説明

液晶画面清掃具

【課題】 優れた拭き取り性を有するのみならず、OA操作者の精神的疲労を癒し、かつ装飾効果もある液晶画面清掃具を提供すること。
【解決手段】 人形または動物の形状の縫いぐるみからなり、少なくともその表面の一部に極細繊維からなる拭き取り部を有し、該人形の拭き取り部の内部には詰め物を充填した液晶画面清掃具。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶画面清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パソコン、インターネットなどのOA機器類の液晶画面清掃具として、分割型繊維などの織編物が使用されている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】長時間緊張した状態でOA機器を操作し続けた場合、精神的疲労、目の疲労は相当なものである。しかしながら、上記のような清掃具は、機能本位であり、OA操作者が楽しんで清掃作業が出来ないため、精神的疲労を癒す要素に乏しいし、また装飾的効果も乏しい。本発明は、これらの欠点を解消するためになされたものであり、拭き取りの機能性のみならず、OA操作者の精神的疲労を癒し、かつ装飾的効果も有している液晶画面清掃具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、人形または動物の形状の縫いぐるみからなり、少なくともその表面の一部が極細繊維からなる拭き取り部を構成し、かつ該拭き取り部の内部には詰め物を充填した液晶画面清掃具を提供することによって達成される
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、抜き取り部に使用される極細繊維としては、0.5デニール以下の超極細繊維が好適であり、とくに0.3デニール以下、さらには0.2デニール以下の超極細繊維が最適である。また下限値については、0.01デニール以上であることが好適である。極細繊維としては、2種またはそれ以上の重合体からなる多層型の複合繊維を起毛またはサンディングなどの機械的手段によって処理して得られる分割型繊維、2種またはそれ以上の重合体からなる海島型の複合繊維から海成分を除去して得られる海島型繊維などが好適なものとして挙げられる。
【0006】上記の多層型の複合繊維を使用する場合は、まず複合繊維を織編物、不織布とし、これを起毛機などで起毛またはサンディング機でサンディングすることによって表面に極細繊維層を有する基材を得ることが出来る。また上記の海島型の複合繊維を使用する場合は、まず複合繊維を織編物、不織布とした後、海成分を溶剤などにより除去することによって、または海成分を除去した後起毛機などで起毛またはサンディング機でサンディングすることによって表面に極細繊維層を有する基材を得ることが出来る。後者の海島繊維を使用して得た基材としては、不織布、とくに合成皮革として使用されている不織布が好適に使用される。
【0007】分割型繊維の素材としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフイン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール系共重合体等)の内2種またはそれ以上の樹脂の組合せが挙げられる。また海島型繊維の素材としては、上記と同様の樹脂の内2種またはそれ以上の樹脂を海成分または島成分として使用することができる。この内ポリアミド(島)/ポリスチレン(海)、ポリアミド(島)/ポリオレフイン(海)が好適である。このような極細繊維を使用することにより液晶画面の拭き取り効果に優れ、さらに洗濯による抜き取り性の低下も極めて少ない。また、極細繊維中には、抗菌剤または消臭剤を配合するか、または抗菌性繊維または消臭繊維を含有させることもできる。
【0008】拭き取り部の内部に充填する詰め物としては、液晶画面を傷つけず、液晶画面をムラなく拭き取れるようなもの、たとえば、各種わた類が好適であり、とくにポリエステル綿がそのヘタリ性の少ないことから最適である。これらの詰め物には、抗菌剤または消臭剤を配合するか、または抗菌性繊維または消臭繊維を含有させることもできる。ここでポリエステル綿としては、単糸デニールが1〜20デニールであることが好適であり、さらには3〜8デニールが最適である。詰め物は、拭き取り部の内部の内面に接触する部分のみに充填すれば充分であるが、縫いぐるみの内部全体に亘って充填することが、動物の形をきれいに見せることが出来て装飾的効果の面で好適である。
【0009】縫いぐるみとしては、人形、動物の縫いぐるみが、使用できるが、動物の縫いぐるみが、精神的疲労を癒すのに好適である。ここで動物としては、犬、猫、熊、ライオン、トラ、パンダ、コアラなどの四つ足動物が例示される。
【0010】拭き取り部は、縫いぐるみのどの部位に設けても良いが、動物の縫いぐるみの場合は、腹部、または腹部と足部の内側部に設けることが、拭き取り易いことから好適である。
【0011】また、縫いぐるみは、導電性の縫い糸で縫製されていることが静電気の発生を防ぎ、拭き取り部の除電効果によりほこりの付着を防止できることから好適である。
【0012】縫いぐるみの本体の基材としては、とくに限定されないが、通常使用されている表面が立毛織物状の基材等が好適に使用される。
【0013】このようにして得られた液晶画面清掃具には、係合部材の一方(フアスナーの雄構造等)を設けておき、さらにこれと脱着可能なもう一方の係合部材(フアスナーの雌構造等)をOA機器またはOA機器の周辺に設けておけば、液晶画面清掃具をいつも定位置に保管しておくことができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の液晶画面清掃具1の斜視図であり、アクリル製の立毛織物状基材からなるあらい熊の縫いぐるみ(全長約20cm×巾約15cm)2の腹部に、ポリエステル・ナイロンからなる75Dr−24fの11層型分割繊維を用い、28ゲージの丸編機によりスムースを編み立て、通常の染色加工条件にて染色加工後、250メッシュのサンドペーパーを装着したサンディング機にてサンディング加工して得た0.2〜0.3デニールの分割立毛編物からなる拭き取り部3を設け、さらに前足およぼ後足の下側にも同様の拭き取り部4、5を設け、さらにまた、縫いぐるみの内部には6デニールのポリエステル綿を詰めた液晶画面清掃具である。この清掃具は、見た目に楽しく、また装飾的効果もあり、またこの清掃具を使用することによりパソコンの液晶画面上のほこりをムラなく拭き取ることが出来、また液晶画面の表面を傷めることもなかった。
【0015】
【発明の効果】優れた拭き取り性を有するのみならず、OA操作者の精神的疲労を癒し、かつ装飾的効果もある液晶画面清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶画面清掃具の斜視図である。
【符号の説明】
1 液晶画面清掃具
2 縫いぐるみ本体
3 拭き取り部
4 前足の下側の抜き取り部
5 後足の下側の抜き取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 人形または動物の形状の縫いぐるみからなり、少なくともその表面の一部に極細繊維からなる拭き取り部を有し、かつ該拭き取り部の内部には詰め物を充填した液晶画面清掃具。
【請求項2】 極細繊維が、分割型繊維である請求項1記載の液晶画面清掃具。
【請求項3】 極細繊維が、海島型繊維である請求項1または2記載の液晶画面清掃具。
【請求項4】 詰め物が、ポリエステル綿からなる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶画面清掃具。
【請求項5】 縫いぐるみが、腹部に拭き取り部を有する動物の縫いぐるみである請求項1〜4のいずれかに記載の液晶画面清掃具。
【請求項6】 縫いぐるみが、導電性の縫い糸で縫製されている請求項1〜5のいずれかに記載の液晶画面清掃具。

【図1】
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【公開番号】特開2003−509(P2003−509A)
【公開日】平成15年1月7日(2003.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−194061(P2001−194061)
【出願日】平成13年6月27日(2001.6.27)
【出願人】(591045105)クラレリビング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】