説明

液体現像方法

【課題】液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することのできる液体現像方法を提供することを目的とする。
【解決手段】感光体1aと現像容器20との間に、感光体1aと対向する面に絶縁体が形成されかつ現像容器20から供給される液体現像剤26を吐出させる導通性を有するノズル23が形成された現像電極21が配設されている。ノズル23と感光体1aに形成された静電潜像24との間に働く電場の作用により、ノズル23から当該電場が作用する静電潜像に向けて液体現像剤を吐出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真用の液体現像方法に関し、液体現像剤で静電潜像を可視化する液体現像方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように電子写真装置の現像方式には、湿式現像方式と乾式現像方式とがある。液体現像剤を用いた湿式現像方式の電子写真装置は、乾式現像方式の電子写真装置では実現できない利点を有しており、近年その価値が見直されてきている。
【0003】
特に、トナーサイズは、一般に使用される粉砕法、乳化重合法の場合では5〜10μmであるのに対し、液体現像の場合はサブミクロンサイズである。
【0004】
このように液体現像の場合では、サブミクロンサイズの極めて微細なトナーを用いることができるため、(1)高画質を実現できること、(2)少量のトナーで十分な画像濃度が得られるため経済的であるうえに、印刷(例えばオフセット印刷)並みの質感を実現できること、(3)比較的低温でトナーを用紙に定着できるため省エネルギーを実現できること、などが乾式電子写真に対する湿式電子写真の主な利点である。
【0005】
しかし、液体トナーによる従来の湿式電子写真技術には、以下に示す本質的な3つの問題点が含まれており、そのため、長い間、一般のオフィス市場で使用されることが無かった。
【0006】
すなわち、第1の問題点は、静電潜像を現像するため、高抵抗ないしは絶縁性の石油系溶媒をキャリア溶媒とする液体現像剤を用いなければならず、この溶媒の揮発による臭気や人体へのアレルギー作用などが問題となっていた。
【0007】
また、第2の問題点は、現像工程において潜像に対してトナーと同時に多量の溶媒をスプレー吹き付け、あるいは、ディッピングにより現像ローラに付着させるため、現像後に過剰溶媒を絞る工程や、溶媒中に浮遊する余剰トナーを除去する工程、さらには転写・定着工程を含む全工程で空気中に揮発した溶媒蒸気を確実に回収・除去する工程が必要であることである。
【0008】
さらに、第3の問題点は、現像や現像の後処理が、主として溶媒中におけるトナー粒子の電気泳動現象によって行われるため、現像間隙や、絞りローラと潜像保持体の間隙等をきわめて小さな値に、かつ高精度に設定し、高電界を実現しなければならないことである。
【0009】
このような問題点に対し、現像剤担持体に担持される液体現像剤層を潜像保持体に対して非接触状態となるよう保持し、画像部にのみ現像剤を付着させる、いわゆる液体非接触現像法が提案されている。
【0010】
このような液体非接触現像法の概念は、例えば(特許文献1〜7)などに開示されている。
【0011】
これら(特許文献1〜7)に開示されている方法は、潜像の非画像部もしくは背景部に現像剤が付着するいわゆるカブリ現象が無いため、潜像保持体に付着する溶媒の量を著しく減じることが可能であり、上記の3つの問題点に対し、一つの解決策を与えるものと言
える。
【特許文献1】米国特許第4,202,913号明細書
【特許文献2】米国特許第4,202,620号明細書
【特許文献3】米国特許第4,982,692号明細書
【特許文献4】米国特許第5,622,805号明細書
【特許文献5】特開平5―35116号公報
【特許文献6】特開平5―142950号公報
【特許文献7】特開平5―346692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した(特許文献1〜7)に開示されている方法では、次のような問題点を有している。
【0013】
上述した(特許文献1〜7)に開示されている方法による液体非接触現像においては、比較的平滑な現像剤担持体の表面から、潜像電界によって現像剤を潜像に向かって現像液を隆起、伸長、飛翔させ、この伸長あるいは飛翔する現像剤の先端を潜像面に到達させることによって現像を行う。
【0014】
しかし、通常の現像条件の下では、このような表面が互いにつながった状態の現像剤が任意の現像液滴として表面を分割すること無く隆起、伸長、飛翔させることは、潜像面と現像剤の液面とが極近接させた条件下でなければ非常困難である。また、現像剤がその表面張力に打ち勝って伸長するためには、極めて強い電界集中が必要であり、上記のような現像条件の下では実用上十分な電界強度が得られない。
【0015】
また、上記(特許文献7)には、現像剤担持体表面に凹凸を形成し、その凹部に液体現像剤を担持すると同時に、潜像へ向けてこの液体現像剤を伸長させて現像を行う方法が開示されているが、このような凹凸では、未だ電界集中が不十分であり、現像剤の伸長が不安定になり易く、安定な現像特性を得ることは極めて困難であった。また、この伸長現象が生じた場合にも、現像剤担持体表面の現像剤層と潜像保持体の間にこの伸長現象によるチャネルが形成されているため、固形分(トナー粒子)のみならず比較的多量の溶媒も潜像に付着し、画像部面積の大きなパターンを出力する際には従来の溶媒揮発による環境問題が依然として問題となっていた。
【0016】
上述したように、(特許文献1〜7)に開示されている方法、すなわち上記従来の液体現像技術を用いた電子写真装置においては、現像剤に含まれる有害な溶媒が、潜像保持体に多量に付着して機外(装置外)に放出され易く、これを防止する有効な手段が見出されていなかった。
【0017】
そこで、本発明は、液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することのできる液体現像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題を解決するために、本発明の液体現像方法は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、前記現像ローラと前記現像手段との間に、前記現像手段から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配設し、前記ノズルと前記現像ローラとの間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する現像ローラの部位に液体現
像剤を吐出させるとともに、前記現像ローラに吐出された液体現像剤が前記現像ローラの表面全体に薄層液膜として形成されるべく前記ノズルから液体現像剤を供給する構成としたものである。
【0019】
また、この課題を解決するために、本発明の液体現像方法は、現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、前記潜像担持体と前記現像手段との間に、前記潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を吐出させる導通性を有するノズルが形成された現像電極を配設し、前記ノズルと前記潜像保持体に形成された静電潜像との間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する静電潜像に向けて液体現像剤を吐出させる構成としたものである。
【0020】
さらに、この課題を解決するために、本発明の液体現像方法は、現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、前記潜像担持体と前記現像手段との間に、前記潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による電場作用により、前記第1のノズルから前記液体現像剤を吐出させるとともに、前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による前記吐出の場合とは逆の電場作用により、前記第2のノズルから前記潜像担持体上の余剰の液体現像剤を吸収する構成としたものである。
【0021】
さらに、この課題を解決するために、本発明の液体現像方法は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、前記現像ローラと前記現像手段との間で、前記現像ローラと対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、前記現像電極と前記現像ローラとの間で発生する電界による電場作用により、前記第1のノズルから前記液体現像液を吐出させるとともに、前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による前記吐出の場合とは逆の電場作用により、前記第2のノズルから前記現像ローラ上の余剰の液体現像剤を吸収する構成としたものである。
【0022】
本発明の好ましい形態において、前記ノズルは前記現像電極に形成された複数のノズルで構成され、前記複数のノズルは、前記潜像担持体の主走査方向に等ピッチで形成され、かつ前記潜像担持体の副走査方向にオフセットをもって形成され、前記主走査方向のノズルピッチが潜像ピッチよりも小さい値に設定されている。
【0023】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像電極は、前記潜像保持体と対向する側に、前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させるための現像液流路、および該現像液流路に流通した液体現像剤を吐出させるためのノズルを兼ねる、絶縁材で形成された現像液吐出部を有する。
【0024】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像電極は、前記現像手段に配設され前記液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、前記潜像担持体と対向する側に絶縁性の流路溝と前記液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ前記流路孔と前記ノズルとは互いにオフセットして形成されている。
【0025】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像電極は、前記現像手段に配設され前記
液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、前記現像ローラと対向する側に絶縁性の流路溝と前記液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ前記流路孔と前記ノズルとは互いにオフセットして形成されている。
【0026】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像電極は、前記液体現像剤を吐出させるためのノズルから露出した部位はエッジ形状に形成されている。
【0027】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像電極は、前記潜像担持体の主走査方向に複数に分割された複数の現像電極で構成され、前記複数の現像電極それぞれに形成されているノズルと前記現像ローラとの間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する前記現像ローラの部位に前記液体現像剤を吐出させるときに、画像信号に従って前記複数の現像電極それぞれに形成されているノズルに供給されている液体現像剤を前記現ローラへ塗布する。
【0028】
さらに、この課題を解決するために、本発明の液体現像方法は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、前記現像手段は、前記液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、前記現像ローラと前記現像手段との間に、前記現像手段内の前記現像容器から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配設し、前記現像容器内の液体現像剤と前記負圧発生手段によって前記ノズルに供給された液体現像剤のメニスカスとが釣り合うように、前記ノズルに供給された前記液体現像液を前記現像ローラへ供給する。
【0029】
本発明の好ましい形態において、前記現像手段は、前記液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ前記液体現像剤を負圧の状態で保持するための負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、前記現像ローラと前記負圧発生手段とを直接接触させて、前記負圧発生手段が保持する液体現像剤を前記現像ローラへ供給する。
【0030】
本発明のさらに好ましい形態において、前記現像容器を挟み込むように対向して配設された一対の電極の間に形成される電界による前記現像容器内の液体現像剤の偏りにより発生する電極表面の静電容量を基に、前記現像容器内の液体現像剤の残量を検出する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ノズルの下方で回転する現像ローラの表面に、ノズルから所望の微小ドットの液体現像剤を飛翔させることができ、現像ローラ表面に塗布する液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することができるという有効な効果が得られる。
【0032】
また、本発明によれば、ノズルの下方で回転する潜像担持体の表面に、ノズルから所望の微小ドットの液体現像剤を飛翔させることができ、潜像担持体表面に飛翔させる液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することができるという有効な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の請求項1に記載の発明は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、液体現像剤が供給された現像ローラが回転することで、潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、現像ローラと現像手段との間に、現像手段から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配
設し、ノズルと現像ローラとの間に働く電場の作用により、ノズルから当該電場が作用する現像ローラの部位に液体現像剤を吐出させるとともに、現像ローラに吐出された液体現像剤が現像ローラの表面全体に薄層液膜として形成されるべくノズルから液体現像剤を供給する液体現像方法であり、ノズルの下方で回転する現像ローラの表面に、ノズルから所望の微小ドットの液体現像剤を飛翔させることができ、現像ローラ表面に塗布する液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項2に記載の発明は、現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、潜像担持体と現像手段との間に、潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ現像手段から供給される液体現像剤を吐出させる導通性を有するノズルが形成された現像電極を配設し、ノズルと潜像保持体に形成された静電潜像との間に働く電場の作用により、ノズルから当該電場が作用する静電潜像に向けて液体現像剤を吐出させる液体現像方法であり、ノズルの下方で回転する潜像担持体の表面に、ノズルから所望の微小ドットの液体現像剤を飛翔させることができ、潜像担持体表面に飛翔させる液体現像剤の付着と放出を最小限に抑制することができるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項3に記載の発明は、現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、潜像担持体と現像手段との間に、潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、現像電極と潜像保持体との間で発生する電界による電場作用により、第1のノズルから液体現像剤を吐出させるとともに、現像電極と潜像保持体との間で発生する電界による前記吐出の場合とは逆の電場作用により、第2のノズルから潜像担持体上の余剰の液体現像剤を吸収する液体現像方法であり、第1のノズルによって潜像担持体へ液体現像剤を供給しながら、第2のノズルによって潜像担持体上の余剰の液体現像剤を吸収することができ、液体現像剤の資源を有効に利用することができるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項4に記載の発明は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、液体現像剤が供給された現像ローラが回転することで、潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、現像ローラと現像手段との間で、現像ローラと対向する面に絶縁体が形成されかつ現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、現像電極と現像ローラとの間で発生する電界による電場作用により、第1のノズルから液体現像液を吐出させるとともに、現像電極と潜像保持体との間で発生する電界による吐出の場合とは逆の電場作用により、第2のノズルから現像ローラ上の余剰の液体現像剤を吸収する液体現像方法であり、第1のノズルによって現像ローラへ液体現像剤を供給しながら、第2のノズルによって現像ローラ上の余剰の液体現像剤を吸収することができ、液体現像剤の資源を有効に利用することができるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、ノズルは現像電極に形成された複数のノズルで構成され、複数のノズルは、潜像担持体の主走査方向に等ピッチで形成され、かつ潜像担持体の副走査方向にオフセットをもって形成され、主走査方向のノズルピッチが潜像ピッチよりも小さい値に設定されている液体現像方法であり、静電潜像位置と液体現像剤の吐出または吸引するノズルの位置とがズレた場合であっても、静電潜像が、複数のノズルのうち何れかのノズルによって液体現像剤を吐出または吸引することができるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、現像電極は、潜像保持体と対向する側に、現像手段から供給される液体現像剤を流通させるための現像液流路、および該現像液流路に流通した液体現像剤を吐出させるためのノズルを兼ねる、絶縁材で形成された現像液吐出部を有する液体現像方法であり、現像液流路とノズルとを一体化して現像液吐出部を形成することができるので、一体成型加工によりこの現像液吐出部を生成することができるという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、現像電極は、現像手段に配設され液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、潜像担持体と対向する側に絶縁性の流路溝と液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ流路孔とノズルとは互いにオフセットして形成されている液体現像方法であり、流路孔がノズルとオフセットして配設されているので、現像容器とノズルとの間に介在する現像電極以外の位置で、現像容器からの液体現像剤をノズルへと流通させて潜像担持体へ供給することができるという作用を有する。
【0040】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1または4記載の発明において、現像電極は、現像手段に配設され液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、現像ローラと対向する側に絶縁性の流路溝と液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ流路孔とノズルとは互いにオフセットして形成されている液体現像方法であり、流路孔がノズルとオフセットして配設されているので、現像容器とノズルとの間に介在する現像電極以外の位置で、現像容器からの液体現像剤をノズルへと流通させて現像ローラへ供給することができるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、現像電極は、液体現像剤を吐出させるためのノズルから露出した部位はエッジ形状に形成されている液体現像方法であり、液体現像液を飛翔させるための電気力線を一点に集中させることができ、より一層、液体現像剤の飛翔効率を向上させることができるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1項に記載の発明において、現像電極は、潜像担持体の主走査方向に複数に分割された複数の現像電極で構成され、複数の現像電極それぞれに形成されているノズルと現像ローラとの間に働く電場の作用により、ノズルから当該電場が作用する現像ローラの部位に液体現像剤を吐出させるときに、画像信号に従って複数の現像電極それぞれに形成されているノズルに供給されている液体現像剤を現ローラへ塗布する液体現像方法であり、静電潜像に対応する部位への液体現像剤の吐出が無くなり、現像ローラ上の静電潜像に対応する部位のみに液体現像剤を塗布することができ、液体現像剤の資源を有効に利用することができるという作用を有する。
【0043】
本発明の請求項11に記載の発明は、現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、液体現像剤が供給された現像ローラが回転することで、潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、現像手段は、液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、現像ローラと前記現像手段との間に、現像手段内の現像容器から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配設し、現像容器内の液体現像剤と負圧発生手段によってノズルに供給された液体現像剤のメニスカスとが釣り合うように、ノズルに供給された液体現像液を前記現像ローラへ供給する液体現像方法であり、液体現像剤は現像容器内に負圧で保持されるので、ノズルにメニスカスを均一に形成させることがで、液体現像剤の吐出を安定させることができるという作用を有する。
【0044】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明において、現像手段は、液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ液体現像剤を負圧の状態で保持するための負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、現像ローラと負圧発生手段とを直接接触させて、負圧発生手段が保持する液体現像剤を現像ローラへ供給する液体現像方法であり、負圧発生手段が保持する液体現像剤を現像ローラへ供給するようにしているので、液体現像剤を有効に利用することができるという作用を有する。
【0045】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項11または12記載の発明において、現像容器を挟み込むように対向して配設された一対の電極の間に形成される電界による現像容器内の液体現像剤の偏りにより発生する電極表面の静電容量を基に、現像容器内の液体現像剤の残量を検出する液体現像方法であり、現像容器の外部から現像容器内の液体現像剤の残量を検出することができ、場合によっては、残量の検出結果を基に現像容器の交換時期を提示することができるという作用を有する。
【0046】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0047】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における液体現像装置を有するフルカラー電子写真装置の構成を示す構成図、図2は本発明の実施の形態1における液体現像装置を説明する図、図3は図2に示した液体現像装置における現像剤の飛翔を説明する図、図4は図2に示した液体現像装置に設けられたノズルの配置を示す図、図5はL型流路が形成された液体現像装置を説明する図、図6は図5に示した液体現像装置に設けられた現像電極を感光体側より見たノズルの配置を示す図、図7は感光体上よりノズル部を見たエッジ状電極の配置を示す図、図8は図7に示したエッジ状電極の断面を示す断面図、図9は図1に示したフルカラー電子写真装置に設けられる現像ローラを説明する図、図10は現像ローラへの現像液飛翔塗布を説明する図、図11は現像液吐出電極と回収電極の配置を示す図、図12は現像液回収電極を説明する図、図13は現像液室分離負圧タンクを説明する図、図14は現像液濃度検出手段を説明する図である。
【0048】
図1において、感光体(潜像担持体)1a〜1dは、導電性基体の上に有機系もしくはアモルファスシリコン系の感光層を設けた感光体からなる。ここでは、負帯電の感光体について説明するが、高解像度化可能で液体現像を忠実に解像可能な正帯電感光体を用いるようにしてもよい。
【0049】
この感光体1a〜1dは、感光体1a〜1dの表面を約−700Vに帯電させるための帯電器2a〜2dによって均一に帯電された後、画像変調されたレーザビームによる露光3a〜3d例えば、780nmの波長を持つレーザー光を使って露光部分の電位が約−100Vとなる静電潜像が形成される。
【0050】
なお、帯電器2a〜2dは周知のコロナ帯電器もしくはスコロトロン帯電器である。また、露光光については、レーザー光以外に、一般に知られているLEDや有機ELを使用したライン型の光源でもよい。
【0051】
また、感光体1a〜1dの周囲には、図示しない除電装置が設けられて、感光体1a〜1d上の残存電位を除電する。
【0052】
現像装置(現像手段)4a、4b、4c、4dはそれぞれ感光体1a〜1dに対応付けて設けられており、ここでは、現像装置4aはイエロー(Y)の液体現像剤(現像液)を、現像装置4bはマゼンタ(M)の液体現像剤を、現像装置4cはシアン(C)の液体現像剤を、現像装置4dはブラック(K)の液体現像剤を、それぞれ収容している。
【0053】
感光体1a〜1dに対応付けて設けられている現像装置4a、4b、4c、4dは、感光体1a〜1dとの間の電界に従って、負に帯電しているトナーを感光体1a〜1dに現像する。
【0054】
これによって、約100Vに帯電される感光体1a〜1d上の露光部分には各色のトナーが付着し、感光体1a〜1dの表面に形成された静電潜像を顕像化し、所定のトナー像を形成する。
【0055】
各感光体1a〜1dの下方に中間転写体6が配置されており、この中間転写体6は、中間転写ベルト6aと、中間転写ベルト6aへ各色を転写させる為の転写電位を付加する1次転写ローラ5a〜5dとを備えている。中間転写ベルト6aは、ポリカーボネート中にカーボンを分散し、その表面抵抗値を「10+e9〜10+e10Ω」、体積抵抗値を「10+e8〜10+e9Ωcm」にしたものである。
【0056】
なお、ここでは、ベルト状の中間転写体について説明しているが、4色のトナー位置ズレを抑制しやすい剛体でドラム状の中間転写体を用いてもよい。
【0057】
中間転写ベルト6aは、1次転写ローラ5a〜5dにより約+800Vにバイアスされて、各感光体1a〜1dとの間の電界に従って、感光体1a〜1dに付着されたトナーを転写する。
【0058】
この中間転写ベルト6aは、先ず、第1の感光体1aに付着されるイエローのトナーを転写し、その後、第2のトナーであるマゼンタの転写部に至り、第2の感光体1bに付着されたマゼンタのトナーを転写し、続いて、第3の感光体1cに付着されるシアンのトナーの転写をし、最後に、第4の感光体1dに付着されるブラックのトナーの転写をすることになる。
【0059】
このように、第1〜第4の感光体1a〜1d上に現像された4色のトナー画像は、中間転写ベルト6aを1回転させる間に、順次中間転写ベルト6a上に重ね合わされて、フルカラー画像として形成される。
【0060】
その後、中間転写ベルト6a上の4色カラー画像は印刷媒体9との接触部において転写されることになる。しかし転写前においては、中間転写ベルト6a上に液体トナーで形成された画像にはキャリア液体がわずかながら含まれているので、中間転写ベルト6a上のトナー画像については、円筒状のアルミで形成され内部にヒーターを固定内包した中転ヒートローラ6bによって余剰キャリア液を揮発させる。
【0061】
2次転写ローラ7は、中転ヒートローラ6bに対向して圧接するように配置され、かつ約+3kVでバイアスされている。転写時には、2次転写ローラ7は、中転ヒートローラ6bとの協働による中転ヒートローラ6bへの圧力によって印刷媒体9を圧接させる。
【0062】
また、約+3kVでバイアスされている2次転写ローラ7と中転ヒートローラ6bのグランドされたアルミローラとの間で発生する、中間転写ベルト6a上のトナーを印刷媒体9へひきつけつる為の電界、および中転ヒートローラ6bに内包されたヒーターの熱によ
って、中間転写ベルト6a上の4色カラー画像は、印刷媒体9に加熱押圧溶融され、印刷媒体に溶融転写される。
【0063】
その後、定着器10において、印刷媒体9に転写されたトナー画像をヒートローラ11によって十分に加熱して、バックアップローラ12との加熱と加圧を作用させることにより、キャリア除去され印刷媒体9上に転写された4色カラー画像を定着させることができる。
【0064】
これによって、印刷媒体9に転写されたカラー画像は、定着強度を確保するため溶融転写後にヒートローラによりさらに高い加熱と高い圧力をかけられて定着強度が確保されている。
【0065】
このように、高い熱を発生する定着部を、転写部とは分離したために、転写部では発生する熱を低く抑えることができる。
【0066】
ここでは、定着工程前に中転ヒートローラ6bで中間転写ベルト6aを介してベルト上のトナーを半溶融状態としているが、印刷媒体9が中間転写ベルト6aと当接する前に、ヒーター等を配置し印刷媒体9自身を加熱することで、転写時のトナー溶融を促進することも可能である。
【0067】
次に、液体現像装置としての現像装置4a〜4dについて図2を参照して説明する。ここでは、現像装置4aについて説明するが、他の現像装置も同様の構成になっている。
【0068】
現像装置4aは図2に示すような現像容器20を有しており、この現像容器20は、液体現像剤(現像液)を保持する為に負圧発生部材を容器内部に内包している。
【0069】
現像電極21は、現像容器20の下部で感光体1aに対向するように配置され、現像容器20中の液体現像剤(現像液)が通過する為の直径20〜100μm、好ましくは50μmの孔が千鳥状に感光体軸方向に複数列形成された板状の電極である。
【0070】
板状電極である現像電極21は、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属で構成され、穴はエッチング、プレス、レーザー加工等で形成されている。また、現像電極21は、液体現像剤を感光体1aに飛翔させるため、現像電極表面が−650Vにバイアスされ、感光体1aの静電潜像との間の電界力に従って電極上の現像液を選択的に現像する。
【0071】
ノズル23は、液体現像剤を吐出させるものであり、ポリイミド等の有機絶縁材料で現像電極21上の液体現像剤を分離するため、現像電極21上の現像液が通過する孔の周りを同心円上で穴径が80〜150μm、好ましくは80μmでノズル板22に形成され、現像電極21に熱効硬化性のエポキシ樹脂等で接着されている。
【0072】
なお、ノズル23は、スタンプ成形、プレス、エキシマレーザー加工によってノズル板22に形成される。
【0073】
ここでは、ノズル23を現像電極21に接着する場合を説明したが、光硬化性の感光性樹脂を現像電極上に塗布し薄層、露光工程により、現像液飛翔部を形成しても良く、ポリイミドを分散した感光性樹脂がより好ましい。
【0074】
次に、液体現像装置としての現像装置4a〜4dにおける液体現像剤の飛翔について図3を参照して説明する。ここでは現像装置4aにおける液体現像剤の飛翔について説明するが、他の現像装置の場合も、同様にして、液体現像剤の飛翔が行われる。
【0075】
図3において、符号100で示される矢印は液体現像剤26の流通する方向を示している。この矢印の方向に沿って液体現像剤の流通路(現像液流通路)が形成される。
【0076】
図3に示すように、感光体1aは、周知のように導電層25bの上に感光層25aが形成されており、この感光層25aの表面には静電潜像24が形成されている。
【0077】
静電潜像24は、感光体1a〜1dが帯電器2aで−700V程度に全面帯電され、その後、露光3aにより光の当たった部分だけが導電化されることにより、その帯電電位が減少して−100V程度になることによって形成されている。
【0078】
液体現像剤26は、現像容器20内に内包された負圧発生部材により重力方向とは逆方向に負圧保持され、ノズル23で液体現像剤26の表面張力により発生するメニスカスで現像容器20側に湾曲しつつ釣り合っている。
【0079】
なお、この実施の形態1では、ノズル23の径は80μmと小さくしているので、液体現像剤中の溶媒成分の蒸発が大きくなり、その結果、色剤成分が凝固し、管の詰まりを引き起こすことは無い。
【0080】
ここでは、ノズル板22と現像電極21との間に吐室チャンバー29を形成するように、隔壁層27を形成している。
【0081】
この隔壁層27は、直径120μm、厚み50μmでノズル23と同心円の位置に形成されている。また隔壁層27は、隔壁層27とノズル板22とをポリイミド等で一体化してエキシマレーザー等で加工しても良い。
【0082】
現像電極21には、バイアス電源からの直流バイアス電圧−600Vおよび交流バイアス電圧1.5kVで周期1kHzのサイン波を重畳させることで、微小なメニスカスの予備振動を発生させながら直流成分が印加されている。
【0083】
直流バイアス電圧の大きさは、現像電極21と感光体1aとの間の距離で変化するが、この距離は250μmとすることで良好な現像液の吐出が可能である。
【0084】
通常、ノズルの先端で形成された液体現像剤26のメニスカスは、感光体に向かって凹の形状となっている。
【0085】
しかしバイアス電圧が印加されると、現像電極21から感光体1aに向かって形成される現像電界によって、このメニスカスの形状が下に凸の状態となる。
【0086】
特に、本実施の形態1で用いている液体現像剤26の場合には、色剤がマイナス帯電する液体現像剤であるので、現像電極21と感光体1aとの間の電界でメニスカスが下に凸の状態となっている。
【0087】
このような状態で、現像電極21に対向する位置に静電潜像24が移動すると、感光体1aの全面帯電されたままの部分では負(−)の電荷が存在して、−700Vとなっているので、バイアス電源からの直流バイアス電圧を−60Vとすると、この部分では現像電極21と感光体1aとの間の電位差は100Vとなっている。
【0088】
また、潜像保持体(感光体1a)の負(−)の電荷が消去された部分は−100Vの電位になっているため、現像電極21と感光体1aとの間の電位差は600Vとなる。
【0089】
このように大きな電位差が発生している部分では、メニスカスの先端から液体現像剤がマクスウエルの歪応力および電界によるクーロン力によって液滴となって吐出し、感光体1aの電位の低い部分に着弾し、それによって現像が行われ、潜像が顕像化し、トナー像が形成される。
【0090】
仮に、液体現像剤26が潜像位置からズレたとしても、感光体の潜像部と非潜像部間に発生している電界によって、その液体現像剤は潜像に自動収集される。
【0091】
潜像電位が−700Vの部分は、インクの吐出に必要な大きな電位差が発生しないので、液体現像剤26の吐出は生じない。
【0092】
液体現像剤26が吐出すると、隔壁層27、あるいはノズル23による毛管現象や液体の連続性により、次々と毛細管の中に液体現像剤26が供給されて、連続的に潜像の現像が行なわれる。
【0093】
このような現象により、静電潜像が存在する部分のみが現像され、不必要な部分に液体現像剤が付着することはない。従って、この後に一般的に使用される現像剤を絞る装置が不要になり、かつ、より簡単な構成の電子写真装置が実現できるようになる。
【0094】
また、液体現像剤26がノズル23のメニスカス先端から飛び出す際には、電界の方向に従ってメニスカス先端部に色剤成分が集まり、色剤濃度が数%だったものが数10%まで濃縮された状態で吐出してゆく。つまり、余分な溶媒成分の潜像保持体(感光体1a)への付着も少なくなり、これも絞り装置の軽減に大きく影響している。
【0095】
なお、ノズル23の配置密度は、図4に示すようなノズルの配置になっている。図4に示す例では、上部から感光体1aの表面側を見た場合のノズル23の配置を示している。そして、感光体1aが、図4に示すように配置されたノズル23の下を副走査方向に回転しながら通過していく。
【0096】
ノズル23は、感光体の軸方向(主走査方向)に150dpi(約169μm)ピッチで8列、感光体の回転方向(副走査方向)に300dpi(約84.7μm)ピッチで8列、各列がそれぞれ1200dpi(約21μm)オフセットさせている。
【0097】
このため、仮に感光体の潜像位置が主走査方向に位置ズレしたとしてもノズル23は感光体の軸方向にオーバーラップしているので、8列いずれか最近接したノズル23より現像される。
【0098】
また、現像剤が静電潜像に付着することでトナー自身の電荷によって、−100Vの潜像電位を現像電位の−600側にシフトさせる。潜像電位の部分が最初に通過するノズル列で現像される。このときは、潜像電位と現像電極との距離が長いのでわずかな量しか現像されないが、ノズル列通過中に最近接したノズルからも再度現像される。すなわち、現像量は、潜像電位により制御可能である。
【0099】
さらには、このようなノズルの千鳥配列によって、ノズル間のピッチを大きくすることができ、ノズル加工及びノズルの感圧接着の際、変形等の要因を低減可能である。
【0100】
ところで、感光体の円筒形状に対して現像電極21は平板状であるので、現像電極21と感光体との距離が最近部に比べ両側方向(感光体の軸方向における両端部分)のノズルは感光体と徐々に離れていくので、現像電界に偏りが発生する。このため、現像液の表面
張力、粘度等によっては、吐出量が一定しない場合があるので、感光体の曲率にあわせて、現像電極21を湾曲させた方がより好ましいい。
【0101】
上記図3に示した例では、ノズル23の直上部に現像液が現像電極21を通過させるために、現像電極21に孔を形成するようにしている。
【0102】
次に、現像電極21の孔形成を省くため、現像液の供給ロをL字型にしたL型流路を有する現像電極部について図5を参照して説明する。この場合、現像電極21には、液体現像剤を流通させるための孔は形成されていない。
【0103】
図5において、符号200で示される矢印は液体現像剤26の流通する方向を示している。この矢印の方向に沿って液体現像剤の流通路(現像液流通路)が形成される。
【0104】
この液体現像剤(現像液)は、図3を用いて説明したように現像容器20内の負圧とノズル23のメニスカスで釣り合っている。この液体現像剤の吐出毎に、液体現像剤は現像液流路200を通過して供給される。この場合、現像電極21外より液体現像剤を供給するので、現像電極21に液体現像剤を供給するための供給孔は不要となる。
【0105】
現像液供給路は、ノズル板22上にハーフカットされたノズル流路28で構成され、このノズル板22のノズル流路28と現像電極21によって断面形状で高さ30μm、幅50μmの流路が形成される。このため、現像電極21の構成がより簡便になる。
【0106】
また、図3に示した現像電極のように液体現像剤を通過させる孔が必要ないので、ノズル23の直径によらず、液体現像剤の飛翔性能に合わせて可変させることができるので好ましい。特に、ノズル径が100μmになると、電界の集中が不安定になり易い。
【0107】
なお、吐出チャンバー(現像液吐出部)29は、現像液流路200およびノズル23を兼ねるものであり、絶縁材で形成されている。
【0108】
図6は、図5に示した現像電極を感光体側より見たノズルの配置を示している。この場合、ノズルの配置寸法、図4で示したノズルの配置寸法と同一なので、ここではその説明は省略する。
【0109】
図7はエッジ状の現像電極を感光体上からノズル部を見た図であり、図8はエッジ状の現像電極部を示している。この場合も、現像電極21には液体現像剤を流通させるための孔は形成されていない。
【0110】
図8において、符号200で示される矢印は液体現像剤26の流通する方向を示している。この矢印の方向に沿って液体現像剤の流通路(現像液流通路)が形成される。
【0111】
図8において、現像電極21が平坦な場合と比較するとノズルから見える現像電極をエッジ状の電極としているので、電極のエッジ頂点に電界の集中が大きくなる。
【0112】
このため、感光体の潜像に向かう液体現像剤の吐出を安定に維持することができ、画質が向上するという利点があると同時に、現像液の吐出量、吐出の方向性もより安定化可能である。このようなことから、現像電極21は板状(平坦)な電極の場合よりもエッジ状の電極の方が好ましい。なお、電界集中部である電極エッジをエッチングあるいはプレスによって容易に形成することができる。
【0113】
なお、吐出チャンバー(現像液吐出部)29は、現像液流路200およびノズル23を
兼ねるものであり、絶縁材で形成されている。
【0114】
次に、図1に示したフルカラー電子写真装置に設けられる現像ローラについて、図9を参照して説明する。
【0115】
図9に示したフルカラー電子写真装置は、図1に示したフルカラー写真装置の構成において、現像ローラ30a、30b、30c、30dを追加した構成になっている。図9においては、要部のみ符号を付しているとともに、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0116】
図9において、現像ローラ30a、30b、30c、30dは、それぞれ感光体1a、1b、1c、1dの軸に並行で接触するように配置されており、また、現像装置4a、4b、4c、4dには非接触で配置されている。
【0117】
この現像ローラ30a、30b、30c、30dは、ステンレスあるいはアルミニウムにニッケル鍍金が施された中空の円筒管、あるいはこの円筒管の表面にシリコンゴム等にカーボン等の導体を分散して抵抗値を「10+e3〜10+e4」にしたものであっても良い。
【0118】
さらに、現像ローラ30a、30b、30c、30dは、現像時に感光体への現像効率を高めるため、感光体1a、1b、1c、1dの周速と同等あるいは1.2倍の速度で、感光体1a、1b、1c、1dの回転方向(図9中矢印Kの方向)とは逆方向に回転している。
【0119】
次に、上述した現像ローラを使用した場合の現像液供給方法および感光体への現像方法について、図10を参照して説明する。
【0120】
ここでは、現像ローラ30aを使用した場合について説明する。なお、他の現像ローラ30b、30c、30dを使用した場合も同様のことが言える。
【0121】
図10において、感光体1aには、図1を用いて説明した露光工程と同じ工程で潜像電位が形成されている。
【0122】
また、液体現像剤(現像液)を図1に示した例の場合と同じように重力方向とは反対方向に負圧保持されている。
【0123】
ここでは、現像容器20中に負圧を発生させるため、現像容器20はスポンジ31を内包している。このスポンジ31は、ポリエーテルポリオールとトルエンジイソシアネートとを化学反応させ、爆発法等により除膜処理されており、各セルが連通して、1インチ当たりの空孔数が30〜60を有している。このセルと充填保持されている液体現像剤による毛細管力で、現像容器20中に負圧力を発生している。
【0124】
現像容器20の上部には、液体現像剤消費に伴い大気を取り入れるための大気連通孔32が形成されている。
【0125】
さらに、現像容器20の下部側には、スポンジ31に吸収された、液体現像剤中の不純物がノズル側へ通過しノズルの目詰まりを防止するため、直径0.1mmのステンレス(SUS316)を網目上に編んだフィルター38を配置している。
【0126】
現像ローラ30aには、直流電源より現像ローラ30aの表面が−600Vになるよう
バイアスされている。また、現像電極21には、ノズルから現像ローラ30aへ液体現像剤を吐出させる電気力を発生させるため、直流電圧(DC)で−1kVのバイアスで、さらに交流電圧(AC)で2kV(ピーク−ピークの電圧)、周波数2kHzを重畳するようになっている。これにより、全てのノズル中から現像ローラ30aに向かって液体現像剤を飛翔させる。
【0127】
なお、ここでは、ノズル表面と現像ローラ表面間の最近距離は0.5mmに設定されている。現像ローラ30aがノズルの下を通過するたびに、全ノズルより液体現像剤が現像ローラ30aに向けて飛翔し、これにより現像ローラ30aの表面には約5〜8μmの安定な薄層化された液体現像剤の層が形成される。
【0128】
この現像ローラ30a上の薄層化された現像液層は、現像ローラ30aと感光体1aとによってさらに圧接されることで、薄層化されて約4μm程度になる。
【0129】
ここで、感光体1a上の潜像電位は−100Vであるので、現像ローラ30aの表面の液体現像剤中のトナーは、電気泳動力によって現像ローラ30aの表面から潜像電位の部分に向かって泳動する。
【0130】
この実施の形態1では、画像信号に関わらず、現像ローラ30a表面に液体現像剤を一律に薄層化するが、現像電極を主走方向に複数分割し(複数の現像電極を設ける)、印加するバイアス電源も分割すれば、画像信号に従ってノズルより液体現像剤を選択的に面積吐出することが可能である。
【0131】
また、正味、現像に用いる液体現像剤のみを現像ローラ上で使用するため、余剰の液体現像剤が現像ローラ上で空気乾燥することを防止可能である。
【0132】
さらに、現像ローラに余剰の現像剤が付着しないため、感光体上に現像する時に現像剤の表面張力、粘度に起因して発生する地かぶりと呼ばれる背景汚れが極端に抑えられる。
【0133】
このように、現像ローラと感光体との間に存在する現像液を極力薄層化することで、トナーが泳動するための時間を短縮させることが可能であり、これにより現像速度を向上させることが可能である。すなわち、感光体へ現像する前に現像ローラ上の現像液層を極力薄層化することで現像速度を向上できることになる。
【0134】
このためには、現像ローラへの現像液塗布をいかに安定して薄層塗布できるかが課題となるが、この実施の形態1では、現像液をノズルより飛翔させ定量的に塗布させているので、現像ローラへの現像液塗布が容易にできる。さらに、現像液は負圧保持された状態から液を飛翔させるので余分な現像液の消費が無く、しかも現像ローラ上の現像液を極力低減することが可能なので、現像液の消費を極力抑制することができる。
【0135】
ところで、現像後の現像ローラ30aに残った液体現像剤(余剰現像液)は、吐出ノズル41に平行で、かつ現像ローラ30aと非接触に配置された回収ノズル42によって、現像容器20中に回収される。
【0136】
次に、余剰現像液を回収するための方法について図11を参照して説明する。なお、図11は、現像液吐出電極および回収電極の配置を示している。
【0137】
図11において、吐出ノズル41は、図4〜図8に示した例の構成と同様である。回収側の電極は吐出側の電極と独立で平行に配置されている。
【0138】
回収側のノズル表面には、放射状のノズル孔より極端に細い溝(ラビリンス)43を設けている。回収電極40も同様に現像液供給孔より極端に狭い溝(ラビリンス)が形成されている。
【0139】
ここで、現像液回収電極による余剰現像液の回収原理について図12を参照して説明する。
【0140】
ここでは、現像ローラ30aを使用した場合について説明する。なお、他の現像ローラ30b、30c、30dを使用した場合も同様のことが言える。
【0141】
現像ローラ30a上の現像電極には感光体1aへの現像後に現像ローラ表面に残った、余剰の液体現像剤が残っている。この時、現像ローラ表面は−600Vに帯電され、回収電極40は+500にバイアスされているので、現像電極21と現像ローラ間には、現像ローラから回収電極40に向かって電気力が発生する。
【0142】
図12において、左側は回収前の様子であり、右側は余剰現像液が回収電極側に飛翔回収された後の状態の様子である。
【0143】
特に現像電極表面は撥水性の誘電層を形成しているので、現像ローラから飛翔した液体現像剤は、回収電極には、もともと現像容器中の負圧により発生した現像ローラに対して凹状のメニスカスが形成されている。このメニスカスと逆飛翔した液体現像剤は連続し、また電極表面は撥水性であるので、回収する液体現像剤は連続して現像容器中に吸い上げられる。
【0144】
ここでは、現像ローラから余剰の液体現像剤を現像ローラと回収電極間の電気力で逆飛翔回収する方法を示したが、現像ローラを使用せずに直接感光体から余剰の液体現像剤を回収することが可能なこと言うまでも無い。
【0145】
図13は現像液室分離負圧タンクの構成を示している。ここでは、現像ローラ30aを使用した場合について説明する。なお、他の現像ローラ30b、30c、30dを使用した場合も同様のことが言える。
【0146】
図13において、現像容器20中に内容されたスポンジ31が現像ローラ30aに微圧当接されている。現像ローラ30aとスポンジ31間の液体現像剤(現像液)のメニスカスと液体現像剤(現像液)の連続性で液体現像剤は現像ローラ30aに供給される。なお、スポンジ31は図10に示したスポンジ31と同等のセル数を有している。
【0147】
現像ローラ30aに供給された液体現像剤は現像液薄層化ブレード33によって均一化され感光体に現像される。
【0148】
さらに、この現像容器20は、スポンジ31を内包するスポンジ室35と液体現像剤(現像液)のみを内包する現像液室36を併設している。このような現像容器20においては、現像液室36中の液体現像剤は、スポンジ室35と現像液室36との仕切り下部に設けられた負圧調整バルブ37を通過して、スポンジ室35に供給される。
【0149】
負圧調整バルブ37より液体現像剤が供給されると、現像液室36の負圧は上昇するが、大気連通孔32より導入されスポンジ31の仕切りの間を通過する大気は現像液室36の内部負圧を調整するため、置換導入される。
【0150】
このように、現像容器20をスポンジ室35と現像液室36とに分離しているので、単
位体積あたりの液体現像剤を保持する量が多くなり、小スペース化が可能となる。
【0151】
また、現像容器20周囲の環境変化により、現像液室36の空気が膨張し液体現像剤が負圧調整バルブ37を通過してスポンジ室35に流入したとしても、スポンジ室35中のスポンジ31の毛細管力で吸収されるので、スポンジ室35の外部に漏れることはない。
【0152】
このように、スポンジ35と現像液室36とを分離することで、スペース効率にすぐれ、安定した負圧により一定量の液体現像剤を現像ローラに供給可能となり、この結果として液体現像剤の消費を大幅に抑制することができる。
【0153】
さらに、感光体へ現像後の現像ローラ上に残った残留現像液もスポンジ室35中のスポンジ31の負圧で吸収されるので、現像ローラは回転する毎に常に最適な液体現像剤の湿潤状態を確保できる。
【0154】
図14は現像液濃度検出手段の構成を示している。図14において、現像容器20中には、液体現像液(現像液)を保持するために負圧発生手段としてのスポンジ31を内包している。
【0155】
現像容器20の供給部つまり容器の下方で、容器の外側に現像容器、現像液、現像容器の構成をはさむ様に、一方に通電電極50を配置し、他方に検出電極51を配置する。これらの電極(一対の電極)50,51は一般的な金属たとえば、ステンレス、銅、アルミニウム等の安価なものでよい。
【0156】
現像液が検出電極51と通電電極50間に介在する場合、通電電極50に基準電位を印加すると、現像液体中のトナーの偏りによって、対向側の検出電極51側にトナーが誘電される。すなわち検出電極51の検出誘電電位を検出することで、その検出レベルを基に現像液中のトナー濃度を検出することができる。
【0157】
さらには、検出値に所定の検出レベル(閾値レベル)を設定した場合には、エンド検知前のニアエンド検知することが可能となり、ユーザに予備の現像液準備等を促すことが可能となる。
【0158】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、次の(1)〜(16)の作用効果を得ることができる。
(1)ノズル下部で回転する現像ローラの表面にノズルより所望の微小ドットで液体現像剤(現像液滴)を飛翔させることができる。
(2)ノズルで液体現像剤(現像液)が区分され均一なメニスカスを形成しているので、隣接するノズル間での液面振動によるクロストークを防止することが可能であり、潜像に対する液体現像剤(現像液)の吐出の追従性を確保することができる。
(3)ノズルを現像ローラ上部に配置しているため、現像容器中のトナー粒子は重力によりノズル近傍に自然沈降し、かつ液体現像剤(現像液)の吐出方向が重力加速度に対して45度の範囲となるので、飛翔速度を効率的に安定させることができる。
(4)上記(1)〜(3)の内容から、現像ローラ表面に塗布する液体現像剤(現像剤溶媒)の付着と放出を最小限に抑制することができる。
(5)感光体(潜像保持体)とノズルとの間に形成される集中電界は、パルス状とすることができる。すなわち、直流バイアスの上に交流バイアスを重畳または交流バイアスのみにして電界をパルス状にすることにより、現像の際の非画像部への現像を防止し、画像部への確実な現像を実現することができる。
(6)液体現像剤が毛細管力でノズルへ連続的に供給され、濃度の安定した現像が可能となる。また、余剰な液体現像剤を別のノズルで逆飛翔回収するようにしているので、余剰
の液体現像剤を抑制することができる。さらに、液体現像剤の吐出から回収までの経路を極端に短く形成しているので大気中に曝される時間を極端に短くでき、液体現像の表面張力および粘度を維持することができる。
(7)潜像位置と液体現像剤を吐出あるいは吸引するノズルとの位置がずれた場合であっても、感光体に形成された潜像が当該感光体の回転に伴って現像装置(現像電極)の下部を通過するうちに、いずれかのノズルで液体現像剤の吐出あるいは吸引をすることができる。また、各ノズルに液体現像剤を保持するのに十分な容積を確保することができ、しかも露出電極面積の確保も可能である。さらに、一部のノズルが目詰まり、もしくは、吐出不良を引き起こしてもリカバリーで吐出あるいは吸引することができる。
(8)ノズルと流路を一体形成することが可能であるため、電鋳等でのノズルと流路の一体形成、あるいは、ポリイミド等の熱効果樹脂を使用してエキシマレーザーあるいは、スタンプ成型等により一体成型加工ができる。これにより高精度のノズル位置、流路深さ等を均一加工することができる。さらにはノズル直下の現像液吐出室と流路が個別に形成されるので、1ドロップ当たりの液滴量の均一化が容易であり、流路にメニスカス形勢の促進を図ることができる。
(9)現像容器から液体現像剤供給する流路孔がノズルとオフセットして配置せれているため、現像容器とノズルの間に介在する電極以外の位置で液体現像剤を現像容器から現像孔、流路、ノズルの順に供給することができる。
(10)エッジ形状(電極エッジ)の現像電極を使用するようにした場合には、飛翔させるための電気力線を一点に集中させることができ、これにより、より一層、液体現像剤の飛翔効率を促進することができる。また、液体現像剤中のトナー粒子を現像電極先端に集中して飛翔させることができるので、吐出される液体現像剤(現像液滴)中のトナー濃度の向上を図ることができ、この結果、画像濃度の均一化を図ることができる。
(11)画像信号の無い箇所への液体現像剤の吐出が無くなり、現像ローラ上の必要なエリアにのみ液体現像剤を塗布することができ、極端に不必要な液体現像剤の消耗を抑制することができ、液体現像剤の資源を有効に利用することができる。
(12)現像容器は現像ローラあるいは感光体(潜像担持体)に対して上部に位置しているので、現像容器の交換等のユーザアクセスが容易である。また、現像容器内に液体現像液は負圧で保持されるため、ノズルにメニスカスを均一に形成することができ、しかも液体現像剤の吐出を安定化させことができる。
(13)現像容器の外部から液体現像剤の残量を検出することができるので、液体現像剤のトナー消費のニアエンド検出が可能となり、ユーザに現像容器の交換時期を容易に促すことが可能となる。
(14)感光体(潜像保持体)や用紙への溶媒の付着を最小限に抑制することができるため、機外への溶媒排出を防止することができ、オフィスでも使用できる、安全でかつ高性能の電子写真装置を提供することができる。
(15)従来技術の如く感光体(潜像保持体)に大量に付着した溶媒を遠く離れた位置で絞る装置や、非画像部に浮遊するトナー粒子を除去する装置が不要になるため、簡素な電子写真装置を実現することができる。
(16)電界集中効果が得られるため、微小間隙を高精度に維持する必要もなく、実用性に優れた電子写真装置を実現することができる。非接触現像の場合、いわゆる多重現像と呼ばれる重ね現像・一括転写プロセスにおいても、トナーの剥ぎ取りや混色の無い、理想的な特性が得られなど、多大の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機などの電子写真装置の液体現像方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施の形態1における液体現像装置を有するフルカラー電子写真装置の構成を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1における液体現像装置を説明する図
【図3】図2に示した液体現像装置における現像剤の飛翔を説明する図
【図4】図2に示した液体現像装置に設けられたノズルの配置を示す図
【図5】L型流路が形成された液体現像装置を説明する図
【図6】図5に示した液体現像装置に設けられた現像電極を感光体側より見たノズルの配置を示す図
【図7】感光体上よりノズル部を見たエッジ状電極の配置を示す図
【図8】図7に示したエッジ状電極の断面を示す断面図
【図9】図1に示したフルカラー電子写真装置に設けられる現像ローラを説明する図
【図10】現像ローラへの現像液飛翔塗布を説明する図
【図11】現像液吐出電極と回収電極の配置を示す図
【図12】現像液回収電極を説明する図
【図13】現像液室分離負圧タンクを説明する図
【図14】現像液濃度検出手段を説明する図
【符号の説明】
【0161】
1a,1b,1c,1d 感光体(潜像担持体)
2a,2b,2c,2d 帯電器
3a,3b,3c,3d 露光
4a,4b,4c,4d 現像装置(現像手段)
5a,5b,5c,5d 1次転写ローラ
6 中間転写体
6a 中間転写ベルト
6b 中転ヒートローラ
7 2次転写ローラ
9 印刷媒体
10 定着器
11 ヒートローラ
12 バックアップローラ
20 現像容器
21 現像電極
22 ノズル板
23 ノズル
24 静電潜像
25a 感光層
25b 導電層
26 液体現像剤
27 隔壁層
28 ノズル流路
29 吐出チャンバー
30 現像ローラ
31 スポンジ(負圧発生手段)
32 大気連通孔
33 現像液薄層化ブレード
35 スポンジ室
36 現像液室
37 負圧調整バルブ
38 フィルター
40 回収電極
41 吐出ノズル(第1のノズル)
42 回収ノズル(第2のノズル)
43 溝(ラビリンス)
50 通電電極(一対の電極)
51 検出電極(一対の電極)
100,200 現像液流路
290 吐出チャンバー(現像液吐出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、
前記現像ローラと前記現像手段との間に、前記現像手段から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配設し、
前記ノズルと前記現像ローラとの間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する現像ローラの部位に液体現像剤を吐出させるとともに、前記現像ローラに吐出された液体現像剤が前記現像ローラの表面全体に薄層液膜として形成されるべく前記ノズルから液体現像剤を供給することを特徴とする液体現像方法。
【請求項2】
現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、
前記潜像担持体と前記現像手段との間に、前記潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を吐出させる導通性を有するノズルが形成された現像電極を配設し、
前記ノズルと前記潜像保持体に形成された静電潜像との間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する静電潜像に向けて液体現像剤を吐出させることを特徴とする液体現像方法。
【請求項3】
現像手段が収容している液体現像剤によって、回転可能に設けられた潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、
前記潜像担持体と前記現像手段との間に、前記潜像担持体と対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、
前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による電場作用により、前記第1のノズルから前記液体現像剤を吐出させるとともに、
前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による前記吐出の場合とは逆の電場作用により、前記第2のノズルから前記潜像担持体上の余剰の液体現像剤を吸収することを特徴とする液体現像方法。
【請求項4】
現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、
前記現像ローラと前記現像手段との間で、前記現像ローラと対向する面に絶縁体が形成されかつ前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させる導通性を有する第1および第2のノズルが形成された現像電極を配設し、
前記現像電極と前記現像ローラとの間で発生する電界による電場作用により、前記第1のノズル部から前記液体現像液を吐出させるとともに、
前記現像電極と前記潜像保持体との間で発生する電界による前記吐出の場合とは逆の電場作用により、前記第2のノズルから前記現像ローラ上の余剰の液体現像剤を吸収することを特徴とする液体現像方法。
【請求項5】
前記ノズルは前記現像電極に形成された複数のノズルで構成され、
前記複数のノズルは、
前記潜像担持体の主走査方向に等ピッチで形成され、かつ前記潜像担持体の副走査方向にオフセットをもって形成され、
前記主走査方向のノズルピッチが潜像ピッチよりも小さい値に設定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体現像方法。
【請求項6】
前記現像電極は、
前記潜像保持体と対向する側に、前記現像手段から供給される液体現像剤を流通させるための現像液流路、および該現像液流路に流通した液体現像剤を吐出させるためのノズルを兼ねる、絶縁材で形成された現像液吐出部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体現像方法。
【請求項7】
前記現像電極は、
前記現像手段に配設され前記液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、前記潜像担持体と対向する側に絶縁性の流路溝と前記液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ前記流路孔と前記ノズルとは互いにオフセットして形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の液体現像方法。
【請求項8】
前記現像電極は、
前記現像手段に配設され前記液体現像剤を収容する現像容器より繋がる流路孔が形成されているとともに、前記現像ローラと対向する側に絶縁性の流路溝と前記液体現像剤を吐出させるためのノズルとが形成され、かつ前記流路孔と前記ノズルとは互いにオフセットして形成されていることを特徴とする請求項1または4記載の液体現像方法。
【請求項9】
前記現像電極は、
前記液体現像剤を吐出させるためのノズルから露出した部位はエッジ形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体現像方法。
【請求項10】
前記現像電極は、
前記潜像担持体の主走査方向に複数に分割された複数の現像電極で構成され、
前記複数の現像電極それぞれに形成されているノズルと前記現像ローラとの間に働く電場の作用により、前記ノズルから当該電場が作用する前記現像ローラの部位に前記液体現像剤を吐出させるときに、画像信号に従って前記複数の現像電極それぞれに形成されているノズルに供給されている液体現像剤を前記現ローラへ塗布することを特徴とする請求項1記載の液体現像方法。
【請求項11】
現像手段が収容している液体現像剤を、回転可能に設けられて静電潜像を担持する潜像担持体に近接して回転可能に設けられた現像ローラに向けて供給するとともに、前記液体現像剤が供給された前記現像ローラが回転することで、前記潜像担持体に形成された静電潜像を現像する液体現像方法であって、
前記現像手段は、
前記液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、
前記現像ローラと前記現像手段との間に、前記現像手段内の前記現像容器から供給される液体現像剤を吐出させるノズルが形成された現像電極を配設し、
前記現像容器内の液体現像剤と前記負圧発生手段によって前記ノズルに供給された液体現像剤のメニスカスとが釣り合うように、前記ノズルに供給された前記液体現像液を前記現像ローラへ供給することを特徴とする液体現像方法。
【請求項12】
前記現像手段は、
前記液体現像剤を保持するために当該液体の水頭圧が発生する方向に配設され、かつ前記液体現像剤を負圧の状態で保持するための負圧発生手段を有する現像容器を備えるとともに、
前記現像ローラと前記負圧発生手段とを直接接触させて、前記負圧発生手段が保持する液体現像剤を前記現像ローラへ供給することを特徴とする請求項11記載の液体現像方法。
【請求項13】
前記現像容器を挟み込むように対向して配設された一対の電極の間に形成される電界による前記現像容器内の液体現像剤の偏りにより発生する電極表面の静電容量を基に、前記現像容器内の液体現像剤の残量を検出することを特徴とする請求項11または12記載の液体現像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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