説明

液漏れ検査装置及び容器検査装置

【課題】パレットに積載されたケース内の容器からの液漏れを容易、かつ速やかに検出でき、さらにそのパレットを搬送しつつ液漏れ検査を行うことができる液漏れ検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】液体が充填された複数の壜BTが収容されたケース101をパレット100に積載するパレタイザ4及びケース101が積載されたパレット100を搬送するコンベア3a〜3fを備えた搬送装置1に組み込まれて壜BTからの液体の漏れの有無を検査する液漏れ検査装置10において、液体を検出する液体検出センサ11と、搬送装置1においてパレット100が搬送される所定の搬送領域の下方に設けられ、壜BTから漏れた液体を液体検出センサ11に導く液体受けパン12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上に積まれたケース内の容器からの液漏れの有無を検査する液漏れ検査装置、及びその液漏れ検査装置を備えた容器検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
壜等の容器にアルコール飲料等の飲料を充填して製造する飲料製品に対しては、一般にその製造工程において容器から飲料が漏れていないか否か調べる検査(以下、液漏れ検査と称することもある。)が複数回行われている。液漏れ検査としては、例えば、充填機にて飲料が充填され、その後密封された容器に対して行われる容器単位での検査、ケーサーにて飲料が充填された複数の容器がケースに収容された後に行われるケース単位での検査、パレタイザにて複数のケースがパレットに積載された後に行われるパレット単位での検査などが知られている。容器単位での液漏れ検査を行う装置としては、例えば容器を挟圧しつつ搬送するコンベアの下方に検知回路を含む電極板を配置する液漏れ検査装置が知られている(特許文献1参照)。また、搬送ラインから所定のサイクル毎に容器を抜き取り、この抜き取った容器を押圧して容器からの内容物の漏れを検査する液漏れ検査装置が知られている(特許文献2参照)。パレット単位での液漏れ検査を行う装置としては、パレット上に積載されてそれぞれに複数の容器が収容された複数のケースを密封シートで密閉し、所定時間経過後に密閉したシート内のアルコール濃度をアルコールセンサで検査することによって液漏れ検査を行う装置が知られている(特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−5246号公報
【特許文献2】特開平05−124628号公報
【特許文献3】特開2004−17972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造工程において飲料製品に対して行われる液漏れ検査のうち、容器単位での液漏れ検査、及びケース単位での液漏れ検査は、一般に容器又はケースを搬送しつつ装置により行っている。これに対してパレット単位での液漏れ検査は、一般にパレットを置き、目視などによって検査を行っている。そのため、この検査には容器単位又はケース単位での液漏れ検査と比較して労力及び時間が多く必要となる。上述した特許文献1及び2の装置は、容器単位での液漏れ検査を対象とした装置であるため、パレット単位での液漏れ検査への適用は難しい。特許文献3の装置は、パレット単位での液漏れ検査のための装置であるが、所定時間待つ必要があり、またユーザが所定時間経過後にアルコール濃度を検出しなければならないため、やはり労力及び時間が多く必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、パレットに積載されたケース内の容器からの液漏れを容易、かつ速やかに検出でき、さらにそのパレットを搬送しつつ液漏れ検査を行うことができる液漏れ検査装置、及びパレットに積載されたケース内の容器の破損の有無を容易、かつ速やかに検出できる容器検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液漏れ検査装置は、液体が充填された複数の容器(BT)が収容されたケース(101)をパレット(100)に積載する積載手段(4)及び前記ケースが積載されたパレットを搬送する搬送手段(3a〜3f)のうちの少なくともいずれか一方を備えた搬送装置(1)に適用され、容器からの液体の漏れの有無を検査する液漏れ検査装置(10)において、前記液体を検出する液体検出手段(11)と、前記搬送装置においてパレットが搬送される所定の搬送領域の下方に設けられ、前記容器から漏れた液体を前記液体検出手段に導く誘導手段(12)と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の液漏れ検査装置によれば、パレットに積載されたケース内の容器から液体が漏れていた場合、その液体は誘導手段によって液体検出手段に導かれるので、液体検出手段によって容器からの液体の漏れを容易、かつ速やかに検出することができる。また、パレットが搬送される所定の搬送領域の下方に誘導手段を設けたので、搬送されているパレット上に積載されたケース内の容器からの液漏れを液体検出手段によって検査できる。そのため、パレットを搬送しつつ液漏れ検査を行うことができる。
【0008】
本発明の液漏れ検査装置の一形態においては、前記液体検出手段により液体が検出された場合、前記搬送装置におけるパレットの搬送が停止されるように前記搬送装置に設けられている機器の動作を制御する制御手段(13)をさらに備えていてもよい。この場合、液漏れしている容器が積載されているパレットを搬送装置上に留めることができる。そのため、搬送装置上に停止されているパレットを調べることにより、どのパレットに積載されている容器から液体が漏れているか容易に見つけだすことができる。
【0009】
本発明の液漏れ検査装置の一形態において、前記液体は、導電性を有しており、前記液体検出手段は、離して配置される一対の電極部材(23)と、前記一対の電極部材が前記液体によって電気的に接続されると反応する検知手段(25)と、を備えていてもよい。この場合、複雑なセンサや高価なセンサを用いることなく、液体を検出することができる。また、構造が簡単なため、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0010】
本発明の液漏れ検査装置の一形態においては、前記誘導手段によって導かれた液体を貯留する液体貯留部(22a)をさらに備え、前記液体検出手段は、前記液体貯留部に設けられていてもよい。この場合、容器から漏れている液体を液体貯留部に貯留することができるので、容器から漏れていた液体の量が少量でも確実に液体検出手段によって液体を検出することができる。
【0011】
本発明の液漏れ検査装置の一形態においては、前記液体検出手段が前記誘導手段よりも下方に配置されていてもよい。この場合、誘導手段が重力を利用して液体を液体検出手段に導くことができる。
【0012】
本発明の液漏れ検査装置の一形態において、前記所定の搬送領域には複数の検査領域(A〜D)が互いに重ならないように設定されており、前記液体検出手段及び前記誘導手段が各検査領域にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、いずれの検査領域の液体検出手段において液体が検出されたかを調べることにより、どのパレットに積載されている容器から液体が漏れているのかさらに容易に見つけだすことができる。また、このように検査領域毎に液体検出手段を設けることにより、検査領域毎に液体検出手段のメンテナンスを行うことができるので、さらに容易に液体検出手段のメンテナンスを行うことができる。
【0013】
本発明の容器検査装置(10)は、上述した液漏れ検査装置を備え、前記液漏れ検査装置の検査結果に基づいて前記所定の搬送領域内のパレットに積載されているケース内の各容器の破損の有無を検査することにより、上述した課題を解決する。
【0014】
上述した液漏れ検査装置の液体検出手段にて液体が検出された場合、その液体が充填されていた容器が破損していると考えられる。本発明の液漏れ検査装置では容器からの液漏れを容易、かつ速やかに検出することができるので、本発明の容器検査装置によれば、パレットに積載されたケース内の容器の破損の有無を容易、かつ速やかに検出することができる。
【0015】
なお、本発明における容器の破損には、容器の一部が欠けるなど容器自体が破損していること、及び容器自体は破損していないが栓などによる容器の密封が不十分であることの両方が含まれる。
【0016】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
以上に説明したように、本発明の液漏れ検査装置によれば、搬送装置においてパレットが搬送される所定の搬送領域の下方に設けた誘導手段によって容器から漏れた液体を液体検出手段に導くことができるので、容器からの液漏れを容易、かつ速やかに検出することができる。また、誘導手段は所定の搬送領域の下方に設けられているので、パレットを搬送しつつ液漏れ検査を行うことができる。また、本発明の容器検査装置によれば、液漏れ検査装置によって容易、かつ速やかに液漏れを検出できるので、破損している容器の有無を容易、かつ速やかに検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図4は、本発明の一形態に係る液漏れ検査装置が組み込まれた搬送装置の一例を示している。なお、図1は搬送装置1の上面図を、図2は搬送装置1を図1の矢印IIの方向から見た図を、図3は図1のIII−III線における搬送装置1の断面図を、図4は図1のIV−IV線における搬送装置1の断面図をそれぞれ示している。図1の搬送装置1は、図5に示したように液体としてのビールが充填され、キャップCPにて密封された容器としてのビール壜BTを複数本(図4では20本)収容したケース101をパレット100上に複数積載(図2参照)して結束し、その後パレット100を所定の保管場所に搬送するための装置である。なお、ビール壜BT、ケース101、及びパレット100はそれぞれ一般に使用されている周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
搬送装置1は、架台2と、架台2上に設けられてパレット100を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段としての複数のコンベア3a〜3fと、パレット100上に所定個数のケース101を所定形状に積載する積載手段としてのパレタイザ4と、複数のケース101が積載されたパレット100を結束する結束機5とを備えている。なお、コンベア3aは図1の矢印A方向から搬入された空のパレット100をパレタイザ4に搬送するコンベアであり、コンベア3bはパレタイザ4にて複数のケース101が積載されたパレット100を図1の位置P1又は位置P2に搬送するコンベアである。コンベア3cは位置P1に搬送されたパレット100を矢印E方向に、コンベア3dは位置P2に搬送されたパレット100を矢印F方向にそれぞれ搬送するコンベアである。コンベア3e、3fは、搬送装置1からパレット100を搬出させるためのコンベアである。これらのコンベア3a〜3fはパレット100を搬送可能な周知のコンベアであればよく、例えばコンベア3a、3c、3dにはローラコンベアが、コンベア3bにはチェーンコンベアが、コンベア3e、3fにはアキュームコンベアがそれぞれ設けられる。パレタイザ4及び結束機5は、一般に使用されている周知の装置でよい。そのため、これらの装置の詳細な説明は省略する。
【0020】
搬送装置1には液漏れ検査装置10が設けられている。液漏れ検査装置10は、ビールを検出する液体検出手段としての液体検出センサ11と、図2〜図4に示したように架台2に設けられ、上方から落下してきたビールを液体検出センサ11に導く誘導手段としての液体受けパン12と、液体検出センサ11からの信号に基づいて各コンベア3a〜3f及びパレタイザ4の動作をそれぞれ制御する制御手段としての制御装置13とを備えている。なお、液体受けパン12には、液体受けパン12を容易に移動させることが可能なようにハンドル12aが設けられている。図6に示したように、搬送装置1においてパレット100が搬送される所定の搬送領域には複数の検査領域A〜Dが互いに重ならないように設定されており、液体検出センサ11及び液体受けパン12はこれら各検査領域A〜Dにそれぞれ設けられている。また液体検出センサ11は、図1に示したように所定の搬送領域におけるパレット100の搬送方向に沿って設けられている。図2〜図4に示したように液体受けパン12は、コンベア3b〜3dにて搬送されているパレット100上のビール壜BTからビールが漏れた場合にそのビールを確実に液体検出センサ11に導くことが可能なようにその面積が設定される。また、液体受けパン12は、受けたビールが重力によって液体検出センサ11に導かれるように所定の角度θ傾けて設けられる。なお、所定の角度θとしては、例えば約30°〜50°、好ましくは約35°〜45°が設定される。
【0021】
図7及び図8を参照して液体検出センサ11及び液体受けパン12について詳しく説明する。なお、以下では検査領域Aの液体検出センサ11及び液体受けパン12について説明するが、他の検査領域B〜Dも同様である。図7は、図2において丸で囲んだ部分αを拡大して示した図である。図7に示したように、液体受けパン12の下端12bには誘導したビールを液体溜め部22a内に落下させるための誘導部12cが設けられている。また、液体受けパン12の下端12bの下方には、架台2の支柱2aにボルト2bで固定され、パレット100が搬送される所定の搬送経路に沿って配置される樋状の支持部材21が設けられている。支持部材21内には、液体受けパン12によって導かれたビールが貯留される液体貯留部として液体溜め部22aが形成される電極受けレール22が設けられている。電極受けレール22は、フッ素系樹脂又はプラスチックなどの絶縁体で形成されている。液体検出センサ11は一対の電極棒23、23を備えており、これら電極棒23、23は液体溜め部22a内に接触しないように離して配置されている。すなわち、液体溜め部22a内にビールが無い場合は、これら電極棒23、23は絶縁した状態に維持される。なお、液体溜め部22a内には、電極棒23、23の接触を防止するべく下方から突出する突起部22bが設けられている。
【0022】
図8は、検査領域Aに設けられる各電極棒23の接続状態を示している。図6に示したように検査領域Aは3つのブロックA1、A2、A3に分割されており、電極棒23は各ブロックA1〜A3にそれぞれ一対ずつ配置されている。図8に示したように各ブロックA1〜A3の一方の電極棒23は各ブロック間に設けられるターミナル24を介して接続されている。このように各ブロックA1〜A3の電極棒23を接続することにより、これら3本の一方の電極棒23が一つの電極棒として機能する。また、各ブロックA1〜A3の他方の電極棒23もターミナル24を介して接続されており、これにより各ブロックA1〜A3の3本の他方の電極棒23が一つの電極棒として機能する。なお、図7に示したようにターミナル24も支持部材21に支持される。図8に示したように、接続された3本の一方の電極棒23の一端及び接続された3本の他方の電極棒23の一端は検知手段としての検知部25(図1参照)にそれぞれ接続されている。一方、各他端はこれら電極棒23間が短絡しないように開放されている。検知部25は、各ブロックA1〜A3のいずれかにおいて一対の電極棒23間にビールが入り込み、これら電極棒23、23が電気的に接続される、いわゆる短絡すると反応して制御装置13に信号を出力する。なお、検知部25と制御装置13とを接続する信号線は、コンベア3等に巻き込まれないように架台2に設けられるフレキシブルチューブ26(図4参照)内に配置される。
【0023】
次に搬送装置1におけるパレット100の搬送、及びパレット100上へのケース101の積載、結束について説明する。搬送装置1には図1の矢印A方向から何も積載されていない空のパレット100が搬入される。空のパレット100は、コンベア3aによって矢印B方向に搬送されてパレタイザ4に送られる。パレタイザ4には図1の矢印C方向からケース搬送コンベア3cにてケース101が搬入されており、パレタイザ4はこの搬入されたケース101をパレット100上に積載する。所定個数のケース101が積載されたパレット100はコンベア3bによって矢印D方向に搬送され、結束機5にて結束される。結束されたパレット100は、コンベア3bにより位置P1又は位置P2に搬送される。位置P1又は位置P2に搬送されたパレット100は、コンベア3c又はコンベア3dによって搬出位置まで矢印E方向又は矢印F方向に搬送される。その後、パレット100は、コンベア3e又はコンベア3fによって矢印G方向又は矢印H方向に搬出され、所定の保管場所にて出荷まで保管される。
【0024】
次に液漏れ検査装置10の動作について説明する。コンベア3b〜3dによって搬送されているパレット100上のケース101、又はパレタイザ4においてパレット100上に積載しているケース101にてビール壜BTが割れ、ビールが漏れると、そのビールはコンベア3の下方に設けられた液体受けパン12によって液体溜め部22aに導かれる。液体溜め部22a内に導かれたビールは一対の電極棒23、23を短絡させるので、検知部25から制御装置13に信号が出力される。制御装置13は検知部25からの信号を受信すると、各コンベア3a〜3f、パレタイザ4、及び結束機5の動作を停止させる。この際、制御装置13は、ユーザが安全に確認作業を行うことができるように各コンベア3a〜3f、パレタイザ4及び結束機5をそれぞれ所定の状態にしてから停止してもよい。
【0025】
このように本発明の液漏れ検査装置10によれば、パレット100を搬送しつつ液漏れを検査することができる。また、ビール壜BTからビールが漏れていた場合、そのビールを液体受けパン12によって液体検出センサ11に導くことができるので、ビール壜BTからの液漏れを容易、かつ速やかに検出することができる。さらに、液漏れを検出した場合は、搬送装置1の各機器の動作を停止させるので、搬送装置1上にあるパレット100を調べることにより、いずれのパレット100に積載されたケース101のビール壜BTからビールが漏れているのか容易、かつ速やかに検出することができる。また、このように液漏れをおこしているビール壜BTは破損していると考えられるので、液漏れを検出することによりビール壜BTの破損も容易、かつ速やかに検出することができる。このようにビール壜BTの破損を検出することにより、液漏れ検査装置10が本発明の容器検査装置としても機能する。
【0026】
液体検出センサ11は、一対の電極棒23、23にてビールを検出する簡単な構造のものであるため、メンテナンスを容易に行うことができる。また、一対の電極棒23、23を液体受けパン12の下端12bの下方に設けられた電極受けレール22の液体溜め部22a内に配置したので、重力を利用してビールを液体検出センサ11に導くことができる。さらに、一対の電極棒23、23を液体溜め部22a内に配置することにより、ビール壜BTからのビールの漏れが少量であってもビールを検出することができる。
【0027】
一対の電極棒23、23は、検査領域A〜D毎に別々に設けられるので、いずれの検査領域において短絡したかを調べることにより、いずれのパレットに積載されているケース内のビール壜BTからビールが漏れているのか容易、かつ速やかに検査することができる。また、電極棒23は、検査領域を分割したブロック毎に取り外しを行うことができるので、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0028】
図9は、本発明の液漏れ検査装置10の他の形態を示している。なお、図9において図2と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図9では、中心30aが下方に突出するように形成された液体受けパン30をコンベア3の下方に配置し、その中心30aの上方に電極棒31を配置する。この形態では、液体受けパン30を鉄又はアルミなどの導電体で形成し、上述した形態における一対の電極棒のうちの一方の電極として機能させる。そのため、検知器25には、電極棒31と液体受けパン30とがそれぞれ接続される。液体受けパン30と電極棒31との距離はその間にビール壜BTから漏れたビールが入り込むとそのビールによって短絡する距離に設定される。電極棒31は碍子などの絶縁体にて支持されており、これにより液体受けパン30と電極棒31とがその間にビールが無い場合は絶縁した状態に維持される。
【0029】
図9に示した他の形態の液漏れ検査装置10によれば、ビール壜BTからビールが漏れた場合、そのビールは液体受けパン30によってその中心30aに集められる。すなわち、液体受けパン30の中心30aが液体貯留部として機能する。中心30aに集められたビールは、液体受けパン30と電極棒31とを短絡させるため、検知器25から制御装置13に信号が出力される。その後は上述した形態と同様に処理が行われる。このように図9の他の形態の液漏れ検査装置10によっても上述した形態の液漏れ検査装置10と同様の作用効果を得ることができる。なお、液体受けパン30に下方に突出させる位置は中心に限定されず、液体受けパン30が配置される位置などに応じて適宜変更してよい。
【0030】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明の液漏れ検査装置において検査対象となる容器及び液体は、ビール壜及びビールに限定されない。本発明の液漏れ検査装置では、ガラス、プラスチック、樹脂、陶器、又は金属など種々の材質の容器を検査対象としてよい。また、ビールなどのアルコール飲料、ジュース、お茶などの飲料、その他導電性を有する種々の液体を検査対象としてよい。
【0031】
本発明の液漏れ検査装置に設けられる液体検出センサは、一対の電極棒によって液体を検出するセンサに限定されない。液体検出センサとしてアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサが設けられてもよい。その他、光電センサ、導電率センサなど液体を検出することが可能な種々のセンサを液体検出センサとして設けてよい。
【0032】
本発明の液漏れ検査装置が適用される搬送装置には、コンベア及びパレタイザの少なくともいずれか一方が設けられていればよい。これらのいずれか一方を備えた搬送装置であれば、液体が充填された複数の容器を収容した複数のケースが積載されたパレットを扱うことがあるためである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一形態に係る液漏れ検査装置が組み込まれた搬送装置の一例を示す図。
【図2】図1の矢印IIの方向から見た搬送装置を示す図。
【図3】図1のIII−III線における搬送装置の断面を示す図
【図4】図1のIV−IV線における搬送装置の断面を示す図。
【図5】搬送対象であるビール壜及びケースの一例を示す図。
【図6】搬送装置に設定されている複数の検査領域を示す図。
【図7】図2の丸で囲んだ部分を拡大して示す図。
【図8】検査領域Aに設けられる各電極棒の接続状態を示す図。
【図9】本発明の他の形態に係る液漏れ検査装置を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1 搬送装置
3a〜3f コンベア(搬送手段)
4 パレタイザ(積載手段)
10 液漏れ検査装置(容器検査装置)
11 液体検出センサ(液体検出手段)
12 液体受けパン(誘導手段)
13 制御装置(制御手段)
22a 液体溜め部(液体貯留部)
23 電極棒(電極部材)
25 検知部(検知手段)
100 パレット
101 ケース
A〜D 検査領域
BT ビール壜(容器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填された複数の容器が収容されたケースをパレットに積載する積載手段及び前記ケースが積載されたパレットを搬送する搬送手段のうちの少なくともいずれか一方を備えた搬送装置に適用され、容器からの液体の漏れの有無を検査する液漏れ検査装置において、
前記液体を検出する液体検出手段と、前記搬送装置においてパレットが搬送される所定の搬送領域の下方に設けられ、前記容器から漏れた液体を前記液体検出手段に導く誘導手段と、を備えることを特徴とする液漏れ検査装置。
【請求項2】
前記液体検出手段により液体が検出された場合、前記搬送装置におけるパレットの搬送が停止されるように前記搬送装置に設けられている機器の動作を制御する制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の液漏れ検査装置。
【請求項3】
前記液体は、導電性を有しており、
前記液体検出手段は、離して配置される一対の電極部材と、前記一対の電極部材が前記液体によって電気的に接続されると反応する検知手段と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液漏れ検査装置。
【請求項4】
前記誘導手段によって導かれた液体を貯留する液体貯留部をさらに備え、
前記液体検出手段は、前記液体貯留部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液漏れ検査装置。
【請求項5】
前記液体検出手段が前記誘導手段よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液漏れ検査装置。
【請求項6】
前記所定の搬送領域には複数の検査領域が互いに重ならないように設定されており、
前記液体検出手段及び前記誘導手段が各検査領域にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液漏れ検査装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の液漏れ検査装置を備え、
前記液漏れ検査装置の検査結果に基づいて前記所定の搬送領域内のパレットに積載されているケース内の各容器の破損の有無を検査することを特徴とする容器検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−155985(P2008−155985A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349922(P2006−349922)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)