説明

液体散布装置

【課題】作物が大きく生育した畝間に搬入して使用できる軽便な液体散布装置にして、除草剤を散布する場合にも作業を効率よく適切かつ容易に行えるようにする。
【解決手段】土壌の上に配置されるスプラッシュガード1と、このスプラッシュガード1を移動させるアーム状のハンドル7とを備える。スプラッシュガード1は、ハンドル7が連結する上部フレーム2と、この上部フレーム2の両側に設けられる左右一対の側壁3,3とを有し、上部フレーム2には、両側壁3,3の間で液体を下方に向けて噴出するノズル4が取り付けられる。両側壁3,3は、その下端がスプラッシュガード1の移動方向に延びるブレード状の摺動ランナ部33とされる。又、両側壁3,3は間隔調整可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌に液体を散布するのに用いられる液体散布装置に係わり、特に畝間の除草作業に用いて好適な液体散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物の栽培に際して畑に所定の間隔で畝を切り、その各畝に作付けすることが一般に広く行われているが、畝に植えられた作物の栽培中には散水のほか、病害虫の防除のために農薬の散布も定期的に行われる。
【0003】
特に、栽培期間中において問題となるのは除草である。つまり、畝での作物栽培は長期に及ぶので、その間に畝の周囲に雑草が繁茂するが、雑草が繁茂すると、作物との間で日照や養分の奪い合いが行われるために、作物の生育が悪くなり、更には畝間の通気が不良となるために根腐れを発生することもある。従って、作物の生育を促し、その品質や収量を上げるためには頻繁に除草を行うことが必要不可欠であるが、その作業には重労働を強いられる。
【0004】
尚、除草方法としては、雑草のみを枯らす選択性の除草剤を散布するものと、農機による中耕除草法とがよく知られる。
【0005】
しかし、前者の選択性除草剤を用いるものでは、雑草だけを枯らすといっても、除草剤を浴びた作物は衰弱してしまうし、除草剤を含有した作物を食することは消費者の健康上も好ましくなく、除草剤の含有量が基準値を超えていれば出荷を停止されてしまう。このため、除草剤の散布には神経を使うが、除草剤を雑草にだけ浴びせようと注意を払っていても、散布器から噴射した除草剤が風の影響などで拡散して作物に掛かってしまうことも少なくない。
【0006】
この点、薬剤を使用しない中耕除草では、安全な作物を生産する上で有効であるが、作物がある程度の大きさまで生育した段階では、畝間に耕運機を走られることが困難となるし、機械操作を誤って作物を傷めてしまうことがある。又、作物が小さいうちでも畝の斜面に繁茂した雑草まで防除することは難しい。
【0007】
ここに、畝の斜面に繁茂した雑草を防除するために、駆動軸の両端に内側盤体とそれより小径の外側盤体とで成る盤体が取り付けられると共に、その両盤体にドラム状のブレード刃が取り付けられ、そのブレード刃に刃先が外側ほど回転中心側に近づいた傾斜刃部が形成されて成る畝間除草装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】特開2007−143510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示される装置は、既存のトラクタに取り付けて使用されるものであるから、中耕除草と同じく作物がある程度の大きさまで生育した段階では除草が困難となり、しかも機械操作を誤って作物を傷めてしまう虞がある。
【0010】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は作物が大きく生育した畝間に搬入して使用できる軽便な液体散布装置にして、除草剤を散布する場合にも作業を効率よく適切かつ容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の目的を達成するため、
液体を散布すべき土壌の上に配置されるスプラッシュガード1と、このスプラッシュガード1を移動させるアーム状のハンドル7とを備え、
スプラッシュガード1は、ハンドル7が連結する上部フレーム2と、この上部フレーム2の両側に設けられる左右一対の側壁3,3とを有し、
上部フレーム2には、両側壁3,3の間で液体を下方に向けて噴出するノズル4が取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
又、上記装置において、スプラッシュガード1の両側壁3,3は、その下端がスプラッシュガード1の移動方向に延びるブレード状の摺動ランナ部33とされていることを特徴とする。
【0013】
加えて、スプラッシュガード1の両側壁3,3の間隔が調整可能とされていることを特徴とする。
【0014】
更に、スプラッシュガード1の両側壁3,3が下方に向かってハの字状に広がっていることを特徴とする。
【0015】
又、ハンドル7には、その長手方向に沿って、作業者が背負うタンク6内の液体をノズル4に導くホース5Aが固定されていることを特徴とする。
【0016】
又、ハンドル7がスプラッシュガード1の上部フレーム2に傾斜状に連結されると共に、上部フレーム2にはハンドル7の傾斜角度を調整可能に固定するハンドル角調整機構が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る液体散布装置によれば、土壌の上に配置されるスプラッシュガードを備え、そのスプラッシュガードが上部フレームの両側に設けられる左右一対の側壁を有し、上部フレームには、両側壁の間で液体を下方に向けて噴出するノズルが取り付けられていることから、畝間に除草剤などの液体を散布する場合でも、ノズルより噴出された液体から畝の作物を防護しながら、畝間にだけ液体を散布することができ、しかもスプラッシュガードにはアーム状のハンドルが連結されるので、そのハンドルを引っ張りながらスプラッシュガードを畝に沿って容易に移動させることができる。
【0018】
特に、両側壁の下端がスプラッシュガードの移動方向に延びるブレード状の摺動ランナ部とされていることから、使用に際して摺動ランナ部が土壌に埋没して隙間を無くすシールドとして機能するようになるので、両側壁の下端から散布液が漏れ出さず、しかも摺動ランナ部はスプラッシュガードの移動方向を指向して直進ガイドとしても機能するので、作業中にスプラッシュガードが蛇行して作物などに衝突してしまうことを防止できる。従って、不慣れな作業者でも、作物を除草剤などの液体で汚染したり痛めたりせずして、液体散布作業を効率よく適切かつ容易に行うことができる。
【0019】
又、両側壁の間隔が調整可能とされていることから、両側壁の間隔を畝の斜面が覆われる位置まで広げ、作物を避けながら畝の斜面にも液体を散布することができ、しかも両側壁が下方に向かってハの字状に広がっていることから、両側壁が噴流の妨げにならず、ノズルから噴出された液体を両側壁の全幅に亘って良好に掛けることができる。
【0020】
更に、ハンドルには、その長手方向に沿って、作業者が背負うタンク内の液体をノズルに導くホースが固定されていることから、そのホースが垂れ下がって作業の障害となることを防止できる。
【0021】
又、ハンドルの傾斜角度を調整可能に固定するハンドル角調整機構が設けられていることから、作業者の身長に応じてハンドルの傾斜角度を調整して腰を屈めず楽な姿勢で作業を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る液体散布装置を示す斜視図、図2は同装置の平面図である。
【0023】
図1、図2において、1は畝に植えられた作物に除草剤などの液体が浴びせられることを防ぐスプラッシュガードであり、このスプラッシュガード1は上部フレーム2とその両側に設けられる左右一対の側壁3,3とを有する門形の形態とされている。
【0024】
本例において、スプラッシュガード1を構成する上部フレーム2は、角パイプから成る左右一対の縦リブ21,21と前後一対の横リブ22,22とを結合したアルミ製の骨組み構造であり、その内底部には左右一対の側壁3,3の間で液体を下方に向けて噴出するノズル4が取り付けられている。
【0025】
一方、側壁3は、丸パイプを結合して成るアルミ製のサイドフレーム31に、合成樹脂製のカバープレート32を取り付けて構成されるパネル状の構造体であり、その下端はスプラッシュガード1の移動方向(図1に矢印Mで示される前後方向)に延びるブレード状の摺動ランナ部33とされ、その摺動ランナ部33が地面に対して滑り接触するようにしてある。
【0026】
特に、摺動ランナ部33は、スプラッシュガード1の移動時の摩擦抵抗が小さくなるよう長手方向両端が傾斜状に切り欠かれている。尚、本例において、摺動ランナ部33は、カバープレート32の下縁に沿って固定したアルミ板からなるが、カバープレート32の下縁を摺動ランナ部としたり、サイドフレーム31の下縁を摺動ランナ部としてブレード状に形成したりしてもよい。
【0027】
又、サイドフレーム31の上部は、上部フレーム2に連結する前後一対のアーム部31A,31Aとされ、そのアーム部31A,31Aが上部フレーム2を構成する横リブ22,22の端部に差し込まれて固定ネジで上部フレーム2に締結される構成となっている。
【0028】
ここで、上記ノズル4は、図1および図2から明らかなように、縦リブ21に直交してその長手方向中央部に固定される導管41と、この導管41に固定されるノズル本体42から成り、その導管41の一端にはホース5A,5Bを介して散布すべき液体を蓄えるタンク6が連結される。尚、タンク6は図示せぬ手動ポンプを有して内容液をホース5A,5Bからノズル4に送り出すことのできる公知のもので、これには図示せぬ背負いベルトが取り付けられている。
【0029】
又、スプラッシュガード1を構成する上部フレーム2には、その幅方向中央部にてスプラッシュガード1の移動側に延びるアーム状のハンドル7が傾斜状に連結される。このハンドル7はアルミ製の丸パイプから成るもので、その一端は上部フレーム2上に形成されるブラケット23にピン24で結合され、鈍角状に曲がった他端にはグリップとしてゴム製のキャップ71が装着されている。特に、本例において、ハンドル7はその中途に介在される図示せぬ着脱自在な延長軸を有し、その延長軸の着脱により全長が可変とされている。
【0030】
そして、ハンドル7には、その長手方向に沿って上記ホース5Aが図示せぬ結束バンドにて固定され、これによりホース5Aの挙動が抑制されているが、そのホース5Aを中空状のハンドル7内に通すようにしてもよく、この場合には体裁がよくなるという効果が得られる。尚、ホース5Aはその一端に取り付けられる管継手5Cを有してタンク6側のホース5Bとワンタッチの接続が可能とされている。
【0031】
又、ハンドル7は、上部フレーム2との結節点(ピン24)を回転支点として上下に旋回可能とされており、上部フレーム2にはハンドル7の傾斜角度を調整可能に固定するハンドル角調整機構が設けられている。
【0032】
上記ハンドル角調整機構は、一方の横リブ22に設けたブラケット23に対向して、他方の横リブ22上にハンドル7を左右方向から挟む固定板25,25を直立状に固設すると共に、その固定板25,25に複数のロック孔25Aを上下に間隔をあけて穿設した構成とされる。そして、係るハンドル角調整機構によれば、図3のようにロック孔25Aの位置でハンドル7の傾斜角度を段階的に変更することができる。特に、ハンドル7は、図3のようにグリップが上向きになる状態と、これとは反対にグリップが下向きになる状態とに付け替え可能とされ、これにより角度の微調整が行えるようになっている。尚、ハンドル7にはロック孔25Aに対応して図示せぬ長孔が穿設されており、その長孔にロック孔25Aを通じてロックボルトが挿入されるようになっている。
【0033】
次に、図4はスプラッシュガードを正面側からみた状態を示す。尚、図4において、26は上記のロックボルトで、その先端には抜け止め用のナット27が装着される構成とされている。
【0034】
又、図4から明らかなように、スプラッシュガード1を構成する一対の側壁3,3は、互いの間隔が調整可能とされている。尚、その間隔調整は上部フレーム2の横リブ22にねじ込まれた固定ネジ28を緩め、横リブ22内に挿入されたアーム部31Aを摺動させることにより達成されるが、図5のように、アーム部31Aに接続可能な延長バー31Bを備えていれば、必要に応じてアーム部31Aを延長し、両側壁3,3の間隔をより拡大することができる。そして、間隔調整が可能とされる側壁3,3によれば、間隔が様々な畝にも適宜対応することができる。
【0035】
又、図4から明らかなように、両側壁3,3は下方に向かってハの字状に広がる形態とされている。これによれば、両側壁3,3の間隔を狭めて使用する場合でも、ノズル本体42から噴出された液体が両側壁3,3の外部に飛散することを防止して、その液体をターゲットに対して良好に浴びせることができる。尚、両側壁3,3の内面は付着した液体が当該内面に沿ってスムーズに流下するようフラット面とされており、これによりスプラッシュガード1内の全域に液体を確実に散布することが可能とされている。
【0036】
ここで、以上のように構成される液体散布装置の使用方法について説明すれば、係る装置は主として畝間の除草に用いられる。図6において、Uは畑に適宜の間隔で形成された畝であり、この畝Uにはその長手方向に沿って適宜の間隔で作物C(例えば、長ネギ)が植えられている。
【0037】
このような畑において、畝間Usに雑草が繁茂した場合、両側壁3,3の間隔を畝Uの間隔(畝間Usの幅)に合わせて当該畝間Usにスプラッシュガード1を配置し、その両側壁3,3を畝Uの作物Cに臨ませる。又、図1に示したタンク6には、散布用液体として予め除草剤を入れておく。
【0038】
そして、そのタンク6を作業者が背負い、図示せぬポンプを操作してノズル4(ノズル本体42)から除草剤を噴出させながら、ハンドル7を持ってスプラッシュガード1を畝Uに沿って移動させる。このとき、畝Uの作物Cは両側壁3,3に防護されて除草剤を浴びず、ノズル4から噴出された除草剤は畝間Usに繁茂した雑草にのみ浴びせられる。
【0039】
特に、両側壁3,3の間隔を畝Uの斜面が覆われる位置まで広げておけば、作物Cを除草剤から防護しながら畝Uの斜面に繁茂した雑草にも除草剤を浴びせてそれを枯らすことができ、しかもブレード状の摺動ランナ部33が畝Uの斜面に埋没して畝Uとの間の隙間を無くすシールドとして機能するので、両側壁3,3の下端から除草剤が漏れ出さず、その摺動ランナ部33はスプラッシュガード1の移動方向を指向して直進ガイドとしても機能するので、作業中にスプラッシュガード1が蛇行して作物Cに衝突してしまうことを防止できる。
【0040】
従って、不慣れな作業者でも作物Cを除草剤で汚染したり痛めたりせずして、除草作業を効率よく適切かつ容易に行うことができる。特に、両側壁3,3の前端縁(先行端)を内側に傾斜状に曲げた構成とすれば、作物を外側に案内して当該作物をスプラッシュガード1内に巻き込んでしまうことを防止でき、作物を除草剤から防護する効果も上がる。
【0041】
以上、本発明について説明したが、係る装置は除草に限らず、畝間に対して殺虫剤や土壌改良剤などを散布するのにも好適に用いることができ、あるいは畝や作物をスプラッシュガード1で覆い、可及的少量の液体を作物にだけ効率よく散布することもできる。
【0042】
又、上記例では、ノズルの構成として導管41に2つのノズル本体42を装着した例を示したが、ノズル本体42を3つ以上にしてもよいし、ノズル本体42の個数が違う数種類のノズルを取り揃え、それらノズルを両側壁3,3の間隔に応じて付け替えられるようにしてもよく、更には導管41に複数の噴口を穿設しただけのノズルとしてもよい。但し、係るノズル4には散布液の吹き流れが少ない、つまり噴射角が小さく噴流が安定したドリフト低減対応製品を用いることが好ましい。
【0043】
又、上記例では、上部フレーム2が開口部分を有する骨組み構造とされ、スプラッシュガード1の前後も開口された構成とされているが、上部フレーム2を通気性のない板状としたり、スプラッシュガード1の前後に垂れ幕を取り付けたりしてもよく、この場合にはノズル4から噴出された液体の外部拡散の防止効果をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る液体散布装置を示す斜視図
【図2】同装置を示す平面図
【図3】同装置を示す側面図
【図4】同装置を示す正面図
【図5】側壁の上部構造を示す説明図
【図6】本装置の使用態様を示す説明図
【符号の説明】
【0045】
1 スプラッシュガード
2 上部フレーム
25 固定板(ハンドル角調整機構)
25A ロック孔
26 ロックボルト
3 側壁
31 サイドフレーム
32 カバープレート
33 摺動ランナ部
4 ノズル
5A ホース
6 タンク
7 ハンドル
U 畝
Us 畝間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を散布すべき土壌の上に配置されるスプラッシュガードと、このスプラッシュガードを移動させるアーム状のハンドルとを備え、
前記スプラッシュガードは、前記ハンドルが連結する上部フレームと、この上部フレームの両側に設けられる左右一対の側壁とを有し、
前記上部フレームには、前記両側壁の間で液体を下方に向けて噴出するノズルが取り付けられていることを特徴とする液体散布装置。
【請求項2】
前記スプラッシュガードの両側壁は、その下端が前記スプラッシュガードの移動方向に延びるブレード状の摺動ランナ部とされていることを特徴とする請求項1記載の液体散布装置。
【請求項3】
前記スプラッシュガードの両側壁の間隔が調整可能とされていることを特徴とする請求項1、又は2記載の液体散布装置。
【請求項4】
前記スプラッシュガードの両側壁が下方に向かってハの字状に広がっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体散布装置。
【請求項5】
前記ハンドルには、その長手方向に沿って、作業者が背負うタンク内の液体を前記ノズルに導くホースが固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体散布装置。
【請求項6】
前記ハンドルが前記スプラッシュガードの上部フレームに傾斜状に連結されると共に、前記上部フレームには前記ハンドルの傾斜角度を調整可能に固定するハンドル角調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体散布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−142168(P2009−142168A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320892(P2007−320892)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(500270572)株式会社麻場 (8)
【Fターム(参考)】