説明

液体クロマトグラフィーシステムで、グラジエントを最適化する方法

液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法が開示されている。液体クロマトグラフィーカラムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定できる液体クロマトグラフィー(LC)システムも開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法を対象とする。本発明は、液体クロマトグラフィーカラムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定することができる液体クロマトグラフィー(LC)システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]液体クロマトグラフィーシステムにおいて、成分分離を最適化するための多くの方法が、当技術分野において開示されている。たとえば、P.Jandera、Journal of Chromatography A、1126、195−218(2006年)、およびP.Jandera、Journal of Chromatography A、797、11−22(1998年)を参照されたい。さらに、これに限定されるものではないが、DRYLAB(登録商標)ソフトウェア(Rheodyne、Rohnert Park、カリフォルニア州)、CHROMDREAM(登録商標)ソフトウェア(Iris Technologies、Lawrence、カンザス州)、CHROMSWORD(登録商標)ソフトウェア(Iris Technologies、Lawrence、カンザス州),およびELUEX(商標)ソフトウェア(CompuDrug Chemistry Ltd.(ブダペスト、ハンガリー)を含む市販されている最適化ソフトウェアパッケージが多数ある。これらのシステムまたはパッケージは、完全には自動化されておらず、液体クロマトグラフィーシステムにおいて、正確で、効率的で、予測可能で迅速なフラクション捕集を提供していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】P.Jandera、Journal of Chromatography A、1126、195−218(2006年)
【非特許文献2】P.Jandera、Journal of Chromatography A、797、11−22(1998年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0003]当技術分野において、液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法が必要とされている。さらに、当技術分野において、液体クロマトグラフィーカラムで成分の分離をするために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定することができる液体クロマトグラフィー(LC)システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本発明は、液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法を対象とする。1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値には、これに限定されるものではないが、開始グラジエント溶媒体積濃度値、終了グラジエント溶媒体積濃度値、グラジエント持続期間の長さ、およびこれらの組み合わせが含まれてもよい。所定の液体クロマトグラフィー(LC)システムで、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値の使用によって、1つまたは複数の可能性のある利益が提供されてもよい。可能性のある利益は、これに限定されるものではないが、最短周期での成分の分離、より少ない溶媒の使用による成分の分離、より良好な成分の分離、所定の液体クロマトグラフィー(LC)システムの生産性の向上、分離のためのコスト削減、およびこれらの組み合わせを含む。
【0006】
[0005]1つの例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定する工程であって、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる工程;並びに最適な容量比値koptと組み合わせて推定された容量比、を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程と、を含む。
【0007】
[0006]溶媒体積濃度は、0.1%三フッ素酸を含むアセトニトリル、水性緩衝液などのマルチ成分溶媒の組み合わせを指してもよい。第1の溶媒体積濃度に使用される溶媒は、第2の溶媒体積濃度に使用される溶媒と同じである必要は無く、たとえば第1の溶媒体積濃度にヘキサン/酢酸エチルが使用され、第2の溶媒体積濃度にクロロホルム/メタノールが使用されてもよい。いかなる保持データが利用されてもよく、これに限定されるものではないが、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、疑似移動層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動クロマトグラフィー等のなどの技法のいかなるコモンモードの保持データを含んでもよい。これらの技法のコモンモードは、イオン交換、逆相、順相、親和性、サイズ排除、電子移動度およびその他を含む。さらに、これに限定されるものではないが、上述した方法を含む、いかなる液体クロマトグラフィー方法が、本発明の成分分離に利用されてもよい。
【0008】
[0007]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;および最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程を含む。
【0009】
[0008]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、クロマトグラフィー保持データを使用して2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;および開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量を演算する工程を含む。
【0010】
[0009]1つの例示的な実施形態では、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用する工程を含み、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0011】
[0010]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;および開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程を含む。
【0012】
[0011]1つの例示的な実施形態では、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用する工程を含み、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0013】
[0012]別の例示的な実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。
【0014】
[0013]別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算される。
【0015】
[0014]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、ここで分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物を分離するために、自動的にクロマトグラフィーユニットまたはユーザへ提供される。
【0016】
[0015]さらに例示的な実施形態では、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用して、演算システムによって実行されてもよく、ここでユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を演算システムに入力後に、演算システムは、溶出可能な化合物を分離するめに使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒をユーザに提供する。
【0017】
[0016]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、クロマトグラフィー分離ユニットの演算システムに入力する工程と、グラジエントパラメータ値を生成するために演算システムを利用する工程と、グラジエントパラメータをクロマトグラフィー分離ユニットまたはユーザに自動的に提供する工程と、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含む。
【0018】
[0017]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、液体クロマトグラフィーシステムの演算システムに入力する工程;溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程;並びにグラジエントパラメータ値を生成するために演算システムを使用する工程を含む。別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、さらに、液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザにグラジエントパラメータを自動的に提供する工程、および2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含んでもよい。
【0019】
[0018]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物のクロマトグラフィー保持データを、液体クロマトグラフィー装置の演算システムに入力する工程;2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、演算システムを利用する工程;2以上の溶出可能な化合物が、推定された容量比で分離しないか否かを決定するために、演算システムを利用する工程;溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程;および2以上の溶出可能な化合物を分離するために、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用する工程を含む。
【0020】
[0019]いくつかの例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、薄層クロマトグラフィープレート上でサンプルを分離する工程であって、サンプルが2以上の溶出可能な化合物を含み、および溶媒システムが第1の溶媒体積濃度を有する工程;第2の溶媒体積濃度を有する溶媒システムを使用して、別の薄層クロマトグラフィープレート上で、同一サンプルを分離する工程であって、ここで第2の溶媒体積濃度が第1の溶媒体積濃度よりも濃い工程;サンプル内の2以上の溶出可能な化合物のそれぞれに対して、容量比、k’sを演算する工程であって、ここでそれぞれのk=(1−R)/Rであって、R1は、所定の溶媒システムの所定の溶出可能な化合物に対する、保持比を示す工程;順相システムのためのk=kφ―m、および逆相システムのためのlnk=a−mφから選択された少なくとも1つの式中のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを決定するために、容量比、k’s、および第1のおよび第2の溶媒体積濃度を利用する工程;および初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φis、およびφieのそれぞれを、最適な容量比値、kopt並びに順相システムのためのφ=[(k/kopt1/m]、および逆相システムではφ=[(a−lnkopt)/m]から選択された少なくとも1つの式中のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを使用して演算する工程を含む。
【0021】
[0020]液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な方法は、さらに、必要に応じて、所定の液体クロマトグラフィー分離のための最適なグラジエントパラメータ値を決定するために多くの追加の工程を含む。
【0022】
[0021]いくつかの例示的な実施形態では、追加の工程は、これに限定されるものではないが、グラジエント持続期間を調節する手順を開始する工程、開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程、終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む。
【0023】
[0022]本発明は、さらに、入力された保持データ(たとえば、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、疑似移動層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動クロマトグラフィー等からのデータ)を、1つまたは複数の最適化されたグラジエントパラメータ値に変換でき、および1つまたは複数の最適化されたグラジエントパラメータ値を、ユーザディスプレイおよび/または液体クロマトグラフィー分離ユニットに提供することができる、液体クロマトグラフィー(LC)最適化ソフトウェアに関する。
【0024】
[0023]1つの例示的な実施形態では、LC最適化ソフトウェアは、2つの異なる溶媒濃度を利用した、2つの分離TLCプレート中に溶出したそれぞれの成分の、R値形式で入力されたTLCデータを、2つの異なる溶媒体積濃度での各溶出可能な化合物に対する、演算された容量比、k’sに変換し;および最適な容量比値、koptと組み合わせて演算された保持比を利用して、液体クロマトグラフィーシステム要素に対する(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する。LC最適化ソフトウェアは、最適化されたグラジエント持続期間、最適化された開始グラジエント溶媒体積濃度、最適化された終了グラジエント溶媒体積濃度、またはそれらの組み合わせのいずれかを提供するために利用されてもよい。
【0025】
[0024]本発明は、さらにもっと、演算システム、およびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含む液体クロマトグラフィーシステムに関し、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用して、2つの異なる溶媒体積濃度で少なくとも2つの溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定でき;および最適な容量比値、koptと組み合わせて推定された容量比を利用して、最適化されたグラジエント持続期間、最適化された開始グラジエント溶媒体積濃度、最適化された終了グラジエント溶媒体積濃度、またはそれらの組み合わせのいずれかを決定することができる。
【0026】
[0025]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0027】
[0026]いくつかの例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数の分離パラメータ値をユーザに提供でき、並びに、演算システム、およびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定するために、保持データを利用することができ;最適な容量比値、koptと組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定でき;並びにユーザが検討するために、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を提供することができる。
【0028】
[0027]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(1)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定でき、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0029】
[0028]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ;および、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定することができる。
【0030】
[0029]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用して、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0031】
[0030]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用することができ;(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用することができ;並びに各溶出可能な化合物の保持容量を演算するために、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用することができる。
【0032】
[0031]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0033】
[0032]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用し、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、液体クロマトグラフィー分離のための(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定することができ;並びに、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算することができる。
【0034】
[0033]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0035】
[0034]一実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変化させることによって、再演算されてもよい。
【0036】
[0035]別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算されてもよい。1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、ここで分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物の分離のために、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0037】
[0036]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力され、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき;演算システムで実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき;並びにユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を演算システムに入力後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供できる。
【0038】
[0037]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)クロマトグラフィーシステムまたはユーザにグラジエントパラメータを自動的に提供する工程を実施できる。
【0039】
[0038]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき、演算システムで実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき、およびクロマトグラフィーシステムまたはユーザに、グラジエントパラメータを自動的に提供できる。
【0040】
[0039]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程;および(c)溶出可能な化合物を液体クロマトグラフィーで分離するために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、演算システムを利用する工程を実施できる。
【0041】
[0040]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変化させることによって、分離度を再演算できる。別の例示的な実施形態では、演算システムは、グラジエント溶媒持続体積を変化させて、分離度を再演算できる。
【0042】
[0041]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき、演算システムで実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき、クロマトグラフィーシステムまたはユーザに、グラジエントパラメータを自動的に提供でき、並びに、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用することができる。
【0043】
[0042]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)ユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、演算システムに入力した後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供する工程を実施できる。
【0044】
[0043]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)演算システムに入力された溶出可能な化合物の保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を、推測するために演算システムを利用する工程;(b)2以上の溶出可能な化合物が、推定された容量比で分離しないか否かを決定するために、演算システムを利用する工程;(c)溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために演算システムを利用する工程;および(d)2以上の溶出可能な化合物を分離するために、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用する工程を実施できる。
【0045】
[0044]本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、さらに液体クロマトグラフィーカラムを含む液体クロマトグラフィー分離ユニット、フラクションコレクター、および液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアを含んでもよく、液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアは、1つまたは複数の最適化されたプロセスパラメータを演算システムから受け入れるように動作可能に構成されるので、効率的に所定のLCサンプルを操作できる。
【0046】
[0045]本発明は、さらにもっと、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、開示された方法を実行するために、コンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。コンピュータ読み取り可能なメディアは、コンピュータで実行可能な命令を実行できる演算システムに、コンピュータ実行可能な命令を読み込むために利用されてもよい。
【0047】
[0046]本発明のこれらおよび他の特徴と利点は、開示された実施形態および添付の特許請求の範囲の以下の詳細な説明を参照することにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値をユーザに提供できる、例示的な液体クロマトグラフィー(LC)システムの概略図を示す[0047]。
【図2】例示的な液体クロマトグラフィー(LC)分離のための、開始グラジエント溶媒体積濃度、終了グラジエント溶媒体積濃度、およびグラジエント持続期間を図示する[0048]。
【図3】例示的な薄層クロマトグラフィー(TLC)分離のための、例示的な薄層クロマトグラフィー(TLC)保持比測定を示す[0049]。
【図4】本発明による、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0050]。
【図5】本発明による、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0050]。
【図6】本発明による、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0050]。
【図7】本発明による、開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程のための、例示的な方法の工程のフローダイヤグラムを示す[0051]。
【図8】本発明による終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程のための、例示的な方法の工程のフローダイヤグラムを示す[0052]。
【図9】本発明による、ユーザによって選択された「スピードプロセス」モードを利用する、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0053]。
【図10】ユーザによって選択された、「純粋プロセス」または「純粋プロセス」モードを利用する、本発明による液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0054]。
【図11】本発明による液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0055]。
【図12】本発明による液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、例示的な方法のフローダイヤグラムを示す[0055]。
【図13】実施例1に記載されている、本発明の最適化されたグラジエント手順を使用する、実際の成分分離を図示する[0056]。
【図14】実施例2に記載されている、本発明の最適化されたグラジエント手順を使用する、実際の成分分離を図示する[0057]。
【図15】実施例3に記載されている、本発明の最適化されたグラジエント手順を使用する、実際の成分分離を図示する[0058]。
【図16】実施例4に記載されている、本発明の最適化されたグラジエント手順を使用する、実際の成分分離を図示する[0059]。
【図17】実施例5に記載されている、本発明の最適化されたグラジエント手順を使用する、実際の成分分離を図示する[0060]。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[0061]本発明の原理の理解を促進するために、本発明の特定の実施形態の記述が以下に続き、特定の言語が、特定の実施形態を記述することに使用される。しかしながら、当然のことながら、特定の言語の使用によって、本発明の範囲を制限することは意図されない。変更形態、さらなる修正形態、および上述された本発明の原理のさらなる用途等は、当技術分野における当業者であれば容易に想到することが考えられる。
【0050】
[0062]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合には、単数形の「1つ(a)」、「および(and)」、および「前記(the)」は、文脈が明らかに他の場合を示している場合を除き、複数形の指示対象を含むことに留意しなければいけない。このように、たとえば、「1つの溶媒」を参照する場合には、複数の該溶媒を含み、「溶媒」を参照する場合には、1つまたは複数の溶媒、および当業者に知られているそれらの均等物、並びにその他のものを含む。
【0051】
[0063]「約(about)」で修飾される場合には、たとえば、本開示の実施形態の記載に用いられた、組成物中の材料、濃度、量、プロセス温度、プロセス時間、回収量または生産量、流量、および同様の値、並びにそれらの範囲の量の数量の変動を示し、これは、たとえば、典型的な測定手順および取り扱い手順を介して、これらの手順の不測のエラーを介して、該方法を実施するために使用される材料の違いを介して、および同様の近似した事情によって発生する可能性がある。「約」という用語は、さらに特定の初期濃度または混合物を有する処方物の経時変化によって異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する処方物の混合または処理によって異なる量を包含する。「約」を意味する用語によって、修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等物を含む。
【0052】
[0064]本明細書で使用する場合、用語「クロマトグラフィー」は、1つは静止状態(固定相)であり、もう一方(移動相)は明確な方向に移動する、2相間で分散されている、分離されるべき構成部品を分離する物理的方法を意味する。
【0053】
[0065]本明細書で使用する場合、用語「クロマトグラフィー保持データ」は、固定相または同種のもの上での、被分析物(たとえば、標的物質または溶出可能な化合物)の保持に関する情報を意味し、および、これに限定されるものではないが、保持時間、保持容量、各溶出可能な成分のR値、溶媒組成および濃度、プレートタイプ、固定相等を含む。
【0054】
[0066]本明細書で使用する場合、用語「流体」は、気体、液体、および超臨界流体を意味する。
【0055】
[0067]本明細書で使用する場合、用語「グラジエントパラメータ値」は、液体クロマトグラフィー(LC)システムの成分分離に使用される溶媒グラジエントに関する値を意味する。グラジエントパラメータ値は、これに限定されるものではないが、開始グラジエント溶媒体積濃度値、終了グラジエント溶媒体積濃度値、グラジエント持続期間の長さ、他のグラジエント溶媒濃度値、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0056】
[0068]本明細書で使用する場合、用語「液体クロマトグラフィー」は、「移動相」に溶解させた流体混合物を、固定相を含むカラムの中を通過させることによって、混合物を分離することを意味し、混合物中で、他の分子から被分析物(すなわち、標的物質)を分離し、およびそれを単離できる。液体クロマトグラフィー方法は、これに限定されるものではないが、重力流動、低圧、中圧、高圧、超高圧、準備、プロセス等を含んでもよい。
【0057】
[0069]本明細書で使用する場合、用語「特性」は、化合物の化学組成を破壊することなく測定されうる、化合物の化学的および物理的特性を意味する。たとえば、溶出可能な化合物の特性は、たとえば溶解度、極性、電荷、対イオン、親和性、pH、解離定数、錯形成特性、分子の大きさ、双極子モーメント、電気陰性度、化学的構造などのクロマトグラフィー分離条件を決定するものを含む。
【0058】
[0070]本明細書で使用する場合、用語「固定相」は、「移動相」に溶解している混合流体を、固定相を含むカラムに通して、移動相のサンプルから混合物を分離することによって、被分析物を選択的に吸着するカラムまたはカートリッジに固定されている材料を意味し、それによって混合物中の他の分子から、測定されるべき被分析物を分離し、それを単離できる。
【0059】
[0071]本明細書で使用する場合、用語「実質的に」は合理的な量を意味し、絶対値の約0%から約50%、約0%から約40%、約0%から約30%、約0%から約20%または約0%から約10%で変化する量を含む。
【0060】
[0072]本発明は、液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法を対象とする。本発明は、さらに、所定の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値をユーザに提供できる、液体クロマトグラフィー(LC)システムに関する。1つまたは複数のグラジエントパラメータ値をユーザに提供できる、本発明の例示的な液体クロマトグラフィー(LC)システムの概略図が、図1に示される。
【0061】
[0073]図1に示すように、例示的な液体クロマトグラフィー(LC)システム10は、ユーザ(図示せず)からのデータ13を受け入れ、データ13を処理し、並びに1つまたは複数のグラジエントパラメータ値14をLCシステム要素12へ提供し、およびディスプレイスクリーン(図示せず)などのユーザインターフェースを介してユーザ(図示せず)に提供する、LC方法オプティマイザ要素11を含む。次にLCシステム要素12は実際のサンプルの分離を実施し、および分離の結果15を、ディスプレイスクリーン(図示せず)などのユーザインターフェースを介してユーザ(図示せず)に提供する。
【0062】
[0074]さらに例示的な方法および液体クロマトグラフィー(LC)システムが以下に記載される。
【0063】
I.LCシステムのための、最適化グラジエントパラメータ値を決定する方法
[0075]本発明は、液体クロマトグラフィー(LC)システムで、成分を分離するために、1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値を決定する方法を対象とする。1つまたは複数の最適なグラジエントパラメータ値は、これに限定されるものではないが、開始グラジエント溶媒体積濃度値、終了グラジエント溶媒体積濃度値、グラジエント持続期間の長さ、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。図2は、本発明の方法を使用して最適化された、いくつかのパラメータを図示する。
【0064】
[0076]図2に示すように、グラフ20は、線24で示されるようにLC分離中の、グラジエント溶媒体積濃度値の変化を示す。時刻0において、グラジエント溶媒体積濃度は、開始グラジエント溶媒体積濃度値21を含む。時間0以降の時間で、グラジエント溶媒体積濃度値はグラジエント持続期間23に入り、その間にグラジエント溶媒体積濃度値は増加して、終了グラジエント溶媒体積濃度値22になる。本発明のいくつかの実施形態では、開始グラジエント溶媒体積濃度値21、終了グラジエント溶媒体積濃度値22、およびグラジエント持続期間23の長さを決定する方法を開示するので、分離中に、所望のレベルの分離度を維持しながら、成分の溶出を最適化する。
【0065】
[0077]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程;および(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用する工程を含む。一実施形態では、薄層クロマトグラフィーを使用して、クロマトグラフィー保持データが得られる。
【0066】
[0078]別の例示的な実施形態では、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、クロマトグラフィー保持データを利用する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を含み、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。例示的な実施形態では、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値は、各溶出可能な化合物の保持容量を演算するために利用されてもよい。別の例示的な実施形態では、各溶出可能な化合物の保持容量は、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算するために利用される。
【0067】
[0079]別の例示的な実施形態では、該方法は、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む。グラジエント持続調節には、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0068】
[0080]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらに、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0069】
[0081]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらに終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0070】
[0082]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程;(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用する工程;および溶出可能な化合物の保持容量を演算するために、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程を含む。
【0071】
[0083]1つの例示的な実施形態では、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用する工程を含み、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0072】
[0084]別の例示的な実施形態では、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算するために、各溶出可能な化合物の保持容量が利用される。別の例示的な実施形態では、該方法は、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む。グラジエント持続調節は、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0073】
[0085]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらには、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0074】
[0086]別の例示的な実施形態では、該方法はさらに、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0075】
[0087]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程;(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用する工程;および溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程を含む。
【0076】
[0088]1つの例示的な実施形態では、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用する工程を含み、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0077】
[0089]一実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。
【0078】
[0090]別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算される。別の例示的な実施形態では、該方法は、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む。グラジエント持続調節は、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0079】
[0091]別の例示的な実施形態では、方法は、さらには、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0080】
[0092]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらには、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0081】
[0093]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、ここで分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物の分離のために、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0082】
[0094]1つの例示的な実施形態では、本発明の方法は、クロマトグラフィー保持データ(たとえば、薄層クロマトグラフィー保持データ)を利用し、液体クロマトグラフィー分離のための1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する。例示的な方法では、薄層クロマトグラフィーデータ(たとえば、各溶出可能な成分のR値、溶媒組成および濃度、およびプレートタイプ)は、2つの異なる溶媒体積濃度で少なくとも2つの溶出可能な化合物の容量比k’sを演算するために使用され、ここで、各k=(1−R)/R、およびRは所定の溶媒システムの所定の化合物のための保持比を示す。該薄層クロマトグラフィーデータは、図3に描かれている。
【0083】
[0095]図3に示すように、例示的な薄層クロマトグラフィー(TLC)データ30は、(i)第1の溶媒組成値(φ(操作31)および(2)第2の溶媒組成値φ(操作32)を使用する例示的な薄層クロマトグラフィー(TLC)プレート操作31および32のための、保持比の測定34を含む。演算された保持比(すなわち、図3に示されるRf1、t、Rf1、b、Rf2、tおよびRf2、b)は、次に最適な容量比値、kopt、と組み合わせで使用され、以下でさらに論じる、液体クロマトグラフィーシステム成分(たとえば、図1に示されるLCシステム要素12)のための(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する。図3は、前記第2の溶媒組成値よりも大きい第2の溶媒組成値を示すが、反対もまた明細書で考慮される。
【0084】
[0096]本発明による、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する例示的な一方法は、図4〜図6に描かれている。図4に示すように、例示的な方法100は、ブロック40で開始されて、ステップ41に進み、ここで、TLCプレートタイプ(たとえば、シリカ)が、ユーザによって選択される。ステップ41から、例示的な方法100は、ステップ42に進み、ここで、分離されるべきサンプルは、ユーザによって選択される。サンプルは、2以上の溶出可能な成分から成る。ステップ42から、例示的な方法100は、ステップ43に進み、ここで、サンプルは、体積濃度値φを有する第1の溶媒混合物を使用して、TLCプレート上で操作される。ステップ43から、例示的な方法100は、ステップ44に進み、ここで、体積濃度値φを有する第2の溶媒混合物を使用して、サンプルは別のTLCプレート上で操作され、値φは、φとは異なる。
【0085】
[0097]ステップ44から、例示的な方法100は、ステップ45に進み、ここで、2つの溶媒混合物のそれぞれの、2以上の溶出可能な成分のそれぞれに対して、保持比、Rがユーザによって演算される。ステップ45から、例示的な方法100は、ステップ46に進み、ここで、ユーザは、(i)所望の大きさおよび(ii)前回に使用されたTLCプレート(たとえば、シリカ)と類似しているタイプを有するカラムを選択する。ステップ46から、例示的な方法100は、ステップ47に進み、ここで、ユーザは、データをLCオプティマイザ11に入力する。入力されたデータは、これに限定されるものではないが、ユーザによって演算された保持比R;カラムの種類(たとえば、順相、逆相等);カラムサイズ;流量;および、前回の2つのTLC操作の間に使用された第1のおよび第2の溶媒体積濃度値φおよびφ、を含んでもよい。演算された保持比Rから、LCオプティマイザ11は容量比、kを演算し、k=(1−R)/R、およびRは、第1のおよび第2の溶媒混合物それぞれの、所定の溶出可能な化合物の保持比を示す。ステップ47から、例示的な方法100は、ブロック48に進み、ここで例示的な方法100は、図5に示されるブロック49に進む。
【0086】
[0098]ブロック49から、例示的な方法100は、決定ブロック50に進む。決定ブロック50で、LCオプティマイザ11が、ステップ47で入力されるデータに基づいて、次回の液体クロマトグラフィー操作(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12で)を、順相操作または逆相操作として実行すべきかを決定する。決定ブロック50で、次回の液体クロマトグラフィー操作が、順相操作として実施されることが決定される場合には、例示的な方法100は、ステップ51に進み、ここで、パラメータkおよびmは、式k=kφ−m、ステップ47で演算された容量比、k、および、ステップ47で入力された第1のおよび第2の溶媒体積濃度を使用して最適化される。すなわち、ステップ51で、LCオプティマイザ11は、式k=kφ−mを使用して、演算されたk値および入力された溶媒体積濃度値の線形最小二乗法を実施して、各溶出可能な成分のためのパラメータkおよびm値を得る。
【0087】
[0099]ステップ51から、例示的な方法100は、ステップ52に進み、ここで、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieそれぞれは、LCオプティマイザ11に記憶されまたは上記のステップ47でユーザによって入力されうる、式、φ=[(k/kopt1/m]、前回演算されたパラメータkおよびm値、並びに最適な容量比値、koptを使用して、LCオプティマイザ11によって演算される。このステップでは、第1の溶出した化合物に対するパラメータkおよびmを使用して、演算された溶媒濃度が、開始グラジエント体積濃度、φisとして指定され、第2の溶出した化合物に対するパラメータkおよびmを使用して演算された溶媒濃度が、終了グラジエント体積濃度、φieとして指定される。いくつかの例示的な実施形態では、値2.0が、最適な容量比値、koptとして(i)LCオプティマイザ11に記憶され、または(ii)ユーザによって選択され、および入力され、ステップ52から、例示的な方法100は、以下に記載されるブロック55に進む。
【0088】
[0100]決定ブロック50において、LCオプティマイザ11が、次回の液体クロマトグラフィー操作を(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12において)逆相操作として実施するという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ53に進み、ここで、パラメータaおよびmは、式lnk=a−mφ、ステップ47で前回演算された容量比、k、およびステップ47で入力された第1のおよび第2の溶媒体積濃度を使用して最適化される。すなわち、ステップ53で、LCオプティマイザ11は、各溶出可能な成分に対して式lnk=a−mφを使用して、演算されたk値および入力された溶媒体積濃度値に線形最小二乗法を実施し、パラメータaおよびmの値を得る。
【0089】
[0101]ステップ53から、例示的な方法100は、ステップ54に進み、ここで、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieそれぞれは、LCオプティマイザ11によって、式、(φ=[(a−lnkopt)/m]、パラメータaおよびmに対して前回演算された値、および上記で論じたkoptを使用して演算される。このステップでは、第1の溶出した化合物に対してパラメータaおよびmを使用して演算された溶媒濃度は、開始グラジエント体積濃度、φisとして指定され、第2の溶出した化合物に対してパラメータaおよびmを使用して演算された溶媒濃度は、終了グラジエント体積濃度、φieとして指定される。上記で論じたように、いくつかの例示的な実施形態では、値2.0が最適な容量比値、koptとして(i)LCオプティマイザ11に記憶され、または(ii)ユーザによって選択され、および入力される(ステップ47などで)。ステップ54から、例示的な方法100は、ブロック55に進む。
【0090】
[0102]ブロック55から、例示的な方法100は、図6に示されるブロック56に進む。ブロック56から、例示的な方法100は、ステップ57に進み、ここで、グラジエント持続期間に対して、一つのカラム体積と等しい初期の値がLCオプティマイザ11によって利用される。LCオプティマイザ11は、このステップで初期のグラジエント持続期間に、他の初期値を使用してもよいことに留意されたい(すなわち、2以上のカラム体積)。ステップ57から、例示的な方法100は、決定ブロック58に進む。
【0091】
[0103]決定ブロック58で、LCオプティマイザ11が、ステップ47で入力されるデータに基づいて、使用されるべき次回の液体クロマトグラフィーカラム(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12において)は、順相または逆相カラムであるかを決定する。決定ブロック58において、LCオプティマイザ11がクロマトグラフィー操作は順相カラムで実施されるべきであるという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ59に進み、ここで、各溶出可能な成分に対する保持容量、Vは、式1を使用してLCオプティマイザ11によって演算される。
【数1】

ここで、
mおよびkは、ステップ51で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ52で前回演算された開始グラジエント体積濃度φis
B=[(ステップ52で前に演算された終了グラジエント体積濃度φie)−(ステップ52で前回演算された開始グラジエント体積濃度φis)/(グラジエント持続期間)、
はカラム体積(すなわち、ボイド値)であり、Vは滞留体積(すなわち、溶媒が混合する点とカラムの先頭点との間の体積)であり、Vは初期の保持容量である。
【0092】
[0104]Vは、第1の溶出可能な成分がグラジエント開始の近くのカラムに出る最小値であることに留意されたい。Vは流量の0から1倍である。任意に最後の保持容量も選択される、たとえば2(V+V+V)である。
【0093】
[0105]ステップ59では、LCオプティマイザ11は、式IIを使用して、2以上の化合物のピークの平均バンド幅、wも演算する。
【数2】

ここで、
およびVは、上述の式Iを使用して演算された、溶出可能な化合物1および2に対するV’sであり、Nはカラム効率である。
【0094】
[0106]ステップ59から、例示的な方法100は、ステップ61に進み、ここで、成分ピーク間の分離度が演算される。一般に、成分ピーク間の分離度は、式IIIによって決定される。
=(V−V)/w(III)。
以下でさらに論じるように、いくつかの例示的な実施形態では、分離度(すなわち、式IIIによって演算されるR)は、望ましくは少なくとも約1.5に等しい。ステップ59から、例示的な方法100は、以下に記述する決定ブロック62に進む。
【0095】
[0107]決定ブロック58に戻って、LCオプティマイザ11が、ステップ47で入力されるデータに基づいて、次回の液体クロマトグラフィーカラム(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12において)を逆相カラムを使用して実施することが決定される場合には、例示的な方法100は、ステップ60に進み、ここで、各溶出可能な成分に対する保持容量、Vは、LCオプティマイザ11によって式IVを使用して演算される。
【数3】

ここで、
mおよびaは、ステップ53で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ54で前回演算された開始グラジエント体積濃度φisであり、
B=[(ステップ54で前に演算された終了グラジエント体積濃度φie)−(ステップ54で前回演算された開始グラジエント体積濃度φis)/(グラジエント持続期間);および
、VおよびVは、式Iを参照して上述された体積である。
【0096】
[0108]ステップ、60では、Vは上記のような最小値である。ステップ60では、LCオプティマイザ11は、上述の式IIを使用してwgも演算する。
【0097】
[0109]ステップ60から、例示的な方法100は、ステップ61に進み、成分ピーク間の分離度は、上述の式IIIを使用して演算される。ステップ61から、例示的な方法100は、決定ブロック62に進む。
【0098】
[0110]決定ブロック62で、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、(ステップ52または54からのφisおよびφie)および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した理論的操作の間に、LCオプティマイザ11は(i)2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)および(ii)所望の最小分離度(たとえば、式IIIを使用してR≧1.5)が得られるか否かを決定する。決定ブロック62において、LCオプティマイザ11が、(i)2以上の溶出可能な成分が完全に溶出しおよび(ii)操作の間に所望の最小分離度が得られるという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ63に進み、ここで、推奨されるグラジエントパラメータ、すなわち、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ52または54からのφisおよびφie)およびグラジエント持続期間長(すなわち、ユーザによって選択された初期のグラジエント持続期間、たとえば、1カラム体積)が、たとえば、ディスプレイスクリーンを介して、ユーザに提供される。推奨されるグラジエントパラメータは、ステップ63のLCオプティマイザ11によって、LCシステム要素12に同時に提供されてもよいので、ユーザは、推奨されるグラジエントパラメータを単純に受け入れて、推奨されるグラジエントパラメータを利用して、LCシステム要素12の液体クロマトグラフィー操作を開始することができる。上記の条件のもとで、例示的な方法100は、ステップ63で終了する。
【0099】
[0111]決定ブロック62に戻って、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ52または54からのφisおよびφie)並びに初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11が決定ブロック62で(i)2以上の溶出可能な成分が、完全には溶出しない(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vのいずれか)または(ii)所望の最小分離度が得られず(たとえば、式IIIを使用してR<1.5)と決定する場合には、例示的な方法100は、決定ブロック64に進む。決定ブロック64で、LCオプティマイザ11が所定の最大グラジエント持続体積が利用されたか否かを決定する。
【0100】
[0112]決定ブロック64において、LCオプティマイザ11が所定の最大グラジエント持続体積がまだ利用されてない(たとえば、10カラム体積)という決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ65に進み、ここで、LCオプティマイザ11はグラジエント持続体積(たとえば、1つまたは複数のカラム体積ずつ)を増加させる。ステップ65から、例示的な方法100が決定ブロック58に戻り、上記で論じたように進む。ステップ65およびそれに続くステップは、本明細書に記載されるグラジエント持続期間値を調節する手順を参照することに留意されたい。
【0101】
[0113]例示的な方法100などのいくつかの実施形態では、グラジエント持続期間値を調節する手順の間に、グラジエント持続体積は、初期の値のたとえば、1カラム体積から最大の10カラム体積に、1カラム体積ずつ繰り返して増加される。所定の最大カラム体積は、所望の純度によって変化してもよい。グラジエント持続体積のそれぞれの値で、例示的な方法100は、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出され(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)たか否か、および演算された分離度(すなわち、式IIIを使用したR)が所望の量、たとえば、成分のV’sに基づく1.5よりも大きいか否かを検査する。所定の最大カラム体積(たとえば、10カラム体積)に到達する前に、両方の条件が満たされる場合には、例示的な方法100は上記で論じたステップ63に進む。
【0102】
[0114]いくつかの実施形態では、ユーザは、(1)両方の条件、すなわち、完全な溶出および所望の分離度が満たされ、または(2)持続体積が所定のカラム体積(たとえば、10カラム体積)になった場合に、例示的な方法100を停止することを選択してもよい。このような場合には、ユーザは、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ52または54のφisおよびφie)および最後のグラジエント持続期間(たとえば、1から10または15カラム体積)を使用して、LCシステム要素12の液体クロマトグラフィー操作を開始することをさらに選択してもよい。
【0103】
[0115]さらに以下に記載するように、ユーザは、例示的な方法100の初期において(たとえば、ステップ47で)オプションの「スピードモード」を選択してもよい。スピードモードでは、LCオプティマイザ11はステップ63またはステップ66で停止し、および開始グラジエント体積濃度、終了グラジエント体積濃度およびグラジエント持続期間を、ユーザおよびLCシステム要素12に出力する。
【0104】
[0116]決定ブロック64に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック64で、所定の最大グラジエント持続体積が利用され(たとえば、10カラム体積)および「純粋モード」オプションが選択された(たとえばステップ47で)と決定されると、例示的な方法100は、ブロック66に進む。ブロック66から、例示的な方法100は、図7に示されるブロック67に進み、ここで開始グラジエント溶媒体積濃度値を調節する手順が開始される。
【0105】
[0117]図7に示すように、例示的な方法100はブロック67からステップ68に進み、前回使用された開始グラジエント溶媒体積濃度値(たとえば、初期の開始グラジエント溶媒体積濃度値)が、LCオプティマイザ11によって設定された量だけ低減され、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値になる。いくつかの実施形態では、所定の開始グラジエント溶媒体積濃度値は約10%に等しい設定量だけ低減される。ステップ68から、例示的な方法100は、決定ブロック69に進む。決定ブロック69で、LCオプティマイザ11が、ステップ47で入力されるデータに基づいて、使用されるべきクロマトグラフィーカラムは、順相または逆相カラムであるか否かを決定する。決定ブロック69において、LCオプティマイザ11がクロマトグラフィー操作(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12において)は順相カラムを使用して実施されることを決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ70に進み、ここで、保持容量およびピーク幅が、上述の数式IおよびIIを使用して演算され、
mおよびkは、ステップ51で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φisであり、
B=[(ステップ52の前に演算された終了グラジエント体積濃度φie)―(ステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φis)]/(グラジエント持続期間);および
、VおよびVは式Iで定義した値である。
【0106】
[0118]ステップ70から、例示的な方法100は、ステップ72に進み、ここで、成分ピーク間の分離度は、上述の式IIIを使用して演算される。ステップ72から、例示的な方法100は、以下に記述する決定ブロック73に進む。
【0107】
[0119]決定ブロック69に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック69で、クロマトグラフィー操作は逆相カラムを使用して実施されることが決定されると、例示的な方法100は、ステップ71に進み、ここで、保持容量およびピーク幅が、上述の数式IVおよびIIを使用して演算され、mおよびaは、ステップ53で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φisであり、
B=[(ステップ52の前に演算された終了グラジエント体積濃度φie)―(ステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φis)]/(グラジエント持続期間);および
、VおよびVは上述の式IVで定義した値である。
【0108】
[0120]ステップ71から、例示的な方法100は、ステップ72に進み、ここで、成分ピーク間の分離度が、上述の式IIIを使用して演算される。ステップ72から、例示的な方法100は、決定ブロック73に進む。
【0109】
[0121]決定ブロック73で、LCオプティマイザ11が、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)たか否かを決定する。決定ブロック73において、LCオプティマイザ11が2以上の溶出可能な成分が完全に溶出したという決定をする場合には、例示的な方法100は、決定ブロック75に進み、ここで、所望の最小分離度(たとえば、式IIIを使用してR≧1.5)で、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)たか否かが決定される。決定ブロック75において、LCオプティマイザ11が、所望の最小分離度で、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出したという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ76に進み、ここで、推奨されるグラジエントパラメータ、すなわち、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続期間長が、たとえば、ディスプレイスクリーンを介して、ユーザに提供される。
【0110】
[0122]推奨されるグラジエントパラメータは、ステップ76でLCオプティマイザ11によって、LCシステム要素12に同時に提供されてもよいので、ユーザは、推奨されるグラジエントパラメータを単純に受け入れ、推奨されるグラジエントパラメータを利用して、LCシステム要素12の液体クロマトグラフィー操作を開始できる。上記の条件のもとで、例示的な方法100は、ステップ76で終了する。
【0111】
[0123]決定ブロック75において、LCオプティマイザ11が、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)、しかし所望の最小分離度を示していない(たとえば、式IIIを使用してR<1.5)という決定をする場合には、例示的な方法100は、決定ブロック77に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、所定の最小開始グラジエント体積濃度値が利用されたか否かが決定される。決定ブロック77において、LCオプティマイザ11が、所定の最小開始グラジエント体積濃度値がまだ使用されていないという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ68に戻り、上記および下記で論じるように進む。
【0112】
[0124]例示的な方法100などのいくつかの例示的な実施形態では、開始グラジエント体積濃度を、10%ずつ(すなわち、開始値*0.9)最大100回まで反復的に減少させる。開始グラジエント体積濃度のそれぞれの値で、LCオプティマイザ11は、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出され(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)、および演算された分離度(すなわち、式IIIを使用してR)が所望の量、たとえば1.5よりも大きいか否かを、成分のV’sに基づいて検査する。最大数の開始グラジエント体積濃度値(たとえば、100)に到達する前に、両方の条件が満たされる場合には、例示的な方法100は、上記で論じたステップ76に進む。最大数の開始グラジエント体積濃度値(たとえば、100)に到達する前に、両方の条件が満たされない場合には、例示的な方法100は、以下に記載するステップ78に進む。
【0113】
[0125]決定ブロック77において、LCオプティマイザ11が所定の最小開始グラジエント体積濃度値が利用された(すなわち、反復減少によって最大数に到達した)という決定をする場合には、例示的な方法100は、ブロック78に進む。ブロック78から、例示的な方法100は、図8に示されるブロック79に進み、ここで終了グラジエント溶媒体積濃度値を調節する手順が、以下でさらに論じるように、LCオプティマイザ11によって開始される。
【0114】
[0126]決定ブロック73に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック73で、2以上の溶出可能な成分が、完全には溶出しないと決定されると、例示的な方法100は、ステップ74に進み、ここで、開始グラジエント溶媒体積濃度値は、典型的には前回の開始グラジエント溶媒体積濃度値に増加される(たとえば、初期の開始グラジエント溶媒体積濃度値または前回の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値)。ステップ74から、例示的な方法100は、ブロック78に進む。ブロック78から、例示的な方法100は、図8に示されるブロック79に進み、ここで終了グラジエント溶媒体積濃度値を調節する手順がLCオプティマイザ11によって開始される。
【0115】
[0127]図8に示すように、例示的な方法100はブロック79からステップ80に進み、前回に使用された終了グラジエント溶媒体積濃度値(たとえば、初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値)が、LCオプティマイザ11によって、設定された量だけ低減され、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値になる。いくつかの実施形態では、所定の終了グラジエント溶媒体積濃度値は、約10%に等しい設定量だけ低減される。ステップ80から、例示的な方法100は、決定ブロック81に進む。
【0116】
[0128]決定ブロック81で、LCオプティマイザ11が、ステップ47で入力されるデータに基づいて、使用さるべきクロマトグラフィーカラム(すなわち、図1に示されるLCシステム要素12において)は、順相または逆相カラムであるか否かを決定する。決定ブロック81において、LCオプティマイザ11が、クロマトグラフィー操作は順相カラムを使用して実施されることを決定する場合には、例示的な方法100は、ステップ82に進み、ここで、保持容量およびピーク幅が上述の数式IおよびIIを使用して演算され、
mおよびkは、ステップ51で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ52で前回演算された初期の開始グラジエント体積濃度φieまたはステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φisであり、
B=[(ステップ80の減少した終了グラジエント体積濃度φie)−(ステップ52の前回演算された初期の開始グラジエント体積濃度φieまたはステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φis)]/(1から15カラム体積の範囲のグラジエント持続期間)であり、
、VおよびVは上述の式Iで定義した値である。
【0117】
[0129]ステップ82から、例示的な方法100は、ステップ84に進み、ここで、成分ピーク間の分離度は、上記で論じた式IIIを使用して演算される。ステップ84から、例示的な方法100は、以下に記載する決定ブロック85に進む。
【0118】
[0130]決定ブロック81に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック81で、クロマトグラフィー操作が逆相カラムを使用して実施されることが決定されると、例示的な方法100は、ステップ83に進み、ここで、保持容量およびピーク幅は、上述の数式IVおよびIIを使用して演算され、
mおよびaは、ステップ53で前に演算されたパラメータであり、
A=ステップ52で前回演算された初期の開始グラジエント体積濃度φisまたはステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φisであり、
B=[(ステップ80の減少した終了グラジエント体積濃度φie)−(ステップ52の前回演算された初期の開始グラジエント体積濃度φieまたはステップ68の減少した開始グラジエント体積濃度φis)]/(1から15カラム体積の範囲のグラジエント持続期間)であり、
、VおよびVは上述の式IVで定義した値である。
【0119】
[0131]ステップ83から、例示的な方法100は、ステップ84に進み、ここで、成分ピーク間の分離度は、上記で論じた式IIIを使用して演算される。ステップ84から、例示的な方法100は、決定ブロック85に進む。
【0120】
[0132]決定ブロック85で、LCオプティマイザ11が2以上の溶出可能な成分が完全に溶出したかを決定する。決定ブロック85において、LCオプティマイザ11が2以上の溶出可能な成分が、完全には溶出しない(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vのいずれか)という決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ86に進み、ここで、終了グラジエント溶媒体積濃度値は、一般に前回の終了グラジエント溶媒体積濃度値(たとえば、初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値または前回の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値)に増加される。
【0121】
[0133]ステップ86から、例示的な方法100は、ステップ88に進み、ここで、推奨されるグラジエントパラメータ、すなわち、初期のまたは減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続期間長が、たとえば、ディスプレイスクリーンを介して、受け入れまたは修正をするためにユーザに提供される。推奨されるグラジエントパラメータは、ステップ86でLCオプティマイザ11によって、LCシステム要素12に同時に提供されてもよいので、ユーザは推奨されるグラジエントパラメータを単純に受け入れて、推奨されるグラジエントパラメータを利用して、LCシステム要素12の液体クロマトグラフィー操作を開始することができる。上記の条件のもとで、例示的な方法100は、ステップ88で終了する。
【0122】
[0134]決定ブロック85に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック85で、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出した(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)と決定されると、例示的な方法100は、決定ブロック87に進み、LCオプティマイザ11によって所望の最小分離度で2以上の溶出可能な成分が完全に溶出したか否かが決定される。決定ブロック87で、所望の最小分離度(たとえば、式IIIを使用してR≧1.5)で、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出したと決定される場合には、例示的な方法100は、ステップ88に進み、ここで、推奨されるグラジエントパラメータ、すなわち、初期のまたは減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続期間長がユーザに提供され、および任意でLCシステム要素12に提供される。上記の条件のもとで、例示的な方法100は、ステップ88で終了する。
【0123】
[0135]LCオプティマイザ11によって決定ブロック87で、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)、しかし所望の最小分離度を示していない(たとえば、式IIIを使用してR<1.5)と決定されると、例示的な方法100は、決定ブロック89に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、所定の最小終了グラジエント体積濃度値が利用されたか否かが決定される。決定ブロック89において、LCオプティマイザ11が所定の最小終了グラジエント体積濃度値がまだ利用されていない、という決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ80に戻り、上記および下記で論じるように進む。
【0124】
[0136]例示的な方法100などのいくつかの例示的な実施形態では、終了グラジエント体積濃度を、10%ずつ(すなわち、開始値*0.9)最大100回まで反復的に希釈させる。終了グラジエント体積濃度のそれぞれの値で、LCオプティマイザ11は、2以上の溶出可能な成分が完全に溶出されるか(すなわち、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)、および演算された分離度(すなわち、式IIIを使用してR)が所望の量、たとえば1.5よりも大きいか否かを、成分のV’sに基づいて検査する。終了グラジエント体積濃度値の最大値(たとえば、100)に到達する前に、両方の条件が満たされる場合には、例示的な方法100は、上記で論じたステップ88に進む。終了グラジエント体積濃度値の最大値(たとえば、100)に到達する前に、両方の条件が満たされない場合には、例示的な方法100は、以下に記載するステップ89に進む。
【0125】
[0137]決定ブロック89において、LCオプティマイザ11が、所定の最小終了グラジエント体積濃度値が利用されたという決定をする場合には、例示的な方法100は、ステップ88に進み、ここで、推奨されるグラジエントパラメータ、すなわち、初期のまたは減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続期間長が、受け入れまたは修正するためにユーザに提供され、および任意でLCシステム要素12に提供される。上記の条件のもとで、例示的な方法100は、ステップ88で終了する。
【0126】
[0138]例示的な方法100は、方法ステップの特定の進行(すなわち、オプションのグラジエント持続期間を調節する手順の開始、次にオプションの開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順の開始、およびその後に必要に応じて、オプションの終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順の開始)に従うけれども、例示的な方法100の変形形態も本発明の範囲内であることに留意されたい。たとえば、本発明の他の方法は、方法ステップの他の進行、すなわち、オプションのグラジエント持続期間を調節する手順をする前に、オプションの開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順および/またはオプションの終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始してもよい。
【0127】
[0139]上述のように、ユーザは、LCオプティマイザ11に「スピードプロセス」モードを選択してもよい。該プロセスは、図9に描かれている。図9に示すように、例示的な方法200は、ステップ201から開始し、ユーザは、クロマトグラフィー保持データ(たとえば、ユーザによって演算された保持比R;以前の2つのTLC操作中で使用された第1のおよび第2の溶媒組成および体積濃度値φおよびφ;およびプレートタイプ)、分離モード(すなわち、順相または逆相)、および最適化目標(すなわち、スピードまたは分離度モード)を、LCオプティマイザ11に入力する。ステップ201から、例示的な方法200は、ステップ202に進み、ここで、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieのそれぞれは、LCオプティマイザ11によって、式(i)順相に対してφ=[(k/kopt1/mまたは(ii)逆相に対してφ=[(a−lnkopt)/m]のいずれか、パラメータkおよびm、またはmおよびaに対する前回演算された値、並びに、LCオプティマイザ11に記憶されまたは上記で論じたステップ201でユーザによって入力された、最適な容量比値、koptを使用して演算される。
【0128】
[0140]ステップ202から、例示的な方法200は、ステップ203に進み、ここで、保持容量および分離度は、数式IまたはIVおよびIIIを使用して、所定のグラジエント周期値(たとえば、初期の1カラム体積)の間、上記のLCオプティマイザ11によって演算される。ステップ203から、例示的な方法200は、決定ブロック204に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ202のφisおよびφie)および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した理論的操作中に、(i)2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、上述の式IまたはIVを使用して、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)および(ii)所望の最小分離度(たとえば、上述の式IIIを使用してR>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0129】
[0141]決定ブロック204において、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ202のφisおよびφie)および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られない(たとえば、式IIIを用いてR<1.5)という決定をする場合には、例示的な方法200は、決定ブロック205に進む。決定ブロック205で、LCオプティマイザ11は、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)未満か否かを決定する。
【0130】
[0142]決定ブロック205において、LCオプティマイザ11がグラジエント持続期間は所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)未満であるという決定をする場合には、例示的な方法200は、ステップ203に戻り、ここでLCオプティマイザ11はグラジエント持続体積を増加し(たとえば、1カラム体積分)、増加したグラジエント周期値(たとえば、2から10カラム体積)に対して、数式IまたはIVおよびIIIを使用して、上述の保持容量および分離度を再演算する。ステップ203から、例示的な方法200は、上記および以下に続く。
【0131】
[0143]決定ブロック205に戻って、LCオプティマイザ11によって決定ブロック205で、グラジエント持続期間は所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)に等しいと決定されると、例示的な方法200は、決定ブロック206に進み、ここで、LCオプティマイザ11は純粋モードまたはスピードモードがユーザによって選択されたか否かを決定する。LCオプティマイザ11がスピードモードはユーザによって選択された(すなわち、純粋モードはユーザによって選択されていない)と決定する場合には、例示的な方法200は、ステップ207に進み、ここで、LCオプティマイザ11はユーザおよびLCシステム要素12に最適化された処理条件を提供する。
【0132】
[0144]決定ブロック204に戻って、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ202のφisおよびφie)および所定のグラジエント持続期間(たとえば、1から10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11によって所望の最小分離度が得られる(たとえば、式IIIを使用してR>1.5)と決定されると、例示的な方法200は、決定ブロック206に進み、上記および下記で論じるように進む。
【0133】
[0145]決定ブロック206に戻って、LCオプティマイザ11によってユーザはスピードモードを選択していない(すなわち、純粋モードがユーザによって選択された)と決定されると、例示的な方法200は純粋モードプロセス300に進み、ここでLCオプティマイザ11は、さらに図10に記載された純粋モードを開始する。
【0134】
[0146]スピードモードを選択する代わりに、純粋モード、すなわち図10に記載されたプロセスをユーザは選択してもよい。図10に示すように、例示的な方法300は、上記のように例示的なプロセス200から開始し、例示的なプロセス200の決定ブロック206から継続する。決定ブロック206から、例示的なプロセス300は、ステップ301に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、(1)開始グラジエント濃度を10%低減し、および(2)数式IまたはIVおよびIIIを使用して上記の保持容量および分離度、および、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ202の前回演算された終了グラジエント溶媒体積濃度値、並びに(たとえば、10カラム体積)の所定のグラジエント持続期間を演算する。
【0135】
[0147]ステップ301から、例示的な方法300は、決定ブロック302に進み、ここで、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ202のφisおよびφie)並びに所定のグラジエント周期値(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11は、(i)2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、上述の式IまたはIVを使用して、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)および(ii)所望の最小分離度(たとえば、上述の式IIIを使用してR>1.5)が得られるか否かを決定する。
【0136】
[0148]決定ブロック302において、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ202の前回演算された終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作の間に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られない(たとえば、式IIIを使用してR<1.5)という決定をする場合には、例示的な方法300は、決定ブロック303に進む。決定ブロック303で、LCオプティマイザ11が、開始グラジエント溶媒体積濃度値が100倍未満に希釈したか否かを決定する。
【0137】
[0149]決定ブロック303において、LCオプティマイザ11が開始グラジエント溶媒体積濃度値は100倍未満に減少したという決定をする場合には、例示的な方法300は、ステップ301に戻り、ここでLCオプティマイザ11は、開始グラジエント溶媒体積濃度値を希釈し(たとえば、10%)、さらに減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値を使用して、数式IまたはIVおよびIIIを使用して、上記の保持容量および分離度を再演算する。ステップ301から、例示的な方法300は、上記および以下に続く。
【0138】
[0150]決定ブロック302に戻って、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ202の前回演算された終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11によって所望の最小分離度が得られる(たとえば、式IIIを使用してR>1.5)と決定されると、例示的な方法300は、ステップ304に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、最適化された処理条件(たとえば、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ202の前回演算された終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)をユーザおよびLCシステム要素12に提供する。
【0139】
[0151]決定ブロック303に戻って、決定ブロック303で、LCオプティマイザ11によって開始グラジエント溶媒体積濃度値が100倍に希釈されたと決定されると、例示的な方法300は、ステップ305に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、(1)終了グラジエント溶媒体積濃度値を希釈し(たとえば、10%)、および(2)数式IまたはIVおよびIII、並びにステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ305の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)を使用して、上記の保持容量および分離度を再演算する。
【0140】
[0152]ステップ305から、例示的な方法300は、決定ブロック306に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、(i)2以上の溶出可能な成分が完全に溶出し(すなわち、上述の式IまたはIVを使用してV<V+V+V+VおよびV<V+V+V+V)および(ii)減少した開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値(すなわち、ステップ301およびステップ305のφisおよびφie)および所定のグラジエント周期値(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作の間に、所望の最小分離度(たとえば、上述の式IIIを使用してR>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0141】
[0153]決定ブロック306において、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ305の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られないという決定をする場合には(たとえば、式IIIを使用してR<1.5)、例示的な方法300は、決定ブロック307に進む。
【0142】
[0154]決定ブロック307で、LCオプティマイザ11は、終了グラジエント溶媒体積濃度値が100倍未満に減少したか否かを決定する。決定ブロック307において、LCオプティマイザ11が、終了グラジエント溶媒体積濃度値は100倍未満に希釈したという決定をする場合には、例示的な方法300は、ステップ305に戻り、ここでLCオプティマイザ11は、(1)さらに終了グラジエント溶媒体積濃度値を(たとえば、10%)希釈し、および(2)数式IまたはIVおよびIII並びにさらに減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値を使用して、上記の保持容量および分離度を再演算する。ステップ305から、例示的な方法300は、上記および以下に続く。
【0143】
[0155]決定ブロック306に戻って、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ305の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11によって所望の最小分離度が得られる(たとえば、式IIIを使用してR>1.5)と決定されると、例示的な方法300は、ステップ308に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、最適化された処理条件(たとえば、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ305の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積))をユーザおよびLCシステム要素12に提供する。
【0144】
[0156]決定ブロック307に戻って、決定ブロック307でLCオプティマイザ11によって、終了グラジエント溶媒体積濃度値が100倍に希釈されたと決定されると、例示的な方法300は、ステップ308に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、最適化された処理条件(たとえば、ステップ301の減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、ステップ305の減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および所定のグラジエント持続期間(たとえば、10カラム体積))をユーザおよびLCシステム要素12に提供する。
【0145】
[0157]一つのサンプルで3つ以上の成分が分離されるべき場合には、本発明のLCオプティマイザは、成分分離を実施するためのプロセス条件を、ユーザまたは演算システムに提供するために利用されてもよい。動作またはプロセスは、2成分分離の場合と同一であるが、3つ以上の濃度グラジエントが、追加の成分(単数または複数)を分離するために生成される。たとえば、図11および図12は、3つの成分を分離する方法を示す。図11に示すように、例示的な方法400は、ステップ401で開始され、ここでユーザは、TLCデータ(たとえば、ユーザによって演算された保持比R;第1の、第2のおよび第3の溶媒組成および体積濃度値;およびプレートタイプ)、分離モード(すなわち、順相または逆相)をLCオプティマイザ11に入力する。ステップ401から、例示的な方法400は、ステップ402に進み、ここで、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値が、LCオプティマイザ11によって、セグメント1(成分1および2、ペア1と称する)およびセグメント2(成分2および3、ペア2と称する)のために演算される。
【0146】
[0158]ステップ402から、例示的な方法400は、ステップ403に進み、ここで、セグメント1の所定のグラジエント周期値(たとえば、初期1カラム体積)の間に、ペア1のための保持容量および分離度が、上記のLCオプティマイザ11によって演算される。ステップ403から、例示的な方法400は、決定ブロック404に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、(i)セグメント1の溶出可能な成分の第1のペアが完全に溶出し、および(ii)前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した、理論的操作の間に、所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0147】
[0159]決定ブロック404において、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用する理論的操作の間に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られないという決定をする場合には(たとえば、R<1.5)、例示的な方法400は、決定ブロック405に進む。決定ブロック405で、LCオプティマイザ11は、セグメント1のグラジエント持続期間が、所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であるか否かを決定する。
【0148】
[0160]決定ブロック405において、LCオプティマイザ11がグラジエント持続期間は所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上でないという決定をする場合には、例示的な方法400は、ステップ403に戻り、ここでLCオプティマイザ11はグラジエント持続体積を増加させ(たとえば、1カラム体積だけ)、セグメント1の増加したグラジエント周期値(たとえば、2から10カラム体積)に対して、上記のペア1のための保持容量および分離度を再演算する。ステップ403から、例示的な方法400は、上記および以下に続く。
【0149】
[0161]決定ブロック405に戻って、決定ブロック405でLCオプティマイザ11によって、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック406に進み、ここで、LCオプティマイザ11は成分3が溶出したか否かを決定する。LCオプティマイザ11が成分3が溶出していないと判断する場合には、例示的な方法400は、以下に記載するステップ407に進む。LC11オプティマイザが成分3が溶出していると判断する場合には、例示的な方法400は、決定ブロック411に進み、ここで、LCオプティマイザ11は以下に記述する分離度問題が存在するか否かを決定する。
【0150】
[0162]決定ブロック404に戻って、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および所定のグラジエント持続期間(すなわち、1から10カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11によってペア1に対して所望の最小分離度が得られる(たとえば、R>1.5)と決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック407に進み、上記および下記で論じるように進む。
【0151】
[0163]ステップ407では、オプティマイザ11はセグメント2の所定のグラジエント周期値(たとえば、最初は1カラム体積)に対して、上記のペア2の保持容量および分離度を演算する。ステップ407から、例示的な方法400は、決定ブロック408に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって(1)セグメント1の溶出可能な成分のペア1が完全に溶出し、および(ii)前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した、理論的操作の間に、所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0152】
[0164]決定ブロック408において、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られないという決定をする場合には(たとえば、R<1.5)、例示的な方法400は、決定ブロック409に進む。決定ブロック409で、LCオプティマイザ11がセグメント2のグラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上か否かを決定する。
【0153】
[0165]決定ブロック409において、LCオプティマイザ11がグラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上でないという決定をする場合には、例示的な方法400は、ステップ407に戻り、ここでLCオプティマイザ11はグラジエント持続体積を増加させ(たとえば、1カラム体積分)、およびセグメント2の増加したグラジエント周期値(たとえば、2から10カラム体積)のために、上記のペア2の保持容量および分離度を再演算する。ステップ407から、例示的な方法400は、上記および以下に続く。
【0154】
[0166]決定ブロック409に戻って、決定ブロック409でLCオプティマイザ11によって、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であると決定される場合には、例示的な方法400は、決定ブロック411に進み、ここで、LCオプティマイザ11は、以下に記述する分離度問題が存在するか否かを決定する。
【0155】
[0167]決定ブロック408に戻って、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びにセグメント2(たとえば、1から10カラム体積)の所定のグラジエント持続期間を使用した理論的操作中に、LCオプティマイザ11によって、ペア2に対して所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック410に進み、および上記および以下の純粋プロセス300で論じられるように進む。
【0156】
[0168]図12は、溶液の分離度問題に対するプロセスを示し、ここで2つのペアの成分の最も大きな問題が、2つではなく1セグメントだけを使用して、さらに最適化するために選択される。図11のステップ411から、例示的な方法400は、ステップ412に進む。ステップ412では、前回演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに所定のグラジエント持続期間(すなわち、1から10カラム体積)使用する理論的操作中に、LCオプティマイザ11によって、ペア2に対して所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られ、およびペア1に対して所望の最小分離度が得られない(たとえば、R<1.0)と決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック413に進み、ここでLCオプティマイザは、第1から第3の成分溶媒組成から1セグメントグラジエントを選択する。
【0157】
[0169]ステップ413から、例示的な方法400は、ステップ414に進み、ここで、所定のグラジエント周期値(たとえば、初期の1カラム体積)の間に、ペア1に対する保持容量および分離度が、上記のLCオプティマイザ11によって演算される。ステップ414から、例示的な方法400は、決定ブロック415に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって(i)第1のペアの溶出可能な成分が完全に溶出し、および(ii)前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した、理論的操作の間に、所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0158】
[0170]決定ブロック415において、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用する理論的操作の間に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られないという決定をする場合には(たとえば、R<1.5)、例示的な方法400は、決定ブロック416に進む。決定ブロック416で、LCオプティマイザ11は、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上か否かを決定する。
【0159】
[0171]決定ブロック416において、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上ではないという決定をLCオプティマイザ11がする場合には、例示的な方法400は、ステップ414に戻り、ここでLCオプティマイザ11は、グラジエント持続体積を増加させ(たとえば、1カラム体積分)、および、増加したグラジエント周期値(たとえば、2から10カラム体積)のために、上記のペア1に対する保持容量および分離度を再演算する。ステップ414から、例示的な方法400は、上記および以下に続く。
【0160】
[0172]決定ブロック416に戻って、決定ブロック416でLCオプティマイザ11によって、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック417および純粋プロセス300に進む。
【0161】
[0173]決定ブロック415に戻って、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および所定のグラジエント持続期間(たとえば、1から10カラム体積)を使用した理論的操作の間に、LCオプティマイザ11によって、ペア1に対して、所望の最小分離度が得られる(たとえば、R>1.5)と決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック417および純粋プロセス300に進む。
【0162】
[0174]ステップ412に戻って、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値および所定のグラジエント持続期間(たとえば、1から10カラム体積)を使用した理論的操作の間に、LCオプティマイザ11によって、ペア2に対して所望の分離度が得られない(たとえば、R>1.5)、またはペア1に対して分離度が最小しきい値(たとえば、R>1.0)であると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック418に進み、ここでLCオプティマイザ11は、ペア2に対する分離度が、最小しきい値である(たとえば、R<1.0)か否かを決定する。LCオプティマイザ11によって、ペア2に対する最小しきい分離度が得られないと決定される場合には、例示的な方法400は、決定ブロック419に進み、ここでLCオプティマイザは、第2から第3の成分溶媒組成から1セグメントグラジエントを選択する。
【0163】
[0175]ステップ419から、例示的な方法400は、ステップ420に進み、ここで、所定のグラジエント周期値(たとえば、初期の1カラム体積)の間、上記のLCオプティマイザ11によってペア2の保持容量および分離度が演算される。ステップ420から、例示的な方法400は、決定ブロック421に進み、ここで、LCオプティマイザ11によって、(i)第1のペアの溶出可能な成分が完全に溶出し、および(ii)前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用した、理論的操作の間に、所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られるか否かが決定される。
【0164】
[0176]決定ブロック421において、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに初期のグラジエント持続期間(すなわち、1カラム体積)を使用する理論的操作の間に、LCオプティマイザ11が所望の最小分離度が得られないという決定をする場合には(たとえば、R<1.5)、例示的な方法400は、決定ブロック422に進む。決定ブロック422で、LCオプティマイザ11は、グラジエント持続期間が所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であるか否かを決定する。
【0165】
[0177]決定ブロック422において、LCオプティマイザ11がグラジエント持続期間は所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上でないという決定をする場合には、例示的な方法400は、ステップ420に戻り、ここでLCオプティマイザ11は、グラジエント持続体積を増加し(たとえば、1カラム体積分)、および増加したグラジエント周期値(たとえば、2から10カラム体積)に対する、上記のペア2の保持容量および分離度を再演算する。ステップ420から、例示的な方法400は、上記および以下に続く。
【0166】
[0178]決定ブロック422に戻って、決定ブロック422でLCオプティマイザ11によって、グラジエント持続期間は所定のグラジエント持続体積(たとえば、10カラム体積)以上であると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック423および純粋プロセス300に進む。
【0167】
[0179]決定ブロック421に戻って、前回に演算された初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値並びに所定のグラジエント持続期間(たとえば、1から10カラム体積)を使用した理論的操作の間に、LCオプティマイザ11によって、ペア2に対して所望の最小分離度(たとえば、R>1.5)が得られると決定されると、例示的な方法400は、決定ブロック423および純粋プロセス300に進む。
【0168】
[0180]上述の例示的な方法のいずれかでは、一旦、最適化されたグラジエントパラメータの組み合わせがユーザおよびLCシステム要素12に提供されると、ユーザは、LCオプティマイザ11によって提供された、最適化されたグラジエントパラメータの組み合わせを、単に受け入れ、破棄し、または修正できる。LCオプティマイザ11は、これに限定されるものではないが、流量、初期の保持容量、最後の保持容量、カラムタイプ、カラムサイズ、サンプル組成物、および溶媒組成を含む、1つまたは複数の前回決定された、または入力されたパラメータを、ユーザが検討をするために、さらに提供してもよい。
【0169】
[0181]適切なカラムがユニットに取り付けられ、適切な溶媒がユニットに入力され、およびサンプルの注入が一旦準備されると、LCオプティマイザ11によって提供される、最適化されたグラジエントパラメータまたはそれらを変化させた組み合わせを使用して、LCシステム要素12を使用する自動クロマトグラフィーの操作およびフラクションの捕集を開始できる。
【0170】
[0182]別の例示的な実施形態では、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法は、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用して、演算システムによって実行されてもよく、ここでユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を演算システムに入力後に、演算システムは、溶出可能な化合物を分離するめに使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒をユーザに提供する。
【0171】
[0183]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、クロマトグラフィー分離ユニットの演算システムに入力する工程、グラジエントパラメータ値を生成するために演算システムを利用する工程、グラジエントパラメータをクロマトグラフィー分離ユニットまたはユーザに自動的に提供する工程、および2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含む。
【0172】
[0184]例示的な実施形態では、グラジエントパラメータ値は、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、クロマトグラフィー保持データを使用する工程によって決定されてもよく、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用する工程と、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程によって決定されてもよい。
【0173】
[0185]一実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算されてもよい。
【0174】
[0186]別の例示的な実施形態では、該方法は、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む。グラジエント持続調節は、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0175】
[0187]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらに、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0176】
[0188]別の例示的な実施形態では、該方法はさらに、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0177】
[0189]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、ここで分離度の計算が完了した後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物の分離のために、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0178】
[0190]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、クロマトグラフィー分離ユニットの演算システムに入力する工程、グラジエントパラメータを生成するために演算システムを使用する工程、グラジエントパラメータをクロマトグラフィー分離ユニットまたはユーザに自動的に提供する工程、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程、および2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含む。
【0179】
[0191]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、液体クロマトグラフィーシステムの演算システムに入力する工程;溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程;およびグラジエントパラメータ値を生成するために演算システムを使用する工程を含む。
【0180】
[0192]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、さらに、液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザにグラジエントパラメータを自動的に提供する工程;および2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含んでもよい。
【0181】
[0193]例示的な実施形態では、方法は、さらに、グラジエントパラメータを生成するために、演算システムを使用する工程を実施する前に、2以上の溶出可能な化合物のクロマトグラフィー保持データを入力する工程を含んでもよい。
【0182】
[0194]例示的な実施形態では、グラジエントパラメータ値は、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、クロマトグラフィー保持データを使用する工程によって決定されてもよく、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用する工程;および溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程を含む。
【0183】
[0195]一実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算されてもよい。
【0184】
[0196]別の例示的な実施形態では、該方法は、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む。グラジエント持続調節は、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0185】
[0197]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらに、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順は、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0186】
[0198]別の例示的な実施形態では、該方法は、さらに、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む。終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順は(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含んでもよい。
【0187】
[0199]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、ここで分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物の分離のために、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0188】
[0200]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法は、溶出可能な化合物のクロマトグラフィー保持データを、液体クロマトグラフィー装置の演算システムに入力する工程;2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、演算システムを利用する工程;2以上の溶出可能な化合物が、推定された容量比で分離しないか否かを決定するために、演算システムを利用する工程;溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、演算システムを利用する工程;および2以上の溶出可能な化合物を分離するために、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用する工程を含む。
【0189】
II.液体クロマトグラフィー(LC)システムおよびLC最適化ソフトウェア
[0201]本発明は、さらに、液体クロマトグラフィー分離ユニットにおいて使用するために、1つまたは複数の分離パラメータ値をユーザに提供できる、液体クロマトグラフィー(LC)システムおよびLC最適化ソフトウェアに関する。
【0190】
[0202]1つの例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システム、およびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離中に、2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定するために、クロマトグラフィー保持データを使用することができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる工程と;(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比、kopt、を利用する工程と、およびユーザが検討するために、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を提供する工程を含む。
【0191】
[0203]本発明は、さらにもっと、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含む液体クロマトグラフィーシステムに関し、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2つの異なる溶媒体積濃度で少なくとも2つの溶出可能な化合物の容量比、k’s、推定することができ、および、最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比、koptを利用して、最適化されたグラジエント持続期間、最適化された開始グラジエント溶媒体積濃度、最適化された終了グラジエント溶媒体積濃度、またはそれらの組み合わせのいずれかを決定できる。
【0192】
[0204]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0193】
[0205]いくつかの例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数の分離パラメータ値をユーザに提供でき、並びに、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、保持データを利用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定することができ;最適な容量比値koptと組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定でき;並びにユーザが検討するために、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値を提供できる。
【0194】
[0206]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(1)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0195】
[0207]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み;ここで、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;および最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程を実施できる。
【0196】
[0208]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離とを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0197】
[0209]1つの例示的な実施形態では、薄層クロマトグラフィーを使用して、クロマトグラフィー保持データが得られる。
【0198】
[0210]別の例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を含む、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0199】
[0211]別の例示的な実施形態では、演算システムは、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、各溶出可能な化合物の保持容量を演算することができる。
【0200】
[0212]さらに例示的な実施形態では、各溶出可能な化合物の保持容量を利用して、演算システムは、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算することができる。
【0201】
[0213]さらにもっと例示的な実施形態では、演算システムは、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始することができる。
【0202】
[0214]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、グラジエント持続を調節する手順を実施する。
【0203】
[0215]別の例示的な実施形態では、演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。
【0204】
[0216]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、開始グラジエント溶媒を調節する手順を実施する。
【0205】
[0217]さらに例示的な実施形態では、演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。例示的な実施形態では、演算システムは、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を実施する。
【0206】
[0218]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システム、およびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定することができ;並びに、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して各溶出可能な化合物の保持容量を演算することができる。
【0207】
[0219]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するができ、ここで第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0208】
[0220]さらに例示的な実施形態では、各溶出可能な化合物の保持容量を利用して、演算システムは、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算することができる。
【0209】
[0221]さらにもっと例示的な実施形態では、演算システムは、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始することができる。
【0210】
[0222]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、グラジエント持続を調節する手順を実施する。
【0211】
[0223]別の例示的な実施形態では、演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。
【0212】
[0224]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、開始グラジエント溶媒を調節する手順を実施する。
【0213】
[0225]さらに例示的な実施形態では、演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。
【0214】
[0226]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を実施する。
【0215】
[0227]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定でき;および開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算できる。
【0216】
[0228]一実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、第2の溶媒体積濃度は、第1の溶媒体積濃度とは異なる。
【0217】
[0229]一実施形態では、分離度は、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。
【0218】
[0230]別の例示的な実施形態では、分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算される。
【0219】
[0231]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、化合物の分離のために、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0220】
[0232]さらにもっと例示的な実施形態では、演算システムは、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始することができる。
【0221】
[0233]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、グラジエント持続を調節する手順を実施する。
【0222】
[0234]別の例示的な実施形態では、演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。
【0223】
[0235]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程によって、開始グラジエント溶媒を調節する手順を実施する。
【0224】
[0236]さらに例示的な実施形態では、演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができる。
【0225】
[0237]例示的な実施形態では、演算システムは、(a)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程;(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程;および(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程によって、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を実施する。
【0226】
[0238]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、分離度演算が完了した後に、化合物の分離のために、グラジエントパラメータ値を液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザに、自動的に提供する。
【0227】
[0239]別の例示的な実施形態では、演算システムは、ユーザが、溶出可能な化合物の特性を演算システムに入力後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供する。
【0228】
[0240]演算システムは、本発明に開示された方法を実施することができる、いずれかのコンピュータまたはマイクロプロセッサであってもよい。好適な演算システムは、これに限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、マイクロプロセッサ等を含む。
【0229】
[0241]液体クロマトグラフィーシステムは、1つまたは複数のユーザインターフェース要素を含む。好適なユーザインターフェース成分は、これに限定されるものではないが、データ(たとえば、クロマトグラフィー保持データ13)を液体クロマトグラフィーシステムに入力するためのキーボード、結果(たとえば、推奨される液体クロマトグラフィーシステムパラメータ14)をユーザに提供するための、可視ディスプレイ、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む。
【0230】
[0242]本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、2以上の溶出可能な化合物を含むサンプルのための薄層クロマトグラフィープレートデータを利用して、2つの溶媒混合物システムで使用される、2以上の溶出可能な化合物のそれぞれの容量比、kを演算する工程であって、k=(1−R)/Rであり、Rが所定の溶媒混合物システムの所定の化合物のための保持比を示す工程と;演算された容量比および第1のおよび第2の溶媒混合物システムの第1のおよび第2のグラジエント溶媒体積濃度を使用して、順相システムのためのk=kφ−mおよび逆相システムのためのlnk=a−mφから選択された、少なくとも1つの式中のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを決定する工程と;並びに、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φis、およびφieのそれぞれを、最適な容量比値、kopt並びに順相システムのためのφ=[(k/kopt1/m]、および逆相システムではφ=[(a−lnkopt)/m]から選択された少なくとも1つの式中のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを使用して演算する工程を、望ましくは実施できる。上記で論じたように、いくつかの実施形態では、最適な容量比値、koptは2.0に等しくてもよい。
【0231】
[0243]本発明の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、(i)グラジエント持続期間を調節する手順(たとえば、図6に示すように)、(ii)開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順(たとえば、図7に示すように)、(iii)終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順(たとえば、図8に示すように)、または(iv)(i)から(iii)の組み合わせのいずれかを必要に応じて開始して、1つまたは複数の最適化された分離パラメータ値をユーザに提供することがさらにできる、演算システムを含む。
【0232】
[0244]いくつかの実施形態では、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、容量比、k’s、および第1のおよび第2の溶媒体積濃度を利用して、順相システムのためのk=kφ−m、および逆相システムのためのlnk=a−mφから選択された少なくとも1つの式のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを決定し;最適な容量比値、kopt、並びに、順相システムのためのφ=[(k/kopt1/m]および逆相システムのためのφ=[(a−lnkopt)/m]から選択された、少なくとも1つの式中のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを使用して、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieをそれぞれ演算し;初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、およびグラジエント持続期間値を利用し、(i)I(順相モードのための)またはIV(逆相モードのための)の少なくとも1つの数式を使用して、各溶出可能な化合物に対する保持容量を演算し、ここでA=開始グラジエント体積濃度値、B=[(終了グラジエント体積濃度値)−(開始グラジエント体積濃度値)]/(グラジエント持続期間値)、Vはカラムボイド体積、Vは滞留体積、およびVは初期の保持容量であり、(ii)式IIを使用して、各溶出可能な化合物のピークの平均バンド幅、wを演算し、ここでVおよびVは、上記式Iまたは式IVを使用した、溶出可能な化合物1および2のためのV値、およびNはカラム効率であり、並びに、(iii)式IIIを使用した成分ピーク間の分離度を演算することができる、システムのソフトウェアまたはコードを含む。
【0233】
[0245](1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように完全に溶出され、並びに(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、システムは、ユーザが検討するために、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および初期のグラジエント持続値、t、を提供する。(1)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られずに、2以上の溶出可能な化合物が、完全には溶出されない場合には、システムは、(i)ユーザが検討するために、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、並びに初期のグラジエント持続値、t、を提供するか、または(ii)グラジエント持続期間を調節する手順を開始する。
【0234】
[0246]いくつかの実施形態では、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、システムにグラジエント持続期間を調節する手順も開始させることができるソフトウェアまたはコードを含む。グラジエント持続期間を調節する手順は、(a)初期のグラジエント持続期間値を増加したグラジエント持続期間値へ増加させる工程;(b)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、および増加したグラジエント持続期間値、並びに(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、w、および(iii)式IIIを使用した分離度を、再演算する工程;並びに(c)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、2以上の溶出可能な化合物が完全に溶出されるか否か、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含んでもよい。(1)2以上の溶出可能な化合物がV<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、システムは、初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する。
【0235】
[0247](1)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、2以上の溶出可能な化合物が完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、システムは、ステップ(a)、(b)、および(c)を繰り返し、ここでステップ(a)、(b)および(c)は、第1の固定回数まで繰り返される。第1の固定回数に到達すると、システムは、(i)初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供するか、または(ii)開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する。
【0236】
[0248]いくつかの実施形態では、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、さらにシステムに開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始させることができるソフトウェアまたはコードを含む。開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順は、(e)開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(f)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、増加したグラジエント持続期間値、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値を再演算し、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、wを再演算し、および(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程;および(g)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、2以上の溶出可能な化合物が完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含んでもよい。
【0237】
[0249](1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、システムは、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を検討のためにユーザに提供する。(1)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、2以上の溶出可能な化合物が、完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、システムはステップ(e)、(f)および(g)を繰り返し、ここでステップ(e)、(f)および(g)は、第2の固定回数まで繰り返される。第2の固定回数に到達すると、システムは、(i)減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供するか、または(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する。
【0238】
[0250]いくつかの実施形態では、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、システムに終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始させるソフトウェアまたはコードを含む。終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順は、(p)終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程;(q)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、増加したグラジエント持続期間値、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値を再演算し、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、wを再演算し、並びに(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程;並びに(r)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、2以上の溶出可能な化合物が完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含んでもよい。
【0239】
[0251](1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示されるように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、システムは、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する。(1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示されるように、完全には溶出されない、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、システムは、ステップ(p)、(q)および(r)を繰り返し、ここでステップ(p)、(q)および(r)は、第3の固定回数まで繰り返される。第3の固定回数に到達する場合には、システムは、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する。
【0240】
[0252]上述の液体クロマトグラフィーシステムのいずれにおいても、演算システムは、さらに(i)初期のまたは減少した開始溶媒体積濃度値、(ii)初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および(iii)増加したグラジエント持続値を、液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアで用いる液体クロマトグラフィー分離ユニットに提供でき、ここで液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアは、液体クロマトグラフィー分離手順中に(i)初期のまたは減少した開始溶媒体積濃度値、(ii)初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および(iii)増加したグラジエント持続値を受け入れて利用するように動作可能に構成される。ユーザは、液体クロマトグラフィーシステムによって提示された、最適化されたプロセスパラメータを単純に受け入れ、修正し、または破棄して、液体クロマトグラフィーシステムによって提示される最適化されたプロセスパラメータまたはそれらの変動値を使用して、液体クロマトグラフィー分離操作を開始する。
【0241】
[0253]別の例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき、演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき、並びに、ユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を演算システムに入力後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供できる。
【0242】
[0254]さらに例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき、演算システムで実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき、並びにクロマトグラフィーシステムに、グラジエントパラメータを自動的に提供できる。
【0243】
[0255]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み;ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)クロマトグラフィーシステムまたはユーザにグラジエントパラメータを自動的に提供する工程を実施できる。
【0244】
[0256]例示的な実施形態では、演算システムは、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用し、(1)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;並びに、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用し、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程によって、グラジエントパラメータ値を決定することができる。
【0245】
[0257]一実施形態では、分離度は、本明細書に記載されるように、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。
【0246】
[0258]別の例示的な実施形態では、分離度は、本明細書に記載のグラジエント溶媒持続体積を変えて再演算されてもよい。
【0247】
[0259]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、分離度の計算が完了後に、化合物を分離するために、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)を、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供する。
【0248】
[0260]さらにもっと例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、液体クロマトグラフィーシステムと通信する演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施でき、演算システムで実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定でき、クロマトグラフィーシステムに、グラジエントパラメータを自動的に提供でき、並びに、演算システムを利用して、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成することができる。
【0249】
[0261]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システム;およびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)演算システムを利用して、溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成する工程;および(c)演算システムを利用して、溶出可能な化合物を液体クロマトグラフィーで分離するために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程を実施できる。
【0250】
[0262]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザにグラジエントパラメータを自動的に提供する工程;および2以上の溶出可能な化合物を分離するために、液体クロマトグラフィーシステムと通信する工程を実施できる。
【0251】
[0263]例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;最適な容量比値と組み合わせて推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値および(ii)液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;並びに、開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程によって、グラジエントパラメータ値を決定することができる。
【0252】
[0264]一実施形態では、分離度は、本明細書に記載されているように、開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変更して、再演算されてもよい。
【0253】
[0265]別の例示的な実施形態では、分離度は、本明細書に記載のグラジエント溶媒持続体積を変えて再演算される。
【0254】
[0266]1つの例示的な実施形態では、演算システムは、クロマトグラフィー分離ユニットのソフトウェアを使用し、分離度の計算が完了後に、化合物を分離するために、グラジエントパラメータ値(時間表および濃度表)は、クロマトグラフィーユニットまたはユーザへ自動的に提供される。
【0255】
[0267]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)ユーザが、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、演算システムに入力した後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供する工程を実施できる。
【0256】
[0268]例示的な実施形態では、液体クロマトグラフィーシステムは、演算システムおよびユーザ演算システムを備えるユーザインターフェースを含み、ここで液体クロマトグラフィーシステムは、(a)演算システムを利用し、演算システムに入力された溶出可能な化合物の保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推測する工程;(b)2以上の溶出可能な化合物が、推定された容量比で分離しないか否かを決定するために、演算システムを利用する工程;(c)演算システムを利用して、溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成する工程;並びに、(d)2以上の溶出可能な化合物を分離するために、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用する工程を実施できる。
【0257】
[0269]本発明は以上のように記載され、さらに、本発明の範囲を制限するものと解釈されない一例が以下に記載される。むしろ、当業者であれば、明細書の記載を読めば、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、多様な他の実施形態、修正形態、および均等物を容易に想到できるということが明確に理解されるであろう。
【実施例】
【0258】
実施例1:2つの成分の順相分離(スピードモード)
[0270]ユーザは、TLCプレートタイプ(順相)としてシリカを選択し、2つの成分(ブチルパラベンおよびメチルパラベン)をプレートの上に付け、20%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.35および0.24であった。ユーザは別のプレートに付け、これを30%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.50および0.39であった。ユーザは、LC分離のために、12gシリカカラム(順相)および流量36mL/分を選択した。ユーザがデータを、フラッシュクロマトグラフィーシステム(すなわち、Grace Davison Discovery Sciencesから入手できる、REVELERIS(商標)フラッシュシステム)にインストールされたLCオプティマイザに入力し、スピードモードを選択する。
【0259】
[0271]オプティマイザは、式k=kφ―mのパラメータとして、第1のピークのために、m=1.53およびk=0.16、並びに、第2のピークのためにm=1.74およびk=0.19で演算する。この式中でkとしてkopt=2および第1のピークのパラメータを使用することによって、19%の開始グラジエント体積濃度が得られる。第2のピークのパラメータを使用することによって27%の終了グラジエント体積濃度が得られる。
【0260】
[0272]グラジエント体積を1カラム体積に設定して反復的にそれを増加させることによって、10カラム体積の最大グラジエント体積で終了(この場合)し、両方の成分がカラムから溶出する。スピードモードに基づくLCオプティマイザは、以下の表1に記載のグラジエントプロファイルを、ユーザが検討するために、出力として提供する。
【表1】

時間(分)
グラジエント体積濃度
【0261】
[0273]グラジエントプロファイルは、液体クロマトグラフィーシステム要素(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム要素12)への入力としても提供された。ユーザは、データを受け入れて、および液体クロマトグラフィー分離手順を開始した。図13は、上の実施例1に記載された、最適化されたグラジエント手順を使用した、2つの溶出可能な成分の分離を示す、実際のクロマトグラムを図示する。
【0262】
実施例2:2つの成分の順相分離(純粋モード)
[0274]ユーザはTLCプレートタイプとしてシリカを選択し、2つの成分(ブチルパラベンおよびメチルパラベン)をプレートに付け、20%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.35および0.24であった。次にユーザは別のプレートに付け、これを30%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.50および0.39であった。ユーザは、LC分離のために12gシリカカラムおよび流量36mL/分を選択した。ユーザがデータを、REVELERIS(商標)フラッシュシステムにインスト−ルされた、LCオプティマイザに入力し、純粋モードを選択する。
【0263】
[0275]オプティマイザは、式k=kφ−mに対するパラメータとして、第1のピークに対してm=1.53およびk=0.16並びに第2のピークに対してm=1.74およびk=0.19で演算する。この式中でkとしてkopt=2および第1のピークのパラメータを使用することによって、19%の開始グラジエント体積濃度が得られる。第2のピークのパラメータを使用することによって、27%の終了グラジエント体積濃度が得られる。
【0264】
[0276]グラジエント体積を1カラム体積に設定し、それを反復的に増加させて、最大グラジエント体積の10カラム体積で終了(この場合)し、両方の成分がカラムから溶出する。純粋モードでは良好な分離度が得られないので、LCオプティマイザは開始グラジエント体積濃度の最適化を実施する。
【0265】
[0277]両方の成分がカラムから溶出するけれども、良好な分離度が得られない場合は、開始グラジエント体積濃度を反復して0%までずっと減少させる。LCオプティマイザは、終了グラジエント体積濃度の最適化を実施する。
【0266】
[0278]終了グラジエント体積濃度を反復して19%まで減少させて、両方の成分がカラムから溶出する。この操作時間に対する最適な分離度が得られた。以下の表2に記載のグラジエントプロファイルが、出力としてユーザに提供された。
【表2】

時間(分)
グラジエント体積濃度
【0267】
[0279]グラジエントプロファイルは、液体クロマトグラフィーシステム要素(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム要素12)への入力としても提供された。ユーザは、データを受け入れて、液体クロマトグラフィー分離手順を開始した。図14は、上の実施例2に記載された、最適化されたグラジエント手順を使用した、2つの溶出可能な成分の分離を示す、実際のクロマトグラムを図示する。
【0268】
実施例3:2つの成分の順相分離(スピードモード)
[0280]ユーザはTLCプレートタイプとしてシリカを選択し、2つの成分(ジオクチルフタレートおよびブチルパラベン)をプレートに付けて、20%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、は、0.75および0.35であった。次にユーザは別のプレートに付けて、これを30%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.80および0.50であった。ユーザは、LC分離に対して12gシリカカラムおよび流量36mL/分を選択した。ユーザはデータを、REVELERIS(商標)フラッシュシステムにインスト−ルされたLCオプティマイザに入力し、スピードモードを選択する。
【0269】
[0281]オプティマイザは、式k=kφ−mに対するパラメータとして、第1のピークに対してm=0.71およびk=0.11、並びに、第2のピークに対してm=1.53およびk=0.16で演算する。この式中でkとしてkopt=2および第1のピークのパラメータを使用することによって、2%の開始グラジエント体積濃度が得られる。第2のピークのパラメータを使用することによって、終了グラジエント体積濃度は20%となる。
【0270】
[0282]グラジエント体積を1カラム体積に設定して、それを反復的に増加させて、最大グラジエント体積の5カラム体積で終了(この場合)し、両方の成分がカラムから溶出し、良好な分離度が得られる。スピードモードに基づくLCオプティマイザは、以下の表3に記載のグラジエントプロファイルを、ユーザが検討するために、出力として提供する。
【表3】

時間(分)
グラジエント体積濃度
【0271】
[0283]グラジエントプロファイルは、液体クロマトグラフィーシステム要素(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム要素12)への入力としても提供された。ユーザは、データを受け入れて、および液体クロマトグラフィー分離手順を開始した。図15は、上の実施例3に記載された、最適化されたグラジエント手順を使用した、2つの溶出可能な成分の分離を示す、実際のクロマトグラムを図示する。
【0272】
実施例4:2つの成分の順相分離(純粋モード)
[0284]ユーザはTLCプレートタイプとしてシリカを選択し、2つの成分(ジオクチルフタレートおよびブチルパラベン)をプレートに付けて、20%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分の(ジオクチルフタレートおよびブチルパラベン)R値は、0.75および0.35であった。次にユーザは、別のプレートに付けて、これを30%溶媒体積濃度で操作した。2つの成分のR値は、0.80および0.50であった。ユーザは、LC分離のために12gシリカカラムおよび流量36mL/分を選択した。ユーザがデータを、REVELERIS(商標)フラッシュシステムにインスト−ルされたLCオプティマイザに入力し、および純粋モードを選択する。
【0273】
[0285]オプティマイザは、式k=kφ−mに対するパラメータとして、第1のピークに対してm=0.71およびk=0.11、並びに、第2のピークに対してm=1.53およびk=0.16で演算する。この式中でkとしてkopt=2および第1のピークに対するパラメータを使用して、2%の開始グラジエント体積濃度を得る。第2のピークのパラメータを使用することによって、20%の終了グラジエント体積濃度を得る。
【0274】
[0286]グラジエント体積を1カラム体積に設定して、反復的にそれを増加させることによって、純粋モードの設定に基づいてこれらを10カラム体積の最大グラジエント体積で終了(この場合)し、両方の成分がカラムから溶出する。純粋モードの厳密な条件設定のために、スピードモードよりも、より良い分離度が得られる。LCオプティマイザは、以下の表4に記載のグラジエントプロファイルを、ユーザが検討するために、出力として提供する。
【表4】

時間(分)
グラジエント体積濃度
【0275】
[0287]グラジエントプロファイルは、液体クロマトグラフィーシステム要素(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム要素12)への入力としても提供された。ユーザは、データを受け入れて、および液体クロマトグラフィー分離手順を開始した。図16は、上の実施例4に記載された、最適化されたグラジエント手順を使用した、2つの溶出可能な成分の分離を示す、実際のクロマトグラムを図示する。
【0276】
実施例5:3つの成分の順相分離
[0288]ユーザはTLCプレートタイプとしてシリカを選択し、3つの成分(α−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびメチルパラベン)をプレートに付けて、20%溶媒体積濃度で操作した。3つの成分のR値は0.69、0.57および0.24であった。次にユーザは別のプレートに付け、これを30%溶媒体積濃度で操作した。3つの成分のR値は、0.75、0.68および0.39であった。ユーザは、LC分離をするために12gシリカカラムおよび流量36mL/分を選択した。ユーザがデータを、REVELERIS(商標)フラッシュシステムにインスト−ルされたLCオプティマイザに入力する。
【0277】
[0289]オプティマイザは、式k=kφ−mに対するパラメータとして、第1のピークのためにm=0.74およびk=0.14、第2のピークのためにm=1.16およびk=0.12、並びに、第3のピークのためにm=1.74およびk=0.19で演算する。この式中でkとしてkopt=2および第1のピークのパラメータを使用することによって、3%の開始グラジエント体積濃度が得られる。第2のピークのパラメータを使用することによって、第1のセグメントの終了グラジエント体積濃度として9%を得る。第3のピークのパラメータを使用することによって、第2のセグメントのために、27%の終了グラジエント体積濃度を与える。
【0278】
[0290]第1のセグメントのグラジエント体積を1カラム体積に設定して反復的にそれを増加させることによって、3カラム体積のグラジエント体積で終了し、良好な分離度が得られる。第1のおよび第2のピークは溶出するが、第3のピークは溶出しない。従って、第2のセグメントを使用するには、成分分離を達成することが必要になる。第2のセグメントのグラジエント体積を1カラム体積に設定して反復的にそれを増加させることによって、4カラム体積のグラジエント体積で終了し、良好な分離度が得られる。LCオプティマイザは、以下の表5に記載のグラジエントプロファイルを、ユーザが検討するために、出力として提供する。
【表5】

時間(分)
グラジエント体積濃度
【0279】
[0291]グラジエントプロファイルは、液体クロマトグラフィーシステム要素(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム要素12)への入力としても提供された。ユーザは、データを受け入れて、および液体クロマトグラフィー分離手順を開始した。図17は、上の実施例5に記載された、最適化されたグラジエント手順を使用した、3つの溶出可能な成分の分離を示す実際のクロマトグラムを図示する。
【0280】
[0292]本発明は限られた数の実施形態について記載されてきたが、これらの特定の実施形態は、明細書の記載および特許請求の範囲を除き、本発明の範囲を制限することを意図していない。本明細書の例示的な実施形態を参照すれば、さらなる修正形態、均等形態、および変形形態が可能であることは、当業者にとっては明白である。実施例のすべての部分および百分率、および明細書の残りの部分は、他に記載がない限り重量による。
【0281】
[0293]さらに、特定の一連の特性、測定単位、条件、物理的状態または百分率などを示す、明細書または請求の範囲で引用されるすべての数値範囲は、参照により文字通り明示的に明細書に取り入れられ、または、そこで引用される全範囲のサブセット数値を含む、該範囲に入るすべての数値が取り入れられることが意図される。たとえば、下限R、および上限Rを含む数値範囲が開示される場合には常に、該範囲に含まれるすべての数値Rが明確に開示される。特に、次の範囲に含まれる数値R(R=R+k(R−R))は明確に開示される。ここでkは、増分が1%である1%から100%までの可変範囲であり、たとえば、kは1%、2%、3%、4%、5%....50%、51%、52%....95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。さらに、任意の2つのR値で示されるすべての数値範囲も、上記で演算されるように、明確に開示される。
【0282】
[0294]本明細書に記載されて示された修正形態に加え、本発明のいかなる修正形態も、前述の記述および添付図面から当業者には明らかである。該修正形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本明細書に引用されるすべての刊行物は、参照によってその全体がここに組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法であって、
クロマトグラフィー保持データを利用する工程であって、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離中で、2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定し、前記第2の溶媒体積濃度は、前記第1の溶媒体積濃度とは異なる工程と、
最適な容量比値koptと組み合わせて、前記推定された容量比を利用する工程であって、前記液体クロマトグラフィー分離のための(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値と(ii)終了グラジエント溶媒体積濃度値とを決定する工程とを含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記容量比、k’s、および前記第1のおよび第2の溶媒体積濃度を利用する工程であって、
順相システムのためのk=kφ−m、および逆相システムのためのlnk=a−mφから選択された少なくとも1つの式のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを決定する工程と、
初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieのそれぞれを演算する工程であって、
順相システムのためのφ=[(k/kopt1/m]および逆相システムのためのφ=[(a−lnkopt)/m]から選択された少なくとも1つの式中の最適な容量比値、koptおよびパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを使用する工程と、を含む方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記最適な容量比値、koptは2.0である方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、
前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、およびグラジエント持続期間値を利用する工程であって、
(i)(I)、および(IV)から選択された少なくとも1つの式を使用して、それぞれの溶出可能な化合物に対する保持容量を演算する工程であって、
【数4】

および
【数5】

ここで、A=前記開始グラジエント体積濃度値、B=[(前記終了グラジエント体積濃度値)−(前記開始グラジエント体積濃度値)]/(前記グラジエント持続期間値)であって、Vはカラムボイド体積、Vは滞留体積、およびVは初期の保持容量であり、
(ii)式(II)を使用して、各溶出可能な化合物のピークの平均バンド幅、wを演算する工程である工程と、
【数6】

ここで、VおよびVは、前記式Iまたは式IVを使用した、溶出可能な化合物1および2に対するV値であり、およびNはカラム効率である工程と、
(iii)式IIIを使用して成分ピーク間の分離度を演算する工程であって、
(V−V)/w(III)および
(1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記初期のグラジエント持続値、t、を検討のためにユーザに提供する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに、グラジエント持続期間を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記グラジエント持続期間を調節する手順は、
(a)前記初期のグラジエント持続期間値を増加したグラジエント持続期間値へ増加させる工程と、
(b)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つ、および前記増加したグラジエント持続期間値を使用した、各溶出可能な化合物に対する保持容量、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、wおよび(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(c)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示されるように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する工程を含み、または
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように完全に溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含み、ここで工程(a)、(b)および(c)は、第1の固定回数まで繰り返され、
前記第1の固定回数に到達する場合には、
前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、
前記方法は、さらに前記開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程を含み、
前記開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順は、
(e)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(f)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、前記増加したグラジエント持続期間値、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、w、および(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(g)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含み、および
(1)前記2以上の溶出可能な化合物がV<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する工程を含み、または
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに工程(e)、(f)および(g)を繰り返す工程を含み、ここで工程(e)、(f)および(g)は、第2の固定回数まで繰り返され、および
前記第2の固定回数に到達する場合には、
前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
前記方法は、さらに前記終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程を含み、前記終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順は、
(p)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(q)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、前記増加したグラジエント持続期間値、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、w、および(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(r)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに、工程(p)、(q)および(r)を繰り返す工程であって、工程(p)、(q)および(r)は、第3の固定回数まで繰り返される工程を含み、
前記第3の固定回数に到達すると、
前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記初期のグラジエント持続期間値は1カラム体積であり、それぞれの増加したグラジエント持続期間値は約1カラム体積ずつそれぞれが異なり、それぞれの減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値は、前回の開始グラジエント溶媒体積濃度値の約90%を含み、それぞれの減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値は、前回の終了グラジエント溶媒体積濃度値の約90%を含み、前記第1の固定回数は約10であり、前記第2の固定回数は約100であり、前記第3の固定回数は約100である方法。
【請求項9】
請求項2記載の方法において、
前記容量比を利用する前記工程は、パラメータkおよびmを決定する工程を含む方法。
【請求項10】
請求項5記載の方法において、
前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する工程も、前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアで用いる、液体クロマトグラフィー分離ユニットに提供する工程を含み、
前記液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアは、液体クロマトグラフィー分離手順中に、前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を受け入れおよび利用するように動作可能に構成される方法。
【請求項11】
請求項5記載の方法を実施するために、コンピュータが実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
請求項8記載の方法を実施するために、コンピュータが実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、
請求項8記載の方法を実施できるプログラム可能な命令またはソフトウェアを含むシステム。
【請求項14】
請求項13記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
液体クロマトグラフィーカラムと、
フラクションコレクターと、
液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアであって、前記液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアは、液体クロマトグラフィーカラムのサンプルを分離中に、前記演算システムから、1つまたは複数の最適化されたプロセスパラメータを受け入れおよび利用するように動作可能に構成されるソフトウェアを含む液体クロマトグラフィー分離ユニットと、をさらに含むシステム。
【請求項15】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数の分離パラメータ値をユーザに提供できる液体クロマトグラフィーシステムであって、前記システムは、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、を備え、
前記演算システムは、
クロマトグラフィー保持データを利用する工程であって、(1)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離中に2以上の溶出可能な化合物の容量比、k’sを推定し、前記第2の溶媒体積濃度は、前記第1の溶媒体積濃度とは異なる工程と、
最適な容量比値、kopt、と組み合わせて、前記推定された容量比を利用する工程であって、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程と、
ユーザが検討するために、(i)、前記開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)、前記終了グラジエント溶媒体積濃度値を提供する工程と、を実施できるシステム。
【請求項16】
請求項15記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記ユーザインターフェースは、ユーザのために可視のディスプレイを含むシステム。
【請求項17】
請求項15記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
前記容量比、k、および、前記第1のおよび第2の溶媒体積濃度を利用する工程であって、
順相システムのためのk=kφ−m、および逆相システムのためのlnk=a−mφから選択された少なくとも1つの式のパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを決定する工程と、
初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、φisおよびφieのそれぞれを演算する工程であって、
順相システムのためのφ=[(k/kopt1/m]および逆相システムのためのφ=[(a−lnkopt)/m]から選択された少なくとも1つの式中の最適な容量比値、koptおよびパラメータ(i)kおよびmまたは(ii)aおよびmを利用して演算する工程と、
前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、およびグラジエント持続期間値を利用する工程であって、
(i)(I)および(IV)から選択された少なくとも1つの式を使用して、それぞれの溶出可能な化合物に対する保持容量を演算する工程であって、
【数7】

および
【数8】

ここで、A=前記開始グラジエント体積濃度値、B=[(前記終了グラジエント体積濃度値)−(前記開始グラジエント体積濃度値)]/(前記グラジエント持続期間値)であって、Vはカラムボイド体積、Vは滞留体積、およびVは初期の保持容量である工程と、
(ii)式(II)を使用して、各溶出可能な化合物のピークの平均バンド幅、wを演算する工程であって、
【数9】

ここで、VおよびVは、前記式Iまたは式IVを使用した、溶出可能な化合物1および2に対するV値であり、およびNはカラム効率である工程と、
(iii)式IIIを使用して成分ピーク間の分離度を演算する工程であって、
(V−V)/w(III);および
(1)2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに、前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および、前記初期のグラジエント持続値、t、を検討のためにユーザに提供する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに、前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および、初期のグラジエント持続値、tを、検討のためにユーザに提供し、または、グラジエント持続期間を調節する手順を開始する工程を実施することができるシステム。
【請求項18】
請求項17記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、前記グラジエント持続期間を調節する手順を開始する前記工程は、
(a)前記初期のグラジエント持続期間値を増加したグラジエント持続期間値へ増加させる工程と、
(b)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つ、および、前記増加したグラジエント持続期間値を使用した、各溶出可能な化合物に対する保持容量、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、wおよび(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(c)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示されるように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに、前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および、前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように完全に溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに工程(a)、(b)および(c)を繰り返す工程を含み、ここで工程(a)、(b)および(c)は、第1の固定回数まで繰り返され、
前記第1の固定回数に到達する場合には、
前記初期の開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値、および、前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する方法。
【請求項19】
請求項18記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、開始グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する前記工程は、
(e)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(f)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、前記増加したグラジエント持続期間値、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、w、並びに(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(g)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように、前記2以上の溶出可能な化合物が完全に溶出し、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程であって、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物がV<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または、
(1)V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vで示されるように前記2以上の溶出可能な化合物が、完全には溶出されない、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、工程(e)、(f)および(g)を繰り返し、工程(e)、(f)および(g)は、第2の固定回数まで繰り返され、
前記第2の固定回数に達する場合には、
前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記初期の終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供し、または、終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項20】
請求項19記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、前記終了グラジエント溶媒体積濃度を調節する手順を開始する前記工程は、
(p)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(q)(i)数式IおよびIVの少なくとも1つを使用した各溶出可能な化合物に対する保持容量、前記増加したグラジエント持続期間値、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、および前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、(ii)式IIを使用したピークの平均バンド幅、w、および(iii)式IIIを使用した分離度を再演算する工程と、
(r)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られるか否かを決定する工程を含み、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全に溶出され、および(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られる場合には、前記方法は、さらに、前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する工程を含み、または、
(1)前記2以上の溶出可能な化合物が、V<V+V+V+VおよびV<V+V+V+Vに示すように完全には溶出されず、または(2)少なくとも1.5の分離度Rが得られない場合には、前記方法は、さらに、工程(p)、(q)および(r)を繰り返す工程であって、工程(p)、(q)および(r)は、第3の固定回数まで繰り返される工程を含み、
前記第3の固定回数に到達すると、
前記減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値、前記減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および前記増加したグラジエント持続値を、検討のためにユーザに提供する方法。
【請求項21】
請求項19記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、さらに(i)初期のまたは減少した開始溶媒体積濃度値、(ii)初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および(iii)前記増加したグラジエント持続値を、液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアで用いる液体クロマトグラフィー分離ユニットに提供でき、
前記液体クロマトグラフィー分離ユニットソフトウェアは、液体クロマトグラフィー分離手順中に、(i)前記初期のまたは減少した開始溶媒体積濃度値、(ii)前記初期のまたは減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値、および(iii)前記増加したグラジエント持続値を受け入れおよび利用するように動作可能に構成される方法。
【請求項22】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法であって、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程を含む方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、
薄層クロマトグラフィーを使用して、クロマトグラフィー保持データが得られる方法。
【請求項24】
請求項22記載の方法において、
前記2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、クロマトグラフィー保持データを利用する工程は、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離と(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を含み、前記第2の溶媒体積濃度は、前記第1の溶媒体積濃度とは異なる方法。
【請求項25】
請求項22記載の方法において、
さらに各溶出可能な化合物の保持容量を演算するために、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程を含む方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、
さらに各溶出可能な化合物の間の分離度を演算するために、前記各溶出可能な化合物の保持容量を利用する工程を含む方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、
さらに各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、
さらに、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項29】
請求項22記載の方法において、
さらに開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、
さらに、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項31】
請求項22記載の方法において、
さらに終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、
さらに、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項33】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法であって、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程と、
前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、各溶出可能な化合物の保持容量を演算する工程と、を含む方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、
さらに前記各溶出可能な化合物の保持容量を利用して、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算する工程を含む方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、
さらに各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、
さらに、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のための保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項37】
請求項33記載の方法において、
さらに開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、
さらに、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項39】
請求項33記載の方法において、
さらに終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項40】
請求項39記載の方法において、
さらに、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項41】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する方法であって、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程と、
前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程を含む方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法において、
さらに各溶出可能な化合物間の前記分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項43】
請求項42記載の方法において、
さらに、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項44】
請求項41記載の方法において、
さらに開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項45】
請求項44記載の方法において、
さらに、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含む方法。
【請求項46】
請求項41記載の方法において、
さらに終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始する工程を含む方法。
【請求項47】
請求項46記載の方法において、
さらに、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物の間の分離度が達成されたか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程と、を含む方法。
【請求項48】
請求項41記載の方法において、
前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変えることによって、前記分離度が再演算される方法。
【請求項49】
請求項41記載の方法において、
前記分離度は、グラジエント溶媒持続体積を変えて再演算される方法。
【請求項50】
液体クロマトグラフィーシステムのソフトウェアを使用して、演算システムによって実施される、請求項41記載の方法において、分離度の計算が完了後に、グラジエントパラメータ値は、前記化合物を分離するために、自動的に前記液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザへ提供される方法。
【請求項51】
液体クロマトグラフィーシステムのソフトウェアを使用して、演算システムによって実施される、請求項41記載の方法において、
ユーザが、溶出可能な化合物の特性を前記演算システムに入力後に、前記演算システムは、溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒ユーザに提供する方法。
【請求項52】
液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法において、
溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、液体クロマトグラフィーシステムの演算システムに入力する工程と、
グラジエントパラメータ値を生成するために前記演算システムを使用する工程と、
前記液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザに前記グラジエントパラメータを自動的に提供する工程と、
前記2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含む方法。
【請求項53】
請求項52記載の方法において、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程と、
溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程と、を含む方法によって、前記グラジエントパラメータ値が決定される方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、
前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変えることによって、前記分離度が再演算される方法。
【請求項55】
請求項53記載の方法において、
前記分離度は、グラジエント溶媒持続値を変えて再演算される方法。
【請求項56】
液体クロマトグラフィーシステムのソフトウェアを使用して、演算システムによって実施される、請求項52記載の方法において、
ユーザが、溶出可能な化合物の特性を前記演算システムに入力後に、前記演算システムは、前記溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供する方法。
【請求項57】
液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法において、
溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、液体クロマトグラフィーシステムの演算システムに入力する工程と、
溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、前記演算システムを利用する工程と、
グラジエントパラメータ値を生成するために前記演算システムを使用する工程を含む方法。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、
さらに、
前記液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザに前記グラジエントパラメータを自動的に提供する工程と、
前記2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を含む方法。
【請求項59】
請求項57記載の方法において、
さらにグラジエントパラメータを生成するために、前記演算システムを使用する工程を実施する前に、前記2以上の溶出可能な化合物のクロマトグラフィー保持データを入力する工程を含む方法。
【請求項60】
請求項57記載の方法において、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程と、
前記溶出可能な化合物の保持容量および前記溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程を含む方法によって、前記グラジエントパラメータ値が決定される方法。
【請求項61】
請求項57記載の方法において、
前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変えることによって、前記分離度が再演算される方法。
【請求項62】
請求項57記載の方法において、
前記分離度は、グラジエント溶媒持続値を変えて再演算される方法。
【請求項63】
液体クロマトグラフィーを使用して、2以上の溶出可能な化合物を分離する方法において、
溶出可能な化合物のクロマトグラフィー保持データを、液体クロマトグラフィー装置の演算システムに入力する工程と、
前記2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するために、前記演算システムを利用する工程と、
前記2以上の溶出可能な化合物が、前記推定された容量比で分離しないか否かを決定するために、前記演算システムを利用する工程と、
溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、前記演算システムを利用する工程と、
前記2以上の溶出可能な化合物を分離するために、前記少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用する工程と、を含む方法。
【請求項64】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えたユーザインターフェースを具備し、
前記演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程と、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程と、を実施できるシステム。
【請求項65】
請求項64記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
薄層クロマトグラフィーを使用して、前記クロマトグラフィー保持データが得られるシステム。
【請求項66】
請求項64記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記クロマトグラフィー保持データを利用し、(i)第1の溶媒体積濃度を含む第1の分離および(ii)第2の溶媒体積濃度を含む第2の分離を含む、前記2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定することができ、前記第2の溶媒体積濃度は、前記第1の溶媒体積濃度とは異なるシステム。
【請求項67】
請求項64記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、各溶出可能な化合物の保持容量を演算できるシステム。
【請求項68】
請求項67記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記各溶出可能な化合物の保持容量を利用して、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算することができるシステム。
【請求項69】
請求項68記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始できるシステム。
【請求項70】
請求項69記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項71】
請求項64記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項72】
請求項71記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項73】
請求項64記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項74】
請求項73記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
さらに、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物の間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を含むシステム。
【請求項75】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システム、および、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースを具備するシステムにおいて、
前記演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;および、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量を演算する工程を実施できるシステム。
【請求項76】
請求項75記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、各溶出可能な化合物の間の分離度を演算するために、前記各溶出可能な化合物の保持容量を利用することができるシステム。
【請求項77】
請求項76記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、各溶出可能な化合物間の分離度が得られない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項78】
請求項77記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項79】
請求項75記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項80】
請求項79記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項81】
請求項75記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項82】
請求項81記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値まで低減する工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物の間の分離度が達成されたか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項83】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、を具備するシステムにおいて、
前記演算システムは、クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程;最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程;並びに、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、溶出可能な化合物の保持容量および溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程を実施できるシステム。
【請求項84】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、各溶出可能な化合物の間の分離度が達成されていない場合に、グラジエント持続を調節する手順を開始できるシステム。
【請求項85】
請求項84記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)初期のグラジエント持続期間値を、増加したグラジエント持続期間値に増加させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項86】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、開始グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項87】
請求項86記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)前記開始グラジエント溶媒体積濃度を、減少した開始グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項88】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、終了グラジエント溶媒濃度を調節する手順を開始することができるシステム。
【請求項89】
請求項88記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
(a)前記終了グラジエント溶媒体積濃度を、減少した終了グラジエント溶媒体積濃度値に低減させる工程と、
(b)各溶出可能な化合物のために保持容量を再演算する工程と、
(c)各溶出可能な化合物間の分離度が達成されるか否かを決定する工程と、
(d)分離度が達成されない場合には、工程(a)、(b)、および(c)を繰り返す工程を実施できるシステム。
【請求項90】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変化させることによって、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項91】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、グラジエント溶媒持続体積を変化させて、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項92】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、分離度の計算の完了後に、前記化合物の分離のために、グラジエントパラメータ値を前記液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザに、自動的に提供するシステム。
【請求項93】
請求項83記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、ユーザが、溶出可能な化合物の特性を前記演算システムに入力後に、溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒をユーザに提供するシステム。
【請求項94】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、を具備するシステムにおいて、
前記液体クロマトグラフィーシステムは、(a)前記液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)前記演算システムによって実施される、溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)前記クロマトグラフィーシステムまたはユーザに前記グラジエントパラメータを自動的に提供する工程を実施できるシステム。
【請求項95】
請求項94記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定するためにクロマトグラフィー保持データを使用する工程と、
(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定するために、最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用する工程と、
前記溶出可能な化合物の保持容量および前記溶出可能な化合物間の分離度を演算するために、前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用する工程によって、前記グラジエントパラメータ値を決定することができるシステム。
【請求項96】
請求項95記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変化させることによって、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項97】
請求項95記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、グラジエント溶媒持続体積を変化させて、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項98】
請求項94記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、ユーザが、溶出可能な化合物の特性を前記演算システムに入力後に、前記溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒をユーザに提供できるシステム。
【請求項99】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、を具備するシステムにおいて、
前記液体クロマトグラフィーシステムは、(a)前記液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成するために、前記演算システムを利用する工程;および(c)前記溶出可能な化合物を液体クロマトグラフィーで分離するために、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する、前記演算システムを利用する工程を実施できるシステム。
【請求項100】
請求項99記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
前記グラジエントパラメータを、前記液体クロマトグラフィーシステムまたはユーザに自動的に提供する工程;および前記2以上の溶出可能な化合物を分離するために、前記液体クロマトグラフィーシステムと通信する工程を実施できるシステム。
【請求項101】
請求項99記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、
クロマトグラフィー保持データを使用して、2以上の溶出可能な化合物の容量比を推定する工程と、
最適な容量比値と組み合わせて前記推定された容量比を利用して、(i)開始グラジエント溶媒体積濃度値、および(ii)前記液体クロマトグラフィー分離のための終了グラジエント溶媒体積濃度値を決定する工程と、
前記開始および終了グラジエント溶媒体積濃度値を利用して、前記溶出可能な化合物の保持容量および前記溶出可能な化合物間の分離度を演算する工程によって、前記グラジエントパラメータ値を決定することができるシステム。
【請求項102】
請求項99記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、前記開始または終了グラジエント溶媒体積濃度値を変化させることによって、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項103】
請求項99記載の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、
前記演算システムは、グラジエント溶媒持続体積を変化させて、前記分離度を再演算できるシステム。
【請求項104】
液体クロマトグラフィー分離のために、1つまたは複数の分離パラメータ値をユーザに提供できる液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システム、および前記演算システムを備えるユーザインターフェースを具備するシステムにおいて、
前記液体クロマトグラフィーシステムは、(a)前記液体クロマトグラフィーシステムと通信する、演算システムに入力される、溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を使用して、液体クロマトグラフィーで、2以上の溶出可能な化合物を分離する工程;(b)前記演算システムによって実施される、前記溶出可能な化合物の液体クロマトグラフィー分離のための、1つまたは複数のグラジエントパラメータ値を決定する工程;および(c)ユーザが、前記溶出可能な化合物の1つまたは複数の特性を、前記演算システムに入力した後に、前記溶出可能な化合物を分離するために使用する、望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を、ユーザに提供する工程を実施できるシステム。
【請求項105】
液体クロマトグラフィーシステムであって、
演算システムと、
前記演算システムを備えるユーザインターフェースと、を具備するシステムにおいて、
前記液体クロマトグラフィーシステムは、(a)前記演算システムを利用し、演算システムに入力された前記溶出可能な化合物の保持データを使用して、前記2以上の溶出可能な化合物の容量比を推測する工程;(b)前記演算システムを利用して、前記2以上の溶出可能な化合物が、前記推定された容量比で分離しないか否かを決定する工程;(c)前記演算システムを利用して、前記溶出可能な化合物を分離するために使用する、少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を生成する工程;および(d)前記少なくとも1つの望ましい種類のクロマトグラフィー方法、クロマトグラフィー媒体、クロマトグラフィーカラムサイズ、およびクロマトグラフィー溶媒を利用して、前記2以上の溶出可能な化合物を分離する工程を実施できるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−518286(P2013−518286A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551248(P2012−551248)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2011/022513
【国際公開番号】WO2011/094264
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(508270602)オールテック・アソシエイツ・インコーポレーテッド (11)