説明

液晶表示装置

【課題】本発明は、バックライトの色ムラを減らして均一な面発光を実現することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置は、液晶表示パネル10と、有彩色で光透過性の配線基板18と、カーボンブラックを含有する材料からなる黒色遮光層38を少なくとも含む遮光テープ34と、配線基板18の第1面20と黒色遮光層38に粘着する、無彩色で光透過性の粘着層40と、配線基板18の、第1面20とは反対の第2面22に搭載された発光ダイオード24と、配線基板18の第2面22に対向する端部を有し、端部が発光ダイオード24の隣に配置されて、発光ダイオード24からの光が入射する導光板26と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライトに、LED(Light Emitting Diode)を光源として使用することが知られている(特許文献1)。LEDは、フレキシブル配線基板に搭載されて導光板の隣に配置される。フレキシブル配線基板の一部が導光板の上方に覆いかぶさり、その上に遮光テープが配置されている。遮光テープは、LEDから出た光が外に漏れないようにしている。遮光テープは、白色層と黒色層の二層構造からなり、白色層を下にして配置されている。LEDから出射した光の一部は、導光板を透過してフレキシブル配線基板に入射してフレキシブル配線基板を透過し、遮光テープの白色層で反射して再度導光板の内部に戻る。フレキシブル配線基板は、茶色又は黄褐色をしているので、これを透過して遮光テープで反射した光は、茶色又は黄褐色になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−251687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバックライトでは、元々、LEDの光が白色であっても、バックライトには茶色又は黄褐色の光が混在するので色ムラが生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、バックライトの色ムラを減らして均一な面発光を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルと、有彩色で光透過性の配線基板と、カーボンブラックを含有する材料からなる黒色遮光層を少なくとも含む遮光テープと、前記配線基板の第1面と前記黒色遮光層に粘着する、無彩色で光透過性の粘着層と、前記配線基板の、前記第1面とは反対の第2面に搭載された発光ダイオードと、前記配線基板の前記第2面に対向する端部を有し、前記端部が前記発光ダイオードの隣に配置されて、前記発光ダイオードからの光が入射する導光板と、を有することを特徴とする。本発明によれば、配線基板が有彩色であるが、遮光テープの黒色遮光層が光を吸収するので、反射する光を減少させることができ、バックライトの色ムラを減らして均一な面発光を実現することができる。
【0007】
(2)(1)に記載された液晶表示装置において、前記遮光テープは、前記黒色遮光層の、前記粘着層とは反対側に貼り付けられた白色遮光層をさらに有することを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(2)に記載された液晶表示装置において、前記遮光テープは、前記白色遮光層の、前記黒色遮光層とは反対側に貼り付けられた第2黒色遮光層をさらに有することを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(3)に記載された液晶表示装置において、前記第2黒色遮光層は、前記カーボンブラックを含有する樹脂層と、前記カーボンブラックを含有するインクからなる印刷層と、を含むことを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、前記導光板を囲むフレームと、一方の面が前記液晶表示パネルに粘着し、他方の面が前記フレームに粘着する両面粘着テープと、をさらに有し、前記遮光テープ及び前記両面粘着テープによって、四角い枠が構成され、前記遮光テープは、前記四角い枠の一辺を構成し、前記両面粘着テープは残りの三辺を構成することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置のII-II線断面図である。
【図3】図1に示す液晶表示装置のIII-III線断面図である。
【図4】図1に示す液晶表示装置のIV-IV線断面図である。
【図5】遮光テープ及び両面粘着テープを示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例1を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例2を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例3を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。図2は、図1に示す液晶表示装置のII-II線断面図である。図3は、図1に示す液晶表示装置のIII-III線断面図である。図4は、図1に示す液晶表示装置のIV-IV線断面図である。
【0014】
液晶表示装置は、液晶表示パネル10を有する。液晶表示パネル10は、一対のガラス基板12を有し、両者間には図示しない液晶が介在する。一方のガラス基板12は、薄膜トランジスタ、画素電極及び配線などを含むTFT(Thin Film Transistor)基板(又はアレイ基板)であり、他方のガラス基板12はカラーフィルタ基板である。液晶表示パネル10の駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Vertical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線が形成される。
【0015】
ガラス基板12の周端部を避けて周端部に囲まれた領域には偏光板14が貼り付けられている。また、一方のガラス基板12の周縁部には、液晶を駆動するためのドライバ回路を内蔵する集積回路チップ16が搭載されている。
【0016】
液晶表示装置は、配線基板18を有する。配線基板18は、有彩色(例えば黄褐色)で光透過性を有する。配線基板18には、図示しない配線パターンが形成されており、配線パターンは光を反射する。配線基板18は、第1面20及びその反対側の第2面22を有する。配線基板18は、少なくとも一方のガラス基板12の少なくとも周縁部と重なるように配置されている。また、配線基板18は、集積回路チップ16と重なるように配置されている。
【0017】
液晶表示装置は、発光ダイオード24を有する。発光ダイオード24は、配線基板18の第2面22に搭載されており、配線基板18上の図示しない配線パターンと電気的に接続されている。配線基板18は、発光ダイオード24と重複する部分と、発光ダイオード24の周囲から突出する部分と、を含む。発光ダイオード24は、白色光を発するようになっている。
【0018】
液晶表示装置は、導光板26を有する。導光板26は、点光源としての発光ダイオード24の光を、面光源に変換して、液晶表示パネル10に照射するためのものである。導光板26の面発光する表面は、液晶表示パネル10と対向する。
【0019】
導光板26は、発光ダイオード24からの光が入射するように、端部が発光ダイオード24の隣に配置されている。図2では、発光ダイオード24と導光板26が接触しているが、両者間に隙間があってもよい。また、配線基板18の第2面22の一部(発光ダイオード24と対向する部分の隣接部分)は、導光板26の端部(発光ダイオード24から光が入射する部分)の上方を覆う。言い換えると、導光板26の端部の上面が、配線基板18の第2面22(発光ダイオード24と対向する部分の隣接部分)に対向する。
【0020】
液晶表示装置は、フレーム28を有する。フレーム28は、樹脂成形品であってモールドともよばれる。フレーム28は、導光板26及び発光ダイオード24を囲んで保持する。フレーム28は、液晶表示パネル10を内側で支持するようになっている。導光板26と液晶表示パネル10の間には、拡散シート及びプリズムシートなどの光学シート30が配置されている。また、導光板26の、光学シート30とは反対側には、反射シート32が配置されており、反射シート32もフレーム28に固定されている。
【0021】
液晶表示装置は、遮光テープ34及び両面粘着テープ36を有する。図5は、遮光テープ34及び両面粘着テープ36を示す平面図である。遮光テープ34及び両面粘着テープ36によって、四角い枠が構成されている。遮光テープ34は、四角い枠の一辺を構成している。両面粘着テープ36は、残りの三辺を構成している。
【0022】
遮光テープ34は、黒色遮光層38を含む。図2に示す遮光テープ34は黒色遮光層38のみからなる。黒色遮光層38は、黒色であるため光を吸収し、光の反射を減らすことができる。また、黒色遮光層38は、カーボンブラックを含有する材料からなるので導電性を有する。遮光テープ34は、配線基板18の上方(発光ダイオード24とは反対側)に配置されている。遮光テープ34は、集積回路チップ16と配線基板18の間に配置されている。
【0023】
配線基板18と遮光テープ34の間には粘着層40が介在して両者に粘着している。粘着層40は、配線基板18の第1面20と黒色遮光層38に粘着する。粘着層40は絶縁体から構成されており、黒色遮光層38と配線基板18の間の電気的絶縁性を図ることができる。
【0024】
粘着層40は、無彩色で光透過性を有するため、発光ダイオード24から出射して配線基板18を透過して来た光は、粘着層40も透過して黒色遮光層38に進行する。遮光テープ34は、偏光板14を避けて、ガラス基板12の周端部に接触している。ただし、遮光テープ34には粘着性又は接着性が無いので、ガラス基板12が遮光テープ34上に載っているだけである。遮光テープ34上にガラス基板12が載るように、遮光テープ34の厚みが設定されている。つまり、必要に応じて、遮光テープ34を厚く形成すれば、その上面を高くすることができる。
【0025】
両面粘着テープ36は、液晶表示パネル10とフレーム28の間に介在する。両面粘着テープ36の一方の面がフレーム28に粘着し、他方の面が液晶表示パネル10に粘着する。両面粘着テープ36は、図2及び図4に示すように、偏光板14に粘着する部分を含む。図2及び図4に示す例では、両面粘着テープ36は、ガラス基板12には接触していない。
【0026】
本実施の形態によれば、配線基板18が有彩色であるため、これを透過する光は有彩色になる。しかし、遮光テープ34の黒色遮光層38が光を吸収するので、反射する光を減少させることができ、バックライトの色ムラを減らして均一な面発光を実現することができる。また、遮光テープ34の適用を必要な箇所だけに抑えて、それ以外の部分では両面粘着テープ36を使用するので材料のコスト上昇を抑えることができる。
【0027】
[変形例1]
図6は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例1を説明する図である。本変形例では、図2に示す遮光テープ34の代わりに、図6に示す遮光テープ134を用いる。
【0028】
遮光テープ134は、黒色遮光層138の、粘着層140とは反対側に貼り付けられた白色遮光層142を有する。黒色遮光層138と白色遮光層142の間には第2粘着層144が介在して両者を粘着している。遮光テープ134は、白色遮光層142の、黒色遮光層138とは反対側に貼り付けられた第2黒色遮光層146を有する。白色遮光層142と第2黒色遮光層146の間には第3粘着層148が介在して両者を粘着している。遮光テープ134のその他の内容は、図2に示す遮光テープ34について上述した事項が該当する。
【0029】
本変形例によれば、白色遮光層142によって、黒色遮光層138を透過した光を遮断することができる。これにより、遮光テープ134の上方に位置する集積回路チップ16(図2参照)への迷光をさらに防止することができる。さらに、第2黒色遮光層146は、白色遮光層142を覆うことで汚れを防止しており、それ自体が黒いため汚れが目立たなくなっている。
【0030】
[変形例2]
図7は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例2を説明する図である。本変形例では、図6に示す遮光テープ134の代わりに、図7に示す遮光テープ234を用いる。図7において、第2黒色遮光層246は、カーボンブラックを含有する黒色の樹脂層250と、カーボンブラックを含有するインクからなる黒色の印刷層252と、を含む。遮光テープ234のその他の構成は、図6に示す遮光テープ134と同じである。
【0031】
[変形例3]
図8は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例3を説明する図である。本変形例では、図2に示す両面粘着テープ36の代わりに、図8に示す両面粘着テープ336を用いる。
【0032】
上述した図2に示す例では、両面粘着テープ36は、遮光テープ34及び両面粘着テープ36によって構成される四角い枠(図5参照)において、遮光テープ34が構成する一辺と対向する辺では、偏光板14に粘着している。これに対して、図8に示す例では、両面粘着テープ336は、遮光テープ34が構成する一辺と対向する辺では、偏光板14を避けてガラス基板12の周端部に粘着している。他の二辺では、図8に示す両面粘着テープ336も、図4に示す両面粘着テープ36と同様に偏光板14に粘着している。両面粘着テープ336のその他の内容は、図2に示す両面粘着テープ36について上述した事項が該当する。
【0033】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施の形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 液晶表示パネル、12 ガラス基板、14 偏光板、16 集積回路チップ、18 配線基板、20 第1面、22 第2面、24 発光ダイオード、26 導光板、28 フレーム、30 光学シート、32 反射シート、34 遮光テープ、36 両面粘着テープ、38 黒色遮光層、40 粘着層、134 遮光テープ、138 黒色遮光層、140 粘着層、142 白色遮光層、144 第2粘着層、146 第2黒色遮光層、148 第3粘着層、234 遮光テープ、246 第2黒色遮光層、250 樹脂層、252 印刷層、336 両面粘着テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
有彩色で光透過性の配線基板と、
カーボンブラックを含有する材料からなる黒色遮光層を少なくとも含む遮光テープと、
前記配線基板の第1面と前記黒色遮光層に粘着する、無彩色で光透過性の粘着層と、
前記配線基板の、前記第1面とは反対の第2面に搭載された発光ダイオードと、
前記配線基板の前記第2面に対向する端部を有し、前記端部が前記発光ダイオードの隣に配置されて、前記発光ダイオードからの光が入射する導光板と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
前記遮光テープは、前記黒色遮光層の、前記粘着層とは反対側に貼り付けられた白色遮光層をさらに有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載された液晶表示装置において、
前記遮光テープは、前記白色遮光層の、前記黒色遮光層とは反対側に貼り付けられた第2黒色遮光層をさらに有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載された液晶表示装置において、
前記第2黒色遮光層は、前記カーボンブラックを含有する樹脂層と、前記カーボンブラックを含有するインクからなる印刷層と、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、
前記導光板を囲むフレームと、
一方の面が前記液晶表示パネルに粘着し、他方の面が前記フレームに粘着する両面粘着テープと、
をさらに有し、
前記遮光テープ及び前記両面粘着テープによって、四角い枠が構成され、
前記遮光テープは、前記四角い枠の一辺を構成し、前記両面粘着テープは残りの三辺を構成することを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−224001(P2010−224001A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68221(P2009−68221)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(503273790)株式会社日立ディスプレイデバイシズ (97)
【Fターム(参考)】