説明

液体燃料供給装置

【課題】例えば世帯数の多い集合住宅においても、主制御部への配線を容易且つ確実に行うことのできる液体燃料供給装置を提供する。
【解決手段】オイルリフタ11及び電磁ポンプ12を制御する主制御部13と、各サブタンク20内の灯油の量を検知するフロートセンサを有する副制御部21とを、中継器30を介して接続し、中継器30に設けた第1の接続部31と主制御部13とを通信線L10によって接続するとともに、中継器30に設けた第2の接続部32と各副制御部21とを通信線L11によってそれぞれ接続し、中継器30によって通信線L10と各通信線L11とを接続するようにしたので、主制御部13に通信線L10のみが接続され、主制御部13の配線を簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、集合住宅において各住戸の暖房器等に灯油等の液体燃料を供給する液体燃料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばマンション等の集合住宅に設置される液体燃料供給装置としては、給油車から供給される液体燃料を収容可能なメインタンクと、メインタンクよりも各住戸に近い位置に配置され、メインタンクから供給される液体燃料を収容可能な複数のサブタンクと、メインタンクから各サブタンクに液体燃料を流通させるための電磁ポンプと、電磁ポンプによる液体燃料の流通を制御する主制御部と、各サブタンクにそれぞれ設けられ、各サブタンクから各住戸への液体燃料の供給の制御や、各サブタンク内の液体燃料の量を監視する副制御部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記燃料供給装置は、主制御部と各副制御部とが接続されており、各サブタンクの液体燃料が所定の量より少なくなると、そのサブタンクの副制御部から主制御部に信号が伝達される。主制御部はその信号に基づき電磁ポンプを駆動することにより、メインタンクからサブタンクに液体燃料を供給し、各サブタンクが常に所定の量の液体燃料を収容するようになっている。
【特許文献1】特開平11−190500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記燃料供給装置では、主制御部と各副制御部とをそれぞれ接続するために主制御部に複数の通信線を接続する必要があるが、マンション等の集合住宅の場合は世帯数が多いため、主制御部に接続される通信線の数量が増加し、主制御部への配線が複雑となって配線の取り違えや配線不良が発生し易くなるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば世帯数の多い集合住宅においても、主制御部への配線を容易且つ確実に行うことのできる液体燃料供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、液体燃料を収容可能なメインタンクと、メインタンクから供給される液体燃料を収容可能な複数のサブタンクと、メインタンクから各サブタンクにそれぞれ液体燃料を供給する供給手段と、供給手段を制御する主制御部とを備え、各サブタンク側に配置された所定の機器と主制御部とを通信線を介して接続した液体燃料供給装置において、前記主制御部と各サブタンクとの間に配置され、主制御部との間の通信線と各サブタンク側との間の複数の通信線とを接続する中継器を備えている。
【0007】
これにより、主制御部と中継器との間を各サブタンクと中継器との間の通信線よりも少ない本数の通信線によって接続可能となることから、主制御部への通信線の配線が簡素化される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液体燃料供給装置によれば、主制御部への通信線の配線を簡素化することができるので、例えば、マンション等の世帯数が多い集合住宅の場合でも、主制御部への通信線の配線を容易且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図6は本発明の一実施形態を示すもので、図1は液体燃料供給装置の集合住宅への設置状態を示す概略図、図2は液体燃料供給装置の概略構成図、図3は制御系を示すブロック図、図4はメインタンクから各サブタンクに灯油を供給する際の主制御部の動作を示すフローチャート、図5は電磁ポンプのエア抜きを行う際の主制御部の動作を示すフローチャート、図6は主制御部と各副制御部との断線を第1LEDで表示する際の中継器の動作を示すフローチャートである。
【0010】
この液体燃料供給装置は、5階建ての集合住宅1と、集合住宅1の地下に配置されたメインタンク2と、集合住宅1の外側の地上に配置された検針盤10と、集合住宅1の各階に配置された複数(本実施形態では10個)のサブタンク20とを備えている。
【0011】
メインタンク2は両端を閉鎖された円筒形状に形成され、内部に灯油を収容可能になっている。メインタンク2は集合住宅1の地下に配置されるとともに、メインタンク2の上部には連通管2aが設けられ、連通管2aが地上に設けられた燃料供給口2bに連通している。即ち、液体燃料供給車から燃料供給口2bに灯油を注入することにより、メインタンク2に灯油が供給される。
【0012】
検針盤10は、メインタンク2から灯油を汲上げる汲上機としてのオイルリフタ11と、オイルリフタ11で汲上げた灯油を各サブタンク20に給送するポンプとしての電磁ポンプ12と、主制御部13とを備えている。
【0013】
オイルリフタ11は汲上管11a及び戻り管11bによってメインタンク2に連通し、モータで回転するロータによって、灯油を汲上管11aからオイルリフタ11内の図示しない所定の容器としての貯油槽に汲上げるようになっている。貯油槽内には図示しない周知のフロートスイッチが2つ設けられ、一方のフロートスイッチは貯油槽内の灯油の量が所定の上限値であることを検知し、他方のフロートスイッチは貯油槽内の灯油の量が所定の下限値であることを検知するようになっている。また、各フロートスイッチに応じて灯油の汲上げを行い、常に貯油槽内の灯油の量が所定の上限値と下限値の間となるように構成されている。さらに、オイルリフタ11は安全装置を備えており、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回っている状態で、灯油を汲上げるために作動し続けて一定時間が経過すると、オイルリフタ11の発熱等による故障を防ぐため、その作動を強制的に停止するように構成されている。
【0014】
また、貯油槽に所定の上限値以上以上の灯油が汲上げられると、戻り管11bからメインタンク2に灯油を戻すようになっている。尚、貯油槽は上面が開放されており、貯油槽内の灯油から汲上げ時等に灯油内に生ずる微小な気泡が抜け出すようになっている。
【0015】
電磁ポンプ12は電磁駆動の周知のポンプからなり、連通管12aによってオイルリフタ11の貯油槽と連通するとともに、連通管12bによって各サブタンク20に連通している。また、電磁ポンプ12と貯油槽との間には、灯油内の不純物を取り除くためのストレーナ12cと、貯油槽から電磁ポンプ12側に流通した灯油の流量を検知するための流通量計12dとが設けられている。さらに、電磁ポンプ12の各サブタンク20側には電磁弁からなる第1バルブ12eが設けられ、電磁ポンプ12から各サブタンク20への灯油の流路を開閉するようになっている。また、電磁ポンプ12は戻り管12fによってメインタンク2に連通するとともに、戻り管12fの電磁ポンプ12側には電磁弁からなる第2バルブ12gが設けられ、電磁ポンプ12からメインタンク2への灯油の流路を開閉するようになっている。
【0016】
主制御部13はマイクロコンピュータからなり、エラー表示器14を備えている。また、主制御部13は通信線L1によってオイルリフタ11に、通信線L2によって電動ポンプ12に、通信線L3によって流通量計12dに、通信線L4によって第1バルブ12eに、通信線L5によって第2バルブ12gに、通信線L6によってエラー表示器14に接続されている。
【0017】
各サブタンク20は両端を閉鎖された円筒形状に形成され、内部に灯油を収容可能になっている。サブタンク20は集合住宅1の各階にそれぞれ2個ずつ配置され、連通管12bによって電磁ポンプ12に連通している。連通管12bの各サブタンク20側には、灯油内の不純物を取り除くためのストレーナ20aと、電磁ポンプ12から各サブタンク20への灯油の流路を開閉する電磁弁からなる第3バルブ20bとがそれぞれ設けられている。また、各サブタンク20と各住戸の暖房器等とが連通管20cによって連通するとともに、連通管20cの各サブタンク側に第4バルブ20dが設けられ、サブタンク20から各住戸の暖房器等への灯油の流路を開閉するようになっている。さらに、サブタンク20は内部にフロートセンサ20eを備え、サブタンク20内の灯油の量が所定の下限値を下回ったこと及び所定の上限値を上回ったことを検知可能になっている。
【0018】
各サブタンク20にはマイクロコンピュータからなる副制御部21が設けられ、副制御部21は通信線L7によって第3バルブ20bに、通信線L8によって第4バルブ20dに、通信線L9によってフロートセンサ20eに接続されている。
【0019】
主制御部13と副制御部21とは中継器30を介して通信線で接続されている。即ち、主制御部13と中継器30とが通信線L10によって接続され、中継器30と各副制御部21とが通信線L11によってそれぞれ接続されている。詳しくは、中継器30は内部に一つの第1の接続部31と複数(本実施形態では10個)の第2の接続部32とを有しており、第1の接続部31が通信線L10と接続するとともに、各第2の接続部32が各通信線L11と接続している。また、第1の接続部31と第2の接続部32とはそれぞれ通信線L12によって接続されている。さらに、各第2の接続部32には発光体としての第1LED33と第2LED34がそれぞれ設けられている。第2LED34はサブタンク20内の灯油の量が所定の下限値以上である場合は点灯し、所定の下限値に満たない場合は点灯しないように構成されている。
【0020】
以上のように構成された液体燃料供給装置においては、先ず、主制御部13を操作することにより、第1バルブ12eを開放するとともに第2バルブ12gを閉鎖し、また、第4バルブ20dを閉鎖するとともに第3バルブ20bを一つずつ開放し、電磁ポンプ12によって各サブタンク20内に所定量の灯油が収容された状態とする。
【0021】
次に、各バルブ12e,12g,20b,20dを閉鎖した状態で自動運転に切換え、各サブタンク20内に常に所定量の灯油が収容されているように、主制御部13及び副制御部21によって制御する。
【0022】
この際の主制御部13の動作を図4に示すフローチャートを参照しながら説明すると、各副制御部21によって各第4バルブ20dをそれぞれ開閉して各住戸の暖房器等に灯油を供給することにより、各サブタンク20のうち一つのサブタンク20の灯油の量が所定の下限値以下になり、そのサブタンク20の副制御部21から主制御部13に灯油の供給を要求する信号が伝達されると(S1)、主制御部13は第1バルブ12eを開放するするとともに(S2)、第3バルブ20bの開放を要求する信号を副制御部13に伝達し(S3)、電磁ポンプ12を駆動して貯油槽からサブタンク20に灯油を供給する(S4)。一方、副制御部21から主制御部13に灯油の供給を要求する信号が伝達されない場合(S1)、貯油槽の灯油が下限値未満になると(S5)、オイルリフタ11を再起動する(S16)。
【0023】
灯油を供給しているサブタンク20の副制御部21から主制御部13に灯油の量が所定の上限値以上になったという信号が伝達されると(S6)、主制御部13は電磁ポンプ12を停止するとともに(S7)、第3バルブ20bの閉鎖を要求する信号を副制御部21に伝達し(S8)、第1バルブ12eを閉鎖する(S9)。
【0024】
ここで、ステップS4で電磁ポンプ12を駆動して灯油を流通している際に、オイルリフタ11の貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回った場合は(S10)、電磁ポンプ12を停止し(S11)、第3バルブ20bの閉鎖を要求する信号を副制御部21に伝達し(S12)、第1バルブ12eを閉鎖して灯油の供給を停止する(S13)。その後、電磁ポンプ12を停止してから一定時間以上経過していない状態で(S14)、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回っているか否かを再度確認し(S15)、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値以上になると、再度ステップS1から処理を行うようにする。このため、貯油槽内の灯油が減少することにより連通管12aにエアーが侵入し、電磁ポンプ12がエア噛みを起こすことを防止できる。
【0025】
さらに、ステップS11で電磁ポンプ12を停止してから一定時間以上経過した場合は(S14)、オイルリフタ11を再起動する(S16)。これにより、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回る状態となってから一定時間後にオイルリフタ11の安全装置が作動し、オイルリフタ11が強制的に停止することを防止できる。この後、オイルリフタ11を再起動してから一定時間以上経過していない状態で(S17)、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回っているか否かを再度確認し(S18)、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値以上になると、再度ステップS1から処理を行うようにする。
【0026】
しかし、オイルリフタ11を再起動してから一定時間以上経過しても、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回っている場合は、エラー表示器14を点灯させるとともに(S19)、主制御部13が自動で動作しないように自動運転を停止させる(S20)。
【0027】
前記のように、貯油槽内の灯油が減少することにより電磁ポンプ12がエア噛みすることはないが、連通管12aに亀裂等が発生し、電磁ポンプ12がエア噛みする場合も考えられる。従って、一つのサブタンク20への灯油の供給が終了した後に、電磁ポンプ12のエア噛みの有無を確認し、エア噛みが認められる場合は、電磁ポンプ12のエア抜きを行うようにしている。この際の主制御部13の動作について図5に示すフローチャートを参照して説明すると、貯油槽からサブタンク20側への灯油の流通量が減少し、流通量計12dによって検知される灯油の流通量が所定の流通量の下限値を下回ると(S31)、第2バルブ12gを所定時間だけ開放するとともに(S32)、電磁ポンプ12を所定時間だけ駆動する(S33)。これにより、貯油槽からメインタンク2に灯油を流通させ、電磁ポンプ12内のエア抜きを行う。所定時間の経過後は電磁ポンプ12を停止するとともに(S34)、第2バルブ12gを閉鎖する(S35)。ステップ32からステップ35を行った回数が所定回数以下で(S36)、且つ、ステップS32からステップS35における灯油の流通量を流通量計13によって検知した結果、所定の流通量に満たない場合は(S37)、再度ステップS32からステップS35を繰返す。ステップS32からステップS35を所定回繰返しても流通量計13の検知結果が所定の流通量に満たない場合は(S36)、エラー表示器14を点灯させるとともに(S38)、主制御部13が自動で動作しないように自動運転を停止させる(S39)。
【0028】
また、中継器30の動作について図6に示すフローチャートを参照して説明すると、先ず、主制御部13と各副制御部21とが正常に接続されており、各LED33,34が点灯した状態となっている。ここで、例えば、中継器30と各副制御部21のうち一つの副制御部21との通信線L11が断線すると(S41)、その通信線L11が接続されている第2の接続部32の第1LED33を点灯しないようにする(S42)。
【0029】
このように、本実施形態の液体燃料供給装置によれば、メインタンク2から複数のサブタンク20に灯油を供給するオイルリフタ11及び電磁ポンプ12を制御する主制御部13と、各サブタンク20内の灯油の量が所定の下限値以下になったことを検知するフロートセンサを有する副制御部21とを、中継器30を介して接続し、中継器30に設けた第1の接続部31と主制御部13とを通信線L10によって接続するとともに、中継器30に設けた第2の接続部32と各副制御部21とを通信線L11によってそれぞれ接続し、中継器30によって通信線L10と各通信線L11とを接続するようにしたので、主制御部13には通信線L10のみが接続され、主制御部13の配線を簡素化することができる。よって、例えばマンション等の世帯数が多い集合住宅1の場合でも、主制御部13の通信線の配線を容易に行うことができる。
【0030】
また、中継器30の各第2の接続部32に、主制御部13と各副制御部21とが接続されている際には点灯し、断線している際には点灯しない第1LED33を設けたので、中央制御部30の第1LEDを確認することにより、容易に各通信線L10,L11の断線を発見することができる。
【0031】
また、メインタンク2から灯油を汲上げて各サブタンク20に供給するため、メインタンク2からオイルリフタ11の貯油槽に灯油を汲上げ、貯油槽の灯油を電磁ポンプ12によって各サブタンク20に供給するようにしたので、貯油槽において灯油内の微小な気泡が抜け出し、電磁ポンプ12内に空気が侵入することがない。よって、電磁ポンプ12がエア噛みを起こし、電磁ポンプ12による灯油の供給能力が低下することを防止できる。
【0032】
さらに、オイルリフタ11の貯油槽内の灯油の量が所定の下限値に下回っている場合は電磁ポンプ12を停止し、貯油槽内の灯油の量が所定の下限値以上になると再度電磁ポンプ12を駆動するようにしたので、貯油槽内の灯油が減少することにより電磁ポンプ12側にエアーが侵入し易くなり、電磁ポンプ12がエア噛みを起こすことを防止できる。
【0033】
また、メインタンク2の灯油が不足してオイルリフタ11の貯油槽内の灯油の量が所定の下限値を下回り、即ち、オイルリフタ11が空回りしている状態で一定時間が経過した場合に、オイルリフタ11を再起動するようにしたので、オイルリフタ11が空回りしている状態で一定時間経過後に安全装置が作動し、オイルリフタ11が強制的に停止することを防止できる。従って、オイルリフタ11が空回りしている状態で、オイルリフタ11の作動時間を延長することができるため、オイルリフタ11が空回りしていることに気付き、メインタンク2に給油するまでの時間に余裕を持たせることができる。
【0034】
さらに、オイルリフタ11を再起動した後、オイルリフタ11が空回りしている状態で一定時間が経過した場合に、オイルリフタ11を停止するようにしたので、オイルリフタ11が空回りしている状態で一定時間経過後に安全装置が作動し、オイルリフタ11が強制的に停止することを防止できる。
【0035】
さらに、電磁ポンプ12とメインタンク2とを戻り管12fによって連通するとともに、戻り管12fの電磁ポンプ12側に第2バルブ12gを設けたので、電磁ポンプ12がエア噛みして貯油槽からサブタンク20側への灯油の流通量が減少した場合に、第2バルブ12gを開放して貯油槽側からメインタンク2に灯油を流通させ、電磁ポンプ12内のエア抜きを行うことができる。これにより、電磁ポンプ12がエア噛みすることにより電磁ポンプ12による灯油の供給能力が低下した場合でも、容易に電磁ポンプ12の供給能力を回復させることができる。
【0036】
また、貯油槽からサブタンク20側への灯油の流通量を流通量計12dによって検知し、流通量が所定の流通量の下限値を下回る場合に主制御部13によって第2バルブ12gを所定時間だけ開放し、電磁ポンプ12のエア噛みを解消するようにしたので、電磁ポンプ12の供給能力を常に適正に保つことができる。
【0037】
尚、本実施形態では、各第1LED33によって各通信線10,11の断線の有無を表示するとともに、各第2LED34によって各サブタンク20内の灯油の量が下限値以上であることを表示するようにしたものを示したが、各LED33,34によって各通信線L10,L11の断線の有無を表示することも可能である。
【0038】
この場合の中継器30の動作について図7に示すフローチャートを参照して説明すると、先ず、主制御部13と各副制御部21とが正常に接続されている時は、各第1LED33が点灯するとともに、各第2LED34が点灯していない状態とする。ここで、例えば各副制御部21のうち一つの副制御部21と中継器30との通信線L11が断線すると(S51)、その通信線L11が接続されている第2接続部32の第1LED33を点灯しないようにするとともに、その第2接続部32の第2LED34を点灯する(S52)。また、正常に接続されている場合は(S51)、第1LED33の点灯を維持するとともに、第2LED34を点灯していない状態に維持する(S53)。
【0039】
これにより、各LED33,34を確認することにより、容易に各通信線L10,L11の断線を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態を示す液体燃料供給装置の集合住宅への設置状態を示す概略図
【図2】液体燃料供給装置の概略構成図
【図3】制御系を示すブロック図
【図4】メインタンクから各サブタンクに灯油を供給する際の主制御部の動作を示すフローチャート
【図5】電磁ポンプのエア抜きを行う際の主制御部の動作を示すフローチャート
【図6】主制御部と各副制御部との断線を第1LEDで表示する際の中継器の動作を示すフローチャート
【図7】主制御部と各副制御部との断線を各LEDで表示する際の中継器の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0041】
1…集合住宅、2…メインタンク、10…検針盤、11…オイルリフタ、11a…汲上管、11b…戻り管、12…電磁ポンプ、12a…連通管、12b…連通管、12d…ストレーナ、12e…第1バルブ、12f…戻り管、12g…第2バルブ、13…主制御部、14…エラー表示器、20…サブタンク、20b…第3バルブ、20d…第4バルブ、21…副制御部、30…中継器、31…第1の接続部、32…第2の接続部、33…第1LED、34…第2LED。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を収容可能なメインタンクと、メインタンクから供給される液体燃料を収容可能な複数のサブタンクと、メインタンクから各サブタンクにそれぞれ液体燃料を供給する供給手段と、供給手段を制御する主制御部とを備え、各サブタンク側に配置された所定の機器と主制御部とを通信線を介して接続した液体燃料供給装置において、
前記主制御部と各サブタンクとの間に配置され、主制御部との間の通信線と各サブタンク側との間の複数の通信線とを接続する中継器を備えた
ことを特徴とする液体燃料供給装置。
【請求項2】
前記中継器に、主制御部と各サブタンク側との間の通信線の断線の有無をそれぞれ表示する表示手段を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の液体燃料供給装置。
【請求項3】
前記中継器に、各サブタンク内の燃料が所定量未満になったことをそれぞれ表示する表示手段を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の液体燃料供給装置。
【請求項4】
前記表示手段を点灯と非点灯とを切換える発光体によって構成した
ことを特徴とする請求項3記載の液体燃料供給装置。
【請求項5】
前記供給手段を、液体燃料をメインタンクから所定の容器まで汲上げる汲上機と、容器の液体燃料を各サブタンクに給送するポンプとから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の液体燃料供給装置。
【請求項6】
前記容器の液体燃料の量が所定の下限値未満になると供給手段のポンプを停止させる制御手段を備えた
ことを特徴とする請求項5記載の液体燃料供給装置。
【請求項7】
前記容器の液体燃料の量が供給手段のポンプを停止してから所定の時間内に所定の下限値以上に復帰した場合はポンプの停止状態を解除し、ポンプを停止してから所定の時間内に所定の下限値以上に復帰しない場合は少なくとも一回だけ所定時間の経過待ちをした後、前記下限値以上に復帰しないときは汲上機を停止させる制御手段を備えた
ことを特徴とする請求項6記載の液体燃料供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−78165(P2006−78165A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226725(P2005−226725)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】