液晶表示装置とその製造方法並びに電子機器
【課題】コスト低減及び薄型化に寄与できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶層54と、液晶層を介して入射した光ILに対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部11とを有する。発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜F1と、第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜F2とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有する。
【解決手段】液晶層54と、液晶層を介して入射した光ILに対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部11とを有する。発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜F1と、第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜F2とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置として反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型液晶表示装置としては、上基板と下基板との間に液晶層が挟持されるとともに、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。
【0003】
この場合、反射モードでは上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板の内面の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して上基板側から出射され、表示に寄与する。一方、透過モードでは下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、上基板側から外部に出射され、表示に寄与する。
したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となる。
上記反射膜で反射した反射光、及び反射膜の窓部を通過した透過光は、いずれもカラーフィルタ層を透過することにより、所定の発色特性で発色し、表示に寄与することになる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−330009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
画素毎に所定の着色剤等を用いてカラーフィルター層を設けるため、工数がかかり製造コスト上昇の一因となっている。
また、カラーフィルター層が設けられているために、厚さが増して液晶表示装置の薄型化に支障を来すという問題もあった。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コスト低減及び薄型化に寄与できる液晶表示装置とその製造方法並びに当該液晶表示装置を備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の液晶表示装置は、液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置であって、前記発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜と、第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の液晶表示装置では、第1液状体材料及び第2液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色部を形成できるため、カラーフィルターが不要になることから、コスト低減及び液晶表示装置の薄型化が可能になる。
【0007】
この発色特性としては、第1液状体材料(第1透明薄膜)、第2液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n12−n22)/(n12+n22)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させて出射させることが可能になる。
【0008】
前記発色部としては、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、該複数の基準発色部は、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の基準発色部を第1透明薄膜及び第2透明薄膜で形成できるため、用いる材料が第1液状体材料及び第2液状体材料の2種類とすることができ、製造コストの低減に寄与できる。
【0009】
また、本発明では、前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を有し、該隔壁が遮光材で形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1液状体材料を塗布する領域を隔壁により精度よく規定できるとともに、入射した光が隔壁で反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0010】
また、本発明では、前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部が設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、多層干渉膜の表面で反射する光を散乱させることが可能になり、均一な光(発色)として出射させることができる。
【0011】
上記構成では、前記凹凸形成部が、前記多層干渉膜の裏面側に複数散設された粒状部材である構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の粒状部材を多層干渉膜の裏面側に複数散設するという簡単な工程により、容易に多層干渉膜の表面に凹凸を形成することが可能になる。
さらに、前記凹凸形成部が、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、別途凹凸形成部用の材料を用意する必要がなくなり、製造コストの低減に寄与できる。
【0012】
また、本発明では、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第1透明薄膜が、前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜される構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、上述したn1×t1=n2×t2=λ/4の関係を満足させる膜厚t1、t2を適宜選択することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
【0013】
さらに、本発明では、積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さは、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜される構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、実験及びシミュレーションの結果から、良好な発色特性を得ることができた。
【0014】
この場合、特に前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することにより、良好な発光特性(反射特性)を得ることができた。
【0015】
また、本発明では、前記第1透明薄膜の厚さが、第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1透明薄膜を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0016】
さらに、本発明では、前記第2透明薄膜の厚さが、第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第2透明薄膜を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0017】
そして、本発明の電子機器は、先に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とするものである。
従って、本発明の電子機器では、製造コストが抑えられ、また薄型化が実現された電子機器とすることができる。
【0018】
一方、本発明の液晶表示装置の製造方法は、液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置の製造方法であって、前記発色部を形成する工程は、第1液状体材料により第1の屈折率を有する第1透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第1工程と、第2液状体材料により第2の屈折率を有する第2透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第2工程とを有し、前記第1工程及び第2工程を交互にそれぞれ複数回繰り返して行って多層干渉膜を形成することを特徴とするものである。
従って、本発明の液晶表示装置の製造方法では、第1液状体材料及び第2液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色部を形成できるため、カラーフィルターが不要になることから、コスト低減及び液晶表示装置の薄型化が可能になる。
【0019】
この発色特性としては、第1液状体材料(第1透明薄膜)、第2液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n12−n22)/(n12+n22)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させて出射させることが可能になる。
【0020】
前記発色部が、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有する場合には、該複数の基準発色部を、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜により形成する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の基準発色部を第1透明薄膜及び第2透明薄膜で形成できるため、用いる材料が第1液状体材料及び第2液状体材料の2種類とすることができ、製造コストの低減に寄与できる。
【0021】
また、本発明では、前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を、遮光材で形成する工程を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1液状体材料を塗布する領域を隔壁により精度よく規定できるとともに、入射した光が隔壁で反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0022】
また、本発明では、前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、多層干渉膜の表面で反射する光を散乱させることが可能になり、均一な光(発色)として出射させることができる。
【0023】
前記凹凸形成工程では、前記多層干渉膜の裏面側に複数の粒状部材を散設する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の粒状部材を多層干渉膜の裏面側に複数散設するという簡単な工程により、容易に多層干渉膜の表面に凹凸を形成することが可能になる。
【0024】
さらに、本発明では、前記粒状部材を、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、別途凹凸形成部用の材料を用意する必要がなくなり、製造コストの低減に寄与できる。
【0025】
本発明では、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方を、液滴吐出法で吐出する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、必要最低限の液状体材料を必要な領域にのみ効率的に塗布することが可能になり、生産性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明は、前記第1工程及び前記第2工程が、前記液状体材料を塗布する工程と、塗布した前記液状体材料を乾燥または焼成する工程とをそれぞれ有することを特徴とするものである。
従って、本発明では、第1工程及び第2工程のそれぞれで第1液状体材料、第2液状体材料が膜化されるため、塗布した第1液状体材料と第2液状体材料とが混合されてしまい発色特性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0027】
また、本発明では、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第1透明薄膜の厚さを前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、上述したn1×t1=n2×t2=λ/4の関係を満足させる膜厚t1、t2を適宜選択することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
【0028】
また、本発明では、積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さを、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、実験及びシミュレーションの結果から、良好な発色特性を得ることができた。
この場合、特に前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することにより、良好な発光特性(反射特性)を得ることができた。
【0029】
また、本発明では、前記第1透明薄膜の厚さを第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程と、前記第2透明薄膜の厚さを第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程との少なくとも一方の工程を有する手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1透明薄膜と第2透明薄膜との少なくとも一方を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の液晶表示装置とその製造方法の実施の形態を、図1ないし図16を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0031】
(液滴吐出装置)
まず、本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法に用いる液滴吐出装置について説明する。
この液滴吐出装置30は、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、吐出ヘッド34、液状体タンク35、制御装置CONT(制御部)等を有して構成されたものである。
【0032】
ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、ベース31上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有したものである。この基板移動手段32は、例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されたものである。スライダ37には、θ軸用のモータ(図示せず)が備えられている。このモータは、例えばダイレクトドライブモータからなるものであり、これのロータ(図示せず)はテーブル39に固定されている。このような構成のもとに、モータに通電するとロータおよびテーブル39は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデックス(回転割り出し)するようになっている。
【0033】
テーブル39は、基板Pを位置決めし、保持するものである。すなわち、このテーブル39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Pをテーブル39の上に吸着保持するようになっている。基板Pは、テーブル39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。テーブル39には、吐出ヘッド34がインク(液状体)を捨打ちあるいは試し打ちするための捨打ちエリア(フラッシングエリア)41が設けられている。この捨打ちエリア41は、X軸方向に延びて形成されたもので、テーブル39の後端部側に設けられたものである。
【0034】
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を保持させるスライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
【0035】
吐出ヘッド34には、揺動位置決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続されている。そして、モータ43を作動させると、吐出ヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下方向)である。また、モータ44を作動させると、吐出ヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、吐出ヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め可能になり、モータ46を作動させると、吐出ヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
【0036】
このように吐出ヘッド34は、スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位置決め可能となっている。したがって、吐出ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板Pに対する位置あるいは姿勢を、正確にコントロールすることができるようになっている。
【0037】
図2(a)、(b)は吐出ヘッド34を説明するための概略構成図である。
図2(a)に示すように、吐出ヘッド34は、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
また、吐出ヘッド34には、ヒータ(加熱手段)3が設けられており、当該ヒータ3に供給される電力量が制御装置CONTによって制御されている。
【0038】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは、液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク35がチューブ24(図1参照)を介して接続されている。
【0039】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、本発明における吐出手段として機能するものである。
【0040】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。このとき、流入した液状体の容積分が液状体タンク35からチューブ24を介してリザーバ16に供給される。
【0041】
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0042】
本実施形態では、液状体タンク35には複数種(実際には液状体の種類としては2種類、詳細は後述する)の液状体が貯溜されており、各液状体は各液状体毎に接続されたチューブ24によって、各液状体に対応するリザーバ16に供給され、各液状体に対応するキャビティ15に充填され、さらに各液状体に対応するノズル18から液滴として吐出される。
なお、圧電素子20を選択して駆動させ、所定種類の液状体を吐出させることも制御装置CONTが制御する。
【0043】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギ発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0044】
次に、図1に戻り、液滴吐出装置30の他の構成について説明する。
制御装置CONTは、上記吐出ヘッド34の液滴吐出動作、基板移動手段32とヘッド移動手段33の駆動動作、ヒータ3への電力供給等を制御する。
また、上述した液状体タンク35は、前記架台33a、33aの一方の上に配置されたもので、この液状体タンク35には、その内部、あるいはその外側にヒータ(図示せず)が設けられている。このヒータは、貯留している液状体を加熱するためのもので、特に液状体が高粘性のものの場合などに、加熱することで粘度を低くし、液状体タンク35から吐出ヘッド34への液状体の流入を容易にできるようにしたものである。
【0045】
なお、架台33aは走行路33bを支持するものとなっていることから、この走行路33b上を走行する吐出ヘッド34に十分近い位置となっている。したがって、液状体タンク35から吐出ヘッド34に液状体を送るためのチューブ24は、従来のものに比べ十分に短いもの、すなわち走行路33bの長さにほぼ等しい長さとなっている。
【0046】
続いて、上記の液滴吐出装置30を用いて製造される液晶表示装置について、図3を参照して説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、図3に示すように、下基板52と上基板53とが対向配置されてこの上下基板52、53に挟まれた空間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶からなる液晶層54が挟持されて概略構成されている。
【0047】
ガラスや樹脂などからなる下基板52の内面側には、多層干渉膜からなる発色部11が設けられている。発色部11は、互いに異なる複数(ここでは3色)の基準色(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)を発色させる基準発色部11R、11G、11Bを有している。
なお、基準発色部11R、11G、11Bの詳細については後述する。
【0048】
発色部11(基準発色部11R、11G、11B)は、周囲が隔壁60によって取り囲まれている。隔壁60は、例えば黒色感光性樹脂膜からなり、この黒色感光性樹脂膜としては例えば、通常のフォトレジストに用いられるようなポジ型若しくはネガ型の感光性樹脂と、カーボンブラック等の黒色の無機顔料あるいは黒色の有機顔料と遮光材を少なくとも含むものが用いられる。この隔壁60は、黒色の無機顔料または有機顔料を含むもので、発色部11(基準発色部11R、11G、11B)を除く部分に形成されているため、発色部11(基準発色部11R、11G、11B)の間の光の透過を遮断でき、従ってこの隔壁60は、遮光膜としての機能も有する。
【0049】
各基準発色部11R、11G、11B上には、ITO等の透明導電膜からなる画素電極58が設けられている。また、これら発色部11(基準発色部11R、11G、11B)、隔壁60、画素電極58を覆うようにポリイミド等からなる配向膜59が積層されている。
【0050】
一方、ガラスや樹脂などからなる上基板53の内面側には、ITO等の透明導電膜からなる共通電極62が設けられており、この共通電極62上にポリイミド等からなる配向膜65が積層形成されている。
また、上基板53の外面側には、前方散乱板66と、位相差板67と、上偏光板63がこの順に積層されて設けられている。
【0051】
各基準発色部11R、11G、11Bは、図4に示すように、互いに屈折率が異なる第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とが、交互に複数層ずつ成膜されて形成されたものである。本実施形態では、基板Pから数えて第1層、第3層、…、第11層の奇数層に第1透明薄膜F1が成膜され、第2層、…、第10層の偶数層に第2透明薄膜F2が成膜された11層の薄膜により各基準発色部11R、11G、11Bが形成されている(便宜上、図3では4層の薄膜で図示している)。
【0052】
第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の形成材料としては、ポリシロキサン系樹脂(屈折率1.42)、SiO2(石英;屈折率1.45)、Al2O3(アルミナ;屈折率1.76)、ZnO(酸化亜鉛;屈折率1.95)、酸化チタン(屈折率2.52)、Fe2O3(酸化第二鉄;屈折率3.01)等を適宜選択できる。
【0053】
そして、基板P上に基準発色部11R、11G、11Bを形成する際には、上述した液滴吐出装置30を用いた液滴吐出法等により隔壁60を形成した後に、当該隔壁60に囲まれた凹部領域に、液滴吐出装置30を用いて第1透明薄膜形成材料を含む第1液状体材料の液滴を下基板52上に所定の厚さで塗布した後に、例えば180℃で1分の乾燥処理及び200℃で3分の焼成処理を行うことにより1層目に第1透明薄膜F1を成膜する(第1工程)。
【0054】
次に、上述した液滴吐出装置30を用いて第2透明薄膜形成材料を含む第2液状体材料の液滴を第1透明薄膜F1上に所定の厚さで塗布した後に、上記と同様の条件で乾燥処理及び焼成処理を行って2層目(第2透明薄膜F2としては一層目)に第2透明薄膜F2を成膜する(第2工程)。
そして、これら第1工程及び第2工程を交互に複数回(第1工程は全部で6回、第2工程は全部で5回)繰り返して行うことにより、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とが所定の厚さで交互に積層された基準発色部11R、11G、11Bが形成される。
【0055】
本実施形態では、第1透明薄膜F1の屈折率(第1の屈折率)が第2透明薄膜F2の屈折率(第2の屈折率)よりも小さい上記薄膜材料を用い、また第1透明薄膜F1の厚さが第2透明薄膜F2の厚さよりも大きい厚さで基準発色部11R、11G、11Bが形成されている。
【0056】
上記多層膜構造の基準発色部11R、11G、11Bの発色特性としては、入射光ILに対して最上層の透明薄膜で反射した反射光RL1と、透明薄膜に屈折して入射し、次層及び同様に次層以下の層の透明薄膜で反射して出射する反射光RL2〜RL11とが干渉する。薄膜干渉理論に基づき、その干渉色(反射波長)、強度は、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F1の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは次式で表される。
λ=2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)…(1)
また、反射率(反射強度)Rは次式で表される。
R=(n12−n22)/(n12+n22)…(2)
この反射率を表す式(1)から明かなように、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2との屈折率の差が大きいほど、反射強度(発色強度)は大きくなる。
さらに、発色強度は光学厚みが、次式を満足するときに最大となる。
n1×t1=n2×t2=λ/4 …(3)
【0057】
そして、例えば反射強度等に基づいて、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の材料を選定すると屈折率n1、n2及び屈折角θ1、θ2が決まるため、所望の発色特性(λ)と、式(1)〜式(3)とを用いることで、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の各層の厚さt1、t2と、所望の反射率を得るための積層数とを設定することができる。
【0058】
(実施例)
第1透明薄膜形成材料としてシロキサンポリマー(屈折率1.42)を含む第1液状体材料を用い、第2透明薄膜形成材料として酸化チタン(屈折率2.52)を含む第2液状体材料を用いて第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を成膜した。
ここで、例えば青色(λ=480nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=84.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=47.6nmで成膜した。この結果、図5(a)に示すように、基準発色部11Bにおいて反射率が80%以上で青色の発色特性が得られた。
【0059】
同様に、例えば緑色(λ=520nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=91.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=52.0nmで成膜した。この結果、図5(b)に示すように、基準発色部11Gにおいて反射率が80%以上で緑色の発色特性が得られた。
【0060】
さらに、例えば赤色(λ=630nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=111.0nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=62.5nmで成膜した。この結果、図5(c)に示すように、基準発色部11Rにおいて反射率が80%以上で赤色の発色特性が得られた。
【0061】
上記の液晶表示装置では、上偏光板63、位相差板67、前方散乱板66及び液晶層54を介して入射した光ILは、基準発色部11R、11G、11Bに到達し、反射することにより、液晶層54のオン・オフ及び各基準発色部11R、11G、11Bに応じた発色特性をもって出射する。
【0062】
このように、本実施形態では、液滴吐出法を用いて所望の発色特性に基づく厚さで第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を交互に成膜・積層することにより、工数が掛かったり、大型の設備が必要になることなく、容易、且つ効率的に所望の発色特性を有する基準発色部11R、11G、11Bを製造することができる。そのため、本実施形態では、製造にコスト・手間が掛かり、また薄型化を阻害するカラーフィルターを用いる必要がなくなり、コスト低減及び薄型化に寄与できる液晶表示装置を容易に提供することが可能になる。
【0063】
また、本実施形態では、基準発色部11R、11G、11Bの周囲を囲む隔壁60が遮光性を有しているため、液滴吐出法により容易に基準発色部11R、11G、11Bを形成できるとともに、入射光ILが隔壁60を透過することを防止し、また反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、2種類の液状体材料を用い、各基準発色部における膜厚を変えるという簡単な構成で、異なる発色特性を発現させることが可能であり、工数の簡素化及び材料の種類の低減による生産性の向上にも寄与できる。
【0064】
また、本実施形態では、各透明薄膜層を塗布・乾燥(焼成)後に、次の透明薄膜層を形成しているため、塗布した第1液状体材料と第2液状体材料とが混合されてしまい発色特性に悪影響を及ぼすことを防止できるとともに、各層の厚さを精度よく管理することが可能になる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、基準発色部とその製造方法の第2実施形態について、図6を参照して説明する。
この図において、図1乃至図5に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図6に示すように、本実施形態の基準発色部11R、11G、11Bにおいては、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2が積層(ここでは、便宜上、各二層のみ図示)された多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部として、多層干渉膜の裏面側に粒状部材70が互いに間隔をあけて複数散設されている。
【0067】
粒状部材70としては、特に材質に限定されないが、本実施形態では、第1液状体材料が用いられている。すなわち、本実施形態では、基準発色部11R、11G、11Bにおいて、第1、第2透明薄膜F1、F2を成膜する前に上記液滴吐出装置30を用いて、下基板52上に第1液状体材料をドット状に配置(塗布)した後に乾燥(または焼成)する。
【0068】
そして、上記と同様の手順で第1透明薄膜F1及び第2透明薄膜F2を交互に積層することにより、粒状部材70の配置に応じて表面に凹凸が形成された基準発色部11R、11G、11Bを得ることができる。
【0069】
上記の構成の基準発色部11R、11G、11Bにおいては、入射した光を表面の凹凸で散乱させることが可能になるため、均一な光(発色)として出射させることができる。また、本実施形態では粒状部材70を第1液状体材料により形成するため、別途材料を用意する必要がなくなり、製造効率の向上に寄与できる。
なお、粒状部材70としては第2液状体材料を用いて形成することも可能であるが、続いて成膜する第1透明薄膜F1と同一材料を用いることが、製造効率向上の観点からより好ましい。
【0070】
(第3実施形態)
続いて、基準発色部11R、11G、11Bの他の実施形態について、図7乃至図14を参照して説明する。
上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2をそれぞれについて同じ厚さで成膜する構成としたが、本実施形態では最上層及び最下層については、他の層と厚さを異ならせている。
【0071】
図7(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化チタン(屈折率2.52)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、ここでは波長が430〜450nm近辺の青色の反射スペクトルを得るために、便宜上、第1透明薄膜F1の厚さを70nm、第2透明薄膜F2の厚さを40nmとしている。そして、図7(b)は、これらの膜厚で形成された基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0072】
そして、図8(a)〜図14(a)は、図7(a)に示した第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の膜厚に対して、最下層である第1層と、最上層である第11層の膜厚をそれぞれ0倍(すなわち、厚さゼロ)、0.5倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍に変化させたことを示す図である。また、図7(b)〜図14(b)は、図7(a)〜図14(a)で示された膜厚の第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2で構成される基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0073】
図7(b)、図8(b)及び図9(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層よりも小さい場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークが大きくなってしまう。一方、図10(b)、図11(b)、図14(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の1.5倍、2倍、5倍である場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくすることができる。
【0074】
そして、図11(b)、図12(b)、図13(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の2倍、3倍、4倍である場合には、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくすることができる。
【0075】
従って、本実施形態では、上記第1、第2実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、最上層及び最下層の膜厚を他の層よりも大きくすることにより、より良好な発色特性を得ることができる。特に、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を他の層の膜厚の二倍の厚さで成膜することにより、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、一層良好な発色特性を得ることが可能になる。
【0076】
(第4実施形態)
続いて、基準発色部11R、11G、11Bの他の実施形態について、図15を参照して説明する。
上記第1〜第3実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2について、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも大きな膜厚で形成する構成としたが、本実施形態ではこれとは逆の構成としている。
【0077】
図15(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化亜鉛(屈折率1.95)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、図15(b)は、これらの膜厚で形成された基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0078】
図15(a)に示すように、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を除いて、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも小さな膜厚で形成されている。そして、上記第2実施形態と同様に、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚よりも大きく成膜されている。
そして、図15(b)に示すように、本実施形態においても、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、良好な発色特性を得ることが可能になる。
【0079】
(電子機器)
図16(a)〜(c)は、上述の液晶表示装置を備える電子機器の例を示している。
本実施形態の電子機器は、上述した液晶表示装置を表示手段として備えている。
【0080】
図16(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図16(a)において、符号1000は携帯電話本体(電子機器)を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図16(b)において、符号1100は時計本体(電子機器)を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図16(c)において、符号1200は情報処理装置(電子機器)、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、本実施形態の液晶表示装置とその製造方法を用いることによって製造された液晶表示装置を表示手段として備えているので、製造コストが抑えられ、また薄型化が実現された高品質の電子機器を得ることができる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、奇数層に第1透明薄膜F1を成膜し、偶数層に第2透明薄膜F2を成膜する構成としたが、これに限定されるものではなく、逆の積層配置としてもよい。また、透明薄膜の積層数についても、上記実施形態で示した数は一例であり、所望の反射特性が得られるのであれば、11層以下でも11層以上であってもよい。
【0083】
また、上記実施形態における透明薄膜の膜厚調整としては、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の少なくとも一方を、第1透明薄膜形成材料、第2透明薄膜形成材料の粒子径で形成することもできる。この場合、塗布した液状体材料に含まれる粒子が積み重ならないように、液状体材料に分散促進剤を含有させる等の方法を採ることが好ましい。
さらに、粒子径以上の膜厚で透明薄膜を形成する場合には、透明薄膜の膜厚を粒子径の整数倍とすることにより、上記粒子径の厚さで膜を成膜する工程を複数回繰り返すことにより、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0084】
また、上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を形成するための液体材料塗布に液滴吐出法を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、スピンコートや印刷法等、液相法による他の塗布方法を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】液滴吐出装置の概略的な構成図である。
【図2】液滴吐出ヘッド301の断面図である。
【図3】本実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図4】多層構造を有する基準発色部が基板上に形成された断面図である。
【図5】第1実施形態に係る発光波長と反射率との関係を示す図である。
【図6】基準発色部の第2実施形態を示す断面図である。
【図7】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図8】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図9】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図11】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図14】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図15】第4実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図16】液晶表示装置を備える電子機器の例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
C…発色構造体、 F1…第1透明薄膜、 F2…第2透明薄膜、 IL…光、 P…基板、 11…発色部、 11R、11G、11B…基準発色部、 30…液滴吐出装置、 54…液晶層、 60…隔壁、 70…粒状部材(凹凸形成部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置として反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型液晶表示装置としては、上基板と下基板との間に液晶層が挟持されるとともに、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。
【0003】
この場合、反射モードでは上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板の内面の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して上基板側から出射され、表示に寄与する。一方、透過モードでは下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、上基板側から外部に出射され、表示に寄与する。
したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となる。
上記反射膜で反射した反射光、及び反射膜の窓部を通過した透過光は、いずれもカラーフィルタ層を透過することにより、所定の発色特性で発色し、表示に寄与することになる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−330009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
画素毎に所定の着色剤等を用いてカラーフィルター層を設けるため、工数がかかり製造コスト上昇の一因となっている。
また、カラーフィルター層が設けられているために、厚さが増して液晶表示装置の薄型化に支障を来すという問題もあった。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コスト低減及び薄型化に寄与できる液晶表示装置とその製造方法並びに当該液晶表示装置を備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の液晶表示装置は、液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置であって、前記発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜と、第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の液晶表示装置では、第1液状体材料及び第2液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色部を形成できるため、カラーフィルターが不要になることから、コスト低減及び液晶表示装置の薄型化が可能になる。
【0007】
この発色特性としては、第1液状体材料(第1透明薄膜)、第2液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n12−n22)/(n12+n22)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させて出射させることが可能になる。
【0008】
前記発色部としては、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、該複数の基準発色部は、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の基準発色部を第1透明薄膜及び第2透明薄膜で形成できるため、用いる材料が第1液状体材料及び第2液状体材料の2種類とすることができ、製造コストの低減に寄与できる。
【0009】
また、本発明では、前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を有し、該隔壁が遮光材で形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1液状体材料を塗布する領域を隔壁により精度よく規定できるとともに、入射した光が隔壁で反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0010】
また、本発明では、前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部が設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、多層干渉膜の表面で反射する光を散乱させることが可能になり、均一な光(発色)として出射させることができる。
【0011】
上記構成では、前記凹凸形成部が、前記多層干渉膜の裏面側に複数散設された粒状部材である構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の粒状部材を多層干渉膜の裏面側に複数散設するという簡単な工程により、容易に多層干渉膜の表面に凹凸を形成することが可能になる。
さらに、前記凹凸形成部が、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、別途凹凸形成部用の材料を用意する必要がなくなり、製造コストの低減に寄与できる。
【0012】
また、本発明では、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第1透明薄膜が、前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜される構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、上述したn1×t1=n2×t2=λ/4の関係を満足させる膜厚t1、t2を適宜選択することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
【0013】
さらに、本発明では、積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さは、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜される構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、実験及びシミュレーションの結果から、良好な発色特性を得ることができた。
【0014】
この場合、特に前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することにより、良好な発光特性(反射特性)を得ることができた。
【0015】
また、本発明では、前記第1透明薄膜の厚さが、第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1透明薄膜を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0016】
さらに、本発明では、前記第2透明薄膜の厚さが、第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第2透明薄膜を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0017】
そして、本発明の電子機器は、先に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とするものである。
従って、本発明の電子機器では、製造コストが抑えられ、また薄型化が実現された電子機器とすることができる。
【0018】
一方、本発明の液晶表示装置の製造方法は、液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置の製造方法であって、前記発色部を形成する工程は、第1液状体材料により第1の屈折率を有する第1透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第1工程と、第2液状体材料により第2の屈折率を有する第2透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第2工程とを有し、前記第1工程及び第2工程を交互にそれぞれ複数回繰り返して行って多層干渉膜を形成することを特徴とするものである。
従って、本発明の液晶表示装置の製造方法では、第1液状体材料及び第2液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色部を形成できるため、カラーフィルターが不要になることから、コスト低減及び液晶表示装置の薄型化が可能になる。
【0019】
この発色特性としては、第1液状体材料(第1透明薄膜)、第2液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n12−n22)/(n12+n22)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させて出射させることが可能になる。
【0020】
前記発色部が、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有する場合には、該複数の基準発色部を、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜により形成する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の基準発色部を第1透明薄膜及び第2透明薄膜で形成できるため、用いる材料が第1液状体材料及び第2液状体材料の2種類とすることができ、製造コストの低減に寄与できる。
【0021】
また、本発明では、前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を、遮光材で形成する工程を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1液状体材料を塗布する領域を隔壁により精度よく規定できるとともに、入射した光が隔壁で反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0022】
また、本発明では、前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、多層干渉膜の表面で反射する光を散乱させることが可能になり、均一な光(発色)として出射させることができる。
【0023】
前記凹凸形成工程では、前記多層干渉膜の裏面側に複数の粒状部材を散設する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の粒状部材を多層干渉膜の裏面側に複数散設するという簡単な工程により、容易に多層干渉膜の表面に凹凸を形成することが可能になる。
【0024】
さらに、本発明では、前記粒状部材を、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、別途凹凸形成部用の材料を用意する必要がなくなり、製造コストの低減に寄与できる。
【0025】
本発明では、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方を、液滴吐出法で吐出する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、必要最低限の液状体材料を必要な領域にのみ効率的に塗布することが可能になり、生産性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明は、前記第1工程及び前記第2工程が、前記液状体材料を塗布する工程と、塗布した前記液状体材料を乾燥または焼成する工程とをそれぞれ有することを特徴とするものである。
従って、本発明では、第1工程及び第2工程のそれぞれで第1液状体材料、第2液状体材料が膜化されるため、塗布した第1液状体材料と第2液状体材料とが混合されてしまい発色特性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0027】
また、本発明では、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第1透明薄膜の厚さを前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、上述したn1×t1=n2×t2=λ/4の関係を満足させる膜厚t1、t2を適宜選択することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
【0028】
また、本発明では、積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さを、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、実験及びシミュレーションの結果から、良好な発色特性を得ることができた。
この場合、特に前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することにより、良好な発光特性(反射特性)を得ることができた。
【0029】
また、本発明では、前記第1透明薄膜の厚さを第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程と、前記第2透明薄膜の厚さを第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程との少なくとも一方の工程を有する手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、第1透明薄膜と第2透明薄膜との少なくとも一方を、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の液晶表示装置とその製造方法の実施の形態を、図1ないし図16を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0031】
(液滴吐出装置)
まず、本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法に用いる液滴吐出装置について説明する。
この液滴吐出装置30は、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、吐出ヘッド34、液状体タンク35、制御装置CONT(制御部)等を有して構成されたものである。
【0032】
ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、ベース31上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有したものである。この基板移動手段32は、例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されたものである。スライダ37には、θ軸用のモータ(図示せず)が備えられている。このモータは、例えばダイレクトドライブモータからなるものであり、これのロータ(図示せず)はテーブル39に固定されている。このような構成のもとに、モータに通電するとロータおよびテーブル39は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデックス(回転割り出し)するようになっている。
【0033】
テーブル39は、基板Pを位置決めし、保持するものである。すなわち、このテーブル39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Pをテーブル39の上に吸着保持するようになっている。基板Pは、テーブル39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。テーブル39には、吐出ヘッド34がインク(液状体)を捨打ちあるいは試し打ちするための捨打ちエリア(フラッシングエリア)41が設けられている。この捨打ちエリア41は、X軸方向に延びて形成されたもので、テーブル39の後端部側に設けられたものである。
【0034】
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を保持させるスライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
【0035】
吐出ヘッド34には、揺動位置決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続されている。そして、モータ43を作動させると、吐出ヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下方向)である。また、モータ44を作動させると、吐出ヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、吐出ヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め可能になり、モータ46を作動させると、吐出ヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
【0036】
このように吐出ヘッド34は、スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位置決め可能となっている。したがって、吐出ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板Pに対する位置あるいは姿勢を、正確にコントロールすることができるようになっている。
【0037】
図2(a)、(b)は吐出ヘッド34を説明するための概略構成図である。
図2(a)に示すように、吐出ヘッド34は、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
また、吐出ヘッド34には、ヒータ(加熱手段)3が設けられており、当該ヒータ3に供給される電力量が制御装置CONTによって制御されている。
【0038】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは、液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク35がチューブ24(図1参照)を介して接続されている。
【0039】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、本発明における吐出手段として機能するものである。
【0040】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。このとき、流入した液状体の容積分が液状体タンク35からチューブ24を介してリザーバ16に供給される。
【0041】
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0042】
本実施形態では、液状体タンク35には複数種(実際には液状体の種類としては2種類、詳細は後述する)の液状体が貯溜されており、各液状体は各液状体毎に接続されたチューブ24によって、各液状体に対応するリザーバ16に供給され、各液状体に対応するキャビティ15に充填され、さらに各液状体に対応するノズル18から液滴として吐出される。
なお、圧電素子20を選択して駆動させ、所定種類の液状体を吐出させることも制御装置CONTが制御する。
【0043】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギ発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0044】
次に、図1に戻り、液滴吐出装置30の他の構成について説明する。
制御装置CONTは、上記吐出ヘッド34の液滴吐出動作、基板移動手段32とヘッド移動手段33の駆動動作、ヒータ3への電力供給等を制御する。
また、上述した液状体タンク35は、前記架台33a、33aの一方の上に配置されたもので、この液状体タンク35には、その内部、あるいはその外側にヒータ(図示せず)が設けられている。このヒータは、貯留している液状体を加熱するためのもので、特に液状体が高粘性のものの場合などに、加熱することで粘度を低くし、液状体タンク35から吐出ヘッド34への液状体の流入を容易にできるようにしたものである。
【0045】
なお、架台33aは走行路33bを支持するものとなっていることから、この走行路33b上を走行する吐出ヘッド34に十分近い位置となっている。したがって、液状体タンク35から吐出ヘッド34に液状体を送るためのチューブ24は、従来のものに比べ十分に短いもの、すなわち走行路33bの長さにほぼ等しい長さとなっている。
【0046】
続いて、上記の液滴吐出装置30を用いて製造される液晶表示装置について、図3を参照して説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、図3に示すように、下基板52と上基板53とが対向配置されてこの上下基板52、53に挟まれた空間にSTN(Super Twisted Nematic)液晶からなる液晶層54が挟持されて概略構成されている。
【0047】
ガラスや樹脂などからなる下基板52の内面側には、多層干渉膜からなる発色部11が設けられている。発色部11は、互いに異なる複数(ここでは3色)の基準色(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)を発色させる基準発色部11R、11G、11Bを有している。
なお、基準発色部11R、11G、11Bの詳細については後述する。
【0048】
発色部11(基準発色部11R、11G、11B)は、周囲が隔壁60によって取り囲まれている。隔壁60は、例えば黒色感光性樹脂膜からなり、この黒色感光性樹脂膜としては例えば、通常のフォトレジストに用いられるようなポジ型若しくはネガ型の感光性樹脂と、カーボンブラック等の黒色の無機顔料あるいは黒色の有機顔料と遮光材を少なくとも含むものが用いられる。この隔壁60は、黒色の無機顔料または有機顔料を含むもので、発色部11(基準発色部11R、11G、11B)を除く部分に形成されているため、発色部11(基準発色部11R、11G、11B)の間の光の透過を遮断でき、従ってこの隔壁60は、遮光膜としての機能も有する。
【0049】
各基準発色部11R、11G、11B上には、ITO等の透明導電膜からなる画素電極58が設けられている。また、これら発色部11(基準発色部11R、11G、11B)、隔壁60、画素電極58を覆うようにポリイミド等からなる配向膜59が積層されている。
【0050】
一方、ガラスや樹脂などからなる上基板53の内面側には、ITO等の透明導電膜からなる共通電極62が設けられており、この共通電極62上にポリイミド等からなる配向膜65が積層形成されている。
また、上基板53の外面側には、前方散乱板66と、位相差板67と、上偏光板63がこの順に積層されて設けられている。
【0051】
各基準発色部11R、11G、11Bは、図4に示すように、互いに屈折率が異なる第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とが、交互に複数層ずつ成膜されて形成されたものである。本実施形態では、基板Pから数えて第1層、第3層、…、第11層の奇数層に第1透明薄膜F1が成膜され、第2層、…、第10層の偶数層に第2透明薄膜F2が成膜された11層の薄膜により各基準発色部11R、11G、11Bが形成されている(便宜上、図3では4層の薄膜で図示している)。
【0052】
第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の形成材料としては、ポリシロキサン系樹脂(屈折率1.42)、SiO2(石英;屈折率1.45)、Al2O3(アルミナ;屈折率1.76)、ZnO(酸化亜鉛;屈折率1.95)、酸化チタン(屈折率2.52)、Fe2O3(酸化第二鉄;屈折率3.01)等を適宜選択できる。
【0053】
そして、基板P上に基準発色部11R、11G、11Bを形成する際には、上述した液滴吐出装置30を用いた液滴吐出法等により隔壁60を形成した後に、当該隔壁60に囲まれた凹部領域に、液滴吐出装置30を用いて第1透明薄膜形成材料を含む第1液状体材料の液滴を下基板52上に所定の厚さで塗布した後に、例えば180℃で1分の乾燥処理及び200℃で3分の焼成処理を行うことにより1層目に第1透明薄膜F1を成膜する(第1工程)。
【0054】
次に、上述した液滴吐出装置30を用いて第2透明薄膜形成材料を含む第2液状体材料の液滴を第1透明薄膜F1上に所定の厚さで塗布した後に、上記と同様の条件で乾燥処理及び焼成処理を行って2層目(第2透明薄膜F2としては一層目)に第2透明薄膜F2を成膜する(第2工程)。
そして、これら第1工程及び第2工程を交互に複数回(第1工程は全部で6回、第2工程は全部で5回)繰り返して行うことにより、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とが所定の厚さで交互に積層された基準発色部11R、11G、11Bが形成される。
【0055】
本実施形態では、第1透明薄膜F1の屈折率(第1の屈折率)が第2透明薄膜F2の屈折率(第2の屈折率)よりも小さい上記薄膜材料を用い、また第1透明薄膜F1の厚さが第2透明薄膜F2の厚さよりも大きい厚さで基準発色部11R、11G、11Bが形成されている。
【0056】
上記多層膜構造の基準発色部11R、11G、11Bの発色特性としては、入射光ILに対して最上層の透明薄膜で反射した反射光RL1と、透明薄膜に屈折して入射し、次層及び同様に次層以下の層の透明薄膜で反射して出射する反射光RL2〜RL11とが干渉する。薄膜干渉理論に基づき、その干渉色(反射波長)、強度は、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F1の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは次式で表される。
λ=2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)…(1)
また、反射率(反射強度)Rは次式で表される。
R=(n12−n22)/(n12+n22)…(2)
この反射率を表す式(1)から明かなように、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2との屈折率の差が大きいほど、反射強度(発色強度)は大きくなる。
さらに、発色強度は光学厚みが、次式を満足するときに最大となる。
n1×t1=n2×t2=λ/4 …(3)
【0057】
そして、例えば反射強度等に基づいて、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の材料を選定すると屈折率n1、n2及び屈折角θ1、θ2が決まるため、所望の発色特性(λ)と、式(1)〜式(3)とを用いることで、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の各層の厚さt1、t2と、所望の反射率を得るための積層数とを設定することができる。
【0058】
(実施例)
第1透明薄膜形成材料としてシロキサンポリマー(屈折率1.42)を含む第1液状体材料を用い、第2透明薄膜形成材料として酸化チタン(屈折率2.52)を含む第2液状体材料を用いて第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を成膜した。
ここで、例えば青色(λ=480nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=84.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=47.6nmで成膜した。この結果、図5(a)に示すように、基準発色部11Bにおいて反射率が80%以上で青色の発色特性が得られた。
【0059】
同様に、例えば緑色(λ=520nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=91.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=52.0nmで成膜した。この結果、図5(b)に示すように、基準発色部11Gにおいて反射率が80%以上で緑色の発色特性が得られた。
【0060】
さらに、例えば赤色(λ=630nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=111.0nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=62.5nmで成膜した。この結果、図5(c)に示すように、基準発色部11Rにおいて反射率が80%以上で赤色の発色特性が得られた。
【0061】
上記の液晶表示装置では、上偏光板63、位相差板67、前方散乱板66及び液晶層54を介して入射した光ILは、基準発色部11R、11G、11Bに到達し、反射することにより、液晶層54のオン・オフ及び各基準発色部11R、11G、11Bに応じた発色特性をもって出射する。
【0062】
このように、本実施形態では、液滴吐出法を用いて所望の発色特性に基づく厚さで第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を交互に成膜・積層することにより、工数が掛かったり、大型の設備が必要になることなく、容易、且つ効率的に所望の発色特性を有する基準発色部11R、11G、11Bを製造することができる。そのため、本実施形態では、製造にコスト・手間が掛かり、また薄型化を阻害するカラーフィルターを用いる必要がなくなり、コスト低減及び薄型化に寄与できる液晶表示装置を容易に提供することが可能になる。
【0063】
また、本実施形態では、基準発色部11R、11G、11Bの周囲を囲む隔壁60が遮光性を有しているため、液滴吐出法により容易に基準発色部11R、11G、11Bを形成できるとともに、入射光ILが隔壁60を透過することを防止し、また反射して迷光となり、発色特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、2種類の液状体材料を用い、各基準発色部における膜厚を変えるという簡単な構成で、異なる発色特性を発現させることが可能であり、工数の簡素化及び材料の種類の低減による生産性の向上にも寄与できる。
【0064】
また、本実施形態では、各透明薄膜層を塗布・乾燥(焼成)後に、次の透明薄膜層を形成しているため、塗布した第1液状体材料と第2液状体材料とが混合されてしまい発色特性に悪影響を及ぼすことを防止できるとともに、各層の厚さを精度よく管理することが可能になる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、基準発色部とその製造方法の第2実施形態について、図6を参照して説明する。
この図において、図1乃至図5に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図6に示すように、本実施形態の基準発色部11R、11G、11Bにおいては、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2が積層(ここでは、便宜上、各二層のみ図示)された多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部として、多層干渉膜の裏面側に粒状部材70が互いに間隔をあけて複数散設されている。
【0067】
粒状部材70としては、特に材質に限定されないが、本実施形態では、第1液状体材料が用いられている。すなわち、本実施形態では、基準発色部11R、11G、11Bにおいて、第1、第2透明薄膜F1、F2を成膜する前に上記液滴吐出装置30を用いて、下基板52上に第1液状体材料をドット状に配置(塗布)した後に乾燥(または焼成)する。
【0068】
そして、上記と同様の手順で第1透明薄膜F1及び第2透明薄膜F2を交互に積層することにより、粒状部材70の配置に応じて表面に凹凸が形成された基準発色部11R、11G、11Bを得ることができる。
【0069】
上記の構成の基準発色部11R、11G、11Bにおいては、入射した光を表面の凹凸で散乱させることが可能になるため、均一な光(発色)として出射させることができる。また、本実施形態では粒状部材70を第1液状体材料により形成するため、別途材料を用意する必要がなくなり、製造効率の向上に寄与できる。
なお、粒状部材70としては第2液状体材料を用いて形成することも可能であるが、続いて成膜する第1透明薄膜F1と同一材料を用いることが、製造効率向上の観点からより好ましい。
【0070】
(第3実施形態)
続いて、基準発色部11R、11G、11Bの他の実施形態について、図7乃至図14を参照して説明する。
上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2をそれぞれについて同じ厚さで成膜する構成としたが、本実施形態では最上層及び最下層については、他の層と厚さを異ならせている。
【0071】
図7(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化チタン(屈折率2.52)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、ここでは波長が430〜450nm近辺の青色の反射スペクトルを得るために、便宜上、第1透明薄膜F1の厚さを70nm、第2透明薄膜F2の厚さを40nmとしている。そして、図7(b)は、これらの膜厚で形成された基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0072】
そして、図8(a)〜図14(a)は、図7(a)に示した第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の膜厚に対して、最下層である第1層と、最上層である第11層の膜厚をそれぞれ0倍(すなわち、厚さゼロ)、0.5倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍に変化させたことを示す図である。また、図7(b)〜図14(b)は、図7(a)〜図14(a)で示された膜厚の第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2で構成される基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0073】
図7(b)、図8(b)及び図9(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層よりも小さい場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークが大きくなってしまう。一方、図10(b)、図11(b)、図14(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の1.5倍、2倍、5倍である場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくすることができる。
【0074】
そして、図11(b)、図12(b)、図13(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の2倍、3倍、4倍である場合には、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくすることができる。
【0075】
従って、本実施形態では、上記第1、第2実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、最上層及び最下層の膜厚を他の層よりも大きくすることにより、より良好な発色特性を得ることができる。特に、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を他の層の膜厚の二倍の厚さで成膜することにより、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、一層良好な発色特性を得ることが可能になる。
【0076】
(第4実施形態)
続いて、基準発色部11R、11G、11Bの他の実施形態について、図15を参照して説明する。
上記第1〜第3実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2について、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも大きな膜厚で形成する構成としたが、本実施形態ではこれとは逆の構成としている。
【0077】
図15(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化亜鉛(屈折率1.95)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、図15(b)は、これらの膜厚で形成された基準発色部11R、11G、11Bにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
【0078】
図15(a)に示すように、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を除いて、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも小さな膜厚で形成されている。そして、上記第2実施形態と同様に、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚よりも大きく成膜されている。
そして、図15(b)に示すように、本実施形態においても、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、良好な発色特性を得ることが可能になる。
【0079】
(電子機器)
図16(a)〜(c)は、上述の液晶表示装置を備える電子機器の例を示している。
本実施形態の電子機器は、上述した液晶表示装置を表示手段として備えている。
【0080】
図16(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図16(a)において、符号1000は携帯電話本体(電子機器)を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図16(b)において、符号1100は時計本体(電子機器)を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図16(c)において、符号1200は情報処理装置(電子機器)、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図16(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、本実施形態の液晶表示装置とその製造方法を用いることによって製造された液晶表示装置を表示手段として備えているので、製造コストが抑えられ、また薄型化が実現された高品質の電子機器を得ることができる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、奇数層に第1透明薄膜F1を成膜し、偶数層に第2透明薄膜F2を成膜する構成としたが、これに限定されるものではなく、逆の積層配置としてもよい。また、透明薄膜の積層数についても、上記実施形態で示した数は一例であり、所望の反射特性が得られるのであれば、11層以下でも11層以上であってもよい。
【0083】
また、上記実施形態における透明薄膜の膜厚調整としては、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の少なくとも一方を、第1透明薄膜形成材料、第2透明薄膜形成材料の粒子径で形成することもできる。この場合、塗布した液状体材料に含まれる粒子が積み重ならないように、液状体材料に分散促進剤を含有させる等の方法を採ることが好ましい。
さらに、粒子径以上の膜厚で透明薄膜を形成する場合には、透明薄膜の膜厚を粒子径の整数倍とすることにより、上記粒子径の厚さで膜を成膜する工程を複数回繰り返すことにより、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
【0084】
また、上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を形成するための液体材料塗布に液滴吐出法を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、スピンコートや印刷法等、液相法による他の塗布方法を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】液滴吐出装置の概略的な構成図である。
【図2】液滴吐出ヘッド301の断面図である。
【図3】本実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図4】多層構造を有する基準発色部が基板上に形成された断面図である。
【図5】第1実施形態に係る発光波長と反射率との関係を示す図である。
【図6】基準発色部の第2実施形態を示す断面図である。
【図7】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図8】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図9】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図11】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図14】第3実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図15】第4実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
【図16】液晶表示装置を備える電子機器の例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
C…発色構造体、 F1…第1透明薄膜、 F2…第2透明薄膜、 IL…光、 P…基板、 11…発色部、 11R、11G、11B…基準発色部、 30…液滴吐出装置、 54…液晶層、 60…隔壁、 70…粒状部材(凹凸形成部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置であって、
前記発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜と、
第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示装置において、
前記発色部は、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、
該複数の基準発色部は、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液晶表示装置において、
前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を有し、
該隔壁は遮光材で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部が設けられることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の液晶表示装置において、
前記凹凸形成部は、前記多層干渉膜の裏面側に複数散設された粒状部材であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項5記載の液晶表示装置において、
前記凹凸形成部は、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、
前記第1透明薄膜は、前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さは、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8記載の液晶表示装置において、
前記第1、第2透明薄膜は、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する前記第1、第2透明薄膜のそれぞれ二倍の厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第1透明薄膜の厚さは、第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第2透明薄膜の厚さは、第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記発色部を形成する工程は、
第1液状体材料により第1の屈折率を有する第1透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第1工程と、
第2液状体材料により第2の屈折率を有する第2透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第2工程とを有し、
前記第1工程及び第2工程を交互にそれぞれ複数回繰り返して行って多層干渉膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記発色部は、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、
該複数の基準発色部を、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜により形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13または14記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を、遮光材で形成する工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記凹凸形成工程では、前記多層干渉膜の裏面側に複数の粒状部材を散設することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記粒状部材を、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方を、液滴吐出法で吐出することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項20】
請求項13から19のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1工程及び前記第2工程は、前記液状体材料を塗布する工程と、塗布した前記液状体材料を乾燥または焼成する工程とをそれぞれ有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項21】
請求項13から20のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、
前記第1透明薄膜の厚さを前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項22】
請求項13から21のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さを、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項23】
請求項22記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項24】
請求項13から23のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1透明薄膜の厚さを第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程と、
前記第2透明薄膜の厚さを第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程との少なくとも一方の工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項1】
液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置であって、
前記発色部は、第1液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第1の屈折率を有する第1透明薄膜と、
第2液状体材料により前記発色特性に基づく厚さで成膜され、第2の屈折率を有する第2透明薄膜とが交互にそれぞれ複数積層された多層干渉膜を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示装置において、
前記発色部は、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、
該複数の基準発色部は、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液晶表示装置において、
前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を有し、
該隔壁は遮光材で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成部が設けられることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の液晶表示装置において、
前記凹凸形成部は、前記多層干渉膜の裏面側に複数散設された粒状部材であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項5記載の液晶表示装置において、
前記凹凸形成部は、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、
前記第1透明薄膜は、前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さは、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8記載の液晶表示装置において、
前記第1、第2透明薄膜は、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する前記第1、第2透明薄膜のそれぞれ二倍の厚さで成膜されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第1透明薄膜の厚さは、第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第2透明薄膜の厚さは、第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
液晶層と、該液晶層を介して入射した光に対して所定の発色特性を付与して出射させる発色部とを有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記発色部を形成する工程は、
第1液状体材料により第1の屈折率を有する第1透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第1工程と、
第2液状体材料により第2の屈折率を有する第2透明薄膜を前記発色特性に基づく厚さで成膜する第2工程とを有し、
前記第1工程及び第2工程を交互にそれぞれ複数回繰り返して行って多層干渉膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記発色部は、互いに異なる基準色を発色させる複数の基準発色部を有し、
該複数の基準発色部を、それぞれ前記基準色に対応する厚さで積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜により形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13または14記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記発色部の周囲を取り囲む隔壁を、遮光材で形成する工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記多層干渉膜の表面に凹凸を形成する凹凸形成工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記凹凸形成工程では、前記多層干渉膜の裏面側に複数の粒状部材を散設することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記粒状部材を、前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方で形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1液状体材料と前記第2液状体材料との少なくとも一方を、液滴吐出法で吐出することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項20】
請求項13から19のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1工程及び前記第2工程は、前記液状体材料を塗布する工程と、塗布した前記液状体材料を乾燥または焼成する工程とをそれぞれ有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項21】
請求項13から20のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、
前記第1透明薄膜の厚さを前記第2透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項22】
請求項13から21のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
積層された前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜のうち、最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さを、他の層の透明薄膜の厚さよりも大きい厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項23】
請求項22記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1透明薄膜及び前記第2透明薄膜を、前記最下層及び最上層に位置する透明薄膜の厚さが、前記他の層に位置する透明薄膜の二倍の厚さで成膜することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項24】
請求項13から23のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記第1透明薄膜の厚さを第1透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程と、
前記第2透明薄膜の厚さを第2透明薄膜形成材料の粒子径に基づく厚さで形成する工程との少なくとも一方の工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−163058(P2009−163058A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1457(P2008−1457)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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