説明

清掃具

【課題】不使用時には柄をホルダー内に納めて全体の形状をコンパクトに出来、使用時には柄をホルダーに対して起立状態に展開すると共にその位置を確実に維持して、清掃作業が行ない易い清掃具を提供する。
【解決手段】柄と、この柄の先端に取り付けられるホルダーと、このホルダーに組みつけられる清掃部材とが備えられ、前記柄は、前記ホルダーに対してホルダー内の格納室に格納される格納位置と、前記格納室から引き出される引き出し位置と、前記ホルダー部材に対して起立する起立位置に位置変更可能であって、前記ホルダー部材と前記柄との間には、起立位置に位置変更された柄をホルダー部材に対して起立状態に維持させるための起立維持手段が設けられ、また柄は伸縮可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車のボディやウインドガラスなどを清掃するのに用いる清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の清掃具は、棒状の柄の先端に横長プレート状のホルダーを略T字状に固定して、このホルダーの一端部にブラシ材やスクレーパなどの清掃部材を組みつけて構成されている。
そして以上の清掃具では、柄を手で持って、清掃部材の先端部を自動車のボディやウインドガラスなどに接触させた状態で、柄を介して清掃具を動かすことで、ボディやウインドガラスの表面を適宜清掃するようにしている。(特許文献1参照)
ところで以上の清掃具では、柄の先端にホルダーが固定されていることから、例えば清掃具を使用し易くするために例えば柄を長くすると、保管時に場所をとる不具合があるし、以上の不具合を解消すべく、柄を短くすると、使い勝手が悪くなる不具合がある。
【特許文献1】実用新案登録第3090038号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上の実情に鑑みて開発したものであって、目的とするところは、不使用時には柄をホルダー内に納めて全体の形状をコンパクトに出来ながら、使用時には柄をホルダーに対して起立状態に展開すると共にその位置を確実に維持して、清掃作業を行ない易くした清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、柄と、この柄の先端に取り付けられるホルダーと、このホルダーに組みつけられる清掃部材とが備えられ、前記柄は、前記ホルダーに対してホルダー内の格納室に格納される格納位置と、前記格納室から引き出される引き出し位置と、前記ホルダーに対して起立する起立位置に位置変更可能であって、前記ホルダーと前記柄との間には、起立位置に位置変更された柄をホルダーに対して起立状態に維持させるための起立維持手段が設けられていることを特徴とするものである。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の柄が伸縮可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、柄をホルダーから引き出した後、ホルダーに対して起立させるだけで、起立維持手段により、柄がホルダーに対して起立した状態で維持されるので、清掃作業が行ないやすくなるし、一方、不使用時には、柄をホルダーに対して折り畳んだ後、ホルダーの格納室に格納することで、全体がコンパクトとなって、保管のためのスペースも小さくてすむ。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、使用時には柄を伸ばすことで、より一層清掃作業が行ない易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明にかかる清掃具の一実施形態を説明する。
【0008】
図において符号1で示す清掃具は、主として自動車のボディやウインドガラスを清掃するためのものである。
この清掃具1は、基本的には、柄2と、この柄2の長さ方向一端に組みつけられる平面視横長とした長方形のホルダー3と、このホルダー3に組み付けられる清掃部材4とから構成され、柄2及びホルダー3は、合成樹脂材料から形成されている。
柄2は、ロッド状の固定側柄部材21と、この固定側柄部材21に対して長さ方向にスライドのみ可能に装着された筒状の可動側柄部材22とから構成されている。
固定側柄部材21の長さ方向一端部(下端部)には、球状部23が一体形成されており、この球状部23の両側には、柄2の長さ方向に対して直交する方向に突出する一対の突起24が一体に突設されて、この突起24の先端には、正面視正方形のフランジ24aが一体形成され、また球状部23の先端には、柄2の長さ方向に突出する突部25が一体に突設されている。
また固定側柄部材21の長さ方向他端部(上端部)には、径方向内方に弾性的に変形可能な係止片26が設けられ、また可動側柄部材22の長さ方向一端部(下端部)には、前述の係止片26が係合可能な係合孔27が設けられ、可動側柄部材22を固定側柄部材21に対して引き出した際に係止片26が係合孔27に係合して、引き出し位置に保持されるように成すと共に、係止片26を指で押して、内方に弾性的に変形させることで、係合孔27に対する係止片26の係合を解除して、固定側柄部材21に対する可動側柄部材22のスライドを可能とするようにしている。
ホルダー3は、平面視横長の長方形に形成された上部ハウジング部材31と、平面視横長の長方形に形成され且つ前述の上部ハウジング部材31の下面にボルトを介して固定される下部ハウジング部材32とから構成されている。
これら上部ハウジング部材31及び下部ハウジング部材32の内面側には、所定間隔あけてこれらハウジング部材31・32の長さ方向に平行に延びる一対の仕切壁31a・32aが設けられて、これら仕切り壁31a・32a間が柄2の格納室33となっており、また格納室33に格納される柄2の突起24は、所定間隔あけて相対向する上下の仕切壁31a・32a間にスライド可能に介装されるようにしている。
一対の仕切壁31a・32aの長さ方向中央には、窪み31b・32bが設けられて、この窪み31b・32bに柄2の突起24が位置する時点でこの窪み31b・32bにおいて柄2が突起24を支点にしてホルダー3に対し揺動可能としている。
また上部ハウジング部材31には、その長さ方向一端から長さ方向中間部まで切り欠かれて柄2が通過可能となる切り欠き窓34が設けられている。
【0009】
下部ハウジング部材32の長さ方向中央には平面視略U字状のスリット35で囲まれた弾性変形可能な規律維持片36が設けられているのであって、この起立維持片36と柄2の突部25とで特許請求範囲の起立維持手段5を構成している。
具体的には、柄2の突起24がホルダー3の窪み31b・32bに位置する時点で柄2を突起24を支点にして起立方向に揺動させるに伴い、起立維持片36を柄2の突部25で弾性変形させると共に、 起立位置近くで、弾性変形した起立維持片36の弾発力が、柄2を切り欠き窓34の端縁に押し付ける方向に作用させて、柄2をホルダー3に対して起立状態に維持させるようにしている。
一方、清掃部材4は、ホルダー3の幅方向一端部に組み付けられる合成ゴム製の水切りブレード41と、幅方向他端部に組み付けられるスポンジブラシ42とから構成され、これら水切りブレード41及びスポンジブラシ42は、上部ハウジング部材31の端部と下部ハウジング部材32の端部とで挟持されている。
【0010】
尚、図に示す水切りブレード41の先端は略T字状となっている。
【0011】
以上の構成から成る清掃具1は、不使用時(保管時)には、短くした柄2をホルダー3に対して倒した上で、図1に示すように、ホルダー3の格納室33内に格納しておくのであって、これにより、清掃具1がコンパクトになって、保管場所をとることがないのである。
【0012】
一方、清掃具1を使用するに際しては、まず、図1に示すように格納室33に格納されている柄2を、図2に示すように格納室33から引き出すと共に、図3に示すように柄2の可動側柄部材22を固定側柄部材21から引き出して、柄2を伸ばすのであって、これにより、柄2の固定側柄部材21に設けられた突起24が、ホルダー3における仕切り壁31a・32aの窪み31b・32bに位置する。
また柄2の可動側柄部材22が固定側柄部材21から引き出されることで、係止片26が係合孔27に係合して、可動側柄部材22が引き出し位置に保持される。
そしてこの状態から柄2をホルダー3に対して起立方向に揺動させると、起立維持片36が柄2の突部25で外方に弾性変形し、そして、柄2がホルダー3に対して起立する時点で、弾性変形した起立維持片36の弾発力が、柄2を切り欠き窓34の端縁に押し付ける方向に作用させて、図4に示すように柄2がホルダー3に対して起立状態に維持されるのである。
【0013】
斯くして、使用時には長く伸ばした柄2がホルダー3に対して起立位置に確実に維持されるので、清掃作業が行ない易くなる。
尚、長く伸ばした柄2を短く縮めたい場合には、係止片26を指で押して内方に弾性的に変形させて、係合孔27に対する係止片26の係合を解除すれば、可動側柄部材22が固定側柄部材21に対してスライドが可能となり、したがって簡単に柄2を短くすることが出来る。
以上の実施形態では、清掃具1を自動車のウインドガラスやボディの清掃に用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば家屋の窓ガラスなどの清掃に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる清掃具の一実施形態を示し、柄をホルダー内に格納した状態の概略斜視図。
【図2】同、柄をホルダー内から引き出した状態を示す概略斜視図。
【図3】同、柄を引き伸ばした状態を示す概略斜視図。
【図4】同、柄をホルダーに対して起立させた状態を示す概略斜視図。
【図5】柄の正面図。
【図6】ホルダーを構成する下部ハウジング部材の平面図。
【図7】ホルダーを構成する上部ハウジング部材の底面図。
【図8】柄をホルダーに対して起立させた状態での清掃具の一部切り欠き側面図。
【図9】柄をホルダー内に格納した状態での清掃具の断面図。
【符号の説明】
【0015】
1 清掃具
2 柄
21 固定側柄部材
22 可動側柄部材
25 突部
3 ホルダー
31 上部ハウジング部材
32 下部ハウジング部材
33 格納室
36 起立維持片
4 清掃部材
41 水切りブレード
42 スポンジブラシ
5 起立維持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄と、この柄の先端に取り付けられるホルダーと、このホルダーに組みつけられる清掃部材とが備えられ、前記柄は、前記ホルダーに対してホルダー内の格納室に格納される格納位置と、前記格納室から引き出される引き出し位置と、前記ホルダー部材に対して起立する起立位置に位置変更可能であって、前記ホルダー部材と前記柄との間には、起立位置に位置変更された柄をホルダー部材に対して起立状態に維持させるための起立維持手段が設けられていることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
柄が伸縮可能であることを特徴とする請求項1に記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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