説明

液体の移送用および貯蔵用容器のためのタップ取付部品、ならびに、このタップ取付部品を備える移送用および貯蔵用容器

【課題】帯電した電荷を効率良く逃がすことができるように、タップ取付部品に帯電した電荷を安全に逃がすことができるようにする。
【解決手段】液体用プラスチック容器、特に移送用および貯蔵用容器の内側容器の排出口に接続するために、プラスチック製の取付部品ハウジング(18)を有するタップ取付部品、具体的にはフラップまたはボールコックであって、当該取付部品ハウジング(18)は、少なくともその一部が帯電した電荷を逃がすために導電性プラスチックからなる導電性器具を有し、当該導電性器具は、接地電位と電気的に繋がる接地線(27)と一体化し、さらに、取付部品ハウジング(18)とも一体化して接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用プラスチック容器、特に移送用および貯蔵用容器の内側容器の栓に接続するためのプラスチック製の取付部品ハウジングを有するタップ取付部品、具体的にはフラップコックまたはボールコックに関し、当該取付部品ハウジングは、帯電した電荷を逃がすために少なくとも一部が導電性プラスチックからなる導電性器具(機器)を有する。本発明は、さらに、このようなタップ取付部品を備える液体の移送用および貯蔵用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の液体用容器は、多くの場合、爆発成分を含む液体、または、当該容器内で爆発性または直ちに引火するガスを生成する液体の移送用および貯蔵用容器として利用される。この液体用容器が満杯または空になると、液体と液体用容器との間で生じる摩擦によって静電気が蓄積し、その結果、液体または液体の生成するガスが引火する。
【0003】
このような引火が起きないようにするために、関連の先行技術には、液体用容器および/またはタップ取付部品において、適切な手段を介して帯電した電荷を逃がすことが示唆されている。この目的を達成するために、特許文献1には、液体用容器におけるタップ取付部品の配置が記載されており、当該液体用容器は、以下の方法で排出口が設けられている。すなわち、導電性プラスチックからなる挿入口が排出口とタップ取付部品との間に設けられ、当該挿入口は、排出口の内壁とタップ取付部品の注入口の外壁との間に円筒部を用いて挿入され、鍔状の枠がタップ取付部品の径方向外側に突き出ていて、タップ取付部品を取り付ける際に、液体用容器の排出口と挿入口との間且つ当該挿入口とタップ取付部品との間に溶接接合が施される。挿入口と接地電位との間を電気的に接続するために、挿入口から独立しないように設計された導電体が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2008946号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で公知の配置では、液体用容器の排出口にタップ取付部品を取り付けるときに、上記挿入口の適切な取り扱いが要求される。また、タップ取付部品と挿入口との間であるが実質的に溶接継ぎ手が作られている領域にだけ同一材料からなる結合が作り出されていて、それによって高導電性の結合が作り出される。さらに、付加的な取付ステップにおいて、分離して構成された導電体が挿入口に接続されてきた。
【0006】
本発明の発端となる課題は、タップ取付部品を液体用容器に取り付けるための余計な労力を必要としないだけでなく、帯電した電荷を効率良く逃がすことができるように、タップ取付部品に帯電した電荷を安全に逃がすことができるようにすることである。さらに本発明の発端となる課題は、高い操作安全性を備える液体の移送用および貯蔵用容器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るタップ取付部品は請求項1の特徴を備える。更なる課題を解決するために、本発明に係る移送用および貯蔵用容器は請求項12の特徴を備える。
【0008】
本発明に係るタップ取付部品において、導電性器具(装置)は、当該導電性器具と接地電位とを電気的に接続する接地線と一体化している。この導電性器具は、取付部品ハウジングにも一体化して接続されている。
【0009】
上記導電性器具および上記取付部品ハウジングが一体化して接続されているため、上記液体用容器にタップ取付部品を取り付ける、または、上記液体用容器にタップ取付部品を組み込むときに、当該導電性器具をもはや別々に扱う必要がない。さらに、上記液体用容器にタップ取付部品を組み込むときに、導電性器具と取付部品ハウジングとの間の接続が不正確にまたは不完全になされた場合に発生する導電性器具と取付部品ハウジングとの間の好ましくない境界抵抗の形成が、上記の一体化設計によって阻止される。導電性器具と接地線との一体化設計によって、帯電した電荷の放散の有効性を弱める好ましくない両者間の境界抵抗が起きないようにすることができる。
【0010】
好適な実施形態では、上記導電性器具のセグメント部材は、取付部品ハウジング内の流路の形を決める導管壁の壁の一部を形成し、上記セグメント部材の接触面は、導管壁の内側上に露出するように配置され、上記セグメント部材は、上記導管壁の外表面に接続面と一体となって配置され、上記接地線は、同一材料からなる結合でセグメント部材に接続されている。
【0011】
この好適な実施形態では、導電性器具は、液体用容器内で液体と直に接触して、有効且つ直接的に液体から帯電した電荷を逃がすことができる。導管壁の外表面において接地線をセグメント部材の接触面に接続することによって、導電性器具とセグメント部材との間の電気接続の有効性を容易に検査する外観検査を常に確実に行うことができる。
【0012】
更なる好適な実施形態では、上記導電性器具が溝付きのセグメント部材を有していて、当該溝付きのセグメント部材が、上記接続面が導管壁の外側に配置されていて、放射状に配置され且つ接触面を形成する複数の接触範囲が導管壁を貫通するように、導管壁に配置されている場合に、帯電した電荷が導管壁の外周に均一に逃げるようにしてもよい。さらに、上記セグメント部材と上記導管壁との間の接続は、導管壁を貫通するセグメント部材の接触範囲の配置のため、同一材料で形成されているのみならず、ポジティブロック方式でなされている。
【0013】
更なる好適な実施形態では、導電性器具は、導管壁の環状の凹部に配置された環状のセグメント部材を有していて、上記接続面は当該凹部の底部に配置され、上記接地線が上記導管壁を通過して外部に至る。
【0014】
この実施形態では、上記導管壁の全周に亘って液体と上記導電性器具とが十分に接触している。ところが、この十分な接触にもかかわらず、上記セグメント部材が上記取付部品ハウジングの外観に影響を与えないため、当該取付部品ハウジングの表面は電気的中性状態を均一に保ち、例えば上記液体用容器を扱う会社が当該会社独自のデザインを適用するように、当該取付ハウジングの表面全体がカスタマイズされる。
【0015】
導電性器具を有する取付部品ハウジングは、当該導電性器具およびそのセグメント部材が上記導管壁の一部を形成する場合に非常に容易に製造され、当該取付部品ハウジングを製造するための金型を、射出成型機を使用する「2Kテクノロジー」工程(2色成形)によって特に容易に創作することができる。これは、上記セグメント部材が環状の場合に特にあてはまる。
【0016】
更なる実施形態では、上記セグメント部材が上記取付部品ハウジングの2つの部分の間の中間部材として具体化されている場合には、上記導電性器具の特に有効な設計が可能であるばかりでなく、当該セグメント部材と一体化して構成された上記接地線が当該取付部品ハウジングの容易に使用しうる範囲に配置もされ、その結果、当該接地線は接地電位にとても容易に接続される。
【0017】
あるいは、上記セグメント部材を実質的に上記取付部品ハウジングの接触端子の外延として構成することが可能であり、その結果、必要であれば上記導電性器具を上記液体用容器のタップ栓のできるだけ近くに配置することができる。
【0018】
上記取付部品ハウジングの接続端子の外延が、上記取付部品ハウジングの上記液体用容器のタップ栓への溶接接続用の接続フランジを形成する場合には特に都合がよく、上記セグメント部材は二重の機能、具体的には放電素子としての機能と機械的コネクタとしての機能を果たす。
【0019】
上記導電性器具の特に効果的な構造は、当該導電性器具の軸外延として設計された流れ偏向体(flow deflection body)を含む構造である。この流れ偏向体は導管壁によって形成された流路内に配置され、当該流路の縦方向に直交している。その結果、流れ偏向体の全体が流路内の自由流れの横断面に曝される。
【0020】
このようにして、上記導電性器具は液体用容器内の液体によって完全に囲まれ、液体が排出されると、当該液体は吐き出されるように上記導電性器具を超えて通過する。これに関連して、流れ偏向体が可能な限り完全に液体によって覆われるようにするために、流れ偏向体は流れ形状(flow profile)を有するほうが都合がよい。
【0021】
請求項12記載の発明に係る液体のための移送用および貯蔵用容器は、上記タップ取付部品によって、帯電した電荷を信頼性をもって逃がすことができ、そして当該タップ取付部品が同様に高い操作安全性が保証される。
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】液体の移送用および貯蔵用容器の斜視図である。
【図2】実施形態1に係る取付部品ハウジングの注入口に配置された導電性器具を備えるタップ取付部品の斜視図である。
【図3】図2の取付部品ハウジングの注水口を示す図である。
【図4】図3における導電性器具のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図3における導電性器具のV−V線矢視断面図である。
【図6】他の実施形態に係る取付部品ハウジングの注水口に取り付けられた導電性器具を示す図である。
【図7】図6における導電性器具のVII−VII線矢視断面図である。
【図8】図6における導電性器具のVIIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】他の実施形態に係る導電性器具を備える取付部品ハウジングの注水口を示す図である。
【図10】図9における導電性器具のX−X線矢視断面図である。
【図11】図9における導電性器具のXI−XI線矢視断面図である。
【図12】他の実施形態に係る導電性器具を備える取付部品ハウジングの注水口を示す図である。
【図13】図12における導電性器具のXIII−XIII線矢視断面図である。
【図14】図12における導電性器具のXIV−XIV線矢視断面図である。
【図15】他の実施形態に係る導電性器具を備える取付部品ハウジングの注水口を示す図である。
【図16】図15における導電性器具のXVI−XVI線矢視断面図である。
【図17】図15における導電性器具のXVII−XVII線矢視断面図である。
【図18】取付部品ハウジングの注水口に配置された他の実施形態に係る導電性器具の斜視図である。
【図19】取付部品ハウジングの注水口に配置された他の実施形態に係る導電性器具の斜視図である。
【図20】取付部品ハウジングの注水口に配置された他の実施形態に係る導電性器具の斜視図である。
【図21】図20における導電性器具のXXI−XXI線矢視断面図である。
【図22】図20における導電性器具のXXII−XXII線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示にすぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1に示す使い捨ておよび再利用可能な、液体の移送用および貯蔵用容器1は、交換可能な立方体型のプラスチック製の内側容器2を備えている。内側容器2は、前壁3、後壁4、一対の側壁5,6、排出底部として形成された下部水平面7、および上部水平面8、この上部水平面8に形成され、キャップ10によって閉塞可能な注入口9、ならびに、前壁3の下部の凹部11に形成された排出口(drain spigot)12と、を有している。排出口12は、ブロー成形によって内側容器2とともに単独の部品として製造される。排出口12はタップ取付部品13、具体的にはボールコックまたはフラップコックを取り付けるのに用いられる。内側容器2は外殻14内に配置されていて、この外殻14は、水平および垂直にそれぞれ交わる金属かご棒15,16からなる「かご」構造を有し、パレット状の基台17上に配置されている。
【0026】
タップ取付部品13は取付部品ハウジング18を有していて、図2にその例示的な形態を示す。この取付部品ハウジング18は、高密度ポリエチレン(PE-HD)を射出成形したものが好ましい。また取付部品ハウジング18は、中央バルブ部19に図1に示すような遮断機能を備えるバルブ装置20を有していて、排出口22と注水口21とを分離し、そして図2に示すような取付部品ハウジング18の場合、シール用キャップを取り付けるためのネジ端23(ここではこれ以上詳細に示さない)を備えている。
【0027】
図2にも示すように、取付部品ハウジング18は、注水口21の端にある溶接フランジとして設計された接続フランジ24を備え、内側容器2の排出口12にミラー溶接によって接合されるのが好ましい。
【0028】
取付部品ハウジング18は、ポリエチレンといった非導電性プラスチックを原料として射出成形法によって製造され、注水口21の領域に導電性器具(部材)25を有している。この導電性器具25はセグメント部材を有し、図3〜図5に示すように、接地線27がこの導電性器具25と一体となっている。セグメント部材26および接地線27は、導電性カーボンナノ粒子を含むポリエチレンなどの導電性プラスチックで構成される。特に図4および図5で明確に分かるように、セグメント部材26は注水口21の導管壁28の壁部分を形成する。このような関係において、導管壁28の内側29に配置された接触面30は、導管壁28に沿って流れているまたは導管壁28と接触している液体(図示せず)と導電性器具25との間を直接遷移する遷移面を形成する。注水口21の導管壁28の外側にはセグメント部材26の接続面31があり、この接続面31は一体化して構成された接地線27に隣接している。接地線27とセグメント部材26との間の接続は同一材料からなっているため、特に電気的接続がセグメント部材26の接触面29と接地線27または接触端32(図2参照)との間に形成される。なおこの場合では、接触端32は取付板および接地電位(ここでは図示せず)によって構成されている。
【0029】
図2〜図5に示す導電性器具25は、2Kテクノロジーによる射出成形機によって以下の手順で製造される。第1のステップにおいて、注水口21の領域において導管壁28に切り欠き33が形成された取付部品ハウジング18が非導電性プラスチック、例えば高密度ポリエチレン(PE-HD)を原料として射出成形される。第2のステップにおいて、セグメント部材26と一体となって構成された接地線27を有する導電性器具25を製造するために、前ステップと同じ射出成形機を用いて、前ステップで製造された取付部品ハウジング18の切り欠き33の領域に、カーボンナノ粒子を含む導電性プラスチックが射出成形される。
【0030】
図6〜図8において、導電性器具25(図2〜図5参照)を、注水口21の領域における取付部品ハウジング18の導管壁35と一体化された導電性器具34に変更したものを示す。この場合において、導管壁35は、複数の切り欠き36が注水口21の領域における円周上に環状に配置され、これらの切り欠き36は、フロー軸(flow axis)37の縦軸に平行に延びる長い溝孔として具体化されている。これらの切り欠き36は、導管壁35の周方向に配置された支持部(台座)39のベース38に配置され、導電性器具34はこの支持部39内に配置され、セグメント部材40上の接触範囲41は、導管壁35を通り抜けて導管壁35の内側43に接触面42と共に配置されている。
【0031】
セグメント部材40はおよびその接続面44は、その上に接地線45が一体に配置され、導管壁35の外表面46に沿って延びている。
【0032】
図2〜図5を参照して説明したように、導電性器具34も導管壁35に2Kテクノロジーを利用して形成されるため、導管壁35は第1のステップで製造され、導電性器具34は次の第2のステップで導管壁35内に射出される。
【0033】
図9〜図11は、導電性器具47が導管壁49の内側48に配置された他の実施形態を示す。この目的を達成するために、導管壁49の内側48において環状に延びる凹部50が配置され、導電性器具47のセグメント部材51は、この凹部50内において、セグメント部材51の接触面52が内側48上に位置づけられ、接続面53が導管壁49内に形成された凹部50の底部55に配置されるように配置されている。
【0034】
図10および図11に特に明確に示されているように、接地線54は、接続面53に一体となって接続され、導管壁49を通過して外部に至るように構成されている。
【0035】
上述のように、導管壁49内の導電性器具47の構成および配置は、2Kテクノロジーに基づいて具体化される。
【0036】
図12〜図14には、導管壁58の壁の一部を形成するセグメント部材57を有する導電性器具56が示されている。導管壁58は導管壁58内において溝孔状の切り欠きの支持部59を有していて、セグメント部材57がこの支持部59を埋めている。このように、導管壁58の内側61上のセグメント部材57の接触面60およびセグメント部材57の接続面62は、導管壁58の外側63の一部を形成している。
【0037】
図15〜図18において、導管壁66の環状の壁の一部として構成されたセグメント部材65を有する導電性器具64が示されている。この導電性器具64の特別な設計によって、様々な製造方法を用いてこの設計に応じて用意される取付部品ハウジングを製造することができる。
【0038】
図15〜図17に示すように、導電性器具64は2Kテクノロジーを利用して射出成形機で製造される。第1のステップにおいて、取付部品ハウジング68の第1のハウジング部67が製造され、続いて第2のステップにおいて、当該第1のハウジング部67と一体に取付部品ハウジング68の第2のハウジング部として導電性器具64を成形する。
【0039】
あるいは、図18に示すように、まず取付部品ハウジング71の2つのハウジング部69,70を製造し、次に、溶接工程において導電性器具64と両ハウジング部69,70との間を同一材料によって接続するために、導電性器具64を両ハウジング部69,70の間において同軸上に配置することも可能である。
【0040】
さらなる実施形態として、図19は、溶接接続によって同一材料による取付部品ハウジング73との接続が可能な導電性器具72を示す。図19は、取付部品ハウジング73の後部の接続端86に溶接される直前の導電性器具72を示す。導電性器具72と取付部品ハウジング73とが同一材料となるように接続された後に、導電性器具72は図1に示す内側容器2の排出口12との接続に用いられる溶接フランジを形成する。導電性器具72は、取付部品ハウジング73の縦軸37に対向する接触面74および外側接続面75を有する環状のセグメント部材76を備え、接地線77はこの外側接続面75上においてセグメント部材76の一体化した外延として構成されている。
【0041】
図20〜図22には、接地線79の軸方向範囲として構成された流れ偏向体80を有する導電性器具78が示されていて、流れ偏向体80は、取付部品ハウジング81の導管壁85の流れの横断面内において取付部品ハウジング81のフロー軸37に対して横方向に配置されている。流れ偏向体80は、内部に液体が収容された内側容器2(図2参照)に栓が取り付けられたときに流れ偏向体80の接触面82上に本質的に薄板状の液体の流れが形成されるのが好ましい流れ形状を有している。
【0042】
図20〜図22に示す取付部品ハウジング81は、導電性器具78とともに2Kテクノロジーによって製造されるのが好ましく、軸受カラー83が接地線79と流れ偏向体80との間の遷移領域(transition area)内の導電性器具78上に一体化して構成されている。上記軸受カラー83は、導管壁85内の嵌合凹部84にポジティブロック方式で固定されて、導電性器具78を軸方向に静止させ、取付部品ハウジング81および導管壁85上に安全に配置することを保証する。
【符号の説明】
【0043】
1 貯蔵用容器
2 内側容器
9 注入口
12 排出口
13 タップ取付部品
14 外殻
17 サブフレーム
18,68,71,73,81 取付部品ハウジング
25,34,47,56,64,72,78 導電性器具
26,40,57,65 セグメント部材
27,45,54,77,79 接地線
28,35,49,58,85 導管壁
29 導管壁の内側
30 セグメント部材の接触面
31,44,53 接続面
41 接触範囲
42 接触面
46 導管壁の外側
50 凹部
55 底部
69,70 ハウジング部
80 流れ偏向体
86 接続端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用のプラスチック容器、特に移送用および貯蔵用容器(1)の内側容器(2)の排出口(12)に接続されるプラスチック製の取付部品ハウジング(18,68,71,73,81)を備えるタップ取付部品であって、
上記取付部品ハウジングは、少なくとも一部が導電性プラスチックで構成され、帯電した電荷を逃がす導電性器具(25,34,47,56,64,72,78)を有し、
上記導電性器具は、当該導電性器具と一体に構成され、当該導電性器具を接地電位に電気的に接続する接地線(27,45,54,77,79)を有し、さらに上記取付部品ハウジング(18,68,71,73,81)にも一体に接続されていることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項2】
請求項1記載のタップ取付部品において、
上記導電性器具(25)のセグメント部材(26)は、取付部品ハウジング(18)内の流路の形を決める導管壁(28)の壁の一部を形成し、
上記セグメント部材(26)の接触面(30)は、上記導管壁(28)の内側(29)上に露出するように配置され、
上記セグメント部材(26)は、接続面(31)を有する上記導管壁(28)の外表面と一体となって配置され、
上記接地線(27)は、同一材料からなる結合でセグメント部材(26)に接続されていることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項3】
請求項2記載のタップ取付部品において、
上記導電性器具(34)は、接続面(44)が導管壁の外側(46)に配置され、接触範囲(41)が環状に配置されて導管壁を貫通する接触面(42)を形成するように導管壁(35)に配置された環状のセグメント部材(40)を有することを特徴とするタップ取付部品。
【請求項4】
請求項2記載のタップ取付部品において、
上記導電性器具(47)は、接続面(53)が上記導管壁(49)の環状の凹部(50)の底部(55)に配置され且つ接地線(54)が導管壁(49)を通って外部に通じるように、当該凹部(50)に配置された環状のセグメント部材を有することを特徴とするタップ取付部品。
【請求項5】
請求項2記載のタップ取付部品において、
上記導電性器具(56,54)は、そのセグメント部材(57,65)を用いて導管壁(58,56)の壁の一部を形成することを特徴とするタップ取付部品。
【請求項6】
請求項5記載のタップ取付部品において、
上記セグメント部材(65)は、環として構成されていることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項7】
請求項6記載のタップ取付部品において、
上記セグメント部材(65)は、上記取付部品ハウジング(71)のハウジング部(69,70)同士の間を結ぶ結合部材として構成されていることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項8】
請求項6記載のタップ取付部品において、
上記セグメント部材(65)は、上記取付部品ハウジング(73)の接続端(86)として構成され、当該接続端(86)と同一材料の外延であることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項9】
請求項8記載のタップ取付部品において、
上記外延は、上記取付部品ハウジング(73)の、上記内側容器(2)の上記排出口(12)への溶接接続用の接続フランジを形成することを特徴とするタップ取付部品。
【請求項10】
請求項1記載のタップ取付部品において、
導電性器具(78)は、接地線(79)の軸外延として構成された流れ偏向体(80)を備え、
上記流れ偏向体(80)は、流路内において当該流路の縦方向に対して垂直に配置され、導管壁(85)によって形成された流路の自由流れの横断面に全体が曝されることを特徴とするタップ取付部品。
【請求項11】
請求項10記載のタップ取付部品において、
流れ偏向体(80)は、流れ形状を有することを特徴とするタップ取付部品。
【請求項12】
閉鎖可能な注入口(9)、タップ取付部品(13)の接続のための排出口(12)、金属製の外殻(14)、および、スタッカートラック、スタッカークレーンまたは同種の輸送機械を使って移動可能なように構成されたサブフレーム(17)を有するプラスチック製の内側容器(2)を備える液体の輸送用および貯蔵用容器であって、
請求項1乃至11のいずれか1項記載のタップ取付部品が上記内側容器(2)の上記排出口(12)に接続されていることを特徴とする液体の輸送用および貯蔵用容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate