説明

清掃具

【課題】本発明は、家具等の表面に軽く付着している程度の埃のみならず、隅部等の除去しにくい部分に溜まった埃や、表面にこびり付いた汚れの除去も容易な清掃具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の清掃用具は、シート状基材3の一方の面に拭き取り繊維束4が一体に設けられ、他方の面には袋状の柄取付部5が一体に設けられた清掃具本体1と、清掃具本体1の柄取付部5に挿入され、掃き出し刷毛状部11と該刷毛状部11に気体又は液体を供給する供給孔12とを設けた挿入杆6と、把持部7とを有する柄2と、挿入杆6の供給孔12への気体又は液体供給手段とからなり、清掃具本体1には柄2の挿入杆6に設けられた掃き出し刷毛状部11をシート状基材3の繊維束4側に表出させるための貫通孔20が、袋状の柄取付部5内からシート基材3を貫通して設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等についた埃を取り除くための清掃用具としては、従来からハタキが用いられてきた。ハタキは、柄の先端に複数の索状帯が取り付けられた構造を有し、前記索状帯で埃がついた対象物の表面をはたくことにより、表面の埃を飛ばして払い去るというものである。従って、従来のハタキには埃を拭き取るという機能がなかったため、埃を大気中に撒き散らすことなく取り去ることはできなかった。
【0003】
このようなハタキの問題点を改良するために、繊維束や不織布等のシートからなる清掃具が用いられるようになっており、この種の清掃具として基材シートの一方の面に繊維束や短冊状に切断したシート、フィルム等からなる刷毛部を有し、他方の面に把を取り付ける柄保持部を設けたハンディータイプの清掃具が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2等)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−265389号公報
【特許文献2】特開2004−298650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のハンディータイプの清掃具は、繊維束や短冊状のシート、フィルムからなる刷毛部にゴミや埃を吸着させて除去するだけのものであるため、家具等の平坦な表面に軽く付着している程度のゴミや埃であれば、比較的容易に除去することができる。しかしながら、従来の清掃具は家具表面の凹凸部の隅部等に付着したゴミ、埃や、表面にこびり付いた汚れ等を除去することは困難であった。本発明は刷毛部にゴミや埃を吸着させて除去するだけの、従来のハンディータイプの清掃具の上記欠点を解決するためになされたもので、家具の隅部等の除去し難い部分に溜まった埃や、家具等の表面にこびり付いた汚れも容易に除去することができる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち本発明は、
(1)シート状基材の一方の面に拭き取り繊維束が一体に設けられ、他方の面には袋状の柄取付部が一体に設けられた清掃具本体と、気体又は液体を供給する供給孔を有し清掃具本体の柄取付部に挿入される挿入杆と、把持部とを有する柄と、挿入杆の供給孔への気体又は液体供給手段とからなり、清掃具本体には柄の挿入杆に設けられた供給孔から気体又は液体をシート状基材の繊維束側に表出させるための貫通孔が、袋状の柄取付部内からシート基材を貫通して設けられていることを特徴とする清掃具、
(2)シート状基材の一方の面に拭き取り繊維束が一体に設けられ、他方の面には袋状の柄取付部が一体に設けられた清掃具本体と、清掃具本体の柄取付部に挿入され、掃き出し刷毛状部と該刷毛状部に気体又は液体を供給する供給孔とを設けた挿入杆と、把持部とを有する柄と、挿入杆の供給孔への気体又は液体供給手段とからなり、清掃具本体には柄の挿入杆に設けられた掃き出し刷毛状部をシート状基材の繊維束側に表出させるための貫通孔が、袋状の柄取付部内からシート基材を貫通して設けられていることを特徴とする清掃具、
(3)掃き出し刷毛状部が繊維集合体よりなる上記(2)の清掃具、
(4)掃き出し刷毛状部を構成する繊維集合体が、清掃具本体に設けられた繊維束の繊維よりも繊度の大きい繊維よりなる上記(3)の清掃具、
(5)掃き出し刷毛状部が不織布よりなる上記(2)の清掃具、
(6)シート状基材と繊維束との接合部に、周囲を接合部に囲繞されて貫通孔が設けられている上記(1)又は(2)の清掃具、
(7)柄取付部が少なくとも一方が開口した筒状体よりなり、筒状体周面の下半面はシート状基材と接合一体化されている上記(1)又は(2)の清掃具、
(8)掃き出し刷毛状部が、挿入杆に着脱自在に取り付けられている上記(2)の清掃具、
(9)シート状基材の拭き取り繊維束が設けられた側と反対側に設けられた柄取付部の上面側に、更に清掃手段が設けられている上記(1)又は(2)の清掃具、
(10)柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段が、不織布よりなる上記(1)又は(2)の清掃具、
(11)柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段が、繊維束よりなる上記(1)又は(2)の清掃具、
(12)柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段としての繊維束が、気体又は液体供給面側に設けられた拭き取り繊維束とは異なる繊維束よりなる上記(11)の清掃具、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の清掃具は、清掃面に気体又は液体を供給する手段を有するか、清掃具本体の繊維束が設けられた面に表出した掃き出し刷毛状部を有すると共に、該掃き出し刷毛状部に気体又は液体を供給する手段を備えた構成としたため、家具等の隅部等の除去し難い箇所に溜まった埃も掃き出し刷毛状部によって容易に掃き出して除去できるとともに、被清掃面に気体を吹き付けることにより、埃を浮き上がらせることができ、隅部等に溜まった埃を更に効果的に掃き出し除去することができる。また水、洗浄剤等の液体を散布しながら清掃を行うと、表面にこびり付いた頑固な汚れも容易に除去することができ、効果的な清掃を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の清掃具の一例を示し、1は清掃具本体、2は柄である。図2に示すように清掃具本体1は、シート状基材3の一方の面側に拭き取り繊維束4が一体に設けられ、他方の面側には柄取付部5が一体に設けられて構成されている。柄2は挿入杆6と把持部7とを有している。清掃具本体1の柄取付部5は筒状に構成されており、柄2の挿入杆6が挿入されて柄2が取り付けられ、ハンドモップとして使用できるように構成されている。
【0009】
清掃具本体1におけるシート状基材3としては、紙、合成樹脂シート、不織布等のシートが用いられるが、不織布が好ましい。不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができるが、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布が好ましい。不織布を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、複合繊維のいずれでも良い。不織布は、坪量20g/m〜100g/m程度のものが好ましい。合成樹脂シートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のシートが用いられる。シート状基材3の周縁には必要に応じて複数の短冊状片8が設けられていても良く、本実施例では、柄取付部5の両側に複数の短冊状片8が設けられている。短冊状片8は、シート状基材3に切れ込みを入れる等の方法で形成することができる。シート状基材3は1枚で構成する場合に限らず、2枚以上を重ね合わせて構成することもできる。複数枚のシートを重ね合わせてシート状基材3を構成する場合、同一種類のシートを重ね合わせる場合に限らず、材質や色等の異なるシートを重ね合わせて用いることもできる。
【0010】
繊維束4は、多数の繊維を束ねて形成したものであり、各繊維がバラバラとならない程度に複数の繊維が纏められたものを用いることができるが、必要に応じて部分的に融着、接着等により繊維相互が結合されているものでも良い。繊維束4は、例えば多数の長繊維をシート状に束ねたものを適宜間隔ごとに、繊維の長手方向と直交する方向に接合した後、接合部と接合部の中間部を切断する等の方法で得ることができる。繊維束4を構成する繊維としては、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、繊維相互を部分的に熱融着して結合する場合には、芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維が、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。繊維束4を構成する繊維は0.01mm〜0.3mm径程度の太さのものが使用される。繊維束4は、繊維の材質、太さ、色等が同一のもののみで構成されていても、これらの異なる2以上の繊維で構成されていても良い。また繊維束4は、2以上の繊維束を重ね合わせて構成することもできる。2以上の繊維束を重ねて用いる場合、太さ、繊維の色、構成する繊維の種類が異なる繊維束を、任意に組み合わせることができる。色の異なる繊維束を重ねて用いると、清掃具の意匠性を向上することができる。2以上の繊維束を重ねて用いる場合、特に細い繊維からなる繊維束と、太い繊維からなる繊維束とを交互に重ね合わせて用いると、腰の強い太い繊維は埃の掃き出し効果が高く、細い繊維は掃き出された埃を取り込む効果が高いため、効果的な清掃を行うことができるとともに、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与するため好ましい。細い繊維としては、0.01mm〜0.05mm径のものが好ましい。また太い繊維としては、上記細い繊維よりも太ければ良いが、0.06mm〜0.3mm径の太さのものが好ましい。繊維の太さや繊維の種類、色等の異なる繊維束を複数重ねて用いる場合、重ね合わせ数に特に制限はないが、通常は2〜10が好ましい。繊維束4は、例えば幅広の一本の線状接合部9においてシート状基材3と一体に接合されているが、更に間欠的な点状接合部10において接合しても良い。繊維束4とシート状基材3が相互に熱融着可能な素材からなる場合には、熱融着、接着等により、繊維束4とシート状基材3とを接合一体化することができ、熱融着が不可能な素材からなる場合には接着により接合一体化される。接着剤としては、エマルジョン型接着剤、2液硬化型接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、エラストマー系接着剤、熱硬化樹脂系接着剤、瞬間接着型接着剤、ホットメルト型接着剤等を用いることができるが、ホットメルト型接着剤が好ましい。また着色した接着剤も使用することができる。
【0011】
柄取付部5はシート状基材3と同様の紙、合成樹脂シート、不織布等のシートよりなり、柄2の挿入杆6の挿入側が少なくとも開口した筒状に形成されている。柄取付部5を構成するシートは、シート状基材3と同種のものでも異種のものでも良いが、シート状基材3との熱融着性を有する素材からなる場合には、熱融着、接着等によりシート状基材3に接合一体化され、シート状基材3との熱融着性を有さない素材からなる場合には接着によりシート状基材3に接合一体化される。柄取付部5とシート状基材3とは、繊維束4とシート状基材3とが接合一体されている線状接合部9と重なる位置において接合しても良いが、更に広範囲において接合一体化されていても良い。
【0012】
清掃具本体1は、シート状基材3と繊維束4との間や、繊維束4の外側面等に、更に短冊状の刷毛片を設けた紙、合成樹脂、不織布等のシートやフィルムを接合一体化した構成を有するものであっても良い。
【0013】
清掃具本体1に取り付けられる柄2における挿入杆6には、図3、図4に示すように掃き出し刷毛状部11と、該掃き出し刷毛状部11に気体又は液体を供給する供給孔12が設けられている。掃き出し刷毛状部11は、例えば図6に示すように、複数の繊維を束ねてシート状としたものを、供給孔12を設けたパイプ13に巻き付けて取付け、このパイプ13を挿入杆6の凹溝14内に嵌め込んで取付けることにより、挿入杆6に設けることができる。掃き出し刷毛状部11を挿入杆6に設ける方法は、上記した構造に限らず任意の取付構造を採用することができるが、掃き出し刷毛状部11の着脱が可能な取付構造を採用することが好ましく、掃き出し刷毛状部11を着脱可能に取り付けると、掃き出し刷毛状部11が汚れても容易に交換することができる。掃き出し刷毛状部11の突出長さは、繊維束4の繊維の突出長さと同等乃至それ以下とすることが好ましい。
【0014】
本実施例の清掃具は、気体供給手段としてブローワー15(図5)を設けた場合を示し、掃き出し刷毛状部11に気体又は液体を供給する供給孔12が設けられたパイプ13は、把持部7に設けられたブローワー15に連結され、ブローワー15を握って圧縮することにより、空気がパイプ13を経て供給孔12から放出されるように構成されている。図5において、16はブローワー15の吸気口17からブローワー15内へ吸気する方向に開く逆止弁、18はブローワー15の排気口19から空気を放出する方向に開く逆止弁である。上記実施例では、ブローワー15が柄2の把持部7内に収納されて設けられている場合を示したが、ブローワー15は柄2とは別体に設けられていても良い。また気体供給手段はブローワーに限らず、特に図示しないが圧縮空気等の気体を収納したボンベや、圧縮空気を蓄える空気貯留部と該空気貯留部に空気を送り込むピストンとから構成されたもの等、供給孔から気体を放出できるものであればいかなる構成のものであっても良く、気体も空気に限られないが低コストの空気が好ましい。本発明の清掃具は、パイプ13がブローワー15等の気体供給手段に接続されたものに限らず、液体供給手段と接続された構成としても良い。液体供給手段から供給される液体としては、水、洗剤、ワックス等を用いることができる。液体供給手段としては、液剤を収納したスプレーボトルやスプレーボンベ等が挙げられ、パイプ13に接続して用いることができる。
【0015】
掃き出し刷毛状部11を構成する繊維としては、繊維束4を構成する繊維よりも繊度が大きく腰の強い繊維が、隅部等に溜まったゴミや埃の掃き出し効果が高いため好ましい。掃き出し刷毛状部11を構成する繊維の材質としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、羊毛、豚毛、牛毛等の天然繊維が好ましい。掃き出し刷毛状部11は繊維により構成する場合に限らず、図7(a)、(b)に示すように紙、合成樹脂、不織布等のシートにより構成することができる。図7(a)は不織布等のシートに短冊状の切れ込みを入れて掃き出し部11aを設けて掃き出し刷毛状部11を構成した例を、図7(b)は不織布等のシートの端縁部に凹凸状の掃き出し部11aを設けて掃き出し刷毛状部11を構成した例を示す。掃き出し刷毛状部11を繊維シートで構成する場合も、不織布等のシートで構成する場合も、各々2層以上を積層して用いることができる。また掃き出し刷毛状部11は、繊維シートの1層以上と、不織布や合成樹脂等のシートの1層以上との複合体で構成することができる。特に供給孔12から液剤を供給する場合、掃き出し刷毛状部11を不織布により構成する場合には、不織布が散布された液剤で濡れて液剤の拭き取り効果低下をきたさないよう、不織布内面側に合成樹脂フィルムやシートを複合化して用いることが好ましい。
【0016】
上記清掃具本体1には、図2に示すようにシート状基材3を貫通する貫通孔20が設けられている。貫通孔20は、図8に示すように柄挿入部5の下側面と、シート状基材3及び繊維束4を貫通して設けられるが、シート状基材3と繊維束4の接合部9に、接合部9の幅よりも狭く、接合部9の長さよりも短い孔を設け、貫通孔20の周囲が接合部9によって囲まれるように設けることが好ましい。貫通孔20を接合部9の幅や長さよりも大きく形成すると、繊維束4の繊維が脱落する虞がある。
【0017】
柄取付部5とシート状基材3とは、図8(a)、(b)に示すように筒状の柄取付部5周面の下半面がシート状基材3と接合部21において接合されていることが好ましい。本発明の清掃具は図9に示すように、柄2を清掃具本体1に取り付けた際に、挿入杆6に設けられた掃き出し刷毛状部11がシート状基材3の繊維束4側に表出されるように構成されている。柄2の挿入杆6の上面は凸状に盛り上がった外形形状を有しているため、挿入杆6を柄取付部5に挿入すると、図8(a)、(b)に示すように挿入杆6が柄取付部5が上下に押し広げる結果、貫通孔20が広げられ、掃き出し刷毛状部11を貫通孔20内に挿嵌させて繊維束4側に表出させることが容易となるが、柄挿入部5周面の下半面がシート状基材3と接合部21において接合されていると、貫通孔20がより押し広げられ易く、掃き出し刷毛状部11を貫通孔20から繊維束4側に更に容易に表出させることができる。尚、柄取付部5周面の下半面をシート状基材3と接合する接合部21は、柄取付部5の下面全面にベタに設けなくても良く、間欠的に設けても良い。
【0018】
上記した本発明の清掃具は、隅部に溜まった埃を掃き出し刷毛状部11によって掃き出すとともに、ブローワー15を握って空気を吹き付けながら家具等の被清掃面を擦ることにより、供給孔12から吹き付けられる空気によって被清掃面の埃を浮き上がらせ、掃き出され、浮き上がった埃は、清掃具本体1の繊維束4に吸着されて容易に除去される。また空気の代わりに水や洗剤等の液体を供給すると、被清掃面にこびり付いた汚れも容易に除去される。液体を供給する場合には、散布した液体を吸収して被清掃面から効率良く除去し易いように、掃き出し刷毛状部11は液体を吸収し易い不織布等により構成することが好ましく、また繊維束4も吸水性の良い繊維で構成することが好ましい。上記実施例では、柄2の挿入杆6に掃き出し刷毛状部11を設けた場合を示したが、本発明の清掃具は被清掃面に気体又は液体を吹き付けることにより、家具等の隅部の埃を浮き上がらせたり、被清掃面にこび付いた汚れを浮き上がらせて除去することができ、挿入杆6は必ずしも刷毛状部11を有するものでなくても良い。
【0019】
本発明の清掃具は、清掃具本体1の片方の面側のみに繊維束4等の清掃手段を設けたものに限らず、図10に示すようにシート状基材3の拭き取り繊維束4が設けられた側とは反対側に設けられた柄取付部5の上面側に、更に清掃手段を設けたものであっても良い。図10(a)は清掃手段として不織布22を設けた例を、図10(b)は清掃手段として繊維束23を設けた例を示す。また柄取付部5の上面側に清掃手段として設ける繊維束23は、気体又は液体を吹き付ける側の面に設けられた繊維束4と同じ繊維により構成した、繊維の太さ、長さ、色、繊維密度等が同じ繊維束であっても良いが、繊維の種類、繊維の太さ、長さ、色、繊維密度等の異なる繊維束であっても良い。繊維束4と、繊維束23とを異なる繊維束で構成し、二種類の繊維束を使い分けて拭き取りを行うと、大きさ、種類等の異なる埃、塵等の拭き取りに容易に対応することができる。清掃手段として設ける不織布22は柄取付部5の上面と全面的に接合されていても良いが、図10(a)に示すように不織布22の周縁接合部24において、融着、接着等の手段により接合されていても良い。また柄取付部5の上面側に清掃手段として設ける繊維束23は、繊維束4と同様にシート状基材24に線状接合部25を介して繊維束23を接合し、このシート状基材24を接合部26によって柄取付部5の上面に接合することによって設けることができる。上記シート状基材24としてはシート状基材3と同様のものが用いられるが、同じものを用いても異なるものを用いても良い。また接合部26は接合部21と同様に、ベタに設けても間欠的に設けても良い。図10(a)、(b)に示すように、柄取付部5の上面側に不織布22や繊維束23等の清掃手段を更に設ける場合、不織布22やシート状基材24、繊維束23には、気体又は液体吹き出し用の貫通孔を有していなくても良いが、必要に応じて貫通孔を設け、柄取付部5の上面側に設けた清掃手段側にも気体又は液体を供給できるように構成しても良い。この場合、繊維束4面側は、掃き出し刷毛状部11による掃き出し作用と、気体又は液体吹き付けによる埃の浮き上がらせを可能とし、繊維束23面側は、気体又は液体の吹き付けによる埃の浮き上がらせを可能とするように構成しても良い。
【0020】
図11は本発明清掃具の異なる実施態様における柄2を示す。図11に示す柄2は、把持部7の端部から、気体又は液体供給用のボンベ30が挿入され取付けられており、ボンベ30が把持部の一部をなすように構成されている。また把持部7から挿入杆6まで直線状に構成され、挿入杆6の主部6aの上面側は平坦状に形成されている。図10(a)、(b)に示したような、上下面ともに清掃手段を設けた清掃具本体1の場合、柄2としては図11に示すように、挿入杆6と把持部7とが直線状に形成され、挿入杆6の主部6aが平坦状に形成された構造のものを用いると、清掃具本体1の下面側、上面側共に使用し易くなるため好ましい。また柄2は、挿入杆6の付け根付近27、先端部付近28を共にリブ状に形成し、当該部分が曲がり易い形状に構成すると、清掃具本体1の清掃面と被清掃面との接触がより確実に行え、清掃が容易となるため好ましい。また挿入杆6は柔軟性のある素材で構成することが好ましい。尚、図11において29は挿入杆の気体又は液体供給孔12に、気体や液体を供給するための連結管を示す。
【0021】
気体又は液体供給用のボンベ30の吐出管31は、図12に示すように把持部7内を長手方向に摺動可能に構成された押釦32に連結され、押釦32は接続チューブ33によって中継部材34と連結され、中継部材34は挿入杆6の基部35と連結されている。押釦32を図12の矢印方向に押すと、ボンベ30から供給される気体又は液体が、押釦32、接続チューブ33、中継部材34を経て挿入杆6に供給される。接続チューブ33は、押釦32の摺動に対応し得るゴムやエラストマー等の伸縮性に優れた素材で形成したり、長めのチューブを用いて押釦32と中継部材34との間を接続して接続チューブ33を形成することが好ましい。
【0022】
挿入杆6の主部6a下面側の凹溝14内には、図13、14に示すように、気体又は液体供給孔12を備えた供給パイプ36が取り付けられ、供給パイプ36は図14に示すように連結管29と連結されている。供給パイプ36の周囲には枠体37が取付けられ、掃き出し刷毛状部11を、枠体37と押さえ板38との間に挟み込み、押さえ板38を枠体37に係止させることにより、掃き出し刷毛状部11が取り付けられている。この掃き出し刷毛状部11は、図15に示すように繊維集合体の繊維方向と直交する方向に繊維を接合する幅広の接合部39に、供給パイプ36の供給孔12に対応した貫通孔40を設けて構成されている。また押さえ板38の供給孔12と対応する箇所にも、貫通孔41が設けられ、供給パイプ36の供給孔12から供給される気体又は液体は、貫通孔40、41を通過して被清掃面に放出されるように構成されている。
【0023】
本発明の清掃具は、使い捨てタイプの清掃具として利用され、使用後は清掃具本体1を柄2より抜き出して新しい清掃具本体1と交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明清掃具の一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う縦断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う縦断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う縦断面図である。
【図6】掃き出し刷毛状部の一態様を示す斜視図である。
【図7】掃き出し刷毛状部の他の態様を示す斜視図である。
【図8】柄取付部に挿入杆を挿入する際の状態を説明するための縦断面図である。
【図9】清掃具本体に柄を取り付けた状態におけるII−II線に沿う縦断面図である。
【図10】清掃具本体の異なる態様を示す縦断面図である。
【図11】柄の異なる態様を示す斜視図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う縦断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿う縦断面図である。
【図14】図11のXIV−XIV線に沿う縦断面図である。
【図15】掃き出し刷毛状部の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 清掃具本体
2 柄
3 シート状基材
4 拭き取り繊維束
5 柄取付部
6 挿入杆
7 把持部
9 線状接合部
10 点状接合部
11 掃き出し刷毛状部
12 気体又は液体供給孔
15 ブローワー
20 貫通孔
22 拭き取り用不織布
23 繊維束
30 ボンベ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材の一方の面に拭き取り繊維束が一体に設けられ、他方の面には袋状の柄取付部が一体に設けられた清掃具本体と、気体又は液体を供給する供給孔を有し清掃具本体の柄取付部に挿入される挿入杆と、把持部とを有する柄と、挿入杆の供給孔への気体又は液体供給手段とからなり、清掃具本体には柄の挿入杆に設けられた供給孔から気体又は液体をシート状基材の繊維束側に表出させるための貫通孔が、袋状の柄取付部内からシート基材を貫通して設けられていることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
シート状基材の一方の面に拭き取り繊維束が一体に設けられ、他方の面には袋状の柄取付部が一体に設けられた清掃具本体と、清掃具本体の柄取付部に挿入され、掃き出し刷毛状部と該刷毛状部に気体又は液体を供給する供給孔とを設けた挿入杆と、把持部とを有する柄と、挿入杆の供給孔への気体又は液体供給手段とからなり、清掃具本体には柄の挿入杆に設けられた掃き出し刷毛状部をシート状基材の繊維束側に表出させるための貫通孔が、袋状の柄取付部内からシート基材を貫通して設けられていることを特徴とする清掃具。
【請求項3】
掃き出し刷毛状部が繊維集合体よりなる請求項2記載の清掃具。
【請求項4】
掃き出し刷毛状部を構成する繊集合体が、清掃具本体に設けられた繊維束の繊維よりも繊度の大きい繊維よりなる請求項3記載の清掃具。
【請求項5】
掃き出し刷毛状部が不織布よりなる請求項2記載の清掃具。
【請求項6】
シート状基材と繊維束との接合部に、周囲を接合部に囲繞されて貫通孔が設けられている請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項7】
柄取付部が少なくとも一方が開口した筒状体よりなり、筒状体周面の下半面はシート状基材と接合一体化されている請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項8】
掃き出し刷毛状部が、挿入杆に着脱自在に取り付けられている請求項2記載の清掃具。
【請求項9】
シート状基材の拭き取り繊維束が設けられた側と反対側に設けられた柄取付部の上面側に、更に清掃手段が設けられている請求項1又は2記載の清掃具。
【請求項10】
柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段が、不織布よりなる請求項1又は2記載の清掃具。
【請求項11】
柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段が、繊維束よりなる請求項1又は2記載の清掃具。
【請求項12】
柄取付部の上面側に更に設けられた清掃手段としての繊維束が、気体又は液体供給面側に設けられた拭き取り繊維束とは異なる繊維束よりなる請求項11記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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