説明

液体クロマトグラフ分析装置

【課題】ハイスループット分析を可能にするために必須である、簡便かつ信頼性が高い洗浄液専用送液システムを、低コスト・省スペースに実現すること。
【解決手段】本発明は、洗浄液をオートサンプラユニット1の中の洗浄ポート6とポンプユニット2のプランジャヘッド14に送液する場合、液体クロマトグラフ分析装置を構成するユニットに、洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8を取り付ける。なおこの容器保持部材8はユニット壁面の任意の場所に取り付け可能であり、そのことにより容器保持部材の取り付け高さを変更することができるため、洗浄液入り容器の高さを変え、水頭差を変更することで、洗浄液の流量を変更・調節することができる。図では検出ユニット11に、溶離液を入れた容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。落差作用を利用して送液を行うので、大掛かりなポンプなどを必要とせずに送液システムを構築できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体クロマトグラフの洗浄液送液の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフ分析装置においては、図1に示すように、送液部31により溶離液18は分離部33へと送液される。
【0003】
分離部33の前には試料注入部32があり、送液されている溶離液中に試料が注入され、分離部33中にて成分毎に分離され、検出部34にて検出される。
【0004】
主に、送液部31はポンプ、試料注入部32はオートサンプラ、分離部33はカラム、検出部34は検出器といったユニットにて構成されている。
【0005】
この液体クロマトグラフ分析装置において、ユニット内部品の洗浄は分析精度や製品寿命を上げる上において、必要な工程である。
【0006】
例えばオートサンプラのニードルは、測定毎に必ずサンプルに接するので、前の測定のサンプルを次の測定に持ち込まないために、測定毎の洗浄が必要となる。
【0007】
もしそのサンプルが吸着力の強い試料であると、落ちきらずに残留する可能性が非常に高く、そのキャリーオーバーにより、次の測定に誤差が生じる可能性がある。
【0008】
オートサンプラのニードルの洗浄工程において、洗浄液の送液は従来、洗浄液送液のための外付けポンプ或いはサンプル注入の動力にも用いているオートサンプラ内蔵の送液機構による送液のどちらかを用いている。
【0009】
これについては特許文献1、特許文献2に記載されている。
【0010】
また、ポンプの場合、溶離液に含まれる塩が結晶化し、ポンプ内のプランジャやシールを傷つけてしまうので、プランジャやシール付近を洗浄する必要がある。
【0011】
ポンプのプランジャの洗浄工程において、洗浄液の送液は従来、注射器等を用いたマニュアル操作による送液或いはオートサンプラ内蔵の送液機構によるものである。
【0012】
【特許文献1】特開2006−162261号公報(外付洗浄ポンプ)
【特許文献2】特開平10−170488号公報(シリンジタイプ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術を使用した場合、抱える課題は以下の3点である。
【0014】
まず第1点目。近年分析機器に求められているハイスループット化実現において、従来の送液方法が障害となっており、それにかわる送液方法の構築が課題となっている。
【0015】
近年、膨大な数のサンプルを短時間で分析することができる分析装置のニーズが高まっている。それに伴い、液体クロマトグラフ分析装置も時間当たりのサンプル処理能力向上が望まれている。
【0016】
そのハイスループットを実現するにあたり、律速となるのはオートサンプラによるサンプル注入サイクル時間である。そのサイクル時間を決める要因の1つに、オートサンプラ内蔵の送液機構がある。
【0017】
サンプル分析のシーケンス中に、オートサンプラの送液機構はサンプル注入と洗浄液送液の2つをこなしているが、洗浄液を送液している間はサンプルの吸引・注入ができないので、そのことがサンプル注入サイクル時間を長引かせている原因となっているためである。
【0018】
オートサンプラ内の送液機構を洗浄液送液の工程からフリーにし、サンプル吸引・注入の工程に専一できるようにすれば、オートサンプラのサンプル注入サイクル時間をより短縮化でき、ハイスループット化実現が可能となる。
【0019】
また、オートサンプラのニードルの洗浄に関しては、より洗浄効果が高いとされる方法をとろうとすると、現状のオートサンプラの送液機構を用いた洗浄液送液方法であると時間がかかってしまい、やはりハイスループット化の障害となる。
【0020】
ニードルの洗浄はニードルをサンプルの入った瓶中に入れ、サンプルをニードル内部に吸引した後、洗浄液を満たした洗浄ポート中にニードルを浸漬させることで行われる。
【0021】
この浸漬中に洗浄ポート内に洗浄液を送液し、洗浄液の流れを作る「フロー洗浄」を行うとより洗浄効果が高まることが知られているが、オートサンプラ内蔵の送液機構を用いてフロー洗浄を行おうとすると、ニードルにサンプルを吸引し終えた後で、サンプル吸引の流路から洗浄液吸引の流路に切り替え、洗浄液を吸引し、吐出するという工程を経なければならず、手間と時間がかかり、実用的ではない。
【0022】
他にも、ポンプのプランジャ洗浄に関しても、従来方法であると、分析を全て終了した後にオートサンプラの送液機構を用いて洗浄液を送液するか、注射筒にてマニュアルで送液して洗浄しなければならず、手間と時間がかかる。
【0023】
これらを解決するには、洗浄液送液のみを行うユニットが必要である。
【0024】
2点目としては、コスト面の課題がある。
【0025】
1点目であげた課題を解決するため、或いはオートサンプラやポンプ以外の他ユニット部品洗浄のために、通常であれば、洗浄液送液用のポンプを追加するのだが、その方法だと装置構成ユニットが増え、コストが嵩んでしまう。
【0026】
3点目としてはスペース面の課題がある。
【0027】
1点目の課題解決、或いはオートサンプラやポンプ以外の他ユニット部品洗浄のため、洗浄液送液用のポンプを追加すると、装置構成ユニットが増え、スペースが嵩んでしまう。
【0028】
本発明の目的は、簡便かつ信頼性の高いシステムであり、かつ必要なコストやスペースが少ない洗浄液送液システムを搭載することで、よりハイスループットな分析を可能とした液体クロマトグラフ分析装置を実現するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するため、なされた本発明は、送液機能、試料注入機能、試料中の混合成分を分離する機能、成分の検出機能のうち少なくとも2つ以上の機能を有し、少なくとも1つ以上の筐体で構成される、或いは、前記機能を少なくとも1つ以上有し、少なくとも2つ以上の筐体で構成される液体クロマトグラフ分析装置において、部品を洗浄する洗浄液が溜まる洗浄液容器と、前記洗浄液容器が保持ないし置かれる容器設置手段と、落差を利用して前記洗浄液容器の洗浄液を洗浄部位に送る洗浄液供給路を含む送液手段を有することを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、落差作用を利用した送液の仕組みによって洗浄液を送液することから、ポンプなどの大掛かりな能動的送液装置を用いずに、簡便かつ信頼性が高く、コストやスペースをあまり増やさずに、よりハイスループットな分析を可能とした液体クロマトグラフ分析装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、必要に応じて添付図面を参照して説明する。
【0032】
(第一の構成例)
図4、図5に沿って述べる。
【0033】
図4では一番上のユニット(図中では検出ユニット11)側面に洗浄液容器が保持されているが、図5では上から3番目のユニット(図中ではオートサンプラユニット1)側面に洗浄液容器が保持されている。
【0034】
このように、洗浄液容器の保持位置を可変にし、水頭差(落差による水圧差)を変えることによって洗浄液の流量を調節できる。
【0035】
洗浄液容器保持位置を可変にするためには次のような手段が考えられる。
【0036】
積み重なる複数ユニット(1、2、11、12)の壁面上を渡したレール状のものの上を、洗浄液容器7の容器保持部材8が移動することによって、洗浄液容器高さを変更できるようにするのでもよい。
【0037】
或いは各ユニット壁面に容器保持部材が引っ掛けられる、取り付けられるような支持部材があり、どのユニットの支持部材に容器保持部材を取り付けるかによって、洗浄液容器高さを変更できるようにするのでもよい。
【0038】
さらに、各ユニットに洗浄液容器7が収まる程度の窪みを設けて対応させることも可能である。これらの窪み、容器保持部材を含めた容器設置手段は、磁石的な着脱方式、ネジを用いた簡単な着脱方式をも含む。
【0039】
(第二の構成例)
オートサンプラユニット1の洗浄ポート6まで洗浄液を送液する洗浄液供給路の構成を、図4、図8を参照し説明する。
【0040】
図4において、洗浄液入り容器7中の洗浄液をオートサンプラユニット1の中の洗浄ポート6に送液する。本装置を構成する何れかのユニットに洗浄液入り容器7を保持する容器保持部材8をとりつける。
【0041】
図4では検出ユニット11に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。カラムオーブンユニット12など他のユニットに容器保持部材8を取り付けても構わない。
【0042】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0043】
また容器保持部材8は図4では液体クロマトグラフ分析装置側面につけてあるが、液体クロマトグラフ分析装置側面でなく液体クロマトグラフ分析装置上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0044】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6までは洗浄液供給路であるチューブ9が連通するように繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10が介在している。流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0045】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。
【0046】
洗浄液中の溶存空気を除く必要がある場合は、図8に示したようにチャンバー或いはデガッサー等を含む気体除去手段を取り付け、脱気できるようにする。図4ではオートサンプラユニット1の洗浄ポート6に洗浄液を送る例を示したが、他ユニットに送液する場合でも同様である。
【0047】
例えば、ポンプユニット2のプランジャを洗浄するためにプランジャヘッド14まで送液する場合も、本装置を構成するユニットのいずれかに洗浄液入り容器7を保持する容器保持部材が取り付ける。
【0048】
ただし、洗浄液入り容器7の位置よりドレイン管の出口が低い位置になるようにし、落差をつける。
【0049】
容器保持部材8に洗浄液入り容器7を固定し、洗浄液入り容器7からポンプユニット2内のプランジャヘッド14までチューブ9を繋ぐ。洗浄液供給路のチューブ9には流量調節バルブ10が介在する。
【0050】
流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。
【0051】
洗浄液中の溶存空気を除く必要がある場合は、図8に示したように、チューブ9にチャンバー或いはデガッサー16を取り付け、脱気できるようにする。
【0052】
本発明において、ポンプユニット2内プランジャ30を洗浄する際のポンプユニット2内の洗浄用流路の一例を図3に示す。
【0053】
ポンプユニット2のプランジャヘッド14内部には分析流路25が連通しており、分析流路25上には、液が逆流しないように、弁ホルダ24に収まったチェック弁22がある。
【0054】
なお分析流路25を流れているのは、図1にて説明した溶離液である。
【0055】
プランジャ30はシャフト29に連結しており、ポンプ室23内をピストン運動(往復動作)することにより、溶離液を押し、分析流路25内へ送液する駆動源となっている。
【0056】
このプランジャ30に、接液した溶離液の塩が徐々に析出するが、プランジャ30がピストン運動をする際に、その析出した塩でプランジャ30やプランジャシール26などを傷つけてしまうのを防ぐため、プランジャ30の洗浄を行う。洗浄のための流路は分析流路25とは別にある。
【0057】
まず、容器保持部材8で保持された洗浄液入り容器7から洗浄室27までチューブ9aで繋がっている。そして、片方のプランジャヘッド14内の洗浄室27ともう1つのプランジャヘッド14の洗浄室27はチューブ9bで繋がっている。
【0058】
2つ目の洗浄室2の後はチューブ9cでドレインまで繋がっている。チューブ9aには、流量調節バルブや流路調節バルブがついている場合もある。この洗浄液入り容器7から、チューブ9cまで流れて廃液される流路が洗浄用の流路となる。
【0059】
上記洗浄室27に説明を加える。
【0060】
ポンプ室23の裏側に位置する洗浄室27には、往復運動するプランジャ30が貫通するとともに、洗浄液供給路のチューブ9a、9bが連通するように繋がる。プランジャ30の貫通穴が封止するプランジャシール29が洗浄室27の洗浄室壁28に設けられる。
【0061】
プランジャシール29はプランジャ30の外周と摺接して、ポンプ室23内の溶離液と洗浄室27内の洗浄液がプランジャ30の外周を伝わって漏れ出し、それぞれ混じりあうのを防ぐ他、洗浄室27内の洗浄液がプランジャ30の外周を伝わって、シャフト29側に漏れ出すのを抑えている。
【0062】
洗浄室27はポンプの洗浄液供給部であり、ここに流入する洗浄液は、プランジャ30についた塩を洗い流す。
【0063】
(第三の構成例)
オートサンプラユニット1の洗浄ポート6までとポンプユニット2のプランジャヘッド14まで洗浄液を送液する場合の構成を、図6、図9を参照し説明する。
【0064】
図6において、洗浄液をオートサンプラユニット1の中の洗浄ポート6に送液する。
【0065】
本液体クロマトグラフ分析装置を構成するユニットに洗浄液入り容器7を保持する容器保持部材8をとりつける。図6では検出器11に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。
【0066】
カラムオーブンユニット12など他のユニットに容器保持部材8を取り付けても構わない。
【0067】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0068】
また容器保持部材8は図6では液体クロマトグラフ分析装置側面につけてあるが、側面でなく装置上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0069】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6、プランジャヘッド14まではチューブ9が繋がれている。チューブ9には流路切替バルブ13がある。流路切替バルブ13は制御部15から制御されており、洗浄ポート6とプランジャヘッド14に送液する流路を切替できるようになっている。
【0070】
言い換えると、流路切替バルブ13は洗浄液供給路を分岐しており、分岐された一方は洗浄ポートに洗浄液を供給する洗浄ポート用供給路に、他方はポンプの洗浄液供給部に洗浄液を供給するポンプ用供給路になる。
【0071】
流路切替バルブ13に換えて分岐菅を用い、分岐管の下流側に開閉弁をそれぞれ設けることで、上記と同様な機能にすることができる。
【0072】
流路切替バルブ13と制御部15との制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0073】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。図6では洗浄液入り容器7が一本の場合を示したが、容器保持部材8を複数個取り付け、洗浄液入り容器7を複数本固定してもよい。
【0074】
洗浄液入り容器7が複数本の場合は流路切替バルブによって、どの容器からの液を洗浄ポート6やプランジャヘッド14まで送液するかを切り替えることができる。
【0075】
また複数本の洗浄液入り容器7が容器保持部材8によって保持されており、それぞれの容器に違う種類の洗浄液が入っている場合、チューブ9にミキサー取り付けることにより、複数種類の溶液を決められた混合比で混合し、その混合比を時間経過で変化させて送液するグラジエント送液を行うことも可能となる。
【0076】
これにより、グラジエントによる洗浄も可能になり、より洗浄の効果も高めることができると考えられる。
【0077】
また、洗浄液中の溶存空気を除く必要がある場合は、図9に示したようにチャンバー或いはデガッサー16を取り付け、脱気できるようにする。
【0078】
(第四の構成例)
オートサンプラユニット1の洗浄ポート6までとポンプユニット2のプランジャヘッド14まで洗浄液を送液する場合の構成を、図7、図10を参照し説明する。
【0079】
図7において、洗浄液をオートサンプラユニット1の中の洗浄ポート6までとポンプユニット2のプランジャヘッド14までの2箇所に送液する。
【0080】
本液体クロマトグラフ分析装置を構成するユニットに洗浄液入り容器7を保持する容器保持部材8をとりつける。図7では検出ユニット11に洗浄液入り容器7を保持する容器保持部材8が取り付けてある。カラムオーブンユニット12など他のユニットに容器保持部材8を取り付けても構わない。
【0081】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0082】
また容器保持部材8は図7では液体クロマトグラフ分析装置側面につけてあるが、側面でなく液体クロマトグラフ分析装置上部でもよい。
【0083】
容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0084】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6、プランジャヘッド14まではチューブ9が繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10と流路切替バルブ13がある。
【0085】
流量調節バルブ10と流路切替バルブ13は制御部15から制御されており、洗浄ポート6とプランジャヘッド14に送液する流量の調節と流路の切替ができるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0086】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。
【0087】
図7では洗浄液入り容器7が一本の場合を示したが、容器保持部材8を複数個取り付け、洗浄液入り容器7を複数本固定してもよい。
【0088】
その場合は流路切替バルブによって、どの瓶からの液を洗浄ポート6やプランジャヘッド14まで送液するかを切り替えることができ、また流量調節バルブによって、流量も調節できる。
【0089】
よって、各々の瓶から洗浄ポートにどのくらいの流量で送液するか、各々の瓶からプランジャヘッドにどのくらいの流量で送液するかを設定できる。
【0090】
また、チューブ9にミキサーを取り付けることにより、複数種類の溶液を決められた混合比で混合し、その混合比を時間経過で変化させて送液するグラジエント送液を行うことも可能となる。
【0091】
これにより、グラジエントによる洗浄も可能になり、より洗浄の効果も高めることができると考えられる。
【0092】
洗浄液中の溶存空気を除く必要がある場合は、図10に示したようにチャンバー或いはデガッサー16を取り付け、脱気できるようにする。
【0093】
(第五の構成例)
本発明を用いたシステムを構成するユニットについて、図4、図11、図12、図13、を用いて述べる。
【0094】
液体クロマトグラフ分析装置のシステムを組むには、溶離液を送液する送液機能、試料を流路中に注入する試料注入機能、試料中に含まれる複数成分を分離する分離機能、分離されてきた成分を成分毎に検出する検出機能が最低限必要とされる。
【0095】
装置を構成するユニットは、通常の場合、1筐体につき1機能であることが多い。例えば、送液機能のみを持ち1筐体で成るユニットなどである。
【0096】
送液機能のみを持つユニットはポンプユニット、試料注入機能のみを持つユニットはオートサンプラユニット1、検出機能のみを持つユニットは検出ユニット11などと呼ばれることが多い。前記のような、1筐体1機能のユニットで構成されたシステムを図4に示した。
【0097】
なお、カラムオーブンユニット12は分離機能を持つ「カラム」を保持し、カラムの周囲温度をコントロールするユニットである。
【0098】
図4ではオートサンプラユニット1内の洗浄ポート6まで洗浄液を送液する場合を示している。
【0099】
他ユニットに容器保持部材8が取り付けることも可能であるが、図4では検出ユニット11に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。
【0100】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0101】
また容器保持部材8は図4では筐体側面につけてあるが、筐体上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0102】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6までは洗浄液供給路であるチューブ9が連通するように繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10が介在している。
【0103】
流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0104】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。装置を構成するユニットの中には、1筐体で複数機能持つものもある。
【0105】
1筐体2機能型のユニットを用いて、システムを組んだ例を図11に示した。
【0106】
図11のシステムは、送液機能と試料注入機能の2機能を持つ、ポンプ、オートサンプラ一体型ユニット35を用いてシステムを構成している。
【0107】
図11は、ポンプ、オートサンプラ一体型ユニット35内の洗浄ポート6まで洗浄液を送液する場合を示している。
【0108】
他ユニットに容器保持部材8が取り付けることも可能であるが、図11では検出ユニット11に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。
【0109】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0110】
また容器保持部材8は図11では筐体側面につけてあるが、筐体上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0111】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6までは洗浄液供給路であるチューブ9が連通するように繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10が介在している。
【0112】
流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0113】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。
【0114】
図12には1筐体でシステムを構成できる、ポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、検出器一体型ユニット36を用いた例を示した。
【0115】
図12は、試料注入部32の洗浄ポート6まで洗浄液を送液する場合を示している。
【0116】
図12ではポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、検出器一体型ユニット36の側面に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。
【0117】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0118】
また容器保持部材8は図12では筐体側面につけてあるが、筐体上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0119】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6までは洗浄液供給路であるチューブ9が連通するように繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10が介在している。
【0120】
流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0121】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。
【0122】
また、上記に示した1筐体複数機能型とは逆に、1機能を複数の筐体にて構成する場合もある。
【0123】
図13に、試料注入機能を持つ、オートサンプラが2筐体にて構成されている例を示した。
【0124】
図13のオートサンプラはニードル5や洗浄ポート6がある筐体1aと、シリンジバルブ3やシリンジ4がある筐体1bに別れて成っている。
【0125】
図13ではオートサンプラ1a内の洗浄ポート6まで洗浄液を送液する場合を示している。他ユニットに容器保持部材8が取り付けることも可能であるが、図13では検出器11に洗浄液入り容器7を固定する容器保持部材8が取り付けてある。
【0126】
ただし、ドレイン管の出口は洗浄液入り容器7より低い位置にくるようにし、落差がつくようにする。
【0127】
また容器保持部材8は図13では筐体側面につけてあるが、筐体上部でもよい。容器保持部材8に洗浄液入り容器7が固定されている。図では瓶を逆さにしてあるが、必ずしも逆さにする必要はない。
【0128】
洗浄液入り容器7から洗浄ポート6までは洗浄液供給路であるチューブ9が連通するように繋がれている。チューブ9には流量調節バルブ10が介在している。
【0129】
流量調節バルブは制御部15から制御されており、洗浄ポート6に送液する流量を調節できるようになっている。制御信号のやりとりは無線、有線どちらでも構わない。
【0130】
また制御部15を配置する場所もユニット内に組み込んでも、ユニット外部にあっても構わない。
【0131】
本発明は、上記に示したように、1筐体1機能型ユニットだけではなく、1筐体に複数機能が含まれているユニットや、複数筐体1機能型ユニットを用いて構成された液体クロマトグラフ分析装置のシステムにも適用可能である。
【0132】
次に本発明による液体クロマトグラフ分析装置の動作について、オートサンプラの動作を例に、図14、図15、図16を参照し、説明する。
【0133】
(第一の動作フロー)
洗浄ポート内にニードルを浸漬している間、洗浄液に流れを持たせ、洗浄効果を高める「フロー洗浄」をさせる場合のオートサンプラ動作と本発明による送液システムの動作について、図14を参照し、説明する。
【0134】
なおフロー洗浄について、図2を用いて説明する。フロー洗浄とは、ニードル5を洗浄ポート6に浸漬して洗浄している間、洗浄ポート内洗浄液に流れを作り、ニードルの外壁に流れが当たることにより、ニードル外壁の洗浄効果を高める洗浄方法である。
【0135】
図2の2−1が本発明におけるフロー洗浄の一例である。容器保持部材8に保持された、洗浄液入り容器7と洗浄ポート6はチューブ9によって繋がっている。そしてチューブ9には、流量調節バルブ10が付いている。
【0136】
洗浄ポート6内の洗浄液20中にニードル5を浸漬している間、流量調節バルブ10を開き、洗浄液入り容器7内の洗浄液20を洗浄ポート6に向かって流す。
【0137】
このことにより、洗浄ポート6内の洗浄液20に流れが出来、ニードル5にその流れが当たることにより、高い洗浄効果を得られる。
【0138】
またドレイン口より余分な洗浄液20は流れていくため、洗浄ポート6内の洗浄液20は徐々に入れ換わる。
【0139】
なおフロー洗浄ではない条件についても図2の2−2を用いて説明する。部品の基本構成は2−1同様である。
【0140】
ただし、ニードル5が洗浄ポート6に浸漬している間は、流量調節バルブ10は閉じており、洗浄液入り容器7内の洗浄液20を流さない。
【0141】
よって、流路に流れは起こらず、洗浄ポート6内も流れは起こらない。ニードル5の浸漬が終わり、ニードル5が洗浄ポート6より出た後に、流量調節バルブ10を開き、洗浄ポート6内の洗浄液20を入れ換える。
【0142】
図14を用いて「フロー洗浄」をさせる場合のオートサンプラ動作と本発明による送液システムの動作について説明する。
【0143】
分析シーケンスの開始時、ニードルは注入ポートの上にあり、アイドリングしている(ステップ101)。その後、ニードルは分析を行うサンプルが入ったサンプルバイアル瓶上に移動し(ステップ102)、サンプルバイアル瓶の中に挿入される(ステップ103)。
【0144】
そしてサンプルをニードル内に吸引し(ステップ104)、ニードルはサンプルバイアル瓶の上に引き上げられる(ステップ105)。
【0145】
この後、サンプルをカラムへ繋がっている注入ポートに注入するのだが、その注入前でのニードル洗浄の実施の有無によって、注入ポートと洗浄ポートのどちらに先に行くかが異なってくる(ステップ106)。
【0146】
サンプル注入前にニードル洗浄を行う場合は、まずニードルは洗浄ポートに移動する(ステップ107)。この時に、本発明による洗浄液送液システムの流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が開始される(ステップ108)。
【0147】
洗浄液の送液開始後、ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ109)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ110)。
【0148】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げる(ステップ111)。ニードル引き上げ後、洗浄ポート内の洗浄液を入れ換える場合は洗浄ポートの容量分、洗浄液を送液してから流量調節バルブが作動して送液が停止される(ステップ113)。
【0149】
洗浄液の入れ換えを行わない場合は、ニードル引き上げ後すぐに流量調節バルブが作動して送液が停止される(ステップ114)。
【0150】
ニードルは洗浄ポートから引き上げられてすぐに、注入ポート上に移動する(ステップ115)。注入ポートにニードルが挿入され(ステップ116)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ117)。
【0151】
サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられ(ステップ118)、次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ119)。サンプル注入前にニードル洗浄を行わない場合は、まずニードルは注入ポート上に移動する(ステップ120)。
【0152】
その後、注入ポートにニードルが挿入され(ステップ121)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ122)。
【0153】
サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられ(ステップ123)、次に洗浄ポート上に移動する(ステップ124)。
【0154】
この時に、本発明による洗浄液送液システムの流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が開始される(ステップ125)。洗浄液の送液開始後、ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ126)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ127)。
【0155】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げる(ステップ128)。ニードル引き上げ後、洗浄ポート内の洗浄液を入れ換える場合は洗浄ポートの容量分、洗浄液を送液してから流量調節バルブが作動して送液が停止される(ステップ130)。
【0156】
洗浄液の入れ換えを行わない場合は、ニードル引き上げ後すぐに流量調節バルブが作動して送液が停止される(ステップ131)。
【0157】
ニードルは洗浄ポートから引き上げられてすぐに、注入ポート上に移動し(ステップ132)、次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ119)。
【0158】
(第二の動作フロー)
次に「フロー洗浄」をさせない場合のオートサンプラ動作と本発明による送液システムの動作について、図15を参照し、説明する。
【0159】
分析シーケンスの開始時、ニードルは注入ポートの上にあり、アイドリングしている(ステップ201)。
【0160】
その後、ニードルは分析を行うサンプルが入ったサンプルバイアル瓶上に移動し(ステップ202)、サンプルバイアル瓶の中に挿入される(ステップ203)。
【0161】
そしてサンプルをニードル内に吸引し(ステップ204)、ニードルはサンプルバイアル瓶の上に引き上げられる(ステップ205)。
【0162】
この後、サンプルを分離カラムへ繋がっている注入ポートに注入するのだが、その注入前でのニードル洗浄の実施の有無によって、注入ポートと洗浄ポートのどちらに先に行くかが異なってくる(ステップ206)。
【0163】
サンプル注入前にニードル洗浄を行う場合は、まずニードルは洗浄ポートに移動する(ステップ207)。ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ208)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ209)。
【0164】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げる(ステップ210)。ニードル引き上げ後、本発明による洗浄液送液システムの流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が開始される(ステップ211)。
【0165】
この送液は、洗浄ポートの容量分、洗浄液を送液し、洗浄ポート内の液を入れ換えた後、流量調節バルブが作動して送液が停止される。
【0166】
一方ニードルは洗浄ポートから引き上げられてすぐに、注入ポート上に移動する(ステップ212)。注入ポートにニードルが挿入され(ステップ213)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ214)。
【0167】
サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられ(ステップ215)、次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ216)。
【0168】
サンプル注入前にニードル洗浄を行わない場合は、まずニードルは注入ポート上に移動する(ステップ217)。その後、注入ポートにニードルが挿入され(ステップ218)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ219)。
【0169】
サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられ(ステップ220)、次に洗浄ポート上に移動する(ステップ221)。ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ222)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ223)。
【0170】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げる(ステップ224)。ニードル引き上げ後、本発明による洗浄液送液システムの流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が開始される(ステップ225)。
【0171】
この送液は、洗浄ポートの容量分、洗浄液を送液し、洗浄ポート内の液を入れ換えた後、流量調節バルブが作動して送液が停止される。
【0172】
一方ニードルは洗浄ポートから引き上げられてすぐに、注入ポート上に移動し(ステップ226)、次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ216)。
【0173】
(第三の動作フロー)
次に分析測定動作中、洗浄液の送液を止めずに送液させ続ける場合のオートサンプラ動作と本発明による送液システムの動作について、図16を参照し、説明する。
【0174】
分析シーケンスの開始時、ニードルは注入ポートの上にあり、アイドリングしている(ステップ301)。
【0175】
分析シーケンス開始後すぐに、本発明による洗浄液送液システムの流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が開始される(ステップ302)。
【0176】
一方ニードルは、分析を行うサンプルが入ったサンプルバイアル瓶上に移動し(ステップ303)、サンプルバイアル瓶の中に挿入される(ステップ304)。
【0177】
そしてサンプルをニードル内に吸引し(ステップ305)、ニードルはサンプルバイアル瓶の上に引き上げられる(ステップ306)。
【0178】
この後、サンプルをカラムへ繋がっている注入ポートに注入するのだが、その注入前でのニードル洗浄の実施の有無によって、注入ポートと洗浄ポートのどちらに先に行くかが異なってくる(ステップ307)。
【0179】
サンプル注入前にニードル洗浄を行う場合は、まずニードルは洗浄ポートに移動する(ステップ308)。ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ309)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ310)。
【0180】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げる(ステップ311)。洗浄ポートから引き上げられてすぐに、ニードルは注入ポート上に移動する(ステップ312)。
【0181】
注入ポートにニードルが挿入され(ステップ313)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ314)。サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられる(ステップ315)。
【0182】
ここで、分析測定していたサンプルが分析シーケンス中の最終サンプルであったならば、流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が停止される(ステップ326)。最終サンプルではなかった場合は、洗浄ポートへの洗浄液送液はそのまま続行される(ステップ327)。
【0183】
ニードルは次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ328)。
【0184】
サンプル注入前にニードル洗浄を行わない場合は、まずニードルは注入ポート上に移動する(ステップ317)。その後、注入ポートにニードルが挿入され(ステップ318)、ニードルから保持されていたサンプルが注入ポート内に吐出される(ステップ319)。
【0185】
サンプルの吐出後、ニードルは注入ポート上に引き上げられ(ステップ320)、次に洗浄ポート上に移動する(ステップ321)。ニードルを洗浄ポート内に挿入し(ステップ322)、ニードルを洗浄液に浸漬させる(ステップ323)。
【0186】
設定された時間ニードルを浸漬した後、ニードルを洗浄ポートから引き上げ(ステップ324)、注入ポート上に移動する(ステップ325)。
【0187】
ここで、分析測定していたサンプルが分析シーケンス中の最終サンプルであったならば、流量調節バルブが作動し、洗浄ポートへの洗浄液送液が停止される(ステップ326)。
最終サンプルではなかった場合は、洗浄ポートへの洗浄液送液はそのまま続行される(ステップ327)。
【0188】
ニードルは次の分析に入るまで、アイドリング状態となる(ステップ328)。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】図1は液体クロマトグラフ分析装置の一般的な構成と流路の一例を示した図である。
【図2】図2は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際のフロー洗浄した場合、しない場合の例を示した図である。
【図3】図3は本発明を用いて、洗浄液をポンププランジャまで導いた際の、ポンプ内洗浄液流路の一例を示した図である。
【図4】図4は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図5】図5は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導き、かつ図4の状態より低い位置で洗浄液入り容器を保持した場合のシステムの一例を示した図である。
【図6】図6は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートとポンププランジャまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図7】図7は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートとポンププランジャまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図8】図8は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導き、請求項6の脱気機能をつけた際のシステムの一例を示した図である。
【図9】図9は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートとポンププランジャまで導き、請求項6の脱気機能をつけた際のシステムの一例を示した図である。
【図10】図10は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートとポンププランジャまで導き、請求項6の脱気機能をつけた際のシステムの一例を示した図である。
【図11】図11は1筐体に2機能含まれるユニットを用いたシステム中において、本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図12】図12は1筐体に全ての機能含まれるユニットにて成るシステム中において、本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図13】図13は2筐体にて1機能を果たすユニットが含まれるシステム中において、本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際のシステムの一例を示した図である。
【図14】図14は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際の、オートサンプラにおける測定工程の動きの一例をフローチャートに示した図である。なおこの工程はフロー洗浄を行う工程である。
【図15】図15は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際の、オートサンプラにおける測定工程の動きの一例をフローチャートに示した図である。なおこの工程はフロー洗浄を行わない工程である。
【図16】図16は本発明を用いて、洗浄液をオートサンプラ洗浄ポートまで導いた際の、オートサンプラにおける測定工程の動きの一例をフローチャートに示した図である。なおこの図は分析工程中洗浄液を流し続ける場合のフローチャートである。
【符号の説明】
【0190】
1、1a、1b…オートサンプラユニット、2…ポンプユニット、3…シリンジバルブ、4…シリンジ、5…ニードル、6…洗浄ポート、7…洗浄液入り容器、8…容器保持部材、9、9a、9b、9c…チューブ、10…流量調節バルブ、11…検出ユニット、12…カラムオーブンユニット、13…流路調節バルブ、14…プランジャヘッド、15…制御部、16…チャンバー或いはデガッサー、17…カラム、18…溶離液、19…データ処理部、20…洗浄液、21…吸引した試料、22…チェック弁、23…ポンプ室、24…弁ホルダ、25…分析流路、26…プランジャシール、27…洗浄室、28…洗浄室壁、29…シャフト、30…プランジャ、31…送液部、32…試料注入部、33…分離部、34…検出部、35…ポンプ、オートサンプラ一体型ユニット、36…ポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、検出器一体型ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送液機能、試料注入機能、試料中の混合成分を分離する機能、成分の検出機能のうち少なくとも2つ以上の機能を有し、少なくとも1つ以上の筐体で構成される、或いは、前記機能を少なくとも1つ以上有し、少なくとも2つ以上の筐体で構成される液体クロマトグラフ分析装置において、
部品を洗浄する洗浄液が溜まる洗浄液容器と、
前記洗浄液容器が保持ないし置かれる容器設置手段と、
落差を利用して前記洗浄液容器の洗浄液を洗浄部位に送る洗浄液供給路を含む送液手段を有することを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体クロマトグラフ分析装置において、
前記容器設置手段は前記洗浄液容器を保持し、かつ前記各筐体に着脱自在に取り付けられ容器保持部材を含むことを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液体クロマトグラフ分析装置において、
前記洗浄液供給路に介在され、前記洗浄液の流量を調整する流量調節バルブと、
前記流量調節バルブの調整作動を制御する制御部を備えたことを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の液体クロマトグラフ分析装置において、
複数備えた前記洗浄部位への洗浄液の供給を選択的に切り替える流路切替バルブと、
前記流路切替バルブの切替作動を制御する制御部を備えたことを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。
【請求項5】
請求項1から4に記載された何れかの液体クロマトグラフ分析装置において、
前記洗浄液中の気泡または溶存空気を除去する気体除去手段を前記洗浄液供給路に設けたことを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載された何れかの液体クロマトグラフ分析装置において、
前記洗浄液容器を複数備え、
前記複数の洗浄液容器から前記洗浄液供給路に流入する洗浄液を混合するミキサーを備えたことを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−14396(P2009−14396A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174181(P2007−174181)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)