説明

清掃用具

【課題】毛体群の被清掃物との接触面積を多くすることができ、床等の角部を清掃する際の清掃効率を高めることができる清掃用具を提供する。
【解決手段】略C字形をなし、少なくとも外周に毛体群3を保持してある保持部21及び該保持部21の両端から外方へ突出し、柄体1の先端部に取付けられる連結部を有する保持体2を備え、柄体1の先端部に、前記連結部が嵌入されている嵌入孔及び毛体群3の内側に配されて保持部21と対向し、該保持部21の変形を抑止するための板状の抑止部14を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は柄体の先端部に毛体群が設けられている清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
浴場などの床、浴槽内等を清掃するための清掃用具は、柄体の先端部に、該柄体の長手方向に対して傾斜する板状の取付部が設けられ、該取付部の下面に、清掃材が保持されている保持体が取付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−210381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のような清掃用具は、柄体の先端部に設けられている板状の取付部の下面に清掃材が設けられるため、浴場等の床を清掃する際、角部の床面と壁面とを同時に清掃することができず、清掃効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は略C字形をなす環部を有し、該環部の周りに毛体群を保持してある保持体を設け、環部の周りで環状をなしている前記毛体群の内側に配されて前記環部と対向し、該環部の変形を抑止するための抑止部を柄体の先端部に設けることにより、角部の床面と壁面とを同時に清掃することができ、床等の角部を清掃する際の清掃効率を高めることができる清掃用具を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は保持体を撚線により形成し、毛体群を前記撚線の線間に保持してある構成とすることにより、毛体群を保持体に簡易に保持することができる清掃用具を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は前記抑止部を板状とすることにより、抑止部の剛性を高めることができる清掃用具を提供することにある。
【0008】
また、他の目的は前記抑止部を、柄体の長手方向に対して傾斜する方向に配することにより、柄体を把持しての清掃作業性を高めることができるとともに、清掃時に毛体群に加わる力で保持体が変形するのをより一層抑止することができる清掃用具を提供することにある。
【0009】
また、他の目的は前記柄体の先端で、且つ該柄体の長手方向と直交する二つの位置から前記柄体の長手方向と平行的に嵌入孔を設けることにより、保持体の取付部の剛性を高めることができる清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る清掃用具は、柄体の先端部に毛体群が設けられている清掃用具において、略C字形をなし、少なくとも外周に前記毛体群を保持してある保持部及び該保持部の両端から外方へ突出している連結部を有する保持体を備え、前記柄体の先端部に、前記連結部が嵌入されている嵌入孔及び前記毛体群の内側に配されて前記保持部と対向し、該保持部の変形を抑止するための抑止部を設けてあることを特徴とする。
【0011】
この発明にあっては、角部の床面と壁面とを同時に清掃することができ、床等の角部を清掃する際の清掃効率を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る清掃用具は、前記保持体は撚線により形成され、前記毛体群は前記撚線の線間に保持されていることを特徴とする。
この発明にあっては、毛体群を保持体に簡易に保持することができ、兼価にできる。
【0013】
また、本発明に係る清掃用具は、前記抑止部は板状をなしていることを特徴とする。
この発明にあっては、抑止部の剛性を高めることができ、清掃時に毛体群に加わる力で保持体が変形するのをより一層抑止することができる。
【0014】
また、本発明に係る清掃用具は、前記抑止部は、前記柄体の長手方向に対して傾斜する方向に配されていることを特徴とする。
この発明にあっては、柄体の長手方向に対して毛体群を傾斜させることができ、柄体を把持しての清掃作業性を高めることができ、しかも、清掃時に毛体群に加わる力で保持体が変形するのをより一層抑止することができる。
【0015】
また、本発明に係る清掃用具は、前記嵌入孔は前記柄体の先端で、且つ該柄体の長手方向と直交する二つの位置から前記柄体の長手方向と平行的に配してあることを特徴とする。
この発明にあっては、保持体の取付部の剛性を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、角部の床面と壁面とを同時に清掃することができ、床等の角部を清掃する際の清掃効率を高めることができる。
また、本発明によれば、毛体群を保持体に簡易に保持することができる。
また、本発明によれば、抑止部の剛性を高めることができ、清掃時に毛体群に加わる力で保持体が変形するのをより一層抑止することができる。
また、本発明によれば、柄体を把持しての清掃作業性を高めることができるとともに、清掃時に毛体群に加わる力で保持体が変形するのをより一層抑止することができる。
また、本発明によれば、保持体の取付部の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る清掃用具の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る清掃用具の構成を示す側面図である。
【図3】本発明に係る清掃用具の構成を示す拡大した縦断側面図である。
【図4】本発明に係る清掃用具の構成を示す柄体の底面図である。
【図5】本発明に係る清掃用具の保持体の構成を示すもので、(a) は正面図、(b) は側面図である。
【図6】本発明に係る清掃用具の保持体が毛体群を保持する過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は清掃用具の構成を示す正面図、図2は清掃用具の構成を示す側面図、図3は清掃用具の構成を示す拡大した縦断側面図、図4は清掃用具の構成を示す柄体の底面図である。
【0019】
本発明に係る清掃用具は、棒状の柄体1と、該柄体1の先端部に取付けられている保持体2と、該保持体2に保持されている毛体群3とを備える。
【0020】
柄体1は、元側柄部11と、該元側柄部11の先端に取外しを可能に継合されている先側柄部12とを有する。先側柄部12の先端部には、柄体1の長手方向とほぼ直交する端面1aと、該端面1aで、且つ前記長手方向と直交する二つの位置から前記長手方向と平行的に開設されている二つの嵌入孔13と、端面1aの周縁部から前記長手方向に対して傾斜する方向へ突出し、前記保持体2と対向して該保持体2の変形を抑止する抑止部14とが設けられており、合成樹脂材にて一体に成形されている。
【0021】
抑止部14は、図1、図3に示すように平面視略楕円形の板状をなし、長手方向中央部の一側が先側柄部12の半周面部に連なる。抑止部14の下面には周縁部よりも内側が窪む凹所14a及び該凹所14a内で下方へ突出する複数のリブ14bが設けられ、端面1aが凹所14aに開放されている。
【0022】
図5は保持体2の構成を示すもので、(a) は正面図、(b) は側面図、図6は保持体2が毛体群3を保持する過程を示す説明図である。尚、図3及び図5の保持体2は、撚線の形状を省略し、単線形状に表示してある。
【0023】
保持体2は、略C字形をなす保持部21及び該保持部21の両端から外方へ平行的に突出し、嵌入孔13へ嵌入される二つの連結部22,22を有し、2本の金属線を撚合わせてなる撚線2aにより形成されている。保持部21は抑止部14に対応して平面視略楕円形をなし、抑止部14の周縁部下面に保持部21が対向し、保持部21が上方へ変形するのを抑止部14が防ぐように構成されている。
【0024】
毛体群3は、比較的短い寸法の複数の毛体3aを束ねてなり、撚線2aを構成する2本の金属線が図6に示すように撚合わされるとき、複数の毛体3aの長手方向中央部が順次金属線間に挾持され、毛体3aが撚線2aの撚り方向に偏倚しつつ撚線2aの周りに螺旋状に配され、毛体3aの両端側が撚線2aの外側に配され、全体が棒状になる。そして、撚線2aが略C字形に湾曲されことにより、毛体群3が保持部21の全周面に配され、保持部21周りの毛体3aの量が多くなる。
【0025】
以上のように構成された清掃用具は、撚線2aにて毛体群3を保持してなる保持体2の連結部22,22が加熱手段にて加熱された状態で該連結部22,22が二つの嵌入孔13,13に嵌入されることにより、嵌入孔13の内周部が溶融化し、保持体2が先側柄部12の先端に取付けられる。この際、二つの連結部22,22は離隔して対向し、離隔して開設されている二つの嵌入孔13,13に連結部22,22が嵌入固定されるため、保持体2の取付部の剛性を高めることができる。
【0026】
先側柄部12に保持体2にて取付けられた毛体群3は略C字形をなす保持部21の全周面に配され、両端部が抑止部14の周面よりも外方にあり、抑止部14を覆っている。換言すると略C字形をなす保持部21の全周面に配されている毛体群3の外側部分よりも内側に抑止部14が配され、該抑止部14を毛体群3が覆っている。
【0027】
以上のように構成された清掃用具にて例えば浴場を清掃する場合、毛体群3の下面側が床に接触し、毛体群3の周縁側が角部の壁に接触した状態で擦ることができるため、角部の床、壁の清掃を効率的に行うことができる。
【0028】
また、連結部22,22が嵌入孔13,13に嵌入固定された保持部21は抑止部14の周縁部下面に当接し、保持部21が上方へ変形するのを抑止部14が抑止しているため、撚線2aにて毛体群3を保持してなる簡易構造の保持体2が、清掃時に毛体群3に加わる力で変形するのを防ぐことができる。
【0029】
なお、以上説明した実施の形態では、保持部21を略楕円形としたが、その他、保持部21は略長円形、略丸形をなす形状であってもよく、保持部21の形状は特に制限されない。また、保持部21の両端から外方へ突出する連結部22,22は、図5のように離隔している他、二つが重なる構成しとしてもよい。この場合、嵌入孔13は一つとなる。
【0030】
また、以上説明した実施の形態では、毛体群3が保持部21の全周面に配される構成としたが、その他、毛体群3は保持部21の内周になく、外周にある構成としてもよい。この場合、例えば棒状をなす保持部の周方向一部を除く他の周面に複数の毛体3aを、植毛、溶着等の結合手段にて結合し、非毛体側が内周となるように保持部が略C字形に湾曲されことにより、毛体群3が保持部21の外周に配される。
【0031】
また、以上説明した実施の形態では、抑止部14を平面視略楕円形の板状をなす構成としたが、その他、保持部21に対応する環状であってもよく、抑止部14の形状は特に制限されない。
【符号の説明】
【0032】
1 柄体
13 嵌入孔
14 抑止部
2 保持体
21 保持部
22 連結部
3 毛体群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄体の先端部に毛体群が設けられている清掃用具において、略C字形をなし、少なくとも外周に前記毛体群を保持してある保持部及び該保持部の両端から外方へ突出している連結部を有する保持体を備え、前記柄体の先端部に、前記連結部が嵌入されている嵌入孔及び前記毛体群の内側に配されて前記保持部と対向し、該保持部の変形を抑止するための抑止部を設けてあることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記保持体は撚線により形成され、前記毛体群は前記撚線の線間に保持されている請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記抑止部は板状をなしている請求項1又は2に記載の清掃用具。
【請求項4】
前記抑止部は、前記柄体の長手方向に対して傾斜する方向に配されている請求項3に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記嵌入孔は前記柄体の先端で、且つ該柄体の長手方向と直交する二つの位置から前記柄体の長手方向と平行的に配してある請求項1から4のいずれか一つに記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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