説明

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

【課題】高解像度化を実現すると同時に吐出特性の性能向上にも寄与させることができる液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】隣り合うノズル開口56が圧力発生室52の並設方向において圧力発生室52の長手方向に関して互いにずらして配設され、同時に、インク供給路54の入口から圧力発生室52を介してノズル開口56に至る長さが異なる複数種類の個別流路71〜73を有するとともに、個別流路71〜73は、インク供給路54の入口から前記並設方向と直交する方向における圧電素子の中心に対応する基準位置Cに至る第1の流路部71A〜73Aと、基準位置Cからノズル開口56に至る第2の流路部71B〜73Bとを有し、さらに第1の流路部71A〜73AのイナータンスM1と、第2の流路部71B〜73BのイナータンスM2との比M1/M2が各個別流路71〜73において同じであるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関し、特に隣接するノズル開口の位置をずらすことにより高解像度化を図る場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置としては、例えば圧電素子からなる圧力発生手段によりインク滴吐出のための圧力を発生させる複数の圧力発生室と、共通のインク貯留部であるマニホールドから各圧力発生室に個別にインクを供給するインク供給路と、各圧力発生室に形成されてインク滴を吐出するノズル開口とを備えたインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかるインクジェット式記録装置では、駆動信号に対応するノズルと連通した圧力発生室内のインクに吐出エネルギーを付与してインク滴をノズル開口から外部に吐出させ、紙等の媒体の所定位置に着弾させている。
【0004】
かかるインクジェット式記録装置において高解像度の印刷を実現するためには、インクジェット式記録ヘッドにおける隣接するノズル開口の間隔を可及的に縮小する必要がある。
【0005】
ところが、高解像度化に伴い隣接するノズル開口の間隔を縮小した場合には、隣接しあうノズル開口から噴射されたインク滴間の間隔が拡がってしまい、印刷品質を劣化させてしまうという問題が発生する。かかる問題を解決するためにはノズル開口のノズルプレートの面内における位置をずらし、吐出タイミングをずらすことが対策として考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−277524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の如くノズル開口の位置を単純にずらした場合には、インク供給口から圧力発生室を介してノズル開口に至る個別流路の長さがそれぞれ変化するため、吐出特性が変化してしまい、インクの吐出量や吐出速度がノズル開口毎にばらつき、均一な印刷品質の確保が困難になる。また、気泡排出性にも問題を生じる。
【0008】
なお、このような問題は、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、他の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、高解像度化を実現すると同時に吐出特性等の性能向上にも寄与させることができる液体噴射ヘッド及びこれを有する液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の態様は、液体貯留部に貯留された液体が第1の液体供給路を介して供給される第1の圧力発生室と、第1の圧力発生手段が前記第1の圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることにより液体を噴射する第1のノズル開口と、前記液体貯留部に貯留された液体が第2の液体供給路を介して供給される第2の圧力発生室と、第2の圧力発生手段が前記第2の圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることにより液体を噴射する第2のノズル開口とを備え、前記第1の圧力発生室と前記第2の圧力発生室とが並設され、前記第1のノズル開口と前記第2のノズル開口とは、前記液体貯留部からの流路長さが異なり、前記第1の液体供給路の入口から前記第1の圧力発生手段の中心に対応する第1の基準位置に至る流路のイナータンスと、前記第1の基準位置から前記第1のノズル開口に至る流路のイナータンスとの比が、前記第2の液体供給路の入口から前記第2の圧力発生手段の中心に対応する第2の基準位置に至る流路のイナータンスと、前記第2の基準位置から前記第2のノズル開口に至る流路のイナータンスとの比と同じであるように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、液体供給路から圧力発生室を介してノズル開口に至る距離が異なる複数種類の個別流路を形成したので、圧力発生室の並設方向において該並設方向に直交する方向に関しノズル開口が互いにずらして配設されることになる。この結果、前記直交方向に関して隣り合うノズル開口間の間隔を可及的に縮小して高解像度の印刷を実現することができる。反面、隣り合うノズル開口の中心間の距離は比較的大きな寸法を確保することができる。この結果、隣り合うノズル開口から噴射された液滴間の間隔が拡がってしまうこともない。
同時に本態様においては、所定のイナータンスの比が個別の流路で同じになるように構成しているので、同一の駆動波形で圧力発生手段を駆動しても同等の吐出特性を得ることができる。また、気泡排出性も良好なものとすることができる。
【0011】
ここで、前記液体供給路の前記入口から出口に至るイナータンスが前記各液体供給路において同じになるように構成されていることが望ましい。液体供給路のイナータンスを含む第1の流路部のイナータンスの規定が容易になるからである。
【0012】
また、前記液体供給路から前記圧力発生室を経て前記ノズル開口に至る各流路の流路抵抗が同じになるように構成されているのが望ましい。前述の吐出特性をさらに良好なものとすることができるからである。
【0013】
本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドの何れか一つを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、同一の駆動信号で圧電素子を駆動した場合でも、良好な高解像度の印刷等が可能になり、しかも吐出特性も良好に維持することができるので、高品質の印刷等を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録ヘッドの断面図である。
【図2】本実施の形態のノズル開口の配置および個別の流路を示す説明図である。
【図3】イナータンスおよび流路抵抗を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記録装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の短手方向の断面図であり、図1(b)は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の長手方向の断面図である。両図に示すように、流路形成基板50はシリコン単結晶基板で形成されている。流路形成基板50の一方面側の表層部分には、隔壁51によって画成された複数の圧力発生室52がこの圧力発生室52の幅方向(短手方向)に並設されている。各圧力発生室52の長手方向一端部側には、液体の一種であるインクを各圧力発生室内に供給するための液体供給路であるインク供給路54が連通されている。各インク供給路54には、液体貯留部の一種であるマニホールド53からインクが供給される。マニホールド53はヘッドケース58に形成したインク供給路62を介してインクカートリッジ(図示せず)から供給されたインクを貯留している。
【0016】
流路形成基板50の圧力発生室52の開口面側は振動板55で封止され、他方面側にはノズル開口56が穿設されたノズルプレート57が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。かくしてノズルプレート57のノズル面には多数のノズル開口56が列設されたノズル列が形成されている。
【0017】
ここで、図1には明示はされていないが、本形態に係る記録ヘッドでは、インク供給路54から圧力発生室52を介してノズル開口56に至る流路であって、圧力発生室52の並設方向において隣り合う流路の長さが異なる複数種類の流路が形成されている。この点に関しては、後に詳述する。
【0018】
振動板55上には、図示しない複数のインクカートリッジに接続されるインク供給路62を有するヘッドケース58が固定されており、且つこのヘッドケース58には、圧電素子ユニット10が高精度に位置決めされて固定されている。すなわち、ヘッドケース58には、貫通した収容部58Aが設けられており、この収容部58Aの一方の内面に固定基板14を介して圧電素子ユニット10が固定されている。この結果、各圧電素子11の先端が振動板55上の各圧力発生室52に対応する領域に設けられた各アイランド部59に当接された状態で固定されている。
【0019】
圧電素子ユニット10には、各圧電素子11を駆動するための信号を供給するフィルム状の配線基板30が接続されており、配線基板30に各圧電素子11を駆動する駆動信号を供給する駆動IC31が実装されている。かかる配線基板30の接続配線の一端部が各圧電素子11に電気的に接続されるとともに、他端部が入力配線基板60に電気的に接続されている。入力配線基板60は、駆動IC31および圧電素子11に外部から駆動電圧及び印刷信号等を供給する。
【0020】
図2は本形態におけるノズル開口の配置態様および個別流路を概念的に示す説明図である。同図に示すように、本形態におけるノズル開口56は、ノズルプレート57(図1参照)の表面が形成する面である同一面内において隣り合うもの同士が、圧力発生室52の並設方向と直交する方向(圧力発生室52の長手方向)に関する位置を互いにずらして配設されている。これに伴い、インク供給路54の入口(マニホールド53との境界)から圧力発生室52を介してノズル開口56に至るインクの流路は、長さL1,L2,L3が異なる複数種類(本形態では3種類)の個別流路71,72,73として形成されている。
【0021】
各個別流路71〜73は、インク供給路54の入口から図2中に一点鎖線で示す基準位置Cに至る第1の流路部71A,72A,73Aと、基準位置Cからノズル開口56に至る第2の流路部71B,72B,73Bとに分割され、第1の流路部71A〜73AのイナータンスM1と、第2の流路部71B〜73BのイナータンスM2との比M1/M2が各個別流路71〜73において同じになるように構成されている。ここで、基準位置Cは、インク供給路54の入口から圧力発生室52の並設方向と直交する方向における圧力発生手段である圧電素子11(図1参照)の中心に対応する位置である。すなわち、圧力発生室52内のインクに所定の吐出圧力を付与する際の変位の中心位置である。
【0022】
さらに、本形態では、各インク供給路54の入口から出口に至るイナータンスMが各個別流路71〜73において同じになるように構成されている。同時に、各個別流路71〜73の流路抵抗も同じになるように構成されている。
【0023】
なお、イナータンスおよび流路抵抗は、一般的には次のようにして求めることができる。すなわち、図3(a)に示すように、流路が中空直方体である場合、そのイナータンスM=(ρl/wh)、流路抵抗R=(12μl/wh3)となる。また、図3(b)に示すように、流路が円筒体である場合、そのイナータンスM=(ρl/πr2)、流路抵抗R=(8μl/πr4)となる。なお、上式中、μはインクの粘度、ρはインクの密度である。
【0024】
したがって、インク供給路54や圧力発生室52の形状が中空直方体で近似できる場合は、前記イナータンスM及び流路抵抗Rを求める式を利用してそのイナータンスおよび流路抵抗を求めることができ、またノズル開口56の形状が円筒体で近似できる場合は、前記イナータンスM及び流路抵抗Rを求める式を利用してそのイナータンスおよび流路抵抗を求めることができる。なお、このような近似ができない場合でも、積分を利用することにより同様の演算で所望のイナータンスおよび流路抵抗を求めることができる。
【0025】
ここで、第1の流路部71A〜73Aの各イナータンスM1は、インク供給路54のイナータンスMと圧力発生室52のイナータンスの半分(圧力発生室52の全イナータンス中、基準位置Cよりもインク供給路54側のイナータンス)が直列に接続されているので、各値を加算した値として求めることができる。同様に、第2の流路部71B〜73Bの各イナータンスM2は、圧力発生室52のイナータンスMの半分(圧力発生室52の全イナータンス中、基準位置Cよりもノズル開口56側のイナータンス)とノズル開口56を含むノズル部分のイナータンスが直列に接続されているので、各値を加算した値として求めることができる。
【0026】
本形態では、上述の如き演算により求めたイナータンスM1,M2の比M1/M2が各個別流路71〜73で同じになるように調整してある。また、各個別流路71〜73におけるインク供給路54の部分のイナータンスMはその長さおよび断面積をパラメーターとする値として与えられるので、各個別流路71〜73におけるインク供給路54の部分のイナータンスMが同じになるような合わせ込みも容易に行うことができる。
【0027】
各個別流路71〜73の流路抵抗は、上述の如く個別に求まるインク供給路54、圧力発生室52およびノズル開口56を含むノズル部分の流路抵抗を直列に接続した合成流路抵抗であるので、各抵抗値を加算した値として容易に求めることができ、したがって各個別流路71〜73の流路抵抗が同じになるように合わせ込むことも可能となる。
【0028】
かかるインクジェット式記録ヘッドでは、インクカートリッジに連通されるインク供給路62を介してマニホールド53にインクが供給され、インク供給路54を介して各圧力発生室52に分配される。このとき圧電素子11に電圧を印加することにより圧電素子11を収縮させると、振動板55が圧電素子11と共に引き上げられて圧力発生室52の容積が広げられる。この結果、圧力発生室52内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口56に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC31からの記録信号に従い、圧電素子11に印加していた電圧を解除すると、圧電素子11が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板55も変位して元の状態に戻るため圧力発生室52が収縮され、内部圧力によって圧力発生室52内に充填されているインクが排出される。この結果、ノズル開口56からインクが吐出される。
【0029】
ここで、本形態においては、ノズル開口56が、ノズルプレート57の表面が形成する面である同一面内において、圧力発生室52の並設方向において該並設方向に直交する方向(圧力発生室52の長手方向)に関し互いにずらして配設されている。この結果、圧力発生室52の並設方向において隣り合うノズル開口56間の間隔を可及的に縮小して高解像度の印刷を実現することができる。反面、隣り合うノズル開口56の中心間の距離は比較的大きな寸法を確保することができるので、ノズル開口56間の気流の流路を確保してノズル開口56から噴射されたインク滴間の間隔が拡がるのを防止してインク滴の着弾位置精度の向上に寄与させることができる。
【0030】
さらに、本形態においては、イナータンスM1,M2の比M1/M2が各個別流路71〜73で同じになるように構成しているので、同一の駆動波形で圧電素子11を駆動しても同等の吐出特性を得ることができる。ここで各個別流路71〜73におけるインク供給路54のイナータンスMは同じになるように調整してあるので、このイナータンスMを含むイナータンスM1とイナータンスM2との比M1/M2の調整が容易になる。
【0031】
さらに、本形態では流路抵抗も各個別流路71〜73で同じになるように揃えたので、前述の吐出特性をさらに良好なものとすることができる。これは、圧電素子11を駆動する駆動信号が高周波になればなるほど顕著な効果となる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限るものでは勿論ない。例えば、上記実施の形態に係るインクジェット式記録ヘッドは圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型アクチュエーターを有するヘッドであるが、圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として薄膜型のアクチュエーターである圧電素子を有するヘッド、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエーターである圧電素子を有するヘッド等にも同様に適用できる。さらに、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出させるいわゆるバブル式アクチュエーターや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーター等にも適用することもできる。要するに、基準位置Cが、圧力発生手段の中心に対応する位置、すなわち圧力発生室内のインクに所定の吐出圧力を付与する際の変位の中心位置となっていれば良く、基準位置Cを基準にしたイナータンスM1,M2の比M1/M2が各個別流路71〜73で同じになっていれば良い。
【0033】
また、上記実施の形態においては、インク供給路54のイナータンスMが各個別流路71〜73において同じになるようにしたが、必ずしもこのように構成する必要はない。ただ、このように形成した場合、イナータンスM1の規定が容易になるという効果はある。
【0034】
上記実施の形態においては、各個別流路71〜73の流路抵抗も同一としたが、これも必須ではない。ただ、各個別流路71〜73の流路抵抗を同じにした場合には、吐出特性をさらに改善することができる。
【0035】
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えばプリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【0036】
上記実施の形態に係るインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。同図に示すように、上記実施の形態に係るインクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A、1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A、2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0037】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【符号の説明】
【0038】
10 圧電素子ユニット、 11 圧電素子、 50 流路形成基板、 52 圧力発生室、 53 マニホールド、 54 インク供給路、 56 ノズル開口、 71,72,73 個別流路、 71A,72A,73A 第1の流路部、 71B,72B,73B 第2の流路部、 M1,M2,M イナータンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯留部に貯留された液体が第1の液体供給路を介して供給される第1の圧力発生室と、第1の圧力発生手段が前記第1の圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることにより液体を噴射する第1のノズル開口と、前記液体貯留部に貯留された液体が第2液体供給路を介して供給される第2の圧力発生室と、第2の圧力発生手段が前記第2の圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることにより液体を噴射する第2のノズル開口とを備え、
前記第1の圧力発生室と前記第2の圧力発生室とが並設され、
前記第1のノズル開口と前記第2のノズル開口とは、前記液体貯留部からの流路長さが異なり、
前記第1の液体供給路の入口から前記第1の圧力発生手段の中心に対応する第1の基準位置に至る流路のイナータンスと、前記第1の基準位置から前記第1のノズル開口に至る流路のイナータンスとの比が、前記第2の液体供給路の入口から前記第2の圧力発生手段の中心に対応する第2の基準位置に至る流路のイナータンスと、前記第2の基準位置から前記第2のノズル開口に至る流路のイナータンスとの比と同じであるように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記液体供給路の前記入口から出口に至るイナータンスが前記各液体供給路において同じになるように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記液体供給路から前記圧力発生室を経て前記ノズル開口に至る各流路の流路抵抗が同じになるように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−6334(P2013−6334A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139933(P2011−139933)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】