説明

液体吐出ヘッド及び画像形成装置

【課題】ノズルカバー部材に薄板を使用した際でも機能上耐えうる十分な剛性を確保出来る液体吐出ヘッドを提案する。
【解決手段】液体を吐出する液体吐出ヘッド34において、ノズル孔をノズル面103aに形成するノズル板103と、液体吐出ヘッドのフレーム部材117にノズル板を結合するノズルカバー200を備え、ノズルカバーはノズル板の周囲部のうち互いに対向する2側端と対向する一方の枠状端部200aと他の2側端と対向する他方の枠状端部200bとを結合して枠状に形成され、枠状端部200aにはノズル板のノズル面の縁面を覆う屈曲片部p2を形成し、他方の枠状端部にはノズル面103aに平行な方向に沿って延伸しノズル面より退却して配置される側方縦板部p5と、側方縦板部の全域に渡り並接され対向するフレーム部材に向け折り曲げられる直状屈曲部p7とが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体をノズル孔から液滴として吐出させる液体吐出ヘッド、及び該液体吐出ヘッドを用いて記録媒体に液滴を付着させて液体吐出記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置が知られている。
この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置や、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
【0004】
また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
【0005】
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
液体吐出ヘッドとしては、個別流路(以下「加圧液室」という)内のインクを加圧して圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子などで構成される圧電アクチュエータを用いたもの、発熱抵抗体などで構成されるサーマルアクチュエータを用いたもの、静電力を発生する静電アクチュエータを用いたものなどが知られている。
【0006】
このような液体吐出ヘッドを記録ヘッドに用いる画像形成装置(以下、単に「インクジェット記録装置」ともいう)においては、インクをノズルから用紙に吐出させて記録を行なう関係上、ノズルからの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより吐出不良の状態となり、記録不良を起こすという問題を抱えていることから、記録ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構(装置)を備えている。
【0007】
例えば、通常の維持回復装置は、保湿用キャップ、吸引用キャップ及びノズル面を払拭して清浄化する払拭部材としてのワイパーブレード(ワイパー部材)などを有する保湿用キャップは、インクの自然蒸発によって生じるノズル付近のインクの増粘固着を防止するためにノズル面を高い密閉性を保って覆うためのものである。
吸引用キャップは、ノズルから増粘したインクを吸引して排出するためのものであり、吸引手段としての吸引ポンプが接続される。
吸引用キャップは、保湿用キャップと兼用されることもある。ワイパーブレードは、ノズル面に付着したインクを拭き取って除去する。
【0008】
また、液体吐出ヘッドとしては、特許文献1ないし5に開示されているように、流路を形成する流路板と流路に連通するノズルを形成したノズル板とを積層した構造とした場合、ノズル板の外周面を含むヘッド外周面やノズル面の周縁部を保護するためのノズルカバー(ノズル保護部材)を備えるものが知られている。
なお、ノズルカバーを備えないヘッドも知られている(特許文献6参照)。
【0009】
ここで、ノズルカバーを装着する目的としては、液体吐出ヘッドの流路は、薄板を積層して形成している為、端部には必然的に断面が露出する。更に、液体吐出ヘッドは画像形成装置等に搭載した際、用紙が搬送不良により、衝突することが多々ある。用紙自体は重量もさほど無いが、液室を構成している薄板の接着部にヒットすれば液体吐出ヘッドの損傷へと繋がる。また、薄板の端部は少なくともバリ等の突起が存在し、液体吐出ヘッドのノズル板を清掃する為のワイピングブレードを磨耗させてしまう、等が主なものである。 そこで、一般的なノズルカバーの機能としては、用紙が搬送中に浮き上がった場合に用紙端部が記録ヘッドの流路板やノズル板のエッジ部に引っ掛かって各部材を損傷したり、ノズル板のノズル面を損傷することを防止し、また、上述した維持信頼性機構によるワイパー部材による払拭時にワイパー部材と流路板やノズル板のエッジ部との干渉によってこれらの部材が損傷することを防止するものである。
【0010】
ノズルカバーの構造としては、ノズル面に覆い被さる部分がノズル面周縁部4辺をすべて覆う、例えば、特許文献1、2、5に開示されるものや、3辺を覆う、例えば、特許文献3に開示されるものや、2辺を覆う、例えば、特許文献4に開示されるものがある。ここで特許文献4に開示のノズルカバーでは、ノズル面周縁部を覆わない他の2辺側がノズル板のノズル孔が形成された領域よりも液室を接合しているヘッドフレーム側に後退位置し、前記ワイパーブレードが前記ヘッドカバーに接触することなく前記ノズル板に当接する切欠部として形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ノズル板のノズル面にノズルカバー(カバー部材)を当接することは、用紙が搬送中に浮き上がり用紙端部が記録ヘッドの流路板やノズル板の端部に引っ掛かることや、ワイパー部材による払拭時にワイパー部材がノズル板端部等に引っ掛かり、互いに損傷することから守っている一方、ノズル面の上にさらに一枚板を積層させることによる段差部にインクが溜まるなどの不具合も生じている。
【0012】
更に、印刷速度向上,ワイドフォーマット対応の為、近年ヘッドが大型化している傾向があり、ノズル板の面積も必然的に大きくなっており、ノズルカバーも大きくなっている。また画像形成装置側のヘッド搭載スペースは限られており、またヘッドフレーム部も駄肉は存在せず、ノズルカバー等をネジ等で固定することが難しく、薄板を使っていることも相まってノズルカバー自体の剛性が確保出来ない。
【0013】
なお、ノズル面周縁部の4辺を全て、あるいは3辺を覆う特許文献1、2、3、5では、ノズル列を露出するような開口が設けられ、開口以外の部分はノズル面に重なる様に配置され、更に、流路板やノズル板のエッジ部を覆い隠すために曲げられて、ノズル面の周縁部に臨んでいる形状となっている。このような構造の場合、ワイパー部材でノズル面を払拭した際、ノズルカバーとノズル面との間に慢性的な段差が生じている為、ノズル面へワイパー部材が中々押し当てられない。強く押し当てた時、ノズル面には適した押圧であるが、ノズルカバーには過剰な値となってしまい、施した撥水処理が剥げ、ワイパー部材が異常磨耗することが懸念される。
【0014】
特許文献4では、前記ワイパー部材がノズル面に押し当てられない欠点を、解決する為にカバー部を対向する2辺のみにし、ノズルカバーがノズル板のノズル孔が形成された領域に、前記ノズル板よりも液室を接合しているヘッドフレーム側に後退位置し、前記ワイパー部材が前記ヘッドカバーに接触することなく前記ノズル板に当接する切欠部が形成され、これにより上記ノズルカバーの撥水処理の剥げ、ワイパー部材の異常磨耗に対処している。
【0015】
しかしながら、依然としてワイパー部材がノズル面を拭き始める時と拭き終わる時にはノズルカバーのノズル面周縁部2辺部分を乗り越えなくてはならない。乗り越える時には必然的にワイパー部材には負荷がかかり、不要な磨耗を誘発する。また、ノズルカバーとノズル面の間に出来た段差部に払拭したインクが堆積し、完全なワイピングが出来ないことが多々見受けられる。そこで、生じる段差を少なくする為には、ノズルカバー材料により薄板材を使用すれば良いのだが、薄板では、ヘッドフレーム側に後退するノズル面周縁部を覆わない他の2辺側である切欠部の断面二次モーメントを確保出来ず、ノズルカバー自体の剛性が弱くなってしまう。
【0016】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ノズルカバー部材に薄板を使用した際でも機能上耐えうる十分な剛性を確保出来る構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、上記課題を解決するため、本発明に係わる液体吐出ヘッドは、液体をノズル孔より吐出する液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル孔をノズル面に形成するノズル板と、前記液体吐出ヘッドのフレーム部材に前記ノズル板を保護した状態で結合するノズルカバーを備え、前記ノズルカバーは前記ノズル板の全面周囲部のうち互いに対向する2側端と対向する一方の枠状端部と他の2側端と対向する他方の枠状端部とを互いに結合して枠状に形成され、前記一方の枠状端部には前記ノズル板の外縁と当接する屈曲片部を形成し、前記他方の枠状端部には前記ノズル面に平行な方向に沿って延伸し前記ノズル面より退却して配置される側方縦板部と、該側方縦板部の全域に渡り並接され対向する前記フレーム部材に向け折り曲げられる直状屈曲部と、が形成される構成とした。
【0018】
また、請求項2の発明は、請求項1の液体吐出ヘッドにおいて、前記一方の枠状端部には前記屈曲縁部が形成された端部とは反対側の端部に前記フレーム部材に対し外側に屈曲片部が形成される構成とした。
【0019】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の液体吐出ヘッドにおいて、前記直状屈曲部が前記フレーム部材の側壁面に設けられた凹部に差し込まれる構成とした。
【0020】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記他方の枠状端部に設けた直状屈曲部は直状凹部であり、前記フレーム部材の側壁面に設けた凹部に引っ掛かることで固定される構成とした。
【0021】
また、請求項5の発明は、請求項1〜3いずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記直状屈曲部は爪部である構成とした。
【0022】
また、請求項6の発明は、請求項3の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーはバネ性を有し、端部の前記直状屈曲部が前記フレーム部材の側壁面に設けた凹部を引っ掛けた際に自身のバネ性により、ノズル面に密着する方向へ押し付けられ固定される構成とした。
【0023】
また、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーはバネ性を持った金属薄板で一体形成されている構成とした。
【0024】
また、請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは材料の金属圧延方向とヘッド長手方向を同方向とした構成とした。
【0025】
また、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーの表面には撥水処理が施されている構成とした。
【0026】
また、請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板のノズル面を清掃するワイピングブレードを用いる際は、前記ノズル面を覆っている屈曲片部のどちらか一方の側面から他方に向かって払拭する構成とした。
【0027】
また、本発明に係わる請求項11の画像形成装置は、本発明に係わる請求項1〜10のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドを備えた構成とした。
【0028】
また、本発明に係わる請求項12の画像形成装置は、本発明に係わる請求項11の画像形成装置において、前記ノズルカバーの材料の金属圧延方向とノズル面を清掃する際のワイピング方向を同方向とした構成とした。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーのノズル面外周部を覆っていない枠状端部がノズル面に平行な方向に沿って延伸する側方縦板部とこれより折り曲げ形成された直状屈曲部とで形成されたことより、ノズルカバーのノズル面外周部を覆っていない側の枠状端部の断面二次モーメントを向上させ、ノズルカバー本体の剛性を十分に確保することができる。それによりノズルカバーにより薄い薄板材を使用することが出来、ノズル面とノズルカバーの間に生じるギャップを小さくすることが出来る。しかも、ワイピングブレードの損傷を抑えながらノズル面払拭性を向上させることが出来る。(請求項1)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーの枠状端部の屈曲縁部が形成された端部とは反対側にフレーム部材に対し外側に折り曲げる屈曲片部が形成されるので、更なる断面二次モーメントを確保すると共に、ノズルカバー装着時の装着性を容易にすることが可能である。(請求項2)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーのノズル面外周部を覆っていない枠状端部にフレーム部材の側壁面に設けた凹部に差し込まれる直状屈曲部を形成したので、ヘッド幅を広げること無くノズルカバー本体の剛性を十分に確保することができる。(請求項3)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーの枠状端部に形成された直状屈曲部を成す直状凹部を、フレームに設けた凹部に嵌め込み引っ掛けることにより、ノズルカバーのノズル面密着度をより強固にすることが可能であり、またノズルカバー自体の剛性も直状凹部により強いものにすることが可能であり、薄板材を使用していても、用紙の衝突やワイピングブレードの押し付け力にも耐えうることが可能である。(請求項4)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、直状屈曲部をなす爪部をフレームに設けた凹部に引っ掛けることにより、ノズルカバーのノズル面密着度をより強固にすることが可能であり、構成の簡素化をも図れる(請求項5)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーを形成する材料に、バネ性を有しているものを使用することにより、ヘッドフレームに設けた凹溝にノズルカバーの内側折り曲げ部である直状屈曲部を嵌合した際、内側折り曲げ部がバネの役割を果たし、ノズルカバーのノズル面を覆っている部分をより確実にノズル面側に押し付け、間隙を無くすことが可能である。ノズルカバーのノズル面からの浮きが無くなり、生じる段差を減少させることが出来る。(請求項6)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーを形成する材料に、バネ性を持った金属薄板を有することにより、ノズルカバーをプレスで成型することが出来る。(請求項7)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバーを形成する金属薄板の圧延方向をノズルカバーの長手方向に合わせることにより、剛性が弱い長手方向に目があることにより、ノズルカバーの剛性向上が出来る。(請求項8)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズルカバー部材に撥水処理を施すことにより、ワイピングブレードでワイピングした際、インクの払拭性を向上させることが出来る。(請求項9)
本発明に係わる液体吐出ヘッドによれば、ノズル面を清掃するワイピングブレードの払拭方向を、ノズル面を覆っている側のどちらか一方の側面からノズル面を覆っているもう一方にむかう方向にすることにより、ワイパー浸入時のノズル板端部によるワイパー磨耗を防止し、かつノズル板の接着構造にも負荷を掛けないワイピングが出来る。また、ワイピングブレードがノズルカバーに接触しない為、より均等な押圧を確保することが出来る。(請求項10)
本発明に係わる画像形成装置によれば、請求項1〜10のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッドを用いるので、より安定した画像形成が出来る。(請求項11)
本発明に係わる画像形成装置によれば、ノズルカバーを形成する金属薄板の圧延方向とワイピング方向が合わされているので、ワイピング時のインク残りが減少し、またワイピングブレードの磨耗も減少させることが出来る。(請求項12)
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
【図2】は本発明に係る画像形成装置の側面構成を説明する概略構成図である。
【図3】は本発明に係る画像形成装置の要部平面説明図である。
【図4】は本発明に係る液体吐出ヘッドの拡大正面図である。
【図5】は本発明に係る液体吐出ヘッドの分解斜視説明図である。
【図6】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図である。
【図7】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う、異なる例の断面説明図である。
【図8】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズルカバーの斜視図である。
【図9】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズルカバーの他の実施形態の斜視図である。
【図10】は本発明に係る液体吐出ヘッドの側面図である。
【図11】は図10の断面図であり、(a)はA−A線の、(b)はB−B線の、(c)は変形例であり、(b)位置での他の断面図である。
【図12】は本発明に係る液体吐出ヘッドへのノズルカバーの取り付け状態の一例を示した斜視図である。
【図13】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズルカバーの内側折り曲げ部周りの拡大縦断面図である。
【図14】は本発明に係る液体吐出ヘッドのノズルカバーが金属薄板の場合の内側折り曲げ部周囲の拡大縦断面図である。
【図15】は本発明に係る液体吐出ヘッドをワイピングする場合の斜視図である。
【図16】は本発明に係る液体吐出ヘッドをワイピングする場合の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える画像形成装置の一例について説明する。
図1は同画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
この画像形成装置は液体吐出ヘッドを備える液体吐出ヘッド記録装置を成し、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0032】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる液体(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の液体カートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「液体カートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、液体カートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
【0033】
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
【0034】
フレーム20を構成する左右のメイン側板21A、21Bに横架した主ガイドロッド31と従ガイドロッド32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド34を複数のノズル(吐出口)を主走査方向と交叉する方向に配列し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0035】
この液体吐出ヘッド34は、図4に示すように、ノズル面34aに、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各液滴を吐出する複数のノズル34nを並べたノズル列NY、NC、NM、NKを備えている。図4では4色一体となった液体吐出ヘッド34のノズル面を図示しているが、各色ごともしくは2色ごとに別の液体吐出ヘッドにノズルを形成する構成としてもよい。
液体吐出ヘッド34は、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0036】
また、キャリッジ33には、各液体吐出ヘッド34に各色の液体を供給するための各色の液体タンク35(一体でもよい。)を搭載している。この各色の液体タンク35には各色の可撓性を有する供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色の液体カートリッジ10から各色の液体が補充供給される。このカートリッジ装填4には液体カートリッジ10内の液体を送液するための送液手段である供給ポンプユニット24が設けられている。なお、供給チューブ36は前ステー29上に保持部材37にて途中部分が保持されている。
【0037】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を液体吐出ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置に搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0038】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。さらに、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してプラテン部となるガイド部材57を配置している。 この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0039】
さらに、液体吐出ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、液体吐出ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
【0040】
この維持回復機構81には、液体吐出ヘッド34の各ノズル341aを一括してキャピングするためのキャップ部材82と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した液体を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出された液体、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ83で除去された液体、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0041】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した液体を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には液体吐出ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成した液体吐出ヘッド記録装置を成す画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0042】
このとき、図示しない制御部のACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0043】
また、印字(記録)待機中に、キャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ部材82で液体吐出ヘッド34の吐出面34aがキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことにより液体乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ部材82で液体吐出ヘッド34の吐出面34aをキャッピングした状態でここでは図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)、増粘した液体を排出する回復動作を行う。
また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しない液体を吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0044】
次に、液体吐出ヘッド記録装置を成す画像形成装置の要部を成す液体吐出ヘッドの一例について図5〜図7を参照して説明する。なお、図5は同ヘッドの分解斜視説明図、図6は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図、図7は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う、断面説明図である。
この液体吐出ヘッド34は、SUS基板で形成した流路基板(液室基板、流路板)101と、この流路基板101の下面に接合した振動板部材102と、流路基板101の上面に接合したノズル板103とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出する複数のノズル104がそれぞれノズル連通路105を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される)106、液室106にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部107、この流体抵抗部107を介して液室106と連通する連通部108を形成し、連通部108に振動板部材102に形成した供給口109を介して後述するフレーム部材117に形成した共通液室110からインクを供給する。
【0045】
流路基板101は、流路板101Aと連通板101Bとを接着して構成している。この流路基板101は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工することで、連通路105、加圧液室106、流体抵抗部107などの開口をそれぞれ形成している。
振動板部材102は各液室106に対応してその壁面を形成する各振動領域(ダイアフラム部)102aを有し、振動領域102aの面外側(液室106と反対面側)に島状凸部102bが設けられ、この島状凸部102bに振動領域102aを変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての積層型圧電素子部材112の圧電素子柱112Aの上端面(接合面)を接合している。また、積層型圧電素子部材112の下端面はベース部材113に接合している。
【0046】
ここで、圧電素子部材112は、圧電材料層121と内部電極122a、122bとを交互に積層したものであり、内部電極122a、122bをそれぞれの端面、即ち圧電素子部材112の振動板部材102に略垂直な側面に引き出して、この側面に形成された端面電極(外部電極)123、124に接続し、端面電極(外部電極)123、124間に電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。この圧電素子部材112は、ハーフカットダイシングによる溝加工を施して1つの圧電素子部材に対して所要数の圧電素子柱112A、112Bを所定の間隔で櫛歯状に形成したものである。
なお、圧電素子部材112の圧電素子柱112A、112Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電素子柱を圧電素子柱112A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電素子柱を圧電素子柱112Bとして区別している。
【0047】
この場合、図7に示すように、駆動用圧電素子柱112Aと支柱用圧電素子柱112Bとを交互に使用するバイピッチ構成としているが、すべての圧電素子柱を駆動用圧電素子柱112Aとして使用するノーマルピッチ構成とすることもできる。
また、すべての圧電素子柱112Aの共通外部電極124は電気的に共通に接続されて、圧電素子部材112(圧電素子列)の一端部側の複数の圧電素子柱112Bで外部電極123側の端面に引き出され、この共通外部電極と各駆動用圧電素子柱112Aの個別外部電極123には駆動信号を与えるために半田部材で可撓性を有する配線部材としてのFPC115が接続されている。
【0048】
ノズル板103は、ニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で製造している。
このノズル板103には各液室106に対応して直径10〜35μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。そして、このノズル板103の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室106側と反対の面)には撥水層を設けている。 なお、このヘッドでは、圧電素子部材112の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成とし、更に、液滴の吐出方向が液室106でのインクの流れ方向と異なるサイドシュータ方式で液滴を吐出させる構成としている。
【0049】
さらに、これらの圧電素子部材112、ベース部材113及びFPC115などで構成されるアクチュエータ部の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材117を接合している。そして、このフレーム部材117には前述した共通液室110を形成し、更に共通液室110に外部からインクを供給するための供給口119を形成し、この供給口119は更に図示しないサブタンクやインクカートリッジなどのインク供給源に接続される。
【0050】
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて駆動用圧電素子柱112Aに20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子柱112Aが変位して振動板部材102の振動領域102aをノズル板103方向に変形させ、液室106の容積(体積)変化によって液室106内のインクを加圧することで、ノズル板103のノズル104から液滴が吐出される。
【0051】
そして、液滴の吐出に伴って液室106内の圧力が低下し、このときのインク流れの慣性によって液室106内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子柱112Aへの電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板部材102が元の位置に戻って液室106が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室110から液室106内にインクが充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル104から吐出される。
なお、液体吐出ヘッド34は、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板部材102を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き・押し打ち方式(振動板部材102を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
【0052】
次に、本発明の第1実施形態に係わる液体吐出ヘッド34について図8及び図12を参照して説明する。
なお、図8は本実施形態に係わるノズル保護部材(以後ノズルカバー200)、図12は本実施形態に係わるノズル保護部材の液体吐出ヘッドへの取り付け状態の概要を示す斜視図である。
この液体吐出ヘッド34は、前記した図5及び図7で記載したような液体吐出ヘッドで構成されているヘッド部100と、このヘッド部100を保護するように矩形枠状に形成され、ヘッド部100の外周の互いに対向する2辺を囲むよう当接するノズルカバー200とを有している。
【0053】
ノズルカバー200は、例えばSUS等で作成された薄板等で、プレス等により成型され、側面部を這いし、ヘッドフレーム117の本体等に固定されている。
ここで、図8、図12に示すように、ノズルカバー200はノズル板103の全面周囲部のうちノズル面の長手方向の2側端(両側端)と対向し2側端を覆う一対の枠状端部200aと、ノズル面の長手方向と直交する他方の2側端(両側端)と対向し2側端を覆わない一対の枠状端部200bとを有し、全体は矩形枠状に形成される。各枠状端部200aは、他方の2つの枠状端部200bの端部よりそれぞれ上方に延出する延出部p1と、それら延出部p1の上端を連続させると共にノズル面103aの縁部と当接するノズルカバー側面内側折り曲げ部である屈曲縁部p2と、屈曲縁部p2の外側縁より下方に屈曲して延びる縦板部p3と、その縦板部p3の下端よりヘッドに対し外側に屈曲して延出してヘッドフレーム117に締結されるノズルカバー側面外側折り曲げ部である屈曲片部p4とを有する。
【0054】
他方の2つの枠状端部200bは、ノズル面に平行な方向に沿って延伸し、ノズル面より所定量後退する位置に配備された側方縦板部p5と、側方縦板部p5の屈曲突端であり、ノズル面に平行な方向に沿って延伸するノズル側突縁p6と、ノズル側突縁p6より側方縦板部p5の全域にわたって屈曲して延出形成される内側折り曲げ部p7とを有する。ここで「全域」とはノズルカバー200の打ち抜き加工等により生じる隙間は含まず、具体的には側方縦板部P5の折り曲げ部p7の形成可能領域の90%以上に折り曲げ部が形成されている状態を指す。
【0055】
ノズルカバー200のノズル保護部分である屈曲縁部p2はノズル面103aと面同士接触し、ヘッド外周部(特にノズル板等の流路部品の端面)を囲むように段差無く押し当てられている。ノズル板103のノズル形成部はノズルカバー200に覆われておらず開口している。(ノズル板103をノズルカバー200で保護する箇所は、図12に示すように対向する2辺であれば良い。前記保護する箇所は液体吐出ヘッド34を画像形成装置等に搭載した際のワイピング方向wp(図15参照)及び用紙搬送方向に因り決定される。
【0056】
なお、ノズルカバー200は、薄板を使っていることによりノズルカバー200自体の剛性が確保出来ないという問題があったが、この第1実施形態における液体吐出ヘッド34はそこで用いるノズルカバー200の枠状端部200bに端から端まで内側に折り曲げ爪部である係止長爪p7を形成することにより、液体吐出ヘッド34幅を最小限に抑えながら、ノズルカバー200の長手方向の剛性を確保することが可能である。
【0057】
次に、本発明の第2実施形態に係わる液体吐出ヘッドについて図9を参照して説明する。なお、図9は本実施形態の液体吐出ヘッドに用いるノズルカバー200’を示したものである。
本実施形態では、図9に示すように側方縦板部p5のノズル側突縁p6より延出する内側折り曲げ部p7が形成された端縁とは逆側(図9では下側)の端縁を、外側に折り曲げて、下部フランジ203を形成している。これにより、ノズルカバー200’のノズル面103を保護していない側の側面部の剛性をより向上させると共に、ノズルカバー200’を液体吐出ヘッドに装着する際に、ガイドとしての役割も果たす為、装着性が向上する。ここでノズルカバー200’以外の液体吐出ヘッドの構成は第1実施形態と同様である。
【0058】
次に、本発明の第3実施形態に係わる液体吐出ヘッドについて図10、図11(a)(b)、図13を参照して説明する。
なお、図10は本実施形態の液体吐出ヘッドを短手方向からみた側面図、図11(a)は同液体吐出ヘッドを短手方向からみた側面図、図11(b)は図10におけるB−B線での断面模式図、図13は図11(b)をヘッド部品も含めて図示した断面詳細図を示したものである。
【0059】
図11(b)、図13に示すように、ヘッドフレーム117の側壁には凹部U1が形成されている。この凹部U1はノズル面に平行な方向に沿って延伸するように形成され、前述の内側折り曲げ部p7が凹部U1に差し込まれることで折り曲げ部p7を係止長爪として機能させている。これにより内側折り曲げ部p7を確実に係止させ、ヘッドフレーム117にノズルカバー200を嵌着できる。また内側折り曲げ部p7をヘッドフレーム117に設けた凹部U1に嵌め込むことにより、ノズルカバーのノズル面密着度をより強固することが可能である。しかも、内側折り曲げ部p7を係止長爪と兼ねることで構成の簡素化を図れるという利点がある。
【0060】
次に、本発明の第4実施形態に係わる液体吐出ヘッドについて図11(c)を参照して説明する。なお、図11(c)は第3実施形態における図11(b)に対応する断面図を示したものである。
図11(b)には、液体吐出ヘッド34のヘッドフレーム117の側壁にノズル面103aに平行な方向に沿って凹部U1が形成され、そこに、ノズルカバー200の内側折り曲げ部p7が係止されていた。これに代えて、図11(c)に示すような液体吐出ヘッド34’を構成してもよい。この場合、液体吐出ヘッド34’はヘッドフレーム117の側壁にノズル面103aに平行な方向に沿って凹部U2が形成される。一方、ノズルカバー200’’はその左右の各枠状端部200bにおける側方縦板部p5に直状屈曲部としてノズルカバーの側面端部の内側にビード状に折り曲げる直状凹部buが形成される。この場合も、フレーム部材の側壁面に設けた凹部U2に直状凹部buを引っ掛けることで固定される構成とした。これにより、ノズルカバーのノズル面103aに密着度をより強固にすることが可能であり、またノズルカバー自体の剛性もヘッドフレームの剛性を利用してより強いものにすることが可能であり、薄板材を使用していても、用紙の衝突やワイピングブレードの押し付け力にも耐えうることが可能である。
【0061】
また、ノズルカバー200(200’、200’’)を、バネ性を持った薄板材料で形成することも可能である。これにより、前記ヘッドフレーム117に設けた溝部117aにノズルカバー200を嵌め合った際、前記ノズルカバー200側面の内側折り曲げ部(直状屈曲部)p7がバネの役割を果たし、ノズルカバー200のノズル面103を覆っている部分を、よりノズル面側に押し付けるよう案内でき、間隙を無くすことが可能である。更に、ノズルカバー200のノズル面103からの浮きが無くなり、生じる段差が減少する。
【0062】
また、図14に示すように、ノズルカバー200を形成する材料が金属薄板である場合、金属薄板の圧延方向prを、ヘッド長手方向に揃えることが可能である。これにより、ノズルカバー200の剛性が弱い長手方向に目があることにより、剛性の向上が見込まれる。
また、図14、図16に示すように、ノズルカバー200を形成する材料が金属薄板である場合、金属薄板の圧延方向prを、ワイピングブレード205のワイピング方向wpと同方向にすることが可能である。これによりワイピング方向wpと金属材料の目(微小なスジ傷)の方向が当該液体吐出ヘッド34をワイピング方向wpと揃うことにより、ワイピング時のインク残りが減少し、またワイピングブレード205の磨耗も減少する。
また、ノズルカバー200には吐出させる液体を撥水する撥水処理を施すことが可能である。これによりワイピングブレード205でワイピングした際、インクの払拭性を向上させることが可能である。
【0063】
また、図15,図16に示すように、ワイピングブレード205によりワイピングする方向wpは、ノズル面103をノズルカバーの枠状端部200aで覆っている側から浸入し、もう一方のノズル面103を覆っている枠状端部200aに向かって払拭することが可能である。これによりワイパー205の浸入時のノズル板103端部によるワイパー磨耗を防止し、かつノズル板103の接着構造にも負荷を掛けない。また、ノズル近傍を払拭時には、ワイピングブレード205がノズルカバー200に接触しない為、より均等な押圧を確保することが可能である。
また、前記した内容の液体吐出ヘッドを、画像形成装置に搭載することも可能である。それにより、より安定した画像形成が可能になる。
【0064】
前述したこの方式の液体吐出ヘッドの液体は、インクを使用することも可能である。インクの種類として顔料及び染料があるが、本発明の構造に関してはどちらの種類も構わない。一般的に顔料インクの方が高粘度と言われ、本発明においては、顔料インクに対して特に効果がある。
インクに用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
【0065】
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンター内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
【0066】
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
又、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
【0067】
顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用インクに用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
【0068】
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。
【0069】
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
【0070】
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
【0071】
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
【0072】
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
【0073】
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接インク用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
【0074】
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
【0075】
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができるインクを得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
【0076】
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。
また、上記顔料及び染料インクを使用したインク吐出ヘッドを、画像形成装置に搭載しインクジェット画像形成装置とすることも可能である。また、液晶画面等のカラーフィルタ製造時の着色等インク吐出ヘッドを利用した、各種製造装置等の使用することも可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 液体吐出ヘッド記録装置の装置本体
34 液体吐出ヘッド
101 流路板
102 振動板
103 ノズル板
103a ノズル面
104 ノズル
105 ノズル連結路
106 個別流路
107 流路抵抗部
108 連通部
109 供給口
112 積層型圧電素子
113 ベース
117 フレーム部材
200 ノズルカバー
200a 枠状端部
200b 枠状端部
205 ワイピングブレード
bu 直状凹部(直状屈曲部)
p2 屈曲片部(ノズルカバー側面内側折り曲げ部)
p4 屈曲片部(ノズルカバー側面外側折り曲げ部)
p5 側方縦板部
p7 係止長爪(直状屈曲部)
pr 圧延方向
wp ワイピング方向
U1 凹部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2004−284255号
【特許文献2】特許第3120821号
【特許文献3】特開2005−014505号
【特許文献4】特許第3412149号
【特許文献5】特開2001−105574号
【特許文献6】特開2006−051746号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体をノズル孔より吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズル孔をノズル面に形成するノズル板と、前記液体吐出ヘッドのフレーム部材に前記ノズル板を保護した状態で結合するノズルカバーを備え、
前記ノズルカバーは前記ノズル板の全面周囲部のうち互いに対向する2側端と対向する一方の枠状端部と他方の2側端と対向する他方の枠状端部とを互いに結合して枠状に形成され、
前記一方の枠状端部には前記ノズル板の外縁と当接する屈曲片部を形成し、前記他方の枠状端部には前記ノズル面に平行な方向に沿って延伸し前記ノズル面より退却して配置される側方縦板部と、該側方縦板部の全域に渡り並接され対向する前記フレーム部材に向け折り曲げられる直状屈曲部と、が形成されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記一方の枠状端部には前記屈曲片部が形成された端部とは反対側の端部に前記フレーム部材に対し外側に屈曲片部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記直状屈曲部が前記フレーム部材の側壁面に設けられた凹部に差し込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記他方の枠状端部に設けた直状屈曲部は直状凹部であり、前記フレーム部材の側壁面に設けた凹部に引っ掛かることで固定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記直状屈曲部は爪部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記ノズルカバーはバネ性を有し、端部の前記直状屈曲部が前記フレーム部材の側壁面に設けた凹部を引っ掛けた際に自身のバネ性により、ノズル面に密着する方向へ押し付けられ固定されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記ノズルカバーはバネ性を持った金属薄板で一体形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記ノズルカバーは材料の金属圧延方向とヘッド長手方向を同方向としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記ノズルカバーの表面には撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記ノズル板のノズル面を清掃するワイピングブレードを用いる際は、前記ノズル面を覆っている屈曲片部のどちらか一方の側面から他方に向かって払拭することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッドを具備した画像形成装置。
【請求項12】
前記ノズルカバーの材料の金属圧延方向とノズル面を清掃する際のワイピング方向を同方向としたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−183764(P2012−183764A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49468(P2011−49468)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】