説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示装置の樹脂枠であって、ランプセットのバックライト装置への挿入、引き出しが簡易であり、かつ光漏れの少ない液晶表示装置を提供し、樹脂枠の強度を増大することができる。
【解決手段】液晶表示パネル11、光学シート14〜16、導光板17、反射シート18、及びこれらを囲む樹脂枠19、導光板17の側端面に密接するバックライト装置のランプセット20、20’それらを収納して背面と側面を覆う底板21及び液晶表示パネル11前面の周囲と底板の側面をカバーする枠体22、からなる液晶表示装置において、ランプセット収納部の開口部に樹脂枠19のひさし19aと樹脂枠の本体との角部にかけて設け光漏れ防止用の薄壁19cを形成する。この薄壁19cは、ランプセット収納部の両端において、樹脂枠のひさしと樹脂枠の本体の角部に略三角形に設けるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置におけるバックライト装置に関し、特に線状のランプをバックライト光源とするエッジライト型バックライト装置のランプセットを収納するランプセット収納部からの光漏れを防止した液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、テレビジョン装置などの表示装置として、省電力で薄型、軽量である液晶表示装置が多く賞用されるようになってきている。この種の液晶表示装置は、液晶表示パネルの背面に配置したバックライト装置からの光を液晶表示パネルに照射することにより液晶表示パネルに形成された映像を表示するものであり、このバックライト装置において、薄型が要求されかつそれほど高輝度が必要とされない中型のノートパソコンやモニタから最近は大型高輝度の液晶テレビジョン等まで、側面に配置された線状光源を面状光源に変更するサイドライト方式のバックライト装置が多く用いられるようになってきている。
【0003】
サイドライト方式のバックライト装置は、側面に配置された線状光源を面状光源に変更するために導光板が使用され、この導光板の背面には反射板が、前面には拡散板などの光学シートが配置されている。光源には従来から線状の冷陰極管がよく用いられており、この光源を導光板の縁に設けるので、エッジライト型バックライト装置ともいわれる。
【0004】
従来のこの種のバックライト装置のランプセットは、例えば透明なアクリル樹脂製等の導光板の入光面であるサイドエッジ(側端面)に沿って、光源となる線状ランプの出射面が平行になるよう配置し、また、線状ランプの導光板に対向する側を開放した略コ字状あるいは半円筒状のランプ反射板を線状ランプの全長に沿って備えることによって反射効率を上げ、線状ランプの出射光を導光板に導入し、面状の出射光によって液晶表示パネルを照明するようになっている。この線状ランプは1本乃至複数本が配置され、線状ランプの両端はランプホルダーによって支持され、ランプホルダーは反射板に固定されている。
【0005】
導光板の背面には白色の反射板が、前面には2枚のプリズムシート及び拡散板が配置され、ランプセットを導光板の側面に設けて、バックライト装置を構成する。このときランプセットは、導光板の対向する2つの側端面に設けられ、導光板の側端面へのランプセットの装着は、その収納部であるバックライト装置の樹脂枠と液晶表示装置の底板との隙間に、この隙間の一端からスライドさせて挿入される。また、取り外しは、逆に隙間の一端からスライドさせて引き出すことによって行われる。このように、ランプセットの装着や取り外しは液晶表示装置の製造時のみならず線状ランプなどが故障、破損して交換するときに、導光板などを取り外すことなく簡易に行うことができるようになっている。
【0006】
ここで、ランプセットの装着及び取り外しを簡易に行うことができる従来の液晶表示装置用バックライト装置について、図9を用いて説明する。図9は液晶表示装置用バックライト装置のランプセットの収納部の挿入、抜出が行われる開口部付近の断面図である。
【0007】
このランプセット84は、ランプ反射板85と、ランプ反射板85内に装着されたランプ(図では見えない)及びランプの両端に取り付けられたランプホルダー86とからなり、ランプ両端に接続されたケーブル(図示省略)が一端のランプホルダー86から引き出されており、ランプセット84を保持する樹脂枠81とバックライト装置80の底板82で形成された収納部83に装着されている。また、バックライト装置80にはランプセット84の収納部83への挿入、抜出が可能となるように、ランプセット84の少なくとも両端部と樹脂枠81、底板82及び導光板87との間に所定のクリアランスを設けている。これによって、ランプセット84は樹脂枠と底板の隙間である収納部83に一端から挿入されスライドさせて収納できるようになっている(特許文献1参照)。
【0008】
ランプセット84を液晶表示装置のバックライト装置80に組み込んだ場合、ランプセット84はその両端部のランプホルダー86が導光板に密接して対峙するが、収納部の開口部分でランプホルダー86のケーブルを引き出す頭部86aと樹脂枠81との隙間から光漏れが生じ、極めて目触りとなる問題があった。詳しくは、この光漏れは樹脂枠のひさし81aの付け根の部分81b付近で、引き出されたケーブルと樹脂枠の隙間から導光板が露出することによって生じるものである。
【0009】
しかしながら、この樹脂枠とランプホルダー間の光漏れを解決するためには、ランプセットの収納部からの出し入れを容易にするために開口部にはクリアランスが必要であるし、隙間はできるだけなくするのが好ましいが、隙間ができるのは避けられない。したがって、従来の液晶表示装置においては、バックライト装置のランプセット収納部の開口部からの光漏れを減少させることは困難であった。また、ランプセットは液晶表示装置への出し入れの際に樹脂枠のひさし部分と接するが、ひさし部分の強度が十分でなく、樹脂枠が破損することがあった。さらにまた、開口部でランプホルダーから液晶表示装置の外部に引き出したケーブルの引き回しの際に一定の固定状態が得られずケーブルがばらばらになり、線の間から光漏れを生じたりしていた。
【特許文献1】特開平11−111030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、従来のランプセットの取付け、取り外し作業用の開口部を備えた液晶表示装置において、ランプセットの装着、取出しを円滑に行うことができ、一方、開口部の隙間からの光漏れを解決したバックライト装置が求められている。
【0011】
本願の発明者は、前記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、ランプセットの収納部の両端において、ランプセットと樹脂枠との接触状況に着目し、ランプセットを保持する樹脂枠の形状を工夫することによって、前記の問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、液晶表示装置において、バックライト装置のランプセット収納部からの光漏れを減少させた液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
また、本発明は、バックライト装置において、樹脂枠の強度を増大することができる手段を提供することを目的とする。
【0014】
さらにまた、本発明は、ランプホルダーから引き出したケーブルを一定の状態で底板の側面から背面に引き回し、背面のケーブル固定爪で保持させることにより、一定のケーブルの固着状態が得られるとともに、光漏れの少ないランプセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願の請求項1の液晶表示装置に係る発明は、サイドエッジ型バックライト装置のランプセット収納部を形成する樹脂枠を有する液晶表示装置において、前記樹脂枠のランプセット収納部の開口部の角部に、前記樹脂枠のひさしから樹脂枠本体にかけて光漏れ防止用の薄壁を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項2の液晶表示装置に係る発明は、液晶表示パネル、光学シート、導光板、反射シート、及びこれらを囲む樹脂枠、該導光板の側端面に密接するバックライト装置のランプセット、それらを収納して背面と側面を覆う底板及び該液晶表示パネル前面の周囲と該底板の側面をカバーする枠体、からなる液晶表示装置において、前記ランプセット収納部の開口部に前記樹脂枠のひさしから樹脂枠本体にかけて角部に設けた光漏れ防止用の薄壁を有することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記樹脂枠の薄壁は、前記ランプセット収納部の両端に設けられたことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記薄壁は、前記樹脂枠のひさしと本体の角部に略三角形状に設けたことを特徴とする。この場合、前記薄壁の長辺部がRを有する滑らかな形状としてもよい。
【0019】
本願の請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記底板の背面に切り起こした第1突起と、切り起こした孔から突出させた前記樹脂枠の第2突起によって前記ランプセットのケーブルを挟持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、液晶表示装置へのランプセットの挿入、引き出しが容易であり、組み込み及び交換等を容易に行うことができるとともに光漏れの少ないバックライト装置を提供することができる。また、光漏れ防止用の薄壁によって強度が増大された丈夫な樹脂枠を提供することができる。
【0021】
また、請求項2に係る発明によれば、請求項1の発明と同様に、液晶表示装置へのランプセットの挿入、引き出しが容易であり、組み込み及び交換等を容易に行うことができるとともに光漏れの少ないバックライト装置を提供することができる。また、光漏れ防止用の薄壁強度が増大された丈夫な樹脂枠を提供することができる。
【0022】
また、本願の請求項3に係る発明によれば、バックライト装置の両端部からの光漏れを良好に防止できる液晶表示装置が得られる。
【0023】
本願の請求項4に係る発明によれば、単に光漏れを防止することができるだけでなく、強度が強く、しかもケーブルの引き回しの邪魔にならない薄壁を有する液晶表示パネルが得られる。
【0024】
本願の請求項5に係る発明によれば、ケーブルの保持状態を一定に保持することが容易で、しかも光漏れの少ない液晶表示装置が得られる。
【0025】
以上述べたとおり、本発明によれば、バックライト装置におけるランプセットの導光板の側端面への挿入、引き出しを簡易に行うことができるとともに、開口部からの光漏れが少なく、丈夫な樹脂枠を得ることができ、ランプセットに接続されたケーブルの処理も容易であるので、本発明を液晶表示装置のバックライトに適用した場合には優れた効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る液晶表示装置について、実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明に係る液晶表示装置の一実施例の構造を示す分解斜視図である。図2は、図1の液晶表示装置の組み立て斜視図である。図3は、図2の液晶表示装置におけるバックライト装置のランプセット収納部分の構造を示す斜視図である。図4は、本発明のバックライト装置に使用されるランプセットの斜視図である。図5は、バックライト装置に収納されたランプセットの断面図である。図6は、本発明の樹脂枠の全体(図6(a))とそのA部拡大図(図6(b))であって開口部の薄壁を示す斜視図である。図7は、液晶表示装置のランプセットの挿入時の状態を説明する平面図(図7(a))及びX−X断面図(図7(b))である。図8は、液晶表示装置の底板方向から見た斜視図である。
【0028】
液晶表示装置10は、図1の分解斜視図に示したように、液晶表示パネルを駆動する回路を実装したTCP(Tape Carrier Package)12とPCB(Printed Circuit Board)13が接続されている液晶表示パネル11、液晶表示パネル11の背面に配置した第1及び第2プリズムシート14,15、導光板の前面に配置した拡散シート16、矩形平板状のアクリル樹脂製の導光板17、導光板の背面に配置した反射シート18が組み合わされ、これらの構成部材が樹脂枠19によって上側に液晶表示パネル11が支持され、下側にはその他の構成部材が嵌め込まれて収納され、これが底板21に収容された上、前面に枠体22をはめ込んで組み立てられる。そして、導光板17の対向する2つの側端面にはランプ反射板に線状ランプを取付けた第1及び第2のランプセット20、20’が導光板に平行になるように導光板17と樹脂枠19と底板21との隙間に取付けられる。なお、23は底板に取り付けられ、液晶表示パネル11の長手方向側に取り付けられたPCB13を保護するための下カバーである。
【0029】
図2は、図1の液晶表示装置10の組み立て斜視図であり、枠体22に嵌めこまれている液晶表示パネル11を前面に配置した液晶表示装置10であり、その導光板17の両側に第1ランプセット20と第2ランプセット20’が組み込まれている。図3は、図2の液晶表示装置10のバックライト装置のランプセット収納部の構造を示すもので、枠体22を取り外して第1ランプセット20の収納部分を見た斜視図である。底板21とその外周部を折り曲げて形成された側板21aと樹脂枠19のひさし19aに囲まれたランプセット収納部の端にある開口部21bからバックライト装置に組み込まれた第1ランプセット20のケーブル202の引き出し端が露出し、そのケーブル202が底板21の背面にとりまとめてまわされ、配線されている。
【0030】
図4は、液晶表示装置の導光板の側端面に取付けられるランプセット20の斜視図である。液晶表示装置が大型になると、1本の線状ランプの輝度では限界があるため、ランプセットの線状ランプの本数を多くする必要があるが、図4では3本の線状ランプを用いている。冷陰極管である3本の線状ランプ203a〜203cは,直径が1.8〜3.0mmで長さが300〜460mmという細長い直管である。線状ランプ両端の端子にケーブル202を接続した後、耐熱性のあるシリコンゴム製のランプホルダー204a、204bを嵌め込み,ランプ反射板205の両端部にそのランプホルダー204a、204bを固定して線状ランプ203a〜203cをランプ反射板205に取付ける。3本の線状ランプのうち中央に配置される線状ランプ203aの長手方向の中央部分には予め絶縁スペーサ(図示せず)が設けられており、この絶縁スペーサに設けられた孔に線状ランプ203aを挿通して取付けてあり、他の2本の線状ランプ203b、203cも第一、第二のランプホルダー204a、204bに取付ける際にその絶縁スペーサの孔にはめ込まれ、線状ランプの中央部分でも線状ランプがその適正な間隔を保持してランプ配置の平行度を維持している。
【0031】
ランプ反射板205は、線状ランプと略同じ長さの金属板、例えばアルミニウム板を断面略コ字状に成形し、その内側面に銀蒸着シートなどの反射シートを貼り付けたものであり、線状ランプ203a〜203cを取り囲むように固定しており、コ字条の断面の開口部を導光板の側端面に対置して取付けられている。このランプ反射板205は、複数の線状ランプに対向する背面205aと、背面を導光板17に対して支持する側面205b,205cとを有しており、ランプ反射板の背面205aには反射板の長手方向に沿って内側中央に凸となる反射面を有している。すなわち、図5に示すように、ランプ反射板205の背面にはその長手方向に沿ってコ字状の反射板の内側に向けて連続した窪みが設けられ、背面に溝205dが形成されている。この溝205dには、各線状ランプの一端に取付け第二のランプホルダー204bを介して引き出した複数のケーブル202a〜202cが収納され、前記溝205dを通って他方の端まで引きまわされ、線状ランプ他端の第一ランプホルダー204aの孔に通して引き出され、線状ランプの他端に接続され他端から引き出したケーブル202d〜202fとまとめて第一ランプホルダー204aの前面から引き出された上で分配され、コネクタ206a、206bに接続されている。複数のケーブル202a〜202cは、ランプ反射板205の背面の溝205dの中を通すだけでなく、溝に接着剤などで固定してもよい。
【0032】
図5はランプセット20がバックライト装置に組み込まれた状態の説明図である。ランプ反射板205内側の両端に嵌めこみ固定されるシリコン樹脂製のランプホルダー204a、204b(図4参照)は、線状ランプ203a〜203cが取付けられる孔の配置が、中央部の支持孔は導光板17側に接近し、両側の支持孔は導光板17から後退した配置になっている。このため、図5に示したように、ランプ反射板205に設けた3本の線状ランプ203a〜203cのうち中央部の線状ランプ203aが他の線状ランプ203b、203cよりも導光板17側に接近するように配置されるのに伴って、ランプ反射板の背面205aには溝205dが形成され、溝の壁が内側に傾斜をもって凸となっていることから、背面の平らな同じ幅のランプ反射板に線状ランプ203a〜203cを一直線上に並べた場合に比べて、線状ランプ間の距離が長くなるとともに両側のランプの反射面が広くなっている。また、ランプホルダー204a、204bの背面には、ランプ反射板205の溝に適合する窪みが設けられている。
【0033】
このような構造のランプセット20は、前述したように、導光板17と樹脂枠19と底板21との隙間に底板の開口部21bから挿入されて取付けられているが、収納部の開口部分で第一ランプホルダー204aのケーブルを引き出す頭部と樹脂枠19との隙間や、引き出されたケーブルと樹脂枠の隙間からバックライトの光が見える光漏れが生じることにより、極めて目触りとなる問題があった。
【0034】
光漏れは、主として、引き出されたケーブルが接続のため底板の裏面に引き回されるために、樹脂枠19のひさし19aの付け根の19b部分付近で導光板17が露出することによって生じる。そこで、本発明においては光漏れを防ぐために、図6、図7のように、ランプホルダー収納部の樹脂枠19のひさしの付け根の19b角に薄壁19cを設けるものである。
【0035】
図6(a)は樹脂枠19の斜視図であり、図6(b)は図6(a)のランプセット収納部のひさしの付け根部分(A部分)を拡大したものである。拡大図によって明らかなように、本発明の液晶表示装置では、ランプセット収納部の開口部において樹脂枠のひさし19aと樹脂枠本体の角部19bに薄壁19cを設けている。薄壁19cは、樹脂枠のランプセット収納部の両端にそれぞれ設けられており、薄壁19cは樹脂枠のひさし19aと樹脂枠本体の角部に略三角形に形成されることにより、ランプホルダー204aから引き出したケーブルの引き回しの邪魔にならない状態となり、樹脂枠19の強度を高めることもできる。また、この薄壁19cを単なる三角形ではなく、中央部を窪ませたRを有するように形成することがケーブルの配線上好ましい。図7(a)は、液晶表示装置の平面図であり、図7(b)はそのX−X断面図である。なお、ランプホルダー204aのケーブルは図示を省略してある。このような、樹脂枠のひさし19aと樹脂枠本体の角部19bにかけて薄壁19cを備えた樹脂枠を用いることにより、光漏れを大幅に減少させることができる。しかも、ランプセットの液晶表示装置への挿入あるいは引き出しを妨げることなく、組み込みや交換、修繕等のための取替え作業は効率よく容易に行うことができる。
【0036】
図8は液晶表示装置を底面方向から見た斜視図である。この図では第1ランプセット20と第2ランプセット20’は収納部分に半ば収納した状態である。底板21の第1及び第2のランプセット20、20’の収納部分の開口部付近において、底板21を切り起こして爪状の第1突起21bが形成されている。第1突起21bは各ランプセットにつき、それぞれ2箇所に設けられている。第1突起21bの切り起こしの孔に樹脂枠19の枠本体に一体に形成され、後方に伸びた第2突起19dが突出して第1突起と所定の間隔で対向する。
【0037】
この第1突起21bと第2突起19dの間には、第1ランプセットと第2ランプセットから引き出され、底板21の背面に引き回し配線されたランプセットのケーブル202が挟み込まれて位置決めに用いられる。これによりケーブル202の配線固定の状態が一定となるので、ランプセット20が傾いたりすることがなくなり、導光板19の角にランプホルダーが密着できる。また、ランプホルダーから引き出したケーブルがばらつくことがないので、ケーブル間に隙間がなく一定の状態で配線することができる。このような構造によって、ケーブル引き出し部からの光漏れを減少させることができる。
【0038】
以上の実施例のほかランプホルダーの形状は、さまざまに設計変更できる。第1突起と第2突起の数は任意である。またランプセットは、ランプ反射板が断面コ字状の物について説明したが、ランプ反射板はコ字状のものに限らず、断面が半円形あるいは半楕円や放物線状等のものにも本発明は同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の一実施例の構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1の液晶表示装置の組み立て斜視図である。
【図3】図2の液晶表示装置のバックライト装置のランプセット収納部分の構造を示す斜視図である。
【図4】バックライト装置に使用されるランプセットの斜視図である。
【図5】バックライト装置に収納されたランプセットの断面図である。
【図6】本発明の樹脂枠の全体(図6(a))とそのA部拡大図(図6(b))であって開口部の薄壁を示す斜視図である。
【図7】液晶表示装置のランプセットの挿入時の状態を説明する平面図(図7(a))及びX−X断面図(図7(b))である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の底面方向から見た斜視図である。
【図9】従来の液晶表示装置におけるバックライト装置の開口部の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 液晶表示装置
11 液晶表示パネル
14 第1プリズムシート
15 第2プリズムシート
16 拡散シート
17 導光板
18 反射シート
19 樹脂枠
19a 樹脂枠のひさし
19c 薄壁
19d 第2突起
20、20’ ランプセット
21 底板
21a 底板の側壁
21b 第1突起
22 枠体
202 ケーブル
203a〜203c 線状ランプ
204a、204b ランプホルダー
205 ランプ反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドエッジ型バックライト装置のランプセット収納部を形成する樹脂枠を有する液晶表示装置において、前記樹脂枠のランプセット収納部の開口部の角部に、前記樹脂枠のひさしから樹脂枠本体にかけて光漏れ防止用の薄壁を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
液晶表示パネル、光学シート、導光板、反射シート、及びこれらを囲む樹脂枠、該導光板の側端面に密接するバックライト装置のランプセット、それらを収納して背面と側面を覆う底板及び該液晶表示パネル前面の周囲と該底板の側面をカバーする枠体、からなる液晶表示装置において、前記ランプセット収納部の開口部に前記樹脂枠のひさしから樹脂枠本体にかけて角部に設けた光漏れ防止用の薄壁を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
前記樹脂枠の薄壁は、前記ランプセット収納部の両端に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記薄壁は、前記樹脂枠のひさしと本体の角部に略三角形状に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記底板の背面に切り起こした第1突起と、切り起こした孔から突出させた前記樹脂枠の第2突起によって前記ランプセットのケーブルを挟持することを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−38926(P2006−38926A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214332(P2004−214332)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】