説明

液状化粧料容器

【課題】キャップより垂下する塗布棒にアプリケータ容器本体に液状化粧料を払拭するワイパーを有するコンパクトな液状化粧料容器であって、液状化粧料の攪拌等による吹出し、漏出をなくすると共に、ブラシの先端まで均一に液状化粧料粧用容器を提供する。
【解決手段】ワイパー5が、容器本体1より挿脱する塗布棒7を摺接し挿通する挿通穴51と、表裏を貫通する複数のスリット53とを有し、アプリケータ9、塗布棒7の挿入でスリット53を開口し容器本体1内の圧力上昇を抑える。逆に脱抜でスリット53を閉塞し空気の流入を防止する。またアプリケータ基部91に塗布棒7の軸長方向に凹溝93を設け、アプリケータ9がワイパー5の挿通穴51を挿通する際にブラシ95および液状化粧料100が侵入可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスカラ、アイライナー、リップグロス等の液状化粧料容器に関する。詳しくはキャップの天井部分より垂下する塗布棒の先端に設けられるアプリケータおよび該塗布棒、アプリケータに付着する過剰な液状化粧料を払拭するワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスカラ、アイライナー、リップグロス等の液状化粧料は、容器本体内に収容する液状化粧料を塗布棒の先端に設けたアプリケータに付着させ、適量の液状化粧料を睫毛、瞼、唇等に塗布される。容器本体内から取り出される液状化粧料は、過剰分を容器本体の頚部に設けられ、アプリケータの外周より僅か小径な挿通穴を形成するワイパーでしごき、容器本体内に戻されていた。
【0003】
液状化粧料容器はハンドバック等に入れて持ち運ばれたり、化粧台等の引き出し等に保管されたりする非使用時間が主流を占め、容器の姿勢が適正に整理されていることは殆どない。そのためワイパーには器本体内から液状化粧料の不用意な漏出を防止できるパッキン機能が要求される。他方ワイパーには容器本体内に塗布棒を挿脱する際の内圧上昇に伴う化粧料の噴出や、塗布棒のポンピング現象を回避する機能が要求されていた。
【0004】
またアプリケータには容器本体内の液状化粧料をブラシ毛に充分に付着でき、取り出し量を容易に調整できることが要求されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−179313号公報(第1ページ、図2、図3)
【特許文献2】特開2004−187878号公報(第7ページ、図1、図2)
【特許文献3】特開2008−23013号公報(第6ページ、図1、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2は容器本体の姿勢に拠らず液状化粧料の不用意な漏出を防止すると共に、容器本体内に塗布棒を挿脱する際の内圧上昇に伴う化粧料の噴出や、容器本体内に塗布棒を挿脱する際の内圧上昇に伴う化粧料の噴出や、塗布棒のポンピング現象の回避手段を例示している。
【0007】
即ち特許文献1ではワイパーが容器本体の口頚部の内周に設けられ、先端側を塗布棒に摺接すると共に側壁に内圧上昇を抑止する空気抜け孔を穿設した払拭部および払拭部の上方外側壁から垂下するスカート部から構成される。塗布棒は上方に拡径段部が設けられ、塗布棒の挿入完了時に払拭部を拡開して空気抜け孔を閉塞し液状化粧料の不用意な漏出を防止する。
【0008】
また特許文献2ではワイパーが容器本体の口頚部の内周に突設され、先端を塗布棒に摺接すると共に外周に液状化粧料を容器本体内に戻す液通過孔を有する掻取つば部で構成される。液通過孔は塗布軸の抜き差しに伴うワイパー上への液状化粧料の液溜り問題を解消すると共に容器本体内の内圧上昇を抑止する空気抜け孔の機能も有する。また塗布棒の上部外側に弾性有する押出つば部を突設した押出部材が設けられ、塗布棒の挿入完了時に液通過孔を閉塞し液状化粧料の不用意な漏出を防止する。
【0009】
特許文献1の空気抜け孔、特許文献2の液通過孔は、非使用時での内圧上昇、液状化粧料の漏出を防止可能にする。しかし、塗布棒を容器本体内に挿脱し液状化粧料を攪拌する場合、泡立ちに関わる空気が空気抜け孔、液通過孔を通じ外気からいくらでも供給されるため、液状化粧料は泡立ちにより膨張し続ける。したがって液状化粧料の噴出し問題は解消されていない。
【0010】
さらに、キャップが僅かでも開蓋している場合、液状化粧料の漏出は防止できなかった。例えば容器本体内で塗布棒外周に付着して引き上げられる液状化粧料は泡立って膨張し空気抜け孔、液通過孔を介し漏出する。漏出した液状化粧料は容器本体の口頚部の内周に設けられたワイパー上に溜り、ワイパーでしごかれたばかりの塗布棒表面に新たに液状化粧料を付着させ、化粧時に周辺や手指等を汚すといった問題点があった。
【0011】
特許文献3はブラシ毛を帯状に配設したアプリケータであって、液状化粧料をブラシ毛に充分に付着すると共に睫毛、瞼、唇等への塗布で使い勝手の良いアプリケータを例示している。
【0012】
特許文献3は塗布棒に設けられた凹溝の底面に沿って帯状の塗布部を配設したアプリケータであって、アプリケータをワイパーでしごく際にブラシ毛95は凹溝93の底部92から毛先にわたり大きく曲げて曲折して凹溝内に収納される。
凹溝内には同時に液状化粧料も溜まることからワイパーでしごかれた後でもブラシ毛の先端から根本まで液状化粧料を均一に付着させることができると同時に塗布部以外の塗布棒の外周を完全に払拭することを可能にする。
【0013】
しかし、特許文献3のアプリケータを従来のワイパーを用いた液状化粧料容器に適用した場合であっても液状化粧料の漏出は防止できないといった問題点がある。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものでその目的とするところは、容器本体内で泡立ったマスカラ等の液状化粧料の容器本体からの漏出、噴出をなくし、使い勝手のよい液状化粧料容器を提供しようとするものである。
【0015】
また、アプリケータを軸長方向に直線状に伸びた帯状に配列して睫毛の毛元まで失敗なく塗布できる化粧料塗布具を提供しようとするものである。さらにアプリケータに付着する液状化粧料がブラシ毛先端まで偏在なく付着する化粧料塗布具を有する液状化粧料容器を提供しようとするものである。またこのような液状化粧料容器を安価に提供できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明液状化粧料容器は、上記目的を達成するためワイパーが、容器本体の頚部入口に向かい拡径する漏斗状部を形成し、塗布棒の外周全周を摺接すると共に塗布棒が挿通できる挿通穴と、ワイパーの伸長方向に交差するよう表裏を貫通する複数のスリットとを有するものである。
【0017】
また塗布棒が、キャップの閉蓋位置で前記漏斗状部に密接する大径部を有するものである。
【0018】
さらにアプリケータが、塗布棒の先端に設けられるアプリケータ基部と、アプリケータ基部の正面に塗布棒に平行して設けられる凹溝と、凹溝の底部より略垂設されるブラシ毛とを有するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明化粧料塗布具にあっては以下に記載する効果を奏する。
すなわち、ワイパーの表裏を貫通するスリットは、塗布棒の容器本体内方への挿入で開口し、塗布棒の容器本体外方への脱抜で閉塞する。スリットの開口は、容器本体内の圧力を外気と同等にし、圧力上昇を防止する。また、スリットの閉塞は容器本体の内外で空気、液状化粧料の移動を遮断する。
【0020】
該スリットの開閉は容器本体内の液状化粧料が塗布棒、アプリケータ等により攪拌され泡立った場合でも容器本体内の液状化粧料と空気量の総量を増加させない。そのため容器本体内で泡立った液状化粧料が容器本体の容積より増大することはなく液状化粧料見かけ上、容器本体以上の体積増大がなくなりの噴出や漏出の原因は解消される効果がある。
【0021】
さらに、スリットの閉塞は塗布棒外周に付着して引き上げられる液状化粧料の流出口をなくする。したがって液状化粧料の漏出を防止しワイパー内面側の液溜りを抑える効果がある。
【0022】
また塗布棒に形成される大径部はキャップの閉蓋位置で漏斗状部に密接することでスリットの開孔を閉塞する。塗布棒の大径部によるスリットの閉塞はワイパー内面に付着する液状化粧料を容器本体内に戻す。さらにはキャップを閉蓋した液状化粧品容器の姿勢等に起因する液状化粧料の漏出を防止できる。そのため常時清浄な塗布棒に取り付けられたアプリケータで安心して化粧に専念できる効果がある。
【0023】
また、ブラシ毛がワイパーの摺接圧力により凹溝内に押し込まれることで塗布棒外周はブラシ毛の突出形状に関係なく塗布棒に付着する液状化粧料を完全に払拭できる。同時に凹溝内にはブラシ毛と共に液状化粧料が均一に分布される。そのためアプリケータが形状復帰する際、ブラシ毛は液状化粧料を先端まで均一に付着し塗布ムラをなくすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明化粧料塗布具を用いたマスカラ容器の組立て説明図である。
【図2】本発明にかかるワイパーの説明図である。
【図3】本発明にかかる塗布棒の挿脱説明図である。
【図4】本発明にかかるアプリケータの一実施例説明図である。
【図5】容器本体におけるアプリケータの抜き取り説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ワイパーは漏斗状部を有し、漏斗状部には表裏を貫通する複数のスリットが形成される。スリットはアプリケータあるいは塗布棒を液状化粧料が収納される容器本体に挿入する際に漏斗状部が伸長され開口する。またアプリケータあるいは塗布棒を容器本体より抜脱する際に漏斗状部が圧縮縮小され閉塞される。したがってワイパーには引き裂き強度と伸縮性が要求される。ワイパー用材料としては例えばNBRゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の採用が好適である。
【0026】
アプリケータは塗布棒の先端に設けられ容器本体内の液状化粧料を付着させて塗布する塗布具で、アプリケータ基部の正面に塗布棒の中心軸Lに平行するよう凹溝を形成する。凹溝の底部には軟弾性を有するブラシ毛が垂設される。凹溝は容器本体内の液状化粧料を付着させワイパーでしごかれる際に、ブラシ毛と液状化粧料を均一に収納する。したがって凹溝は曲折されたブラシ毛が収納され、さらに塗布に必要な液状化粧料が収納されるスペースを有する。アプリケータはアプリケータ基部、ブラシ毛を一体成形、さらには塗布棒と一体成形することも良い。この場合アプリケータ用材料には少なくともブラシ毛がワイパーにしごかれ曲折し凹溝内に収納程度のゴム弾性を要求される。
【実施例1】
【0027】
以下本発明液状化粧料容器を図に基づいて説明する。図1は本発明化粧料塗布具を用いたマスカラ容器の組立て説明図で、液状化粧料容器の一例であるマスカラ容器の縦断面図を表す。
【0028】
図において液状化粧料容器は液状化粧料100を収容する筒状の容器本体1と容器本体1に螺合閉蓋するキャップ3より構成される。キャップ3の内面天井部からは断面略円形で下端にアプリケータ9を設ける塗布棒7が垂下される。液状化粧料100は容器本体1内よりアプリケータ9に付着して抜き取られ、キャップ3を指先で操作して塗布される。そのため塗布棒7は手指で操作して塗布しやすい長さに設定されている。塗布棒7の中間位置には拡径された大径部71が設けられている。
【0029】
容器本体1の上部開口端には雄螺子部13を有する頚筒11が嵌着されている。頚筒11の下部と容器本体1との間にはワイパー5が止着されている。ワイパー5は上方に向かって広がると共に表裏を貫通するスリット53を設けた漏斗状部55と挿通穴51を有し、挿通穴51を挿通する塗布棒7、アプリケータ基部91の外周を摺接し液状化粧料100を払拭する。
【0030】
また、塗布棒7の中間位置に設けられる大径部71は容器本体1を閉蓋する位置でワイパー5を形成する漏斗状部55のスリット53の開口を閉塞する。
【0031】
ワイパー5には液状化粧料100の残るアプリケータ9や塗布棒7が挿脱されることから、容器本体1内から液状化粧料100の漏出、噴出しがなくともワイパー5内面は汚され漏斗状部55の内面に液溜りを形成することがある。大径部71はワイパー5を形成する漏斗状部55のスリット53開口を通じワイパー5の内面に付着する液状化粧料100を強制的に容器本体1内に戻す。
【0032】
また容器本体1をキャップ3で閉蓋した場合、スリット53は完全には閉塞されない場合がある。しかし、大径部71は開孔しているスリット53を完全に閉塞でき容器本体1の姿勢による液状化粧料100のワイパー5上への漏出を防止する。
【0033】
図2は本発明にかかるワイパーの説明図である。図2(A)は塗布棒7を矢印A方向に挿入している。ワイパー5を構成する漏斗状部55の下方には塗布棒7より小径の挿通穴51を開口している。塗布棒7を塗布棒挿入方向である矢印A方向に挿入しているワイパー5は漏斗状部55を矢印A方向に伸長し、スリット53を開口し、容器本体1内の空気を矢印Cに沿い排出可能にする。
【0034】
また図2(B)は塗布棒7を塗布棒脱抜方向である矢印B方向に脱抜している状態を示す。塗布棒7を矢印B方向に脱抜されているワイパー5は漏斗状部55を矢印B方向に圧縮縮小してスリット53を強く閉塞し容器本体1内外の空気移動を遮断する。
【0035】
図3は本発明にかかる塗布棒の挿脱説明図である。
図3(A)に示す塗布棒7の矢印A方向の挿入は、ワイパー5の漏斗状部55を図2(A)のように伸長し、スリット53を開口する。容器本体1内の空気は塗布棒7の挿入により押し出され、開口されたスリット53を介し矢印Dに従って排出される。したがって容器本体1内の圧力上昇は防止される。
【0036】
次に図3(B)に示す塗布棒7の矢印B方向の脱抜は、ワイパー5の漏斗状部55を図2(B)のように圧縮し、スリット53を圧縮し強く閉塞する。容器本体1内は塗布棒7の脱抜により容積を増大し、閉塞したスリット53により外気の補給を絶ち減圧する。すなわち、塗布棒7を挿入した時の容器本体1内の空気と液状化粧料の和は、塗布棒7の攪拌等による挿脱に関わらず一定に維持される。
【0037】
すなわち、攪拌により液状化粧料100内に取り込まれる空気量は塗布棒7を挿入した時の容器本体1内の空気量と同一となる。したがって図3(B)に示されるように泡立てられた液状化粧料100の見かけ上の体積は容器本体1の容積以下となり液状化粧料100をいくら攪拌しても噴出や漏出の生じることはなくなる。
【0038】
また、塗布棒7の表面に付着した液状化粧料100は塗布棒7の脱抜で強制的にワイパー5に向け引き上げられる。しかし、液状化粧料100は図3(C)のように閉塞したスリット53によりワイパー5の内面への漏出は妨げられる。
【実施例2】
【0039】
次に本発明にかかる上記ワイパー5を用いるに最適なアプリケータ9に付着する液状化粧料のしごき取りについて説明を加える。
【0040】
図4は本発明にかかるアプリケータの一実施例説明図である。図4は図1、図3にて示されるようにキャップ3の内面天井部から垂下される塗布棒7の先端に嵌合固定されるアプリケータ9で、図4(A)は側断面図、図4(B)はコーム部97の側から見た底面図を示す。図4に示すアプリケータ9はアプリケータ基部91、凹溝93、ブラシ毛95、コーム97、塗布棒取付部99を一体成形している。ブラシ毛95はワイパー5によりしごかれ凹溝93に向けて曲折される程度に軟質である必要がある。アプリケータ基部91は反対に適度な剛性を要求される。こうした相反する硬度要求を満たすために凹溝93を形成するリブは有効である。
【0041】
図5は塗布棒と一体の場合の容器本体におけるアプリケータの抜き取り説明図である。図3(b)のように塗布棒7を矢印b方向に脱抜する状態を部分表示する。凹溝93の底部92に垂設されたブラシ毛95はワイパー5の漏斗状部55に摺接され曲折して図5(a)のように凹溝93の隙間に侵入する。
【0042】
図5(B)は図5(A)のEE断面を示す。ワイパー5の漏斗状部55に摺接され曲折して凹溝93の隙間に侵入したブラシ毛95と共に液状化粧料100も図5(B)に示すように凹溝93に均等に侵入する。このように凹溝93に侵入した液状化粧料100はワイパー5で強くしごいてもしごき落すことはできない。
【0043】
しかし、ワイパー5の貫通穴51を抜けたブラシ毛95は曲折を解除され図5(B)のように漏斗状55部、頚部11の内面に軽く接しつつ形状を復帰する。
【0044】
アプリケータ9がワイパー5に対し矢印B方向に抜き取られ払拭される場合、ブラシ毛95は凹溝93の底部92から毛先にわたり大きく曲げられる。そのためブラシ毛95は小さな力で凹溝93内に侵入できる。ブラシ毛95を凹溝93内に収納するアプリケータ基部91は表面に付着する液状化粧料100をワイパー5によりしごき取られる。しかし、塗布棒7の凹溝71内には液状化粧料100が残留する。そこで形状を復帰した隣接するブラシ毛95同士の隙間には、図5(B)に例示したようにブラシ毛95間に侵入した液状化粧料100がブラシ毛95の先端部を含め付着保持され、睫毛等への塗布で有効に塗布することを可能にする。
【0045】
他方、ワイパー5の挿通穴51は塗布棒7、アプリケータ9の外周を軽く締めるように摺接し液状化粧料100を払拭し過剰な液状化粧料100を容器本体1内に残す。この時、挿通穴5は矢印b方向に僅か押し上げられ漏斗状部55を軸長方向に圧縮しスリット53を強めに閉口し、容器本体1内への空気の流入および液状化粧料100の漏出を防止する。容器本体1内への空気の流入防止は液状化粧料100が塗布棒7、アプリケータ9により攪拌されて泡立てられたとしても実質上液状化粧料1の体積、空気の容積を概略一定に保つ。そのためいくら攪拌しても容器本体1内で泡立った液状化粧料100は容器本体1の容積をこえることはなくワイパー5上に噴出したり漏れ出したりする不具合はなくなる。
【0046】
したがって、凹溝93にブラシ毛95を収容できるようにしたアプリケータ9とスリット53により容器本体1内の圧力上昇を防止したワイパー5の組み合わせは液状化粧料100をブラシ毛95の先端まで付着した状態で採り出せる。また、液状化粧料100を攪拌しても噴出、漏れ等が生じず使い易い液状化粧料容器を実現できるものである。
【0047】
以上、本発明にかかるアプリケータを図に示すとおり一体成形したアプリケータで説明してきたが、本発明にかかるアプリケータ9は凹溝93の底部92の側よりブラシ毛95が略垂設されていれば良いものである。即ち、ブラシ毛95をアプリケータ基部91にインサート成形することはもちろん、ブラシ毛95のみを別体に成形し凹溝93の底部92に融着あるいは接着、嵌着などで固定することも含まれる。また、繊維状のブラシ毛材を二本の針金の間で捩った円筒状ブラシ毛を半円弧状に整形して凹溝93の底部92に位置決めしたものも含まれる。また塗布棒7とアプリケータ基部91、ブラシ毛95、コーム部97を一体に成形することも良いものである。
【0048】
以上説明のとおり、アプリケータ基部91に形成された凹溝93の底部にブラシ毛95を垂設するアプリケータ9と漏斗状部55に表裏を貫通するスリット53を設けたワイパー5を組み合わせることにより発明の効果の欄に記載する効果を奏する。
【符号の説明】
【0049】
1・・・・容器本体
3・・・・キャップ
5・・・・ワイパー
7・・・・塗布棒
9・・・・アプリケータ
11・・・頚筒
13・・・雄螺子部
51・・・挿通穴
53・・・スリット
55・・・漏斗状部
71・・・大径部
91・・・アプリケータ基部
92・・・底部
93・・・凹溝
95・・・ブラシ毛
97・・・コーム部
99・・・塗布棒取付部
100・・液状化粧衣料
110・・気泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状化粧料を収容する容器本体と、該容器本体を密閉するキャップと、該キャップの天井部分より垂下し先端にアプリケータを設けた塗布棒と、ゴム弾性を有しアプリケータに付着した化粧料をしごくワイパーを有する液状化粧料容器において、
ワイパーが、
容器本体内より塗布棒を挿脱する時に、塗布棒の外周全周を摺接しながら挿通する挿通穴と、
ワイパーの伸長方向に交差するよう表裏を貫通する複数のスリットと、
を有しアプリケータあるいは塗布棒の容器本体内への挿入でスリットが開口し、脱抜でスリットが閉塞復帰することを特徴とする液状化粧料容器。
【請求項2】
前記塗布棒が、
キャップの閉蓋位置でスリットの開口を閉塞する大径部を有し、
該大径部が、
ワイパーの内面に付着する液状化粧料を容器本体内に戻すと共にスリットの開孔を塞ぐことを特徴とする請求項1記載の液状化粧料容器。
【請求項3】
前記アプリケータが、
前記塗布棒の先端に設けられるアプリケータ基部と、
該アプリケータ基部に塗布棒の軸長方向に平行して設けられる凹溝と、
該凹溝の底部より略垂設されるブラシと、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の液状化粧料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−161043(P2011−161043A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27862(P2010−27862)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000140915)株式会社カツシカ (38)
【Fターム(参考)】