説明

液体クロマトグラフィーを用いたタンパク質分離精製装置

【課題】タンパク質分離精製ステップを3分割し、並列した3つのカラムごとにずらして精製ステップを繰り返し行うよう制御した装置により、連続注入を可能とする。
【解決手段】目的タンパク質のカラムへの吸着、非特異的吸着物等の洗浄、目的成分の溶出、カラム再生化(目的成分以外の吸着物の溶出を含む)、及び平衡化(イニシャライズ)の5つのステップにより構成されるタンパク質の精製プロセスを連続的に行うために3本のカラムを用いて並列プロセスを構築し、3本のカラムのうちの1本は、目的タンパク質のカラムへの吸着プロセスと、残りの2本のうち一本には、非特異的吸着物等の洗浄とそれに引き続く目的成分の溶出プロセスを、3本目のカラムには、カラム再生化とそれに引き続く平衡化のプロセスを行わせる過程を、時間ごとにプログラム化し、順次繰り返し上記5つのステップを行わせることを特徴とするタンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液中の物質の分離精製に関わる分野であって、液体クロマトグラフィーを用いて溶液中の物質を分離精製する装置に関するものである。特に、同一の液体クロマトグラフィーの3本のカラムを並列接続してなる分離精製装置であって、液体クロマトグラフィーへの試料の注入の操作を連続的に行うことを特徴とする、液体クロマトグラフィーによるタンパク質の分離精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィーは取り扱いの容易さ、広範な分析対象、高い分離効率など、優れた性能を有することから、溶液中の物質の分離精製において有力な手段となっている。特に、近年のタンパク質医薬品の市場の広がりに伴い、大腸菌などの宿主細胞で発現させた組み換えタンパク質などの精製に広く利用されている。
タンパク質の分離精製の際に主に用いられる液体クロマトグラフィーによる分離は、いわゆる、回分(バッチ)式の分離である。ここで、回分式とは、一つの充填カラムを使用し、カラムの平衡、カラムへのサンプルの注入、カラムからの目的物の溶出、及びカラムの再生と洗浄からなる操作により、クロマトグラフィーの操作が完結した後、次の分離(バッチ)の工程が行われることを示している。従って、多量の試料を液体クロマトグラフィーで分離精製する場合においては、試料に合わせて巨大な分離カラムを用いる、もしくは、試料をいくつかに分割して、液体クロマトグラフィーの操作を繰り返して行うか、もしくはその組み合わせを行うなどがおこなわれるが、試料を連続的に注入して分離精製を行うこと、すなわち、連続操作を行うことが困難となっている。一方、抗体医薬品などに代表されるように、タンパク質を医薬品として利用することが広く行われるようになり、大量のタンパク質の製造において、培養細胞などで発現生産されたタンパク質の分離精製の効率化が望まれている。医薬品などに用いられるタンパク質においては高純度の標品が求められるために、複数の液体クロマトグラフィーによる分離精製が求められている。上記のように、液体クロマトグラフィーによるタンパク質分離においては、回分式が用いられるため、製造プロセス全体を連続的に作動させることが困難であり、このことが、医薬品タンパク質製造における効率化が進まない一つの要因となっている。
【0003】
液体クロマトグラフィーの分野において、分離度を高めるために、複数本のカラムを無端円状に連結し、移動相の流れ方向に供給口、抜取口を切り替えていき、擬似的に固定相を移動相の流れに対して逆方向に移動させ目的成分を連続的に分離するシステム(擬似移動床法:Simulated Moving Bed(SMB)法)が、開発され利用されている(特許文献1、2参照)。この方法においては、多数本のカラムを直列に接続し、各液タンクとカラムとの接続配管の途中にロータリーバルブ等を配したシステムとなっている。ロータリーバルブを一定時間(ピリオドタイム)毎に同時に次々と切り替えていき、各液の仕込み口、取り出し口をひとつずつ左へ順次移動させることにより行う。この方法の特徴は、2つ以上の成分を含む溶液から各成分の移動速度の差に応じて2つの画分に分離するための分離に用いられ、8〜16の分離床から構成され、優れたプロセス原理に基づき高い分離精度と効率を得ることが出来ますが、設備構成及び制御が複雑になり建設コストが高価となる。
近年、医薬品タンパク質の精製分離には、タンパク質リガンドを固定化したアフィニティカラムを用いたアフィニティクロマトグラフィーが広く用いられる。アフィニティクロマトグラフィーを用いることにより、特定のタンパク質だけを選択的に精製できるため、分離性の悪い2つの成分を分離する目的で開発されたSMB法を適用してわざわざ複雑な分離システムを組む必要性が無いとのことで、SMB法の適用はあまり行われていない。
一方、液体クロマトグラフィーを用いた分析においては、繰り返し測定の場合があり、その煩雑さと総分析時間を短縮することなどの目的で、複数のカラムを並列することにより、分析の連続化を実現する装置の開発が行われている(特表2008−539395号公報、特表2004−533919号公報)。並列カラムを用いた測定においては、1本のカラムにおいて分離分析を行い、その時間内に並列化したその他のカラムにおいては、カラムの洗浄、平衡化などの操作を行わせている。しかしながら、このような分析を目的とした液体クロマトグラフィー装置においては、サンプルの導入は間歇的であり、連続的にサンプルを導入し、精製分離を行う目的には転用できない、もしくは、サンプルの導入を連続的に行う場合は、カラムを多数用い、サンプル導入と導入の間歇時間(待ち時間)を事実上ゼロにする必要があり、装置としては非常に複雑にしなければならないという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−539395号公報
【特許文献2】特表2004−533919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抗体医薬品をはじめとして、タンパク質医薬品の利用が拡大するにつれ、バッチプロセスの非効率性が考えられ、連続プロセスへ転換することにより、プロセスの効率化が図れるようになるものと考えられる。特に、多量の試料を処理する場合、できるだけ少量の分離担体を用いて、且つ、多量に試料を連続的に処理することが望まれる。一方、SMBを代表とするこれまでの連続プロセスを可能とするクロマトグラフィーにおいては、その操作性、制御等が複雑である。
このような現況において、本発明者らは、選択性の良いアフィニティクロマトグラフィーを用いることにより、簡便に連続化を達成できる装置の開発が可能であると考えるに至った。すなわち、選択制の良いアフィニティクロマトグラフィーを用いた場合、タンパク質試料の吸着後の、洗浄と溶出に要する時間、すなわち分離時間を、選択制の悪い分離カラムに比べて著しく短縮できること、また、このことにより、1本目のカラムにおいてタンパク質試料の吸着が飽和するに要する時間内に、2本目のカラムにおいて洗浄および分離を完了できること、また、3本目のカラムにおいてカラム、再生および初期平衡化が完了できることになり、この3本のカラムの役割を循環的に変えることにより、タンパク質試料を、連続的に注入し続けることができる。
上記の発想の元に、鋭意検討の結果、3本のアフィニティカラムを並列的に使用し、分離しようとするタンパク質成分を含む溶液を連続的に処理することを可能とする連続注入分離システムを発案するに至った。このような並列化は、単純に3台の液体クロマトグラフィー装置を用いて、構成図1に示されるように、タンパク質注入を選択バルブなどで切り替えることにより達成できるものと考えられる(構成図1)が、このような流路系においては、すべての送液ポンプにタンパク質試料に通液されることになり、異なった種類のタンパク質を取り扱う場合、すべての流路についてタンパク質試料による汚れを取り去ることが(CIPと称される操作)が必要となる。これに対して、本発明者らは、構成図2のような流路系を考案し、3つのポンプそれぞれが送液する溶液を特定化することを考案した(構成図2)。このことにより、タンパク質試料に由来する流路が特定できるとともに、汚染対策が軽減できる。この発案に基づき、分離精製装置を作製し、その動作確認を確認することにより、連続プロセスが達成されることを示し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アフィニティカラムクロマトグラフィーもしくは段階的に吸着・溶出を行うクロマトグラフィーに限定することにより、カラムクロマトグラフィーのプロセスを複数の段階に分けることができる。一つのカラムを用いた場合、クロマトグラフィーのステップは、(i)サンプルアプライ(目的タンパク質のカラムへの吸着)、(ii)非特異的吸着物等の洗浄、(iii)目的成分の溶出、(iv)カラム再生化(目的成分以外の吸着物の溶出を含む)、(v)平衡化(イニシャライズ)、の5つのステップに、分けられる。
今、カラムの吸着容量が大きい場合を考えると、注入するサンプル容量に比べて、カラムの平衡化、洗浄、目的成分の溶出、および再生化に用いる溶液の量を少なくすることができる。このことに着目し、同じ流速で通液を行ったとしても、サンプル注入に必要な時間内に、イニシャライズ(平衡化)、洗浄、溶出、再生の操作を組み合わせて行うことが可能となることを発想するに至った。
発明者らは、このことに着目し、クロマトグラフィーのステップ(タイム・ドメイン)を3つに分け、第1ドメインとして、(i)サンプルアプライ(目的タンパク質のカラムへの吸着)のステップ、第2ドメインとして、(ii)非特異的吸着物等の洗浄と(iii)目的成分の溶出のステップ、第3ドメインとして、(iv)カラム再生化と(v)平衡化のステップに分けることで、分離精製の対象となるサンプル溶液を連続的に装置内に注入し、クロマトグラフィーによる精製操作を自動的に且簡便に行うことができることを発案した。この発案により、同じサイズのアフィニティカラムを3本用いることにより、第1のカラムは、第1ドメインの操作を、第2のカラムは、第2ドメインを、第3のカラムは、第3ドメインを行わせ、タイムドメインが終了したら、送液バルブを切り替えることで、各カラムのドメインを、順次、1→2→3→・・・というように連続的に操作できることを考案した。この考案に従えば、連続的にサンプルを注入でき、第2ドメインの溶出ステップのところで間歇的に精製されたタンパク質が回収できることになり、連続注入精製分離システムが構築される。なお、本発明では、操作を単純化したことにより、精製されたタンパク質が連続的に得られるということではないが、精製プロセスにおいて、サンプル注入さえ連続的にできれば、連続工程を構築することは容易であり、間歇的に精製タンパク質を回収することには実際上の不利益は無いものと考えられる。
【0007】
本発明は、タンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置において、各種溶液リザーバーと、前記各種溶液リザーバーにバルブを介して並列に接続された同一の3本の分離カラムと、前記3本の分離カラムにバルブを介してそれぞれ並列に接続された廃液リザーバーおよび回収用容器と、前記バルブを制御する制御装置とを備えたタンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置において、液体クロマトグラフィー装置によるタンパク質の分離精製プロセスを、目的タンパク質のカラムへの吸着、非特異的吸着物等の洗浄、目的成分の溶出、カラム再生化、平衡化の5つのステップに分割し、前記5つのステップを、第1ドメインとして目的タンパク質のカラムへの吸着を、第2ドメインとして非特異的吸着物等の洗浄とそれに引き続く目的成分の溶出を、第3ドメインとしてカラム再生化とそれに引き続く平衡化を、各ドメインに割り振り、各ドメインに要する時間を同一に設定するとともに、前記制御装置は、3本の分離カラムのうちの1本には第1ドメインを、残りの2本の分離カラムのうちの1本には第2ドメインを、残りの3本目の分離カラムには第3ドメインを行わせ、かつ、各分離カラムには、第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインを順次繰り返し行わせるように前記バルブを制御し、目的タンパク質のカラムへの吸着のためのサンプル溶液の注入が3本の分離カラムのいずれかに1本に順次連続して行うようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上記タンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置において、上記各種溶液リザーバーは、上記5つのステップにそれぞれ使用される5つの溶液リザーバーR1,R2,R3,R4,R5からなり、上記バルブは、切り替えバルブSW1,SW2,SW3,SW4,SW5と、選択バルブSV1,SV2,SV3とからなり、R1は送液ポンプP1を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、スイッチバルブSW1によりR2とR3とを切り替えて、送液ポンプP2を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、スイッチバルブSW2によりR4とR5とを切り替えて、送液ポンプP3を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、選択バルブSV1,SV2,SV3の下流側には、それぞれ、上記3本の分離カラムC1,C2,C3が接続されており、各分離カラムC1,C2,C3の下流側には、それぞれスイッチバルブSW3,SW4,SW5を介して廃液リザーバーと回収用容器に切り替え可能に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
アフィニティカラムは高価であるため、精製スケールが大きくなった場合、カラムサイズを大きくするか、小さなバッチ精製を多数回繰り返して行う必要があるが、本発明の装置を使用することにより、用いるカラムのスケールダウンもしくは繰り返しバッチ精製における労力を大幅に減らすことができ、精製の精度を変えることなく低コスト化、省力化を達成することができる。さらに、タンパク質精製分離において、あらかじめ殺菌などの処理ができない唯一の溶液がタンパク質試料であり、そのため、タンパク質医薬品などのタンパク質精製においては、常にタンパク質溶液を通じた後の装置の洗浄が大きな負担となるが、本装置の場合、タンパク質試料が取り扱われる流路が明確であり、特に、3台の送液ポンプのうち、特定の1台のポンプのみがタンパク質溶液を送液するということで、いわゆるCIPが、単純な並列化もしくは複数の液体クロマトグラフィーを同時に稼働させた場合に比べてCIPの負担を軽減できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、単純に3台の液体クロマトグラフィー装置を利用して、連続化の達成を考えた場合の、流路図を示す。
【図2】図2は、本発明の流路図を示す。
【図3】図3は、図2に示した装置における、バルブ切り替えのタイムプログラムを 示すタイムチャート。
【図4】図4は、実験例1〜5における各種条件を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を構成する装置は、図2に示した流路図をもって示すことができる。
図において、C1,C2,C3は、それぞれ、分離カラムである。分離カラムC1,C2,C3の下流側には、それぞれスイッチバルブSW3,SW4,SW5が設けられ、スイッチバルブSW3,SW4,SW5は、各分離カラムから出てくる溶液を廃液リザーバー用容器に通液するか、回収用容器に通液するかを切り替える。R1,R2,R3,R4,R5は各種溶液リザーバーで、R1には第1ドメイン(ドメイン1)で使用するサンプル溶液が入っており、送液ポンプP1を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給される。R2には第2ドメイン(ドメイン2)で使用する洗浄用溶液が入っており、R3にはドメイン2で使用する溶出用溶液が入っており、スイッチバルブSW1によりR2とR3とを切り替えて、送液ポンプP2を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給される。R4には第3ドメイン(ドメイン3)で使用する再生用溶液が入っており、R5にはドメイン3で使用する平衡化用溶液が入っており、スイッチバルブSW2によりR4とR5とを切り替えて、送液ポンプP3を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給される。選択バルブSV1,SV2,SV3の下流側には、それぞれ、分離カラムC1,C2,C3が接続されており、選択バルブSV1,SV2,SV3は、分離カラムがどのドメインにあるかに応じて各ドメイン用の溶液を選択して各分離カラムに通液する。各スイッチバルブSW1,SW2,SW3,SW4,SW5、および、各選択バルブSV1,SV2,SV3は、図示しない制御装置によって、後述する図2に示されたタイムプログラムにしたがって動作制御される。
装置の連動においては、R1,R2,R3,R4およびR5で図示される各種溶液のリザーバーからのポンプ(P1,P2,P3)による送液をSV1,SV2およびSV3で示される選択バルブを用いて、C1,C2,C3で示される分離カラムにあらかじめプログラムしたように選択して通液すること、さらに、分離された精製タンパク質は、SW1,SW2,SW3,SW4,SW5のスイッチバルブで、回収したいときだけ回収用の容器に送ることにより、間歇的に回収される。なお、ドメイン2とドメイン3においては、複数の溶液を切り替えて送液することからその切り替えのために、SW1とSW2で示したスイッチバルブを用いることで、あらかじめプログラムすることにより、選択して通液できる。なお、回収が正常に行われているかをモニターするために、回収ラインの途中に紫外線モニター(UVモニター)を付けることにより、クロマトグラフィーのモニタリングを行うことができる。ポンプのオン、オフ、流速やバルブの切り替えなどは、あらかじめコンピュータ等でプログラムしておくことにより制御できる。従って、本装置を用いることにより、サンプルの送液を開始した後は、サンプルが尽きるまで、連続的に作動し、完全自動化により、タンパク質の精製を行うことができる。
【0011】
本発明のクロマトグラフィー装置の最少構成としては、図2に示されるように、5つの溶液リザーバー(R1,R2,R3,R4,R5で示す)、3つの同じ性能の送液ポンプ(P1,P2,P3で示す)、3つの同じ分離カラム(C1,C2,C3で示す)、5つのスイッチバルブ(SW1,SW2,SW3,SW4,SW5で示す)、3つの選択バルブ(SV1,SV2,SV3で示す)、廃液リザーバー、回収用容器、および、それらをつなぐ配管で構成される。なお、タンパク質の回収状況をモニターするためのUVモニターは、できる限り装備した方が良いが、必須ではない。図中十字で示されたコネクタは、そこで配管がつながっていることを示すが、コネクタとしては、逆流を防ぐ機能を有するものが望ましい。本装置の動作は、あらかじめプログラムされたバルブの切り替え(一定時間ごとに切り替えられる)により、自動的に行われる。プログラムに必要なパラメータは、非常に単純であり、スイッチバルブSW1,SW2,SW3,SW4,SW5においては、一定時間ごとにシグナルを出し流路を図の1側もしくは2側に切り替えることを、プログラムすれば良く、選択バルブSV1,SV2,SV3においては、一定時間ごとに、それぞれ、3つある流路のうち、1側、2側、もしくは3側のいずれかを選択することを、プログラムすれば良い。バルブとしては、ロータリーバルブやソレノイドバルブなど流路を制御して切り替えることができるものであればどのようなタイプでも使用することができる。
【0012】
図3には、SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SV1,SV2,SV3の切り替えのタイムプログラムを示している。3本の分離カラム(C1,C2,C3)のうち、ある一つのカラム、例えば、C1カラムについて考えると、n回目の精製サイクルとして、時間tn0においてドメイン1の操作が行われ、SV1バルブは、1側が選択され、SW3は1側に選択される、時間tn1において、SV1バルブが1側に、SW1バルブが1側に、SW3バルブは、1側に選択されるというように、それぞれのバルブ位置が選択され、ドメイン2の操作が開始される。このドメイン2においては、時間tn11に、SW1バルブが2側に切り変えられ、溶出のための溶媒が流される。その後、時間tn12に、SW3バルブが1側に切り替えられ、カラムから溶出されるタンパク質が回収されるようになる。タンパク質の溶出・回収を完了する時間すなわち、時間tn13にSW3バルブが、1側に切り替えられ、回収が終了する。その後、時間tn2において、SV1バルブが3側に、SW2バルブが1側に、SW3バルブは、1側に選択されるというように、それぞれのバルブ位置が選択され、ドメイン3の操作が開始される。ドメイン3において、時間tn21にSW2バルブが、2側に切り替えられ、その状態が時間tn3まで続き、ドメイン1から続いたすべての操作が完了し、次の精製サイクル(n+1回目のサイクル)に移る。カラムC2及びC3についても、ドメインのフェーズがそれぞれずれるだけで、同等のバルブ選択操作による精製サイクルが実施される。
【0013】
このタイムプログラムにおいて必要なパラメータとしては、いくつかのパラメータを設定する必要がある。ドメイン1からドメイン3までの操作を一つのサイクルとした時に、必要なサイクルの数、N、を設定する。ドメイン1、ドメイン2、ドメイン3それぞれの操作時間は同一にする必要があることから、各ドメインの操作単位時間、Δt(=tn1−tn0,=tn2−tn1,=tn3−tn2)を等しく設定する。ドメイン2及びドメイン3においては、SW1もしくはSW2を用いて、途中で送液する溶液を切り替えることから、切り替えるまでの時間、Δta(=tn01−tn0=tn11−tn1=tn21−tn2)、を設定する。ドメイン2においては、SW3,SW4もしくはSW5を用いて、カラムから出てくる溶液を回収するかもしくは廃液にするかの切り替えを行う必要があるが、タンパク質の溶出のための送液を開始するためにSW1のバルブの位置を図1の右側のラインに切り替えてから、目的のタンパク質がカラムから溶出してくるまでの時間に差があることから回収開始までの待ち時間として、Δtb(=tn02−tn01=tn12−tn11=tn22−tn21)、を設定して、この時間後にSW3,SW4もしくはSW5を図1の右側に切り替える。次に、目的のタンパク質がカラムから溶出し始めて、溶出が終わると同時に回収を終了するために、SW3,SW4もしくはSW5を図1の左側に切り替える。回収に要する時間、Δtc(=tn03−tn02=tn13−tn12=tn23−tn22)、を設定して、この時間後に、SW3,SW4もしくはSW5を図1の左側に切り替える。
このようにして、パラメータとして、N,Δt,Δta,Δtb及びΔtcをそれぞれ設定することにより、図1に示した各種バルブの操作を自動的に行わせるプログラムを作成することができ、作成したプログラムを実行することにより、連続注入を特徴とする本装置を用いたクロマトグラフィーを実施することができる。
【0014】
本発明の効果の特徴としては、たった3本の同一の分離カラムを用いることで、そのカラムの耐久性が許す限りどのような容量のサンプルでも連続的に処理できることである。また、その処理時間は、カラムのサイズによらず、単位時間に本装置に送液する速度、すなわち、流速によって決められることにある。例えば、短時間の接触時間においても、結合特性が高い分離担体を用いることにより、1サイクルに必要な時間、3×Δt、を短く設定でき、大量の溶液を非常に少量の分離担体で、処理することが可能となる。特に、タンパク質をリガンドとするアフィニティカラムは高価であるため、精製スケールが大きくなった場合、カラムサイズを大きくするか、小さなバッチ精製を多数回繰り返して行う必要があるが、本発明の装置を使用することにより、用いるカラムのスケールダウンもしくは繰り返しバッチ精製における労力を大幅に減らすことができ、精製の精度を変えることなく低コスト化、省力化を達成に貢献することができる。また、担体の寿命を考慮することにより、サイクル数を設計することも可能となり、小容量のカラムを使い捨て使用することも可能となり、異なるロットのタンパク質標品もしくは異なるタンパク質への利用の際に生ずるクロス・コンタミネーションやそれを防ぐための、精製バッチごとのカラムの洗浄(CIP操作)という操作を避けることも可能となる。特に、近年の抗体医薬品製造においては、数万リッター規模の培養上精を処理することが行われ、巨大な分離カラムの利用が行われているが、本発明の装置を用いることにより、精製の精度を変えることなく、少なくとも100倍のスケールダウンを図ることも可能になるだけでなく、精製操作の自動化・省力化も可能になる。
なお、本発明の説明においては、アフィニティクロマトグラフィーの操作について主に説明したが、本装置の利用は、その原理からいって、アフィニティクロマトグラフィーに限定されるものではなく、1本目のカラムにおいてタンパク質試料の吸着が飽和するに要する時間内に、2本目のカラムにおいて洗浄および分離を完了できること、また、3本目のカラムにおいてカラム再生および初期平衡化が完了できることの条件が設定できる場合において、吸着・溶出を行わせることができる担体を活用したクロマトグラフィー、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーにも適用できることは、明らかである。
【実施例】
【0015】
図2の流路図で表される連続注入クロマトグラフィー装置の構成を満たす本装置の一実施例として、必要な部品は、市販のものを用いて作製した。本装置を構成する部品としては、送液ポンプ送液ポンプP1,P2,P3は、フロム社製SP−12−13を用い、選択バルブSV1,SV2,SV3およびスイッチバルブSW1,SW2は、フロム社製ロータリーバルブ401−249型を用い、スイッチバルブSW3,SW4,SW5は、TAKASAGO ELECTRIC,Inc.製のMTV−3−NM6NAを用い、分離カラムC1,C2,C3は、3つとも同じものを用いるが分離する対象ごとに(精製しようとするタンパク質に応じて)選択したものを用い、UVモニターとしては、GE Healthcare製のUV−MIIを用い、溶液リザーバーR1,R2,R3,R4,R5としては、通常のガラスビーカーを用い、各装置をつなぐ配管は、通常の耐圧チューブを用い、各バルブ操作に対して、選択もしくは切り替え信号を伝え作動させるための制御装置としては、Panasonic製のFP−X C60を用いて作製した。
作製した装置の動作確認は、以下に記載するように、実際に精製タンパク質PAA3T、精製タンパク質RRRRG、精製タンパク質ヒトポリクローナル抗体を精製して、バッチプロセスによる精製データと比較することにより正常に作動するか否かの判定を行い、正常に作動するという結果を得た。
【0016】
(精製タンパク質PAA3Tのニッケルキレートカラム用いた連続注入精製実験)
アフィニティ担体としてヒスタグタンパク質の精製に広く用いられるニッケルキレートカラム(GEヘルスケア社製のHisTrap HP、カラムサイズ5mL)を用いた。ヒスタグタンパク質としては、本発明者らが既に開発している、抗体結合能を有するタンパク質(以下「PAA3T」と称する、特開2008−115151に記載のプラスミドpAA3Tにコードされている組み換えタンパク質)の高度精製標品を用いた。タンパク質は、0.05MのNaClおよび5mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解したものを用いた。注入するタンパク質試料としては、タンパク質濃度、総注入タンパク質量、総注入タンパク質溶液量を図4に示すように設定し、各種条件において、回収されるタンパク質の量、すなわち、回収率を測定した。
本発明においては、3つの並列したカラムを用いているが、それぞれを、A,B,Cカラムとしたとき、Aカラムが第1ドメインにあるとき、Bカラムは第2ドメイン、Cカラムは、第3ドメインにある。各ドメインの時間(Δt)は、それぞれ、10分間であり、その時間がすぎると、溶媒スイッチなどにより次のドメインに移行する。本精製実験における第1ドメインにおけるタンパク質サンプルの注入料は、それぞれ20mLとし、流速2mL/minで注入を行った。すなわち、タンパク質サンプルの送液を10分間行い、溶媒スイッチにより第2ドメインの操作に移った。
第2ドメインは、2つのステップ、洗浄と溶出より構成される、洗浄には、0.5MのNaClおよび20mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用い、流速2mL/minで10mLの送液を行った。次に、溶媒を切り替えることにより、0.5MのNaClおよび250mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用い、流速2mL/minで10mLの送液(5分間)を行い、溶出されるタンパク質を280nmの吸収でモニターすることにより、吸光度が0.01になった時点より、90秒間溶出されるタンパク質溶液を回収した(3mLを回収)。なお、第2ドメインにあるカラムからの出てくる溶液の280nmの吸収を常にモニターしている。その後、溶媒スイッチにより、第3ドメインの操作に移った。
第3ドメインは、再生と再平衡化より構成される。再生には、0.5MのNaClおよび500mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用い、流速2mL/minで10mLの送液(5分間)を行った。次に、0.05MのNaClおよび5mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用い、流速2mL/minで10mLの送液(5分間)を行うことにより、再平衡化を行った。
これで、サイクルが1回終了したことになり、次に、溶媒スイッチにより、第1ドメインに移り、次のステップに移った。この繰り返しを、注入する試料溶液が尽きるまで行い、回収されたタンパク質を測定した。その結果が図4にまとめられている。図4に示されるように、各種条件でも90%以上の回収率でアフィニティ精製工程を作動できることが確認された。
【0017】
(大腸菌内で発現させたヒスタグタンパク質RRRRGのニッケルキレートカラム用いた連続注入精製実験)
上記「(精製タンパク質PAA3Tのニッケルキレートカラム用いた連続注入精製実験)」と同様の操作を、大腸菌で発現させたヒスタグタンパク質を用いて行った。ヒスタグタンパク質としては、既に本発明者らが発明し、抗体結合能を有するタンパク質(以下「RRRRG」と称する、特開2008−115151に記載のプラスミドpAA−RRRGにコードされている組み換えタンパク質)を用いた。
組換えプラスミドpAA−RRRGを形質転換した大腸菌JM109株を、2リッターの培地(20gの塩化ナトリウム、20gの酵母エキス、32gのトリプトン、100mgのアンピシリンナトリウムを含んでいる)で、35℃で一晩培養した。その後、培養液を20分間低速遠心(毎分5,000回転)することにより、湿重量約5gの菌体を得た。これを、20mLの10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、フレンチプレス装置により菌体を破砕した後、20分間高速遠心(毎分20,000回転)することにより、上清を分離した。得られた上清にストレプトマイシン硫酸を最終濃度が2%になるように加え20分間撹拌後、20分間高速遠心(毎分20,000回転)することにより、上清を分離した。この後、硫酸アンモニウム処理を行い、得られた上清を、0.05MのNaClおよび5mMイミダゾールを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)溶液を加え、全量を1100mLとした。このうち、960mLを上記実験例「(精製タンパク質PAA3Tのニッケルキレートカラム用いた連続注入精製実験)」と全く同様にして連続注入精製実験を行ったところ、86mgの精製タンパク質(RRRRGタンパク質)がほぼ均一の状態で得られた。
対照実験として、全量1100mLの試料液のうち20mLを用いて、単一カラムでの精製を行った。単一カラムでの精製は、上記実験例「(精製タンパク質PAA3Tのニッケルキレートカラム用いた連続注入精製実験)」の第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインでの条件を用いて行った。単一カラムでの精製を別々に3回行った、ところ、毎回約1.7mgの精製タンパク質が得られた。
連続注入精製実験では、960mLの試料液を用いて86mgの精製タンパク質(すなわち、0.089mg/mL試料液)が回収され、単一カラム実験では、3回の実験で60mLの試料液から、5.1mgの精製タンパク質(すなわち、0.085mg/mL試料液)が回収され、連続注入精製を行っても回収量において単一カラムと同等もしくはそれよりも良い結果が得られた。
【0018】
(市販ヒトポリクローナル抗体精製タンパク質のプロテインAアフィニティカラム用いた連続注入精製実験)
アフィニティ担体としてヒト抗体の精製に広く用いられるプロテインAアフィニティ担体(GEヘルスケア社製のMabSelect Sure担体、Tricron10/20カラム(id=1cm)に1mLを充填)を用いた。抗体タンパク質としては、市販の人ポリクローナル抗体(シグマ社より購入、IgG from Hurman Serum,Technical Grade)を用いた。抗体タンパク質は、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、濃度を0.2mg/mLに調製したものを用いた。
本精製実験において、3つ各ドメインの時間(Δt)は、それぞれ、37.5分間であり、その時間がすぎると、溶媒スイッチなどにより次のドメインに移行する。本精製実験における第1ドメインにおけるタンパク質サンプルの注入料は、それぞれ15mLとし、流速0.4mL/minで注入を行った。すなわち、タンパク質サンプルの送液を37.5分間行い、溶媒スイッチにより第2ドメインの操作に移った。
第2ドメインは、2つのステップ、洗浄と溶出より構成される、洗浄には、0.25Mのアルギニン塩酸塩、0.75MのNaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用い、流速0.4mL/minで10mL(25分間)の送液を行った。次に、溶媒を切り替えることにより、1.0Mのアルギニン酢酸緩衝液(pH3.5)を用い、流速0.4mL/minで5mLの送液(12.5分間)を行い、溶出されるタンパク質を280nmの吸収でモニターすることにより、吸光度が0.01になった時点より、7分間溶出されるタンパク質溶液を回収した(2.1mLを回収)。なお、第2ドメインにあるカラムからの出てくる溶液の280nmの吸収を常にモニターしている。その後、溶媒スイッチにより、第3ドメインの操作に移った。
第3ドメインは、再生と再平衡化より構成される。再生には、0.1Mのグリシン緩衝液(pH2.5)を用い、流速0.4mL/minで5mLの送液(12.5分間)を行った。次に、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用い、流速0.4mL/minで10mLの送液(25分間)を行うことにより、再平衡化を行った。
これで、サイクルが1回終了したことになり、次に、溶媒スイッチにより、第1ドメインに移り、次のステップに移った。この繰り返しを、注入する試料溶液が尽きるまで行い、回収されたタンパク質を測定した。79mgの人ポリクローナル抗体がpH3.5での溶出画分に回収された。投入したタンパク質の全量が、90mgであることから、回収率が約88%と求められた。単一カラムを用いた精製実験においても、回収率は、85から90%の値が得られており、連続注入することにより回収率に減少は認められなかった。
このように、タンパク質と担体の組み合わせを変えても、連続注入クロマトグラフィーが有効に機能することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0019】
上記精製実験では、ニッケルキレートカラムとヒスタグタンパク質の組み合わせ、及びプロテインAカラムとヒト抗体との組み合わせについて精製実験を行ったが、他の精製用カラムと各種タンパク質の組み合わせにも適用できるものである。
特に、クロマトグラフィーを用いたバッチプロセスを、連続プロセスに転換することができ、製造工程の革新につながる技術を提供する。
【符号の説明】
【0020】
C1〜C3 分離カラム
P1〜P3 送液ポンプ
R1〜R5 溶液リザーバー
SV1〜SV3 選択バルブ
SW1〜SW5 スイッチバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種溶液リザーバーと、前記各種溶液リザーバーにバルブを介して並列に接続された同一の3本の分離カラムと、前記3本の分離カラムにバルブを介してそれぞれ並列に接続され廃液リザーバーおよび回収用容器と、前記バルブを制御する制御装置とを備えたタンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置において、
液体クロマトグラフィー装置によるタンパク質の分離精製プロセスを、目的タンパク質のカラムへの吸着、非特異的吸着物等の洗浄、目的成分の溶出、カラム再生化、平衡化の5つのステップに分割し、前記5つのステップを、第1ドメインとして目的タンパク質のカラムへの吸着を、第2ドメインとして非特異的吸着物等の洗浄とそれに引き続く目的成分の溶出を、第3ドメインとしてカラム再生化とそれに引き続く平衡化を、各ドメインに割り振り、各ドメインに要する時間を同一に設定するとともに、前記制御装置は、3本の分離カラムのうちの1本には第1ドメインを、残りの2本の分離カラムうちの1本には第2ドメインを、残りの3本目の分離カラムには第3ドメインを行わせ、かつ、各分離カラムには、第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインを順次繰り返し行わせるように前記バルブを制御し、目的タンパク質のカラムへの吸着のためのサンプル溶液の注入が3本の分離カラムのいずれかに1本に順次連続して行うようにしたことを特徴とするタンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置。
【請求項2】
前記各種溶液リザーバーは、前記5つのステップにそれぞれ使用される5つの溶液リザーバーR1,R2,R3,R4,R5からなり、前記バルブは、切り替えバルブSW1,SW2,SW3,SW4,SW5と、選択バルブSV1,SV2,SV3とからなり、R1は送液ポンプP1を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、スイッチバルブSW1によりR2とR3とを切り替えて、送液ポンプP2を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、スイッチバルブSW2によりR4とR5とを切り替えて、送液ポンプP3を介して選択バルブSV1,SV2,SV3に供給接続され、選択バルブSV1,SV2,SV3の下流側には、それぞれ、前記3本の分離カラムC1,C2,C3が接続されており、各分離カラムC1,C2,C3の下流側には、それぞれスイッチバルブSW3,SW4,SW5を介して廃液リザーバーと回収用容器に切り替え可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分離精製用液体クロマトグラフィー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−271300(P2010−271300A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15416(P2010−15416)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「新機能抗体創製技術開発/高効率な抗体分離精製技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)