液晶表示装置およびテレビ受像機
【課題】LEDのための放熱性能を向上できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】複数のLED12は回路基板11上に配置され、第2の方向Xに少なくとも3列で並ぶ。回路基板11上には、第2の方向Xで隣接する2つのLED12の間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板14A,14Bが配置されている。列L2に配置される接続板14Bは、両側の2列L1,L3に配置される接続板14Aよりも大きい。
【解決手段】複数のLED12は回路基板11上に配置され、第2の方向Xに少なくとも3列で並ぶ。回路基板11上には、第2の方向Xで隣接する2つのLED12の間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板14A,14Bが配置されている。列L2に配置される接続板14Bは、両側の2列L1,L3に配置される接続板14Aよりも大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源とするバックライトユニットを含む液晶表示装置及びそれを備えるテレビ受像器に関し、特にLEDのための放熱性能を向上するために技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、格子状に配置される複数のLEDを光源とする直下型のバックライトユニットが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−305341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のバックライトユニットのように複数のLEDが格子状に配置される構造は、必要となるLEDの数が多いという問題がある。
【0005】
そこで、バックライトユニットの上下方向又は左右方向の中央部にのみLEDを配置して、その光を、反射シートを利用して上下方向又は左右方向に広げる構造が検討されている。ところが、このような構造では、LEDの配置密度を高くする必要があることから、LEDの温度が高くなりやすい。特に複数のLEDを上下方向又は左右方向の中央部に3列や4列で配置した場合は、両側の2列に挟まれる中央の列に配置されるLEDの温度が高くなりやすい。
【0006】
本発明は、LEDのための放熱性能を向上できる液晶表示装置およびテレビ受像器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液晶表示装置は液晶表示パネルとバックライトユニットとを備える。前記バックライトユニットは、光源である複数のLEDが実装された回路基板であって、前記液晶表示パネルと対向するよう配置され、前記液晶表示パネルの上下方向又は左右方向の一方である第1の方向での幅が前記液晶表示パネルよりも小さい回路基板を備える。また、前記バックライトユニットは、前記第1の方向で前記回路基板を挟んで互いに反対側に位置する2つの領域であって、前記回路基板よりも大きな前記第1の方向の幅をそれぞれ有する、光源が設けられていない領域を備える。前記複数のLEDは前記第1の方向に対して直交する第2の方向に少なくとも3列で並ぶ。前記回路基板上には、前記第2の方向で隣接する2つのLEDの間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板が配置される。前記少なくとも3列のうち両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい。また、本発明に係るテレビ受像器は上記液晶表示装置を含む。
【0008】
本発明によれば、接続板からLEDの熱を放出できる。また、両側の2列の間の列に配置される接続板は、両側の2列に配置される接続板よりも大きい。そのため、両側の2列の間の列に配置されるLEDの熱を効率的に放出できる。
【0009】
本発明の一態様では、前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第1の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きくてもよい。この態様によれば、両側の2列に配置されるLEDの配置密度に比して中央の列に配置されるLEDの配置密度を低くすることが必要とされない。その結果、バックライトユニットの輝度を増すことが容易となる。
【0010】
この態様においては、さらに、前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第2の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板と等しくてもよい。この構造によれば、各列におけるLEDの配置密度が均一になる。
【0011】
本発明の他の態様では、隣接する2つの列のうち一方の列の前記複数のLEDの位置は、他方の列の前記複数のLEDの位置に対して、前記第2の方向にオフセットしてもよい。この態様によれば、LEDからの熱が分散し易くなる。
【0012】
本発明のさらに他の態様では、前記バックライトユニットは、前記複数のLEDの光を前記液晶表示パネルに向けて反射するための反射シートをさらに有してもよい。そして、前記反射シートは液晶表示パネルに向かって開いた凹状であり、前記回路基板は前記反射シートの底部に位置してもよい。この態様によれば、LEDの熱を液晶表示パネルの全体に広げることが容易となる。
【0013】
本発明のさらに他の態様では、前記回路基板は、前記複数のLEDと前記複数の接続板とで構成される列として、少なくとも5つの列を有してもよい。そして、前記少なくとも5つの列に配置される前記複数の接続板は、当該接続板が配置される列の、前記両側の2列からの距離に応じて、大きくなってもよい。この態様によれば、多くの列を有する構造においても、中央の列に配置されるLEDの熱を効率的に放出できる。
【0014】
本発明のさらに他の態様では、前記複数の接続板は矩形である。この態様によれば、接続板の面積を確保することが容易となる。
【0015】
回路基板では、LEDの端子の周辺の温度が特に高くなり、熱は同心円状に広がる。本発明のさらに他の態様では、前記複数の接続板のそれぞれはLEDに接続される縁部を含み、前記複数の接続板のそれぞれは、前記縁部の側に、前記第1の方向に張り出す突部を有してもよい。この態様によれば、LEDの端子を中心として、接続板上に想起できる円の半径を大きくできる。その結果、さらにLEDの熱をさらに効率的に放出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の概略の断面図である。
【図2】上記液晶表示装置が備えるバックライトユニットの正面図である。
【図3】上記バックライトユニットが備える回路基板の平面図である。
【図4】図3に示すC−C’線での温度分布を概略的に示す図である。
【図5】本発明に係る回路基板の第2の例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る回路基板の第3の例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る回路基板の第4の例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る回路基板の第5の例を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るテレビ受像器の分解斜視図である。
【図10】図9に示すテレビ受像機の反射シートよりも後方に配置された部材を示す正面図である。
【図11】図9に示すテレビ受像機の側面図である。
【図12】図9に示すテレビ受像機の縦断面を示す概略図である。
【図13】点光源の光強度分布(指向特性)を示している。
【図14】レンズを出た光の強度、具体的には点光源の照度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る液晶表示装置1の概略の断面図である。図2は液晶表示装置1が備えるバックライトユニット10の平面図である。
【0018】
以下の説明では、図2に示すYが請求項における第1の方向であり、Xが第1の方向に直交する第2の方向である。ここで説明する例では、第1の方向Yは後述する液晶表示パネル20の上下方向であり、第2の方向Xは液晶表示パネル20の左右方向である。なお、第1の方向は液晶表示パネル20の左右方向と定義され、第2の方向は液晶表示パネル20の上下方向と定義されてもよい。
【0019】
図1に示すように、液晶表示装置1は液晶表示パネル20を有している。液晶表示パネル20は2枚のガラス基板を有し、それらの間に液晶が封入されている。一方の基板(TFT基板)には、TFT(Thin Film Transistor)、ソース信号線、およびゲート信号線が形成され、他の基板にはカラーフィルタが形成されている。ゲート信号線とソース信号線は液晶表示パネル20の外部に引き出されて、ドライバICに接続される。ガラス基板のそれぞれの表面には偏光板(不図示)が貼られている。液晶表示パネル20の裏面側には液晶表示パネル20に光を照射するバックライトユニット10が配置されている。液晶表示パネル20とバックライトユニット10との間には、拡散シートやプリズムシートなどの複数の光学シート21が配置されている。
【0020】
バックライトユニット10は、光源である複数のLED(Light Emitting Diode)12が実装された回路基板11を有している。図2に示すように、この例の回路基板11は第2の方向Xに細長い基板であり、バックライトユニット10の第1の方向Yの中央部に配置されている。回路基板11の第1の方向Yの幅は液晶表示パネル20の第1の方向Yの幅よりも小さい。バックライトユニット10は光源が設けられていない領域A,Bを有している。領域A,Bは回路基板11の両側の領域であり、第1の方向Yで回路基板11を挟んで互いに反対側に位置している。この例では、領域Aは回路基板11の上側の領域であり、領域Bは回路基板11の下側の領域である。第1の方向Yの幅について領域Aと領域Bは回路基板11よりも大きい。
【0021】
図1に示すように、バックライトユニット10はLED12の光を液晶表示パネル20に向けて反射するための反射シート13を有している。反射シート13は、複数のLED12の位置を避けるように形成され、回路基板11上に配置されている。この例では、図2に示すように、反射シート13には各LED12の位置に穴が形成されており、LED12はそれぞれ穴の内側に配置されている。なお、反射シート13には第2の方向Xに細長い穴が形成され、その穴の内側に複数のLED12が配置されてもよい。
【0022】
図1に示すように、反射シート13は液晶表示パネル20に向かって開いた凹状である。回路基板11は反射シート13の底部に位置している。反射シート13のこのような形状により、複数のLED12の光は液晶表示パネル20の全面に照射され得る。反射シート13は、その底部に、平らな面(以下底面)13eを有している(図2参照)。底面13eの裏面側に回路基板11が配置されている。底面13eに複数のLED12が配置される穴が形成されている。
【0023】
反射シート13の上側部分13a(上述した領域Aに属する部分)と下側部分13b(上述した領域Bに属する部分)は、それぞれ、底面13eから第1の方向Yに広がりながら液晶表示パネル20に近づいている。図1に示す例では、上側部分13aと下側部分13bは液晶表示パネル20に近づくように湾曲している。また、この例では、図2に示すように、反射シート13の右側部分13cと左側部分13dも、底面13eから広がりながら液晶表示パネル20に近づいている。この例では、右側部分13cと左側部分13dは平坦な斜面である。なお、反射シート13の形状はこれに限られない。例えば、上側部分13aと下側部分13bは湾曲しない斜面でもよい。
【0024】
図1に示すように、この例では各LED12上にレンズ15が配置されている。一対のLED12とレンズ15は1つの点光源Sを構成している。レンズ15は例えばアクリル樹脂で形成される。レンズ15はLED12の光を第1の方向Yに広げる機能を有している。すなわち、光の照射角度はレンズ15によって上下方向に広げられる。そのため、LED12の光の一部は反射シート13の上側部分13aや下側部分13bに向かい、部分13a,13bで液晶表示パネル20に向けて反射される。その結果、液晶表示パネル20の広い範囲に光があたる。上述したように、反射シート13の右側部分13cと左側部分13dは液晶表示パネル20に向かって傾斜している。右側部分13cと左側部分13dとに向かうLED12の光は、これら部分13c,13dで液晶表示パネル20に向けて反射する。
【0025】
図1に示すように、液晶表示装置1は反射シート13と回路基板11とを収容するバックキャビネット31を有している。回路基板11はバックキャビネット31に固定されている。この例では、回路基板11の裏面には、回路基板11に対応したサイズの放熱板32が配置され、回路基板11は放熱板32を通してバックキャビネット31に固定されている。すなわち、回路基板11は放熱板32に固定され、放熱板32がバックキャビネット31に固定されている。回路基板11の熱は後述する接続板14A,14Bと、放熱板32と、を通して放出される。
【0026】
上述したように、この例の回路基板11は第2の方向Xに細長い基板である。図3は回路基板11の例を示す平面図である。この図では上述したレンズ15は省略されている。複数のLED12は、回路基板11上で、第2の方向Xに3列で並んでいる。この例では、複数のLED12は第2の方向Xに等間隔で並んでいる。なお、LED12の配置密度は、第2の方向Xにおいて変化してもよい。例えば、隣接する2つのLED12の間隔は、右方向又は左方向に行くに従って、漸次拡大されてもよい。
【0027】
回路基板11上には複数の接続板14A,14Bが配置されている。各接続板14A,14Bは、第2の方向Xにおいて隣接する2つのLED12の間に配置され、それらを電気的に接続している。すなわち、各LED12は、第2の方向Xにおいて隣接する2つの接続板14A又は14Bに跨って配置されている。各接続板14A,14Bの一方の縁部は、2つのLED12のうち一方のLED12のカソードに接続され、反対側の縁部は他方のLED12のアノードに接続されている。このような構造により、複数のLED12は、接続板14A,14Bを通して相互に繋がっている。LED12と接続板14A,14Bはいずれも、液晶表示パネル20に対向する回路基板11の前面11aに配置されている。
【0028】
接続板14A,14Bは例えば銅などの金属箔によって構成される。接続板14A,14BはLED12の熱を放出する機能を有するように形成されている。LEDでは、一般的に、カソード側の温度がアノード側に比べて高くなる。そのため、接続板14A,14Bは、特にカソード側の温度を下げるために利用される。この例では、図3に示すように、接続板14A,14Bは平面視においてLED12よりも大きい矩形である。
【0029】
各接続板14A,14Bは、例えば、回路基板上に配線パターンを形成する工程と同様の工程で形成される。すなわち、接続板14A,14Bは、金属箔をめっきした後にエッチングにより金属箔を部分的に除去することで、回路基板11上に形成される。なお、回路基板11とは別体に形成された金属箔が接続板14A,14Bとして回路基板11上に貼り付けられてもよい。
【0030】
上述したように、図3に示す例の回路基板11は3列で並ぶ複数のLED12を有しており、LED12と接続板14A又は14Bとで構成される列として、互いに平行な3つの列L1,L2,L3を有している。3つの列L1,L2,L3は第1の方向Yにおいて並んでいる。列L1,L3は両側の2列、すなわち端側の2列であり、列L2はそれらの間の列(以下、中央の列と称する)である。
【0031】
回路基板11が3つ或いはそれ以上の列を含む場合、中央の列L2に配置されるLED12の温度が高くなり易い。そこで、本実施形態では、列L2に配置される複数の接続板14Bは、回路基板11の平面視において、両側の2列L1,L3に配置される接続板14Aよりも大きい。具体的には、接続板14Bの面積が接続板14Aの面積よりも大きい。この例では、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2は、接続板14Aの第1の方向Yの幅Wy1,Wy3よりも大きい。その一方で、接続板14Bの第2の方向Xの幅Wx2は、接続板14Aの第2の方向Xの幅Wx1,Wx3と等しい。すなわち、接続板14Bは接続板14Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、第2の方向Xにおいて隣接する2つのLEDの間隔において、列L1と列L2と列3は互いに等しい。
【0032】
なお、図3に示す例では、列L1の接続板14Aの幅Wy1と列L3の接続板14Aの幅Wy3は等しい。しかしながら、列L1の接続板14Aの幅Wy1と列L3の接続板14Aの幅Wy3は異なっていてもよい。
【0033】
図3に示すように、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、第2の方向Xにおいてオフセットしている。このような配置により、各LED12のカソード周辺に熱が溜まることを抑えることができる。この例では、一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけオフセットしている。そのため、列L1,L3に配置される2つのLED12の中間位置を通る直線上に、列L2のLED12が位置している。
【0034】
図4は図3に示すC−C’線での温度分布を概略的に示す図である。同図において実線T1,T2,T3は、列L1のLED12,列L2のLED12,列L3のLED12からの熱による温度分布を個別に示している。また、一点鎖線Ttは全ての列のLED12からの熱による温度分布を示している。なお、線C−C’はLED12のカソード側を通る線である。
【0035】
図4の実線T1,T2,T3で示すように、各列のLED12からの熱による温度分布では、LED12が配置される位置P1,P2,P3で温度は最も高くなり、その位置P1,P2,P3からの距離に応じて温度は下がっている。上述したように、接続板14Bの幅は接続板14Aの幅よりも大きい。そのため、実線T2で示すように、列L2のLED12からの熱に起因する温度分布は、列L1,L3のLED12からの熱に起因する温度分布よりも、全体的に低くなっている。そのため、一点鎖線Ttで示す全ての列のLED12からの熱による温度分布において、列L2のLED12が配置された位置P2の近傍で特に温度が高くなることを、抑えることができている。
【0036】
LED12と接続板14A,14Bとで構成される列の数は3つに限られず、回路基板11はさらに多くの列を有してもよい。例えば、4つの列が回路基板11に形成されてもよい。この場合、中央の2列が含む接続板14Bが有する第1の方向Yの幅は、両側の2列が含む接続板14Aが有する第1の方向Yの幅よりも大きい。また、この場合、中央の2列が含む接続板14Bの第1の方向Yの幅は、互いに等しくてもよい。こうすることにより、中央の2列が含むLED12の温度が均等になりやすい。
【0037】
図5は回路基板11の第2の例を示す平面図である。なお、以下では、図3で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図3の例と同様である。
【0038】
図5の例では、回路基板11は、LED12と接続板14A,14B,14Cとで構成される列として、5つの列L1,L2,L3,L4,L5を有している。図5では、列L1,L5が両側の2列、すなわち端側の2列であり、列L2,L3,L4はそれらの間の列である。
【0039】
5つの列L1,L2,L3,L4,L5に配置される接続板14A,14B,14Cは、両側の2列L1,L5からの距離に応じて大きくなっている。すなわち、列L2,L4の接続板14Bは、列L1,L5の接続板14Aよりも大きく、中央の列L3の接続板14Cは列L2,L4の接続板14Bよりもさらに大きい。こうすることで、中央の列L3のLED12のカソード周辺に熱が溜まることを、効果的に抑えることができる。
【0040】
この例では、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2,Wy4は、接続板14Aの第1の方向Yの幅Wy1,Wy5よりも大きい。また、中央の列L3の接続板14Cの第1の方向Yの幅Wy3は、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2,Wy4よりも大きい。その一方で、接続板14B,Cの第2の方向Xの幅Wx2,Wx3,Wx4は、接続板14Aの第2の方向Xの幅Wx1,Wx5と等しい。すなわち、この例においても、接続板14B,14Cは接続板14Aを第1の方向に拡張した形状を有している。また、図3と同様に、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ第2の方向Xにオフセットしている。
【0041】
図6は回路基板11の第3の例を示す平面図である。なお、以下では、図3で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図3の例と同様である。
【0042】
LED12の熱は端子(すなわちカソード及びアノード)から同心円状に広がる。上述したように、特にカソード側の温度が高くなる。そこで、図6の例では、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大円(図6において二点差線T)の半径が、矩形の接続板に比べて大きくなるように、接続板の形状が工夫されている。
【0043】
具体的には、図6の回路基板11は、複数のLED12とともに第2の方向Xに並ぶ複数の接続板114A、114Bを有している。各接続板114A,114Bは第2の方向において互いに反対側に位置する2つの縁部114bを有している。LED12のカソードとアノードは縁部114bに接続されている。各接続板114A,114Bは、縁部114b側に、平面視において第1の方向Yに張り出す突部114aを有している。接続板114A,114Bのこのような形状により、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円Tの半径を大きくすることが可能となっている。この例では、接続板114A,114Bは第2の方向Xに沿った縁114cを有している。縁114cとは反対側に2つの突部114aが形成されている。また、この例では突部114aは平面視において三角形である。
【0044】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。一方の列の接続板114A又は114Bの突部114aと、他方の列の接続板114A又は114Bの突部114aは、第2の方向Xにおいて重なっている。換言すると、一方の列の接続板114A又は114Bの突部114aは、他方の列の接続板114A又は114Bの2つの突部114aの間に形成される凹部に嵌っている。このような配置により、回路基板11の第1の方向Yの幅の拡大を、抑えることができる。
【0045】
図6の例では、回路基板11は、複数のLED12と複数の接続板114A,114Bとで構成される列として、4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板114Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板114Bを含んでいる。接続板114Aと接続板114Bは、それらの突部114aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。また、列L2の接続板114Bと列L3の接続板114Bは、それらの縁114cが第1の方向において対向するように配置されている。
【0046】
図6の例においても、図3の例と同様に、中央の2列L2,L3に配置される接続板114Bは、両側の2列L1,L4に配置される接続板114Aよりも大きな面積を有している。具体的には、接続板114Bは、第1の方向Yにおける幅について接続板114Aよりも大きい。また、第2の方向Xの幅については、接続板114Bは接続板114Aと等しい。すなわち、接続板114Bは接続板114Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、接続板114Bの第1の方向Yにおける最大幅WyBと最小幅は、それぞれ、接続板114Aの最大幅WyAと最小幅よりも大きい。この例では、接続板114A,114Bは、その縁部114b側に突部114aを有している。そのため、各接続板114A,114Bが有する第1の方向Yの幅は、LED12が接続される2つの縁部114bにおいて最大WyA,WyBとなっている。そして、それらの幅は縁部114bからの距離に応じて漸次小さくなり、第2の方向Xの中心において最小となっている。
【0047】
図7は回路基板11の第4の例を示す平面図である。なお、以下では、図6で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図6の例と同様である。
【0048】
図7の回路基板11は、上述の接続板114A,114Bにそれぞれ対応する、接続板214Aと接続板214Bとを有している。各接続板214A,214Bは、LED12がそれぞれ接続される2つの縁部214bを有している。各接続板214A,214Bは、縁部214b側に、上述した突部114aに対応する突部214aを有している。そのため、この例においても、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円の半径を大きくすることが可能となっている。この例の突部214aは台形状であり、第2の方向Xに沿った縁214dと、縁214dから斜めに伸びる縁214eとを含んでいる。
【0049】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。一方の列の接続板214A又は214Bの突部214aと、他方の列の接続板214A又は214Bの突部214aは、第2の方向Xにおいて重なっている。すなわち、突部214aは、隣の列の接続板214A又は214Bが有する2つの突部214aの間の凹部に嵌るように位置している。
【0050】
図7の例では、回路基板11は4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板214Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板214Bを含んでいる。列L1の接続板214Aと列L2の接続板214Bは、それらの突部214aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。同様に、列L3の接続板214Bと列L4の接続板214Aは、それらの突部214aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。列L2の接続板214Bと列L3の接続板214Bは、それらの縁214cが互いに対向するように配置されている。
【0051】
図7の例においても、接続板214Bは、上述の接続板114Bと同様に、接続板214Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、接続板214Bの第1の方向Yにおける最大幅と最小幅は、それぞれ、接続板214Aの最大幅と最小幅よりも大きい。また、第2の方向Xの幅においては、接続板214Bは接続板214Aと等しい。
【0052】
図8は回路基板11の第5の例を示す平面図である。なお、以下では、図7で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図7の例と同様である。
【0053】
図8の回路基板11は複数の接続板314A、314Bを有している。各接続板314A,314Bは、LED12がそれぞれ接続される2つの縁部314b,314fを有している。縁部314bにLED12のカソードが接続され、縁部314fにLED12のアノードが接続されている。各接続板314A,314Bは、縁部314b側にのみ、上述した突部214aに対応する突部314aを有している。そのため、この例では、LED12のカソード端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円の半径をさらに大きくすることが可能となっている。なお、この例の突部314aも、上述の突部214aと同様に、平面視で台形状である。
【0054】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。そして、接続板314Aの突部314aと、接続板314Bの突部314aは、第2の方向Xにおいて重なっている。
【0055】
図8の例でも、回路基板11は4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板314Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板314Bを含んでいる。列L1の接続板314Aと列L2の接続板314Bは、それらの突部314aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。同様に、列L3の接続板314Bと列L4の接続板314Aは、それらの突部314aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。列L2の接続板314Bと列L3の接続板314Bは、第2の方向Xに沿った縁314cが近接するように配置されている。
【0056】
また、図8の例においても、図3の例と同様に、中央の2列L2,L4に配置される接続板314Bは、両側の2列L1,L4に配置される接続板314Aよりも大きな面積を有している。具体的には、接続板314Bは接続板314Aを第1の方向Yに拡張した形状を有しており、接続板314Bは、第1の方向Yにおける幅において接続板214Aよりも大きい。また、第2の方向Xの幅においては、接続板314Bは接続板314Aと等しい。
【0057】
以上説明したように、液晶表示装置1では、3つ又はそれ以上の列のうち両側の2列の間の列に配置される複数の接続板14A,114A,214A,314Aは、両側の2列に配置される複数の接続板14B,14C,114B,214B,314Bよりも大きい。そのため、両側の2列の間の列に配置されるLED12の熱を効率的に放出できる。特に、接続板14A,114A,214A,314Aは、第1の方向Yにおける幅において、接続板14B,14C,114B,214B,314Bよりも大きい。そのため、両側の2列に配置されるLED12の配置密度に比して中央の列に配置されるLED12の配置密度を低くすることが必要とされない。その結果、バックライトユニット10の輝度を増すことが容易となる。
【0058】
なお、以上の説明では、第1の方向Yはバックライトユニット10の上下方向であり、第2の方向Xはバックライトユニット10の左右方向であった。しかしながら、第1の方向はバックライトユニット10の左右方向と定義され、第2の方向はバックライトユニット10の上下方向と定義されてもよい。この場合、回路基板11は上下方向に細長い基板であり、バックライトユニット10の左右方向の中央部に配置される。
【0059】
また、以上の説明では、第2の方向Xにおいて、複数の接続板14A〜314Bは、互いに等しい幅を有していた。しかしながら、中央の1又は複数の列を構成する接続板14B,14C,114B,214B,314Bは、第2の方向Xにおける幅において、両側の2列を構成する接続板14A,114A,214A,314Aよりも大きくてもよい。すなわち、中央の列では、両側の2列に比べて、LED21の配置密度が下げられてもよい。
【0060】
また、液晶表示装置1では、回路基板11の両側の領域A,Bは、第1の方向Yの幅において、回路基板11よりも大きい。しかしながら、以上説明した接続板は、回路基板11が第1の方向Yの中央部に位置するものの、領域A,Bが第1の方向Yの幅において回路基板11よりも小さい液晶表示装置に適用されてもよい。
【0061】
液晶表示装置1を組み込んで、テレビジョン放送の電波を受信して映像を表示し音声を出すテレビ受像機を構成することができる。以下、テレビ受像機の例を説明する。
【0062】
図9は本発明の一実施形態に係るテレビ受像器の分解斜視図である。図10は図9に示すテレビ受像機の反射シート13よりも後方に配置された部材を示す正面図である。図11は図9に示すテレビ受像機の側面図である。図12は図9に示すテレビ受像機の縦断面を示す概略図である。
【0063】
テレビ受像機は、横長の画面を有する液晶表示パネル20を有している。テレビ受像機の画面のアスペクト比(左右寸法と上下寸法の比)は16対9である。液晶表示パネル20の前側(画像を表示する側)はフロントフレーム41に支持され、後側はモールドフレーム42で支持されている。テレビ受像器は、液晶表示パネル20に重なるバックライトユニット10を有している。
【0064】
液晶表示パネル20、フロントフレーム41、モールドフレーム42及びバックライトユニット10は、フロントキャビネット33及びバックキャビネット31からなるキャビネットに収容される。フロントキャビネット33は樹脂で形成され、バックキャビネット31は塗装された鉄で形成されている。キャビネット31,33は、台座55及び脚54からなるスタンド53で支持されている。図11に示すように、キャビネット31,33の側面にはスイッチ57が配置されている。
【0065】
バックキャビネット31の下部の後方には、カバー51が取り付けられている。カバー51の内部には、スピーカ56及び回路基板52が配置されている。回路基板52は、様々な周波数の電波の中から特定の周波数の電波を選び出すための同調回路(チューナ)を備えている。
【0066】
バックライトユニット10は上述したように反射シート13を有している。反射シート13はその凹面が液晶表示パネル20に向くように配置されている。反射シート13の底部13eを除く部分は、バックキャビネット31から前方に離れている(図1および図12参照)。上側部分13aと下側部分13bは複数のLED12を挟むように位置している。反射シート13とバックキャビネット31との間のスペースの下方に回路基板52が配置されている(図12参照)。
【0067】
回路基板11は反射シート13を挟んで液晶表示パネル20とは反対側に位置し、当該反射シート13に重なっている。回路基板11の上下方向の幅は、液晶表示パネル20の上下方向の長さの半分以下である。上述したように、複数のLED12(図1参照)は液晶表示パネル20のほぼ中央の後方に配置され、回路基板11に実装されている。LED12は左右方向に3列で並び、且つ、千鳥状に配置されている。
【0068】
回路基板11はバックキャビネット31に固定されている。例えば、回路基板11はバックキャビネット31に直接的に固定される。回路基板11は例えば螺子でバックキャビネット31に固定される。また、ここで説明する例のように、回路基板11は放熱板32を通してバックキャビネット31に固定されていてもよい。例えば、回路基板11はアルミニウムなどの金属の放熱板32に螺子で固定され、バックキャビネット31には放熱板32が固定されてもよい。
【0069】
回路基板11と反射シート13はバックキャビネット31に近接している。そのため、テレビ受像器の薄型化を実現することができる。つまり、従来のバックライト構造では、LEDを搭載する回路基板は、鉄やアルミニウムで構成された液晶表示装置のバックフレーム(図示せず)に固定され、このバックフレームの外部にLEDを駆動する電源や液晶表示パネルのゲート信号線やドレイン信号線を制御するタイミングコントローラの基板を配置し、さらにその外部にバックキャビネットが配置されていた。そのため、バックライトの光学シートとLEDとの距離に加えて、バックフレームとバックキャビネットの距離も必要になり、液晶表示装置が厚くなっていた。本実施形態では、回路基板11と放熱板32は接触し、放熱板32とバックキャビネット31はネジで固定されている。そのため、光学シート21と回路基板11との距離Zd(図12参照)以外に、不要な距離がなく、テレビ受像器は薄型化されている。
【0070】
テレビ受像器の薄型化は、電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル20のタイミング回路を有する回路基板52の配置によっても実現されている。詳しくは、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bがバックキャビネット31から離れる方向に湾曲しているので、反射シート13とバックキャビネット31との間に広いスペースを得ることができる。また、テレビ受像器の下部に、電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル20のタイミング回路を有する回路基板52がコンパクトに格納されている。これにより回路基板11とバックキャビネット31の間に、電源回路等を収納するためのスペースを設ける必要がなくなる。
【0071】
回路基板11としてはプリント配線基板を使用することができる。上述したように、バックライトユニット10は光源が設けられていない領域A,Bを有している。各領域A,Bの上下方向の幅は回路基板11の上下方向の幅よりも大きい。そのため、図10に示すように、回路基板11の上下方向の寸法YLは、液晶表示パネル20の上下方向の寸法YHの1/3以下である。
【0072】
上述したように各LED12上にはレンズ15が配置され、一対のLED12とレンズ15は1つの点光源S(図1参照)を構成している。点光源Sは回路基板11に搭載され、反射シート13の底部13e(図2参照)に形成された穴を通して底部13eの前側に突出している。複数の点光源Sは画面の左右方向に少なくとも3列で並んでいる。複数の点光源Sの全体の上下方向の幅は液晶表示パネル20の上下方向の長さの半分以下である。
【0073】
点光源Sは、回路基板11に対して垂直な方向だけでなく、それ以外の方向にも光を放射する。点光源Sの光強度は回路基板11に対して垂直な方向よりも他の方向において強くなっている。レンズ15は、正面方向に比べて視角方向に、LED12からの放射光をより広げる。図13は点光源Sのこのような光強度分布(指向特性)を示している。また、図14は、レンズ15を出た光の強度、具体的には点光源Sの照度の測定結果を示す図である。なお、θは、回路基板11に対して垂直な方向と光の出射方向とのなす角度である。
【0074】
ここで説明するテレビ受像器の特徴の1つは、回路基板11の上下方向寸法YLが液晶表示パネル20の上下方向寸法YHの1/3以下と小さくしているにも拘わらず、画面全体が明るく、且つ画面全体で輝度の均一性が高いことである。
【0075】
従来のテレビ受像器は、複数の発光ダイオードが実装された複数の回路基板を有し、これら複数の回路基板の全体のサイズは液晶表示パネルのサイズに合致している。また、回路基板間の領域でも輝度が変化しないように回路基板および当該回路基板に搭載されたLEDはレイアウトされている。具体的には、個々のLEDの位置が光学的に認識され得ないように、多数のLEDが用いられ、またLEDの間隔が小さく設定されている。
【0076】
ここで説明する例では、上下方向に最も離れて位置する2つのレンズ15の間隔は液晶表示パネル20の寸法YHの1/3以下である。LED12及びレンズ15は、コストを低減するため、回路基板11の外側にはみ出さない寸法に設定されている。
【0077】
この例では、回路基板11の寸法YL、あるいは最上段の列のレンズ15の上縁と、最下段の列のレンズ15の下縁との間の距離は、液晶表示パネル20の寸法YHの1/3以下となっている。これにより、LED12の数が従来に比して減り、コストが大きく低減され得る。また、レンズ15や反射シート13を利用しているので、LED12の数を減らしても、明るく、輝度分布が自然な液晶表示パネル20が得られる。
【0078】
本実施形態では、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bの全体の幅は、液晶表示パネル20の寸法YHから回路基板11の寸法YLを除いた長さの幅を有するように、設定されている。上側部分13aの幅と下側部分13bの幅の和が寸法YHの1/2以上であれば、画面の輝度分布が滑らかとなり、しかもLED12の数を大幅に削減することができ、コストを低減することができる。すなわち、点光源Sが配置される領域よりも、上側部分13aと下側部分13bとを含む反射領域を大きくすることで、コストを削減できる。
【0079】
LED12から放射された光はレンズ15により広げられる。LED15の配光特性は、真っ直ぐ前方より斜め方向への光強度が強くなっている。複数のLED12それぞれにレンズ15が装着されているため、回路基板11から光学シート21(図1参照)までの空間では、真っ直ぐ前方に向かう放射光より、上下方向に向かう放射光の強度が大きくなっている。レンズ15から前方に放射された光の一部は光学シート21を透過し、液晶表示パネル20を通して画像として表示される。前方に放射された光の残りは光学シート21と反射シート13とで反射し、前方に対して斜めの方向にも放射される。レンズ15を通して上下方向に斜めに放射された光の一部は、光学シート21を通じて液晶表示パネル20の外周部を透過する。また、斜めに放射された光の他の一部は反射シート13で反射して、光学シート21に向かう。
【0080】
ここで説明するテレビ受像器の輝度性能は、正面で測定した輝度を100%とすると、外周部での輝度は30%程度となる。液晶表示パネル20の中央輝度と、平均輝度の比は1.65となっている。しかし、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bはなだらかに湾曲しているため、輝度は回路基板11から上下方向になだらかに変化する。このように輝度が急激に変化する点が存在しないため、高画質な画像を提供することができる。中央輝度と平均輝度が1.65以上でも滑らかな輝度分布が得られることは、逆に言えば、LED12数を低減し、回路基板11の幅を小さくできるということである。なお、液晶表示パネル20の正面への光放射を遮断する構造では、液晶表示パネル20の中央が暗くなる。そこで、個々のLED12とレンズ15を含む点光源Sの光出射特性は、真っ直ぐ前方にも所定の出力がある。
【0081】
バックキャビネット31は、テレビ受像器の最外表面を構成している。回路基板11は放熱板32に螺子で固定されており、LED12の熱は回路基板11の接続板14A,14B(図3参照)及び放熱板32から放出される。なお、テレビ受像器の輝度が低い場合、すなわち、LED12から放出される熱量が少ない場合、放熱板32を用いることなく、回路基板11は直接的にバックキャビネット31に固定されてもよい。この場合、LED12の放熱は回路基板11のみによってなされるが、回路基板11自体や回路基板11上の接続板14A,14Bの放熱効果でも、LED12の接続部の温度を抑えることは可能である。
【0082】
次に、テレビ受像器の製造工程を説明する。鉄を材料とする部材に塗装を施してなるバックキャビネット31の内側に、壁掛け用の金具34を取り付ける。金具34はバックキャビネット31の強度を補強する。金具34には螺子穴が形成されており、この螺子孔に壁に固定された螺子が引っ掛かる。金具34を取り付けた後、バックキャビネット31の内側に放熱板32を固定する。
【0083】
次に、LED12を搭載した回路基板11を放熱板32に取り付ける。LED12上にはレンズ15をキャッピングし、これを例えば接着材で固定する。LED12の接続部の耐熱性に余裕がある場合、回路基板11はバックキャビネット31に直接的に取り付けられてもよい。ここで、回路基板11の表面がLED12から放射された光を反射しやすくするために、回路基板11上に白レジストを塗布しておく。次に、反射シート13を回路基板11に取り付ける。反射シート13のさらに前方に、厚さが1.5から3mmの拡散シート、プリズムシートなどの光学シート21を配置する。
【0084】
次に、樹脂材料で作成した4分割されたモールドフレーム42で光学シート21を固定する。光学シート21の前方に液晶表示パネル20を配置する。液晶表示パネル20の前側には、ドライバICからの電磁波を防止し、且つ、液晶表示パネル20を固定するための鉄で形成されたフロントフレーム41を取り付ける。
【0085】
最終的にテレビ受像器を完成するためには、フロントフレーム41の表面に樹脂材料で構成されたフロントキャビネット33を取り付け、キャビネット31,33の下にLED12の制御回路、タイミングコントロール回路、映像回路に電源を供給する電源回路、外部との接続端子などが配置され、保護用の樹脂製のカバー51が取り付けられる。
【符号の説明】
【0086】
1 液晶表示装置、10 バックライトユニット、11 回路基板、12 LED、13 反射シート、14A,14B,14C,114A,114B,214A,214B,314A,314B 接続板、15 レンズ、20 液晶表示パネル、L1,L2,L3,L4,L5 列、Y 第1の方向、X 第2の方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源とするバックライトユニットを含む液晶表示装置及びそれを備えるテレビ受像器に関し、特にLEDのための放熱性能を向上するために技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、格子状に配置される複数のLEDを光源とする直下型のバックライトユニットが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−305341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のバックライトユニットのように複数のLEDが格子状に配置される構造は、必要となるLEDの数が多いという問題がある。
【0005】
そこで、バックライトユニットの上下方向又は左右方向の中央部にのみLEDを配置して、その光を、反射シートを利用して上下方向又は左右方向に広げる構造が検討されている。ところが、このような構造では、LEDの配置密度を高くする必要があることから、LEDの温度が高くなりやすい。特に複数のLEDを上下方向又は左右方向の中央部に3列や4列で配置した場合は、両側の2列に挟まれる中央の列に配置されるLEDの温度が高くなりやすい。
【0006】
本発明は、LEDのための放熱性能を向上できる液晶表示装置およびテレビ受像器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液晶表示装置は液晶表示パネルとバックライトユニットとを備える。前記バックライトユニットは、光源である複数のLEDが実装された回路基板であって、前記液晶表示パネルと対向するよう配置され、前記液晶表示パネルの上下方向又は左右方向の一方である第1の方向での幅が前記液晶表示パネルよりも小さい回路基板を備える。また、前記バックライトユニットは、前記第1の方向で前記回路基板を挟んで互いに反対側に位置する2つの領域であって、前記回路基板よりも大きな前記第1の方向の幅をそれぞれ有する、光源が設けられていない領域を備える。前記複数のLEDは前記第1の方向に対して直交する第2の方向に少なくとも3列で並ぶ。前記回路基板上には、前記第2の方向で隣接する2つのLEDの間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板が配置される。前記少なくとも3列のうち両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい。また、本発明に係るテレビ受像器は上記液晶表示装置を含む。
【0008】
本発明によれば、接続板からLEDの熱を放出できる。また、両側の2列の間の列に配置される接続板は、両側の2列に配置される接続板よりも大きい。そのため、両側の2列の間の列に配置されるLEDの熱を効率的に放出できる。
【0009】
本発明の一態様では、前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第1の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きくてもよい。この態様によれば、両側の2列に配置されるLEDの配置密度に比して中央の列に配置されるLEDの配置密度を低くすることが必要とされない。その結果、バックライトユニットの輝度を増すことが容易となる。
【0010】
この態様においては、さらに、前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第2の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板と等しくてもよい。この構造によれば、各列におけるLEDの配置密度が均一になる。
【0011】
本発明の他の態様では、隣接する2つの列のうち一方の列の前記複数のLEDの位置は、他方の列の前記複数のLEDの位置に対して、前記第2の方向にオフセットしてもよい。この態様によれば、LEDからの熱が分散し易くなる。
【0012】
本発明のさらに他の態様では、前記バックライトユニットは、前記複数のLEDの光を前記液晶表示パネルに向けて反射するための反射シートをさらに有してもよい。そして、前記反射シートは液晶表示パネルに向かって開いた凹状であり、前記回路基板は前記反射シートの底部に位置してもよい。この態様によれば、LEDの熱を液晶表示パネルの全体に広げることが容易となる。
【0013】
本発明のさらに他の態様では、前記回路基板は、前記複数のLEDと前記複数の接続板とで構成される列として、少なくとも5つの列を有してもよい。そして、前記少なくとも5つの列に配置される前記複数の接続板は、当該接続板が配置される列の、前記両側の2列からの距離に応じて、大きくなってもよい。この態様によれば、多くの列を有する構造においても、中央の列に配置されるLEDの熱を効率的に放出できる。
【0014】
本発明のさらに他の態様では、前記複数の接続板は矩形である。この態様によれば、接続板の面積を確保することが容易となる。
【0015】
回路基板では、LEDの端子の周辺の温度が特に高くなり、熱は同心円状に広がる。本発明のさらに他の態様では、前記複数の接続板のそれぞれはLEDに接続される縁部を含み、前記複数の接続板のそれぞれは、前記縁部の側に、前記第1の方向に張り出す突部を有してもよい。この態様によれば、LEDの端子を中心として、接続板上に想起できる円の半径を大きくできる。その結果、さらにLEDの熱をさらに効率的に放出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の概略の断面図である。
【図2】上記液晶表示装置が備えるバックライトユニットの正面図である。
【図3】上記バックライトユニットが備える回路基板の平面図である。
【図4】図3に示すC−C’線での温度分布を概略的に示す図である。
【図5】本発明に係る回路基板の第2の例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る回路基板の第3の例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る回路基板の第4の例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る回路基板の第5の例を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るテレビ受像器の分解斜視図である。
【図10】図9に示すテレビ受像機の反射シートよりも後方に配置された部材を示す正面図である。
【図11】図9に示すテレビ受像機の側面図である。
【図12】図9に示すテレビ受像機の縦断面を示す概略図である。
【図13】点光源の光強度分布(指向特性)を示している。
【図14】レンズを出た光の強度、具体的には点光源の照度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る液晶表示装置1の概略の断面図である。図2は液晶表示装置1が備えるバックライトユニット10の平面図である。
【0018】
以下の説明では、図2に示すYが請求項における第1の方向であり、Xが第1の方向に直交する第2の方向である。ここで説明する例では、第1の方向Yは後述する液晶表示パネル20の上下方向であり、第2の方向Xは液晶表示パネル20の左右方向である。なお、第1の方向は液晶表示パネル20の左右方向と定義され、第2の方向は液晶表示パネル20の上下方向と定義されてもよい。
【0019】
図1に示すように、液晶表示装置1は液晶表示パネル20を有している。液晶表示パネル20は2枚のガラス基板を有し、それらの間に液晶が封入されている。一方の基板(TFT基板)には、TFT(Thin Film Transistor)、ソース信号線、およびゲート信号線が形成され、他の基板にはカラーフィルタが形成されている。ゲート信号線とソース信号線は液晶表示パネル20の外部に引き出されて、ドライバICに接続される。ガラス基板のそれぞれの表面には偏光板(不図示)が貼られている。液晶表示パネル20の裏面側には液晶表示パネル20に光を照射するバックライトユニット10が配置されている。液晶表示パネル20とバックライトユニット10との間には、拡散シートやプリズムシートなどの複数の光学シート21が配置されている。
【0020】
バックライトユニット10は、光源である複数のLED(Light Emitting Diode)12が実装された回路基板11を有している。図2に示すように、この例の回路基板11は第2の方向Xに細長い基板であり、バックライトユニット10の第1の方向Yの中央部に配置されている。回路基板11の第1の方向Yの幅は液晶表示パネル20の第1の方向Yの幅よりも小さい。バックライトユニット10は光源が設けられていない領域A,Bを有している。領域A,Bは回路基板11の両側の領域であり、第1の方向Yで回路基板11を挟んで互いに反対側に位置している。この例では、領域Aは回路基板11の上側の領域であり、領域Bは回路基板11の下側の領域である。第1の方向Yの幅について領域Aと領域Bは回路基板11よりも大きい。
【0021】
図1に示すように、バックライトユニット10はLED12の光を液晶表示パネル20に向けて反射するための反射シート13を有している。反射シート13は、複数のLED12の位置を避けるように形成され、回路基板11上に配置されている。この例では、図2に示すように、反射シート13には各LED12の位置に穴が形成されており、LED12はそれぞれ穴の内側に配置されている。なお、反射シート13には第2の方向Xに細長い穴が形成され、その穴の内側に複数のLED12が配置されてもよい。
【0022】
図1に示すように、反射シート13は液晶表示パネル20に向かって開いた凹状である。回路基板11は反射シート13の底部に位置している。反射シート13のこのような形状により、複数のLED12の光は液晶表示パネル20の全面に照射され得る。反射シート13は、その底部に、平らな面(以下底面)13eを有している(図2参照)。底面13eの裏面側に回路基板11が配置されている。底面13eに複数のLED12が配置される穴が形成されている。
【0023】
反射シート13の上側部分13a(上述した領域Aに属する部分)と下側部分13b(上述した領域Bに属する部分)は、それぞれ、底面13eから第1の方向Yに広がりながら液晶表示パネル20に近づいている。図1に示す例では、上側部分13aと下側部分13bは液晶表示パネル20に近づくように湾曲している。また、この例では、図2に示すように、反射シート13の右側部分13cと左側部分13dも、底面13eから広がりながら液晶表示パネル20に近づいている。この例では、右側部分13cと左側部分13dは平坦な斜面である。なお、反射シート13の形状はこれに限られない。例えば、上側部分13aと下側部分13bは湾曲しない斜面でもよい。
【0024】
図1に示すように、この例では各LED12上にレンズ15が配置されている。一対のLED12とレンズ15は1つの点光源Sを構成している。レンズ15は例えばアクリル樹脂で形成される。レンズ15はLED12の光を第1の方向Yに広げる機能を有している。すなわち、光の照射角度はレンズ15によって上下方向に広げられる。そのため、LED12の光の一部は反射シート13の上側部分13aや下側部分13bに向かい、部分13a,13bで液晶表示パネル20に向けて反射される。その結果、液晶表示パネル20の広い範囲に光があたる。上述したように、反射シート13の右側部分13cと左側部分13dは液晶表示パネル20に向かって傾斜している。右側部分13cと左側部分13dとに向かうLED12の光は、これら部分13c,13dで液晶表示パネル20に向けて反射する。
【0025】
図1に示すように、液晶表示装置1は反射シート13と回路基板11とを収容するバックキャビネット31を有している。回路基板11はバックキャビネット31に固定されている。この例では、回路基板11の裏面には、回路基板11に対応したサイズの放熱板32が配置され、回路基板11は放熱板32を通してバックキャビネット31に固定されている。すなわち、回路基板11は放熱板32に固定され、放熱板32がバックキャビネット31に固定されている。回路基板11の熱は後述する接続板14A,14Bと、放熱板32と、を通して放出される。
【0026】
上述したように、この例の回路基板11は第2の方向Xに細長い基板である。図3は回路基板11の例を示す平面図である。この図では上述したレンズ15は省略されている。複数のLED12は、回路基板11上で、第2の方向Xに3列で並んでいる。この例では、複数のLED12は第2の方向Xに等間隔で並んでいる。なお、LED12の配置密度は、第2の方向Xにおいて変化してもよい。例えば、隣接する2つのLED12の間隔は、右方向又は左方向に行くに従って、漸次拡大されてもよい。
【0027】
回路基板11上には複数の接続板14A,14Bが配置されている。各接続板14A,14Bは、第2の方向Xにおいて隣接する2つのLED12の間に配置され、それらを電気的に接続している。すなわち、各LED12は、第2の方向Xにおいて隣接する2つの接続板14A又は14Bに跨って配置されている。各接続板14A,14Bの一方の縁部は、2つのLED12のうち一方のLED12のカソードに接続され、反対側の縁部は他方のLED12のアノードに接続されている。このような構造により、複数のLED12は、接続板14A,14Bを通して相互に繋がっている。LED12と接続板14A,14Bはいずれも、液晶表示パネル20に対向する回路基板11の前面11aに配置されている。
【0028】
接続板14A,14Bは例えば銅などの金属箔によって構成される。接続板14A,14BはLED12の熱を放出する機能を有するように形成されている。LEDでは、一般的に、カソード側の温度がアノード側に比べて高くなる。そのため、接続板14A,14Bは、特にカソード側の温度を下げるために利用される。この例では、図3に示すように、接続板14A,14Bは平面視においてLED12よりも大きい矩形である。
【0029】
各接続板14A,14Bは、例えば、回路基板上に配線パターンを形成する工程と同様の工程で形成される。すなわち、接続板14A,14Bは、金属箔をめっきした後にエッチングにより金属箔を部分的に除去することで、回路基板11上に形成される。なお、回路基板11とは別体に形成された金属箔が接続板14A,14Bとして回路基板11上に貼り付けられてもよい。
【0030】
上述したように、図3に示す例の回路基板11は3列で並ぶ複数のLED12を有しており、LED12と接続板14A又は14Bとで構成される列として、互いに平行な3つの列L1,L2,L3を有している。3つの列L1,L2,L3は第1の方向Yにおいて並んでいる。列L1,L3は両側の2列、すなわち端側の2列であり、列L2はそれらの間の列(以下、中央の列と称する)である。
【0031】
回路基板11が3つ或いはそれ以上の列を含む場合、中央の列L2に配置されるLED12の温度が高くなり易い。そこで、本実施形態では、列L2に配置される複数の接続板14Bは、回路基板11の平面視において、両側の2列L1,L3に配置される接続板14Aよりも大きい。具体的には、接続板14Bの面積が接続板14Aの面積よりも大きい。この例では、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2は、接続板14Aの第1の方向Yの幅Wy1,Wy3よりも大きい。その一方で、接続板14Bの第2の方向Xの幅Wx2は、接続板14Aの第2の方向Xの幅Wx1,Wx3と等しい。すなわち、接続板14Bは接続板14Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、第2の方向Xにおいて隣接する2つのLEDの間隔において、列L1と列L2と列3は互いに等しい。
【0032】
なお、図3に示す例では、列L1の接続板14Aの幅Wy1と列L3の接続板14Aの幅Wy3は等しい。しかしながら、列L1の接続板14Aの幅Wy1と列L3の接続板14Aの幅Wy3は異なっていてもよい。
【0033】
図3に示すように、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、第2の方向Xにおいてオフセットしている。このような配置により、各LED12のカソード周辺に熱が溜まることを抑えることができる。この例では、一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけオフセットしている。そのため、列L1,L3に配置される2つのLED12の中間位置を通る直線上に、列L2のLED12が位置している。
【0034】
図4は図3に示すC−C’線での温度分布を概略的に示す図である。同図において実線T1,T2,T3は、列L1のLED12,列L2のLED12,列L3のLED12からの熱による温度分布を個別に示している。また、一点鎖線Ttは全ての列のLED12からの熱による温度分布を示している。なお、線C−C’はLED12のカソード側を通る線である。
【0035】
図4の実線T1,T2,T3で示すように、各列のLED12からの熱による温度分布では、LED12が配置される位置P1,P2,P3で温度は最も高くなり、その位置P1,P2,P3からの距離に応じて温度は下がっている。上述したように、接続板14Bの幅は接続板14Aの幅よりも大きい。そのため、実線T2で示すように、列L2のLED12からの熱に起因する温度分布は、列L1,L3のLED12からの熱に起因する温度分布よりも、全体的に低くなっている。そのため、一点鎖線Ttで示す全ての列のLED12からの熱による温度分布において、列L2のLED12が配置された位置P2の近傍で特に温度が高くなることを、抑えることができている。
【0036】
LED12と接続板14A,14Bとで構成される列の数は3つに限られず、回路基板11はさらに多くの列を有してもよい。例えば、4つの列が回路基板11に形成されてもよい。この場合、中央の2列が含む接続板14Bが有する第1の方向Yの幅は、両側の2列が含む接続板14Aが有する第1の方向Yの幅よりも大きい。また、この場合、中央の2列が含む接続板14Bの第1の方向Yの幅は、互いに等しくてもよい。こうすることにより、中央の2列が含むLED12の温度が均等になりやすい。
【0037】
図5は回路基板11の第2の例を示す平面図である。なお、以下では、図3で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図3の例と同様である。
【0038】
図5の例では、回路基板11は、LED12と接続板14A,14B,14Cとで構成される列として、5つの列L1,L2,L3,L4,L5を有している。図5では、列L1,L5が両側の2列、すなわち端側の2列であり、列L2,L3,L4はそれらの間の列である。
【0039】
5つの列L1,L2,L3,L4,L5に配置される接続板14A,14B,14Cは、両側の2列L1,L5からの距離に応じて大きくなっている。すなわち、列L2,L4の接続板14Bは、列L1,L5の接続板14Aよりも大きく、中央の列L3の接続板14Cは列L2,L4の接続板14Bよりもさらに大きい。こうすることで、中央の列L3のLED12のカソード周辺に熱が溜まることを、効果的に抑えることができる。
【0040】
この例では、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2,Wy4は、接続板14Aの第1の方向Yの幅Wy1,Wy5よりも大きい。また、中央の列L3の接続板14Cの第1の方向Yの幅Wy3は、接続板14Bの第1の方向Yの幅Wy2,Wy4よりも大きい。その一方で、接続板14B,Cの第2の方向Xの幅Wx2,Wx3,Wx4は、接続板14Aの第2の方向Xの幅Wx1,Wx5と等しい。すなわち、この例においても、接続板14B,14Cは接続板14Aを第1の方向に拡張した形状を有している。また、図3と同様に、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ第2の方向Xにオフセットしている。
【0041】
図6は回路基板11の第3の例を示す平面図である。なお、以下では、図3で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図3の例と同様である。
【0042】
LED12の熱は端子(すなわちカソード及びアノード)から同心円状に広がる。上述したように、特にカソード側の温度が高くなる。そこで、図6の例では、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大円(図6において二点差線T)の半径が、矩形の接続板に比べて大きくなるように、接続板の形状が工夫されている。
【0043】
具体的には、図6の回路基板11は、複数のLED12とともに第2の方向Xに並ぶ複数の接続板114A、114Bを有している。各接続板114A,114Bは第2の方向において互いに反対側に位置する2つの縁部114bを有している。LED12のカソードとアノードは縁部114bに接続されている。各接続板114A,114Bは、縁部114b側に、平面視において第1の方向Yに張り出す突部114aを有している。接続板114A,114Bのこのような形状により、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円Tの半径を大きくすることが可能となっている。この例では、接続板114A,114Bは第2の方向Xに沿った縁114cを有している。縁114cとは反対側に2つの突部114aが形成されている。また、この例では突部114aは平面視において三角形である。
【0044】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。一方の列の接続板114A又は114Bの突部114aと、他方の列の接続板114A又は114Bの突部114aは、第2の方向Xにおいて重なっている。換言すると、一方の列の接続板114A又は114Bの突部114aは、他方の列の接続板114A又は114Bの2つの突部114aの間に形成される凹部に嵌っている。このような配置により、回路基板11の第1の方向Yの幅の拡大を、抑えることができる。
【0045】
図6の例では、回路基板11は、複数のLED12と複数の接続板114A,114Bとで構成される列として、4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板114Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板114Bを含んでいる。接続板114Aと接続板114Bは、それらの突部114aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。また、列L2の接続板114Bと列L3の接続板114Bは、それらの縁114cが第1の方向において対向するように配置されている。
【0046】
図6の例においても、図3の例と同様に、中央の2列L2,L3に配置される接続板114Bは、両側の2列L1,L4に配置される接続板114Aよりも大きな面積を有している。具体的には、接続板114Bは、第1の方向Yにおける幅について接続板114Aよりも大きい。また、第2の方向Xの幅については、接続板114Bは接続板114Aと等しい。すなわち、接続板114Bは接続板114Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、接続板114Bの第1の方向Yにおける最大幅WyBと最小幅は、それぞれ、接続板114Aの最大幅WyAと最小幅よりも大きい。この例では、接続板114A,114Bは、その縁部114b側に突部114aを有している。そのため、各接続板114A,114Bが有する第1の方向Yの幅は、LED12が接続される2つの縁部114bにおいて最大WyA,WyBとなっている。そして、それらの幅は縁部114bからの距離に応じて漸次小さくなり、第2の方向Xの中心において最小となっている。
【0047】
図7は回路基板11の第4の例を示す平面図である。なお、以下では、図6で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図6の例と同様である。
【0048】
図7の回路基板11は、上述の接続板114A,114Bにそれぞれ対応する、接続板214Aと接続板214Bとを有している。各接続板214A,214Bは、LED12がそれぞれ接続される2つの縁部214bを有している。各接続板214A,214Bは、縁部214b側に、上述した突部114aに対応する突部214aを有している。そのため、この例においても、LED12の端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円の半径を大きくすることが可能となっている。この例の突部214aは台形状であり、第2の方向Xに沿った縁214dと、縁214dから斜めに伸びる縁214eとを含んでいる。
【0049】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。一方の列の接続板214A又は214Bの突部214aと、他方の列の接続板214A又は214Bの突部214aは、第2の方向Xにおいて重なっている。すなわち、突部214aは、隣の列の接続板214A又は214Bが有する2つの突部214aの間の凹部に嵌るように位置している。
【0050】
図7の例では、回路基板11は4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板214Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板214Bを含んでいる。列L1の接続板214Aと列L2の接続板214Bは、それらの突部214aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。同様に、列L3の接続板214Bと列L4の接続板214Aは、それらの突部214aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。列L2の接続板214Bと列L3の接続板214Bは、それらの縁214cが互いに対向するように配置されている。
【0051】
図7の例においても、接続板214Bは、上述の接続板114Bと同様に、接続板214Aを第1の方向Yに拡張した形状を有している。そのため、接続板214Bの第1の方向Yにおける最大幅と最小幅は、それぞれ、接続板214Aの最大幅と最小幅よりも大きい。また、第2の方向Xの幅においては、接続板214Bは接続板214Aと等しい。
【0052】
図8は回路基板11の第5の例を示す平面図である。なお、以下では、図7で示した例と異なる点を中心に説明し、その他の点は図7の例と同様である。
【0053】
図8の回路基板11は複数の接続板314A、314Bを有している。各接続板314A,314Bは、LED12がそれぞれ接続される2つの縁部314b,314fを有している。縁部314bにLED12のカソードが接続され、縁部314fにLED12のアノードが接続されている。各接続板314A,314Bは、縁部314b側にのみ、上述した突部214aに対応する突部314aを有している。そのため、この例では、LED12のカソード端子を中心とする、接続板上に想定できる最大の円の半径をさらに大きくすることが可能となっている。なお、この例の突部314aも、上述の突部214aと同様に、平面視で台形状である。
【0054】
この例においても、隣接する2つの列のうち一方の列のLED12の位置は、他方の列のLED12の位置に対して、LED12の間隔の半分の距離だけ、第2の方向Xにオフセットしている。そして、接続板314Aの突部314aと、接続板314Bの突部314aは、第2の方向Xにおいて重なっている。
【0055】
図8の例でも、回路基板11は4つの列L1,L2,L3,L4を有している。両側の2列L1,L4は接続板314Aを含み、中央の2列L2,L3は接続板314Bを含んでいる。列L1の接続板314Aと列L2の接続板314Bは、それらの突部314aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。同様に、列L3の接続板314Bと列L4の接続板314Aは、それらの突部314aが第2の方向Xにおいて重なるように配置されている。列L2の接続板314Bと列L3の接続板314Bは、第2の方向Xに沿った縁314cが近接するように配置されている。
【0056】
また、図8の例においても、図3の例と同様に、中央の2列L2,L4に配置される接続板314Bは、両側の2列L1,L4に配置される接続板314Aよりも大きな面積を有している。具体的には、接続板314Bは接続板314Aを第1の方向Yに拡張した形状を有しており、接続板314Bは、第1の方向Yにおける幅において接続板214Aよりも大きい。また、第2の方向Xの幅においては、接続板314Bは接続板314Aと等しい。
【0057】
以上説明したように、液晶表示装置1では、3つ又はそれ以上の列のうち両側の2列の間の列に配置される複数の接続板14A,114A,214A,314Aは、両側の2列に配置される複数の接続板14B,14C,114B,214B,314Bよりも大きい。そのため、両側の2列の間の列に配置されるLED12の熱を効率的に放出できる。特に、接続板14A,114A,214A,314Aは、第1の方向Yにおける幅において、接続板14B,14C,114B,214B,314Bよりも大きい。そのため、両側の2列に配置されるLED12の配置密度に比して中央の列に配置されるLED12の配置密度を低くすることが必要とされない。その結果、バックライトユニット10の輝度を増すことが容易となる。
【0058】
なお、以上の説明では、第1の方向Yはバックライトユニット10の上下方向であり、第2の方向Xはバックライトユニット10の左右方向であった。しかしながら、第1の方向はバックライトユニット10の左右方向と定義され、第2の方向はバックライトユニット10の上下方向と定義されてもよい。この場合、回路基板11は上下方向に細長い基板であり、バックライトユニット10の左右方向の中央部に配置される。
【0059】
また、以上の説明では、第2の方向Xにおいて、複数の接続板14A〜314Bは、互いに等しい幅を有していた。しかしながら、中央の1又は複数の列を構成する接続板14B,14C,114B,214B,314Bは、第2の方向Xにおける幅において、両側の2列を構成する接続板14A,114A,214A,314Aよりも大きくてもよい。すなわち、中央の列では、両側の2列に比べて、LED21の配置密度が下げられてもよい。
【0060】
また、液晶表示装置1では、回路基板11の両側の領域A,Bは、第1の方向Yの幅において、回路基板11よりも大きい。しかしながら、以上説明した接続板は、回路基板11が第1の方向Yの中央部に位置するものの、領域A,Bが第1の方向Yの幅において回路基板11よりも小さい液晶表示装置に適用されてもよい。
【0061】
液晶表示装置1を組み込んで、テレビジョン放送の電波を受信して映像を表示し音声を出すテレビ受像機を構成することができる。以下、テレビ受像機の例を説明する。
【0062】
図9は本発明の一実施形態に係るテレビ受像器の分解斜視図である。図10は図9に示すテレビ受像機の反射シート13よりも後方に配置された部材を示す正面図である。図11は図9に示すテレビ受像機の側面図である。図12は図9に示すテレビ受像機の縦断面を示す概略図である。
【0063】
テレビ受像機は、横長の画面を有する液晶表示パネル20を有している。テレビ受像機の画面のアスペクト比(左右寸法と上下寸法の比)は16対9である。液晶表示パネル20の前側(画像を表示する側)はフロントフレーム41に支持され、後側はモールドフレーム42で支持されている。テレビ受像器は、液晶表示パネル20に重なるバックライトユニット10を有している。
【0064】
液晶表示パネル20、フロントフレーム41、モールドフレーム42及びバックライトユニット10は、フロントキャビネット33及びバックキャビネット31からなるキャビネットに収容される。フロントキャビネット33は樹脂で形成され、バックキャビネット31は塗装された鉄で形成されている。キャビネット31,33は、台座55及び脚54からなるスタンド53で支持されている。図11に示すように、キャビネット31,33の側面にはスイッチ57が配置されている。
【0065】
バックキャビネット31の下部の後方には、カバー51が取り付けられている。カバー51の内部には、スピーカ56及び回路基板52が配置されている。回路基板52は、様々な周波数の電波の中から特定の周波数の電波を選び出すための同調回路(チューナ)を備えている。
【0066】
バックライトユニット10は上述したように反射シート13を有している。反射シート13はその凹面が液晶表示パネル20に向くように配置されている。反射シート13の底部13eを除く部分は、バックキャビネット31から前方に離れている(図1および図12参照)。上側部分13aと下側部分13bは複数のLED12を挟むように位置している。反射シート13とバックキャビネット31との間のスペースの下方に回路基板52が配置されている(図12参照)。
【0067】
回路基板11は反射シート13を挟んで液晶表示パネル20とは反対側に位置し、当該反射シート13に重なっている。回路基板11の上下方向の幅は、液晶表示パネル20の上下方向の長さの半分以下である。上述したように、複数のLED12(図1参照)は液晶表示パネル20のほぼ中央の後方に配置され、回路基板11に実装されている。LED12は左右方向に3列で並び、且つ、千鳥状に配置されている。
【0068】
回路基板11はバックキャビネット31に固定されている。例えば、回路基板11はバックキャビネット31に直接的に固定される。回路基板11は例えば螺子でバックキャビネット31に固定される。また、ここで説明する例のように、回路基板11は放熱板32を通してバックキャビネット31に固定されていてもよい。例えば、回路基板11はアルミニウムなどの金属の放熱板32に螺子で固定され、バックキャビネット31には放熱板32が固定されてもよい。
【0069】
回路基板11と反射シート13はバックキャビネット31に近接している。そのため、テレビ受像器の薄型化を実現することができる。つまり、従来のバックライト構造では、LEDを搭載する回路基板は、鉄やアルミニウムで構成された液晶表示装置のバックフレーム(図示せず)に固定され、このバックフレームの外部にLEDを駆動する電源や液晶表示パネルのゲート信号線やドレイン信号線を制御するタイミングコントローラの基板を配置し、さらにその外部にバックキャビネットが配置されていた。そのため、バックライトの光学シートとLEDとの距離に加えて、バックフレームとバックキャビネットの距離も必要になり、液晶表示装置が厚くなっていた。本実施形態では、回路基板11と放熱板32は接触し、放熱板32とバックキャビネット31はネジで固定されている。そのため、光学シート21と回路基板11との距離Zd(図12参照)以外に、不要な距離がなく、テレビ受像器は薄型化されている。
【0070】
テレビ受像器の薄型化は、電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル20のタイミング回路を有する回路基板52の配置によっても実現されている。詳しくは、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bがバックキャビネット31から離れる方向に湾曲しているので、反射シート13とバックキャビネット31との間に広いスペースを得ることができる。また、テレビ受像器の下部に、電源回路、映像回路、同調回路(チューナ)、液晶表示パネル20のタイミング回路を有する回路基板52がコンパクトに格納されている。これにより回路基板11とバックキャビネット31の間に、電源回路等を収納するためのスペースを設ける必要がなくなる。
【0071】
回路基板11としてはプリント配線基板を使用することができる。上述したように、バックライトユニット10は光源が設けられていない領域A,Bを有している。各領域A,Bの上下方向の幅は回路基板11の上下方向の幅よりも大きい。そのため、図10に示すように、回路基板11の上下方向の寸法YLは、液晶表示パネル20の上下方向の寸法YHの1/3以下である。
【0072】
上述したように各LED12上にはレンズ15が配置され、一対のLED12とレンズ15は1つの点光源S(図1参照)を構成している。点光源Sは回路基板11に搭載され、反射シート13の底部13e(図2参照)に形成された穴を通して底部13eの前側に突出している。複数の点光源Sは画面の左右方向に少なくとも3列で並んでいる。複数の点光源Sの全体の上下方向の幅は液晶表示パネル20の上下方向の長さの半分以下である。
【0073】
点光源Sは、回路基板11に対して垂直な方向だけでなく、それ以外の方向にも光を放射する。点光源Sの光強度は回路基板11に対して垂直な方向よりも他の方向において強くなっている。レンズ15は、正面方向に比べて視角方向に、LED12からの放射光をより広げる。図13は点光源Sのこのような光強度分布(指向特性)を示している。また、図14は、レンズ15を出た光の強度、具体的には点光源Sの照度の測定結果を示す図である。なお、θは、回路基板11に対して垂直な方向と光の出射方向とのなす角度である。
【0074】
ここで説明するテレビ受像器の特徴の1つは、回路基板11の上下方向寸法YLが液晶表示パネル20の上下方向寸法YHの1/3以下と小さくしているにも拘わらず、画面全体が明るく、且つ画面全体で輝度の均一性が高いことである。
【0075】
従来のテレビ受像器は、複数の発光ダイオードが実装された複数の回路基板を有し、これら複数の回路基板の全体のサイズは液晶表示パネルのサイズに合致している。また、回路基板間の領域でも輝度が変化しないように回路基板および当該回路基板に搭載されたLEDはレイアウトされている。具体的には、個々のLEDの位置が光学的に認識され得ないように、多数のLEDが用いられ、またLEDの間隔が小さく設定されている。
【0076】
ここで説明する例では、上下方向に最も離れて位置する2つのレンズ15の間隔は液晶表示パネル20の寸法YHの1/3以下である。LED12及びレンズ15は、コストを低減するため、回路基板11の外側にはみ出さない寸法に設定されている。
【0077】
この例では、回路基板11の寸法YL、あるいは最上段の列のレンズ15の上縁と、最下段の列のレンズ15の下縁との間の距離は、液晶表示パネル20の寸法YHの1/3以下となっている。これにより、LED12の数が従来に比して減り、コストが大きく低減され得る。また、レンズ15や反射シート13を利用しているので、LED12の数を減らしても、明るく、輝度分布が自然な液晶表示パネル20が得られる。
【0078】
本実施形態では、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bの全体の幅は、液晶表示パネル20の寸法YHから回路基板11の寸法YLを除いた長さの幅を有するように、設定されている。上側部分13aの幅と下側部分13bの幅の和が寸法YHの1/2以上であれば、画面の輝度分布が滑らかとなり、しかもLED12の数を大幅に削減することができ、コストを低減することができる。すなわち、点光源Sが配置される領域よりも、上側部分13aと下側部分13bとを含む反射領域を大きくすることで、コストを削減できる。
【0079】
LED12から放射された光はレンズ15により広げられる。LED15の配光特性は、真っ直ぐ前方より斜め方向への光強度が強くなっている。複数のLED12それぞれにレンズ15が装着されているため、回路基板11から光学シート21(図1参照)までの空間では、真っ直ぐ前方に向かう放射光より、上下方向に向かう放射光の強度が大きくなっている。レンズ15から前方に放射された光の一部は光学シート21を透過し、液晶表示パネル20を通して画像として表示される。前方に放射された光の残りは光学シート21と反射シート13とで反射し、前方に対して斜めの方向にも放射される。レンズ15を通して上下方向に斜めに放射された光の一部は、光学シート21を通じて液晶表示パネル20の外周部を透過する。また、斜めに放射された光の他の一部は反射シート13で反射して、光学シート21に向かう。
【0080】
ここで説明するテレビ受像器の輝度性能は、正面で測定した輝度を100%とすると、外周部での輝度は30%程度となる。液晶表示パネル20の中央輝度と、平均輝度の比は1.65となっている。しかし、反射シート13の上側部分13aと下側部分13bはなだらかに湾曲しているため、輝度は回路基板11から上下方向になだらかに変化する。このように輝度が急激に変化する点が存在しないため、高画質な画像を提供することができる。中央輝度と平均輝度が1.65以上でも滑らかな輝度分布が得られることは、逆に言えば、LED12数を低減し、回路基板11の幅を小さくできるということである。なお、液晶表示パネル20の正面への光放射を遮断する構造では、液晶表示パネル20の中央が暗くなる。そこで、個々のLED12とレンズ15を含む点光源Sの光出射特性は、真っ直ぐ前方にも所定の出力がある。
【0081】
バックキャビネット31は、テレビ受像器の最外表面を構成している。回路基板11は放熱板32に螺子で固定されており、LED12の熱は回路基板11の接続板14A,14B(図3参照)及び放熱板32から放出される。なお、テレビ受像器の輝度が低い場合、すなわち、LED12から放出される熱量が少ない場合、放熱板32を用いることなく、回路基板11は直接的にバックキャビネット31に固定されてもよい。この場合、LED12の放熱は回路基板11のみによってなされるが、回路基板11自体や回路基板11上の接続板14A,14Bの放熱効果でも、LED12の接続部の温度を抑えることは可能である。
【0082】
次に、テレビ受像器の製造工程を説明する。鉄を材料とする部材に塗装を施してなるバックキャビネット31の内側に、壁掛け用の金具34を取り付ける。金具34はバックキャビネット31の強度を補強する。金具34には螺子穴が形成されており、この螺子孔に壁に固定された螺子が引っ掛かる。金具34を取り付けた後、バックキャビネット31の内側に放熱板32を固定する。
【0083】
次に、LED12を搭載した回路基板11を放熱板32に取り付ける。LED12上にはレンズ15をキャッピングし、これを例えば接着材で固定する。LED12の接続部の耐熱性に余裕がある場合、回路基板11はバックキャビネット31に直接的に取り付けられてもよい。ここで、回路基板11の表面がLED12から放射された光を反射しやすくするために、回路基板11上に白レジストを塗布しておく。次に、反射シート13を回路基板11に取り付ける。反射シート13のさらに前方に、厚さが1.5から3mmの拡散シート、プリズムシートなどの光学シート21を配置する。
【0084】
次に、樹脂材料で作成した4分割されたモールドフレーム42で光学シート21を固定する。光学シート21の前方に液晶表示パネル20を配置する。液晶表示パネル20の前側には、ドライバICからの電磁波を防止し、且つ、液晶表示パネル20を固定するための鉄で形成されたフロントフレーム41を取り付ける。
【0085】
最終的にテレビ受像器を完成するためには、フロントフレーム41の表面に樹脂材料で構成されたフロントキャビネット33を取り付け、キャビネット31,33の下にLED12の制御回路、タイミングコントロール回路、映像回路に電源を供給する電源回路、外部との接続端子などが配置され、保護用の樹脂製のカバー51が取り付けられる。
【符号の説明】
【0086】
1 液晶表示装置、10 バックライトユニット、11 回路基板、12 LED、13 反射シート、14A,14B,14C,114A,114B,214A,214B,314A,314B 接続板、15 レンズ、20 液晶表示パネル、L1,L2,L3,L4,L5 列、Y 第1の方向、X 第2の方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルとバックライトユニットとを備える液晶表示装置において、
前記バックライトユニットは、
光源である複数のLEDが実装された回路基板であって、前記液晶表示パネルと対向するよう配置され、前記液晶表示パネルの上下方向又は左右方向の一方である第1の方向での幅が前記液晶表示パネルよりも小さい回路基板と、
前記第1の方向で前記回路基板を挟んで互いに反対側に位置する2つの領域であって、前記回路基板よりも大きな前記第1の方向の幅をそれぞれ有する、光源が設けられていない領域と、を備え、
前記複数のLEDは前記第1の方向に対して直交する第2の方向に少なくとも3列で並び、
前記回路基板上には、前記第2の方向で隣接する2つのLEDの間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板が配置され、
前記少なくとも3列のうち両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第1の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第2の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板と等しい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
隣接する2つの列のうち一方の列の前記複数のLEDの位置は、他方の列の前記複数のLEDの位置に対して、前記第2の方向にオフセットしている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記複数のLEDの光を前記液晶表示パネルに向けて反射するための反射シートをさらに有し、
前記反射シートは液晶表示パネルに向かって開いた凹状であり、前記回路基板は前記反射シートの底部に位置している、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記回路基板は、前記複数のLEDと前記複数の接続板とで構成される列として、少なくとも5つの列を有し、
前記少なくとも5つの列に配置される前記複数の接続板は、当該接続板が配置される列の、前記両側の2列からの距離に応じて、大きくなる、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記複数の接続板は矩形である、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記複数の接続板のそれぞれはLEDに接続される縁部を含み、
前記複数の接続板のそれぞれは、前記縁部の側に、前記第1の方向に張り出す突部を有している、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載された液晶表示装置を有し、テレビジョン放送の電波を受信して映像を表示し音声を出すように構成されたことを特徴とするテレビ受像機。
【請求項1】
液晶表示パネルとバックライトユニットとを備える液晶表示装置において、
前記バックライトユニットは、
光源である複数のLEDが実装された回路基板であって、前記液晶表示パネルと対向するよう配置され、前記液晶表示パネルの上下方向又は左右方向の一方である第1の方向での幅が前記液晶表示パネルよりも小さい回路基板と、
前記第1の方向で前記回路基板を挟んで互いに反対側に位置する2つの領域であって、前記回路基板よりも大きな前記第1の方向の幅をそれぞれ有する、光源が設けられていない領域と、を備え、
前記複数のLEDは前記第1の方向に対して直交する第2の方向に少なくとも3列で並び、
前記回路基板上には、前記第2の方向で隣接する2つのLEDの間に位置し、それらを電気的に接続する複数の接続板が配置され、
前記少なくとも3列のうち両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第1の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板よりも大きい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記両側の2列の間の列に配置される前記複数の接続板は、前記第2の方向における幅において、前記両側の2列に配置される前記複数の接続板と等しい、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
隣接する2つの列のうち一方の列の前記複数のLEDの位置は、他方の列の前記複数のLEDの位置に対して、前記第2の方向にオフセットしている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記複数のLEDの光を前記液晶表示パネルに向けて反射するための反射シートをさらに有し、
前記反射シートは液晶表示パネルに向かって開いた凹状であり、前記回路基板は前記反射シートの底部に位置している、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記回路基板は、前記複数のLEDと前記複数の接続板とで構成される列として、少なくとも5つの列を有し、
前記少なくとも5つの列に配置される前記複数の接続板は、当該接続板が配置される列の、前記両側の2列からの距離に応じて、大きくなる、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記複数の接続板は矩形である、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記複数の接続板のそれぞれはLEDに接続される縁部を含み、
前記複数の接続板のそれぞれは、前記縁部の側に、前記第1の方向に張り出す突部を有している、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載された液晶表示装置を有し、テレビジョン放送の電波を受信して映像を表示し音声を出すように構成されたことを特徴とするテレビ受像機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−47738(P2013−47738A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186081(P2011−186081)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]