説明

液体冷却型動力作動式外科用ハンドピース

【課題】耳鼻咽喉/頭/首に対する処置方法にて有用な骨穿孔装置と共に使用される動力作動式外科用ハンドピースにより発生された熱は、ユーザの不快感を生じ且つ、装置の有用性を制限する可能性がある。このため、冷却システムを内蔵する動力作動式外科用ハンドピースを提供する。
【解決手段】動力作動式外科用ハンドピース10のハウジング14はモータを取り巻くモータ包囲体と、モータ包囲体の周りに配置されたスリーブとを備えている。スリーブは内部通路に流体的に接続された入口ポート16及び出口ポート18を形成する。冷却流体が入口ポートを介して内部通路内に強制的に供給され、冷却流体は、モータにより発生された熱がモータ包囲体を介して冷却流体に熱伝導されるときに通る熱交換媒体として機能し、加熱された流体は出口ポートを通ってハウジングから出る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、その教示内容を参考として引用し本明細書に含めた、2000年9月24日付で出願された、米国仮特許出願第60/235,213号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、外科用ブレードを駆動する動力作動式ハンドピースに関する。より具体的には、本発明は、外科用ドリルのような、外科用ブレード組立体を駆動するときに使用される液体冷却型動力作動式外科用ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0003】
身体部位組織の切除、切開、創面切除、削除、穿孔、粉砕及び整形を含む色々な多岐に亙る切削機能を果たすため、外科用ブレードを駆動すべく多くの専門的医療分野にて動力作動式ハンドピースが一般的に使用されている。耳鼻咽喉/頭/首の外科手術分野において、その末端に切削窓部を形成する外側の管状部材と、外側の管状部材内に同軸状に配置された内側ブレード部材とを有する外科用切削器具に、動力作動式又はモータ駆動式ハンドピース及びシステムが一般に接続される。内側ブレード組立体は、末端の切削先端にて終わっている。この形態の場合、動力作動式ハンドピースは、内側ブレード部材を外側管状部材に対し回転及び(又は)振動させ、末端の切削先端が所望の切削作用を果たすようにする。これと代替的に、切削先端を有する、より従来のマイクロドリルビットも動力作動式ハンドピースに接続し且つ該ハンドピースによって駆動することができる。しかし、耳鼻咽喉/頭/首の外科手術に関係する切削方法は、極めて傷を付け易く、しかも、その手順を完了するためには、切削先端による多数回の切削動作又は回転を必要とするため、動力作動式ハンドピースは、方法を行うのに必要な時間及び外科医に対する身体的負担を著しく増すことになる。
【0004】
確かに、マイクロ切削器具と組み合わせて使用される外科用動力作動式ハンドピースは、極めて有益である。しかし、全てのモータの場合と同様に、動力作動式ハンドピースを作動させると熱が発生する。このことは、外科用ハンドピースと関係したモータが極めて高速度にて作動することを必要とされる耳鼻咽喉/頭/首に対する方法を行う場合、特にそうである。外科医は、動力作動式ハンドピースを直接、取り扱うため、時間の経過に伴い、発生された熱は、確実に手の不快感を生じさせる可能性がある。このことは、方法が長引いたときに特にそうである。当然に、少しでも注意が逸れれば、外科医による処置結果に悪影響を与える可能性がある。
【0005】
動力作動式ハンドピースは、依然として、マイクロ切削器具、特に、骨穿孔器具に対し極めて有用である。しかし、動力作動式ハンドピースにより発生された熱は、ユーザの不快感を生じ且つ、装置の有用性を制限する可能性がある。このため、冷却システムを内蔵する動力作動式外科用ハンドピースが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、外科用ドリルのような、外科用ブレード組立体を駆動するときに使用される液体冷却型動力作動式外科用ハンドピースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの面は、耳鼻咽喉/頭/首に対する方法に対し有用なマイクロ切削器具、特に、骨穿孔装置と共に使用される動力作動式外科用ハンドピースを提供するものである。該動力作動式ハンドピースは、ハウジング内に保持されたモータを備えている。該ハウジングは、モータを取り巻くモータ包囲体と、該モータ包囲体の周りに配置されたスリーブとを備えている。該スリーブの少なくとも一部分は、モータ包囲体の相応する部分の外径よりも大きい内径を有し、このため、ハウジングは内部空隙すなわち通路を画成する。最後に、スリーブは、内部通路と流体的に接続された入口ポート及び出口ポートを形成する。使用中、脱イオン水又は食塩水のような冷却流体を入口ポートを介して内部通路内に強制的に供給する。モータは、モータ包囲体によって冷却流体に対し封止されている。このように、冷却流体は、モータと直接、接触せず、その代わり、モータによって発生された熱がモータ包囲体を介して冷却流体に熱伝導されるときに通る熱交換媒体として機能する。加熱されている流体は、出口ポートを通ってハウジングから出る。熱がモータから冷却流体に熱伝導され、その後、加熱された流体がハンドピースから排出される結果、外科医によって取り扱われる、ハウジングの外面への熱伝導は最小となる。1つの代替的な実施の形態において、ハウジングは、熱伝導を最適にし得るように、曲線状又は特殊な伸長形態の内部流体路を画成するような形態とされている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】外科用工具と関連する本発明による動力作動式外科用ハンドピースの斜視図ある。
【図2】図1の動力作動式外科用ハンドピースの分解断面図である。
【図3】最終的に組み立てたときの図1の動力作動式外科用ハンドピースの拡大断面図である。
【図4】本発明による動力作動式外科用ハンドピースの1つの代替的な実施の形態の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
動力作動式外科用ハンドピース10の1つの好ましい実施の形態が図1に外科用切削工具12に関連して図示されている。1つの参考として、外科用切削工具12は、当該技術にて既知であるように、耳鼻咽喉/頭/首に対する方法にて有用な外科用骨ドリルとして図1に図示されている。これと代替的に、多岐に亙るその他の外科用切削工具を動力作動式ハンドピース10に接続し且つ該ハンドピースにより作動させることができる。例えば、外科用切削工具12は、その全てが周知である、マイクロ切除器具、マイクロ創面切除器具、マイクロ削除器具等とすることができる。しかし、動力作動式外科用ハンドピース10は、耳鼻咽喉/頭/首に対する処置方法と共に有用な外科用切削工具に選択的に結合し得るように特別に設計されている。この着想は、一体の(すなわち恒久的に結合した)外科用切削工具を有する動力作動式外科用ハンドピース10にも適用可能であるようにすることもできることを理解すべきである。
【0010】
上記の適用例を念頭において、動力作動式ハンドピース10は、モータ(図示せず)を内蔵するハウジング14を備えている。以下により詳細に説明するように、ハウジング14は、入口ポート16と、その末端に隣接する出口ポート18とを形成する。更に、1つの好ましい実施の形態において、ハンドピース10は、モータの内部構成要素によって駆動される駆動チャック(図示せず)を取り巻くコレット20を有している。当該技術にて既知であるように、コレット20は、外科用ハンドピース10と外科用切削工具12とを結合するために形成される。更に、以下により詳細に説明するように、ハンドピース10は、末端22にて、コネクタにより電気コード組立体24に接続されている。電気コード組立体24は、モータに電気を伝導し得るように電源(図示せず)及び(又は)電力コンソール(図示せず)に電気的に接続されている。好ましい実施の形態において、電気コードは、恒久的に接続されているが、これは、取り外し可能な接続部としてもよいことを理解すべきである。これと代替的に、可変の電源が採用される場合(例えば、バッテリ作動式)、電気コード組立体24は、省略することができる。
【0011】
ハウジング14と、モータ40とを備える動力作動式外科用ハンドピース10が図2により詳細に図示されている。該ハウジング14は、モータ包囲体42と、スリーブ44と、ポート装着物46a、46bとを備えている。以下に説明するように、モータ包囲体42はモータ40を保持している。スリーブ44は、モータ包囲体42を同軸状に受け入れ且つ入口ポート16及び出口ポート18を画成する。最後に、ポート装着物46a、46bは入口ポート16及び出口ポート18にそれぞれ接続されている。
【0012】
モータ40は当該技術分野にて一般に既知の型式のものであり、3相ブラシレス直流モータであることが好ましい。これと代替的に、バッテリ作動式モータ、空圧型モータ等を含むその他の利用可能なモータの設計を非限定的に含めることができる。その型式を問わず、モータ40の作動は、外科用切削装置12(図1)に結合される駆動継手50の動作(すなわち、回転、振動等)を駆動する。
【0013】
モータ包囲体42は、前端60と、後端62と、中間部分64と、中央通路66と、中間部分64に沿った外面68とを有する細長い管状体である。モータ包囲体42は、モータ40に従って次のような寸法及び形状とされている、すなわち、モータ包囲体42がモータ40の長さに近似する長さと、モータ40の外径すなわち寸法に近似する内径すなわち寸法とを有するようにする。このように、1つの好ましい実施の形態において、モータ包囲体42は約72.39mm(約2.85インチ)の長さと、約13.00mm(約0.512インチ)の中間部分64に沿った内径とを有している。この1つの好ましい実施の形態の場合、中間部分64の外面68は、14.53mm(0.572インチ)の好ましい直径、すなわち寸法を有する。勿論、モータ包囲体42が少なくとも中間部分64の大部分に沿ってモータ40と比較的直接接触し得る形態とされている限り、モータ40の寸法及び構造に依存して、これらの寸法を変更することができる。更に、モータ40は、図2にて円筒状(すなわち、円形の横断面)として図示されているが、その他の形状(例えば、四角形、八角形等の横断面)も同様に受容可能であり、中間部分64の少なくとも内面の形状はこのようにして提供されたモータ40の形状と相応することが理解される。更に、モータ40には、典型的に、別個のハウジングが設けられ、モータ包囲体42はこのハウジングの周りで組み立てられる。モータ包囲体42のその他の構成要素への結合を容易にするため、前端60は内ねじ付きフランジ69と、前端のOリング溝70とを形成することが好ましい。同様に、後端62は外ねじ付きフランジ72と、後端Oリング溝74とを形成する。これと代替的に、その他の結合形態を採用することができる。その型式に関係なく、モータ包囲体42は硬い熱伝導性材料、好ましくは303ステンレス鋼にて形成される。
【0014】
スリーブ44は、前端80と、後端82と、中央通路84とを画成する細長い管状体である。中央通路84は内面86により画成される。入口ポート16及び出口ポート18は、スリーブ44により更に形成され且つ中央通路84に流体的に接続されている。この点に関して、ポート16、18は後端82に隣接して形成され、後方(図2の方向に対し)に伸びることが好ましい。この点に関して、スリーブ44はその外面に沿って操作領域88を有している。図2に図示するように、ポート16、18が操作領域88と後端82との間に配置され且つ操作領域88から(後方に)伸びることが好ましい。操作領域88は外科医が便宜に把持し得るような形態とされている。以下に説明するように、好ましくはポート16、18を操作領域88の後方で且つ操作領域から離れるように配置し且つ配向させることにより、入口ポート16、18及びその他の構成要素(ポート16、18に取り付けられる)は、外科医が操作領域88に沿ってハンドピース10を把持することの邪魔にならない。
【0015】
スリーブ44は、モータ包囲体42に従った寸法及び形状とされ、このため、全体としてモータ40の寸法及び形状に相応することが好ましい。中間部分64の外面68が約14.53mm(約0.572インチ)の外径すなわち寸法を有するモータ包囲体42を先に説明した好ましい実施の形態に関して、スリーブ44の内面86は約19.05mm(約0.75インチ)の内径すなわち寸法を画成することが好ましい。以下に説明するように、少なくとも中間部分64に対しモータ包囲体42の外径すなわち寸法よりも大きい内径すなわち寸法を有するようにスリーブ44を形成することにより、最終的に組み立てたとき、2つの構成要素の間に間隔が確立される。スリーブ44は、硬い機械加工可能な材料、好ましくは303ステンレス鋼にて形成されることが好ましい。
【0016】
ポート装着物46a、46bは、スリーブ44によって形成されたそれぞれのポート16、18内に係合可能な形態とされている。この点に関して、ポート装着物46a、46bの各々は前端100及び後端102を有する管状体である。1つの好ましい実施の形態において、後端102は、可撓性管のような外部構成要素を摩擦可能に受け入れ得る形態とされた円錐形フランジ104を形成する。しかし、1つの好ましい実施の形態において、ポート装着物46a、46bは硬い材料、好ましくは17−4ステンレス鋼にて形成されている。
【0017】
動力作動式外科用ハンドピース10の組み立て及び作用は図3に関して最も良く説明できる。モータ40はモータ包囲体42の中央通路66内に配置される。一方、モータ包囲体42はスリーブ44内に配置される。最後に、ポート装着物46a、46bを入口ポート16及び出口ポート18にそれぞれ固着する。
【0018】
特定の外科的目的に依存して、追加的な構成要素を外科用ハンドピース10に組み付けることができる。例えば、コレット20をモータ包囲体42の内ねじ付きフランジ69を介してハンドピース10に結合することができる。1つの好ましい実施の形態において、コレット20が支持部品110をモータ40に対し保持する。支持部品110は、駆動チャック114を保持する駆動軸112を支持する。同様に、図3には、電気コード組立体24をモータ包囲体42の外ねじ付きフランジ72を介して外科用ハンドピース10に結合するコネクタ26が図示されている。
【0019】
コレット20、電気コード組立体24及びコネクタ26のようなその他の構成要素が外科用ハンドピース10に取り付けられるかどうかに関係無く、スリーブ44の内面86と、モータ包囲体42の中間部分64の外面68との間に空隙すなわち内部通路(すなわち、通路)120が画成される。内部通路120は、入口ポート16及び出口ポート18に(図1)、従ってそれぞれのポート装着物46a、46bに流体的に接続されている。内部通路120は、モータ包囲体42、従ってモータ40の長手方向長さの大部分に沿って第一の端部126から第二の端部128まで伸びることが好ましい。更に、1つの好ましい実施の形態において、内部通路120はモータ包囲体42、従ってモータ40の周辺(すなわち、外周面68)を均一に取り巻き、モータ40及び(又は)モータ包囲体は円筒状以外の形状とすることが可能であることが想起される。流体が出口ポート以外を通って出るのを防止するため、内部通路の第一の端部126及び第二の端部128は第一のOリング122及び第二のOリング124を使用してより完全に封止されている。第一のOリング122は、モータ包囲体42の前端Oリング溝70内に配置され、スリーブ44の相応する部分に封止可能に係合する。同様に、第二のOリング124はモータ包囲体42の後端Oリング溝74内に配置され、同様に、スリーブ44の相応する部分と封止可能に係合する。
【0020】
使用中、入口ポート16を介して内部通路120内に冷却液体(例えば、脱イオン水、食塩水等)が強制的に連続的に供給される。例えば、流体源130(図3に全体として図示)が、入口ポート16内に固着されるポート装着物46aに流体的に接続されている。例えば、可撓性管又はホース132が流体源130をポート装着物46aに流体的に接続する。流体源130は、冷却流体をハウジング14内に連続的に強制的に供給する流体ポンプ(図示せず)を備えることができる。これと代替的に、流体源130は冷却流体をハウジング14に重力供給し得るように配置してもよい。
【0021】
これとは逆に、出口ポート18(図1)は、ポート装着物46b(図2)に流体的に接続された管136を介して保持リザーバ134(全体として図3に図示)に流体的に接続される。強制的に入口ポート16内に供給された冷却流体は、モータ包囲体42の外面68に沿って内部通路120によって供給される。モータ40の作動によって発生された熱は、モータ包囲体42を通じて外面68の冷却流体に伝導される。冷却流体を入口ポート16を通じて連続的に供給する結果、加熱された液体は内部通路120、従ってハウジング14から出口ポート18を介して供給され、該出口ポートにて冷却流体はその後、保持リザーバ134内に集められる。図3には図示していないが、1つの好ましい実施の形態において、出口ポート18を介してハウジング14から出る流体は流体源130に再循環させ又は戻すことが好ましい。このように、出口ポート18を流体源130に直接接続するか又は保持リザーバ134を流体源130に流体的に接続することができる。これと代替的に、排出される流体は再循環させる必要は無く、その代わり、保持リザーバ134内に集めてもよい。
【0022】
冷却流体は、冷却流体が内部通路120を通るとき、モータ40によって発生された熱を熱伝導(層状流れ)を通じて除去する。その結果、モータ40により発生された熱がスリーブ44に、特に操作領域88に伝導される量は多少はあるにしても殆ど無い。操作領域88を把持することにより動力作動式外科用ハンドピース10を操作する外科医が手に感じる不快さは最小となろう。更に、ポート16、18はハンドピース10を使用するとき、外科医の操作を邪魔しないような位置に配置し且つ配向させる。すなわち、ポート16、18及び関係した管132、136は操作領域88に対し配置され且つ操作領域に対し後方に伸びて、外科医の手の邪魔にならないようにする。更に、モータ包囲体42をモータ40から分離した構成要素として提供することにより、モータ40自体が水と触れない状態を保つ(すなわち、モータ包囲体42により冷却流体から保護されている)。
【0023】
内部通路120はモータ包囲体42、従ってモータ40の全周(すなわち、外面68)を均一に取り囲むことが望ましいものとして説明したが、代替的な形態も利用可能である。例えば、図4には、その間に内部通路146を画成するモータ包囲体142及びスリーブ144を有する1つの代替的なハウジング140が図示されている。モータ包囲体142及び(又は)スリーブ144は、内部通路146が入口ポート148から出口ポート(図示せず)まで伸びるとき曲線状の形態となるような形態とされている。更に、空隙146をモータ40に対しより特定的な経路の上方で伸びるような形態とし、熱の除去を最適にすることができる。
【0024】
本発明の動力作動式外科用ハンドピースは、従来の設計に優る顕著な改良点を提供するものである。特に、動力作動式外科用ハンドピースは、冷却液体をモータを亙って供給し、これによりモータにより発生された熱に起因する外科医の手の不快感を最小にする独創的なハウジングを内蔵している。更に、該外科用ハンドピースはその外科医の使用を妨害せず、また、耳鼻咽喉/頭/首切削工具及び外科用骨ドリルに対し特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ切削器具(12)と共に使用される動力作動式外科用ハンドピース(10)において、
ハウジング(14、140)であって、
操作領域(88)を画成し且つ入口ポート(16)と、該操作領域(88)に近接する出口ポート(18)とを形成するスリーブ(44、144)と、
該スリーブ(44、144)内に保持されて、中間部分を画成するモータ包囲体(42)と、
スリーブ(44、144)とモータ包囲体(42)との間に完全に形成された内部通路(120、146)とを備え、
入口ポート(16)及び出口ポート(18)が、内部通路(120、146)に流体的に接続されると共に前記操作領域(88)から互いに同一の方向へ遠ざかるよう配向され、冷却流体が入口ポート(16)から出口ポート(18)まで循環するのを許容するような内部通路(120、146)の形態とされた前記ハウジング(14、140)と、
モータ包囲体(42)内に保持されたモータ(40)とを備え、
内部通路(120、146)及びモータ(40)が中間部分に沿って同様に配置され、
機械的な動力を提供し且つマイクロ切削器具(12)に選択的に結合可能な形態とされた、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項2】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
操作領域(88)が、器具の操作者が把持可能な形態とされた、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項3】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
モータ包囲体(42)が内面を画成し、
モータ(40)が外面を画成し、
更に、該内面が該外面とほぼ直接的に接触している、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項4】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
モータ包囲体(42)が、モータ(40)と冷却流体との接触を防止し得るようにモータ(40)の周りで封止される、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項5】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
内部通路(120、146)が、モータ(40)の長さに近似する長さを有する、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項6】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
内部通路(120、146)が、第一の端部と、第二の端部とを有し、
更に、該第一の端部及び該第二の端部が封止される、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項7】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
内部通路(120、146)が、モータ包囲体(42)の中間部分の周辺を均一に取り囲む、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項8】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
内部通路(120、146)が、モータ(40)に対し曲線状の経路に亙って伸びるような形態とされる、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項9】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
入口がモータ(40)に近接して配置される、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項10】
請求項1の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
入口ポート(16)が流体ポンプ(130)と流体的に接続され、
該流体ポンプ(130)が冷却流体を内部通路(120、146)内に連続的に強制的に供給し得る形態とされる、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項11】
請求項10の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
出口ポート(18)が保持リザーバ(134)と流体的に接続される、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項12】
請求項11の動力作動式外科用ハンドピースにおいて、
流体ポンプ(130)及び保持リザーバ(134)が再循環された冷却流体源(130)の両構成要素である、動力作動式外科用ハンドピース。
【請求項13】
動力作動式マイクロ切削器具組立体において、
マイクロ切削器具(12)と、
マイクロ切削器具(12)に選択的に結合し得る形態とされたハンドピース(10)であって、該ハンドピース(10)が、
操作領域(88)を画成し且つ入口ポート(16)と、該操作領域(88)に近接する出口ポート(18)とを形成するスリーブ(44、144)と、
該スリーブ(44、144)内に保持されて、中間部分を画成するモータ包囲体(42)と、
スリーブ(44、144)とモータ包囲体(42)との間に完全に形成された内部通路(120、146)であって、入口ポート(16)及び出口ポート(18)が、該内部通路(120、146)と流体的に接続されると共に、前記マイクロ切削器具(12)から遠ざかる方向に且つ前記操作領域(88)から遠ざかるよう配向された前記内部通路(120、146)と、
モータ包囲体(42)内に保持されたモータ(40)とを備え、
モータ(40)がマイクロ切削器具(12)に機械的動力を提供し得る形態とされ、
内部通路(120、146)及びモータ(40)が中間部分に沿って同様に配置され、
冷却流体が内部通路(120、146)を通じて入口ポート(16)から出口ポート(18)まで循環され、該循環がモータ(40)からスリーブ(44、144)への熱伝導を減少させるようにした、動力作動式マイクロ切削器具組立体。
【請求項14】
請求項13の組立体において、
操作領域(88)が、器具の操作者が把持可能な形態とされた、組立体。
【請求項15】
請求項13の組立体において、
モータ包囲体(42)が内面を形成し、
モータ(40)が外面を形成し、
更に、該内面が該外面とほぼ直接的に接触している、組立体。
【請求項16】
請求項13の組立体において、
モータ包囲体(42)が、モータ(40)と冷却流体との接触を防止し得るようにモータ(40)の周りで封止される、組立体。
【請求項17】
請求項13の組立体において、
内部通路(120、146)が、モータ(40)の長さに近似する長さを有する、組立体。
【請求項18】
請求項13の組立体において、
内部通路(120、146)が、第一の端部と、第二の端部とを有し、
更に、該第一の端部及び該第二の端部が封止される、組立体。
【請求項19】
請求項13の組立体において、
内部通路(120、146)が、モータ包囲体(42)の中間部分の周辺を均一に取り囲む、組立体。
【請求項20】
請求項13の組立体において、
内部通路(120、146)が、モータ(40)に対し曲線状の経路に亙って伸びるような形態とされる、組立体。
【請求項21】
請求項13の組立体において、
入口ポート(16)がモータ(40)に近接して配置される、組立体。
【請求項22】
請求項13の組立体において、
入口ポート(16)が流体ポンプ(130)と流体的に接続され、
該流体ポンプ(130)が冷却流体を内部通路(120、146)内に連続的に強制的に供給し得る形態とされる、組立体。
【請求項23】
請求項22の組立体において、
出口ポート(18)が保持リザーバ(134)と流体的に接続される、組立体。
【請求項24】
請求項23の組立体において、
流体ポンプ(130)及び保持リザーバ(134)が再循環された冷却流体源(130)の両構成要素である、組立体。
【請求項25】
マイクロ切削器具(12)と共に使用し得る形態とされた動力作動式外科用ハンドピース(10)を冷却する方法において、
ハンドピース(10)であって、
スリーブ(44、144)とモータ包囲体(42)との間に完全に内部通路(120、146)を形成するハウジング(14、140)を備え、スリーブ(44、144)が入口ポート(16)と、出口ポート(18)とを形成し、ポートの各々が内部通路(120、146)と流体的に接続され、
モータ包囲体(42)内に保持されたモータ(40)を備え、モータ(40)及び内部通路(120、146)がモータ包囲体(42)に沿って同様に配置された前記ハンドピース(10)を提供することと、
流体源(130)を提供することと、
流体源(130)を入口ポート(16)と流体的に接続することと、
冷却流体を集め得るような形態とされた保持リザーバ(134)を提供することと、
出口ポート(18)を保持リザーバ(134)と流体的に接続することと、
ハンドピース(10)を外科用マイクロ切削器具(12)と結合することと、
ハンドピース(10)に動力を供給することによりマイクロ切削器具(12)を外科処置領域内で作動させることと、
流体源(130)を作動させ、冷却流体を入口ポート(16)を通じて内部通路(120、146)まで直接に、その後、流体を外科処置領域に排出せずに、出口ポート(18)を通じて保持リザーバ(134)まで連続的に循環させ、モータ(40)によって発生された熱がモータ包囲体(42)を通じて冷却流体に伝導され、スリーブ(44、144)への熱伝導を減少させるようにしたこととを備える、動力作動式外科用ハンドピース(10)を冷却する方法。
【請求項26】
請求項25の方法において、
冷却流体を保持リザーバ(134)から流体源(130)まで再循環させることを更に備える、方法。
【請求項27】
請求項25の方法において、
流体源(130)を作動させることが冷却流体がモータ(40)に接触するのを防止することを含む、方法。
【請求項28】
請求項25の方法において、
ハンドピース(10)を提供することが、第一の端部及び第二の端部を有する内部通路(120、146)を提供することを含み、該第一及び第二の端部が封止される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−166035(P2012−166035A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−73759(P2012−73759)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2002−528124(P2002−528124)の分割
【原出願日】平成13年9月24日(2001.9.24)
【出願人】(507020152)メドトロニック,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】