説明

液体の吐出流量計測装置

【課題】被計測機器の高圧液体の微量の吐出流量でも,正確に且つ能率良く計測し得る信頼性の高い液体の吐出流量計測装置を提供する。
【解決手段】液面レベル調整手段5を有する恒液面タンク3と,透明の計測細管6と,これらの下部相互を連通して計測細管6内に導入される液体Fの液面のレベルを恒液面タンク3内の液面のレベルに合わせる連通路7と,この連通路7を開閉し得る連通弁7aと,被計測機器Iから吐出される高圧液体Fを計測細管6に下方から供給する第2給液路と,計測細管6内の液面のレベルを恒液面タンク3内の液面のレベルに合わせて連通路7を連通弁7aにより遮断した後,被計測機器Iがその作動により計測細管6に流体を吐出したとき,その吐出に伴なう計測細管6内の液面の上昇量より被計測機器Iの液体吐出流量を読み取る流量読み取り手段23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,液体を貯留する液体タンクと,この液体タンク内の液体を被計測機器に供給すべく液体タンク及び被計測機器間を接続する第1給液路と,この第1給液路から被計測機器への液体の供給圧力を所定値に昇圧する昇圧装置とを備え,被計測機器からの高圧液体の吐出流量を計測する,液体の吐出流量計測装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる液体の吐出流量計測装置として,被計測機器の液体出口を密閉室に接続し,この密閉室にマイクロシリンダを連設すると共に,このマイクロシリンダにピストンを摺動可能に嵌装し,被計測機器がその吐出作動により密閉室に高圧液体を吐出するのに応じてピストンを移動させ,その移動量から被計測機器の液体の吐出流量を読み取るようにしたものが知られている(下記特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−105656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,上記従来装置では,被計測機器がその吐出作動により高圧液体を吐出したとき,その吐出圧力を受けるピストンは慣性により過剰に移動し,それが計測値に大きな誤差を生じさせる可能性があり,また密閉室に空気が存在する場合には,その空気の圧縮による圧力損失により,ピストンは,被計測機器の高圧流体の吐出流量に正確に対応した動きを示すことができず,特に,被計測機器の高圧流体の吐出流量が微量である場合には,その計測は実際上困難であり,信頼性に乏しい。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,被計測機器の高圧液体の微量の吐出流量でも,正確に且つ能率良く計測し得る信頼性の高い液体の吐出流量計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために,本発明は,液体を貯留する液体タンクと,この液体タンク内の液体を被計測機器に供給すべく液体タンク及び被計測機器間を接続する第1給液路と,この第1給液路から被計測機器への液体の供給圧力を所定値に昇圧する昇圧装置とを備え,被計測機器からの高圧液体の吐出流量を計測する液体の吐出流量計測装置において,貯留液体の液面を所定レベルに調整すべく補給される液体の余剰分を外部に流出させ得る液面レベル調整手段を有する恒液面タンクと,この恒液面タンクより小径で透明の計測細管と,これら恒液面タンク及び計測細管内の下部相互を連通して計測細管内に導入される液体の液面のレベルを恒液面タンク内の液面のレベルに合わせる連通路と,この連通路を開閉し得る連通弁と,被計測機器から吐出される高圧液体を前記計測細管に下方から供給する第2給液路と,前記計測細管内の液面のレベルを恒液面タンク内の液面のレベルに合わせて前記連通路を前記連通弁により遮断した後,被計測機器がその作動により前記計測細管に流体を吐出したとき,その吐出に伴なう前記計測細管内の液面の上昇量より被計測機器の液体吐出流量を読み取る流量読み取り手段とを備えることを第1の特徴とする。尚,前記液面レベル調整手段は,後述する本発明の実施例中のオーバフローパイプ5に対応する。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記液面レベル調整手段より流出した液体を前記液体タンクに貯留させることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明の第2の特徴によれば,液体タンク,被計測機器及び恒液面タンクを含む液体の循環経路が形成され,通常,液体の補給を行うことなく,被計測機器の液体吐出流量の計測を行うことができる。
【0009】
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記恒液面タンク及び計測細管内の上部空間相互を連通したことを第3の特徴とする。
【0010】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1及び第2給液路に,これら第1及び第2給液路をそれぞれ開閉し得る第1及び第2給液弁を設けたことを第4の特徴とする。
【0011】
さらにまた本発明は,第1〜第4の特徴の何れかに加えて,被計測機器は電磁式燃料噴射弁であり,前記計測細管に,その内部の液面に所定の気体圧力を付与する気体圧力源を接続したことを第5の特徴とする。尚,前記気体圧力源は,後述する本発明の実施例中の空気圧力源25に対応する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば,被計測機器の高圧液体の吐出流量を,計測細管内の液面の上昇量に基づいて計測するので,圧力損失もなく,また被計測機器の出口側の温度変化に影響されることもなく,被計測機器の高圧液体の吐出流量を即座に且つ正確に計測することができる。特に,計測細管を極小径に形成すれば,計測細管への微量な液体流入時にも,計測細管内の液面を敏感に上昇させることができ,したがって,被計測機器の微量な吐出流量の計測も可能となる。
【0013】
本発明の第2の特徴によれば,液体タンク,被計測機器及び恒液面タンクを含む液体の循環経路が形成され,通常,液体の補給を行うことなく,被計測機器の液体吐出流量の計測を行うことができる。
【0014】
本発明の第3の特徴によれば,恒液面タンクへの燃料の補給時には,連通弁の開弁により,恒液面タンクに補給された燃料を連通路を通して計測細管にも補給することができる。その際,恒液面タンク及び計測細管の上部空間は,通気路を介して相互に連通しているので,計測細管内の液面を,その上部空間の空気を通気路を通して恒液面タンクの上部空間側に押し出しながらスムーズに上昇して,恒液面タンク内の液面と同レベルにすることができ,したがって,透明な計測細管内の液面を見て恒液面タンク内の液面レベルがわかるので,燃料の補給状況を知ることができる。
【0015】
本発明の第4の特徴によれば,被計測機器の交換時,第1及び第2給液弁を閉弁状態にすることにより,昇圧装置及び計測細管からの無用な液体の流出を防ぐことができる。
【0016】
本発明の第5の特徴によれば,電磁式燃料噴射弁の燃料噴射流量を能率良く且つ正確に計測することができる。特に,極小径の計測細管の使用により,計測細管への微量な液体流入時にも,計測細管内の液面を敏感に変化させることができ,したがって,燃料噴射弁の1回の微量な噴射流量の計測も可能となる。その際,電磁式燃料噴射弁からの衝撃的な燃料噴射により計測細管内の液面が上昇にしながら脈動しても,計測細管内の液面には気体圧力源の比較的高い気体圧力が作用しているので,その脈動を素早く減衰させることができ,同時に気泡の発生を防ぐことができ,これにより燃料噴射流量の計測精度の向上に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係る液体の吐出流量計測装置の概要側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0019】
この実施例では,液体の吐出流量計測装置Mは,エンジン用電磁式燃料噴射弁Iの燃料噴射流量を計測するために使用されもので,計測液Fを貯留する補給タンク1,この補給タンク1に補給路2を通して計測液Fを補給される恒液面タンク3とを備える。補給路2には,これを開閉し得る補給弁2aが設けられる。
【0020】
恒液面タンク3は,その内部の一定高さ位置に上方開口部5aを配置したオーバフローパイプ5を有しており,恒液面タンク3に供給される計測液Fの液面が上方開口部5aを越えると,その計測液Fをオーバフローパイプ5から流出させて恒液面タンク3内の液面を一定レベルに調整するようになっている。
【0021】
液体タンク3の一側方に透明ガラスよりなる計測細管6が隣接配置される。この計測細管6は,恒液面タンク3より遥かに小径に形成される。恒液面タンク3及び計測細管6は,それら内部の下部同士が連通路7を介して連通しており,この連通路7の途中に,それを開閉し得る連通弁7aが介装される。また恒液面タンク3及び計測細管6の上部空間3a,6aには,それらを相互に直接連通する通気路8が接続される。
【0022】
前記オーバフローパイプ5の下端には,導管9を介して液体タンク10が接続され,オーバフローパイプ5から溢れ出た計測液Fはオーバフローパイプ5を通して液体タンク10に受け入れるようになっている。この液体タンク10の底部から第1給液路11が延出しており,この第1給液路11の下流に付設される第1ジョイント14に被計測機器としての電磁式燃料噴射弁Iの燃料入口部が接続される。電磁式燃料噴射弁Iには,それを開弁すべく噴射信号を出力する噴射信号出力手段16が接続される。
【0023】
第1給液路11は,これを通して液体タンク10内の計測液Fを電磁式燃料噴射弁Iに供給するもので,この第1給液路11には,電磁式燃料噴射弁Iに供給する計測液Fを昇圧する昇圧装置17と,この昇圧装置17より下流側に配置されて第1給液路11を開閉し得る第1給液弁11aとが設けられる。昇圧装置17は,例えば圧力空気を動力する空圧式に構成される。
【0024】
一方,前記計測細管6の下部からは第2給液路12が延出しており,この第2給液路12の上流端に付設される第2ジョイント15に前記電磁式燃料噴射弁Iの燃料噴射部が接続される。この第2給液路12は,電磁式燃料噴射弁Iの吐出計測液Fを計測細管6に供給するもので,この第2給液路12には,これを開閉し得る第2給液弁12aが設けられる。
【0025】
前記昇圧装置17は,電磁式燃料噴射弁Iの噴射圧力が規定の噴射圧力10Mpa以上になるように構成される。
【0026】
計測細管6の一側には,その管内の計測液の液面L1又はL2を読み込む液面センサとしてのCCDカメラ19が配設される。このCCDカメラ19は,読み込んだ計測細管6内の液面に対応した液面信号を電子制御ユニット20に出力するようになっており,電子制御ユニット20は,上記液面信号から得た液面変化量hと,それに対応する計測細管6への計測液流入量Qとの関係を示すマップ21を備えると共に,適時そのマップ21から得た計測液流入量Qをモニタ22に表示するようになっている。而して,CCDカメラ19,電子制御ユニット20及びモニタ22は,計測細管6内の液面変化より燃料噴射弁Iの計測液噴射流量を読み取る流量読み取り手段23を構成する。
【0027】
恒液面タンク3及び計測細管6の両方の上部空間3a,6aもしくはそれらの何れか一方の上部空間には,空気圧力源25から延出する圧力気路26が接続され,この圧力気路26には,その上流側から順にレギュレータ弁27,空気圧弁26a及び圧力センサ28が設けられる。レギュレータ弁27は,空気圧力源25から少なくとも計測細管6内の液面L1に作用させる空気圧力を大気圧より高く,且つ電磁式燃料噴射弁Iの噴射圧力,即ち昇圧装置17の出力圧力より低く調整するようになっている。
【0028】
また計測細管6の上部空間6aには,終端を大気に開放した排気路30が接続され,この排気路30には,それを開閉し得る排気弁30aが設けられる。排気路30の大気開放口の下方には,空気と共に排出される微量な計測液を受ける排液タンク31が設置される。
【0029】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0030】
電磁式燃料噴射弁Iの噴射流量の計測は次の要領で行う。
〔1〕計測準備
補給弁2a及び連通弁7aを開弁し,その他の弁は全て閉弁しておく。補給弁2aの開弁によれば,補給タンク1の計測液Fが補給路2を通して恒液面タンク3に補給され,その補給は,恒液面タンク3内の計測液Fがオーバフローパイプ5から溢れ出て,下方の液体タンク10を充分満たすまで行われる。また連通弁7aの開弁によれば,恒液面タンク3に補給された計測液Fが連通路を通して計測細管6にも補給される。その際,恒液面タンク3及び計測細管6の上部空間3a,6aは,通気路8を介して相互に連通しているので,計測細管6内の液面L1は,上部空間6aの空気を通気路8を通して恒液面タンク3の上部空間3a側に押し出しながらスムーズに上昇して,恒液面タンク3内の液面と同レベルになる。したがって,透明な計測細管6内の液面を見て恒液面タンク3内の液面レベルがわかるので,計測液Fの補給状況を知ることができる。
〔2〕電磁式燃料噴射弁Iの馴らし運転
第1及び第2ジョイント14,15に電磁式燃料噴射弁Iの燃料入口部及び燃料噴射部をそれぞれ接続し,空気圧弁26aを閉弁した状態で排気弁30aを開弁して,恒液面タンク3及び計測計測細管6の上部空間3a,6aを排気路30を通して大気に開放する。そして第1及び第2給液弁11a,12aを開弁した上で(連通弁7aは開弁したまゝ),昇圧装置17を作動して第1給液路11の下流側の液体を昇圧すると共に,噴射信号出力手段16の作動により電磁式燃料噴射弁Iを所定時間(例えば10秒)断続的に噴射作動させることで,電磁式燃料噴射弁Iの馴らし運転を行う。而して,電磁式燃料噴射弁Iから噴射される高圧の計測液は,第2給液路12及び連通路7を通して恒液面タンク3に供給され,そしてオーバフローパイプ5から溢れ出て液体タンク10に戻り,再び昇圧装置17により昇圧され,電磁式燃料噴射弁Iへと供給されることを繰り返す。
【0031】
この間,電磁式燃料噴射弁I内に存在していた気泡は,電磁式燃料噴射弁I内を通過する高圧計測液によって,電磁式燃料噴射弁I外の計測細管6又は恒液面タンク3へと排出される。しかも,これら計測細管6及び恒液面タンク3の上部空間3a,6aは相互に通気路8を介して連通すると共に,排気路30を通して大気に開放されているので,上記気泡は,最終的には大気に放出されることになる。こうして電磁式燃料噴射弁I及び計測細管6内を占める計測液からは気泡が排除される。
〔3〕馴らし運転後の計測細管6内の液面の安定化
電磁式燃料噴射弁Iの馴らし運転後,噴射信号出力手段16の作動を一旦停止し,オーバフローパイプ5によってレベル調整される恒液面タンク3内の液面の波立ちを安定させて,恒液面タンク3に連通路7を介して下部相互を連通する計測細管6内の液面をも安定させる。それから連通弁7aを閉弁して計測細管6及び恒液面タンク3の下部相互の連通を遮断する。次いで第1及び第2給液弁11a,12aの開弁状態のまゝで,排気弁30aを閉弁すると共に,空気圧弁26aを開弁することで,空気圧力源25の空気圧力を圧力気路26を通して計測細管6及び恒液面タンク3内の液面に作用させ,それら液面の安定化を図る。計測細管6内の液面の安定状態は,透明の計測細管6を透してその内部の液面を見ることにより確認することができる。
〔4〕計測及び表示
先ず,計測細管6内の液面L1をCCDカメラ19により読み取り,その液面信号を電子制御ユニット20に出力する。次いで昇圧装置17の作動状態において,噴射信号出力手段15の作動により電磁式燃料噴射弁Iに所定回数の噴射信号を付与すれば,電磁式燃料噴射弁Iは,昇圧装置17から供給される高圧の計測液を計測細管6に向かってその下方から所定回数噴射することになる。その結果,計測細管6内の液面は,L1からL2へと上昇する。その際,電磁式燃料噴射弁Iからの衝撃的な計測液の噴射により計測細管6内の液面が上昇しながら脈動しても,計測細管6内の液面には前述のように空気圧力源25の比較的高い空気圧力が作用しているので,その脈動を素早く減衰させることができ,同時に気泡の発生を防ぐことができ,これにより計測液の噴射流量の計測精度の向上に寄与し得る。
【0032】
計測細管6内の上昇した液面L2が安定した後,その液面L2をCCDカメラ19が読み込み,その液面信号を電子制御ユニット20に出力すると,電子制御ユニット20は,その液面信号と当初の液面信号とから液面上昇量hを算出し,マップ21から計測細管6での計測液増加量Q,即ち燃料噴射弁Iの噴射流量を演算してモニタ22に表示する。
【0033】
このように,燃料噴射弁Iの噴射流量を,計測細管6内の液面の上昇量hに基づいて計測するので,圧力損失もなく,また燃料噴射弁Iの出口側の温度変化に影響されることもなく,燃料噴射弁Iの噴射流量を即座に且つ正確に計測することができる。特に,計測細管6を極小径に形成すれば,計測細管6への微量な計測液の流入時にも,計測細管6内の液面をL1からL2へと敏感に変化させることができ,したがって,燃料噴射弁Iの1回の開弁時における微量な噴射流量の計測も可能となる。
5.計測後の電磁式燃料噴射弁の取り外し
計測後は,第1及び第2給液弁11a,12aを両方共閉弁状態にして,第1及び第2ジョイント14,15から電磁式燃料噴射弁Iを取り外す。このとき,第1及び第2給液弁11a,12aの閉弁により,開放状態の第1及び第2ジョイント14,15からの,即ち昇圧装置17及び計測細管6からの計測液の無用な流出を防ぐことができる。したがって,計測すべき電磁式燃料噴射弁Iの交換を,計測液の無用な流出を伴なうことなく簡単に行うことができる。次の電磁式燃料噴射弁Iの噴射流量計測作業は,前記電磁式燃料噴射弁Iの馴らし運転より開始する。その際,連通弁7aの開弁により,計測細管6内の液面のレベルは,再び恒液面タンク3内の液面のレベルと一致する。かくして,液体タンク10→電磁式燃料噴射弁I→恒液面タンク3→液体タンク10の液体の循環経路が形成され,通常,補給タンク1からの計測液Fの補給を行うことなく,電磁式燃料噴射弁Iの噴射流量の計測を行うことができる。
【0034】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,昇圧装置17の作動によって,液体タンク10の計測液Fにより恒液面タンク3を満たすことができる場合には,補給タンク1を廃止することができる。また空気圧力源25に代えて,空気以外の気体を加圧した圧力源を使用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
F・・・・・液体(計測液)
I・・・・・被計測機器(電磁式燃料噴射弁)
L1,L2・・・計測細管内の液面
M・・・・・液体の吐出流量計測装置
1・・・・・恒液面タンク
3a・・・・恒液面タンクの上部空間
5・・・・・液面レベル調整手段(オーバフローパイプ)
6・・・・・計測細管
6a・・・・計測細管の上部空間
7・・・・・連通路
7a・・・・連通弁
10・・・・液体タンク
11・・・・第1給液路
11a・・・第1給液弁
12・・・・第2給液路
12a・・・第2給液弁
17・・・・昇圧装置
23・・・・流量読み取り手段
25・・・・空気圧力源(気体圧力源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(F)を貯留する液体タンク(10)と,この液体タンク(10)内の液体(F)を被計測機器(I)に供給すべく液体タンク(10)及び被計測機器(I)間を接続する第1給液路(11)と,この第1給液路(11)から被計測機器(I)への液体(F)の供給圧力を所定値に昇圧する昇圧装置(17)とを備え,被計測機器(I)からの高圧液体の吐出流量を計測する液体の吐出流量計測装置において,
貯留液体(F)の液面を所定レベルに調整すべく補給される液体の余剰分を外部に流出させ得る液面レベル調整手段(5)を有する恒液面タンク(3)と,この恒液面タンク(3)より小径で透明の計測細管(6)と,これら恒液面タンク(3)及び計測細管(6)内の下部相互を連通して計測細管(6)内に導入される液体(F)の液面のレベルを恒液面タンク(3)内の液面のレベルに合わせる連通路(7)と,この連通路(7)を開閉し得る連通弁(7a)と,被計測機器(I)から吐出される高圧液体(F)を前記計測細管(6)に下方から供給する第2給液路(12)と,前記計測細管(6)内の液面のレベルを恒液面タンク(3)内の液面のレベルに合わせて前記連通路(7)を前記連通弁(7a)により遮断した後,被計測機器(I)がその作動により前記計測細管(6)に流体を吐出したとき,その吐出に伴なう前記計測細管(6)内の液面の上昇量より被計測機器(I)の液体吐出流量を読み取る流量読み取り手段(23)とを備えることを特徴とする液体の吐出流量計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体の吐出流量計測装置において,
前記液面レベル調整手段(5)より流出した液体(F)を前記液体タンク(10)に貯留させることを特徴とする液体の吐出流量計測装置。
【請求項3】
請求項1記載の液体の吐出流量計測装置において,
前記恒液面タンク(3)及び計測細管(6)内の上部空間(3a,6a)相互を連通したことを特徴とする液体の吐出流量計測装置。
【請求項4】
請求項1記載の液体の吐出流量計測装置において,
前記第1及び第2給液路(11,12)に,これら第1及び第2給液路(11,12)をそれぞれ開閉し得る第1及び第2給液弁(11a,12a)を設けたことを特徴とする液体の吐出流量計測装置。
【請求項5】
請求項1〜3記載の液体の吐出流量計測装置において,
被計測機器は電磁式燃料噴射弁(I)であり,前記計測細管(6)に,その内部の液面に所定の気体圧力を付与する気体圧力源(25)を接続したことを特徴とする液体の吐出流量計測装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−13098(P2011−13098A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157491(P2009−157491)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)