液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓及びこの注出栓が装着された瓶
液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓10は、瓶に取り付けられるように適合されると共に供給空洞(13)を含む栓本体(20)と、この本体に対して、製品注出オリフィス(35)が遮断される非作動形態とこの注出オリフィス(35)が外部に露出すると共に供給空洞(13)と連通する作動形態の間において動くように適合された上部片(30)と、を含む。この栓は、有利には、円筒形であると共に本体20によって形成された側部壁を有し、且つ、前述の非作動形態において、上部壁は、完全に上部部材30の上部壁から構成される。この円筒形本体及びこの上部部材は、相補的な部分的に球状の表面を有し、これらの相補的な部分的に球状の表面は、相対的な動きによって互いに沿って摺動するように適合され、且つ、その作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、この上部部材によって遮蔽された状態に留まる相補的な保持及びガイド要素によって接続されている。注出オリフィス35は、これらの摺動表面のうちの1つのものの内部に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶の注出栓に関する。特に、本発明は、瓶に収容された液体製品又は粘性を有する製品を注出するための栓を対象としており、これらの製品は、しばしば、重力のみによって流動してもよい。本発明は、更に詳しくは、化粧品の分野における、或いは、場合によっては、薬剤又は食品の分野における製品の注出、即ち、わずかに数センチメートルの(通常は、最大でも3cm、或いは、場合によっては、2cmの)横寸法を有する栓を有する瓶に通常収容される製品の注出を目的としている。
【0002】
又、本発明は、この栓を備えた瓶にも関する。
【背景技術】
【0003】
このような栓が首に取り付けられた(実際には、ねじ留め又はクリップ留めされた)瓶に収容された製品を注出できるようにする多様な栓構造が既に知られている。非作動形態においては、このような栓は、通常の栓に似ているが、作動注出形態においては、栓の上部部材を動かし、排出オリフィスを介して製品を排出できるようになる。様々なタイプの構造に区別してもよい。
【0004】
1984年に公開された独国特許出願公開第3300190号明細書(Zeller Plastik)の文献には、本体を有する栓が知られており、且つ、この栓の最上部の部分は、本体を貫通する通路が、栓の上部部材の可動部分内に含まれる注出路から隔離される休止形態と、供給路と注出路が、この可動部分との連通状態にあり、これにより、本体に対して半径方向に突出している作動形態と、の間において半径方向に平行に可動な狭細片から形成されている。この栓の外側表面は、複雑であり、可動部分と、可動部分が動く領域内において可動部分の前方部分を覆う変形可能な部分と、これら2つの部分がその間を摺動する側部部分と、が協働することによって形成されている。
【0005】
1995年に公開された国際公開第95/11172号(Zeller Plastik)の文献には、様々な栓構造が更に開示されており、これらの構造は、瓶の首に取り付けるための本体と、最上部のキャップと、を含み、このキャップは、キャップの最上部に含まれる注出路が供給路から隔離される非作動形態と、これらの通路が連通状態にある作動形態と、の間において、実質的に直径方向の軸を中心として枢動可能である。非作動形態においては、キャップは、キャップの外周の大部分にわたって(キャップを作動形態に向かって枢動させるための軸方向の推力の印加を可能にする切欠き領域を除いて)キャップを取り囲む本体の側部スカートの内部において係合する。このスカートの存在は、具体的には、枢動軸の提供を可能にするために必要である。
【0006】
国際公開第2004/071882号(Poly−Seal Corp)の文献においては、栓は、瓶の首において係合する栓本体と、本体上において枢動するように取り付けられたキャップと、を含む。栓本体は、瓶の内部と(従って、本体の底部部分と)常に連通状態にある供給路を含み、キャップは、(排出オリフィスに通じる)注出路を含み、非作動(又は、閉鎖)形態において、栓のキャップは、注出路が栓本体の通路から隔離される本体との関係における形態を有し、作動(又は、開放)形態においては、栓のキャップは、注出路が供給路との連通状態にある本体との関係における形態を有する。この2つの形態の間におけるキャップの形態の変化は、キャップを枢動させるための、例えば、指による軸方向の圧力によって得られる。又、キャップは、枢動が可能な角度位置と枢動が不可能な位置の間において本体の軸を中心として回転することも可能である。非作動形態においては、このキャップは、栓本体の軸を横断する方向に配設され、且つ、その外周の大部分にわたって栓本体の側部スカートによって取り囲まれており(製品の排出オリフィスは、このスカートによって遮蔽される)、このキャップの枢動は、軸に対する傾斜として反映される。栓の外周のその上部表面のレベルにまで及ぶスカートの存在は、一方においては、枢動軸の提供を可能にするために(栓は軸を中心として回転可能でなければならない)、且つ、他方においては、非作動形態において排出オリフィスを適切に遮蔽するために、必要であることが明らかである。
【0007】
直線状に摺動する又は枢動するキャップを栓本体に設ける代わりに、円弧形状の湾曲した軌跡に沿って摺動するように適合されたキャップを設けることも提案されている。
【0008】
即ち、2002年に公開された国際公開第2002/32776号(Crown Cork & Seal Technologies Corp)の文献は、容器の首に取り付けるためのキャップ本体と、細い上部部材と、を含む容器用の栓を開示しており、細い上部部材は、この細い部分に含まれる注出路が本体内に形成された供給路から隔離され、その排出オリフィスが遮断される非作動形態と、供給路と注出路が相互に連通した状態にあり、排出オリフィスが露出している作動形態と、の間において、円弧形状の軌跡に沿って本体上において直径方向に可動である。弧形状の平行運動軌跡の1つの利点は、細い上部部材の動きにより、平行運動が実現される湾曲表面が排出オリフィスを遮断又は露出させることが可能になると同時に、開放形態における製品の容易な注出が可能になるという点にあると記述されている。しかしながら、前述のように、可動である上部部材が細く、この可動部分のフランクの基部におけるフックの埋め込みを実現すると同時に、これらのフックを受け入れるために本体内にスロットを設けると共に作動形態と非作動形態の明瞭な弁別を可能にするために十分な湾曲平行移動を可能にする必要があると考えられる点に留意されたい。
【0009】
これらの既知の解決策は、(構造の観点において、且つ、場合によっては、使用の観点において)複雑であり、且つ、これらの構造は、多くの場合に、関係する栓の審美性を恐らくは劣化させるであろう程度にまで可視状態にあることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第3300190号明細書
【特許文献2】国際公開第95/11172号
【特許文献3】国際公開第2004/071882号
【特許文献4】国際公開第2002/32776号
【特許文献5】英国特許出願公開第1094588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、わずか数センチメートルの横寸法において、且つ、非常に信頼性の高い機械的案内により(具体的には、望ましくない回転を伴うことなしに)、閉鎖形態と開放形態の両方における(コンポーネント部品の間の分離を可能な限り知覚不能にすることによる)より清浄な審美性と良好な人間工学(具体的には、1本の指による操作)を兼ね備えた液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓を提供することを目的としている。本発明は、有利には、(長い製品保管寿命を実現するために)液体が漏れないよう、或いは、場合によっては、空気を通さないよう瓶の内部と外部の間の良好な封止を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的のために、本発明は、瓶に取り付けられるように適合されると共に供給空洞を含む栓本体と、この本体に対して製品注出オリフィスが遮断される非作動形態とこの注出オリフィスが外部に露出すると共に供給空洞と連通する作動形態の間でこの本体に対して動くように適合された上部片と、を含む液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓を提案しており、この栓は、この栓が本体によって形成された側部壁を有し、且つ、前記非作動形態において、上部壁は、完全に上部部材の上部壁から構成され、この本体及びこの上部部材は、それぞれ、凹状及び凸状である相補的な部分的に球状の表面を有し、これらの相補的な部分的に球状の表面は、相対的な動きによって互いに沿って摺動するように適合され、且つ、その作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、この上部部材によって遮蔽された状態に留まる相補的な保持及びガイド要素によって接続されていることを特徴とする。
【0013】
上部部材が栓の上部表面の全体を占有しており、且つ、この栓の側部壁が栓本体によって形成されているため、この本体とこの上部部材の間の分離は、可視状態とならないように、実質的にこれら上部表面と側部表面の接合部に位置しており、この分離のラインは、この接合部が円である場合には、この接合部の直ぐ近傍に位置するが、この接合部が、例えば、非常に丸いコーナーを有する正方形や楕円などのように、円に近い輪郭を有する場合には、ほとんど可視状態にない状態に留まることが明らかである。より清浄な審美性に加えて、その作動形態と非作動形態の間において上部部材を動かすには、1本の指の横断方向の動きだけで十分であるため、この栓は、その使用法が人間工学的に優れている。
【0014】
従って、側部壁と上部壁の間の接合部は、好ましくは、円形の輪郭を有し、側部壁は、有利には、円柱であるか、或いは、場合によっては、小さな円錐角を有する(通常は20°未満の頂点における半角を有する)載頭円錐形の円柱であることが明らかである。
【0015】
本体の凹状の摺動表面は、有利には、対称面を有する主スロットを含み、且つ、上部部材は、この凸状の摺動表面に対して突出し、且つ、主スロットの対称面に対して対称である2つの平行フランクを含み、これらのフランクには、これらのフランクに係合すると共にこれらのフランクを主スロット内において保持するためのクリップデテント(又は、横断方向のスロット)が設けられており、その対称面に沿ったこの主スロットの寸法は、この主スロットが上部部材の非作動形態及び作動形態のそれぞれにおいて上部部材によって遮蔽された状態に留まるようなものになっており、注出オリフィスは、摺動表面のうちの1つの内部に位置し、且つ、主スロットの対称面に対して対称である。
【0016】
本体がスロットを含んでいる一方で、このスロット内において摺動する2つの平行フランクが上部部材に設けられているということは、上部部材の効果的なガイドと同時に、軸に対するその角度的配向の維持をも保証している。最後に、スロットは、上部部材の位置のそれぞれにおいて遮蔽された状態に留まるような寸法を有しているため、栓の審美性が、そのあらゆる形態において維持されている。
【0017】
目的とする動きが、例えば、上部部材に作用するユーザーの右手又は左手に応じて湾曲している場合には、スロットの断面が直線上でなくてもよいことは明らかである。
【0018】
湾曲した軌跡に沿って平行に可動な部材による注出オリフィスの遮断については、1967年に公開された英国特許出願公開第1094588号明細書(Bettix Ltd)の文献において、既に提案されている。更に正確には、この文献は、スロット及び開口部が内部に形成された部分的に球状のカップから形成された非常に局所化された凹入領域を上部壁が含む全体的に円筒形の缶について記述している。この凹入部の表面に沿って、この表面に沿って平行に可動な皿形の凸状部が、スロットを通過する円形断面の簡単なフィンガによってガイドされる状態において取り付けられており、凸状部が凹入部の容積を占有しているかどうかに応じて、凸状部に沿って摺動することにより、開口部が遮断又は露出され、これにより、容器内の材料(原則的に粉である)の開口部を介した注出が可能になるか又は妨げられる(従って、凸状部が注出口として機能することができる)。非作動形態においては、凸状部は、実質的に缶の上部壁と同一の高さに位置していることに留意されたい。
【0019】
しかしながら、この文献は、化粧品製品とまったく関係がなく(この文献は、料理用の塩や洗剤に言及している)、且つ、瓶に取り付け可能であると共に側部壁及び上部壁を有する栓とまったく関係がなく、更には、この文献は、審美性とまったく関係がないことに留意されたい。
【0020】
更には、上述の文献が、凸状部の角度的な位置決めとまったく関係がないのに対して、この点は、(特に、キャップの外側表面上にロゴを配置し、且つ、使用の際に、このロゴが、瓶に対して、且つ、従って、キャップの残りの部分に対して、所与の向きを保持することを保証する必要がある場合に)、本発明が対処する審美的な制約のうちの1つであってよい。
【0021】
本発明のその他の有利な特徴によれば、適宜、組合せにおいて、
主スロットには、上部部材のフランクのための2つの可撓性ガイドレールを前記主スロットと共に規定する2つの第2スロットが隣接しており、このような可撓性は、本体に対して上部部材を適切に保持することに寄与し、
材料の橋架部を第2スロットに跨って設けてもよく、この結果、軸に平行な又は軸を横断する方向の可撓性の制御が可能となり、
フランクは、デテントと対向して主スロットのエッジを受け入れるための溝を規定する肩部を含み、この結果、これらのフランクに対するスロットのエッジの正しい位置決めが保証され、
摺動表面は、上部部材の平均幅(円形の輪郭の場合には、その直径)の半分〜2倍の曲率半径を有し、これは、容易な摺動に符合しており、
主スロットは、上部部材の直径の少なくとも3分の2の長さを有し、これにより、注出オリフィスが内部に設けられた摺動表面の十分な部分を露出させてそのオリフィスを効果的に露出させることが可能となり、
栓本体に対する上部部材の作動及び非作動形態は、有利には当接係合状態となる摺動表面の近傍に位置した相補的な支承表面によって規定され、これにより、上部部材上に小型の形状を付与することが可能となり、
栓本体は、作動形態と非作動形態の間において上部部材が動いた際に、上部部材のフランクが隣接するように適合された傾斜部を含み、この傾斜部は、栓本体の内部からの注出オリフィスの良好な隔離に寄与し、この傾斜部が栓本体の内側部材上に成形された部分の一部であることが特に好ましく、この内側部材は、この本体の外側部材内において係合し、この外側部材と上部部材は、栓の外側表面を規定しており、これにより、審美性と有効な封止を兼ね備えるための複数の材料の選択が可能となる。
【0022】
本発明の第1実施形態においては、注出オリフィスは、上部部材の摺動表面内に位置しており、この上部部材は、注出路を含み、この注出路は、この注出オリフィスにおいて終端すると共に、上部部材がその作動形態にあるのか又はその非作動形態にあるのかに応じて、本体の供給空洞と選択的に連通するように構成されている。
【0023】
栓本体は、好ましくは、この本体の軸に対してオフセットされた供給路を含み、且つ、上部部材の供給路は、好ましくは、この上部部材の軸からオフセットされた領域内において排出している。
【0024】
本発明の別の実施形態においては、注出オリフィスは、本体の摺動表面内に位置しており、且つ、本体に対する上部部材の摺動運動は、本体の軸に対するそのオリフィスの動きとは反対方向である。
【0025】
本発明は、上述の有利な任意選択の機能を伴って又は伴うことなしに、上述のタイプの注出栓が装着された瓶を更に提案している。
【0026】
本発明の目的、特徴、及び利点については、例示を目的として、且つ、非限定的な例として、添付図面を参照して提供される以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】軸方向の断面において示されている瓶の首に係合する時点の本発明の第1実施形態による注出栓の正面図である。
【図2】この注出栓の斜視図である。
【図3】注出オリフィスを横切る切断面の軸方向断面における注出栓の図である。
【図4】図3の切断面IV−IVにおける軸方向断面図である。
【図5】注出栓の円筒形本体の内側部材の斜視図である。
【図6】軸方向断面における内側部材の図である。
【図7】円筒形の栓のこの円筒形本体の外側シュラウドの斜視図である。
【図8】主スロットを横断する方向の切断面の軸方向断面における外側シュラウドの図である。
【図9】注出オリフィスを含む切断面の軸方向断面における上部部材の図である。
【図10】図9の切断面X−Xの断面における上部部材の図である。
【図11】非作動形態における注出栓の軸方向断面図である。
【図12】図11の細部XIIを更に拡大した図である。
【図13】図12の切断面XIII−XIIIの断面におけるこの細部の図である。
【図14】作動形態におけるこの栓の軸方向断面図である。
【図15】図14の細部XVを更に拡大した図である。
【図16】本発明の別の実施形態の注出栓の円筒形本体のシュラウドの斜視図である。
【図17】別の注出栓の上部部材の側面図である。
【図18】図17の面に平行な切断面の軸方向断面におけるこの上部部材の図である。
【図19】図18の切断面XIX−XIXの軸方向断面におけるこの上部部材の図である。
【図20】非作動形態における別の注出栓の断面図である。
【図21】図20の細部XXIを更に拡大した図である。
【図22】作動形態におけるこの栓の断面図である。
【図23】図22の細部XXIIIを更に拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1〜図15は、いずれも、本発明の第1実施形態の注出栓を示しており、図16〜図23は、本発明の別の実施形態を示している。これらの図面に示されている注出栓の主要な相違点は、例えば、重力のみにより、液体又は粘性を有する化粧製品がこの注出栓を通じて流れることができるようにする注出オリフィスの位置である。関係する製品は、この代わりに、液体の食品又は薬剤製品、或いは、粘性を有する食品又は薬剤製品であってもよい。別の代替肢は、この種の本発明の栓が取り付けられた可撓性瓶に圧力が印加された結果、製品の流れが得られるというものである。
【0029】
図1は、化粧品製品の瓶1の首2に係合する時点の注出栓10を示している。この係合は、必要に応じて、任意の種類のものであってよい。栓は、この場合には、瓶の首におけるスナップフィットとなるように意図されており、この目的のために、瓶に栓を結合させるための外周リブ3が設けられており、瓶に対して栓を角度的に割り出させるために、図示されてはいない突起を更に設けてもよい。栓は、この代わりに、瓶の首にねじ留めされてもよい。
【0030】
図2から明らかなように、栓は、この場合には、円筒形の形状を有し、円筒形の側部表面11と、軸を横断する方向の上部表面12と、を有する。側部表面は、この代わりに、載頭円錐形の形状において、例えば、約20°などの半角により、朝顔状に広がるようにしてもよく、この側部表面は、文字通り幾何学的な意味において等しく柱状であってもよく、即ち、例えば、丸いコーナーを有する矩形などのような一定の断面を有してもよい。但し、以下においては、栓のコンポーネント部品間における良好な遮蔽を可能にするという利点を円筒形状が有していることを理解されたい。
【0031】
以下の図面から明らかになるように、この円筒形の側部表面とこの上部表面は、1つに結合されると共に相補的なガイド要素が設けられた異なる部材上に形成されている。
【0032】
即ち、注出栓10は、
この場合には、外側部材21と、内側部材22と、を含む円筒形本体と、
キャップとも呼ばれる上部部材、
という2つの部材を有していることが、図3及び図4に示されている。
【0033】
栓10の円筒形本体20は、この場合には、内側部材22によって境界が定められた主空洞(供給空洞と呼ぶ)13を含む。
【0034】
この内側部材22は、図5及び図6に更に詳細に示されている。これは、任意の適切な材料、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又は任意のその他の適切な材料などの熱可塑性材料から製造される。
【0035】
この内側部材22は、主には、瓶の首に蓋をするように適合された円筒形のスカート22Aと、このスカート22Aの上部を閉鎖する横断方向の壁22Bと、から構成されている。この円筒形スカートは、瓶の首との間の良好な協働を可能にする内側形状を有しており、この例においては、係合がスナップ固定によるものであることから、スカート22Aは、内部に、首2上のリブ3にスナップ結合するように適合された環状の溝22Cを含む。横断方向の壁22Bを貫通する供給路23は、この壁の両側の空間が連通できるようにする。
【0036】
この供給路23は、有利には、部材24を貫通して生成されており、この部材24は、例えば、側部スカート及び横断方向の壁の一部を形成する部分に、例えば、成形などによって装着されると共に、円筒形の壁22Aと一致する(と共に、好ましくは、幅が広くなる)時点まで壁22Bの中心から延在する傾斜部の形状を有する。この傾斜部は、部分的に円形であって上向きで凹状の形状を有する。この部材24は、有利には、内側部材22上に成形されたエラストマ材料によって製造される。この代わりに、傾斜部は、内側部材上に直接形成されてもよい。
【0037】
外側部材21が図7及び図8に更に詳細に示されている。嵌合する内側部材と同様に、外側部材も、円筒形形状のスカート21Aと、その上部においてこのスカートの断面を閉鎖する横断方向の壁21Bと、を含む。
【0038】
この横断方向の壁は、壁の軸Z−Z上においてセンタリングされた凹状の部分的に球状の形状を有する。この凹状の壁21B内には、主スロット25が形成されており、この主スロット25は、有利には、軸Z−Zを通過する対称面を有し、且つ、この対称面のラインは、図8において軸Z−Zと一致している。このスロットは、(少なくとも上方から観察された際に)平行なエッジを有する。
【0039】
この主スロットには、有利には、こちらも対称面Z−Zに対して対称な配列状態で主スロットの両側に配設された第2スロット26A及び26Bが補完されている。これらの第2スロット26A及び26Bは、湾曲したレール27A及び27Bを主スロットと共に規定している。これらのレール27A及び28Bは、(これらが製造された材料に伴う)剛性を有するが、(これらの形状に起因して)可撓性があり、且つ、有利には、この凹状の壁に対して接線方向及びこれを横断する方向の両方において弾性変形してもよい。この可撓性に伴う利点については、後で明らかとなる。第2スロットの2つのエッジは、適宜、レールの可撓性を制御する材料の橋架部によって局所的に連結してもよい。
【0040】
主スロットは、凹状壁の外周に近接した(図7の右側の)前方端部と、(図7の左側の)後方端部と、を有しており、この主スロットは、第2スロットと実質的に同じ高さにおいて始まり、この第1の端部の方向に第2スロットを超えて延在している。例えば、主スロットの前方端部は、凹状表面のエッジから本体の外側部材の壁の厚さに実質的に等しい距離に位置している。主スロットの形状は、必要とされる本体に対する上部部材の動きを可能にするように選択され、且つ、従って、本体及び上部部材用に選択された形状によって左右される。
【0041】
外側部材21は、部材24によって形成された傾斜部に沿って主スロット25が延在する形態において、内側部材を覆うように設計されている。
【0042】
この外側部材の円筒形の壁21Aは、栓の円筒形の側部表面11を規定している。
【0043】
図9及び図10は、キャップとも呼ばれる上部部材30を示している。
【0044】
このキャップは、上部壁31を含み、この上部壁31は、注出栓が非作動形態、即ち、休止位置にある際に、注出栓の横断方向の上部表面12を規定している。この壁は、外側部材の円筒形壁21Aと実質的に同一(通常は、±5%以内)の直径を有する円形エッジによって境界が定められており、これに起因し、この上部壁は、前記非作動形態において、この外側部材の凸状表面21Bを完全に覆っている。或いは、この代わりに、載頭円錐形の側部壁の場合には、前記円形エッジは、実質的に、載頭円錐形の壁の小さいほうの端部と実質的に同一の直径を有する。円形を逸脱した形状を有する上端を側部壁が有する場合には、上部部材は、その上端の形状を可能な限り近似した形状を有する。
【0045】
この上部壁31は、この場合には、わずかに凸状であるが、これは、この代わりに、必要に応じて(特に、審美性の観点において、或いは、場合によっては、人間工学の観点において)、平らであってもよく、或いは、わずかに凹状であってもよい。
【0046】
このキャップは、この上部壁の下方に、キャップ本体32を更に含み、このキャップ本体32は、2つの側部フランク33A及び33Bを有し、これらの2つの側部フランク33A及び33Bは、対称面Y−Y(図10)に対して平行であると共に、この対称面Y−Yに対して対称である。軸に対して平行な部分34Aと、注出オリフィス35を通過する横断方向の部分34Bと、を有する注出路34が、キャップ本体の内部に設けられている。注出路の部分34Aは、キャップ本体32の基部32Aにおいて排出している。この基部32Aは、傾斜部24に沿って摺動することができるように、傾斜部24の曲率に実質的に等しい曲率を有する。
【0047】
側部フランク33A及び33Bには、基部32Aに沿ったそれぞれの内側エッジの近傍に、上部部分に対向する肩部を有するこの場合には三角形の断面のデテント38A及び38Bが設けられており、これらのデテントは、好ましくは、それぞれの下部エッジの全体に沿って延在しており、有利には、それぞれのエッジに対向する肩部39A及び39Bが、それぞれの長さの少なくとも一部分にわたって、それぞれの側面に配置されている。デテント及び肩部は、協働し、栓本体のレール27A及び28Bを受け入れるように設計された溝40A及び40Bを規定しており、これらの溝40A及び40Bは、従って、栓本体の外側部材の湾曲したレール27A及び27Bと同一の離隔及び同一の曲率を有するように、湾曲している(装着された部材24の曲率に略等しい)。
【0048】
このキャップは、外側表面12の反対側に、栓本体の凹状表面21Bと実質的に同一の曲率半径を有する球面の一部である凸状の下部表面41を含む。これらの表面21B及び41は、互いに上下に配置された状態において摺動するように設計されている。
【0049】
この下部凸状表面は、キャップ本体が栓本体の相補的な表面21B内のスロット25を通過することができるように、凹状表面に対向するキャップ本体が突出するような形状を有しており、図15は、摺動表面の上方において、基部32A(ここで、キャップ注出路の垂直部分が排出している)と装着された部材24(ここで、供給オリフィス23が排出している)の間において、これらの相補的な表面41及び21Bの間の協働が実現されることを明瞭に示している。このオフセットは、キャップ本体の基部の全体に沿ったデテント38A及び38Bの存在によって支持されている。図示されていない代替肢においては、キャップ本体及び装着された部材の相補的な表面は、栓本体及びキャップが、横方向に、且つ、主スロットから離れる方向に、ガイドされる(且つ、結合される)場合には、相補的な表面21B及び41と同一の球状表面を規定してもよい。
【0050】
この下部凸状表面は、少なくとも、キャップのエッジの近傍に、且つ、注出オリフィス35の周囲に存在している。これらの領域外においては、材料は、凹入していてもよい。
【0051】
フランク33A及び33Bが一部分を構成しているキャップ本体は、2つの端部エッジを含み、図9に示されている注出オリフィス35に最も近接した右手エッジは、前方エッジ30Aと呼び、図9の左側の別のエッジ30Bは、後方エッジと呼ぶ。
【0052】
上述の様々な部分の協働は、図11〜図15から明らかである。
【0053】
図11においては、図5〜図8の内側部材22と外側部材21が、例えば、これらの部材のうちのいずれかのものの上部の環状ビーズが、他方の部材の上部の溝と協働することによって1つにクリップ結合されるなどの適切な手段により、1つに組み立てられている。
【0054】
この組立の後に、内側部材の傾斜部24は、外側部材の主スロット25の少なくとも前方部分に(即ち、図7のこのスロットの右手部分)と対向する。
【0055】
溝40A及び40Bがレール27A及び27Bの周りに係合することによって本体20に対してキャップ30を保持及びガイドする時点まで、この本体上に、主スロット内におけるフランク33A及び33Bの係合により、更にキャップ30を取り付ける。これにより、キャップは、栓本体内にクリップ結合され、且つ、湾曲した軌跡に沿ってガイドされる。
【0056】
前述のレール27A及び27Bの可撓性は、本体の最上部へのキャップの取付けを容易にする。又、この可撓性により、キャップと本体の間における弾性圧縮も可能となる。
【0057】
この組立完了後の形態においては、キャップ本体は主スロットを通過し、且つ、その面は傾斜部24に圧接している。
【0058】
但し、キャップと本体の間の協働は、第2スロットが存在していない場合にも可能であることは明らかである。
【0059】
キャップが栓本体上において係合した際に、主スロットの対称面Z−Zは、キャップのフランクのペアの対称面Y−Yと一致することが明らかである。
【0060】
キャップは、主スロット内におけるこれらのフランクの摺動により、この本体に対して可動であり、これは、当然のことながら、このスロットが、これらフランクよりも長いことを前提としている。
【0061】
以上において非作動形態と呼ばれている形態においては、キャップは、本体と同軸状態にあり、且つ、本体をぴったりと覆っており(図11〜図13)、即ち、その上部壁は、本体の凹状表面21Bを完全に遮蔽しており、且つ、この凹状表面が注出オリフィスを遮断している。栓は、休止状態にある。
【0062】
この検討対象の例において、キャップ30が本体20の側部表面と同一の直径を有している場合には、分離のラインは、上方からは、可視状態にない。側面図においては(図11及び図12、図4、並びに、場合によっては、図2を参照されたい)、分離のラインは知覚可能ではあるが、栓の最上部の直ぐ近傍に位置しており、ほとんど可視状態にはない。但し、本発明は、これによって限定されるものではなく、且つ、その代わりに、キャップの可視状態の部分を更に厚くすることもできよう。
【0063】
この形態においては、内側部材を貫通する供給路23は、その基部を貫通してキャップ本体内に形成された止まり孔36に対向する状態において排出していることに留意されたい。従って、供給路23と注出路34は分離されており、これにより、外部からの瓶の内部の良好な封止された隔離が促進される。この代わりに、止まり孔36を省略し、供給路がキャップ本体の基部に対向する状態において単純に排出するようにしてもよい。
【0064】
注出オリフィス35は、主スロット25の前方端部の正面に位置した凹状表面21Bの一部と対向することにより、遮断されている(この凹状表面のエッジに対する前方端部の位置は、相応して選択されなければならない)。
【0065】
従って、この非作動形態においては、栓本体に設けられた供給路が注出路から隔離されており、且つ、供給路自体も外部から隔離されているため、外部に対する瓶の内側の二重の隔離が存在している。
【0066】
様々な部品の構成材料は、有利には、(傾斜部とキャップの凸状表面の間の、且つ、注出オリフィスと本体の凹状表面の間の)このように遮断される様々なオリフィスの周囲に良好な封止を提供するように選択される。
【0067】
図11〜図13の形態は、図1〜図4の形態に対応しており、栓は、本体とキャップの間の実際に可視状態にある分離を伴うことなしに、且つ、いずれの場合にも、可視状態の注出オリフィスを伴うことなしに、より清浄な審美性を有していることが明らかである。
【0068】
この非作動形態においては、栓本体に対するその動きの一端において、キャップ本体上の肩部は、有利には、栓本体の相補的な支承表面に当接している。例えば、この非作動形態は、主スロットの後方端部との当接係合状態になる後方エッジ30Bによって規定されており、或いは、この代わりに、キャップは、本体の内部に向かって主スロットを通じて突出する支承表面を含んでもよく、本体は、この主スロットの下方に、キャップがその非作動形態にある最も後方の位置をキャップの支承表面と共に規定する相補的な支承表面を含む。
【0069】
実際には外側表面12上における接線方向の摩擦によってキャップを横断方向に単純に押し出すことにより、ユーザーは、キャップを図11〜図13のその非作動休止形態から図14及び図15のその作動サービス形態に動かしてもよい(この押出しは、主スロット及びフランクのペアの対称面に対して平行に、且つ、前方に向かって、即ち、主スロットの前方端部に向かってフランクのペアを動かすのに適した方向に実行される)。
【0070】
この栓本体に対するキャップの動きは、注出オリフィス35が、栓本体の凹状表面と対向した状態において露出するのに十分なものである。図15において、本体に対するキャップの摺動運動は、この注出オリフィスが完全に露出するのにちょうど十分なものである。
【0071】
このキャップの摺動運動(並びに、従って、非作動休止形態に対する動き)は、当接係合状態になる相補的な要素によって規定されており、これは、主スロットの前方端部に対するフランクのペアの前部壁(この場合には、エッジ30A)の当接係合であってよい。
【0072】
図14及び図15に示されている作動形態においては、注出路の軸方向の部分34Aは、注出路34が、メイン供給空洞13との、且つ、従って、瓶の内部との連通状態となるように、傾斜部24の供給路23とアライメントされた状態となる。但し、注出路34Aの入口を取り囲むキャップ本体の基部32Aの表面は、傾斜部とキャップの基部の間に有効な封止が存在するように、傾斜部24に圧接している。この観点において、小箱のフランクがそれらに沿って摺動するレールの剛性を活用することにより、傾斜部に対するキャップのなんらかの軸方向の圧力によってこの封止を強化してもよい。
【0073】
或いは、この代わりに、栓本体とキャップの間の封止を強化するために、対向した状態となるようにオリフィスの近傍に更なる厚さを提供してもよい。このような追加の厚さは、キャップに適用される栓本体に対する動きの限界点を構成するという利点をも有することになることに留意されたい。このような限界点は、作動(サービス)及び非作動(休止)形態のそれぞれごとに、任意の適切な方式によって設けてもよい。
【0074】
図14及び図15の栓が、左側に向かって、且つ、下向きに傾いた場合には、通路34の内容物は、重力のみにより栓から流出することになり、或いは、この代わりに、この流れは、例えば、瓶が変形可能である場合には、瓶に印加される圧力の結果として生成されてもよいことは明らかである。
【0075】
又、キャップのフランクのガイドレールの剛性(又は、多少の可撓性が存在しているため、「スティッフネス」)は、このような逆方向の動きの際に注出オリフィスの有効な封止に寄与する。
【0076】
作動形態に向かう動きに関する上述の内容との類似性から、この逆の動きは、1本の指によって印加される横断方向の摩擦によって得られよう。
【0077】
この横断方向の摩擦による変位の可能性は、キャップの外側上部表面が凸状であるか、平らであるか、或いは、凹状であるかとは無関係に、存在することが明らかである。
【0078】
作動サービス形態において観察されることになるキャップの内側表面の一部のみが、注出オリフィスの周りに位置した三日月形状の凸状表面であり、且つ、この作動形態においては、観察されることになる栓本体の凹状表面の一部のみが、キャップの摺動によって露出する三日月形状の表面であることが明らかである。これらの表面は、有利には、連続しており、メイン又は第2スロットに起因した不連続性を伴っていない。従って、キャップの作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、且つ、それらの間において、より清浄な審美性が維持されている。
【0079】
ユーザーによる注出栓のキャップの操作は容易であることが明らかである。従って、この栓は、審美性及び人間工学、並びに、前述の有利な特徴が付与された場合には、良好な封止をも兼備している。
【0080】
図16〜図23は、本発明の別の実施形態の注出栓を示している。
【0081】
図1〜図15の栓の各要素に対応する別の栓の各要素は、100を加算することによって図1〜図15に使用されている参照符号から推定される参照符号により、表記されている。
【0082】
これら2つの注出栓の主な相違点は、図1〜図15の実施形態においては、注出オリフィス35が、キャップに含まれているのに対して、図16〜図24の実施形態においては、注出オリフィスが、栓本体に含まれているという点にある。この結果、第1実施形態においては、作動サービス形態へのキャップの動きは、製品が流れることを要する側に位置しているが、第2実施形態においては、この動きは、製品が流れる側から離れる方向である。但し、いずれの場合にも、このオリフィス35又は135は、キャップがその非作動休止形態にある際には遮断され、且つ、キャップが作動サービス形態にある際には露出する。
【0083】
更に正確には、図20及び図23の栓110の本体は、メイン供給空洞113を規定する内側部材122と、外側部材121とを含み、外側部材121は、有利には円柱である(栓110の側部表面111を構成する)側部表面121Aと、本体110の最上部を形成する凹状表面121Bとを有する。
【0084】
図16は、この外側部材121を示している。凹状表面121Bには、主スロット125が設けられ、この主スロット125に第2スロット126A及び126Bが隣接することにより、ガイドレールを形成する材料の帯127A及び127Bが形成されており、且つ、これらのスロットによって境界が定められたレール127A及び127Bの剛性を増大させるために材料の橋架部を第2スロットの途中に設けてもよいことに留意されたい。
【0085】
主スロットの右側の端部125Cは、この場合には、主スロットの残りの部分よりもかなり幅が広い。
【0086】
内側部材122は、好ましくは上部に成形された部材124内に形成された供給路123が、有利には、この部材124の傾斜形状の上部表面内において、本体の軸及びその入口から発散するように外向きに傾斜しており、使用の際に、瓶に収容された製品が、適宜、重力のみにより、それを通じて注出されるオリフィス135を構成しているという点を除いて、図5及び図6のものに類似している。この理由により、この傾斜形状の上部表面は、少なくともこの上部壁の上部表面と同一の高さになるように、主スロットの幅が広くなった部分125Cにおいて、栓本体の部分121の凹状の上部壁を横断するように隆起している。注出オリフィス135を構成する入口は、好ましくは、封止リップ124Aによって更に取り囲まれている。
【0087】
以前のものと同様に、傾斜部は、栓本体の内側部材上に直接形成してもよい。
【0088】
第1実施形態とは異なり、キャップ内に注出路を設ける必要はないことが明らかである。
【0089】
図17〜図19は、このキャップ130を示している。第1実施形態のキャップ30と同様に、このキャップは、上部壁131とキャップ本体132とを含み、キャップ本体132は、フランク133A及び133Bを有し、これらのフランク133A及び133Bには、レール127A又は127Bを受け入れるように適合された湾曲した溝140A又は140Bの境界を定めるために、デテント138A又は138Bと、恐らくは、肩部139A又は139Bと、が基部132Aに沿って設けられている。
【0090】
そのフランク133A及び133Bが一部分を構成しているキャップ本体132は、終端エッジ130A及び130Bを有する。この本体と一致した状態において、有利にはキャップの注入点を収容する凹入部134が存在している。この凹入部は、キャップが非作動休止位置にある際に、注出オリフィス135上においてセンタリングされるが、その寸法は、好ましくは、オリフィス135の寸法よりも格段に小さい。注入点のその他の位置も好適である。
【0091】
図20及び図21は、キャップが非作動休止形態にある際の第2注出栓110を示している(内側部材121は、図16のものに対して180°だけ回転した形態を有する)。この第2の栓の外観は、図1〜図4のものと同一である。
【0092】
相応して、上方から観察された際に、キャップの上部壁131は、栓本体110を遮蔽している。一方、この栓を側方から観察した際には、単一の分離ラインが、栓本体の最上部の直ぐ近傍において、栓本体とキャップの間に可視状態となり、このラインは、実質的に、このようにして形成される栓の最上部と一致している。
【0093】
但し、本発明は、これによって限定されるものではなく、且つ、キャップは、この代わりに、側面図において、更に大きな厚さを有してもよく、即ち、キャップと外側部材121の間の分離のラインは、栓の高さの中間に更に近接してもよい。このラインは、好ましくは、栓の上半分内に、且つ、場合によっては、更に好ましくは、上三分の一以内に位置している。
【0094】
注出オリフィス135とキャップの間の封止は、注出オリフィスの周りにおいてキャップによって圧縮される可撓性封止リップ124Aの有利な存在によって強化されている。
【0095】
図22及び図23は、その作動サービス形態にあるこの栓を示している。
【0096】
図14(又は図15)と同様に、注出オリフィス135が軸の左側にあることにより、このオリフィスを露出さるためにキャップに与える動きは、右に向かう動きであることに留意されたい。この動きは、第1の栓と同一の方法によって得られる。第1の栓と同様に、その作動サービス形態に向かう(並びに、逆に、その非作動休止位置に向かう)キャップの移動は、実際には、当接係合状態となるそれぞれ栓本体上の及びキャップ上の相補的な支承表面によって境界が定められている(これは、本体の支承表面に当接するキャップのエッジの問題となろう)。
【0097】
図14及び図15を参照して説明したように、キャップの動きは、注出オリフィス35を完全に露出させるのに十分なものである。
【0098】
主スロットとフランクの組合せに起因し、キャップは、栓本体に対して軸方向において結合され、且つ、キャップの摺動は、作動形態と非作動形態の間の相対的な動きに沿って効果的にガイドされるが、可視状態にあるガイドは存在しておらず、換言すれば、審美性又は人間工学又は封止の劣化を伴うことなしに、効果的な案内が得られることが明らかである。
【0099】
前述のように、本発明の注出栓は、通常、1〜3cm(例えば、2〜2.5cm)程度の直径を有する瓶の首に取り付けられるように意図されており、この結果、この栓は、有利には、1.5〜4cm(例えば、3cm程度)の直径を有し、栓の高さは、好ましくは、この直径の2/3〜3/2である。
【0100】
栓本体及びキャップの摺動表面は、有利には、例えば、その直径に少なくとも略等しいものなどのように、栓の直径の半分〜2倍の曲率半径を有する。これらの半径は、少なくとも略等しいが、キャップのフランクのガイドレール上における軸方向の牽引を可能にするために、例えば、通常は1ミリメートル未満などのわずかな差がこれらの半径の間に存在するように選択してもよい。
【0101】
キャップ本体の(その軸を横断する方向における)長さは、有利には、最大で、栓の直径の2/3に等しく、好ましくは、その直径の1/3〜1/2であり、スロットは、好ましくは、栓の直径の2/3〜9/10の(栓の軸を横断する方向において計測された)長さを有し、スロット内における本体の動きは、(第1の実施例を参照しているのか又は第2の実施例を参照しているのかに応じて)キャップ又は栓本体の摺動表面の十分な部分を露出させて対象製品の良好な流動に不十分なものとならないように注出オリフィスを配置するために、好ましくは、少なくとも、栓の直径の1/4に、或いは、場合によっては、1/3に等しい。
【0102】
キャップ本体の幅と、従って、主スロットの幅は、有利には、この直径の1/10〜3/10である。
【0103】
内側部材22又は122の材料は、機械的強度、費用、及び製品の組成との互換性という基準にのみ基づいて選択してもよく、この材料は、例えば、ポリプロピレンなどのプラスチック材料(又は、ポリオレフィン族の任意のその他の材料)であってよい。但し、キャップの本体の下部エッジがそれに沿って摺動する傾斜部24又は124は、良好な封止を得るために好適な可撓性表面(ゴムのような外観)を有する材料(例えば、エラストマ)を有することが有益であり、部材24又は124は、有利には、内側部材の残りの部分上に成形された挿入体である。
【0104】
外側部材及びキャップは、有利には、例えば、共重合ポリエステルなどの耐引っ掻き性を有するブラックプラスチック材料などのその審美的な品質のために選択された同一の材料によって製造される。
【0105】
注出路の部分(栓本体内であるのか又はキャップ内であるのかを問わず)は、栓用に選択される寸法に鑑み、可能な限り大きく、これは、有利には、細長く(即ち、これは、横断方向の長さよりも格段に小さい横断方向の幅を有してもよく)、この通路の部分が大きく、且つ、製品の粘度が小さい場合には、重力による流動が非常に容易となることが明らかである。当業者は、これらの様々なサイズの適切な組合せを実現する方法を見出すことができよう。
【0106】
当然のことながら、変形構造が可能であり、具体的には、内側及び外側部材22及び21又は122及び121は、オーバーモールドによって製造することも可能であり、或いは、場合によっては、単一部分を構成することもできよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶の注出栓に関する。特に、本発明は、瓶に収容された液体製品又は粘性を有する製品を注出するための栓を対象としており、これらの製品は、しばしば、重力のみによって流動してもよい。本発明は、更に詳しくは、化粧品の分野における、或いは、場合によっては、薬剤又は食品の分野における製品の注出、即ち、わずかに数センチメートルの(通常は、最大でも3cm、或いは、場合によっては、2cmの)横寸法を有する栓を有する瓶に通常収容される製品の注出を目的としている。
【0002】
又、本発明は、この栓を備えた瓶にも関する。
【背景技術】
【0003】
このような栓が首に取り付けられた(実際には、ねじ留め又はクリップ留めされた)瓶に収容された製品を注出できるようにする多様な栓構造が既に知られている。非作動形態においては、このような栓は、通常の栓に似ているが、作動注出形態においては、栓の上部部材を動かし、排出オリフィスを介して製品を排出できるようになる。様々なタイプの構造に区別してもよい。
【0004】
1984年に公開された独国特許出願公開第3300190号明細書(Zeller Plastik)の文献には、本体を有する栓が知られており、且つ、この栓の最上部の部分は、本体を貫通する通路が、栓の上部部材の可動部分内に含まれる注出路から隔離される休止形態と、供給路と注出路が、この可動部分との連通状態にあり、これにより、本体に対して半径方向に突出している作動形態と、の間において半径方向に平行に可動な狭細片から形成されている。この栓の外側表面は、複雑であり、可動部分と、可動部分が動く領域内において可動部分の前方部分を覆う変形可能な部分と、これら2つの部分がその間を摺動する側部部分と、が協働することによって形成されている。
【0005】
1995年に公開された国際公開第95/11172号(Zeller Plastik)の文献には、様々な栓構造が更に開示されており、これらの構造は、瓶の首に取り付けるための本体と、最上部のキャップと、を含み、このキャップは、キャップの最上部に含まれる注出路が供給路から隔離される非作動形態と、これらの通路が連通状態にある作動形態と、の間において、実質的に直径方向の軸を中心として枢動可能である。非作動形態においては、キャップは、キャップの外周の大部分にわたって(キャップを作動形態に向かって枢動させるための軸方向の推力の印加を可能にする切欠き領域を除いて)キャップを取り囲む本体の側部スカートの内部において係合する。このスカートの存在は、具体的には、枢動軸の提供を可能にするために必要である。
【0006】
国際公開第2004/071882号(Poly−Seal Corp)の文献においては、栓は、瓶の首において係合する栓本体と、本体上において枢動するように取り付けられたキャップと、を含む。栓本体は、瓶の内部と(従って、本体の底部部分と)常に連通状態にある供給路を含み、キャップは、(排出オリフィスに通じる)注出路を含み、非作動(又は、閉鎖)形態において、栓のキャップは、注出路が栓本体の通路から隔離される本体との関係における形態を有し、作動(又は、開放)形態においては、栓のキャップは、注出路が供給路との連通状態にある本体との関係における形態を有する。この2つの形態の間におけるキャップの形態の変化は、キャップを枢動させるための、例えば、指による軸方向の圧力によって得られる。又、キャップは、枢動が可能な角度位置と枢動が不可能な位置の間において本体の軸を中心として回転することも可能である。非作動形態においては、このキャップは、栓本体の軸を横断する方向に配設され、且つ、その外周の大部分にわたって栓本体の側部スカートによって取り囲まれており(製品の排出オリフィスは、このスカートによって遮蔽される)、このキャップの枢動は、軸に対する傾斜として反映される。栓の外周のその上部表面のレベルにまで及ぶスカートの存在は、一方においては、枢動軸の提供を可能にするために(栓は軸を中心として回転可能でなければならない)、且つ、他方においては、非作動形態において排出オリフィスを適切に遮蔽するために、必要であることが明らかである。
【0007】
直線状に摺動する又は枢動するキャップを栓本体に設ける代わりに、円弧形状の湾曲した軌跡に沿って摺動するように適合されたキャップを設けることも提案されている。
【0008】
即ち、2002年に公開された国際公開第2002/32776号(Crown Cork & Seal Technologies Corp)の文献は、容器の首に取り付けるためのキャップ本体と、細い上部部材と、を含む容器用の栓を開示しており、細い上部部材は、この細い部分に含まれる注出路が本体内に形成された供給路から隔離され、その排出オリフィスが遮断される非作動形態と、供給路と注出路が相互に連通した状態にあり、排出オリフィスが露出している作動形態と、の間において、円弧形状の軌跡に沿って本体上において直径方向に可動である。弧形状の平行運動軌跡の1つの利点は、細い上部部材の動きにより、平行運動が実現される湾曲表面が排出オリフィスを遮断又は露出させることが可能になると同時に、開放形態における製品の容易な注出が可能になるという点にあると記述されている。しかしながら、前述のように、可動である上部部材が細く、この可動部分のフランクの基部におけるフックの埋め込みを実現すると同時に、これらのフックを受け入れるために本体内にスロットを設けると共に作動形態と非作動形態の明瞭な弁別を可能にするために十分な湾曲平行移動を可能にする必要があると考えられる点に留意されたい。
【0009】
これらの既知の解決策は、(構造の観点において、且つ、場合によっては、使用の観点において)複雑であり、且つ、これらの構造は、多くの場合に、関係する栓の審美性を恐らくは劣化させるであろう程度にまで可視状態にあることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第3300190号明細書
【特許文献2】国際公開第95/11172号
【特許文献3】国際公開第2004/071882号
【特許文献4】国際公開第2002/32776号
【特許文献5】英国特許出願公開第1094588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、わずか数センチメートルの横寸法において、且つ、非常に信頼性の高い機械的案内により(具体的には、望ましくない回転を伴うことなしに)、閉鎖形態と開放形態の両方における(コンポーネント部品の間の分離を可能な限り知覚不能にすることによる)より清浄な審美性と良好な人間工学(具体的には、1本の指による操作)を兼ね備えた液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓を提供することを目的としている。本発明は、有利には、(長い製品保管寿命を実現するために)液体が漏れないよう、或いは、場合によっては、空気を通さないよう瓶の内部と外部の間の良好な封止を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的のために、本発明は、瓶に取り付けられるように適合されると共に供給空洞を含む栓本体と、この本体に対して製品注出オリフィスが遮断される非作動形態とこの注出オリフィスが外部に露出すると共に供給空洞と連通する作動形態の間でこの本体に対して動くように適合された上部片と、を含む液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓を提案しており、この栓は、この栓が本体によって形成された側部壁を有し、且つ、前記非作動形態において、上部壁は、完全に上部部材の上部壁から構成され、この本体及びこの上部部材は、それぞれ、凹状及び凸状である相補的な部分的に球状の表面を有し、これらの相補的な部分的に球状の表面は、相対的な動きによって互いに沿って摺動するように適合され、且つ、その作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、この上部部材によって遮蔽された状態に留まる相補的な保持及びガイド要素によって接続されていることを特徴とする。
【0013】
上部部材が栓の上部表面の全体を占有しており、且つ、この栓の側部壁が栓本体によって形成されているため、この本体とこの上部部材の間の分離は、可視状態とならないように、実質的にこれら上部表面と側部表面の接合部に位置しており、この分離のラインは、この接合部が円である場合には、この接合部の直ぐ近傍に位置するが、この接合部が、例えば、非常に丸いコーナーを有する正方形や楕円などのように、円に近い輪郭を有する場合には、ほとんど可視状態にない状態に留まることが明らかである。より清浄な審美性に加えて、その作動形態と非作動形態の間において上部部材を動かすには、1本の指の横断方向の動きだけで十分であるため、この栓は、その使用法が人間工学的に優れている。
【0014】
従って、側部壁と上部壁の間の接合部は、好ましくは、円形の輪郭を有し、側部壁は、有利には、円柱であるか、或いは、場合によっては、小さな円錐角を有する(通常は20°未満の頂点における半角を有する)載頭円錐形の円柱であることが明らかである。
【0015】
本体の凹状の摺動表面は、有利には、対称面を有する主スロットを含み、且つ、上部部材は、この凸状の摺動表面に対して突出し、且つ、主スロットの対称面に対して対称である2つの平行フランクを含み、これらのフランクには、これらのフランクに係合すると共にこれらのフランクを主スロット内において保持するためのクリップデテント(又は、横断方向のスロット)が設けられており、その対称面に沿ったこの主スロットの寸法は、この主スロットが上部部材の非作動形態及び作動形態のそれぞれにおいて上部部材によって遮蔽された状態に留まるようなものになっており、注出オリフィスは、摺動表面のうちの1つの内部に位置し、且つ、主スロットの対称面に対して対称である。
【0016】
本体がスロットを含んでいる一方で、このスロット内において摺動する2つの平行フランクが上部部材に設けられているということは、上部部材の効果的なガイドと同時に、軸に対するその角度的配向の維持をも保証している。最後に、スロットは、上部部材の位置のそれぞれにおいて遮蔽された状態に留まるような寸法を有しているため、栓の審美性が、そのあらゆる形態において維持されている。
【0017】
目的とする動きが、例えば、上部部材に作用するユーザーの右手又は左手に応じて湾曲している場合には、スロットの断面が直線上でなくてもよいことは明らかである。
【0018】
湾曲した軌跡に沿って平行に可動な部材による注出オリフィスの遮断については、1967年に公開された英国特許出願公開第1094588号明細書(Bettix Ltd)の文献において、既に提案されている。更に正確には、この文献は、スロット及び開口部が内部に形成された部分的に球状のカップから形成された非常に局所化された凹入領域を上部壁が含む全体的に円筒形の缶について記述している。この凹入部の表面に沿って、この表面に沿って平行に可動な皿形の凸状部が、スロットを通過する円形断面の簡単なフィンガによってガイドされる状態において取り付けられており、凸状部が凹入部の容積を占有しているかどうかに応じて、凸状部に沿って摺動することにより、開口部が遮断又は露出され、これにより、容器内の材料(原則的に粉である)の開口部を介した注出が可能になるか又は妨げられる(従って、凸状部が注出口として機能することができる)。非作動形態においては、凸状部は、実質的に缶の上部壁と同一の高さに位置していることに留意されたい。
【0019】
しかしながら、この文献は、化粧品製品とまったく関係がなく(この文献は、料理用の塩や洗剤に言及している)、且つ、瓶に取り付け可能であると共に側部壁及び上部壁を有する栓とまったく関係がなく、更には、この文献は、審美性とまったく関係がないことに留意されたい。
【0020】
更には、上述の文献が、凸状部の角度的な位置決めとまったく関係がないのに対して、この点は、(特に、キャップの外側表面上にロゴを配置し、且つ、使用の際に、このロゴが、瓶に対して、且つ、従って、キャップの残りの部分に対して、所与の向きを保持することを保証する必要がある場合に)、本発明が対処する審美的な制約のうちの1つであってよい。
【0021】
本発明のその他の有利な特徴によれば、適宜、組合せにおいて、
主スロットには、上部部材のフランクのための2つの可撓性ガイドレールを前記主スロットと共に規定する2つの第2スロットが隣接しており、このような可撓性は、本体に対して上部部材を適切に保持することに寄与し、
材料の橋架部を第2スロットに跨って設けてもよく、この結果、軸に平行な又は軸を横断する方向の可撓性の制御が可能となり、
フランクは、デテントと対向して主スロットのエッジを受け入れるための溝を規定する肩部を含み、この結果、これらのフランクに対するスロットのエッジの正しい位置決めが保証され、
摺動表面は、上部部材の平均幅(円形の輪郭の場合には、その直径)の半分〜2倍の曲率半径を有し、これは、容易な摺動に符合しており、
主スロットは、上部部材の直径の少なくとも3分の2の長さを有し、これにより、注出オリフィスが内部に設けられた摺動表面の十分な部分を露出させてそのオリフィスを効果的に露出させることが可能となり、
栓本体に対する上部部材の作動及び非作動形態は、有利には当接係合状態となる摺動表面の近傍に位置した相補的な支承表面によって規定され、これにより、上部部材上に小型の形状を付与することが可能となり、
栓本体は、作動形態と非作動形態の間において上部部材が動いた際に、上部部材のフランクが隣接するように適合された傾斜部を含み、この傾斜部は、栓本体の内部からの注出オリフィスの良好な隔離に寄与し、この傾斜部が栓本体の内側部材上に成形された部分の一部であることが特に好ましく、この内側部材は、この本体の外側部材内において係合し、この外側部材と上部部材は、栓の外側表面を規定しており、これにより、審美性と有効な封止を兼ね備えるための複数の材料の選択が可能となる。
【0022】
本発明の第1実施形態においては、注出オリフィスは、上部部材の摺動表面内に位置しており、この上部部材は、注出路を含み、この注出路は、この注出オリフィスにおいて終端すると共に、上部部材がその作動形態にあるのか又はその非作動形態にあるのかに応じて、本体の供給空洞と選択的に連通するように構成されている。
【0023】
栓本体は、好ましくは、この本体の軸に対してオフセットされた供給路を含み、且つ、上部部材の供給路は、好ましくは、この上部部材の軸からオフセットされた領域内において排出している。
【0024】
本発明の別の実施形態においては、注出オリフィスは、本体の摺動表面内に位置しており、且つ、本体に対する上部部材の摺動運動は、本体の軸に対するそのオリフィスの動きとは反対方向である。
【0025】
本発明は、上述の有利な任意選択の機能を伴って又は伴うことなしに、上述のタイプの注出栓が装着された瓶を更に提案している。
【0026】
本発明の目的、特徴、及び利点については、例示を目的として、且つ、非限定的な例として、添付図面を参照して提供される以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】軸方向の断面において示されている瓶の首に係合する時点の本発明の第1実施形態による注出栓の正面図である。
【図2】この注出栓の斜視図である。
【図3】注出オリフィスを横切る切断面の軸方向断面における注出栓の図である。
【図4】図3の切断面IV−IVにおける軸方向断面図である。
【図5】注出栓の円筒形本体の内側部材の斜視図である。
【図6】軸方向断面における内側部材の図である。
【図7】円筒形の栓のこの円筒形本体の外側シュラウドの斜視図である。
【図8】主スロットを横断する方向の切断面の軸方向断面における外側シュラウドの図である。
【図9】注出オリフィスを含む切断面の軸方向断面における上部部材の図である。
【図10】図9の切断面X−Xの断面における上部部材の図である。
【図11】非作動形態における注出栓の軸方向断面図である。
【図12】図11の細部XIIを更に拡大した図である。
【図13】図12の切断面XIII−XIIIの断面におけるこの細部の図である。
【図14】作動形態におけるこの栓の軸方向断面図である。
【図15】図14の細部XVを更に拡大した図である。
【図16】本発明の別の実施形態の注出栓の円筒形本体のシュラウドの斜視図である。
【図17】別の注出栓の上部部材の側面図である。
【図18】図17の面に平行な切断面の軸方向断面におけるこの上部部材の図である。
【図19】図18の切断面XIX−XIXの軸方向断面におけるこの上部部材の図である。
【図20】非作動形態における別の注出栓の断面図である。
【図21】図20の細部XXIを更に拡大した図である。
【図22】作動形態におけるこの栓の断面図である。
【図23】図22の細部XXIIIを更に拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1〜図15は、いずれも、本発明の第1実施形態の注出栓を示しており、図16〜図23は、本発明の別の実施形態を示している。これらの図面に示されている注出栓の主要な相違点は、例えば、重力のみにより、液体又は粘性を有する化粧製品がこの注出栓を通じて流れることができるようにする注出オリフィスの位置である。関係する製品は、この代わりに、液体の食品又は薬剤製品、或いは、粘性を有する食品又は薬剤製品であってもよい。別の代替肢は、この種の本発明の栓が取り付けられた可撓性瓶に圧力が印加された結果、製品の流れが得られるというものである。
【0029】
図1は、化粧品製品の瓶1の首2に係合する時点の注出栓10を示している。この係合は、必要に応じて、任意の種類のものであってよい。栓は、この場合には、瓶の首におけるスナップフィットとなるように意図されており、この目的のために、瓶に栓を結合させるための外周リブ3が設けられており、瓶に対して栓を角度的に割り出させるために、図示されてはいない突起を更に設けてもよい。栓は、この代わりに、瓶の首にねじ留めされてもよい。
【0030】
図2から明らかなように、栓は、この場合には、円筒形の形状を有し、円筒形の側部表面11と、軸を横断する方向の上部表面12と、を有する。側部表面は、この代わりに、載頭円錐形の形状において、例えば、約20°などの半角により、朝顔状に広がるようにしてもよく、この側部表面は、文字通り幾何学的な意味において等しく柱状であってもよく、即ち、例えば、丸いコーナーを有する矩形などのような一定の断面を有してもよい。但し、以下においては、栓のコンポーネント部品間における良好な遮蔽を可能にするという利点を円筒形状が有していることを理解されたい。
【0031】
以下の図面から明らかになるように、この円筒形の側部表面とこの上部表面は、1つに結合されると共に相補的なガイド要素が設けられた異なる部材上に形成されている。
【0032】
即ち、注出栓10は、
この場合には、外側部材21と、内側部材22と、を含む円筒形本体と、
キャップとも呼ばれる上部部材、
という2つの部材を有していることが、図3及び図4に示されている。
【0033】
栓10の円筒形本体20は、この場合には、内側部材22によって境界が定められた主空洞(供給空洞と呼ぶ)13を含む。
【0034】
この内側部材22は、図5及び図6に更に詳細に示されている。これは、任意の適切な材料、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又は任意のその他の適切な材料などの熱可塑性材料から製造される。
【0035】
この内側部材22は、主には、瓶の首に蓋をするように適合された円筒形のスカート22Aと、このスカート22Aの上部を閉鎖する横断方向の壁22Bと、から構成されている。この円筒形スカートは、瓶の首との間の良好な協働を可能にする内側形状を有しており、この例においては、係合がスナップ固定によるものであることから、スカート22Aは、内部に、首2上のリブ3にスナップ結合するように適合された環状の溝22Cを含む。横断方向の壁22Bを貫通する供給路23は、この壁の両側の空間が連通できるようにする。
【0036】
この供給路23は、有利には、部材24を貫通して生成されており、この部材24は、例えば、側部スカート及び横断方向の壁の一部を形成する部分に、例えば、成形などによって装着されると共に、円筒形の壁22Aと一致する(と共に、好ましくは、幅が広くなる)時点まで壁22Bの中心から延在する傾斜部の形状を有する。この傾斜部は、部分的に円形であって上向きで凹状の形状を有する。この部材24は、有利には、内側部材22上に成形されたエラストマ材料によって製造される。この代わりに、傾斜部は、内側部材上に直接形成されてもよい。
【0037】
外側部材21が図7及び図8に更に詳細に示されている。嵌合する内側部材と同様に、外側部材も、円筒形形状のスカート21Aと、その上部においてこのスカートの断面を閉鎖する横断方向の壁21Bと、を含む。
【0038】
この横断方向の壁は、壁の軸Z−Z上においてセンタリングされた凹状の部分的に球状の形状を有する。この凹状の壁21B内には、主スロット25が形成されており、この主スロット25は、有利には、軸Z−Zを通過する対称面を有し、且つ、この対称面のラインは、図8において軸Z−Zと一致している。このスロットは、(少なくとも上方から観察された際に)平行なエッジを有する。
【0039】
この主スロットには、有利には、こちらも対称面Z−Zに対して対称な配列状態で主スロットの両側に配設された第2スロット26A及び26Bが補完されている。これらの第2スロット26A及び26Bは、湾曲したレール27A及び27Bを主スロットと共に規定している。これらのレール27A及び28Bは、(これらが製造された材料に伴う)剛性を有するが、(これらの形状に起因して)可撓性があり、且つ、有利には、この凹状の壁に対して接線方向及びこれを横断する方向の両方において弾性変形してもよい。この可撓性に伴う利点については、後で明らかとなる。第2スロットの2つのエッジは、適宜、レールの可撓性を制御する材料の橋架部によって局所的に連結してもよい。
【0040】
主スロットは、凹状壁の外周に近接した(図7の右側の)前方端部と、(図7の左側の)後方端部と、を有しており、この主スロットは、第2スロットと実質的に同じ高さにおいて始まり、この第1の端部の方向に第2スロットを超えて延在している。例えば、主スロットの前方端部は、凹状表面のエッジから本体の外側部材の壁の厚さに実質的に等しい距離に位置している。主スロットの形状は、必要とされる本体に対する上部部材の動きを可能にするように選択され、且つ、従って、本体及び上部部材用に選択された形状によって左右される。
【0041】
外側部材21は、部材24によって形成された傾斜部に沿って主スロット25が延在する形態において、内側部材を覆うように設計されている。
【0042】
この外側部材の円筒形の壁21Aは、栓の円筒形の側部表面11を規定している。
【0043】
図9及び図10は、キャップとも呼ばれる上部部材30を示している。
【0044】
このキャップは、上部壁31を含み、この上部壁31は、注出栓が非作動形態、即ち、休止位置にある際に、注出栓の横断方向の上部表面12を規定している。この壁は、外側部材の円筒形壁21Aと実質的に同一(通常は、±5%以内)の直径を有する円形エッジによって境界が定められており、これに起因し、この上部壁は、前記非作動形態において、この外側部材の凸状表面21Bを完全に覆っている。或いは、この代わりに、載頭円錐形の側部壁の場合には、前記円形エッジは、実質的に、載頭円錐形の壁の小さいほうの端部と実質的に同一の直径を有する。円形を逸脱した形状を有する上端を側部壁が有する場合には、上部部材は、その上端の形状を可能な限り近似した形状を有する。
【0045】
この上部壁31は、この場合には、わずかに凸状であるが、これは、この代わりに、必要に応じて(特に、審美性の観点において、或いは、場合によっては、人間工学の観点において)、平らであってもよく、或いは、わずかに凹状であってもよい。
【0046】
このキャップは、この上部壁の下方に、キャップ本体32を更に含み、このキャップ本体32は、2つの側部フランク33A及び33Bを有し、これらの2つの側部フランク33A及び33Bは、対称面Y−Y(図10)に対して平行であると共に、この対称面Y−Yに対して対称である。軸に対して平行な部分34Aと、注出オリフィス35を通過する横断方向の部分34Bと、を有する注出路34が、キャップ本体の内部に設けられている。注出路の部分34Aは、キャップ本体32の基部32Aにおいて排出している。この基部32Aは、傾斜部24に沿って摺動することができるように、傾斜部24の曲率に実質的に等しい曲率を有する。
【0047】
側部フランク33A及び33Bには、基部32Aに沿ったそれぞれの内側エッジの近傍に、上部部分に対向する肩部を有するこの場合には三角形の断面のデテント38A及び38Bが設けられており、これらのデテントは、好ましくは、それぞれの下部エッジの全体に沿って延在しており、有利には、それぞれのエッジに対向する肩部39A及び39Bが、それぞれの長さの少なくとも一部分にわたって、それぞれの側面に配置されている。デテント及び肩部は、協働し、栓本体のレール27A及び28Bを受け入れるように設計された溝40A及び40Bを規定しており、これらの溝40A及び40Bは、従って、栓本体の外側部材の湾曲したレール27A及び27Bと同一の離隔及び同一の曲率を有するように、湾曲している(装着された部材24の曲率に略等しい)。
【0048】
このキャップは、外側表面12の反対側に、栓本体の凹状表面21Bと実質的に同一の曲率半径を有する球面の一部である凸状の下部表面41を含む。これらの表面21B及び41は、互いに上下に配置された状態において摺動するように設計されている。
【0049】
この下部凸状表面は、キャップ本体が栓本体の相補的な表面21B内のスロット25を通過することができるように、凹状表面に対向するキャップ本体が突出するような形状を有しており、図15は、摺動表面の上方において、基部32A(ここで、キャップ注出路の垂直部分が排出している)と装着された部材24(ここで、供給オリフィス23が排出している)の間において、これらの相補的な表面41及び21Bの間の協働が実現されることを明瞭に示している。このオフセットは、キャップ本体の基部の全体に沿ったデテント38A及び38Bの存在によって支持されている。図示されていない代替肢においては、キャップ本体及び装着された部材の相補的な表面は、栓本体及びキャップが、横方向に、且つ、主スロットから離れる方向に、ガイドされる(且つ、結合される)場合には、相補的な表面21B及び41と同一の球状表面を規定してもよい。
【0050】
この下部凸状表面は、少なくとも、キャップのエッジの近傍に、且つ、注出オリフィス35の周囲に存在している。これらの領域外においては、材料は、凹入していてもよい。
【0051】
フランク33A及び33Bが一部分を構成しているキャップ本体は、2つの端部エッジを含み、図9に示されている注出オリフィス35に最も近接した右手エッジは、前方エッジ30Aと呼び、図9の左側の別のエッジ30Bは、後方エッジと呼ぶ。
【0052】
上述の様々な部分の協働は、図11〜図15から明らかである。
【0053】
図11においては、図5〜図8の内側部材22と外側部材21が、例えば、これらの部材のうちのいずれかのものの上部の環状ビーズが、他方の部材の上部の溝と協働することによって1つにクリップ結合されるなどの適切な手段により、1つに組み立てられている。
【0054】
この組立の後に、内側部材の傾斜部24は、外側部材の主スロット25の少なくとも前方部分に(即ち、図7のこのスロットの右手部分)と対向する。
【0055】
溝40A及び40Bがレール27A及び27Bの周りに係合することによって本体20に対してキャップ30を保持及びガイドする時点まで、この本体上に、主スロット内におけるフランク33A及び33Bの係合により、更にキャップ30を取り付ける。これにより、キャップは、栓本体内にクリップ結合され、且つ、湾曲した軌跡に沿ってガイドされる。
【0056】
前述のレール27A及び27Bの可撓性は、本体の最上部へのキャップの取付けを容易にする。又、この可撓性により、キャップと本体の間における弾性圧縮も可能となる。
【0057】
この組立完了後の形態においては、キャップ本体は主スロットを通過し、且つ、その面は傾斜部24に圧接している。
【0058】
但し、キャップと本体の間の協働は、第2スロットが存在していない場合にも可能であることは明らかである。
【0059】
キャップが栓本体上において係合した際に、主スロットの対称面Z−Zは、キャップのフランクのペアの対称面Y−Yと一致することが明らかである。
【0060】
キャップは、主スロット内におけるこれらのフランクの摺動により、この本体に対して可動であり、これは、当然のことながら、このスロットが、これらフランクよりも長いことを前提としている。
【0061】
以上において非作動形態と呼ばれている形態においては、キャップは、本体と同軸状態にあり、且つ、本体をぴったりと覆っており(図11〜図13)、即ち、その上部壁は、本体の凹状表面21Bを完全に遮蔽しており、且つ、この凹状表面が注出オリフィスを遮断している。栓は、休止状態にある。
【0062】
この検討対象の例において、キャップ30が本体20の側部表面と同一の直径を有している場合には、分離のラインは、上方からは、可視状態にない。側面図においては(図11及び図12、図4、並びに、場合によっては、図2を参照されたい)、分離のラインは知覚可能ではあるが、栓の最上部の直ぐ近傍に位置しており、ほとんど可視状態にはない。但し、本発明は、これによって限定されるものではなく、且つ、その代わりに、キャップの可視状態の部分を更に厚くすることもできよう。
【0063】
この形態においては、内側部材を貫通する供給路23は、その基部を貫通してキャップ本体内に形成された止まり孔36に対向する状態において排出していることに留意されたい。従って、供給路23と注出路34は分離されており、これにより、外部からの瓶の内部の良好な封止された隔離が促進される。この代わりに、止まり孔36を省略し、供給路がキャップ本体の基部に対向する状態において単純に排出するようにしてもよい。
【0064】
注出オリフィス35は、主スロット25の前方端部の正面に位置した凹状表面21Bの一部と対向することにより、遮断されている(この凹状表面のエッジに対する前方端部の位置は、相応して選択されなければならない)。
【0065】
従って、この非作動形態においては、栓本体に設けられた供給路が注出路から隔離されており、且つ、供給路自体も外部から隔離されているため、外部に対する瓶の内側の二重の隔離が存在している。
【0066】
様々な部品の構成材料は、有利には、(傾斜部とキャップの凸状表面の間の、且つ、注出オリフィスと本体の凹状表面の間の)このように遮断される様々なオリフィスの周囲に良好な封止を提供するように選択される。
【0067】
図11〜図13の形態は、図1〜図4の形態に対応しており、栓は、本体とキャップの間の実際に可視状態にある分離を伴うことなしに、且つ、いずれの場合にも、可視状態の注出オリフィスを伴うことなしに、より清浄な審美性を有していることが明らかである。
【0068】
この非作動形態においては、栓本体に対するその動きの一端において、キャップ本体上の肩部は、有利には、栓本体の相補的な支承表面に当接している。例えば、この非作動形態は、主スロットの後方端部との当接係合状態になる後方エッジ30Bによって規定されており、或いは、この代わりに、キャップは、本体の内部に向かって主スロットを通じて突出する支承表面を含んでもよく、本体は、この主スロットの下方に、キャップがその非作動形態にある最も後方の位置をキャップの支承表面と共に規定する相補的な支承表面を含む。
【0069】
実際には外側表面12上における接線方向の摩擦によってキャップを横断方向に単純に押し出すことにより、ユーザーは、キャップを図11〜図13のその非作動休止形態から図14及び図15のその作動サービス形態に動かしてもよい(この押出しは、主スロット及びフランクのペアの対称面に対して平行に、且つ、前方に向かって、即ち、主スロットの前方端部に向かってフランクのペアを動かすのに適した方向に実行される)。
【0070】
この栓本体に対するキャップの動きは、注出オリフィス35が、栓本体の凹状表面と対向した状態において露出するのに十分なものである。図15において、本体に対するキャップの摺動運動は、この注出オリフィスが完全に露出するのにちょうど十分なものである。
【0071】
このキャップの摺動運動(並びに、従って、非作動休止形態に対する動き)は、当接係合状態になる相補的な要素によって規定されており、これは、主スロットの前方端部に対するフランクのペアの前部壁(この場合には、エッジ30A)の当接係合であってよい。
【0072】
図14及び図15に示されている作動形態においては、注出路の軸方向の部分34Aは、注出路34が、メイン供給空洞13との、且つ、従って、瓶の内部との連通状態となるように、傾斜部24の供給路23とアライメントされた状態となる。但し、注出路34Aの入口を取り囲むキャップ本体の基部32Aの表面は、傾斜部とキャップの基部の間に有効な封止が存在するように、傾斜部24に圧接している。この観点において、小箱のフランクがそれらに沿って摺動するレールの剛性を活用することにより、傾斜部に対するキャップのなんらかの軸方向の圧力によってこの封止を強化してもよい。
【0073】
或いは、この代わりに、栓本体とキャップの間の封止を強化するために、対向した状態となるようにオリフィスの近傍に更なる厚さを提供してもよい。このような追加の厚さは、キャップに適用される栓本体に対する動きの限界点を構成するという利点をも有することになることに留意されたい。このような限界点は、作動(サービス)及び非作動(休止)形態のそれぞれごとに、任意の適切な方式によって設けてもよい。
【0074】
図14及び図15の栓が、左側に向かって、且つ、下向きに傾いた場合には、通路34の内容物は、重力のみにより栓から流出することになり、或いは、この代わりに、この流れは、例えば、瓶が変形可能である場合には、瓶に印加される圧力の結果として生成されてもよいことは明らかである。
【0075】
又、キャップのフランクのガイドレールの剛性(又は、多少の可撓性が存在しているため、「スティッフネス」)は、このような逆方向の動きの際に注出オリフィスの有効な封止に寄与する。
【0076】
作動形態に向かう動きに関する上述の内容との類似性から、この逆の動きは、1本の指によって印加される横断方向の摩擦によって得られよう。
【0077】
この横断方向の摩擦による変位の可能性は、キャップの外側上部表面が凸状であるか、平らであるか、或いは、凹状であるかとは無関係に、存在することが明らかである。
【0078】
作動サービス形態において観察されることになるキャップの内側表面の一部のみが、注出オリフィスの周りに位置した三日月形状の凸状表面であり、且つ、この作動形態においては、観察されることになる栓本体の凹状表面の一部のみが、キャップの摺動によって露出する三日月形状の表面であることが明らかである。これらの表面は、有利には、連続しており、メイン又は第2スロットに起因した不連続性を伴っていない。従って、キャップの作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、且つ、それらの間において、より清浄な審美性が維持されている。
【0079】
ユーザーによる注出栓のキャップの操作は容易であることが明らかである。従って、この栓は、審美性及び人間工学、並びに、前述の有利な特徴が付与された場合には、良好な封止をも兼備している。
【0080】
図16〜図23は、本発明の別の実施形態の注出栓を示している。
【0081】
図1〜図15の栓の各要素に対応する別の栓の各要素は、100を加算することによって図1〜図15に使用されている参照符号から推定される参照符号により、表記されている。
【0082】
これら2つの注出栓の主な相違点は、図1〜図15の実施形態においては、注出オリフィス35が、キャップに含まれているのに対して、図16〜図24の実施形態においては、注出オリフィスが、栓本体に含まれているという点にある。この結果、第1実施形態においては、作動サービス形態へのキャップの動きは、製品が流れることを要する側に位置しているが、第2実施形態においては、この動きは、製品が流れる側から離れる方向である。但し、いずれの場合にも、このオリフィス35又は135は、キャップがその非作動休止形態にある際には遮断され、且つ、キャップが作動サービス形態にある際には露出する。
【0083】
更に正確には、図20及び図23の栓110の本体は、メイン供給空洞113を規定する内側部材122と、外側部材121とを含み、外側部材121は、有利には円柱である(栓110の側部表面111を構成する)側部表面121Aと、本体110の最上部を形成する凹状表面121Bとを有する。
【0084】
図16は、この外側部材121を示している。凹状表面121Bには、主スロット125が設けられ、この主スロット125に第2スロット126A及び126Bが隣接することにより、ガイドレールを形成する材料の帯127A及び127Bが形成されており、且つ、これらのスロットによって境界が定められたレール127A及び127Bの剛性を増大させるために材料の橋架部を第2スロットの途中に設けてもよいことに留意されたい。
【0085】
主スロットの右側の端部125Cは、この場合には、主スロットの残りの部分よりもかなり幅が広い。
【0086】
内側部材122は、好ましくは上部に成形された部材124内に形成された供給路123が、有利には、この部材124の傾斜形状の上部表面内において、本体の軸及びその入口から発散するように外向きに傾斜しており、使用の際に、瓶に収容された製品が、適宜、重力のみにより、それを通じて注出されるオリフィス135を構成しているという点を除いて、図5及び図6のものに類似している。この理由により、この傾斜形状の上部表面は、少なくともこの上部壁の上部表面と同一の高さになるように、主スロットの幅が広くなった部分125Cにおいて、栓本体の部分121の凹状の上部壁を横断するように隆起している。注出オリフィス135を構成する入口は、好ましくは、封止リップ124Aによって更に取り囲まれている。
【0087】
以前のものと同様に、傾斜部は、栓本体の内側部材上に直接形成してもよい。
【0088】
第1実施形態とは異なり、キャップ内に注出路を設ける必要はないことが明らかである。
【0089】
図17〜図19は、このキャップ130を示している。第1実施形態のキャップ30と同様に、このキャップは、上部壁131とキャップ本体132とを含み、キャップ本体132は、フランク133A及び133Bを有し、これらのフランク133A及び133Bには、レール127A又は127Bを受け入れるように適合された湾曲した溝140A又は140Bの境界を定めるために、デテント138A又は138Bと、恐らくは、肩部139A又は139Bと、が基部132Aに沿って設けられている。
【0090】
そのフランク133A及び133Bが一部分を構成しているキャップ本体132は、終端エッジ130A及び130Bを有する。この本体と一致した状態において、有利にはキャップの注入点を収容する凹入部134が存在している。この凹入部は、キャップが非作動休止位置にある際に、注出オリフィス135上においてセンタリングされるが、その寸法は、好ましくは、オリフィス135の寸法よりも格段に小さい。注入点のその他の位置も好適である。
【0091】
図20及び図21は、キャップが非作動休止形態にある際の第2注出栓110を示している(内側部材121は、図16のものに対して180°だけ回転した形態を有する)。この第2の栓の外観は、図1〜図4のものと同一である。
【0092】
相応して、上方から観察された際に、キャップの上部壁131は、栓本体110を遮蔽している。一方、この栓を側方から観察した際には、単一の分離ラインが、栓本体の最上部の直ぐ近傍において、栓本体とキャップの間に可視状態となり、このラインは、実質的に、このようにして形成される栓の最上部と一致している。
【0093】
但し、本発明は、これによって限定されるものではなく、且つ、キャップは、この代わりに、側面図において、更に大きな厚さを有してもよく、即ち、キャップと外側部材121の間の分離のラインは、栓の高さの中間に更に近接してもよい。このラインは、好ましくは、栓の上半分内に、且つ、場合によっては、更に好ましくは、上三分の一以内に位置している。
【0094】
注出オリフィス135とキャップの間の封止は、注出オリフィスの周りにおいてキャップによって圧縮される可撓性封止リップ124Aの有利な存在によって強化されている。
【0095】
図22及び図23は、その作動サービス形態にあるこの栓を示している。
【0096】
図14(又は図15)と同様に、注出オリフィス135が軸の左側にあることにより、このオリフィスを露出さるためにキャップに与える動きは、右に向かう動きであることに留意されたい。この動きは、第1の栓と同一の方法によって得られる。第1の栓と同様に、その作動サービス形態に向かう(並びに、逆に、その非作動休止位置に向かう)キャップの移動は、実際には、当接係合状態となるそれぞれ栓本体上の及びキャップ上の相補的な支承表面によって境界が定められている(これは、本体の支承表面に当接するキャップのエッジの問題となろう)。
【0097】
図14及び図15を参照して説明したように、キャップの動きは、注出オリフィス35を完全に露出させるのに十分なものである。
【0098】
主スロットとフランクの組合せに起因し、キャップは、栓本体に対して軸方向において結合され、且つ、キャップの摺動は、作動形態と非作動形態の間の相対的な動きに沿って効果的にガイドされるが、可視状態にあるガイドは存在しておらず、換言すれば、審美性又は人間工学又は封止の劣化を伴うことなしに、効果的な案内が得られることが明らかである。
【0099】
前述のように、本発明の注出栓は、通常、1〜3cm(例えば、2〜2.5cm)程度の直径を有する瓶の首に取り付けられるように意図されており、この結果、この栓は、有利には、1.5〜4cm(例えば、3cm程度)の直径を有し、栓の高さは、好ましくは、この直径の2/3〜3/2である。
【0100】
栓本体及びキャップの摺動表面は、有利には、例えば、その直径に少なくとも略等しいものなどのように、栓の直径の半分〜2倍の曲率半径を有する。これらの半径は、少なくとも略等しいが、キャップのフランクのガイドレール上における軸方向の牽引を可能にするために、例えば、通常は1ミリメートル未満などのわずかな差がこれらの半径の間に存在するように選択してもよい。
【0101】
キャップ本体の(その軸を横断する方向における)長さは、有利には、最大で、栓の直径の2/3に等しく、好ましくは、その直径の1/3〜1/2であり、スロットは、好ましくは、栓の直径の2/3〜9/10の(栓の軸を横断する方向において計測された)長さを有し、スロット内における本体の動きは、(第1の実施例を参照しているのか又は第2の実施例を参照しているのかに応じて)キャップ又は栓本体の摺動表面の十分な部分を露出させて対象製品の良好な流動に不十分なものとならないように注出オリフィスを配置するために、好ましくは、少なくとも、栓の直径の1/4に、或いは、場合によっては、1/3に等しい。
【0102】
キャップ本体の幅と、従って、主スロットの幅は、有利には、この直径の1/10〜3/10である。
【0103】
内側部材22又は122の材料は、機械的強度、費用、及び製品の組成との互換性という基準にのみ基づいて選択してもよく、この材料は、例えば、ポリプロピレンなどのプラスチック材料(又は、ポリオレフィン族の任意のその他の材料)であってよい。但し、キャップの本体の下部エッジがそれに沿って摺動する傾斜部24又は124は、良好な封止を得るために好適な可撓性表面(ゴムのような外観)を有する材料(例えば、エラストマ)を有することが有益であり、部材24又は124は、有利には、内側部材の残りの部分上に成形された挿入体である。
【0104】
外側部材及びキャップは、有利には、例えば、共重合ポリエステルなどの耐引っ掻き性を有するブラックプラスチック材料などのその審美的な品質のために選択された同一の材料によって製造される。
【0105】
注出路の部分(栓本体内であるのか又はキャップ内であるのかを問わず)は、栓用に選択される寸法に鑑み、可能な限り大きく、これは、有利には、細長く(即ち、これは、横断方向の長さよりも格段に小さい横断方向の幅を有してもよく)、この通路の部分が大きく、且つ、製品の粘度が小さい場合には、重力による流動が非常に容易となることが明らかである。当業者は、これらの様々なサイズの適切な組合せを実現する方法を見出すことができよう。
【0106】
当然のことながら、変形構造が可能であり、具体的には、内側及び外側部材22及び21又は122及び121は、オーバーモールドによって製造することも可能であり、或いは、場合によっては、単一部分を構成することもできよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
瓶に取り付けられるように適合されると共に供給空洞を含む栓本体と、この本体に対して、製品注出オリフィスが遮断される非作動形態とこの注出オリフィスが外部に露出すると共に前記供給空洞と連通する作動形態の間において動くように適合された上部片と、を含む液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓であって、
この栓(10、110)は、前記本体(20、120)によって形成された側部壁を有し、且つ、前記非作動形態において、上部壁は、完全に前記上部部材(30、130)の上部壁から構成されており、この本体及びこの上部部材は、それぞれ、凹状及び凸状である相補的な部分的に球状の表面(21B、41、121B、141)を有し、これらの相補的な部分的に球状の表面は、相対運動によって互いに沿って摺動するように適合されており、且つ、その前記作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、この上部部材によって遮蔽された状態に留まる相補的な保持及びガイド要素によって接続されていることを特徴とする注出栓。
【請求項2】
前記側部壁と前記上部壁の間の接合部が円形の輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の栓。
【請求項3】
前記側部壁が、円筒形の形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の栓。
【請求項4】
前記摺動表面が、前記上部部材の幅の半分乃至2倍の曲率半径を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の注出栓。
【請求項5】
前記本体の前記凹状の摺動表面が、対称面を有する主スロット(25、125)を含み、且つ、前記上部部材は、この凸状の摺動表面に対して突出すると共に前記主スロットの前記対称面に対して対称である2つの平行なフランク(33A、33B、133A、133B)を含み、これらのフランクには、これらのフランクに係合すると共にこの主スロット内においてこれらのフランクを保持するためのクリップデテント(38A、38B、138A、138B)が設けられており、その対称面に沿ったこの主スロットの寸法は、この主スロットが、前記上部部材の前記非作動及び作動形態のそれぞれにおいて、前記上部部材によって遮蔽された状態に留まるようなものになっており、前記注出オリフィス(35、135)は、前記摺動表面のうちの1つのものの内部に位置し、且つ、前記主スロットの前記対称面に対して対称であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の栓。
【請求項6】
前記主スロットには、前記上部部材の前記フランクのための2つのガイドレールを前記主スロットと共に規定する2つの第2スロット(26A、26B、126A、26B)が隣接していることを特徴とする、請求項5に記載の注出栓。
【請求項7】
前記フランクが、前記主スロットの前記エッジを受け入れるための溝を規定するために前記デテントと対向している肩部(39A、39B、139A、139B)を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の注出栓。
【請求項8】
前記主スロットが、前記上部部材の平均幅の少なくとも3分の2の長さを有することを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の注出栓。
【請求項9】
前記栓本体が、前記上部部材が前記作動形態と前記非作動形態の間において動いた際に前記上部部材の前記フランクが隣接するように適合された傾斜部(24)を含むことを特徴とする、請求項5から8のうちのいずれかに記載の注出栓。
【請求項10】
前記傾斜部(24)が、前記栓本体の内側部材(22)上に成形された部分の一部であり、この内側部材は、この本体の外側部材(21)内において係合し、この外側部材及び前記上部部材は、前記栓の外側表面を規定していることを特徴とする、請求項9に記載の注出栓。
【請求項11】
前記注出オリフィス(35)が、前記上部部材の前記摺動表面内に位置しており、前記上部部材は、注出路(34)を含み、該注出路(34)は、この注出オリフィスにおいて終端しており、且つ、前記上部部材がその作動形態にあるか又はその非作動形態にあるかに応じて前記本体の前記供給空洞と選択的に連通するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の注出栓(10)。
【請求項12】
前記栓本体が、前記本体の軸に対してオフセットされた供給路(23)を含み、且つ、前記上部部材の前記供給路は、この上部部材の前記軸からオフセットされた領域内において排出していることを特徴とする、請求項11に記載の注出栓。
【請求項13】
前記注出オリフィス(135)が、前記本体の前記摺動表面内に位置しており、前記本体に対する前記上部部材の前記摺動運動は、前記本体の前記軸に対するそのオリフィスの動きとは反対の方向であることを特徴とする、請求項1から8のうちのいずれかによる注出栓(110)。
【請求項14】
前記栓本体に対する前記上部部材の前記作動及び非作動形態が、当接係合状態となる相補的な支承表面によって規定されることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の注出栓。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の注出栓が設けられた液体製品又は粘性を有する製品のための瓶。
【請求項1】
瓶に取り付けられるように適合されると共に供給空洞を含む栓本体と、この本体に対して、製品注出オリフィスが遮断される非作動形態とこの注出オリフィスが外部に露出すると共に前記供給空洞と連通する作動形態の間において動くように適合された上部片と、を含む液体製品又は粘性を有する製品のための瓶用の注出栓であって、
この栓(10、110)は、前記本体(20、120)によって形成された側部壁を有し、且つ、前記非作動形態において、上部壁は、完全に前記上部部材(30、130)の上部壁から構成されており、この本体及びこの上部部材は、それぞれ、凹状及び凸状である相補的な部分的に球状の表面(21B、41、121B、141)を有し、これらの相補的な部分的に球状の表面は、相対運動によって互いに沿って摺動するように適合されており、且つ、その前記作動及び非作動形態のそれぞれにおいて、この上部部材によって遮蔽された状態に留まる相補的な保持及びガイド要素によって接続されていることを特徴とする注出栓。
【請求項2】
前記側部壁と前記上部壁の間の接合部が円形の輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の栓。
【請求項3】
前記側部壁が、円筒形の形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の栓。
【請求項4】
前記摺動表面が、前記上部部材の幅の半分乃至2倍の曲率半径を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の注出栓。
【請求項5】
前記本体の前記凹状の摺動表面が、対称面を有する主スロット(25、125)を含み、且つ、前記上部部材は、この凸状の摺動表面に対して突出すると共に前記主スロットの前記対称面に対して対称である2つの平行なフランク(33A、33B、133A、133B)を含み、これらのフランクには、これらのフランクに係合すると共にこの主スロット内においてこれらのフランクを保持するためのクリップデテント(38A、38B、138A、138B)が設けられており、その対称面に沿ったこの主スロットの寸法は、この主スロットが、前記上部部材の前記非作動及び作動形態のそれぞれにおいて、前記上部部材によって遮蔽された状態に留まるようなものになっており、前記注出オリフィス(35、135)は、前記摺動表面のうちの1つのものの内部に位置し、且つ、前記主スロットの前記対称面に対して対称であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の栓。
【請求項6】
前記主スロットには、前記上部部材の前記フランクのための2つのガイドレールを前記主スロットと共に規定する2つの第2スロット(26A、26B、126A、26B)が隣接していることを特徴とする、請求項5に記載の注出栓。
【請求項7】
前記フランクが、前記主スロットの前記エッジを受け入れるための溝を規定するために前記デテントと対向している肩部(39A、39B、139A、139B)を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の注出栓。
【請求項8】
前記主スロットが、前記上部部材の平均幅の少なくとも3分の2の長さを有することを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の注出栓。
【請求項9】
前記栓本体が、前記上部部材が前記作動形態と前記非作動形態の間において動いた際に前記上部部材の前記フランクが隣接するように適合された傾斜部(24)を含むことを特徴とする、請求項5から8のうちのいずれかに記載の注出栓。
【請求項10】
前記傾斜部(24)が、前記栓本体の内側部材(22)上に成形された部分の一部であり、この内側部材は、この本体の外側部材(21)内において係合し、この外側部材及び前記上部部材は、前記栓の外側表面を規定していることを特徴とする、請求項9に記載の注出栓。
【請求項11】
前記注出オリフィス(35)が、前記上部部材の前記摺動表面内に位置しており、前記上部部材は、注出路(34)を含み、該注出路(34)は、この注出オリフィスにおいて終端しており、且つ、前記上部部材がその作動形態にあるか又はその非作動形態にあるかに応じて前記本体の前記供給空洞と選択的に連通するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の注出栓(10)。
【請求項12】
前記栓本体が、前記本体の軸に対してオフセットされた供給路(23)を含み、且つ、前記上部部材の前記供給路は、この上部部材の前記軸からオフセットされた領域内において排出していることを特徴とする、請求項11に記載の注出栓。
【請求項13】
前記注出オリフィス(135)が、前記本体の前記摺動表面内に位置しており、前記本体に対する前記上部部材の前記摺動運動は、前記本体の前記軸に対するそのオリフィスの動きとは反対の方向であることを特徴とする、請求項1から8のうちのいずれかによる注出栓(110)。
【請求項14】
前記栓本体に対する前記上部部材の前記作動及び非作動形態が、当接係合状態となる相補的な支承表面によって規定されることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の注出栓。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の注出栓が設けられた液体製品又は粘性を有する製品のための瓶。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2013−515652(P2013−515652A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545513(P2012−545513)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055989
【国際公開番号】WO2011/077378
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055989
【国際公開番号】WO2011/077378
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
【Fターム(参考)】
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