞の募集告知を広告上で行い、後日当選記号の発表を別の消費媒体上で行うことで、需要者(応募者)に少なくとも懸賞の募集告知から当選発表までの期間は当初の消費媒体を所持させることができ、また、懸賞告知時や当選発表時に応募者が懸賞が告知された広告を読むことが期待できる。これにより広告に対する意識付けも向上し、結果としてその広告効果を高めることができる。
なおこの広告方法は、新聞社や出版社等の発行者自身が消費媒体に付した識別記号を懸賞募集のための手段として広告主に提供してその広告効果を高めるものであり、また発行者は消費媒体に付加価値を付与することによって、新たな媒体や他紙との差別化を図ることができるものである。
【0017】
また請求項2に記載の発明では、需要者が識別記号を管理サーバに登録することで懸賞に応募し、登録された識別記号が当選(および落選)した場合に、その旨を当選者(および落選者)に連絡することで請求項1と同様の効果が達成される。
なお識別記号の管理サーバへの登録によって、当選記号が発表された際に需要者自身が当選記号の確認をする必要はなくなるが、当落の連絡を受けることで需要者は広告を思い出すこととなり、結果として広告に対する意識付けが向上する。また管理サーバに識別記号を登録することで、例えば複数の懸賞告知が消費媒体で行われた場合にも、需要者は一の登録手続きによって複数の懸賞に応募することも可能となる。
【0018】
ここで請求項3に記載の発明のように、消費媒体の配布地域を特定するための地域記号を含んだ識別記号をもとに抽選を行うことで、消費媒体が配布された地域の中の特定の地域の需要者から当選者を選出することができ、いわゆる地域限定(スポット)型の広告についても本発明を有効に活用することができるようになる。
【0019】
また請求項4に記載の発明のように、広告上に広告コードを記載し、この広告コードを伴った応募を需要者にさせることで、消費媒体で複数の懸賞告知が行われる場合にも、懸賞を特定してその応募ができるようなる。なお応募された懸賞(商品)が特定されれば、後述する需要者の趣向調査も可能となる。
【0020】
一方、請求項5に記載の発明のように、広告が掲載・配布された地域を特定するための地域記号を含んだ広告コードをもとに抽選を行うこととすれば、識別記号に地域記号を含ませた場合と同様に、消費媒体が配布された地域の中の特定の地域の需要者の中から当選者を選出することができる。
【0021】
また請求項6に記載の発明のように、識別記号をQRコード(登録商標)などのようにカメラ付き携帯電話等の情報端末で読み取り可能な二次元コードを備えたものとすれば、需要者が管理サーバに識別記号を登録して懸賞に応募する際の手間を軽減することができる。
【0022】
また請求項7に記載の発明のように、需要者によって過去に応募された懸賞の履歴から、それと同一又は類似の懸賞の告知があった場合にその旨を電子メールで通知してやることとすれば、需要者は興味ある懸賞を見落としにくくなり、広告主は需要者に広告を読む機会を積極的に与えることができる。
【0023】
また請求項8に記載の発明のように、当選した需要者が名乗りを挙げない場合などには、所定の期間を経過後に再抽選を行うものとすれば、需要者による消費媒体の保存期間をさらに延長して広告を読み返す機会も増加させることができる。なお再抽選が行われることとなった場合には、その旨を電子メール等の手段によって最初の抽選に落選した需要者に告知してやるものとする。
【0024】
さらに請求項9に記載の発明のように、広告コードを伴った懸賞応募から管理サーバが需要者の応募動向を調査することで、需要者の趣向を示すデータを収集できるため、広告主等にその情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、消費媒体に付加価値を付与することで新たな媒体や他紙との差別化を図ることを目的としたものであり、新聞社や出版社等の発行者自身が新たな方法によって広告主に懸賞募集の機会を与えるとともに、消費媒体の保存期間の長期化を図ることで需要者に対する訴求力を高め、これによりその広告効果を高めることを可能とするものである。
【0026】
そのため本発明の消費媒体連動広告方法は、主として次の段階を実施する。
[配布段階]
新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する段階。
[告知段階]
配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う段階。
[発表確認段階]
当選記号が後日配布される消費媒体上に発表されるとともに、識別記号と発表された当選記号とを比較して当落を確認する段階。
[報告段階]
当選した需要者がその旨を広告主に報告する段階。
[手配段階]
広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する段階。
【0027】
ここで新聞等の消費媒体に付される個別の識別記号は、数字・文字・記号・コード等からなり、ランダムに生成された抽選のための抽選記号部分と、消費媒体の配布地域を特定するための地域記号部分および消費媒体の配布日を特定するための日付記号部分とを有している。またこの識別記号の横には、カメラ付き携帯電話などの手段で読み取ることで、管理センタの管理サーバにアクセスし、識別記号を管理サーバに自動的に登録することが可能なQRコード(登録商標)などの二次元コードが付記されている。なお地域記号や日付記号を識別記号に含ませる代わりに、後述する広告コードに含ませることも可能である。
【0028】
本発明の消費媒体連動広告方法は、消費媒体に付された個別の識別記号を抽選記号として抽選を行うものであり、その当落の確認は需要者が自発的に行うことも勿論可能であるが、以下に説明する実施例では、需要者が消費媒体に付された識別記号を管理サーバに登録することで、当落の確認を自動的に行わせるものとする。
そのため上記の告知段階と発表確認段階の間には、需要者が前記識別記号を、消費媒体の発行者の管理サーバに登録して懸賞に応募する[応募段階]が、また、発表確認段階と報告段階との間には管理サーバが需要者に当落の結果を連絡する[連絡段階]が含まれている。
【0029】
以下、上述した各段階を実施するための具体的なシステム構成についてまず説明し、その後に本発明の消費媒体連動広告方法好ましい実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の消費媒体連動広告方法に利用される懸賞システム10の全体構成図である。
この懸賞システム10は、新聞、雑誌等の消費媒体1に付された個別の識別記号Nを利用して懸賞付広告の実施を効果的に行うためのものであり、懸賞情報Aの登録、需要者情報Bの登録、応募情報Cの登録、当選者の確認(選出)・連絡等の処理等を行う管理センタ2の管理サーバ4(情報処理装置)と、情報通信網6を介して管理サーバに接続する需要者5の保有する情報端末8(携帯電話、PDA、パソコン、双方向通信TVなど)と、インターネットなどの情報通信網を介して管理サーバ4と接続された広告主12のコンピュータ11とから構成されている。
【0031】
需要者5の情報端末8と管理センタ2の管理サーバ4との間では、携帯電話通信等の独自のプロトコルでデータの授受が行われ、広告主12のコンピュータ11と管理サーバ4との間では、インターネットプロトコル(TCP/IP)でのデータ授受が行われる。
【0032】
需要者5の保有する情報端末8は、電子メールの送受信機能および所望のURLを入力することでそのホームページにアクセスできるホームページ閲覧機能を有している。
ここで消費媒体1に付された識別記号NがQRコード(登録商標)などの二次元コードを伴う場合には、カメラ付き携帯電話やコードリーダなどの二次元コードを読み取り可能な機能を備えているものを用いることが好ましい。カメラ付き携帯電話等の手段により二次元コードを読み取ってやれば、後述する懸賞の応募の際に必要となる管理サーバ4への識別記号Nの登録手続が簡素化され、需要者5の労力を軽減することができる。
【0033】
広告主12のコンピュータ11は、新聞等の消費媒体1自体に掲載される広告又は消費媒体に添付して配布される広告に関する懸賞情報Aを管理サーバ4に登録等するためのものである。ここで懸賞情報Aには、広告コード、広告主、広告の掲載・配布日(懸賞募集の告知日)、懸賞の品名および予め分類されたその品目コード、当選記号の発表日、当選者の選出のための条件(消費媒体の配布地域、性別、年齢層、居住地域/全地域とすることも可能など)が含まれる。
そのためコンピュータ11には、懸賞情報A等の入力を行うための入力部、入力されたデータの処理を行う入力処理部、出力装置に出力するための制御処理を行う出力制御部、入力データを管理センタ2の管理サーバ4に送信するための送受信部等を備えている。
【0034】
図2は管理サーバ4の構成を示したブロック図である。管理センタ2は懸賞に応募する需要者5の会員登録や電子メール送信等を実行するための各種アプリケーション・プログラムを提供するアプリケーション・サービス・プロバイダである。管理センタ2の管理サーバ4は、web/メールサーバ23とデータベースサーバ25とから構成されている。
【0035】
web/メールサーバ23は、要求されたURL(Uniform Resource Locator)の表示送信、需要者情報Bの登録の受け付け、懸賞情報Aの登録の受け付け、応募情報Cの登録、当選記号の登録の受け付け、電子メールの送信及び受信を行う受送信部23aと、送受信部や後述のデータベースサーバ25との間で信号のやり取りを行いその処理を行う第1演算部23bを有している。
【0036】
データベースサーバ25は、web/メールサーバ23の第1演算部23bからの要求信号に対して必要な情報の検索や抽出等を行う第2演算部25aと、各種情報を格納するDB記憶部25bを有している。
DB記憶部25bには、需要者情報データベース14、懸賞情報データベース16、応募情報データベース18が備えられている。
需要者情報データベース14には、需要者5の氏名、住所、性別、年齢、電子メールアドレスや応募した懸賞の履歴などの情報が記録される。
懸賞情報データベース16には、広告を識別するための広告コードの下に、懸賞募集の告知日、懸賞の商品名および商品コード、当選記号の発表日、広告主名などの情報が記録される。
応募情報データベース18には、応募された識別記号N、需要者情報データベース14に記録された情報から応募してきた需要者5を識別するための情報、懸賞情報データベース16に記録された情報から応募された懸賞を特定するための情報が記録される。
【0037】
第2演算部25aは、第1演算部23bからの指令に対して、需要者情報Bの登録・更新等を行う需要者情報処理プログラム、懸賞情報Aの登録等を行う懸賞情報処理プログラム、懸賞ごとに応募された識別記号Nのなかから所定の条件の下で当選者の選出を行うとともに需要者5による応募の履歴等を管理・集計・処理する応募情報処理プログラムを実行する。
【0038】
次にこの懸賞システム10を用いた消費媒体連動広告方法について、図面を用いて説明する。
図3は管理センタ2、需要者5、広告主12の三者間の情報の授受を表したフローである。
【0039】
[需要者情報登録段階(S1)]
この段階は需要者5が懸賞の応募を行うための準備段階であり、懸賞への応募を希望する需要者が、事前に自己の保有する情報端末8(携帯電話)を用いて管理サーバ4に会員登録をする段階である。
懸賞に応募しようとする需要者5は、まず自己の携帯電話8を用いて管理サーバ4が会員登録用に用意した電子メールアドレスに宛てて空電子メール(内容が空欄の電子メール)を送信する。
web/メールサーバ23は送受信部によりその空電子メールを受信し、その情報を第1演算部23bに送る。第1演算部23bは、その空電子メールのあて先から会員登録を希望する需要者5から送信された電子メールであることを判別し、会員登録を行うためのホームページへのリンク先(URL)をハイパーテキスト形式で含めた登録電子メールを、送受信部から需要者の携帯電話8に返信する。なお需要者5の携帯電話8の電子メールアドレスは、需要者情報処理プログラムにより需要者情報データベース14に登録され、全ての需要者情報Bはその電子メールアドレスを基にして管理される。
電子メールを受け取った需要者5は、登録電子メール内に表示されたリンク先をクリックして管理サーバ4にアクセスする。このように空電子メールへの返信に会員登録のためのURLを含めることで、面倒な入力作業を省力化することができる。
管理サーバ4のweb/メールサーバ23は、需要者5の携帯電話8に会員登録画面のページデータを送信し、需要者は携帯電話に表示された案内に従って利用規約に同意し、氏名、住所、性別等の所定事項を入力する。これらは需要者情報Bとなり、需要者情報処理プログラムにより需要者情報データベース14に登録される。
最後に会員登録が完了した旨の確認の電子メールが、管理サーバ4から登録された電子メールアドレスに送信される。この電子メールには懸賞応募用のホームページのURLがハイパーリンク形式で記載されている。このようにして管理サーバ4への会員登録処理が完了する。
なお後述する応募段階で、電子メールアドレスなどの連絡先をその都度登録することとすれば、この段階は省略することが可能である。
【0040】
[配布段階(S2)]
この段階は新聞社や出版社等の発行者が消費媒体1に個別の識別記号Nを付して配布する段階である。
識別記号Nは例えば新聞の第一面の上部の余白部分や雑誌の表紙などに付され、その近傍にはQRコード(登録商標)と管理サーバ4の懸賞応募用のホームページのURLが記載されている。この識別記号Nには新聞等の消費媒体1の配布地域を特定するための地域記号および消費媒体の配布日を特定するための日付記号が含まれており、その他の部分は乱数などの抽選記号から構成されているのは上述した通りである。
【0041】
[告知段階(S3)]
この段階は配布された消費媒体1の広告上で懸賞の告知を行うとともに、懸賞情報Aを管理サーバ4に登録する段階である。
この告知には、懸賞(商品)、消費媒体1に付された識別記号Nが抽選記号となる旨、当選記号の発表日等の情報が記載される。
また広告主12は、自己の所有するコンピュータ11から情報通信網6を介して管理サーバ4にアクセスし、懸賞情報Aの入力用に用意されたホームページに懸賞情報の入力を行い、懸賞情報処理プログラムがこれを処理することで懸賞情報データベース16に懸賞情報Aの登録を行う。なお広告主は登録に際して、当選者の選出のための一定の条件(地域コードの一致や性別の一致など)を課すことができ、その条件も同時に登録される。
【0042】
[応募段階(S4)]
この段階は需要者5が携帯電話などの情報端末8を用いて消費媒体1に付された識別記号Nを管理サーバ4に登録して懸賞に応募する段階である。
消費媒体1を入手した需要者5が、その広告で告知された懸賞に応募しようとする場合には、需要者情報Bの登録の際に返信されてきた電子メールに記載されたURL(消費媒体に記載されているURLも同様)から管理サーバ4にアクセスし、表示された応募情報Cの登録画面に、消費媒体1に記載された識別記号Nと応募者を特定するための情報(例えばメールアドレス)を入力する(携帯電話の個体通知機能により省略も可)。なおQRコード(登録商標)を用いて管理サーバ4にアクセスする場合には、識別記号Nの内容は自動的に入力されるため、需要者自身がその入力を行う必要はない。
これらの情報は応募情報処理プログラムによって処理されて懸賞ごとに応募情報データベース18に記録される。
広告に広告コードが記載されている場合には、それも登録画面から入力されて登録される。その消費媒体1で告知される懸賞が1つだけの場合には、広告コードの入力は不要である。応募情報処理プログラムは入力された広告コードから応募された懸賞を特定し、懸賞ごとに応募情報を応募情報データベース18に記録する。
なお上記需要者情報登録段階を省略した場合には、懸賞に応募する需要者5は、QRコード(登録商標)などを用いて応募情報の登録画面を開くとともに識別記号N(および広告コード)ならびに連絡先の情報(電子メールアドレス)などを応募情報データベース18に登録する。
【0043】
[発表確認段階(S5)]
この段階は当選記号が後日配布される消費媒体1上に発表されるとともに、管理サーバ4が登録された識別記号Nと発表された当選記号とを比較して当落を確認する段階である。なお本実施例の本段階は実質的には、管理サーバ4が当選記号を選出した後に、その当選記号が消費媒体上に発表されるものである。
当選記号の選出は、まず管理サーバ4が応募情報処理プログラムを実行することによって応募情報データベース18から広告コードを基にその懸賞への応募者を抽出し、その中から広告主12が指定した当選者の選出のための条件(居住地域、性別、年齢層等)を満たす応募者を抽出する。そしてさらにその中から任意に当選者を選出することで、その当選者が応募した識別記号Nを当選記号とする。
なお当選者を先に選出しその識別記号Nから当選記号を決定するのではなく、当選記号を一定の条件(地域コードの一致)下で任意に選出することも可能であるが、その場合には、管理サーバ4はこの当選記号(仮)と応募情報データベース18に登録された識別記号Nとを比較して、当選記号(仮)と一致する識別記号Nがないかを確認する。一致する識別記号Nが見つかった場合にはそれを真の当選記号とし、一致する識別記号Nが見つからなかった場合には再度当選記号(仮)を選出してこれと一致する識別記号Nがないかを確認する。この処理を当選記号(仮)と登録された識別記号Nとが一致するまで行うことで真の当選記号が選出される。
【0044】
[連絡段階(S6)]
この段階は管理サーバ4が需要者5に当落の結果を連絡する段階である。
管理サーバ4は応募情報処理プログラムを実行することで、応募情報データベース18に登録された連絡先(電子メールアドレス)に宛てて、需要者5が応募した懸賞の当落の結果を連絡する。なおこの連絡は当選者のみに行うこととしてやってもよい。当選者への連絡には広告主12の連絡先(電話番号等)が記載され、またその連絡の期限(当選の有効期限)なども記載されている。
【0045】
[報告段階(S7)]
この段階は当選の連絡を受けた需要者5がその旨を広告主12に報告する段階である。
当選した需要者5は当選結果の通知に記載された広告主12の連絡先に、電子メールや電話などの手段によってその旨を連絡する。
【0046】
[手配段階(S8)]
この段階は広告主12が当選者及び当選記号が付された消費媒体1の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する段階である。
報告を受けた広告主12は、当選者の氏名、住所等を確認し、また当選者に当選記号が付された消費媒体1を広告主まで発送するように依頼する。懸賞(商品)は当選者が発送した消費媒体1が広告主12に到着した後に発送される。なお懸賞が小額商品などである場合には、消費媒体の発送を省略してやってもよい。
【0047】
以上に説明した本実施例の消費媒体連動広告方法によれば、懸賞に応募する需要者は、少なくとも懸賞の募集告知から当選発表までの期間は当初の消費媒体を所持することとなるため、広告に対する意識付けも向上してその広告効果が高まることが期待される。また本発明は、新聞社や出版社等の発行者が懸賞募集のための新たな手段および機会を広告主に提供するものであり、需要者にも消費媒体に新たな懸賞が付加されていることをアピールできるため、これを付加価値として消費媒体の差別化を図ることができる。
【0048】
また需要者が消費媒体に付された個別の識別記号を管理サーバに登録して懸賞に応募することで、応募した懸賞の当選記号が後日発表された際にその当落の結果が直ちに分かるため、需要者が自ら当落の確認をする必要がない一方、当落の連絡により需要者は応募した懸賞付広告を思い出すこととなり、広告に対する意識付けも向上する。
【0049】
また広告上に広告コードを記載し、懸賞への応募の際にその入力を需要者に要求することで、同一の消費媒体上で複数の懸賞の告知が行われる場合にも、懸賞を特定した応募が可能となる。
【0050】
さらに識別記号(または広告コード)に消費媒体の配布地域を特定するための地域記号を含ませることで、特定の配布地域から当選者を選出することができ、配布地域が限定された広告についても本発明を活用することができる。また、懸賞への応募の前に予め氏名、住所、性別、年齢等の需要者情報を登録するものとすれば、より条件を限定して当選者を選出することができる。
【0051】
なお識別記号をカメラ付き携帯電話等で読み取り可能なQRコード(登録商標)などの二次元コードとしてやれば、懸賞応募用のホームページのURLの入力やそのホームページへ識別記号を登録するための入力を自動的に行わせることができるため、応募の際の需要者の手間を軽減してやることができる。
【実施例2】
【0052】
図4は実施例2の消費媒体連動広告方法の管理センタ2、需要者5、広告主12の三者間の情報の授受を表したフローであり、実施例1のフロー(手配段階(S8)を除く)に以下の段階を追加するものである。
【0053】
[再抽選段階(S9)]
この段階は、実施例1の報告段階で当選者からの連絡がなかった場合に、改めて当選者を選出して懸賞を手配する段階である。
上述した報告段階で当選者からの連絡が一定期間内になかった場合には懸賞は持ち越され、例えば半年後などの一定の期間経過後に再度の抽選が行なわれて、新たな当選者が選出される。
より具体的には、当選の有効期限を過ぎても当選者からの連絡がない場合には、広告主12は再抽選を行う旨を、以前登録した広告コードにより懸賞を特定するとともに再抽選の日付等を入力することで管理サーバ4の懸賞情報データベース16に登録する。かかる登録が完了すると、管理サーバ4は懸賞情報処理プログラムを実行することによって、応募情報データベース18からその懸賞に応募してきた需要者5を抽出し、その需要者に宛てて当選者が名乗り出なかったため再抽選を何月何日に行う旨の電子メールを送信する。
その後に行われる新たな当選者の再選出や当選者の発表は実施例1の[発表確認段階]と、当選者への報告は実施例1の[報告段階]と、当選者への懸賞(商品)の手配は実施例1の[手配段階]とほぼ同様の手順で行われるため、その説明は省略する。
【0054】
本実施例の消費媒体連動広告方法によれば、需要者が応募した懸賞に一度落選した場合にも、再抽選により当選する可能性もあるため、需要者による消費媒体の保存期間をより長期化する動機付けとなる。
なお、当初の当選者に懸賞が手配された場合であっても、新聞社や出版社等の発行者が落選者の中から任意の需要者を選出し、その者に何らかの商品をプレゼントする段階を付加してもよく、このようなプレゼントによっても消費媒体の保存期間の長期化を図ることが可能となる。
【実施例3】
【0055】
本実施例の消費媒体連動広告方法は実施例1のフローに以下の案内段階を追加するものである。なお本実施例のフロー図は省略する。
【0056】
[案内段階(S10)]
この段階は最初の抽選に落選した需要者5に対し、落選した懸賞と同一又は類似の懸賞の告知があった場合に、管理サーバ4がその旨を電子メールによって連絡してやる段階である。
管理サーバ4は最初の抽選によって懸賞(商品)が当選者に手配された後に、その懸賞と同一又は類似の商品コードを有する懸賞が懸賞情報データベース16に新たに登録されることがないかを懸賞情報処理プログラムを実行することで監視し、当該懸賞が新たに懸賞情報データベースに登録された際には、応募者情報処理プログラムを実行することで、最初の抽選で落選した応募者を応募情報データベース18から抽出し、その需要者5に宛てて以前応募した懸賞と同一又は類似の懸賞が告知された旨の案内の電子メールを送信する。
なお案内の電子メールを受信した需要者5が、その後その懸賞への応募を行う手順などは、実施例1で説明した手順と同様である。
【0057】
本実施例の消費媒体連動広告方法によれば、需要者によって過去に応募された懸賞の履歴を管理し落選した懸賞と同一又は類似の懸賞の告知が合った場合にその旨を電子メールで通知してやることで、需要者は興味ある懸賞を見落としにくくなり、また、広告主は需要者に広告を読む機会を積極的に与えることができる。
【実施例4】
【0058】
本実施例の消費媒体連動広告方法は既述の実施例のフローに以下の案内段階を追加するものである。なお本実施例のフロー図は省略する。
【0059】
[その他の段階]
この段階は管理サーバが、種々の懸賞への需要者5の応募動向を調査する段階である。
【0060】
管理サーバ4は応募情報処理プログラムを実行することによって、需要者情報データベース14および応募情報データベース18に記録された情報から、懸賞(商品)の商品コード毎に、応募者の年齢、性別、住所の情報をまとめる。
【0061】
本実施例の消費媒体連動広告方法によれば、新聞社や出版社等の発行者の管理サーバが需要者の趣向を示すデータを収集し、これを広告主に提供することで、新聞社等が広告主等にマーケティングの資料となる情報を提供することができ、かかるサービスを行っていない他紙等との差別化を図ることができる。
なおこの応募動向の調査には、前記の需要者情報登録段階での会員登録が原則として必要となるが、前記応募段階で年齢や性別等の入力をも求めることとすれば、事前の会員登録がなくとも応募動向の調査が可能となる。
【0062】
なお、本発明の本実施形態の各構成は前述したものに限るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができるのは勿論である。
【0063】
以上に説明した本発明の消費媒体連動広告方法によれば、消費媒体に付加価値を付与することで他紙やインターネット広告等との差別化を図り、すなわち消費媒体の保存期間の長期化を図ることで掲載等される広告の効果も高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は主として新聞や雑誌等の消費媒体に適用する消費媒体連動広告方法を提案するものであるが、これらに限られず例えば、配布されるCD−ROMやDVD−ROMなど保存性のある種々の媒体にも応用して適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に使用される懸賞システムの全体構成を示したイメージ図である。
【図2】本発明に使用される管理サーバの構成を示したブロック図である。
【図3】実施例1の管理センタ、需要者、広告主の三者間の情報の授受を表したフローである。
【図4】実施例2の管理センタ、需要者、広告主の三者間の情報の授受を表したフローである。
【符号の説明】
【0066】
A 懸賞情報
B 需要者情報
C 応募情報
N 識別記号
1 消費媒体
2 管理センタ
4 管理サーバ
5 需要者
6 情報通信網(インターネット)
8 情報端末(携帯電話)
10 懸賞システム
11 コンピュータ
12 広告主
14 需要者情報データベース
16 懸賞情報データベース
18 応募情報データベース
23 web/メールサーバ
23a 受送信部
23b 第1演算部
25 データベースサーバ
25a 第2演算部
25b DB記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する配布段階と、
配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う告知段階と、
当選記号が後日配布される別の消費媒体上に発表されるとともに、消費媒体に付された識別記号と発表された当選記号とが比較されてその当落が確認される発表確認段階と、
当選した需要者がその旨を広告主に報告する報告段階と、
広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する手配段階と、を含む、ことを特徴とする消費媒体連動広告方法。
【請求項2】
新聞、雑誌等の消費媒体に数字・文字・記号・コード等の個別の識別記号を付して配布する配布段階と、
配布された消費媒体の広告上で懸賞の告知を行う告知段階と、
需要者が前記識別記号を、消費媒体の発行者の管理サーバに送信して登録し懸賞に応募する応募段階と、
当選記号が広く一般に発表されるとともに、管理サーバが登録された識別記号と発表された当選記号とを比較してその当落を確認する発表確認段階と、
管理サーバが需要者に当落の結果を連絡する連絡段階と、
当選の連絡を受けた需要者がその旨を広告主に報告する報告段階と、
広告主が当選者および当選記号が付された消費媒体の所持を確認したのちに当選者に懸賞を手配する手配段階と、を含む、ことを特徴とする消費媒体連動広告方法。
【請求項3】
前記識別記号には消費媒体の配布地域を特定するための地域記号が含まれており、
前記発表確認段階での当選記号の選出は、広告が掲載・配布された地域の地域記号を含む識別記号の中から行われる、ことを特徴とする請求項2に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項4】
広告上には該広告を特定するための広告コードが記載されており、
前記応募段階では、懸賞に応募しようとする広告に記載された広告コードの登録も併せて行われる、ことを特徴とする請求項2に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項5】
前記広告コードには広告が掲載・配布された地域を特定するための地域記号が含まれており、
前記発表確認段階での当選記号の選出は、広告が掲載・配布された地域の地域記号を含む広告コードを登録した需要者の中から行われる、ことを特徴とする請求項4に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項6】
前記識別記号はカメラ付き携帯電話等の情報端末で読み取り可能な二次元コードを備えており、
前記応募段階では読み取った二次元コードにより管理サーバにアクセスすることで自動的に識別記号の登録が行われる、ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項7】
前記管理サーバには需要者のメールアドレスが登録されており、需要者が過去に応募した懸賞の履歴からその懸賞と同一又は類似の懸賞が告知された場合に、当該需要者にその旨を電子メールで通知する通知段階を含む、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項8】
懸賞の当選者が存在しない場合又は当選した需要者がその旨を広告主に報告してこない場合に、所定の期間を経過後に再抽選を行う再抽選段階を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消費媒体連動広告方法。
【請求項9】
前記管理サーバは、種々の懸賞への需要者の応募動向を調査する、ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の消費媒体連動広告方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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