説明

液晶表示装置、該液晶表示装置に用いられる駆動制御回路及び駆動方法

【課題】動画の尾引きを低減し、表示画面のコントラストの向上を図る。
【解決手段】LEDブロック16a,16bの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同LEDブロックが所定の期間点灯し、かつ、同LEDブロックに対応して、入力映像信号VDのR,G,B毎の当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、同入力映像信号VDは、階調レベルの上限値を積算し、かつ最も明るい階調レベルで除算した値に変換され、この値に対応した階調電圧が各データ電極に印加されると共に、LEDブロックの点灯期間では、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する最も明るい階調レベルの割合に比例したデューティでLEDブロックが点滅する。バックライトの点灯期間は、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置、該液晶表示装置に用いられる駆動制御回路及び駆動方法に係り、特に、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)バックライトを備え、動画像を表示する場合に用いて好適な液晶表示装置、該液晶表示装置に用いられる駆動制御回路及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ画像の表示では、従来から陰極線管(CRT)が用いられてきたが、近年では、液晶表示装置が広く用いられるようになってきている。液晶表示装置では、液晶パネルが非発光であるため、同液晶パネルの背面に光源としてバックライトが設けられ、同バックライトの光の透過率を映像信号に対応して変動させることにより画像が表示される。ところが、液晶パネルで黒を表示させる場合、バックライトが常時点灯していると、同液晶パネルの表示面から光漏れがあり、コントラストが低下するという問題点がある。
【0003】
また、CRTは、自発光であるため、映像信号によってピーク輝度を変更させることにより、輝度のダイナミックレンジが拡大するが、液晶表示装置では、液晶パネルが非発光であるため、輝度のダイナミックレンジを拡大することが困難である。また、液晶表示装置で動画像を表示する場合、液晶の印加電圧に対する応答に時間かかること、及び、現フレームが後続フレームに対応する映像信号が供給されるまで保持されるホールド型駆動が行われることにより、画像に尾引き(残像)が発生するという問題点がある。このため、これらの問題点を改善した液晶表示装置が提案されている。
【0004】
従来、この種の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された液晶表示装置は、図15に示すように、外光センサ1と、コントローラ2と、表示データ変更回路3と、バックライト光量制御回路4と、液晶表示部5と、バックライト6と、光センサ7とから構成されている。
この液晶表示装置では、コントローラ2により、バックライト6の発光を感知する光センサ7の出力信号peと、液晶表示部5に表示すべく入力された画像信号vfと、外部環境光を感知する外光センサ1からの出力信号pgとに基づいて、液晶表示部5の色毎の表示データの変更、及びバックライト6の各色毎の発光量が同時に制御される。
【0005】
この場合、図16に示すように、バックライト6は、液晶透過率に反比例して変化する照明光源輝度の変換指数100乃至255に対応する時間幅で1フレーム毎に点灯する。このため、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。また、バックライト6が点滅するため、表示画面上の動画の尾引きが低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−258404号公報(要約書、図13、図30)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の液晶表示装置では、次のような問題点があった。
すなわち、図15の液晶表示装置では、図17(a)に示すように、入力される映像信号の階調レベルが比較的低いとき、液晶の応答が遅いため、バックライト6の点灯タイミングも遅くなり、また、映像信号の階調レベルが比較的高いとき、図17(b)に示すように、液晶の応答が早いため、バックライト6の点灯タイミングも早くなる。このように、入力される映像信号の階調レベルによってバックライト6の点灯タイミングが大きく異なるため、動画像を表示する場合、映像信号の階調レベルによって尾引きの程度が異なり、画質が低下するという問題点がある。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、動画像を表示する場合でも画質が低下しない液晶表示装置、同液晶表示装置に用いられる駆動制御回路及び駆動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、液晶パネルと、LEDドライバと、少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に係り、前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させる駆動制御手段が設けられていると共に、前記バックライトの前記点灯期間は、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴としている。
【0010】
また、この発明の第2の構成は、液晶パネルと、液晶パネルと、LEDドライバと、少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動制御回路に係り、前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、前記バックライトの前記点灯期間は、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴としている。
【0011】
また、この発明の第3の構成は、液晶パネルと、液晶パネルと、LEDドライバと、少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動方法に係り、駆動制御手段に、前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を設け、該駆動制御手段が、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、前記バックライトの前記点灯期間は、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明の構成によれば、駆動制御手段により、R(赤),G(緑),B(青)毎に階調レベルの上限値が設定されている入力映像信号のフレーム期間中に、液晶パネルの画素領域における所定の電圧の印加に対して液晶が応答する前はバックライトが消灯される一方、応答した時点で同バックライトが所定の期間点灯され、かつ、上記入力映像信号のR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、検出された上記最も明るい階調レベルが上記上限値と同一レベルになるように入力映像信号の階調レベルが変換されると共に、上記バックライトの点灯期間では、上記上限値に対する上記最も明るい階調レベルに対応したデューティで同バックライトが点滅すると共に、バックライトの点灯期間は、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されているので、動画が表示されたときの尾引きが低減され、また、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。
【0013】
また、駆動制御手段により、各光源ブロックの発光領域に対応した液晶の応答に対応して当該光源ブロックが所定の期間点灯され、かつ、上記各光源ブロックに対応して、入力映像信号のR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、検出された上記最も明るい階調レベルが上記上限値と同一レベルになるように同入力映像信号の階調レベルが変換されると共に、当該光源ブロックの点灯期間では、上記上限値に対する上記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで該バックライトが点滅するので、表示画面の解像度が向上すると共に、動画が表示されたときの尾引きが低減され、また、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。
【0014】
また、駆動制御手段により、R(赤),G(緑),B(青)毎に階調レベルの上限値が設定されている入力映像信号のフレーム期間中に、液晶パネルの画素領域における所定の電圧の印加に対して液晶が応答する前はバックライトが消灯される一方、応答した時点で同バックライトが所定の期間点灯され、かつ、上記入力映像信号のR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値が検出され、検出された上記平均値が上記上限値と同一レベルになるように入力映像信号の階調レベルが変換されると共に、上記バックライトの点灯期間では、上記上限値に対する上記平均値の割合に対応したデューティで同バックライトが点滅するので、動画が表示されたときの尾引きが低減され、また、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。
【0015】
また、駆動制御手段により、各光源ブロックの発光領域に対応した液晶の応答に対応して当該光源ブロックが所定の期間点灯され、かつ、上記各光源ブロックに対応して、入力映像信号のR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値が検出され、検出された上記平均値が上記上限値と同一レベルになるように同入力映像信号の階調レベルが変換されると共に、当該光源ブロックの点灯期間では、上記上限値に対する上記平均値の割合に対応したデューティで該バックライトが点滅するので、表示画面の解像度が向上すると共に、動画が表示されたときの尾引きが低減され、また、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の第1の実施例である液晶表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の液晶パネル14の電気的構成の一例を示す図である。
【図3】図1中の液晶パネル14の概略の構造及びバックライト16の位置を示す図である。
【図4】図1中のバックライト16の要部を示す図である。
【図5】図1の液晶表示装置の動作を説明するタイムチャートである。
【図6】図5中のオン期間を時間軸方向に拡大した図である。
【図7】この発明の第2の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の第3の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の第4の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】図9の液晶表示装置の動作を説明するタイムチャートである。
【図11】この発明の第5の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図11の液晶表示装置の動作を説明するタイムチャートである。
【図13】この発明の第6の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図14】図13中のバックライト16Aの要部を示す図である。
【図15】従来の液晶表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図16】図15の液晶表示装置の動作を説明する図である。
【図17】図15の液晶表示装置の問題点を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
バックライトの各光源ブロックの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同各光源ブロックが所定の期間点灯し、かつ、同各光源ブロックに対応して、入力映像信号のR,G,B毎の当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、同最も明るい階調レベルが入力映像信号の上限値と同一レベルになるように同入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、バックライトの点灯期間では、同上限値に対する同最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで同バックライトが点滅すると共に、バックライトの点灯期間が、当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定される。液晶表示装置、同液晶表示装置に用いられる駆動制御回路及び駆動方法を実現する。
【実施例1】
【0018】
図1は、この発明の第1の実施例である液晶表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の液晶表示装置は、同図に示すように、駆動制御回路10と、フレームメモリ11と、H−ドライバ12と、V−ドライバ13と、液晶パネル14と、LEDドライバ15と、バックライト16とから構成されている。駆動制御回路10は、映像信号検出部21と、映像信号変換部22と、LED輝度変換部23と、点灯タイミングコントロール部24と、タイミングコントロール部25とから構成されている。この駆動制御回路10は、たとえば1つのIC(集積回路)として構成されている。
【0019】
映像信号検出部21は、バックライト16を構成する各LEDブロック(BL)16a,16bに対応して、階調レベルの上限値が設定されている入力映像信号VDのR(赤),G(緑),B(青)毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを検出し、最大階調データgrhとして映像信号変換部22及びLED輝度変換部23へ送出すると共に、入力映像信号VDの1フレーム毎の映像信号fvjをフレームメモリ11に送出する。フレームメモリ11は、映像信号検出部21から送出される映像信号fvjを1フレーム毎に格納すると共に、1フレーム毎の映像信号データfvqとして映像信号変換部22へ送出する。映像信号変換部22は、フレームメモリ11から送出される映像信号データfvqの階調レベルを、上記最も明るい階調レベル(最大階調データgrh)が入力映像信号VDの階調レベルの上限値(たとえば、6ビット、2=64階調)と同一レベルになるように変換し、変換映像信号データfvrとしてH−ドライバ12へ送出する。
【0020】
LED輝度変換部23は、各LEDブロック16a,16bの点灯期間で、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する上記最大階調データgrhの割合に対応したデューティで同各LEDブロック16a,16bを点滅させるための制御信号ctuを点灯タイミングコントロール部24へ出力する。点灯タイミングコントロール部24は、各LEDブロック16a,16bの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同各LEDブロック16a,16bを制御信号ctuに基づいたデューティで点滅させるための制御信号ctvをLEDドライバ15へ送出する。この場合、液晶の応答が完了した時点は、同液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点、あるいは、同第1の時点以降の第2の時点(たとえば、応答が90%以上に達した第2の時点)に設定され、同液晶の応答が完了する前は各LEDブロック16a,16bが消灯する一方、同応答が完了した時点で点滅が開始するように設定されている。LEDドライバ15は、点灯タイミングコントロール部24から送出される制御信号ctvに基づいて、各LEDブロック16a,16bを点滅させるための駆動電圧dw1,dw2を生成する。
【0021】
タイミングコントロール部25は、外部から入力されるタイミング信号tpに基づいて、H−ドライバ12に制御信号cta、及びV−ドライバ13に制御信号ctbを送出する。H−ドライバ12は、タイミングコントロール部25からの制御信号cta及び映像信号変換部22からの変換映像信号データfvrに基づいて、表示信号Di を液晶パネル14へ送出する。V−ドライバ13は、タイミングコントロール部25からの制御信号ctbに基づいて、走査信号OUTj を液晶パネル14へ送出する。液晶パネル14は、図示しない各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に表示信号Di に対応した階調電圧が印加され、当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより表示画像を得る。
【0022】
図2は、図1中の液晶パネル14の電気的構成の一例を示す図である。
この液晶パネル14は、同図2に示すように、バックライト16の光を入射させる透過型のものであり、同図2に示すように、データ電極Xi (i=1,2,…,m、たとえば、m=640×3)と、走査電極Yj (j=1,2,…,n、たとえば、n=480)と、画素領域20i,j とから構成されている。データ電極Xi は、x方向(すなわち、第1の方向)に所定間隔で設けられ、該当する表示信号Di が印加される。走査電極Yj は、x方向と直交するy方向(すなわち、走査方向、第2の方向)に所定間隔で設けられ、表示信号Di を書き込むための走査信号OUTj が線順次に印加される。画素領域20i,j は、データ電極Xi と走査電極Yj
との交差領域と1対1に対応して設けられ、TFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)21i,j と、液晶22i,j と、共通電極COMとから構成されている。TFT21i,j は、走査信号OUTj に基づいてオン/オフ制御され、オン状態になったときに液晶22i,j に表示信号Di を印加する。
【0023】
この液晶パネル14では、走査電極Yj とデータ電極Xi とが駆動される、すなわち、走査電極Yj に走査信号OUTj が線順次に印加されると共にデータ電極Xi に該当する表示信号Di が書き込まれることにより、当該表示信号Di に対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、同液晶パネル14の液晶層を構成する液晶の応答が同階調電圧に基づいて制御されることにより、光の透過率が変化して表示画像が得られる。H−ドライバ12は、タイミングコントロール部25からの制御信号cta及び映像信号変換部22からの変換映像信号データfvrに基づいて、表示信号Di を液晶パネル14の各データ電極Xi に一括して印加する。V−ドライバ13は、タイミングコントロール部25からの制御信号ctbに基づいて、走査信号OUTj を液晶パネル14の各走査電極Yj に線順次に印加する。
【0024】
図3は、図1中の液晶パネル14の概略の構造及びバックライト16の位置を示す図である。
この液晶パネル14は、同図3に示すように、一対の偏光板31,32と、対向基板33と、アクティブマトリクス基板34と、これらの間に介挿された液晶層35とから構成されている。対向基板33上には、図2中の共通電極COMが設けられると共に、R,G,Bのカラーフィルタ36が形成され、R,G,Bの3色を有する3画素で1ドットが構成されている。アクティブマトリクス基板34は、図2中のTFT21i,j などの能動素子が設けられている。バックライト16は、液晶パネル14の裏面側に配置され、特に、この実施例では、図示しないR,G,BのLEDの光を面光源にするものであり、全体で液晶パネル14の表示画面とほぼ同一の大きさに形成されている。
【0025】
この液晶パネル14では、バックライト16の白色光が、偏光板32を通過した後に直線偏光となって液晶層35に入射する。液晶層35は、たとえばTN(Twisted Nematic )型液晶で構成され、偏光の形状を変える働きをするが、この働きは液晶の配向状態によって決まっているため、表示信号Di に対応した階調電圧によって偏光形状が制御される。この液晶層35から出射する偏光の形状により、出射光が偏光板32に吸収されるか否かが決まる。このようにして、表示信号Di に対応した階調電圧によって光の透過率が制御される。また、カラーフィルタ36のR,G,Bの各画素を通過した光の加色混合によってカラー画像が得られる。
【0026】
図4は、図1中のバックライト16の要部を示す図である。
このバックライト16は、同図4に示すように、発光領域が液晶パネル14のy方向(第2の方向)に2分割され、LEDブロック16a,16bから構成されている。この場合、液晶パネル14に対する走査信号OUTj の書込み(印加)は、走査電極Yj の1ライン目からn(最終)ライン目の方向に線順次に行われるが、同バックライト16は、n/2ライン目の近傍で分割されている。バックライト16が、この例のように2分割されている場合、映像信号検出部21は、1,…,n/2ラインに対応したR,G,Bそれぞれの入力映像信号VDの最も明るい階調レベル、及び(n+1)/2,…,nラインに対応したR,G,Bそれぞれの入力映像信号VDの最も明るい階調レベルを検出する。
【0027】
図5は、図1の液晶表示装置の動作を説明するタイムチャート、及び図6が、同図5中のオン期間を時間軸方向に拡大した図である。
これらの図を参照して、この例の液晶表示装置に用いられる駆動方法の処理内容について説明する。
この液晶表示装置では、各LEDブロック16a,16bの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同各LEDブロック16a,16bが所定の期間点灯し、かつ、同各LEDブロック16a,16bに対応して、入力映像信号VDのR,G,B毎の当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、同入力映像信号VDは、階調レベルの上限値を積算し、かつ上記最も明るい階調レベルで除算した値に変換される。そして、この値に対応した階調電圧が各データ電極に印加されると共に、同各LEDブロック16a,16bの点灯期間では、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する上記最も明るい階調レベルの割合に比例したデューティで同各LEDブロック16a,16bが点滅する。
【0028】
すなわち、入力映像信号VDは、映像信号検出部21により、各LEDブロック16a,16bに対応して、R,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、同最も明るい階調レベルが最大階調データgrhとして映像信号変換部22及びLED輝度変換部23へ送出されると共に、同入力映像信号VDの1フレーム毎の映像信号fvjがフレームメモリ11に送出される。映像信号fvjは、フレームメモリ11に格納され、また、同フレームメモリ11から映像信号データfvqとして映像信号変換部22へ送出される。映像信号変換部22では、フレームメモリ11から送出された映像信号データfvqは、入力映像信号VDの階調レベルの上限値(64階調)を積算し、かつ最大階調データgrhで除算した値に変換され、同映像信号変換部22から変換映像信号データfvrとしてH−ドライバ12へ送出される。この場合、たとえば、最大階調データgrhが32階調のとき、映像信号変換部22では、32階調が64階調に変換され、10階調が20階調(=入力映像信号10階調×64階調/最大階調32階調)に変換される。
【0029】
また、タイミングコントロール部25では、入力されたタイミング信号tpに基づいて、制御信号ctaが生成されてH−ドライバ12に送出されると共に、制御信号ctbが生成されてV−ドライバ13に送出される。H−ドライバ12では、タイミングコントロール部25から送出された制御信号cta及び映像信号変換部22から送出された変換映像信号データfvrに基づいて表示信号Di が生成され、液晶パネル14へ送出される。V−ドライバ13では、タイミングコントロール部25から送出された制御信号ctbに基づいて走査信号OUTj が生成され、液晶パネル14へ送出される。液晶パネル14では、図示しない各走査電極Yj
と各データ電極Xi とが駆動されることで、対応する画素領域に表示信号Di に対応した階調電圧が印加され、当該画素領域における液晶の応答が制御される。
【0030】
一方、LED輝度変換部23では、各LEDブロック16a,16bの点灯期間で、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する最大階調データgrhの割合に比例したデューティで同各LEDブロック16a,16bを点滅させるための制御信号ctuが生成され、同制御信号ctuが点灯タイミングコントロール部24へ出力される。たとえば、最大階調データgrhが32階調の場合、LEDブロック16a,16bの輝度が50%(最大階調データgrh;32階調/上限値;64階調)になるように制御信号ctuが生成される。点灯タイミングコントロール部24では、各LEDブロック16a,16bの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同各LEDブロック16a,16bを制御信号ctuに基づいたデューティで点滅させるための制御信号ctvが生成され、同制御信号ctvがLEDドライバ15へ送出される。
【0031】
この場合、たとえば図5に示すように、LEDブロック16aの点灯期間T1(時刻t1乃至t2)は、iフレーム目(i;整数)のn/2ライン目の液晶が70%以上応答した時点から(i+1)フレーム目の1ライン目の液晶が30%以下の応答となる時点までの期間25%(固定)となっている。従って、点灯開始は時刻t1乃至t3の範囲、及び点灯終了が時刻t2乃至t4の範囲に入っていれば良い。同様に、LEDブロック16bの点灯期間T2は、iフレーム目のnライン目の液晶が70%以上応答した時点から(i+1)フレーム目のn/2ライン目の液晶が30%以下の応答となる時点までの期間25%(固定)となっている。
【0032】
LEDドライバ15では、点灯タイミングコントロール部24から送出された制御信号ctvに基づいて、各LEDブロック16a,16bを点滅させるための駆動電圧dw1,dw2が生成される。LEDブロック16a,16bは、駆動電圧dw1,dw2が印加されることにより、たとえば図6に示すように、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する最大階調データgrhの割合に比例したデューティで点滅する。たとえば、LEDブロック16a,16bの輝度が50%の場合、図6中の期間T2(時刻a1乃至c1)は、期間T3(時刻a1乃至b1)の50%となる。この場合、点灯期間T1は、1周期が時刻a1乃至b1の時間幅を有する2つ以上の周期で構成される。また、この実施例では、時刻a1乃至b1の期間及び点灯のタイミングは、所定の値に固定され、入力映像信号VDによって変化はしない。
【0033】
以上のように、この第1の実施例では、各LEDブロック16a,16bの発光領域に対応した液晶の応答に対応して同各LEDブロック16a,16bが所定の期間点灯し、かつ、同各LEDブロック16a,16bに対応して、入力映像信号VDのR,G,B毎の当該フレームにおける最も明るい階調レベルが検出され、同入力映像信号VDは、階調レベルの上限値を積算し、かつ上記最も明るい階調レベルで除算した値に変換され、この値に対応した階調電圧が各データ電極に印加されると共に、同各LEDブロック16a,16bの点灯期間では、入力映像信号VDの階調レベルの上限値に対する上記最も明るい階調レベルの割合に比例したデューティで同各LEDブロック16a,16bが点滅するので、動画が表示されたときの尾引きが低減され、また、表示画面のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。また、入力映像信号VDによって各LEDブロック16a,16bの点灯デューティを変更する場合でも、各LEDブロック16a,16bの点灯タイミング及び点灯期間が固定され、かつ、同点灯期間が2つ以上の周期に分けられて同各LEDブロック16a,16bが点滅するので、階調レベルに関わらず、動画の尾引きが低減される。
【実施例2】
【0034】
図7は、この発明の第2の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の液晶表示装置では、同図7に示すように、図1中の駆動制御回路10に代えて、異なる構成の駆動制御回路10Aが設けられている。駆動制御回路10Aでは、図1中の映像信号検出部21に代えて、異なる機能を有する映像信号検出部21Aが設けられている。映像信号検出部21Aは、各LEDブロック16a,16bに対応して、入力映像信号VDのR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値を検出し、同平均値を最大階調データgrhとして映像信号変換部22及びLED輝度変換部23へ送出すると共に、入力映像信号VDの1フレーム毎の映像信号fvjをフレームメモリ11に送出する。また、上記平均値を最大階調データgrhとした場合、画素によっては本来の階調レベル(入力映像信号VDの階調レベル)より大きくなることがあるが、この画素の階調レベルに対しては、上限値に修正する。たとえば、上限値の64階調に対し、最大階調データgrhが65階調以上となる場合、同65階調を64階調に修正する。また、上記階調レベルの平均値は、たとえば、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを有する画素を基準として、所定の範囲内の画素に対応した階調レベルを検出し、この検出結果の平均をとることにより求められる。この場合、たとえば、最も明るい階調レベルから上位10%以内の階調レベルの平均値、あるいは、最も明るい階調レベルを有する画素と周囲の画素との階調レベルの平均値などが用いられる。
【0035】
この液晶表示装置では、映像信号検出部21Aにより、入力映像信号VDのR,G,B毎に、当該フレームにおける最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値が検出され、同平均値が最大階調データgrhとして出力される。このため、ある1画素のみの階調レベルが高い場合でも、表示画面全体のコントラストが向上すると共に輝度のダイナミックレンジが向上する。
【実施例3】
【0036】
図8は、この発明の第3の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図であり、第2の実施例を示す図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の液晶表示装置では、同図8に示すように、図7中の駆動制御回路10Aに代えて、異なる構成の駆動制御回路10Bが設けられると共に、フレームメモリ27が設けられている。駆動制御回路10Bでは、オーバードライブ部26が付加されている。フレームメモリ27は、映像信号変換部22から出力される変換映像信号データfvrを1フレーム毎に格納すると共に、変換映像信号データfvqaとしてオーバードライブ部26へ送出する。オーバードライブ部26は、映像信号変換部22から出力される変換映像信号データfvrの出力タイミングに同期して、フレームメモリ27から送出される変換映像信号データfvqaを、液晶パネル14の各画素領域20m,n に対して各フレーム期間毎にオーバードライブ駆動を行うためのレベルに変換して変換映像信号データfvraとしてH−ドライバ12へ送出する。
【0037】
この液晶表示装置では、液晶パネル14の各画素領域20m,n に対して各フレーム期間毎にオーバードライブ駆動が行われるので、上記第2の実施例よりも液晶の応答が速くなり、動画の尾引きがさらに改善される。
【実施例4】
【0038】
図9は、この発明の第4の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
この例の液晶表示装置では、同図9に示すように、図8中の駆動制御回路10Bに代えて、異なる構成の駆動制御回路10Cが設けられている。駆動制御回路10Cでは、図8中の映像信号検出部21A、オーバードライブ部26及びタイミングコントロール部25に代えて、異なる機能を有する映像信号検出部21B、オーバードライブ部26A及びタイミングコントロール部25Aが設けられている。映像信号検出部21Bは、所定のフレーム周波数(たとえば、60Hz)で入力される入力映像信号VDの各フレームを同フレーム周波数の2倍(120Hz)のサブフレーム周波数を有する2個のサブフレーム(第1及び第2サブフレーム)に分割し、各サブフレーム毎に映像信号検出部21Aと同様の動作を行う機能を有している。
【0039】
オーバードライブ部26Aは、映像信号変換部22から出力される変換映像信号データfvrの出力タイミングに同期して、フレームメモリ27から送出される変換映像信号データfvqaを、液晶パネル14の各画素領域20m,n に対して第1サブフレームでオーバードライブ駆動を行うためのレベルに変換する一方、第2サブフレームで通常駆動を行うレベルとする。タイミングコントロール部25Aは、H−ドライバ12及びV−ドライバ13が上記第3の実施例の2倍の速度で動作するための制御信号cta及び制御信号ctbを出力する。なお、フレーム周波数は、液晶パネル14の規格が例えばXGA(Extended Graphics Array )の場合に60.00Hz、VGA(Video
Graphics Array)の場合に59.94Hz、SVGA(Super Video Graphics
Array)の場合に60.32Hzである。
【0040】
この液晶表示装置では、図10に示すように、タイミングコントロール部25Aにより、H−ドライバ12及びV−ドライバ13が第3の実施例の2倍の速度で動作するため、各LEDブロック16a,16bの点滅時には、液晶の応答がさらに速くなり、動画の尾引きがさらに改善される。
【実施例5】
【0041】
図11は、この発明の第5の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
この例の液晶表示装置では、同図11に示すように、図9中の駆動制御回路10Cに代えて、異なる構成の駆動制御回路10Dが設けられている。駆動制御回路10Dでは、図9中の映像信号検出部21B、オーバードライブ部26A、点灯タイミングコントロール部24及びタイミングコントロール部25Aに代えて、異なる機能を有する映像信号検出部21C、オーバードライブ部26B、点灯タイミングコントロール部24A及びタイミングコントロール部25Bが設けられている。映像信号検出部21Cは、入力映像信号VDの各フレームを同フレーム周波数の4倍(240Hz)のサブフレーム周波数を有する4個のサブフレーム(第1乃至第4サブフレーム)に分割し、各サブフレーム毎に図8中の映像信号検出部21Aと同様の動作を行う機能を有している。
【0042】
オーバードライブ部26Bは、映像信号変換部22から出力される変換映像信号データfvrの出力タイミングに同期して、フレームメモリ27から送出される変換映像信号データfvqaを、液晶パネル14の各画素領域20m,n に対して第1サブフレームでオーバードライブ駆動を行うためのレベルに変換する一方、第2乃至第4サブフレームで通常駆動を行うレベルとする。点灯タイミングコントロール部24Aは、フレーム期間中に、各LEDブロック16a,16bを所定の時間間隔で2回点灯させ、特に、この実施例では、点灯周波数を120Hzとする。タイミングコントロール部25Bは、H−ドライバ12及びV−ドライバ13が上記第3の実施例の4倍の速度で動作するための制御信号cta及び制御信号ctbを出力する。
【0043】
この液晶表示装置では、図12に示すように、各LEDブロック16a,16bの点灯周波数が120Hzとなるため、同点灯周波数が60Hzの場合と比較して、ちらつきが視認されにくくなる。なお、第3乃至第4サブフレームでは、液晶に対する書込みを行わなくても良いが、次フレームの第1乃至第2サブフレームでは、液晶へ書き込む階調電圧の極性は、現フレームと反転させる。
【実施例6】
【0044】
図13は、この発明の第6の実施例である液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
この例の液晶表示装置では、同図13に示すように、図8中の駆動制御回路10B、LEDドライバ15及びバックライト16に代えて、異なる構成の駆動制御回路10E、LEDドライバ15A及びバックライト16Aが設けられている。
【0045】
図14は、図13中のバックライト16Aの要部を示す図である。
このバックライト16Aは、同図14に示すように、4行×4列に分割され、LEDブロック1A,1B,1C,1D,2A,2B,2C,2D,3A,3B,3C,3D,4A,4B,4C,4Dから構成されている。駆動制御回路10Eは、図8中の映像信号検出部21A、映像信号変換部22、LED輝度変換部23及び点灯タイミングコントロール部24に代えて、LEDドライバ15Aの各LEDブロックに対応して同様の動作をそれぞれ行う映像信号検出部21D、映像信号変換部22A、LED輝度変換部23A及び点灯タイミングコントロール部24Bが設けられている。LEDドライバ15Aは、点灯タイミングコントロール部24Bからの制御信号ctvに基づいて駆動電圧dw1,dw2,…,de16を生成し、上記各LEDブロックをそれぞれ駆動する。
【0046】
この液晶表示装置では、上記第3の実施例における各LEDブロック16a,16bに対応した動作に代えて、LEDドライバ15Aの各LEDブロックに対応した動作が行われる。この場合、LEDドライバ15Aの各LEDブロックは、各行で同じ期間及び同じタイミングでオン状態となる。たとえば、LEDブロック1A,1B,1C,1Dは同時にオン状態となるが、同オン状態における点滅のデューティは、各LEDブロック1A,1B,1C,1D毎に制御される。また、映像信号変換部22Aから出力される変換映像信号データfvrも、LEDドライバ15Aの各LEDブロックに対応して、それぞれ出力される。このように、LEDドライバ15Aの各LEDブロックに対応する細分化した動作が行われるため、表示画面の解像度が向上する。
【0047】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記各実施例では、H−ドライバデータ12は、制御信号ctaに基づいて、入力映像信号VDに対応する表示信号Di を液晶パネル14の各データ電極Xi に一括して印加するが、同表示信号Di を各データ電極Xi に点順次に印加するようにしても良い。また、LEDブロック16a,16bの1回の点灯期間は、フレーム期間の12.5%に限定されない。また、図1中の液晶パネル14は、図2及び図3に示す構成に限定されず、たとえば、横型電界駆動(IPS、In-Plane Switching)方式によるものを用いても良い。また、上記実施例6以外の他の全ての実施例においても、図13中のバックライト16Aを用いて各LEDブロック毎に駆動する構成としても良い。また、バックライト16が複数のLEDブロックに分割されていない構成であっても、上記各実施例に準じた作用、効果が得られる。また、バックライト16,16Aは、R,G,BのLEDの他、たとえば深紅などのLEDを有していても良い。この場合、上記各実施例の駆動制御回路10,10A,10B,10C,10D,10Eも、同バックライト16,16Aの構成に対応したものとする必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0048】
この発明は、バックライトがLEDで構成され、たとえば液晶テレビなど、動画像を表示する液晶表示装置全般に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
10,10A,10B,10C,10D,10E 駆動制御回路(駆動制御手段)
11 フレームメモリ(液晶表示装置の一部)
12 H−ドライバ(液晶表示装置の一部)
13 V−ドライバ(液晶表示装置の一部)
14 液晶パネル(液晶表示装置の一部)
15,15A LEDドライバ(液晶表示装置の一部)
16,16A バックライト(液晶表示装置の一部)
16a,16b LEDブロック(光源ブロック)
21,21A,21B,21C,21D 映像信号検出部(駆動制御手段の一部)
22,22A 映像信号変換部(駆動制御手段の一部)
23,23A LED輝度変換部(駆動制御手段の一部)
24,24A,24B 点灯タイミングコントロール部(駆動制御手段の一部)
25,25A,25B タイミングコントロール部(駆動制御手段の一部)
26,26A,26B オーバードライブ部(駆動制御手段の一部)
27 フレームメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置であって、
前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させる駆動制御手段が設けられていると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置であって、
前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値をフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の前記平均値で除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記平均値の割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させる駆動制御手段が設けられていると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルの前記各データ電極は、第1の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記各走査電極は、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記バックライトは、発光領域が前記液晶パネルの前記第1の方向にm(m;1以上の整数)分割及び前記第2の方向にk(k;2以上の整数)分割された複数の光源ブロックからなり、
前記駆動制御手段は、
前記各光源ブロックの発光領域に対応した前記液晶の応答に対応して当該光源ブロックを所定の期間点灯させ、かつ、前記各光源ブロックに対応して、前記LEDドライバを制御すると共に、
前記各光源ブロックの点灯期間は、
前記各光源ブロックの発光領域に対応した当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの前記発光領域に対応した液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
前記階調レベルの平均値は、
当該フレームにおける最も明るい階調レベルを有する画素を基準として、所定の範囲内の画素に対応した階調レベルを検出し、この検出結果の平均をとることにより求めることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶が応答した時点は、
該液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点、あるいは、前記第1の時点以降の第2の時点に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記駆動制御手段は、
前記画素領域に対して、各フレーム期間中に、オーバードライブ駆動を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記駆動制御手段は、
所定のフレーム周波数で入力される前記入力映像信号の各フレームを前記フレーム周波数のM倍(M;2以上の整数)のサブフレーム周波数を有するM個のサブフレームに分割し、対応する前記画素領域に対して、フレーム期間中に、第1番目の前記サブフレームでオーバードライブ駆動を行うと共に、第2番目以降の前記サブフレームで通常駆動を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記駆動制御手段は、
フレーム期間中に、前記バックライトを所定の時間間隔でN回(N;2以上の整数)点灯させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動制御回路であって、
前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置に用いられる駆動制御回路。
【請求項10】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動制御回路であって、
前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値をフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を有し、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の前記平均値で除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記平均値の割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置に用いられる駆動制御回路。
【請求項11】
前記液晶パネルの前記各データ電極は、第1の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記各走査電極は、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記バックライトは、発光領域が前記液晶パネルの前記第1の方向にm(m;1以上の整数)分割及び前記第2の方向にk(k;2以上の整数)分割された複数の光源ブロックからなり、
前記各光源ブロックの発光領域に対応した前記液晶の応答に対応して当該光源ブロックを所定の期間点灯させ、かつ、前記各光源ブロックに対応して、前記LEDドライバを制御すると共に、
前記各光源ブロックの点灯期間は、
前記各光源ブロックの発光領域に対応した当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの前記発光領域に対応した液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする請求項9又は10記載の液晶表示装置に用いられる駆動制御回路。
【請求項12】
1つの集積回路で構成されていることを特徴とする請求項9、10又は11記載の液晶表示装置に用いられる駆動制御回路。
【請求項13】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動方法であって、
駆動制御手段に、前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルをフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を設け、該駆動制御手段が、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の最も明るい階調レベルで除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記最も明るい階調レベルの割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置に用いられる駆動方法。
【請求項14】
液晶パネルと、
LEDドライバと、
少なくともR(赤),G(緑),B(青)のLEDを有し、前記LEDドライバの駆動電圧により前記液晶パネルを裏面側から照らすバックライトとを備え、該液晶パネルは、各走査電極と各データ電極とが駆動されることで、対応する画素領域に所定の階調電圧が印加され、該階調電圧に応じて当該画素領域における液晶の応答が制御されることにより入力映像信号に対応した表示画像を得る液晶表示装置に用いられる駆動方法であって、
駆動制御手段に、前記R,G,B毎に階調レベルの上限値が設定されている前記入力映像信号の最も明るい階調レベルを含む所定の範囲内の階調レベルの平均値をフレーム毎、R,G,B毎に検出する映像信号検出部を設け、該駆動制御手段が、前記入力映像信号のフレーム期間中に、前記画素領域における前記所定の階調電圧の印加に対して液晶が応答する前は前記LEDドライバに前記バックライトを消灯させる一方、該応答した時点で該バックライトを所定の期間点灯させ、かつ、前記入力映像信号の階調レベルに、該当する前記上限値を積算し、かつ、前記映像信号検出部により検出されたフレーム毎、R,G,B毎の前記平均値で除算した値に、前記入力映像信号の各階調レベルを変換すると共に、前記バックライトの点灯期間内では、前記上限値に対する前記平均値の割合に対応したデューティで前記LEDドライバに該バックライトを点滅させると共に、
前記バックライトの前記点灯期間は、
当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする液晶表示装置に用いられる駆動方法。
【請求項15】
前記液晶パネルの前記各データ電極は、第1の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記各走査電極は、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定間隔で互いに平行に配列され、前記バックライトは、発光領域が前記液晶パネルの前記第1の方向にm(m;1以上の整数)分割及び前記第2の方向にk(k;2以上の整数)分割された複数の光源ブロックからなり、
前記駆動制御手段が、前記各光源ブロックの発光領域に対応した前記液晶の応答に対応して当該光源ブロックを所定の期間点灯させ、かつ、前記各光源ブロックに対応して、前記LEDドライバを制御すると共に、
前記各光源ブロックの点灯期間は、
前記各光源ブロックの発光領域に対応した当該フレームの液晶の応答がほぼ70%以上に達した第1の時点から、当該フレームの次フレームの前記発光領域に対応した液晶の応答がほぼ30%以下である範囲内に設定されていることを特徴とする請求項13又は14記載の液晶表示装置に用いられる駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−20269(P2013−20269A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230373(P2012−230373)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2006−189352(P2006−189352)の分割
【原出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(303018827)NLTテクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】