説明

消雪用ブロック

【課題】 受入接続部に通水管の一方端部を差し込む作業は凹部に凸部を差し込む作業となって差し込みし易く、それだけ敷設作業性を高めることができる。
【解決手段】 コンクリートブロック1に通水管2を長手方向に内装すると共に通水管に連通して複数個の消雪ノズル体3を配列してなり、通水管は大小二種類に管径の相違する異径管に形成され、コンクリートブロックの一方端部に通水管の一方端部Lを突設すると共にコンクリートブロックの他方端部に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部4を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は路面の雪を消すために複数個連結接続されて道路に設置される消雪用ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の消雪用ブロックとして、例えば実公平6−3854号に示す如く、コンクリートブロックに通水管を長手方向に内装すると共に通水管に連通して複数個の消雪ノズル体を配列し、この消雪用ブロックを上面をほぼ道路面と面一状態にして道路に埋設敷設し、ポンプ等により汲み上げた水源からの水をコンクリートブロック内の通水管を介して消雪ノズル体から散水し、道路面上の雪を消雪するようにした構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来構造の場合、コンクリートブロックの一方端部及び他方端部に通水管の一方端部及び他方端部がいずれも突設された構造となっており、このため、道路に複数個のコンクリートブロックを連結敷設するに際し、通水管の一方端部を隣る通水管の他方端部に連結接続するに当たっては、この通水管の各端部同士を突き合わせた状態において、一対からなる半割状の抱締金具を用いることにより連結することになり、この抱締金具は締付ボルト及びナットからなるので、接続管の連結には締付ボルトの締付作業が必須となり、それだけコンクリートブロックの敷設作業が厄介となって作業性を低下させることがあるという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、コンクリートブロックに通水管を長手方向に内装すると共に該通水管に連通して複数個の消雪ノズル体を配列してなり、上記通水管は大小二種類に管径の相違する異径管に形成され、上記コンクリートブロックの一方端部に該通水管の一方端部を突設すると共に該コンクリートブロックの他方端部に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部を設けてなることを特徴とする消雪用ブロックにある。
【0005】又、請求項2記載の発明は、上記コンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部は径大管径に形成されると共に通水管の他方端部は径小管径に形成され、通水管の一方端部は上流側に配置されると共に該コンクリートブロックの他方端部に設けられた通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部は下流側に配置されることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記通水管が突設されたコンクリートブロックの一方端部に接続段部を設けると共に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部が設けられたコンクリートブロックの他方端部に該接続段部を載置可能な載置座部を設けてなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図1乃至図8は本発明の消雪用ブロックWの実施の形態例を示し、1はコンクリートブロックであって、この場合台形長尺ブロック状に形成されて内部に図示省略の鉄筋が内装配置され、内部に鉄等の金属や合成樹脂からなる通水管2が長手方向に内装されている共に通水管2に直交状に連通して複数個の消雪ノズル体3が所定ピッチで配列され、この消雪ノズル体3は通水管2内の水を散水する構造となっている。
【0007】そして、この通水管2は大小二種類に管径の相違する異径管に形成され、この場合、管径の異なる二本の管2a・2bを図6又は図9に示す継手2cにより溶接して一本の通水管2に形成されている。
【0008】又、この場合、コンクリートブロック1の一方端部Kに通水管2の一方端部Lを突設すると共にコンクリートブロック1の他方端部Mに通水管2の一方端部Lを受入接続可能な受入接続部4が設けられている。
【0009】この場合、上記受入接続部4は、図7の如く、コンクリートブロック1の他方端部Mに嵌着凹部5を形成し、通水管2の他方端部Nに嵌着凹部5に嵌着可能なソケット筒体6を溶接又は接着により固定し、ソケット筒体6内に嵌着周溝6aを形成し、嵌着周溝6aに通水管2の一方端部Lの外周面に密着嵌合可能なゴムや弾性を有する合成樹脂からなるパッキン体7を嵌着固定すると共にソケット筒体6内に通水管2の一方端部Lへの干渉を防ぐ逃げ凹部6bを形成して構成している。
【0010】又、この場合、敷設施工に際してはこれら複数個の消雪用ブロックWを連結接続することになるが、コンクリートブロック1の一方端部Kに突設された通水管2の一方端部Lは径大管径に形成されると共に通水管2の他方端部Nは径小管径に形成され、例えば、SGP管においては、管呼び径150A−125A、125A−100A、100A−80A、80A−65A、65A−50Aの如く大小二つの異径管により形成され、この通水管2の一方端部Lは上流側に配置されると共にコンクリートブロック1の他方端部Mに設けられた通水管の一方端部Lを受入接続可能な受入接続部4は下流側に配置される。
【0011】又、この場合通水管2が突設されたコンクリートブロック1の一方端部Kに切欠部8により接続段部9が形成され、通水管2の一方端部Lを受入接続可能な受入接続部4が設けられたコンクリートブロック1の他方端部Mには、切欠部10によって、接続段部9を載置可能な載置座部11が形成され、接続段部9の底面としての段面9aを載置座部11の上面としての載置面11a上に載置可能に構成している。
【0012】又、この場合、前列及び後列の隣り合う消雪用ブロックW・Wのコンクリートブロック1の一方端部Kの端面及び他方端部Mの端面間に弾性を有する合成樹脂やゴム等からなる介在物12を介在するように構成していると共に、コンクリートブロック1の一方端部Kの側面及び他方端部Mの側面にネジ部分13・13をそれぞれ形成し、必要に応じて、接続板14をネジ部分13・13にネジ15・15を螺着することにより、前列及び後列の隣り合うコンクリートブロック1・1を相互に連結するように構成している。
【0013】この実施の形態例は上記構成であるから、道路敷設施工に際しては、例えばこの消雪用ブロックW及び通水管2の管径が同径で他は同じ構造の消雪用ブロックをそれぞれ複数個用意し、地下水汲み上げ用のポンプからなる水源に近い側から順次消雪用ブロックをコンクリートブロック1の上面と道路面Dとが略面一となる状態で順次敷設することになり、管径の変更が必要となる位置においては、この消雪用ブロックWを接続することになり、この際、前列の消雪用ブロックWの他方端部Mに設けられた受入接続部4に後列の消雪用ブロックWのコンクリートブロック1の一方端部Kに突設された通水管2の一方端部Lを差し込み挿入することになり、受入接続部4に通水管2の一方端部Lを差し込む作業は凹部に凸部を差し込む作業となって差し込みし易く、それだけ敷設作業性を高めることができると共に抱締金具は必須でないから、一層容易に接続連結することができ、しかも通水管2は大小二種類に管径の相違する異径管に形成されているので、水源からの離間距離に応じて、適宜位置及び適宜管径の消雪用ブロックWを敷設することにより、消雪ノズル体3からの噴水圧を調節することができ、前列及び後列の隣る消雪用ブロックの接続部分において、管径を変える構造でないから、同管径の接続となって、接続構造部分の構造を簡素化することもできる。
【0014】又、この場合、上記コンクリートブロック1の一方端部Kに突設された通水管2の一方端部は径大管径に形成されると共に通水管2の他方端部Nは径小管径に形成され、通水管2の一方端部Lは上流側に配置されると共にコンクリートブロック1の他方端部に設けられた通水管2の一方端部Lを受入接続可能な受入接続部4は下流側に配置されるので、敷設施工に内しては、必ず、前列の消雪用ブロックWの他方端部Mに設けられた受入接続部4に後列の消雪用ブロックWのコンクリートブロック1の一方端部Kに突設された通水管2の一方端部Lを差し込み挿入することになり、必ず、凹部に凸部を差し込む作業となり、一層作業性を高めることができ、又、この場合、上記通水管2が突設されたコンクリートブロック1の一方端部Kに接続段部9を設けると共に通水管2の一方端部Lを受入接続可能な受入接続部4が設けられたコンクリートブロック1の他方端部Mに接続段部9を載置可能な載置座部11が設けられているので、前列の消雪用ブロックWの他方端部Mに設けられた受入接続部4に後列の消雪用ブロックWのコンクリートブロック1の一方端部Kに突設された通水管2の一方端部Lを差し込みすると、前列の消雪用ブロックWの他方端部Mに設けられた載置座部11上に後列の消雪用ブロックWのコンクリートブロック1の一方端部Kに設けられた接続段部9が上方から載置されることになり、よって、隣り合う前列及び後列の消雪用ブロックW・Wのコンクリートブロック1・1の端部を相互に補強して係合することができると共に一層敷設作業性を高めることができる。
【0015】尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、コンクリートブロック1及び消雪ノズル体3、受入接続部4の構造や大きさ、形態等は適宜変更して設計される。
【0016】
【発明の効果】本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、道路敷設施工に際しては、例えばこの消雪用ブロック及び通水管の管径が同径で他は同じ構造の消雪用ブロックをそれぞれ複数個用意し、地下水汲み上げ用のポンプからなる水源に近い側から順次消雪用ブロックをコンクリートブロックの上面と道路面とが略面一となる状態で順次敷設することになり、管径の変更が必要となる位置においては、この消雪用ブロックを接続することになり、この際、前列の消雪用ブロックの他方端部に設けられた受入接続部に後列の消雪用ブロックのコンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部を差し込み挿入することになり、受入接続部に通水管の一方端部を差し込む作業は凹部に凸部を差し込む作業となって差し込みし易く、それだけ敷設作業性を高めることができると共に抱締金具は必須でないから、一層容易に接続連結することができ、しかも通水管は大小二種類に管径の相違する異径管に形成されているので、水源からの離間距離に応じて、適宜位置及び適宜管径の消雪用ブロックを敷設することにより、消雪ノズル体からの噴水圧を調節することができ、前列及び後列の隣る消雪用ブロックの接続部分において、管径を変える構造でないから、同管径の接続となって、接続構造部分の構造を簡素化することもできる。
【0017】また、請求項2記載の発明にあっては、上記コンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部は径大管径に形成されると共に通水管の他方端部は径小管径に形成され、通水管の一方端部は上流側に配置されると共にコンクリートブロックの他方端部に設けられた通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部は下流側に配置されるので、敷設施工に内しては、必ず、前列の消雪用ブロックの他方端部に設けられた受入接続部に後列の消雪用ブロックのコンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部を差し込み挿入することになり、必ず、凹部に凸部を差し込む作業となり、一層作業性を高めることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記通水管が突設されたコンクリートブロックの一方端部に接続段部を設けると共に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部が設けられたコンクリートブロックの他方端部に接続段部を載置可能な載置座部が設けられているので、前列の消雪用ブロックの他方端部に設けられた受入接続部に後列の消雪用ブロックのコンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部を差し込みすると、前列の消雪用ブロックの他方端部に設けられた載置座部上に後列の消雪用ブロックのコンクリートブロックの一方端部に設けられた接続段部が上方から載置されることになり、よって、隣り合う前列及び後列の消雪用ブロックのコンクリートブロックの端部を相互に補強して係合することができると共に一層敷設作業性を高めることができる。
【0018】以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態例の全体側面図である。
【図3】本発明の実施の形態例の部分切欠側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例の部分縦断面図である。
【図8】本発明の実施の他の形態例の部分断面図である。
【符号の説明】
W 消雪用ブロック
K 一方端部
L 一方端部
M 他方端部
N 他方端部
1 コンクリートブロック
2 通水管
3 消雪ノズル体
4 受入接続部
9 接続段部
11 載置段部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリートブロックに通水管を長手方向に内装すると共に該通水管に連通して複数個の消雪ノズル体を配列してなり、上記通水管は大小二種類に管径の相違する異径管に形成され、上記コンクリートブロックの一方端部に該通水管の一方端部を突設すると共に該コンクリートブロックの他方端部に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部を設けてなることを特徴とする消雪用ブロック。
【請求項2】 上記コンクリートブロックの一方端部に突設された通水管の一方端部は径大管径に形成されると共に通水管の他方端部は径小管径に形成され、通水管の一方端部は上流側に配置されると共に該コンクリートブロックの他方端部に設けられた通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部は下流側に配置されることを特徴とする請求項1記載の消雪用ブロック。
【請求項3】 上記通水管が突設されたコンクリートブロックの一方端部に接続段部を設けると共に通水管の一方端部を受入接続可能な受入接続部が設けられたコンクリートブロックの他方端部に該接続段部を載置可能な載置座部を設けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の消雪用ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平10−306416
【公開日】平成10年(1998)11月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−112298
【出願日】平成9年(1997)4月30日
【出願人】(593206148)株式会社ユーテック (5)