説明

液体噴射装置

【課題】突部に対してジョイント部の端部をまっすぐに向けて、ジョイント部に突部を正しく挿入する。
【解決手段】インクジェットプリンタの排気ユニット30において、サブタンクユニットに設けられた張出部材25cの下面には、排気流路と連通した上流側突部29が形成され、張出部材25cと上下方向に間隔をあけて配置され、キャリッジに設けられた蓋部33の上面には、開閉用流路と連通した下流側突部36が形成されている。上流側突部29と下流側突部36の先端同士は対向している。ガイド板43は、張出部材25cから上流側突部29と平行に下方に立設している。そして、ガイド板43は、上流側突部29の周面の一部と対向したガイド面43aを有している。ジョイントラバーの筒部は、その上端に上流側突部29が挿入されているとともに、下端に下流側突部36が挿入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を噴射する液体噴射装置において、液体供給流路を2つの流路部材で構成する必要がある場合には、これらの流路部材に形成された流路同士を連通させる必要がある。その1つの方法として、互いに異なる2つの流路部材を筒状のジョイント部で接続して、流路を連通させたものがある。
【0003】
上記のような液体噴射装置として、本願出願人が出願している特許文献1には、被記録体に対してノズルからインクを噴射して文字や画像などの記録を行う、インクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタは、インクを噴射するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドへインクを供給するバッファタンクと、インクジェットヘッド及びバッファタンクを搭載したキャリッジ(ホルダ)と、を有している。
【0004】
そして、バッファタンクには、インクジェットヘッド内の流路と連通し、インク導入口から導入されたインクを一時的に貯留するインク貯留室と、このインク貯留室から分岐して、インク貯留室内の気泡を排出するための排気流路と、が形成されている。そして、バッファタンクに形成された排気流路は、インク貯留室を開閉するための開閉弁と接続されることになるが、この開閉弁は、排気流路と一体的にバッファタンクに設けられずに、キャリッジなどの他部材に形成された開閉用の流路に設けられることがある。
【0005】
【特許文献1】特開2009−73120号公報(図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1では、相手方の構成は明確ではないが、仮に、排気流路がバッファタンクに形成され、開閉弁に接続された開閉用の流路がバッファタンクとは異なる部材(例えば、キャリッジ)に設けられている場合には、ジョイントの仕方は図9に示すようになっている。図9に示すように、バッファタンク125に排気流路と連通した突部129を設けるとともに、キャリッジ133に開閉用の流路と連通した突部136を設ける。そして、これら2つの突部129、136の先端同士を対向させて配置して、両者を筒状の弾性材料からなるジョイント部の両端に挿入して連通させている。
【0007】
しかしながら、この場合、ジョイント部は弾性材料からなり変形しやすいため、組み立て時において、ジョイント部に突部を挿入するときに、突部の先端方向に対してジョイント部の挿入方向が傾いていると、ジョイント部の端面や内周面に突部が接触してしまうことがある。そして、ジョイント部に突部をそのまま挿入し続けると、ジョイント部が撓んでしまい、突部を正しく挿入できないおそれがある。すると、ジョイント部を挟んだ両流路が連通しなかったり、たとえ連通したとしても液漏れが生じるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、突部に対してジョイント部の端部をまっすぐに向けて、ジョイント部に突部を正しく挿入した液体噴射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを含む液体流路を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに接続され、前記液体流路に連通する第1流路が形成された第1流路部材と、前記液体噴射ヘッド及び前記第1流路部材が取り付けられるホルダと、前記ホルダに設けられ、第2流路が形成された第2流路部材と、を備え、前記第1流路部材は、前記第1流路と連通した第1接続口が先端に形成された、第1突部を有し、前記第2流路部材は、前記第1流路部材の前記第1突部と先端同士が間隔をあけて対向し、前記第2流路と連通した第2接続口が先端に形成された、第2突部を有し、筒状であって、前記第1突部が一方端部に挿入されるとともに前記第2突部が他方端部に挿入されて、前記第1接続口と前記第2接続口とを連通させる、弾性材料からなるジョイント部をさらに備え、前記第1流路部材または前記第2流路部材の少なくとも一方には、前記第1突部または前記第2突部に沿って延在し、前記ジョイント部を案内するガイド面が形成されている。
【0010】
本発明における液体噴射装置によると、筒状のジョイント部に第1突部及び第2突部を挿入するときに、ジョイント部はガイド面に沿って第1突部及び第2突部に向かって案内される。これにより、第1突部及び第2突部に対してジョイント部の端部をまっすぐに向けて、ジョイント部に突部を正しく挿入することができる。したがって、第1流路と第2流路とを液漏れが生じることなく連通させることができる。
【0011】
また、前記第1流路は、前記液体噴射ヘッドに供給する液体の圧力変動を抑制するためのダンパー室と、前記ダンパー室に連通し、前記ダンパー室内に滞留した気泡を排出するための排気流路とを含んでおり、前記第1突部の前記第1接続口は、前記排気流路と連通しており、前記第2流路部材には、前記第2流路を開閉する開閉弁が設けられており、前記開閉弁を挟んで前記第2流路に接続される吸引手段をさらに備えていることが好ましい。
【0012】
これによると、開閉弁を開いて吸引手段による吸引により、排気流路を介してダンパー室内に滞留した気泡を排出するときに、排出された液体や気体がジョイント部と突部との接続部から漏れるのを抑制して、ダンパー室内に滞留した気泡を十分に排出することができる。
【0013】
さらに、前記ガイド面は、前記ジョイント部の外面形状に沿った形状をしていることが好ましい。
【0014】
これによると、ガイド面がジョイント部の外面形状に沿った形状をしているため、ジョイント部をガイド面に沿ってより正確に第1突部及び第2突部に向かって案内することができる。これにより、ジョイント部の挿入ミスをより確実に防止することができる。
【0015】
加えて、前記第1流路部材と前記第2流路部材は、互いに対向する2つの面を有し、前記2つの面から前記第1突部と前記第2突部がそれぞれ突出しており、前記第1流路部材または前記第2流路部材は、前記2つの面のいずれかの面から立設し、側面に前記ガイド面が形成されたガイド部材を有しており、前記ガイド部材は、前記第1突部または前記第2突部に沿って、前記第1突部と前記第2突部の合計長さよりも長く延在していることが好ましい。
【0016】
これによると、組み立て時に、ホルダに取り付けられた第1流路部材とホルダに設けられた第2流路部材とが互いに近づく方向に力を受けたとしても、ガイド面が第1流路部材または第2流路部材に接触して、第1突部と第2突部がぶつかることがないため、第1突部と第2突部が傷つきにくい。また、ガイド面は、近傍に配置された突部の先端よりも突出しているため、この突部の先端が保護されて傷つきにくい。
【0017】
また、前記ホルダは、前記ジョイント部を覆う壁を有しており、前記壁には、前記ジョイント部を露出させる開口が形成されており、前記ガイド面は、前記ジョイント部を挟んだ前記開口と反対側に配置されていることが好ましい。
【0018】
これによると、ジョイント部に第1突部及び第2突部が正しく挿入されているかを目視で確認するために、ジョイント部と対向するホルダの壁の部分に開口が形成されている。そして、ホルダ内のジョイント部を目視可能な状態にした上で、ジョイント部への挿入ミスを防止するためにガイド面を設ける場合には、ジョイント部を挟んだ開口と反対側にガイド面を配置するのが好適である。
【0019】
さらに、前記ダンパー室は、前記第1流路部材に平面的に広がって形成されており、前記第1流路部材には、前記ダンパー室の一方の面を覆うフィルムと、前記フィルム側から立設し、側面に前記ガイド面が形成されたガイド部材と、が設けられており、前記第1突部は、前記第1流路部材の、前記ダンパー室の縁よりも張り出した部分から、前記フィルムと直交する方向に関して前記ダンパー室の前記フィルム側に突出しており、前記ガイド部材は、前記第1突部と前記ダンパー室との間に配置されて、その裏側から前記ダンパー室の縁に向かって複数のリブが突出しており、前記複数のリブは、前記一方の面を覆う前記フィルムの縁に接触していることが好ましい。
【0020】
これによると、フィルムはダンパー室の一方の面を覆って平面的に配置されるが、このフィルムの縁に沿って複数のリブが立設している。そのため、フィルムをダンパー室の一方の面に配置するときに、フィルムの縁を複数のリブに接触させて配置することで、フィルムの位置決めを容易に行うことができる。
【0021】
このとき、前記第1流路部材と前記第2流路部材は、前記ダンパー室の広がる面方向と直交する方向に沿って並んで配置されていてもよい。
【0022】
また、前記液体噴射ヘッドには、前記ノズルが複数配置されており、複数の前記ノズルが前記面方向と平行に平面的に配置された液体噴射面を有しており、前記フィルムは、前記液体噴射面と平行に広がっていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
筒状のジョイント部に第1突部及び第2突部を挿入するときに、ジョイント部はガイド面に沿って第1突部及び第2突部に向かって案内される。これにより、第1突部及び第2突部に対してジョイント部の端部をまっすぐに向けて、ジョイント部に突部を正しく挿入することができる。したがって、第1流路と第2流路とを液漏れが生じることなく連通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す平面図である。
【図2】サブタンクユニットを上方から見た斜視図である。
【図3】サブタンクユニットを下方から見た斜視図である。
【図4】キャリッジがメンテナンス位置にあるときの排気ユニットとメンテナンスユニットの上下方向に関する断面図である。
【図5】ジョイントラバー取り付け位置近傍の部分拡大図である。
【図6】キャリッジ内におけるジョイント部の配置について説明するための図である。
【図7】ジョイントラバーの取り付けについて説明する工程図である。
【図8】変形例におけるジョイントラバー取り付け位置近傍の部分拡大図である。
【図9】従来例におけるジョイントラバー取り付け位置近傍の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に所望の文字や画像などを記録(印刷)するインクジェットプリンタに設けられており、記録用紙に対してインクを噴射するインクジェットヘッドに本発明を適用したものである。
【0026】
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、インクジェットプリンタの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す平面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1(液体噴射装置)は、一方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2(ヘッドホルダ)と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液体噴射ヘッド)及びサブタンクユニット4(第1流路部材)と、記録用紙Pを搬送する搬送機構5と、インクを貯留するインクカートリッジ6と、インクジェットヘッド3の液体噴射性能が低下したときにその性能を回復させるためのメンテナンスユニット7などを有している。
【0027】
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行にともなって走査方向に移動するようになっている。
【0028】
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3とサブタンクユニット4が搭載されている。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面(図1の紙面向こう側の面)に設けられたノズル23から、搬送機構5により図1の下方(走査方向と直交する紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにインクを噴射する。これにより、記録用紙Pに所望の文字や画像などが記録される。
【0029】
サブタンクユニット4には、その上面にチューブジョイント20(図2参照)が設けられており、このチューブジョイント20に連結された可撓性のチューブ11を介して、サブタンクユニット4とインクカートリッジ6とが接続されている。4つのインクカートリッジ6には、図1の左方から順に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のインクがそれぞれ貯留されており、これら4つのインクカートリッジ6は、ホルダ10に着脱自在に装着されている。
【0030】
4つのインクカートリッジ6に貯留された4色のインクは、サブタンクユニット4の後述する各ダンパー室27(図2参照)に一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。また、サブタンクユニット4の、走査方向に関する一端部(図1の右方端部)には、サブタンクユニット4内に滞留する空気を排出するための排気ユニット30が設けられている。排気ユニット30の詳細については後述する。
【0031】
搬送機構5は、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向上流側に配置された給紙ローラ15と、インクジェットヘッド3よりも紙送り方向下流側に配置された排紙ローラ16とを有している。給紙ローラ15と排紙ローラ16は、それぞれ、給紙モータ21と排紙モータ22により回転駆動される。そして、この搬送機構5は、給紙ローラ15により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3に供給するとともに、排紙ローラ16により、インクジェットヘッド3によって文字や画像などが記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出するように構成されている。
【0032】
<インクジェットヘッドの構成>
インクジェットヘッド3は、圧電式のアクチュエータにより、サブタンクユニット4から供給されたインクを内部の液体流路を通って、その下面に形成された複数のノズル23から噴射させる。複数のノズル23は、紙送り方向に配列されてノズル列を形成しているとともに、このノズル列が走査方向に4列並んでいる。そして、このインクジェットヘッド3の下面(図1の紙面奥側の面)が、複数のノズル23がそれぞれ開口するインク噴射面3a(液体噴射面)となっており、ノズル列ごとに、図1の左方から順に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクが噴射される。
【0033】
<サブタンクユニットの構成>
次に、サブタンクユニット4について説明する。図2は、サブタンクユニットを上方から見た斜視図である。図3は、サブタンクユニットを下方から見た斜視図である。図4は、キャリッジがメンテナンス位置にあるときの排気ユニット及びメンテナンスユニットの上下方向に関する断面図である。なお、以下では、図2、図3に示すように、走査方向に沿った方向を左右方向、紙送り方向の上流から下流に向かう方向を前方から後方に向かう方向、及び、左右方向及び前後方向と直交する方向を上下方向と規定して説明する。
【0034】
図2、図3に示すように、サブタンクユニット4は、ユニット本体25と、ユニット本体25の上面及び下面に貼り付けられた4枚のフィルム26a〜26dと、を有しており、4色のインクに対応して4つのインク流路が形成されている。ユニット本体25は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなり、前後方向に延びた板状部材25aと、板状部材25aの前方端から下方に突出した略直方体状の突出部材25bと、を有している。
【0035】
ユニット本体25の板状部材25aの上面及び下面には、平面的に広がり、内部のインクの圧力変動を抑制するための4つのダンパー室27a〜27dが形成されている。さらに、板状部材25aには、チューブジョイント20とダンパー室27a〜27dとを連通させる流路や、ダンパー室27a〜27dと突出部材25bの流路とを連通させる流路などを画定する溝や凹部などが形成されている。
【0036】
ダンパー室27aは、チューブジョイント20よりも前方における、板状部材25aの下面に形成されており、板状部材25aの下面に形成された凹部の開口をフィルム26aにより塞ぐように溶着されて画定されている。ダンパー室27bは、チューブジョイント20よりも前方における、板状部材25aの上面であって、上下方向に関してダンパー室27aと重なって形成されており、板状部材25aの上面に形成された凹部の開口をフィルム26bにより塞ぐように溶着されることで画定されている。
【0037】
ダンパー室27cは、チューブジョイント20よりも後方における、板状部材25aの下面に形成されており、板状部材25aの下面に形成された凹部の開口をフィルム26cにより塞ぐように溶着されて画定されている。ダンパー室27dは、チューブジョイント20よりも後方における、板状部材25aの上面であって、上下方向に関してダンパー室27cと重なって形成されており、板状部材25aの上面に形成された凹部の開口をフィルム26dにより塞ぐように溶着されることで画定されている。
【0038】
4つのフィルム26a〜26dは、矩形状をしており、対応するダンパー室27a〜27dを塞ぎ、且つ、その周囲の溝や貫通孔も塞ぐために、それぞれ異なる大きさをしている。より詳細には、フィルム26bは、ダンパー室27bを覆うとともに、排気ユニット30の一部を構成する後述する張出部材25c(図2参照)の上面も覆っており、排気ユニット30に分岐する排気流路28を画定している。なお、本実施形態におけるダンパー室27と排気流路28が、本発明における第1流路に相当する。
【0039】
また、フィルム26aは、詳しくは後述するが、前後方向に並んだ4つのリブ44の左方端と接触することで左右方向に関して位置決めされるとともに、突出部材25bの左右方向に延在した後方側面と接触することで前後方向に関して位置決めされている。
【0040】
突出部材25bは、その下面にインクジェットヘッド3の図示しないインク供給口が接続されている。そして、突出部材25bには、4つのダンパー室27a〜27dとインクジェットヘッド3の液体流路とを連通させる流路が形成されている。これにより、4つのインクカートリッジ6に貯留された4色のインクは、それぞれ対応するダンパー室27に一時的に貯留されつつ、内部のインクの圧力変動を抑制された後、インクジェットヘッド3に供給される。
【0041】
<排気ユニットの構成>
次に、排気ユニット30について説明する。図5(a)は、ジョイントラバー取り付け位置近傍の部分拡大斜視図であるが、ジョイントラバーを外した状態を図示している。図5(b)は、図5(a)をA方向から見たときの側面図である。サブタンクユニット4及びチューブ11からなるインク供給流路に空気が混入したときには、この空気の大部分は、ダンパー室27の上部に滞留する。
【0042】
そこで、図2、図3に示すように、サブタンクユニット4の右方端部には、メンテナンスユニット7と協働してダンパー室27内に滞留した空気を排出するための排気ユニット30が設けられており、この排気ユニット30は、サブタンクユニット4の側壁上端部に設けられた貫通孔(図示せず)を介して4つのダンパー室27a〜27dの上部と連通している。
【0043】
図2〜図5に示すように、排気ユニット30は、ユニット本体25(板状部材25a)の右方端部から張り出した張出部材25cと、張出部材25cと上下方向に間隔をあけて配置され、キャリッジ2に設けられたバルブ機構31(第2流路部材)と、張出部材25cとバルブ機構31を接続するジョイントラバー37(ジョイント部)と、張出部材25cの下面から立設したガイド板43と、を有している。
【0044】
張出部材25cは、板状部材25aと一体的に形成されており、板状部材25aの4つのダンパー室27a〜27dとインクジェットヘッド3とを連通させる流路からそれぞれ分岐した4つの排気流路28が形成されている。また、張出部材25cには、その下面52から突出し、先端50に排気流路28と連通した接続口29a(第1接続口)が形成された4つの上流側突部29(第1突部)が形成されている。上流側突部29は、先端50に向かうにつれて先細ったテーパー状をしている。
【0045】
ガイド板43は、張出部材25cと一体的に形成されており、4つの上流側突部29とフィルム26aとの間に配置されて、上流側突部29と平行に下方に立設している。そして、ガイド板43は、右方を向いたガイド面43aを有しており、このガイド面43aは、前後方向に延在して、4つの上流側突部29の周面の一部と対向している。そして、ガイド面43aは、ジョイントラバー37(上流側突部29)の外面形状に沿った形状をしている。すなわち、ジョイントラバー37(上流側突部29)は水平方向断面が円状をしていることから、ガイド面43aは円弧状に凹んだ形状が前後方向に並んで形成されており、ジョイントラバー37の周面と摺動可能に接触している。
【0046】
また、図5(b)に示すように、ガイド面43aは、張出部材25cの上流側突部29が突出した面と、蓋部33の下流側突部36が突出した面との間に配置されている。そして、ガイド面43aの上下方向の長さXは、上流側突部29の長さY1と後述する下流側突部36の長さY2との合計長さよりも長く、上流側突部29と下流側突部36とがそれぞれ突出する面間の距離Zよりも短くなっている。
【0047】
さらに、ガイド板43のガイド面43aとは反対側の面には、ガイド板43を支持する4つのリブ44が設けられている。4つのリブ44は、張出部材25cから下方に立設して左方に突出しており、4つの上流側突部29と同じ間隔で前後方向に並んでいる。そして、図3に示すように、4つのリブ44の左方端部は、フィルム26aの縁と接触している。また、フィルム26aは、突出部材25bの後方側面とも接触しており、これらに接触させることで、フィルム26aの位置決めを容易に行うことができる。
【0048】
図4に示すように、バルブ機構31は、上方に開口した4つのケース32と、4つのケース32の開口をそれぞれ塞いだ4つの蓋部33と、4つのケース32内において上下方向にそれぞれ延在する4つの開閉用流路34(第2流路)と、4つの開閉用流路34をそれぞれ開閉する4つの常閉式の開閉弁35と、を有している。なお、これらの部材は、4色のインクに対応して4つずつ設けられており、以下では1つの色に対応する部分の構成についてだけ説明する。4つのケース32と4つの蓋部33は、キャリッジ2に取り付けられている。蓋部33には、その上面53から突出し、先端51に開閉用流路34と連通した接続口36a(第2接続口)が形成された4つの下流側突部36(第2突部)が形成されている。下流側突部36は、上流側突部29と同じ形状であり、先端51に向かうにつれて先細ったテーパー状をしている。そして、上流側突部29と下流側突部36は、その先端50、51同士が上下方向に沿って対向している。
【0049】
ジョイントラバー37は、ゴムなどの弾性材料からなり、上下方向に延在した4つの筒部37aと、4つの筒部37aを繋ぐ連結部37bとを有している。4つの筒部37aは、前後方向に4つの上流側突部29と同じ間隔で並んで配置されており、上下方向の長さは、上流側突部29と下流側突部36とがそれぞれ突出する面間の距離Z(図5(b)参照)とほぼ同じになっている。連結部37bは、4つの筒部37aの下半分を繋いでおり、4つの筒部37aの上半分はそれぞれ独立して撓むことが可能となっている。
【0050】
そして、4つの筒部37aは、その上端に上流側突部29が挿入されているとともに、下端に下流側突部36が挿入されている。そして、筒部37aの内径は、互いに同径である上流側突部29及び下流側突部36の外径よりも若干小さくなっており、挿入されて接圧により筒部37aの内周面と突部の外周面との間の隙間を封止可能となっている。
【0051】
そして、ダンパー室27とインクジェットヘッド3とを連通させる流路から分岐した排気流路28は、ジョイントラバー37の筒部37a内を介して、開閉用流路34と連通し、ケース32の下端に形成された排気口38と連通している。このように、サブタンクユニット4に設けられた張出部材25cの上流側突部29と、キャリッジ2に設けられたバルブ機構31の下流側突部36は、それぞれ離れて配置された別部材に設けられて、ジョイントラバー37を介して接続されている。
【0052】
開閉弁35は、開閉用流路34内において上下方向に移動可能に配設されるとともに開閉用流路34を閉止可能な弁部材39と、この弁部材39を下方(開閉用流路34を閉止する方向)に付勢するコイルバネ40と、を有している。弁部材39は、開閉用流路34内において上下方向に移動可能な有底筒状の弁体39aと、この弁体39aの底部から下方へ延びる弁棒39bを有する。弁体39aの外径は、開閉用流路34の内径よりは小さくなっており、この弁体39aと開閉用流路34の内壁面との間をインクが流れることが可能となっている。また、弁体39aの下面には環状のシール材41が装着されており、弁体39aは、開閉用流路34の途中の段部に設けられた弁座面42にシール材41を介して当接することで、開閉用流路34を閉止するように構成されている。
【0053】
コイルバネ40は、蓋部33の下面と弁部材39の弁体39aの上面との間に圧縮状態で配置されており、このコイルバネ40によって弁部材39が下方(開閉用流路34の閉止方向)へ付勢される。そして、後述するメンテナンスユニット7のピン24により、弁体39aがコイルバネ40の付勢力に抗して上方へ駆動されたときには、弁体39aが弁座面42から離間し、開閉用流路34が開放される。
【0054】
<メンテナンスユニットの構成>
次に、メンテナンスユニット7について説明する。メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のノズル23から強制的にインクを排出させる吸引パージと、サブタンクユニット4のダンパー室27の上部に滞留した空気を排気ユニット30から排出させる排気パージとを行うものであり、図1に示すように、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲のうち、記録用紙Pと対向する印刷領域よりも外側(図1における右側)の領域(メンテナンス位置)に配置されている。吸引パージと排気パージの詳細については後述する。
【0055】
図1に示すように、メンテナンスユニット7は、インクジェットヘッド3のインク噴射面3aに密着可能な吸引キャップ12と、吸引キャップ12と走査方向に隣接して配置され、排気ユニット30の下面に密着可能な排気キャップ13と、吸引キャップ12と排気キャップ13に選択的に接続可能な吸引ポンプ14(吸引手段)と、吸引ポンプ14の接続先を切り換える切換手段9と、吸引ポンプ14により吸引された廃インクを貯留する廃液タンク8などを有している。
【0056】
吸引キャップ12は、ゴムや合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成されている。そして、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときに、この吸引キャップ12は、インクジェットヘッド3の複数のノズル23が配置されたインク噴射面3aと対向する。そして、吸引キャップ12は、インク噴射面3aと対向した状態で、図示しないキャップ駆動モータによって上方に駆動されることにより、インク噴射面3aに密着し、複数のノズル23を覆う。すると、インク噴射面3aの複数のノズル23が形成された領域と吸引キャップ12とからなる密閉空間が形成される。
【0057】
そして、複数のノズル23が吸引キャップ12に覆われ、切換手段9により吸引キャップ12と吸引ポンプ14を連通させた状態で、吸引ポンプ14を駆動して吸引動作が行われると、密閉空間内の空気が吸引されて圧力が低下し、複数のノズル23からインクジェットヘッド3内のインクが排出される(吸引パージ)。これにより、複数のノズル23内の増粘インクやインクジェットヘッド3内のインク流路に混入している気泡を、インクとともにノズル23から排出することが可能となっており、排出されたインクなどは、廃液タンク8に貯留される。
【0058】
排気キャップ13は、吸引キャップ12と同じく、ゴムや合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成されている。排気キャップ13は、メンテナンス位置にキャリッジ2(インクジェットヘッド3)が移動してきたときに、排気ユニット30の下面と対向する。そして、排気キャップ13は、排気ユニット30と対向した状態で、図示しないキャップ駆動機構により、吸引キャップ12とともに上方(図1の紙面手前側)に駆動されることにより、排気ユニット30の下面に密着し、排気ユニット30の排気口38を一度に覆う。
【0059】
そして、排気ユニット30の排気口38が排気キャップ13に覆われ、切換手段9により排気キャップ13と吸引ポンプ14を連通させた状態で、弁棒39bの真下に位置し、排気キャップ13の底壁を気密を保った状態で貫通して、一体的に上下方向に移動可能な4本のピン24を、排気キャップ13に対して上方に駆動すると、開閉弁35がピン24により上方に押されて開となり、開閉用流路34が開放される。
【0060】
そして、この状態で、吸引ポンプ14の吸引動作が行われたときには、排気キャップ13と排気ユニット30の下面によって形成される密閉空間内の空気が吸引されて圧力が低下する。このとき、排気ユニット30からダンパー室27の上部に滞留した空気が、開閉用流路34を介して排出される(排気パージ)。そして、排出されたインクなどは、廃液タンク8に貯留される。
【0061】
次に、上流側突部29及び下流側突部36へのジョイントラバー37の取り付け工程について説明する。図6は、キャリッジ内におけるジョイント部の配置について説明するための図であり、(a)はサブタンクユニットが搭載されたキャリッジの斜視図であり、(b)はジョイントラバー近傍の上下方向の断面図である。図7は、ジョイントラバーの取り付けについて説明する工程図である。
【0062】
図6(a)、(b)に示すように、サブタンクユニット4は、キャリッジ2に搭載されて、キャリッジ2の側壁2aに覆われている。そして、キャリッジ2の側壁2aとジョイントラバー37との間の隙間はわずかしかなく、側壁2aのジョイントラバー37と対向する部分には、ジョイントラバー37を包括する大きさの開口2bが形成されている。また、ガイド板43は、ジョイントラバー37を挟んだ開口2bと反対側に配置されており、開口2bからジョイントラバー37に上流側突部29及び下流側突部36が正しく挿入されているかを目視で確認することができる。
【0063】
上述したように、キャリッジ2にインクジェットヘッド3及びサブタンクユニット4を取り付けた後に、ジョイントラバー37を取り付けるのは側壁2aとの間の隙間がわずかしかなく困難である。そこで、本実施形態では、図7(a)に示すように、作業者がジョイントラバー37を持った上で、ジョイントラバー37の4つの筒部37aの連結部37bにより連結されていない側の端部にサブタンクユニット4の張出部材25cに設けられた4つの上流側突部29を挿入する。このとき、ジョイントラバー37の筒部37aはガイド板43のガイド面43aに沿って上流側突部29に向かって案内される。これにより、上流側突部29に対してジョイントラバー37の筒部37aの端部をまっすぐに向けて、ジョイントラバー37に上流側突部29を正しく挿入することができる。
【0064】
また、図示していないが、サブタンクユニット4とインクジェットヘッド3を接続した後、図7(b)に示すように、作業者がサブタンクユニット4を持った上で、ジョイントラバー37の4つの筒部37aの連結部37bにより連結された側の端部にキャリッジ2の蓋部33に設けられた4つの下流側突部36を挿入する。このとき、ジョイントラバー37の筒部37aはガイド板43のガイド面43aに沿って下流側突部36に向かって案内される。これにより、下流側突部36に対してジョイントラバー37の筒部37aの口をまっすぐに向けて、ジョイントラバー37に下流側突部36を正しく挿入することができる。したがって、ダンパー室27と連通する排気流路28と開閉弁35と接続された開閉用流路34とを液漏れが生じることなく連通させることができる。
【0065】
これにより、開閉弁35を開いて吸引ポンプ14による吸引により、排気流路28を介してダンパー室27内の気泡を排出する排気パージを行うときに、排出されたインクや気体がジョイントラバー37と上流側突部29(下流側突部36)との接続部から漏れるのを抑制して、ダンパー室27内の気泡を十分に排出することができる。
【0066】
また、ガイド面43aがジョイントラバー37の筒部37aの外面形状に沿った形状をしているため、ジョイントラバー37の筒部37aをガイド面43aに沿ってより正確に上流側突部29及び下流側突部36に向かって案内することができる。これにより、ジョイントラバー37の挿入ミスをより確実に防止することができる。また、上流側突部29及び下流側突部36の先端50、51がテーパー状であることで、ジョイントラバー37を誘い込みやすくなり、ジョイントラバー37の挿入ミスをより一層確実に防止することができる。
【0067】
さらに、上述したように、ガイド面43aは、張出部材25cの上流側突部29が突出した面と、蓋部33の下流側突部36が突出した面との間に配置されており、上流側突部29と下流側突部36の合計長さよりも長く延在している。これにより、サブタンクユニット4をキャリッジ2に取り付けるときに、仮に、サブタンクユニット4をキャリッジ2に向かって押し付けすぎたとしても、先にガイド面43aがキャリッジ2(蓋部33)に接触することになり、上流側突部29と下流側突部36がぶつかることがなく、上流側突部29と下流側突部36が傷つきにくい。また、ガイド面43aは、上流側突部29の先端50よりも突出しているため、上流側突部29の先端50が保護されて傷つきにくい。
【0068】
加えて、ジョイントラバー37は、4つの筒部37aの下半分を連結部37bで連結されており、上半分はそれぞれ独立して撓むことが可能となっている。これにより、4つの筒部37aを1度に上流側突部29(下流側突部36)に挿入することが可能となるため、作業効率が向上する。また、仮に、4つの筒部37aの全長にわたって連結されている場合に比べて、それぞれの筒部37aの曲げ応力が他の筒部37aに伝達しにくいため、よりジョイントラバー37を隙間なく上流側突部29(下流側突部36)と密着させて封止することができる。
【0069】
また、キャリッジ2内のジョイントラバー37を目視可能な状態にした上で、ジョイントラバー37への挿入ミスを防止するためにガイド板43を設ける場合には、ジョイントラバー37を挟んだ開口2bと反対側にガイド板43を配置するのが好適である。
【0070】
さらに、キャリッジ2の開口2bからジョイントラバー37を見たときの、ジョイントラバー37の手前側の挿入状態については、目視で確認できるが、奥側の挿入状態については、たとえキャリッジ2に目視できるように開口を形成したとしても、上面が板状部材25a、下面がインクジェットヘッド3に挟まれて暗くて見えない。そこで、ジョイントラバー37を挟んだ開口2bと反対側にガイド板43を配置することで、挿入ミスをなくして、目視の必要性を低減させている。
【0071】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0072】
本実施形態においては、ガイド板43は、サブタンクユニット4(張出部材25c)側に設けられていたが、キャリッジ2(蓋部33)側に設けられていてもよい。ただし、上述したように、ジョイントラバー37をサブタンクユニット4側に取り付けた後、キャリッジ2側に取り付ける構成においては、ガイド板43をサブタンクユニット4側に設けた方が、上流側突部29及び下流側突部36のいずれへのジョイントラバー37の挿入に対しても、ジョイントラバー37をガイド板43に沿って案内することができる。
【0073】
また、本実施形態においては、ガイド面43aの上下方向の長さは、上流側突部29の長さと下流側突部36の長さとの合計長さよりも長くなっていたが、上流側突部29の長さと下流側突部36の長さとの合計長さよりも短くなっていてもよい。また、図8に示すように、ガイド板143は、サブタンクユニット4(張出部材25c)側とキャリッジ2(蓋部33)側とのそれぞれに設けられて、それぞれのガイド面143aの長さが、上流側突部29の長さ、及び、下流側突部36の長さ以下であってもよい。
【0074】
さらに、本実施形態においては、ガイド面43aは、ジョイントラバー37(上流側突部29)の周面の一部と対向して配置されていたが、ジョイントラバー37の全周(上流側突部29)を覆って、または、キャリッジ2の壁と上流側突部29(下流側突部36)との間に配置されていてもよい。この場合、キャリッジ2に開口2bを形成しても、ジョイントラバー37はガイド面43aに覆われて目視で確認できないため、開口2bを形成する必要がない。
【0075】
加えて、本実施形態においては、ガイド面43aは、ジョイントラバー37と接触して摺動可能に配置されていたが、若干の隙間をあけて配置されていてもよい。この場合においても、ジョイントラバー37が上流側突部29(下流側突部36)の端面や内周面に接触して撓もうとしたときに、その撓んだ部分がガイド面43aに接触して撓みを抑制することができる。したがって、本発明と同様の効果を奏することができる。
【0076】
また、本実施形態においては、ジョイントラバー37の4つの筒部37aは、連結部37bを介して連結されていたが、連結部37bは設けられていなくてもよい。
【0077】
本実施形態においては、ダンパー室27からインクジェットヘッド3に至る流路から分岐した排気流路28と、排気パージを行うための開閉弁35と接続された開閉用流路34とを連通させる部分について本発明を適用したが、本発明の適用対象は、このような排気用の部分に限られず、それぞれ離れて配置された流路部材に形成された流路同士を連通させる部分について適用することが可能である。
【0078】
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを噴射して文字や画像などを記録する、インクジェットプリンタに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このような用途に使用されるものに限られない。すなわち、インク以外のさまざまな種類の液体を、その用途に応じて噴射する、種々の液体噴射装置に本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
4 サブタンクユニット
23 ノズル
27 ダンパー室
28 排気流路
29 上流側突部
29a 接続口
31 バルブ機構
34 開閉用流路
36 下流側突部
36a 接続口
37 ジョイントラバー
43 ガイド板
43a ガイド面
50、51 先端


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルを含む液体流路を有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに接続され、前記液体流路に連通する第1流路が形成された第1流路部材と、
前記液体噴射ヘッド及び前記第1流路部材が取り付けられるホルダと、
前記ホルダに設けられ、第2流路が形成された第2流路部材と、を備え、
前記第1流路部材は、前記第1流路と連通した第1接続口が先端に形成された、第1突部を有し、
前記第2流路部材は、前記第1流路部材の前記第1突部と先端同士が間隔をあけて対向し、前記第2流路と連通した第2接続口が先端に形成された、第2突部を有し、
筒状であって、前記第1突部が一方端部に挿入されるとともに前記第2突部が他方端部に挿入されて、前記第1接続口と前記第2接続口とを連通させる、弾性材料からなるジョイント部をさらに備え、
前記第1流路部材または前記第2流路部材の少なくとも一方には、前記第1突部または前記第2突部に沿って延在し、前記ジョイント部を案内するガイド面が形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記第1流路は、前記液体噴射ヘッドに供給する液体の圧力変動を抑制するためのダンパー室と、前記ダンパー室に連通し、前記ダンパー室内に滞留した気泡を排出するための排気流路とを含んでおり、
前記第1突部の前記第1接続口は、前記排気流路と連通しており、
前記第2流路部材には、前記第2流路を開閉する開閉弁が設けられており、
前記開閉弁を挟んで前記第2流路に接続される吸引手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記ガイド面は、前記ジョイント部の外面形状に沿った形状をしていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記第1流路部材と前記第2流路部材は、互いに対向する2つの面を有し、前記2つの面から前記第1突部と前記第2突部がそれぞれ突出しており、
前記第1流路部材または前記第2流路部材は、前記2つの面のいずれかの面から立設し、側面に前記ガイド面が形成されたガイド部材を有しており、
前記ガイド部材は、前記第1突部または前記第2突部に沿って、前記第1突部と前記第2突部の合計長さよりも長く延在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記ホルダは、前記ジョイント部を覆う壁を有しており、
前記壁には、前記ジョイント部を露出させる開口が形成されており、
前記ガイド面は、前記ジョイント部を挟んだ前記開口と反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記ダンパー室は、前記第1流路部材に平面的に広がって形成されており、
前記第1流路部材には、前記ダンパー室の一方の面を覆うフィルムと、前記フィルム側から立設し、側面に前記ガイド面が形成されたガイド部材と、が設けられており、
前記第1突部は、前記第1流路部材の、前記ダンパー室の縁よりも張り出した部分から、前記フィルムと直交する方向に関して前記ダンパー室の前記フィルム側に突出しており、
前記ガイド部材は、前記第1突部と前記ダンパー室との間に配置されて、その裏側から前記ダンパー室の縁に向かって複数のリブが突出しており、
前記複数のリブは、前記一方の面を覆う前記フィルムの縁に接触していることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記第1流路部材と前記第2流路部材は、前記ダンパー室の広がる面方向と直交する方向に沿って並んで配置されていることを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
前記液体噴射ヘッドには、前記ノズルが複数配置されており、複数の前記ノズルが前記面方向と平行に平面的に配置された液体噴射面を有しており、
前記フィルムは、前記液体噴射面と平行に広がっていることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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